特許第6606823号(P6606823)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 味の素株式会社の特許一覧

特許6606823層間絶縁用樹脂組成物、支持体付き感光性フィルム、プリント配線板、半導体装置、及びプリント配線板の製造方法
<>
  • 特許6606823-層間絶縁用樹脂組成物、支持体付き感光性フィルム、プリント配線板、半導体装置、及びプリント配線板の製造方法 図000003
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6606823
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】層間絶縁用樹脂組成物、支持体付き感光性フィルム、プリント配線板、半導体装置、及びプリント配線板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G03F 7/027 20060101AFI20191111BHJP
   G03F 7/031 20060101ALI20191111BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20191111BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20191111BHJP
   C08G 59/62 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   G03F7/027 511
   G03F7/031
   G03F7/004 512
   G03F7/004 501
   H05K1/03 610K
   H05K1/03 610L
   C08G59/62
【請求項の数】16
【全頁数】29
(21)【出願番号】特願2014-245179(P2014-245179)
(22)【出願日】2014年12月3日
(65)【公開番号】特開2016-109779(P2016-109779A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年11月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000066
【氏名又は名称】味の素株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】依田 正応
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 千晴
(72)【発明者】
【氏名】松田 豊
【審査官】 塚田 剛士
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−151601(JP,A)
【文献】 特開2004−198673(JP,A)
【文献】 特開2000−104034(JP,A)
【文献】 特開2000−235260(JP,A)
【文献】 特開平11−186736(JP,A)
【文献】 特開2008−256790(JP,A)
【文献】 特開平07−056336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03F 7/004 − 7/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂であって、該樹脂の不揮発成分30重量%カルビトールアセテート溶液をシリコンウエハー上に塗布し120℃で3分間乾燥して得られる厚さ5μmの樹脂膜を、23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬したとき、該樹脂膜の溶解速度が2〜14μm/分である樹脂、
(B)エポキシ樹脂、及び
(C)光重合開始剤
を含み、
(C)成分がオキシムエステル系光重合開始剤を含む層間絶縁用樹脂組成物。
【請求項2】
(A)成分の(メタ)アクリレート基の比率が35〜80%である、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
(A)成分の重量平均分子量(Mw)が3000〜10000である、請求項1又は2に記載の樹脂組成物。
【請求項4】
(B)成分の不揮発成分を100質量とした場合、数平均分子量(Mn)が1000以下のエポキシ樹脂の含有量が50〜100質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
さらに(D)反応性希釈剤を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項6】
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(A)成分の含有量が10〜85質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項7】
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)成分の含有量が5〜60質量%である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項8】
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(C)成分の含有量が0.1〜3質量%である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項9】
樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(D)成分の含有量が0.5〜30質量%である、請求項5〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項10】
さらに(E)硬化促進剤を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【請求項11】
支持体と、該支持体上に設けられた請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物の層とを含む、支持体付き感光性フィルム。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか1項に記載の樹脂組成物の硬化物層を含む、プリント配線板。
【請求項13】
請求項12に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
【請求項14】
(A)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂であって、該樹脂の不揮発成分30重量%カルビトールアセテート溶液をシリコンウエハー上に塗布し120℃で3分間乾燥して得られる厚さ5μmの樹脂膜を、23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬したとき、該樹脂膜の溶解速度が2〜14μm/分である樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)光重合開始剤を含み、(C)成分がオキシムエステル系光重合開始剤を含む樹脂組成物層を内層基板上に設ける工程と、
樹脂組成物層の表面にマスクパターンを通して活性光線を照射し、照射部の樹脂組成物層を光硬化させる露光工程と、
前記樹脂組成物層を現像し、未露光部を除去することで、ビアを形成する現像工程と、
前記樹脂組成物層をポストベークし、絶縁層を形成するポストベーク工程と
を含む、プリント配線板の製造方法。
【請求項15】
前記ビアのトップ径が50μm以下である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記ビアの開口率が70%以上である、請求項14又は15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、層間絶縁用樹脂組成物に関する。さらには、感光性フィルム、プリント配線板、半導体装置、及びプリント配線板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、高性能化が進み、プリント配線板においては、配線の微細化及びビルドアップ層の複層化による配線の高密度化が行われている。したがって層間絶縁層の導通のために設けられるビアホールにおいてもより小径化が求められるようになっている。
