特許第6606510号(P6606510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6606510
(24)【登録日】2019年10月25日
(45)【発行日】2019年11月13日
(54)【発明の名称】拡散最適化チッピングペーパ
(51)【国際特許分類】
   A24C 5/56 20060101AFI20191031BHJP
   A24C 5/14 20060101ALI20191031BHJP
   B23K 26/382 20140101ALI20191031BHJP
   B26F 1/28 20060101ALN20191031BHJP
【FI】
   A24C5/56
   A24C5/14 A
   B23K26/382
   !B26F1/28
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-559644(P2016-559644)
(86)(22)【出願日】2015年4月1日
(65)【公表番号】特表2017-518029(P2017-518029A)
(43)【公表日】2017年7月6日
(86)【国際出願番号】AT2015050086
(87)【国際公開番号】WO2015149103
(87)【国際公開日】20151008
【審査請求日】2018年3月26日
(31)【優先権主張番号】A50252/2014
(32)【優先日】2014年4月3日
(33)【優先権主張国】AT
(73)【特許権者】
【識別番号】514133542
【氏名又は名称】タンパピエル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Tannpapier GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】特許業務法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リンドナー,ミカエル
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2005/115181(WO,A1)
【文献】 特開平07−241732(JP,A)
【文献】 特開2004−148360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24C 1/00 − 5/60
B23K 26/00 −26/70
B26F 1/00 − 3/16
A24D 1/00 − 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ製品、特にフィルタ付き紙巻タバコのための拡散最適化マウスピースライニングペーパ(4)を、一酸化炭素を最大限減少させる目的で前記マウスピースライニングペーパ(4)のウェブを穿孔することにより製造する方法において、
前記マウスピースライニングペーパ(4)のウェブが、穿孔装置によって穿孔されて、当該穿孔装置が前記マウスピースライニングペーパ(4)のウェブに穿孔を形成し、
前記マウスピースライニングペーパ(4)のウェブにおいて濃度の差によって一酸化炭素を通過させる能力を示す実際の拡散率が、前記穿孔装置の下流にある測定装置によって計量的に取得された前記ウェブの少なくとも一つのパラメータにより決定され、当該パラメータが;前記穿孔の数;前記穿孔の密度;前記穿孔のサイズ;を含むパラメータのグループから選択され、
前記マウスピースライニングペーパ(4)のウェブにおいて圧力の差によって空気を通過させる能力を示す実際の透過率Pが、前記穿孔装置の下流において測定装置により測定され、
前記穿孔装置における穿孔についてのパラメータを調整することによって、前記マウスピースライニングペーパ(4)の実際の透過率Pを、前記マウスピースライニングペーパ(4)の目標となる名目上の透過率Psollに常に合致させる一方で、前記マウスピースライニングペーパ(4)の実際の拡散率を最大化させることを特徴とする方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、達成される通気度、引きずり抵抗、および/または煙数値をあらかじめ定義することによって、目標となる前記名目上の透過率Psollがあらかじめ定義されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
請求項1または2に記載の方法において、穿孔の数もしくは穿孔の密度および/または穿孔の孔径Dに基づいて、実際の拡散率が近似的に決定されることを特徴とする、方法。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法において、ペーパ厚さdが追加的に測定されることを特徴とする、方法。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の方法において、達成可能な最小孔径Dminが設定され、かつ前記穿孔の数nを調整することによって実際の透過率Pが一定に保たれるように前記穿孔のパラメータが制御されることを特徴とする、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、使用されている前記マウスピースライニングペーパ(4)の前記達成可能な最小孔径Dminが、前記穿孔パラメータの自動または手動での変更によって調整フェーズにおいて決定されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
