(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記検出部による検出結果に基づいて、前記切替部が前記書き込み先を切り替えるタイミングと、前記第1出力部がデータを出力するタイミングと、の少なくともいずれかを制御する制御部を備えることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明にかかる表示装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態1)
(実施の形態1にかかる表示装置)
図1は、実施の形態1にかかる表示装置の一例を示す図である。
図1に示すように、実施の形態1にかかる表示装置100は、第1出力部110と、第2出力部120と、レジスタ131〜134,…と、カラムドライバ141〜144,…と、冗長レジスタ151と、カラム制御回路160と、確認用I/O170と、図示しない表示画面と、を備える。表示装置100の表示画面については後述するが(たとえば
図2参照)、表示装置100の表示画面におけるカラム(列)およびロウ(行)の組み合わせによって特定される各表示セルは、それぞれN個の画素(N画素とする)を含む。Nは1以上の自然数である。
【0012】
第1出力部110は、表示装置100における表示画面(たとえば
図2参照)に含まれる複数のカラム(複数の画素群)に表示させるための各データを順次出力する。なお、複数のカラム(複数の画素群)は、表示画面の全カラムのうちの一部のカラムであってもよい。第1出力部110から出力されたデータは分岐されてレジスタ131〜134,…のそれぞれへ入力される。すなわち、レジスタ131〜134,…のそれぞれには、第1出力部110から出力される同一のデータが順次入力される。
【0013】
たとえば、第1出力部110は、表示装置100における動作クロックごとに、第1カラムのデータ、第2カラムのデータ、第3カラムのデータ、第4カラムのデータ、…、第1カラムのデータ、…のように各データを順次、レジスタ131〜134,…のそれぞれへ出力する。
【0014】
具体的には、第1出力部110は、データバスI/O111と、レジスタ112,113と、データ処理回路114と、を含む。データバスI/O111には、たとえば上述した複数のカラムに表示させるための各データ(それぞれNビット)が入力される。データバスI/O111は、入力された各データをレジスタ112へ順次出力する。
【0015】
レジスタ112は、データバスI/O111から出力されたデータを格納し、格納したデータをレジスタ113へ出力するNビットのレジスタである。レジスタ113は、レジスタ112から出力されたデータを格納し、格納したデータをデータ処理回路114へ出力するNビットのレジスタである。
【0016】
データ処理回路114は、レジスタ113から出力されたデータに対する処理(一例としては判定処理)を行う。そして、データ処理回路114は、処理を行ったデータを分岐して、分岐した各データをレジスタ131〜134,…のそれぞれへ出力する。
【0017】
このように、第1出力部110においては、パイプライン化された各回路(レジスタ112,113およびデータ処理回路114)によって、表示装置100の動作クロックに基づくタイミングでデータが伝送される。このため、設計の誤り等の各種の要因により、第1出力部110からデータが出力されるタイミングに誤差が生じ得る。なお、第1出力部110における各回路(データバスI/O111、レジスタ112,113およびデータ処理回路114)については、順序を入れ替えてもよいし、一部の回路を省いてもよいし、回路を追加してもよい。
【0018】
第2出力部120は、第1出力部110からレジスタ131〜134へ特定のカラムに表示させるためのデータが出力されるタイミングにおいて、第1の値を冗長レジスタ151へ出力する。ここでは特定のカラムを第1カラムとする。また、第2出力部120は、第1出力部110からレジスタ131〜134へ特定のカラム(第1カラム)と異なるカラム(第2カラム、第3カラム、…)に表示させるためのデータが出力されるタイミングにおいて、第2の値を冗長レジスタ151へ出力する。第2の値は第1の値と異なる値である。ここでは、第1の値を“1”とし、第2の値を“0”とする。
【0019】
具体的には、第2出力部120は、確認ビット生成部121と、レジスタ122,123と、を備える。確認ビット生成部121は、データバスI/O111によるデータの出力と同期して、上述した第1の値または第2の値(1ビット)を生成してレジスタ122へ出力する。レジスタ122は、確認ビット生成部121から出力された値を格納し、格納したデータをレジスタ123へ出力する1ビットのレジスタである。レジスタ123は、レジスタ122から出力された値を格納し、格納したデータを冗長レジスタ151へ出力する1ビットのレジスタである。
【0020】
このように、第2出力部120においては、第1出力部110と同様にパイプライン化された各回路(確認ビット生成部121およびレジスタ122,123)によってデータが伝送される。そして、レジスタ123から冗長レジスタ151へ“1”が出力されるタイミングと、第1カラムに書き込むべきデータがデータ処理回路114からレジスタ131〜134,…へ出力されるタイミングと、が一致するように調整される。
【0021】
レジスタ131〜134,…は、それぞれ表示画面の第1カラム、第2カラム、第3カラム、第4カラム、…に対応するレジスタである。レジスタ131〜134,…に書き込まれた各データは、表示画面の各カラムのうちの対応するカラムの画素に表示される。たとえば、レジスタ131に書き込まれたデータは、表示画面の第1カラムの各画素のうちの、図示しないロウ制御回路によって指定される表示画面のロウ(行)の画素に表示される。また、レジスタ132に書き込まれたデータは、表示画面の第2カラムの各画素のうちの、図示しないロウ制御回路によって指定される表示画面のロウの画素に表示される。
【0022】
たとえば、データ処理回路114から出力されたデータは、レジスタ131〜134,…のうちの、カラム制御回路160によって書き込み可能な状態に設定された1個のレジスタに書き込まれる。一方、データ処理回路114から出力されたデータは、レジスタ131〜134,…のうちの、カラム制御回路160によって書き込み不可な状態に設定された各レジスタには書き込まれない。
【0023】