【0003】
一般にプリント配線板においては、層間絶縁層には熱硬化性樹脂組成物が用いられ、ソルダーレジスト層には感光性樹脂組成物が用いられる。例えば、特許文献1には、特定のアルカリ可溶性樹脂を用いて、ソルダーレジストとしての諸特性に優れ、かつアルカリ条件下でのメッキに十分な耐性を持つ樹脂組成物を提供することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−56336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
感光性樹脂組成物は、安価であると共に製造工程の簡便化に寄与するなどの利点がある。本発明者らは、感光性樹脂組成物を用いて層間絶縁層を形成し、小径のビアホール(単に「小径ビア」ともいう。)により層間の導通を試みたところ、小径ビア形成時の現像性が不良であったり、接続信頼性に劣る小径ビアに帰着したりするなどの問題が生じる場合があることを見出した。
【0006】
本発明の課題は、小径ビア形成時の現像性が良好であると共に接続信頼性に優れる小径ビアをもたらす、層間絶縁用の感光性樹脂組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記の課題につき鋭意検討した結果、特定のアルカリ溶解速度を呈する(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂と、エポキシ樹脂と、光重合開始剤とを組み合わせて使用することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の内容を含む。
[1] (A)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂であって、該樹脂の不揮発成分30重量%カルビトールアセテート溶液をシリコンウエハー上に塗布し120℃で3分間乾燥して得られる厚さ5μmの樹脂膜を、23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬したとき、該樹脂膜の溶解速度が2〜14μm/分である樹脂、
(B)エポキシ樹脂、及び
(C)光重合開始剤
を含む層間絶縁用樹脂組成物。
[2] (A)成分の(メタ)アクリレート基の比率が35〜80%である、[1]に記載の樹脂組成物。
[3] さらに(D)反応性希釈剤を含む、[1]又は[2]に記載の樹脂組成物。
[4] 樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(A)成分の含有量が10〜85質量%である、[1]〜[3]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[5] 樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(B)成分の含有量が5〜60質量%である、[1]〜[4]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[6] 樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(C)成分の含有量が0.1〜3質量%である、[1]〜[5]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[7] 樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、(D)成分の含有量が0.5〜30質量%である、[3]〜[6]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[8] さらに(E)硬化促進剤を含む、[1]〜[7]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[9] (C)成分がオキシムエステル系光重合開始剤を含む、[1]〜[8]のいずれかに記載の樹脂組成物。
[10] 支持体と、該支持体上に設けられた[1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物の層とを含む、支持体付き感光性フィルム。
[11] [1]〜[9]のいずれかに記載の樹脂組成物の硬化物層を含む、プリント配線板。
[12] [11]に記載のプリント配線板を含む、半導体装置。
[13] (A)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂であって、該樹脂の不揮発成分30重量%カルビトールアセテート溶液をシリコンウエハー上に塗布し120℃で3分間乾燥して得られる厚さ5μmの樹脂膜を、23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬したとき、該樹脂膜の溶解速度が2〜14μm/分である樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)光重合開始剤を含む樹脂組成物層を内層基板上に設ける工程と、
樹脂組成物層の表面にマスクパターンを通して活性光線を照射し、照射部の樹脂組成物層を光硬化させる露光工程と、
前記樹脂組成物層を現像し、未露光部を除去することで、ビアを形成する現像工程と、
前記樹脂組成物層をポストベークし、絶縁層を形成するポストベーク工程と
を含む、プリント配線板の製造方法。
[14] 前記ビアのトップ径が50μm以下である、[13]に記載の方法。
[15] 前記ビアの開口率が70%以上である、[13]又は[14]に記載の方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、小径ビア形成時の現像性が良好であると共に接続信頼性に優れる小径ビアをもたらす、層間絶縁用の感光性樹脂組成物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、接続信頼性評価用積層体の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
[層間絶縁用樹脂組成物]
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(A)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂であって、該樹脂の不揮発成分30重量%カルビトールアセテート溶液をシリコンウエハー上に塗布し120℃で3分間乾燥して得られる厚さ5μmの樹脂膜を、23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬したとき、該樹脂膜の溶解速度が2〜14μm/分である樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)光重合開始剤を含む。
【0013】
<(A)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(A)成分として、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂を含む。(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、(B)エポキシ樹脂の硬化剤としての機能を発揮するとともに、層間絶縁用樹脂組成物に光硬化性を付与することができる。なお、「(メタ)アクリレート」とは、メタクリレート及びアクリレートを指す。
【0014】
本発明の層間絶縁用樹脂組成物において、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は特定のアルカリ溶解速度を呈することを特徴とする。詳細には、該(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の不揮発成分30重量%カルビトールアセテート溶液をシリコンウエハー上に塗布し120℃で3分間乾燥して得られる厚さ5μmの樹脂膜を、23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に浸漬したとき、該樹脂膜の溶解速度(Rs)は2〜14μm/分である。本発明者らは、斯かる特定のアルカリ溶解速度を呈する(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂を、後述する(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤と組み合わせて使用することにより、小径ビア形成時の現像性が良好であると共に接続信頼性に優れる小径ビアをもたらす、層間絶縁用樹脂組成物を実現するに至ったものである。