請求項3または請求項3を引用する請求項4乃至6の何れか1項に記載の方法において、前記孔径Dが度量衡学的に取得され、かつ前記必要な穿孔の数nが計算によって、好ましくは式
によって決定され、
ηは空気の動粘度であり、Δpはペーパの外側と内側との間の差圧であり、vは経験的に決定された透過率指数であり、rは孔半径であり、 dはペーパの厚さであることを特徴とする、方法。
【請求項8】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の方法において、前記穿孔が、ガスのイオン化によて生成されるプラズマによって穿孔され、前記イオン化が、ニードル状の電極およびレーザの少なくとも一方により生成されたエネルギーインパルスによって得られ、プラズマのエネルギー密度が、少なくとも1つのエネルギー源のエネルギーインパルスのおよそ50%〜80%のみが穿孔につながる程度まで低減され、および引き続いて前記穿孔パラメータが、前記プラズマの前記エネルギー密度の変更のために、実際の透過率Pの実際の値が目標となる前記名目上の透過率Psollと等しいところで前記穿孔の数または前記穿孔の密度がそれぞれ得られるように制御されるように、前記穿孔の孔寸法が最小化されることを特徴とする、方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記ガスがノズルを通して供給され、前記孔寸法を調整することが、以下の手段:ガス圧を変更すること、ガス流量を変更すること、ガス組成を変更すること、特に不活性ガスの濃度を変更すること、ノズルの開口領域を変更すること、前記エネルギー源の先端が前記ノズルから突出する距離を変更すること、ウェブ速度を変更することのうちの1つまたは複数によって確定されることを特徴とする、方法。
【請求項10】
請求項8または9に記載の方法において、電極(2)の電圧インパルスの周波数、持続時間、および/または振幅が変更されるように、または1つもしくは複数のレーザ光線(6)の光インパルスの出力、焦点距離、周波数、持続時間、および/または形状が変更されるように、穿孔につながる前記少なくとも1つのエネルギー源のエネルギーインパルスの数を調整することが実行されることを特徴とする、方法。
【請求項11】
請求項3または請求項3を引用する請求項4乃至10の何れか1項に記載の方法において、穿孔が複数の穿孔ヘッドによって同時に実行され、それぞれの作製される孔の前記孔径Dが決定され、データ処理システムにおいて、各穿孔ヘッドに、それによって作製される前記孔の直径が割り当てられることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化炭素の最大減の低減を達成するための、マウスピースライニングペーパの穿孔の調整方法、およびこの方法に従って製造されるマウスピースライニングペーパに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコを喫煙する間のCO濃度の減少は、一方では、それぞれタバコストランドの端部、シガレットペーパの細孔、およびラッピングペーパを通しての、またはさらに穿孔によって設けられる孔による紙巻タバコの内部への空気の導入によって行われる煙のいわゆる希釈によって、他方では、それぞれ穿孔によって設けられる紙巻タバコの内部から外部までの細孔または孔を通した一酸化炭素の拡散によって行われる。したがって、一酸化炭素の拡散は、空気の導入と同じ細孔および孔を通して行われるが、方向は反対である。また、このプロセスガスにおいて、たとえば酸素、窒素などが紙巻タバコの内部に拡散されるため、外部への一酸化炭素の拡散は、ガス交換であると考えてもよい。また、空気の導入による煙の希釈は、多くの場合、通気と呼ばれ、空気が紙巻タバコの何れの部分を通って紙巻タバコの内部に進入するかに応じて、フィルタ通気とタバコストランド通気とに区別される。
【0003】
紙巻タバコの引きずり抵抗は、希釈の広がりに関連する。前記引きずり抵抗は、喫煙時に紙巻タバコの細孔および孔から吸い込まれる新鮮な空気の体積流量がどれだけ大きいかを決定する。紙巻タバコの個々の部分の細孔および孔を通した新鮮な空気の体積流量の、紙巻タバコの口端部を通した合計体積流量に対する比は、通気度と関連し、フィルタ通気度とタバコストランド通気度との間の区別も存在する。
【0004】
通気度は、紙巻タバコの風味に実質的に影響し、変える可能性があるため、完成した紙巻タバコにおいては、均一な希釈もしくは引きずり抵抗、または均一な通気度をそれぞれ有することが望ましい。