カラムドライバ141〜144,…は、それぞれ表示画面の第1カラム、第2カラム、第3カラム、第4カラム、…に対応するドライバである。カラムドライバ141〜144,…は、それぞれレジスタ131〜134,…に書き込まれたデータを、それぞれ表示画面の第1カラム、第2カラム、第3カラム、第4カラム、…の各画素のうちの、図示しないロウ制御回路によって指定される表示画面の行の画素に表示させる。たとえば、カラムドライバ141は、レジスタ131に書き込まれたデータを表示画面の第1カラムの画素に表示させる。また、カラムドライバ142は、レジスタ132に書き込まれたデータを表示画面の第2カラムの画素に表示させる。
【0024】
冗長レジスタ151は、レジスタ131〜134,…と異なる1ビットのレジスタである。たとえば、カラム制御回路160によって冗長レジスタ151が書き込み可能な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ151に書き込まれる。また、カラム制御回路160によって冗長レジスタ151が書き込み不可な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ151に書き込まれない。なお、冗長レジスタ151にはたとえば初期値として“1”が書き込まれる。
【0025】
カラム制御回路160は、表示画面の各カラムのうちの第1出力部110から出力されるデータの書き込み先のカラムを順次切り替える切替部である。具体的には、カラム制御回路160は、レジスタ131〜134,…のうちの第1出力部110から出力されるデータの書き込み先のレジスタを順次切り替える。
【0026】
また、カラム制御回路160は、レジスタ131〜134,…のうちの第1カラムに対応するレジスタ131を書き込み可能な状態とする場合に冗長レジスタ151を書き込み可能な状態とする。これにより、第1出力部110からのデータの書き込み先を第1カラムとする場合に第2出力部120から出力された値が冗長レジスタ151に書き込まれる状態とすることができる。
【0027】
また、カラム制御回路160は、レジスタ131〜134,…のうちの第1カラムと異なる第2カラム、第3カラム、…に対応するレジスタ132,133,…のいずれかを書き込み可能な状態とする場合に冗長レジスタ151を書き込み不可な状態とする。これにより、第1出力部110からのデータの書き込み先を第2カラム、第3カラム、…のいずれかとする場合に第2出力部120から出力された値が冗長レジスタ151に書き込まれない状態とすることができる。
【0028】
カラム制御回路160の動作例について説明する。たとえば、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第1カラムとするタイミングにおいては、冗長レジスタ151およびレジスタ131を書き込み可能な状態にし、レジスタ132〜134,…を書き込み不可な状態にする。また、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第2カラムとするタイミングにおいては、レジスタ132を書き込み可能な状態にし、冗長レジスタ151およびレジスタ131,133,134,…を書き込み不可な状態にする。
【0029】
また、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第3カラムとするタイミングにおいては、レジスタ133を書き込み可能な状態にし、冗長レジスタ151およびレジスタ131,132,134,…を書き込み不可な状態にする。また、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第4カラムとするタイミングにおいては、レジスタ134を書き込み可能な状態にし、冗長レジスタ151およびレジスタ131〜133,135,…を書き込み不可な状態にする。
【0030】
カラム制御回路160の上記の動作により、カラムずれの発生の有無に応じて、冗長レジスタ151に書き込まれた値が異なるようにすることができる。具体的には、カラムずれが発生していない場合は冗長レジスタ151に書き込まれた値は“1”になり、カラムずれが発生している場合は冗長レジスタ151に書き込まれた値は“0”になる。
【0031】
カラムずれは、表示画面の各カラムのうちの第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきカラムと、表示画面の各カラムのうちの第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるカラムと、のずれである。このカラムずれは、第1出力部110からレジスタ131〜134,…へのデータの出力のタイミングと、カラム制御回路160による書き込み先のカラムの切り替えのタイミングと、のずれによって生じる。このようなずれは、たとえば、パイプライン化された第1出力部110の内部におけるデータ転送のタイミングの論理的な誤りなど各種の要因によって生じる。
【0032】
なお、第1出力部110からレジスタ131〜134,…へのデータの出力のタイミングと、第2出力部120から冗長レジスタ151への値の出力のタイミングと、の間には大きなずれ(たとえば動作クロックの1周期以上のずれ)はないものとする。
【0033】
確認用I/O170は、冗長レジスタ151に書き込まれた値に基づいてカラムずれを検出する検出部である。確認用I/O170は、カラムずれの検出結果を出力する。たとえば、確認用I/O170は、冗長レジスタ151に書き込まれた値が“1”になると、表示装置100の設計開発者、使用者または管理者等にカラムずれの発生を検出したことを通知する。一例としては、確認用I/O170は、冗長レジスタ151に書き込まれた値を出力する。
【0034】
特定のカラムを第1カラムとする場合について説明したが、特定のカラムを第2以降のカラムとしてもよい。また、第1の値を“1”として第2の値を“0”とする場合について説明したが、第1の値と第2の値を入れ替えてもよいし、第1の値と第2の値を“1”、“0”と異なる値としてもよい。
【0035】
図1に示した表示装置100によれば、簡単な回路(たとえば第2出力部120、冗長レジスタ151および確認用I/O170)および制御(たとえばカラム制御回路160による制御)の追加によってカラムずれを検出することができる。すなわち、回路規模の増加を抑えつつ表示ずれ(カラムずれ)を検出することができる。
【0036】
また、たとえばホログラフィックメモリなどの記録装置に用いられる表示装置においては、人間の目では把握できないほどの速度で表示画面への書き込みが行われたり、人間には意味が把握できないデジタルデータが表示画面に書き込まれたりするが、表示装置100を用いることで表示ずれ(カラムずれ)を検出することが容易になる。
【0037】
また、レジスタ131〜134,…と異なる冗長レジスタ151を用いることで、表示画面の表示に影響を与えずに表示ずれ(カラムずれ)を検出することができる。また、冗長レジスタ151に対する値(“1”)の書き込みは、各カラムのうちの特定のカラムに対するデータの書き込みと同時に行われるため、書き込み先のカラムの切り替えに影響を与えずに表示ずれ(カラムずれ)を検出することができる。
【0038】
(実施の形態1にかかる表示装置の表示画面)
図2は、実施の形態1にかかる表示装置の表示画面の一例を示す図である。実施の形態1にかかる表示装置100は、たとえば
図2に示す表示画面200を備える。表示画面200は、複数の表示セルがマトリクス状に配置されたLCOS(Liquid Crystal On Silicon)などの表示デバイスである。
図2に示す例では、表示画面200は、ロウ211〜215およびカラム221〜226からなる5×6のマトリクス状の表示画面である。また、表示画面200の各表示セルはそれぞれN個の画素を含む(N画素)。すなわち、表示画面200は、5×6×N画素の表示画面である。
【0039】
表示画面200においては、一行ずつ、同時にN画素ずつ走査しながら書き込みが行われる。たとえば、最初にロウ211およびカラム221に対応する表示セルのN画素に対する書き込みが行われ、次にロウ211およびカラム222に対応する表示セルのN画素に対する書き込みが行われる。このように、ロウ211の各表示セルに対してカラムを順次切り替えながら書き込みを行い、ロウ211の各表示セルに対する書き込みが終わると、次にロウ212の各表示セルに対する書き込みが行われる。
図1に示したカラム制御回路160は、これらの制御のうちの書き込み先のカラムの切り替えを行う。
【0040】
ただし、実施の形態1にかかる表示装置100の表示画面は、
図2に示した表示画面200に限らず、たとえば、表示画面200より多い表示セルを有する表示画面や、表示画面200より少ない表示セルを有する表示画面であってもよい。また、実施の形態1にかかる表示装置100の表示画面は、ロウが1つでカラムが複数(たとえば1×6)の表示画面であってもよい。
【0041】
(実施の形態1にかかる表示装置を適用可能な記録装置)
図3は、実施の形態1にかかる表示装置を適用可能な記録装置の一例を示す図である。実施の形態1にかかる記録装置300は、光源301と、コリメートレンズ302と、偏光可変素子303と、PBSプリズム304と、ビームエキスパンダ306と、位相マスク307と、リレーレンズ308と、PBSプリズム309と、LCOS310と、リレーレンズ311と、空間フィルタ312と、対物レンズ313と、ミラー314と、ミラー315と、ガルバノミラー316と、スキャナレンズ317と、光情報記録媒体318と、1/4波長板319と、ガルバノミラー320と、撮像素子321と、制御部322と、を備える。
【0042】
記録装置300は、LCOS310により空間的に変調した信号光を光情報記録媒体318に照射することで光情報記録媒体318に情報を記録する。また、記録装置300は、光情報記録媒体318に参照光を照射することで得られる再生光を撮像素子321によって電気信号に変換することで情報を読み出す。
【0043】
光源301は、光ビームをコリメートレンズ302へ出射する。光源301から出射される光ビームは、たとえば所定の直線偏光の連続光とすることができる。光源301には、たとえばLD(Laser Diode:レーザダイオード)を用いることができる。コリメートレンズ302は、光源301から出射された光ビームを所定のビーム径の光ビームにコリメートし、コリメートした光ビームを偏光可変素子303へ出射する。
【0044】
偏光可変素子303は、制御部322から供給される駆動波形に応じて、コリメートレンズ302から出射される光ビームの偏光状態を調整する。たとえば、偏光可変素子303は、光情報記録媒体318への情報の記録時には、光ビームの偏光状態を、P偏光およびS偏光を含む偏光状態とする。
【0045】
また、偏光可変素子303は、光情報記録媒体318からの情報の再生時には、光ビームの偏光状態をS偏光とする。偏光可変素子303は、偏光状態を調整した光ビームをPBSプリズム304へ出射する。偏光可変素子303には、たとえばFLC(Ferroelectric Liquid Crystal:強誘電性液晶)やAFLC(Anti Ferroelectric Liquid Crystal:反強誘電性液晶)、TN(Twisted Nematic)液晶などを用いることができる。
【0046】
PBSプリズム304は、偏光可変素子303から出射されたP偏光の光ビームを透過させて、信号光としてビームエキスパンダ306へ出射するPBS(Polarization Beam Splitters:偏光ビームスプリッタ)である。また、PBSプリズム304は、偏光可変素子303から出射されたS偏光の光ビームを反射させて、参照光としてミラー314へ出射する。これにより、光情報記録媒体318への情報の記録時には、P偏光の信号光がビームエキスパンダ306へ出射され、S偏光の参照光がミラー314へ出射される。また、光情報記録媒体318からの情報の再生時には、S偏光の参照光がミラー314へ出射される。
【0047】
ビームエキスパンダ306は、PBSプリズム304から出射された信号光のビーム経を所定のビーム経に拡張し、ビーム経を拡張した信号光を位相マスク307へ出射する。ビームエキスパンダ306から位相マスク307へ出射された信号光は、位相マスク307およびリレーレンズ308を介してPBSプリズム309へ出射される。
【0048】
PBSプリズム309は、リレーレンズ308から出射されたP偏光の信号光を透過させてLCOS310へ出射する。また、PBSプリズム309は、LCOS310から出射された信号光を反射させてリレーレンズ311へ出射する。PBSプリズム309からリレーレンズ311へ出射された信号光は、リレーレンズ311、空間フィルタ312の開口部および対物レンズ313を介して光情報記録媒体318へ出射される。
【0049】
LCOS310は、PBSプリズム309から出射された信号光を変調情報に基づいて空間的に変調する。たとえば、LCOS310は、制御部322から出力された2次元画像データ(変調情報)を示す駆動波形に基づく変調を行う。そして、LCOS310は、変調した信号光をPBSプリズム309へ出射する。LCOS310には、たとえばFLCやAFLCを用いることができる。
【0050】
PBSプリズム304からミラー314へ出射された参照光は、ミラー314,315を介してガルバノミラー316へ出射される。ガルバノミラー316は、ミラー315から出射された参照光を可変の角度で反射させてスキャナレンズ317へ出射する。ガルバノミラー316の角度制御は、たとえば制御部322によって行うことができる。スキャナレンズ317は、ガルバノミラー316から出射された参照光を光情報記録媒体318へ出射する。
【0051】