【0005】
通気度は、シガレットペーパおよびマウスピースライニングペーパの透過率に応じて得られる。そのため、製造中に、シガレットペーパおよびマウスピースライニングペーパの両方の透過率を一定に保つことが必要である。
【0006】
使用されるベースペーパの空隙率(キャビティ体積の合計体積に対する比)などの特性とは無関係に一定の透過率を設定できるようにするために、マウスピースライニングペーパのベースペーパには、追加の調整可能な穿孔が設けられる。
【0007】
タバコストランドおよびフィルタは別として、一般的なフィルタ付き紙巻タバコまたはさらに従来の紙巻タバコチューブは、タバコストランドを包むシガレットペーパ、高多孔性のフィルタラッピングペーパ、およびマウスピースライニングペーパからなる。ライン外であるか、またはあらかじめ穿孔されたマウスピースライニングペーパが使用される場合、高多孔性のフィルタペーパが必要である。
【0008】
多くの場合、「チッピングペーパ」または省略して「チッピング」とも称されるマウスピースライニングペーパは、フィルタおよびフィルタラッピングペーパを包み込んでいる。これは、フィルタ付き紙巻タバコを喫煙する場合、紙巻タバコを喫煙する人の唇と接触するフィルタ付き紙巻タバコの部分である。通常、チッピングペーパはまた、フィルタ付き紙巻タバコの長手方向において、タバコストランドの長手領域にわずかに突出し、そこで、シガレットペーパのまわりでそれ自体を包み、接着剤接続によってそれに接続される。この接着剤接続が設定されているために、フィルタ部とタバコストランド部とが、紙巻タバコ製造機において機械的に相互接続される。チッピングペーパはほとんどの場合、実際に紙であるが、たとえば、フィルムまたはフォイルであってもよい。チッピングペーパがフィルムまたはフォイルとして構成される場合、それはセロハンからなってもよい。マウスピースライニングペーパは通常、視覚的に魅力的な印刷されたデザインを有する。この印刷されたデザインは多くの場合、コルクに類似している。
【0009】
タバコストランド端部において、マウスピースライニングペーパは通常、部分的に穿孔されているように構成され、そのため、紙巻タバコを喫煙する間、周囲からの空気がフィルタに進入し、タバコストランドから出る煙の流れと混合され、煙数値を減少させる。
【0010】
通常、マウスピースライニングペーパは、穿孔が印刷操作によって再び塞がれることを防ぐために、印刷後に穿孔される。
【0011】
マウスピースライニングペーパの下にあるフィルタラッピングペーパは、高多孔性であるように実装されるため、フィルタの領域の紙巻タバコの合計または残りの透過率は、マウスピースライニングペーパの空隙率のために制限される。マウスピースライニングペーパの空隙率は、それぞれ、穿孔によって作製される孔寸法または孔数として得られてもよい。
【0012】
したがって、残りの紙巻タバコパラメータ(シガレットペーパの空隙率、フィルタラッピングペーパの空隙率、タバコストランドの引きずり抵抗、およびフィルタの引きずり抵抗など)、ならびに通気度の所定の目標値または紙巻タバコの煙数値がそれぞれ知られている場合、マウスピースライニングペーパの透過率の名目上の値は、あらかじめ定義されてもよい。通気度および煙数値についての目標値は通常、紙巻タバコ製造業者によってあらかじめ定義されており、その結果、透過率の名目上の値は、その後にマウスピースライニングペーパ製造業者によって設けられ、マウスピースライニングペーパの製造の間、参照される可能性がある。
【0013】
マウスピースライニングペーパの透過率を、穿孔によって所定の名目上の値に調整することに役立つ先行技術における方法が存在している。
【0014】
欧州特許出願公開第0056223A2号明細書は、電気穿孔設備を調整する方法を示し、ペーパウェブの透過率は、穿孔されたペーパウェブに向けられ、通過する電磁波と反射される電磁波(たとえば、可視光)との比率として決定されている。透過率の名目上の値からの実際の値の逸脱は、火花エネルギーを調整するために使用されている。
【0015】
独国特許出願公開第3016622A1号明細書は、電気穿孔設備を調整する方法を示し、ペーパウェブの透過率が測定されている。このように得られた測定値は、放電の周波数および持続時間ならびに/またはウェブ速度により、穿孔の孔寸法または孔数を調整するために使用されている。
【0016】
独国特許出願公開第2833527A1号明細書は、電気穿孔設備を調整する方法を示し、ペーパウェブの透過率が測定されている。このように得られた測定値は、放電の周波数により穿孔の孔寸法を調整するために使用されている。これは、十分に高い周波数の場合、複数の放電が同一の穿孔を通して互いに連続するように実行され、したがって穿孔は各放電でいくぶん広げられるように行うことができる。電極を冷却するための圧縮空気が電極の端部の方向に吹きつけられることが提供されている。
【0017】
独国特許出願公開第2802315A1号明細書は、電気穿孔設備を制御する方法を示し、ペーパウェブの空隙率が試験装置で測定されている。このように得られた測定値は、放電の周波数により穿孔の孔寸法を制御するために、またはこのように穿孔数を制御するために個々の電極対のスイッチを切ることによって使用されている。
【0018】
先行技術の穿孔設備および調整方法において、一酸化炭素の拡散における穿孔の影響は、現在までのところ考慮されていない。その理由は、一酸化炭素の拡散が穿孔に影響されないという支配的な意見が現在までのところ存在していること、または一定の透過率が得られる場合には、一酸化炭素の前記拡散が穿孔によって影響され得ないことにあり得る。
【発明の概要】
【0019】
一酸化炭素の低減は、実質的な健康面の本質をなすため、一酸化炭素の拡散における穿孔の影響を研究すること、および拡散最適化マウスピースライニングペーパを開発することは、本出願人の関心事であった。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の基礎となる目的は、マウスピースライニングペーパを穿孔するための改良された方法であって、煙の一酸化炭素の減少がマウスピースライニングペーパの一定の透過率で最大化される、方法を提供することである。
【0021】
目的を達成するために、連続的なペーパウェブまたはフィルムウェブとして利用可能であるマウスピースライニングペーパの穿孔を、調整された穿孔装置で実行することが提案され、ここで、穿孔されるマウスピースライニングペーパの拡散率および透過率はインラインで、すなわち直接、穿孔機械に指定され、かつ拡散率は、あらかじめ定義可能な透過率に常に従いながら、穿孔パラメータを調整することによって最大化される。
【0022】
1つの可能性は、穿孔によって作製されるマウスピースライニングペーパの孔の孔寸法を測定すること、および一酸化炭素の最大拡散のための孔寸法が設定されるように穿孔パラメータを制御することを含む。マウスピースライニングペーパの透過率は、得られる孔寸法に応じてそれぞれ穿孔数が得られるか、または制御されるように一定に保たれる。
【0023】
この二段階の調整方法のために、穿孔による一酸化炭素の拡散が最大化され、透過率が一定に保たれることが達成される。
【0024】
以下で理論的にも説明されるように、本出願人は、個々の穿孔の孔径が最小であるときに一酸化炭素の拡散が最大であることを特定している。技術的な理由のため、孔径は任意に小さくなるように実装することができないため、本発明による方法は、印加に応じて達成可能な最小孔径に孔径を調整すること、および必要な透過率を達成するために穿孔数をそれに適合させることを含む。先行技術と比較すると、一酸化炭素の最大の減少が達成され、同時に、透過率の仕様に従うことは好適である。このように、好ましくない一酸化炭素の濃度は、紙巻タバコの風味および引きずり抵抗に影響することなく、可能な限り低減される。
【0025】
本発明による調整方法は、本出願人によって開発されたプラズマ穿孔の方法を使用して最もよく実施される。一方で、プラズマ穿孔は、何よりも非常に小さい孔径を可能にし、他方でプラズマ穿孔は、穿孔パラメータの非常に明確かつ高速な調整を可能にする。
【0026】
本発明は、図面によって可視化される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、一定の透過率Pでの孔数Nに応じた、穿孔の孔半径rと拡散に利用可能である領域Aとの間の理論的な相関関係を示す。
図2図2は、断面図における例示的なプラズマ穿孔ヘッドの設計を示す。
図3図3は、断面図におけるさらなる例示的なプラズマ穿孔ヘッドの設計を示す。
図4図4は、断面図における、エネルギー源としてレーザを有するさらなる例示的なプラズマ穿孔ヘッドの設計を示す。
図5図5は、本発明による調整の第1の変形例の概略設計を示す。
図6図6は、本発明による調整の第2の変形例の概略設計を示す。
図7図7は、本発明による穿孔設備の概略設計を調整の概略図とともに示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
最初に、理論の物理的なアプローチが、理論に束縛される意図なく説明される。
【0029】
一酸化炭素の低減は、煙流れを希釈することによって、および拡散によって行われる。煙流れを希釈することによる一酸化炭素の減少は、紙巻タバコの透過率Pによって決定される。結果的に、あらかじめ定義された一定の透過率Pの場合、CO減少を最大化することは、拡散を最大化することで行われなければならない。
【0030】
数学的なアプローチによって解決方法を示す前に、一定の透過率Pで拡散率を最大化するための可能性は、物理的な相関関係として記載される。本明細書において、透過率は、差圧のためのマウスピースライニングペーパの透過率であると理解されている。差圧は、紙巻タバコ上での引きずりによって発生する。概略的に言うと、ここで透過率は、どれだけの新鮮な空気がマウスピースライニングペーパの穿孔を通して紙巻タバコの内部に吸い込まれるかという基準である。それぞれ一定の孔密度または数のもとで穿孔が小さいほど、それによって引き起こされる引きずり抵抗は大きくなる。そのため、孔が小さいほど、透過率は低い。孔密度は、単位領域あたりの孔数として理解されている。