光情報記録媒体318には、たとえば、ニオブ酸リチウムなどのフォトリフラクティブ結晶や、感光性樹脂材料(フォトポリマ)など、各種の光情報記録媒体を用いることができる。また、光情報記録媒体318は、たとえば制御部322からの制御によって変位可能であってもよい。
【0052】
情報の記録時において、光情報記録媒体318には、対物レンズ313から出射された信号光と、スキャナレンズ317から出射された参照光と、が互いに重ねあうように入射する。これにより、光情報記録媒体318に干渉縞パターンが形成され、光情報記録媒体318は形成された干渉縞パターンをホログラムとして記録する。また、ガルバノミラー316の角度制御により、光情報記録媒体318に対する参照光の入射角度を変化させることで角度多重記録を行うことができる。本実施の形態では、このホログラムを「ページ」と呼び、ページが角度多重化されている記録領域のことを「ブック」と呼ぶ。
【0053】
情報の再生時において、光情報記録媒体318には、スキャナレンズ317から出射された参照光が入射する。1/4波長板319は、スキャナレンズ317から出射され光情報記録媒体318を透過した参照光を通過させてガルバノミラー320へ出射する。
【0054】
ガルバノミラー320は、1/4波長板319から出射された参照光を可変の角度で反射させる。ガルバノミラー320の角度制御は、たとえば制御部322によって行うことができる。このとき、ガルバノミラー320の角度制御がガルバノミラー316の角度制御と連動して行われることで、ガルバノミラー320において参照光が略垂直に反射し、参照光が1/4波長板319へ折り返される。
【0055】
したがって、スキャナレンズ317から出射され光情報記録媒体318を透過した参照光は、1/4波長板319を2回通過することによってS偏光からP偏光に変換され、光情報記録媒体318へ出射される。これにより、光情報記録媒体318に記録された情報に応じた再生光がP偏光の回折光として対物レンズ313へ出射される。
【0056】
光情報記録媒体318から対物レンズ313へ出射された再生光は、対物レンズ313およびリレーレンズ311を介してPBSプリズム309へ出射される。このとき、リレーレンズ311の間の空間フィルタ312の開口部によって、再生対象ブックからの回折光である再生光のみがPBSプリズム309へ透過する。
【0057】
PBSプリズム309は、リレーレンズ311から出射されたP偏光の再生光を透過させて撮像素子321へ出射する。
【0058】
撮像素子321は、PBSプリズム309から出射された再生光を電気信号に変換する。これにより、光情報記録媒体318に記録された情報を示す電気信号が得られる。撮像素子321は、変換した電気信号を出力する。撮像素子321から出力された電気信号は、たとえば記録装置300の外部へ出力される。撮像素子321には、たとえばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補型金属酸化膜半導体)などの固体撮像素子を用いることができる。
【0059】
制御部322は、光情報記録媒体318への情報の記録時や光情報記録媒体318からの情報の再生時において、LCOS310や偏光可変素子303などの制御を行う。
【0060】
たとえば、制御部322は、光情報記録媒体318への情報の記録時に、記録対象の情報(変調情報)を示す駆動波形をLCOS310へ供給(書き込み)するとともに、PBSプリズム304から信号光および参照光が出射されるように、偏光可変素子303に駆動波形を供給する。ただし、制御部322は、光情報記録媒体318に対する情報の記録時であっても、LCOS310に対する情報の書き込み時には、PBSプリズム304から信号光が出射されないように、偏光可変素子303に駆動波形を供給する。
【0061】
また、制御部322は、光情報記録媒体318からの情報の再生時に、PBSプリズム304から参照光のみが出射されるように、偏光可変素子303に駆動波形を供給する。
【0062】
また、制御部322は、光情報記録媒体318への情報の記録時に、ガルバノミラー316の角度制御を行うことで、記録対象のブックなどを制御する。また、制御部322は、光情報記録媒体318からの情報の再生時に、ガルバノミラー316,320の角度制御を行うことで、再生対象のブックなどを制御する。なお、
図3においては、制御部322とガルバノミラー316,320との接続関係は図示を省略している。また、制御部322は、対物レンズ313に対する光情報記録媒体318の位置を変化させることによって、記録対象のブックの移動を行ってもよい。
【0063】
図1に示した表示装置100は、たとえば記録装置300のLCOS310に適用することができる。この場合に、
図1に示したデータバスI/O111は、たとえば、制御部322からLCOS310へ出力された記録対象の情報(変調情報)を、上述したNビットのデータとして出力する。また、
図1に示した表示装置100の表示画面(たとえば
図2に示した表示画面200)は、表示した画像(信号光)をPBSプリズム309へ出射する。記録装置300に表示装置100を適用することで、たとえば
図1に示した簡単な構成によって、LCOS310におけるカラムずれを検出することが可能になる。LCOS310におけるカラムずれは、たとえば光情報記録媒体318に対するデータの書き込みの誤りの要因となる。
【0064】
このように、実施の形態1にかかる表示装置100によれば、特定のカラムに表示させるためのデータが出力されるタイミングにおいてのみ第1の値となる確認ビットを生成し、特定のカラムをデータの書き込み先とする場合にのみ確認ビットが冗長レジスタ151に書き込まれる状態とすることで、回路規模の増加を抑えつつカラムずれを検出することができる。このため、表示装置100の設計開発の容易化や、表示装置100の運用時における監視などの管理の容易化を図ることができる。
【0065】
なお、カラムずれの検出について説明したが、上述した表示装置100においてカラムとロウを入れ替えればロウずれの検出も可能になる。カラムずれとロウずれの両方を検出する構成については後述する(たとえば
図6参照)。
【0066】
(実施の形態2)
実施の形態2について、実施の形態1と異なる部分について説明する。実施の形態2においては、カラムずれの検出結果に基づいて、発生したカラムずれを自動的に解消する構成について説明する。
【0067】
(実施の形態2にかかる表示装置)
図4は、実施の形態2にかかる表示装置の一例を示す図である。
図4において、
図1に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、実施の形態2にかかる表示装置100は、
図1に示した確認用I/O170に代えてカラムずれ判定回路410を備える。