【0031】
本明細書において、拡散率は、濃度の差のためのマウスピースライニングペーパの透過率であると理解されている。ここで、喫煙時の一酸化炭素の濃度は、紙巻タバコの濃度が周囲空気の濃度より高い。このように一酸化炭素の拡散は、新鮮な空気の流入の方向とは逆に、内側から外部に行われる。拡散のレベルは、濃度の差は別として、拡散に利用可能である領域Aに依存する。
【0032】
ここで、全体でいくつかの大きい孔と同じ透過率Pを有する多くの小さい孔は、そのいくつかの大きい孔よりも大きい領域Aを有する。したがって、拡散は、可能な限り小さい孔を可能な限り多く穿孔することによって最大化することができ、同時に、一定の透過率Pを保持できる。
【0033】
マウスピースライニングペーパの透過率Pは、孔寸法および孔数の穿孔パラメータとして変更されてもよい。ここで、透過率Pは、以下の式を使用することにより近似計算することができる。
【0034】
ここで、ηは空気の動粘度を示す。nは孔数である。rは孔半径である。dはペーパの厚さである。Δpはペーパの外側と内側との間の差圧であり、vは経験的に決定される、穿孔方法に依存する透過率指数である。
【0035】
紙巻タバコからの一酸化炭素の拡散速度は、空気中の一酸化炭素の、および拡散に利用可能である領域Aの拡散係数の結果とほぼ同様に得られる。現在の観察においては、拡散に利用可能である領域Aが大きいほど拡散速度がより大きくなると述べるのに十分である。この領域Aは、孔数nと孔の領域rπの乗算から得られる。
【0036】
一定の透過率Pの場合、孔数nの孔半径rに対する比は、孔領域の合計が最大化されるように選択される。透過率P、孔半径r、孔数n、および拡散領域Aの相関関係が図1に示される。透過率Pが一定値の場合、孔数nが増えると、孔の半径rは着実に減少する。逆に、孔数nが増え、孔半径rが減少すると、拡散領域A(=rπn)は増加する。マウスピースライニングペーパを通した一酸化炭素の拡散を最大化するためには、このようにそれぞれ、孔数を最大化または孔寸法を最小化することが必要である。
【0037】
孔寸法は、穿孔方法および技術的な理由のために採用されるマウスピースライニングペーパの種類に依存して、任意に小さい寸法であるように実装することができないため、これに関連する制限要因は、孔寸法である。しかし、達成可能な最小孔径Dminが得られるように、穿孔パラメータを制御することは可能である。
【0038】
この達成可能な最小孔径Dminは、多くのパラメータ(ペーパ厚さd、コーティングおよびペーパの種類、空気湿度、空気圧、エネルギー源の出力における逸脱など)に依存するため、孔径Dが光学手段によってインラインで測定され、測定された値が穿孔パラメータ(エネルギー源の出力、エネルギーパルスの持続時間、ペーパウェブからエネルギー源の間隔、ガス供給のタイプ、体積、および圧力、ペーパウェブの速度など)を調整するために使用されることが、本発明によって提供される。
【0039】
穿孔数は、達成可能な最小孔径Dminに適合される。これは、計算によって、または穿孔されるペーパウェブの透過率Pの光学測定によって行われてもよい。
【0040】
孔数nは以下の計算式から得られる。
【0041】
名目上の透過率Psollは、通気度または紙巻タバコ製造業者の煙数値として、それぞれ間接的に述べられてもよい。η、Δp、およびvは一定であるか、または使用される穿孔工程にそれぞれ依存する。このように、必要な孔数nは、ペーパ厚さdおよび孔半径r、または孔径D(D=2r)がそれぞれ測定されるときに計算されてもよい。
【0042】
好ましくは、穿孔されるペーパの透過率Pは、追加の第2の制御ループで測定され、孔数nは、透過率Pを名目上の値に維持するように、対応して制御される。
【0043】
孔寸法を調整するための穿孔パラメータが孔数nに影響を及ぼさず、かつ逆に孔数nが孔径Dに影響を及ぼさない場合、2つの独立した制御ループを有する実装形態が可能である。
【0044】
多くの穿孔ヘッドにおいて、たとえば、エネルギーインパルスが個々の穿孔ヘッドに適用されないように孔数nが得られてもよい。単一の穿孔ヘッドの場合、孔数nは、エネルギーインパルスの数または周波数のそれぞれによって制御される方法で得られてもよい。
【0045】
ペーパウェブ、特にマウスピースライニングペーパウェブまたはマウスピースライニングペーパ4をプラズマ穿孔するためのプラズマ穿孔ヘッドが、図2に示される。領域に関して可能な限り小さいエネルギー源が、マウスピースライニングペーパ4の少なくとも1つの平面側に配設される。この例において、ニードル状の電極2、またはさらに詳細には、2つの電極2および5の間の高電圧(交流電圧または直流電圧)の短い印加が、エネルギー源として使用される。穿孔は、通常の雰囲気下で、または保護ガス雰囲気もしくは定義可能なガス組成を有する雰囲気などの特殊ガス雰囲気下で行われてもよい。ここで、雰囲気は、通常の圧力、または環境圧(空気圧)より高いもしくは低い圧力を有してもよい。