【0068】
カラムずれ判定回路410は、
図1に示した確認用I/O170と同様に、冗長レジスタ151に書き込まれた値に基づいてカラムずれを検出する検出部である。さらに、カラムずれ判定回路410は、カラムずれの検出結果をカラム制御回路160へ出力する。
【0069】
カラム制御回路160は、表示画面の各カラムのうちの第1出力部110から出力されるデータの書き込み先のカラムを切り替えるタイミング(以下、単に書き込み先カラムの切り替えタイミングと称する。)を、カラムずれ判定回路410から出力されたカラムずれの検出結果に基づいて制御する制御部である。
【0070】
たとえば、カラム制御回路160は、カラムずれ判定回路410によってカラムずれが検出された場合に、書き込み先カラムの切り替えタイミングを、カラムずれ判定回路410によってカラムずれが検出されなくなるまで変化させる。これにより、カラムずれが発生した場合に、発生したカラムずれを自動的に解消することができる。
【0071】
たとえば、カラム制御回路160によるデータの書き込み先の切り替えが、表示装置100における動作クロックの周期で行われるとする。この場合は、カラム制御回路160は、表示装置100における動作クロックの周期の長さを1単位として、書き込み先カラムの切り替えタイミングを変化させる。
【0072】
カラム制御回路160による書き込み先カラムの切り替えタイミングの変化方向は、書き込み先カラムの切り替えタイミングを早める方向、書き込み先カラムの切り替えタイミングを遅らせる方向、またはこれらの組み合わせとすることができる。一例としては、カラム制御回路160は、まず書き込み先カラムの切り替えタイミングを1単位だけ遅らせ、つぎに書き込み先カラムの切り替えタイミングを2単位だけ早め、つぎに、書き込み先カラムの切り替えタイミングを3単位だけ遅らせ、つぎに書き込み先カラムの切り替えタイミングを4単位だけ早め、…のように変化方向を交互に切り替えてもよい。
【0073】
また、カラムずれ判定回路410によるカラムずれの検出結果に基づいてカラム制御回路160による書き込み先カラムの切り替えタイミングを制御する場合について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、カラムずれ判定回路410によるカラムずれの検出結果に基づいて、第1出力部110がレジスタ131〜133,…へデータを出力するタイミングを制御してもよい。
【0074】
この場合は、第1出力部110に、レジスタ131〜133,…へデータを出力するタイミングを制御するタイミング制御部(たとえば遅延回路)を設ける。このタイミング制御部によるデータの出力のタイミングの制御方法は、上述したカラム制御回路160による書き込み先カラムの切り替えタイミングの制御方法と同様である。この場合は、第2出力部120が冗長レジスタ151へ値を出力するタイミングも、第1出力部110がデータを出力するタイミングに合うように調整される。
【0075】
このようなタイミング制御部によるデータの出力のタイミングの制御によっても、カラムずれが発生した場合に、発生したカラムずれを自動的に解消することができる。また、カラムずれ判定回路410によるカラムずれの検出結果に基づいて、このタイミング制御部によるデータの出力のタイミングの制御と、カラム制御回路160による書き込み先カラムの切り替えタイミングの制御と、の両方を行う構成としてもよい。
【0076】
このように、実施の形態2にかかる表示装置100によれば、カラムずれ判定回路410によるカラムずれの検出結果に基づいて、カラム制御回路160における書き込み先カラムの切り替えタイミングと、第1出力部110がデータを出力するタイミングと、の少なくともいずれかを制御することができる。これにより、カラムずれが発生した場合に、発生したカラムずれを自動的に解消することができる。このため、表示装置100の設計開発の容易化や、表示装置100の運用時における表示品質の向上を図ることができる。
【0077】
(実施の形態3)
実施の形態3について、実施の形態2と異なる部分について説明する。実施の形態3においては、複数のカラムに対応する複数の冗長レジスタを用いることにより、カラムずれの量や方向を検出する構成について説明する。
【0078】
(実施の形態3にかかる表示装置)
図5は、実施の形態3にかかる表示装置の一例を示す図である。
図5において、
図4に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、実施の形態3にかかる表示装置100は、
図4に示した構成に加えて冗長レジスタ552〜554を備える。
【0079】
冗長レジスタ151,552〜554は、それぞれレジスタ131〜134すなわち第1〜第4カラムに対応する。第2出力部120から出力される値(第1の値または第2の値)は、冗長レジスタ151,552〜554のそれぞれへ出力される。
【0080】
カラム制御回路160は、冗長レジスタ151,552〜554のうちの、現在のデータの書き込み先のカラムに対応する冗長レジスタに第2出力部120から出力された値が書き込まれ、現在の書き込み先でないカラムに対応する冗長レジスタに第2出力部120から出力された値が書き込まれない状態とする。
【0081】
実施の形態3にかかるカラム制御回路160の動作例について説明する。たとえば、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第1カラムとするタイミングにおいては、冗長レジスタ151およびレジスタ131を書き込み可能な状態にし、冗長レジスタ552〜554およびレジスタ132〜134を書き込み不可な状態にする。また、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第2カラムとするタイミングにおいては、冗長レジスタ552およびレジスタ132を書き込み可能な状態にし、冗長レジスタ151,553,554およびレジスタ131,133,134を書き込み不可な状態にする。
【0082】
また、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第3カラムとするタイミングにおいては、冗長レジスタ553およびレジスタ133を書き込み可能な状態にし、冗長レジスタ151,552,554およびレジスタ131,132,134を書き込み不可な状態にする。また、カラム制御回路160は、第1出力部110からのデータの書き込み先を第4カラムとするタイミングにおいては、冗長レジスタ554およびレジスタ134を書き込み可能な状態にし、冗長レジスタ151,552,553およびレジスタ131〜133を書き込み不可な状態にする。
【0083】
カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151,552〜554に書き込まれた値に基づいて、カラムずれの量を検出する。また、カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151,552〜554に書き込まれた値に基づいて、さらにカラムずれの方向を検出してもよい。
【0084】
たとえば、カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151から冗長レジスタ552〜554へと順次書き込まれた値がそれぞれ“1”、“0”、“0”、“0”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきカラムと、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるカラムと、が一致している、すなわちカラムずれが発生していないと判定することができる。この場合は、カラム制御回路160は、書き込み先カラムの切り替えタイミングを変化させない。
【0085】
また、カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151から冗長レジスタ552〜554へと順次書き込まれた値がそれぞれ“0”、“1”、“0”、“0”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきカラムに対して、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるカラムが1カラム分ずれている(遅い)と判定することができる。この場合は、カラム制御回路160は、書き込み先カラムの切り替えタイミングを1単位だけ遅らせる。これにより、カラムずれを解消することができる。
【0086】
また、カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151から冗長レジスタ552〜554へと順次書き込まれた値がそれぞれ“0”、“0”、“1”、“0”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきカラムに対して、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるカラムが2カラム分ずれている(遅い)と判定することができる。この場合は、カラム制御回路160は、書き込み先カラムの切り替えタイミングを2単位だけ遅らせる。これにより、カラムずれを解消することができる。
【0087】
また、カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151から冗長レジスタ552〜554へと順次書き込まれた値がそれぞれ“0”、“0”、“0”、“1”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきカラムに対して、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるカラムが3カラム分ずれている(遅い)と判定することができる。この場合は、カラム制御回路160は、書き込み先カラムの切り替えタイミングを3単位だけ遅らせる。これにより、カラムずれを解消することができる。
【0088】
図5に示す例では、第1〜第4カラムに対応する冗長レジスタ151,552〜554を設ける構成について説明したが、さらに、第5以降のカラムに対応する冗長レジスタを設ける構成としてもよい。これにより、4カラム分以上のカラムずれ量を検出することが可能になる。
【0089】
また、たとえば、冗長レジスタ151,552〜554のうち冗長レジスタ554を省いた構成としてもよい。この場合も、2カラム分までのカラムずれ量を検出することが可能になる。また、冗長レジスタ151,552〜554のうち冗長レジスタ553,554を省いた構成としてもよい。この場合も、1カラム分までのカラムずれ量を検出することが可能になる。
【0090】
また、特定のカラムを第1カラムとする場合について説明したが、特定のカラムを第2以降のカラムとしてもよい。たとえば、特定のカラムを第2カラムとする。この場合は、カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151から冗長レジスタ552〜554へと順次書き込まれた値がそれぞれ“0”、“1”、“0”、“0”である場合は、カラムずれが発生していないと判定することができる。この場合は、カラム制御回路160は、書き込み先カラムの切り替えタイミングを変化させない。
【0091】
また、カラムずれ判定回路410は、冗長レジスタ151から冗長レジスタ552〜554へと順次書き込まれた値がそれぞれ“1”、“0”、“0”、“0”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきカラムに対して、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるカラムが1カラム分ずれている(早い)と判定することができる。この場合は、カラム制御回路160は、書き込み先カラムの切り替えタイミングを1単位だけ早める。これにより、カラムずれを解消することができる。
【0092】
図5に示す例においては、レジスタ131〜134および冗長レジスタ151,552〜554を1個ずつ交互に配置する構成について図示しているが、レジスタ131〜134および冗長レジスタ151,552〜554の配置はこれに限らず、各種の配置とすることができる。
【0093】
このように、実施の形態3にかかる表示装置100によれば、複数のカラムに対応する複数の冗長レジスタ(たとえば冗長レジスタ151,552〜554)を用いることにより、カラムずれの量や方向を検出することが可能になる。これにより、たとえば、カラム制御回路160における書き込み先カラムの切り替えタイミングの制御によるカラムずれの解消を効率よく行うことができる。
【0094】
また、
図5に示す例では、カラムずれの検出結果に基づいてカラムずれを解消する制御を行う構成について説明したが、実施の形態3にかかる表示装置100は、このような構成に限らず、たとえば、表示装置100の設計開発者、使用者または管理者等に対して、検出したカラムずれの量や方向を通知する構成としてもよい。
【0095】
(実施の形態4)
実施の形態4について、実施の形態3と異なる部分について説明する。実施の形態4においては、カラムずれとロウずれの両方を検出する構成について説明する。
【0096】
(実施の形態4にかかる表示装置)
図6は、実施の形態4にかかる表示装置の一例を示す図である。
図6において、