【0046】
好ましくは、ガス組成は、環境雰囲気とは無関係に、プラズマの位置で直接変更されてもよい。
【0047】
このために、電極2は好ましくは、管1に取り付けられる。管1は、加圧ガスまたはガス混合物の搬送に役立つ。明瞭さを改善するために、図のガス流は、矢印を使用して可視化される。ノズル1.1は、管1の前端に位置付けられる。このノズル1.1は、マウスピースライニングペーパ4に面する電極の先端の領域で、電極2と同心であるように取り付けられる。このように、加圧ガスまたはガス混合物は、マウスピースライニングペーパ4の方向に、管1およびノズル1.1で取り囲まれるキャビティ1.2を通して、電極2のまわりで環状に送られる。同様に実装されるニードル状の対向電極5、または図3に示される平面対向電極5は、チッピングペーパ4の他方側に位置付けられてもよい。
【0048】
キャビティ1.2を通して不活性ガスまたは高濃度の不活性ガスを有するガス混合物を送ることによって、別のガス組成を有する狭い領域は、このマウスピースライニングペーパ4の方へガス流の中央、すなわち電極2の先端の直前にとどまる。この領域の不活性ガスの濃度は、ノズル1.1からの直接の流れよりいくぶん低い。それにより、この領域でガスをイオン化し、したがって最終的に昇華によってマウスピースライニングペーパ4の孔を作製する局所的なプラズマ3を発生させることは、より容易に可能である。高濃度の不活性ガスがプラズマ3中に、さらにとりわけそのまわりにすでに存在するため、マウスピースライニングペーパ4の表面上の酸化は排除され、それにより、孔の外縁上の認識できる焼けを避けることができる。低濃度の不活性ガスを有する領域の、したがってプラズマ3の膨張は、ノズル1.1の密接したまたはいくぶんより広い設計によって、または電極2がノズル1.1から突出する距離を変更することによって、拡大または縮小されてもよい。
【0049】
電極2と5との間の電圧インパルスの周波数、持続時間、および振幅は別として、好ましくは、以下のパラメータのうちの少なくとも1つは、本発明による調整方法で制御可能である:
− ノズルの開口直径、
− ノズルと電極チップとの間の間隔、
− ペーパウェブから電極の間隔、
− ウェブ速度、
− ガス圧、
− ガス組成、
− ガスの流量。
【0050】
多数のニードル電極2の通常の配置の場合、好ましくは、ノズルの開口直径および/またはノズルと電極チップとの間の間隔は制御されてもよく、それは、これらの変更はプラズマの効果的な位置で直接行われ、したがって、穿孔に対する一時的に非常に即時的な影響を有するためである。
【0051】
さらに、これらの2つのパラメータは、各電極2において、他の電極2とは無関係に個々に得られてもよく、それにより、個々の電極2はそれぞれ、それに対して達成可能である最小孔径Dminに制御することができる。
【0052】
図4は本発明による好ましい穿孔ヘッドを示し、エネルギー源としてレーザ光線6を有する。穿孔することは、通常の雰囲気下、または特殊ガス雰囲気、たとえば保護ガス雰囲気もしくは定義可能なガス組成を有する雰囲気下で行われてもよい。ここで、雰囲気は、通常の圧力、または環境圧(空気圧)より高いもしくは低い圧力を有してもよい。
【0053】
好ましくは、ガス組成は、環境雰囲気とは無関係に、プラズマの位置で直接変更されてもよい。
【0054】
このために、再び、ノズル1.1は管1の下端に配設される。2つのタスクを扱うレンズ7は、このノズル1.1の中心にあるように位置付けられる。第一に、レンズ7は、マウスピースライニングペーパ4の表面上にレーザ光線6の焦点を合わせることに役立つ。第二に、レンズ7は所望の方法で、特に、ガス流がレンズ7のまわりで環状に生じるように、ノズル1.1からのガス流に影響を及ぼすことに役立つ。不活性ガスまたはガス混合物がレンズ7のまわりを球状に流れ出ることを可能とするために、たとえば、レンズ7は細線によって管1に固定されるか、または電極2のように、管1で垂直に延びる固い光導波路の端部に位置付けられる。この場合、プラズマ3はその領域に制限され、そこでは、ガス混合物を不活性ガスの十分に低い濃度でイオン化させるために、レーザ光線6のエネルギー密度は十分に高い。レーザ光線6のエネルギー密度は、レンズ7の焦点で最大であり、および不活性ガスの濃度はそこで最低であり、局所的な小さい領域のプラズマ3を発生させることができる。
【0055】
レーザパルスの出力、焦点距離、周波数、持続時間、および形状は別として、好ましくは、以下のパラメータのうちの1つは、本発明による調整方法で制御可能である:
− ノズルの開口直径、
− ノズルとレンズとの間の間隔または光ガイド先端、
− ウェブ速度、
− ガス圧、
− ガス組成、
− ガスの流量。
【0056】