図5に示した部分と同様の部分については同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、実施の形態4にかかる表示装置100は、
図5に示した構成に加えて、冗長レジスタ612,613,…と、ロウ制御回路620と、ロウずれ判定回路630と、を備える。
【0097】
表示装置100は、表示画面の各カラム(列)に対応するレジスタ131〜134,…およびカラムドライバ141〜144,…の他に、図示しないが、表示画面の各ロウ(行)に対応する複数のレジスタおよび複数のロウドライバを備える。
【0098】
第2出力部120は、第1出力部110からレジスタ131〜134へ表示画面における特定カラムかつ特定ロウの表示セルに表示させるためのデータが出力されるタイミングにおいて、第1の値(“1”)を冗長レジスタ151へ出力する。ここでは特定のカラムを第1カラム、特定のロウを第1ロウとする。この場合は、特定カラムかつ特定ロウの表示セルは、たとえば
図2に示した表示画面200の最も左上の表示セルとなる。
【0099】
また、第2出力部120は、第1出力部110からレジスタ131〜134へ表示画面の特定カラムかつ特定ロウの表示セルと異なる表示セルに表示させるためのデータが出力されるタイミングにおいて、第2の値(“0”)を冗長レジスタ151へ出力する。
【0100】
冗長レジスタ151,612,613は、それぞれ表示画面の第1〜第3ロウ(行)に対応して設けられた1ビットのレジスタである。たとえば、カラム制御回路160およびロウ制御回路620の両方によって冗長レジスタ151が書き込み可能な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ151に書き込まれる。また、カラム制御回路160およびロウ制御回路620の少なくともいずれかによって冗長レジスタ151が書き込み不可な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ151に書き込まれない。
【0101】
また、ロウ制御回路620によって冗長レジスタ612が書き込み可能な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ612に書き込まれる。また、ロウ制御回路620によって冗長レジスタ612が書き込み不可な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ612に書き込まれない。
【0102】
また、ロウ制御回路620によって冗長レジスタ613が書き込み可能な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ613に書き込まれる。また、ロウ制御回路620によって冗長レジスタ613が書き込み不可な状態に設定されると、第2出力部120から出力されたデータが冗長レジスタ613に書き込まれない。
【0103】
ロウ制御回路620は、表示画面の各ロウのうちの第1出力部110からのデータの書き込み先のロウを順次切り替えるロウ切替部である。また、ロウ制御回路620は、第1出力部110からのデータの書き込み先のロウを第1ロウとする場合に冗長レジスタ151を書き込み可能な状態とする。これにより、第1出力部110からのデータの書き込み先を第1カラムの第1ロウとする場合に第2出力部120から出力された値が冗長レジスタ151に書き込まれる状態とすることができる。
【0104】
また、ロウ制御回路620は、第1出力部110からのデータの書き込み先のロウを第2ロウとする場合に冗長レジスタ612を書き込み可能な状態とする。これにより、第1出力部110からのデータの書き込み先を第2ロウとする場合に第2出力部120から出力された値が冗長レジスタ612に書き込まれる状態とすることができる。
【0105】
また、ロウ制御回路620は、第1出力部110からのデータの書き込み先のロウを第3ロウとする場合に冗長レジスタ612を書き込み可能な状態とする。これにより、第1出力部110からのデータの書き込み先を第3ロウとする場合に第2出力部120から出力された値が冗長レジスタ613に書き込まれる状態とすることができる。
【0106】
ロウずれ判定回路630は、冗長レジスタ151,612,613に書き込まれた値に基づいて、表示画面におけるロウずれを検出するロウ検出部である。たとえば、ロウずれ判定回路630は、冗長レジスタ151,612,613に書き込まれた値がそれぞれ“1”、“0”、“0”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきロウと、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるロウと、が一致している、すなわちロウずれが発生していないと判定することができる。この場合は、ロウ制御回路620は、第1出力部110からのデータの書き込み先のロウの切り替えタイミングを変化させない。
【0107】
また、ロウずれ判定回路630は、冗長レジスタ151,612,613に書き込まれた値がそれぞれ“0”、“1”、“0”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきロウに対して、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるロウが1ロウ分ずれている(遅い)と判定することができる。この場合は、ロウ制御回路620は、第1出力部110からのデータの書き込み先のロウの切替タイミングを1単位分(ロウの切り替え周期×1)だけ早める。これにより、ロウずれを解消することができる。
【0108】
また、ロウずれ判定回路630は、冗長レジスタ151,612,613に書き込まれた値がそれぞれ“0”、“0”、“1”である場合は、第1出力部110から出力されたデータを書き込むべきロウに対して、第1出力部110から出力されたデータが実際に書き込まれるロウが2ロウ分ずれている(遅い)と判定することができる。この場合は、ロウ制御回路620は、第1出力部110からのデータの書き込み先のロウの切替タイミングを2単位分(ロウの切り替え周期×2)だけ早める。これにより、ロウずれを解消することができる。
【0109】
このように、実施の形態4にかかる表示装置100によれば、上述したカラムずれの検出と同様に、各カラムに対応する冗長レジスタ151,612,613を用いることによってロウずれを検出することができる。
【0110】
なお、
図6に示した例では、ロウずれの検出結果に基づいてロウずれを解消する制御を行う構成について説明したが、実施の形態4にかかる表示装置100は、このような構成に限らず、たとえば、表示装置100の設計開発者、使用者または管理者等に対して、検出したロウずれの量や方向を通知する構成としてもよい。
【0111】
また、
図6に示した例では、カラムずれおよびロウずれの両方を検出する構成について説明したが、実施の形態4にかかる表示装置100は、このような構成に限らず、たとえば、ロウずれのみを検出する構成としてもよい。この場合は、たとえば冗長レジスタ552〜554を省いた構成とすることができる。
【0112】
また、
図6に示した例では、ロウずれの量や検出する構成について説明したが、実施の形態4にかかる表示装置100は、このような構成に限らず、たとえば、ロウずれの発生のみを検出する構成としてもよい。この場合は、たとえば冗長レジスタ612,613を省いた構成とすることができる。
【0113】
また、
図6に示した例では、カラムずれの検出に用いる冗長レジスタ(第1レジスタ)と、ロウずれの検出に用いる冗長レジスタ(第2レジスタ)と、を冗長レジスタ151が兼ねる構成について説明したが、このような構成に限らない。たとえば、ロウずれの検出に用いる冗長レジスタ(第2レジスタ)を、冗長レジスタ151とは別に設けてもよい。
【0114】
(実施の形態5)
実施の形態5においては、一部の画素エリアへ書き込むべきデータとして時間的に変化しないデータを用いることで、回路規模の増加を抑えつつ、一部の画素エリアに書き込まれたデータに基づいてロウずれ等の表示ずれの検出を行う構成について説明する。
【0115】
(実施の形態5にかかる表示装置による画面表示)
図7は、実施の形態5にかかる表示装置による画面表示の一例を示す図である。
図7に示す表示画面700は、実施の形態5にかかる表示装置による画面表示である。
図7に示す例では、表示画面は6×7のマトリクスであるが、実施の形態5にかかる表示装置による画面表示のサイズはこれに限らない。実施の形態5にかかる表示装置は、たとえば
図3に示したLCOS310に適用することができる。
【0116】
表示画面700に含まれる画素エリア710(第2〜第7カラム)は、実施の形態5にかかる表示装置へ入力され時間的に変化する画像データに基づく画像を表示する画素エリアである。表示画面700に含まれる画素エリア720(第1カラム)は、表示画面700におけるカラムずれを確認するために使用される画素エリアである。
【0117】
実施の形態5にかかる表示装置は、たとえば、画素エリア720に含まれる特定の画素セル721が黒表示となり、画素エリア720に含まれる残りの画素セル722〜726が白表示となる画像データであって、時間的に変化しない画像データを用いて画素エリア720を駆動する。これにより、画素セル721が黒表示ではなく白表示となった場合はロウずれが発生していると判定することができる。また、ロウずれが発生した場合に、画素セル722〜726のうちのいずれの画素セルが黒表示になったかによって、ロウずれの量や方向を判定することができる。
【0118】
画素エリア720における表示の判定は、画素エリア720によって表示された画像の信号光によって検出することによって行ってもよいし、画素エリア720に含まれる各表示セルのレジスタに格納された表示用のデータを検出することによって行ってもよい。
【0119】
なお、上述した黒表示と白表示は入れ替えてもよい。また、画素エリア720のうちの画素セル721を特定の画素セルとする場合につい説明したが、画素エリア720のうちの画素セル722〜726のいずれかを特定の画素セルとしてもよい。また、画素エリア720のうちの1個の画素セルを特定の画素セルとする場合につい説明したが、画素エリア720のうちの複数の画素セル(ただし画素エリア720の一部)を特定の画素セルとしてもよい。
【0120】
図7に示した実施の形態5にかかる表示装置における表示ずれの検出は、たとえば実施の形態5にかかる表示装置の非運用時(たとえば設計開発時やアイドル時)に行うことができる。
【0121】
(実施の形態5にかかる表示装置による画面表示の他の例)
図8は、実施の形態5にかかる表示装置による画面表示の他の例を示す図である。
図8に示す表示画面700は、実施の形態5にかかる表示装置による画面表示の
図7とは異なる例である。
図8に示す例では、実施の形態5にかかる表示装置へ入力され時間的に変化する画像データに基づく画像を表示する画素エリア710を、表示画面700に含まれる第1〜第7カラムとしている。また、
図8に示す例では、実施の形態5にかかる表示装置は、画素エリア710の他にレプリカ画素エリア810を備えている。
【0122】
レプリカ画素エリア810は、画素エリア720に含まれる表示セルのレプリカである。ただし、レプリカ画素エリア810は、液晶駆動等の表示は行わず、表示用のデータを格納するレジスタなどにすることができる。また、レプリカ画素エリア810は、1個の画素セルであってもよいし、複数の画素セルであってもよい。
【0123】
実施の形態5にかかる表示装置は、レプリカ画素エリア810を、
図7に示した画素エリア720と同様に用いることで、表示画面700におけるロウずれを検出することができる。たとえば、実施の形態5にかかる表示装置は、レプリカ画素エリア810に含まれる特定の画素セルに黒表示のデータが格納され、レプリカ画素エリア810に含まれる残りの画素セルに白表示のデータが格納される画像データであって、時間的に変化しない画像データを用いてレプリカ画素エリア810を駆動する。
【0124】
また、実施の形態5にかかる表示装置は、レプリカ画素エリア810に格納されたデータを検出する検出部を備える。この検出部により、ロウずれの発生や、発生したロウずれの量や方向を判定することができる。
【0125】
このように、実施の形態5にかかる表示装置によれば、一部の画素エリア(たとえば画素エリア720やレプリカ画素エリア810)へ書き込むべきデータとして時間的に変化しないデータを用いることで、回路規模の増加を抑えつつ、一部の画素エリアに書き込まれたデータに基づいてロウずれの検出を行うことができる。また、残りの画素エリア(たとえば画素エリア710)へ書き込むべき画像データとして時間的に変化する画像データを用いることで、表示装置の運用時に近い状態でのロウずれの検出を行うことができる。
【0126】
また、
図7,
図8に示した例では、カラム方向の一部の画素セル(画素エリア720やレプリカ画素エリア810)を用いてロウずれを検出する構成について説明したが、ロウ方向の一部の画素セルを用いてカラムずれを検出する構成としてもよい。また、カラム方向の一部の画素セルおよびロウ方向の一部の画素セルを用いてロウずれおよびカラムずれの両方を検出する構成としてもよい。
【0127】
以上説明したように、表示装置によれば、回路規模の増加を抑えつつ表示ずれを検出することができる。表示ずれを検出することにより、たとえばマトリクス型の表示装置においてデータが正しい位置に書き込まれているか否かを確認することができる。