窒素(N)、アルゴン(Ar)、ヘリウム(Ne)、ネオン(Ne)、または二酸化炭素(CO)が、不活性ガスとして使用されてもよい。個々のタイプの不活性ガスを特定の混合割合を使用して互いに組み合わせること、またはノズルを通して処理空間に流すことによって組み合わせることも可能である。不活性ガスまたはガス混合物は、圧力下でノズル1.1を出るため、電極2またはレンズ7のまわりの球状の環状領域におけるガスまたはガス混合物の密度は、電極2またはレンズ7の直前の領域より高い。ガスの密度が高いほど、前記ガスのイオン化には、より多くのエネルギーが必要である。さらに、イオンおよび電子はガス流によって押し流される。これらの2つの影響も、プラズマ3が局所的であることに貢献する。
【0057】
したがって、圧縮空気がガス混合物として使用される場合、孔径Dを調整することが、プラズマ穿孔について行われてもよい。
【0058】
図5は、本発明による第1の調整変形例を概略的に示す。ここで、それぞれ、その方法で計算できる孔寸法、すなわち孔径Dおよび孔半径rは、2本の示された制御ループの最も内側で制御され、孔数nは、最も外側の制御ループで制御される。
【0059】
孔半径rまたは孔径Dはそれぞれ、測定装置12によって測定される。孔半径rを達成可能な最小孔半径rminまで縮小させるために、制御装置13は、作動要素14の制御因子uを制御する。達成可能な最小孔半径rminは、調整フェーズで決定されてもよく、たとえば、孔半径rは、発生したプラズマがペーパの孔をまったく穿孔できないほど弱くなるまで、穿孔パラメータの変更によって縮小する。限界の孔半径よりいくぶん大きく、穿孔がもはや確実ではない大きさよりも小さいところまで調整した後に、達成可能な最小孔半径rminの形態の名目上の値が得られる。
【0060】
制御装置13は作動設備14に作用する制御因子uを供給する。たとえばガス圧、ガス組成、ノズル直径、またはエネルギー源の先端からのノズルの間隔などの作動変数yは、作動設備14によって変更されてもよい。作動変数14の変更は、ペーパウェブ4上のプラズマ3の変更を引き起こし(制御パス11)、それは結果として孔半径rの変更になる。
【0061】
測定装置22は、好ましくは欧州特許出願公開第0056223A2号明細書で示される電磁波によって、透過率Pを測定する。穿孔数nは、測定値と所定の名目上の値Psollとの間の差によって制御される。制御因子u’は、個々の穿孔ヘッドをオンオフする効果を有する。
【0062】
たとえば、測定装置12は、ペーパウェブ上に向けられて、穿孔装置と同期するようにペーパウェブの穿孔列の画像を撮る線形カメラ(たとえば光学[レーザ]マイクロメータの高解像度CMOSまたはCCDカメラ)でもよく、1つの穿孔列の穿孔数およびその孔径Dは、データ処理システムでの画像の分析から決定可能である。
【0063】
図6は、本発明による調整の第2の変形例の制御ループを示す。ここで、調整フェーズにおいて、孔寸法は最初に、たとえば、エネルギー源(電極2またはレーザ光線6)のすべてのエネルギーパルスの50〜80%のみが実際に穿孔につながる点まで選択された穿孔パラメータを変更することによって縮小され、プラズマを発生させるエネルギーインパルスのプラズマ放電に至らないエネルギーインパルスに対する比は、以下で「放電率」として言及される。その後、好ましくは、他の制御パラメータは、必要な透過率Psollが結果として得られる放電率から得られるように、エネルギー密度を制御するために使用される。
【0064】
たとえば、エネルギー源の一定の出力のもとで、75%の放電率が達成されるまでガス圧またはガス流量を増やすか、またはガス組成を変化させるように、調整フェーズでの孔寸法の最小化が実行されてもよい。その後、これらのガスパラメータは一定に保たれ、エネルギー源のパラメータ(たとえば、エネルギーインパルスの持続時間、周波数、振幅)は、放電率を増減させることによって透過率Pが所定の名目上の値となるように制御される。
【0065】
それにもかかわらず、最大放電率で必要な透過率Psollに達しないことに直面する場合、たとえば、ガス圧の減少、ガス混合物における不活性ガスの比率の減少、またはウェブ速度の適合によって、拡散率を犠牲にして孔寸法を多少広げなければならない。孔数n(またはそれぞれの孔密度)、孔寸法(孔半径r)、および透過率Pを度量衡学的に取得する測定装置32は、この変形例を実装するために提供される。測定装置のデータは、データ処理システムで分析され、1つの作動変数(または複数の作動変数)は、ソフトウェアとして実装されてもよい制御装置13によって作製される。
【0066】
好ましくは、データ処理システムは、孔数nに平均孔寸法をかけることによって穿孔の合計領域を計算し、記憶することができ、ここで、穿孔の合計領域は、ペーパの拡散率の重要な要素(拡散領域A)を示すことができ、またはペーパの拡散率がそこから計算されてもよい。
【0067】
孔数n(またはそれぞれの孔密度)、孔寸法(孔半径r)、および透過率Pに加えて、ウェブの厚さdが取得されることも好適である。好ましくは、ペーパ厚さdを連続的に測定する非接触方法が採用される。そのような方法は、先行技術で知られており、たとえば、米国特許第4107606A号明細書、欧州特許出願公開第0995076A1号明細書、米国特許第6281679B1号明細書に示されている。ここでペーパ厚さdを測定する測定装置は、ウェブ方向に見られるときに、好ましくは穿孔装置より前または穿孔装置の後に配設されてもよい。
【0068】
特に、大きく変化する特性(ベースペーパの厚さdおよび透過率P、またはコーティングの厚さd)を有するペーパの種類の場合、穿孔装置より前で、厚さの測定に加えて、透過率の測定を実行することが必要であることがある。この場合、何れの場合にもその後の穿孔について必要な穿孔数は、ペーパパラメータおよび達成可能な最小孔径Dから近似的に計算されてもよく、および式が測定装置の測定値によって適合されるように任意選択的に制御されてもよく、その測定装置は、実際に達成された透過率Pを測定するために、穿孔装置の後に配設される。あるいは、放電率はまた、ベースペーパの厚さdおよび透過率Pに応じて制御されてもよい。
【0069】
図7において、8つの穿孔ヘッドを有するレールと測定装置8とを有する、本発明による例示的なプラズマ穿孔装置が示される。ここで8つの穿孔ヘッドの数は、明瞭さの理由から生じたものである。実用的な実装形態の場合、穿孔ヘッドの数は、たとえばレールあたり15〜30でもよく、ここで、複数のレールは、一方が他方の後方および/または互いの横で互いに平行であるように、配設されてもよい。ペーパウェブ4は、任意選択的に可変速度で、装置を通って左から右に連続的に移動する。互いに支える2つ以上のペーパウェブを穿孔し、したがって穿孔装置によって同時に案内される複数の層を形成することも可能である。
【0070】
特に、好ましくは、測定装置12、22は、1つの測定装置8として構成され、その信号は、データ処理システム9で分析される。データ処理システム9は、半径r、孔数n、および透過率Pを決定し、ソフトウェアとして実装される制御装置13、23によって、制御因子u、u’を発生させる。好ましくは、パラメータを個々の穿孔ヘッドで目標とするように変更できるようにするために、または個々の穿孔ヘッドが、たとえば摩耗のために、他より大幅に大きい穿孔を作製する事象に反応できるようにするために、孔半径rまたは孔径Dはそれぞれ、各穿孔ヘッドについて取得される。
【0071】
名目上の透過率Psoll(コレスタ単位CU)の代わりに、達成される通気度、引きずり抵抗、および/または煙数値が、データ処理システムに入力されてもよい。名目上の透過率Psollは、データ処理システムに記憶された計算ルールによって次に計算されてもよい。
【0072】
孔半径rまたは孔径Dのそれぞれ、孔数nまたは孔密度のそれぞれ、および透過率Pは、データ処理システムの入力値の役割を果たす。ペーパ厚さd、ベースペーパの透過率P、任意選択コーティングのタイプおよび厚さ、ならびにウェブ速度は、追加の入力値である。ベースペーパの厚さdおよび透過率P、またはコーティングがそれぞれ、ペーパウェブ全体で一定である場合、これらの値は、穿孔の開始前に、データ処理システムに入力すればよい。何よりも、ベースペーパまたはコーティングされたペーパの透過率Pが、穿孔によって達成される透過率Pと比較して無視できるほど小さい場合、ベースペーパの透過率Pについての考慮は不要としてもよい。孔半径rおよび孔数nは、穿孔装置の後の測定装置8によって度量衡学的に取得され、ここで、好ましくは、透過率Pも測定装置8によって、またはペーパウェブの孔数n、孔半径r、および厚さdを用いて取得され、データ処理システムは、以下の式(または他の式)によって、透過率Pを計算することができる。
【0073】
ウェブ速度は、データ処理システムの入力値として役立ち、また、ウェブ速度を入力値に応じて制御しなければならない場合、出力値(作動変数)の役割を果たしてもよい。さらなる出力値(作動変数)は、以下を含んでもよい:電極2および5の間の電圧インパルスの周波数、持続時間、および振幅;ペーパウェブから電極の間隔;電極チップからノズルの間隔;レーザインパルスの出力、焦点距離、周波数、持続時間、および形状;ノズルとレンズまたは光ガイドの先端との間の間隔;ガス圧;ノズルの開口直径;ガス組成;ガスの流量。
【0074】
先行技術とは対照的に、拡散による一酸化炭素の低減について穿孔の影響が考慮されるため、本発明は好適であり、その結果、初めてマウスピースライニングペーパの拡散最適化穿孔が実行され、したがって、初めて拡散最適化穿孔されたマウスピースライニングペーパが製造される。
【0075】
さらに、穿孔装置の標準的な制御パラメータ(出力、持続時間、エネルギー源のエネルギーインパルスの周波数、およびウェブ速度)の他に、ガスまたはガス混合物の目標とされる導入によって、孔寸法の目標とする縮小を可能にするさらなる制御パラメータ(ガス圧、ガス量、ガス組成、ノズル形状)が利用可能であり、また、より高い孔密度が、プラズマ穿孔によってさらに可能にされる孔の改良された位置決め精度によって達成されてもよいため、プラズマ穿孔のための方法は、これに関連して特に好適である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7