【0015】
一層良好な現像性及び接続信頼性をもたらす層間絶縁用樹脂組成物を得る観点から、上記溶解速度Rsの下限は、好ましくは2.2μm/分以上、より好ましくは2.4μm/分以上、さらに好ましくは2.6μm/分以上、2.8μm/分以上、又は3μm/分以上である。該溶解速度Rsの上限は、好ましくは13.8μm/分以下、より好ましくは13.6μm/分以下、さらに好ましくは13.4μm/分以下、13.2μm/分以下、13μm/分以下、12μm/分以下、11μm/分以下、又は10μm/分以下である。該溶解速度Rsは、後述する<アルカリ溶解速度の測定>の記載に従って測定することができる。
【0016】
(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、フェノール性水酸基の一部が(メタ)アクリレート基((メタ)アクリロイル基)に変性されているフェノール樹脂であれば特に制限はない。機械強度に優れる絶縁層を得る観点から、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、1分子中に(メタ)アクリレート基を2つ以上有することが好ましい。
【0017】
(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、例えば、フェノール樹脂に、フェノール性水酸基と反応し得る官能基と(メタ)アクリレート基とを含む化合物を反応させて合成することができる。
【0018】
フェノール樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、ナフトールノボラック樹脂が挙げられ、良好な現像性、接続信頼性が得られる観点から、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂が好ましく、フェノールノボラック樹脂がより好ましい。フェノール樹脂は1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
【0019】
フェノール性水酸基と反応し得る官能基としては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、カルボキシ基が挙げられ、エポキシ基、イソシアネート基が好ましい。
【0020】
エポキシ基と(メタ)アクリレート基とを含む化合物としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート;グリシジルアルキル(メタ)アクリレート(ここで、アルキル部の炭素原子数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6又は1〜4);及びポリグリシジル化合物と、グリシジル基と反応し得る官能基(例えば、水酸基)を有する(メタ)アクリレート化合物とを部分的に付加反応させて得られる反応生成物等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。ここで、ポリグリシジル化合物としては、例えば、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、アリーレンジグリシジルエーテル(ここで、アリーレン部の炭素原子数は好ましくは6〜20、より好ましくは6〜10)、アルキレンジグリシジルエーテル(ここで、アルキレン部の炭素原子数は好ましくは1〜10、より好ましくは1〜6又は1〜4)、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等が挙げられ、グリシジル基と反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0021】
イソシアネート基と(メタ)アクリレート基とを含む化合物としては、例えば、(メタ)アクリロイルイソシアネート;イソシアネートエチル(メタ)アクリレート;及びポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応し得る官能基(例えば、水酸基)を有する(メタ)アクリレート化合物とを部分的に付加反応させて得られる反応生成物等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。ここで、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、3−イソシアネート−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチレンビスフェニルイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート等が挙げられ、イソシアネート基と反応し得る官能基を有する(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N−メチロールアクリルアミド、グリセロールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0022】
(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂は、触媒の存在下、フェノール樹脂に、フェノール性水酸基と反応し得る官能基と(メタ)アクリレート基とを含む化合物を反応させることにより得ることができる。斯かる反応は公知であり、反応温度、反応時間、触媒の種類や使用量等の反応条件は当業者が適宜決定してよい。(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂としては、例えば、特開平7−56336号公報に記載されているアルカリ可溶性樹脂に包含される化合物が挙げられる。
【0023】
小径ビア形成時の現像性が良好であると共に接続信頼性に優れる小径ビアをもたらす層間絶縁用樹脂組成物を得る観点から、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の(メタ)アクリレート基の比率が35〜80%であることが好ましい。ここで、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の(メタ)アクリレート基の比率とは、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂のフェノール性水酸基と(メタ)アクリレート基との合計数を100%とした場合の(メタ)アクリレート基の数の割合である。一層良好な現像性及び接続信頼性をもたらす層間絶縁用樹脂組成物を得る観点から、上記(メタ)アクリレート基の比率の下限は、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上、さらに好ましくは50%以上である。該(メタ)アクリレート基の比率の上限は、好ましくは75%以下、より好ましくは70%以下、さらに好ましくは65%以下である。
【0024】
(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)は、小径ビア形成時に良好な現像性を得る観点から、10000以下が好ましく、8000以下がより好ましく、6000以下がさらに好ましい。また(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂のMwは、良好な解像性を得る観点から、1000以上が好ましく、2000以上がより好ましく、3000以上がさらに好ましい。
【0025】
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(ポリスチレン換算)で測定される。GPC法による重量平均分子量は、具体的には、測定装置として(株)島津製作所製LC−9A/RID−6Aを、カラムとして昭和電工(株)製Shodex K−800P/K−804L/K−804Lを、移動相としてクロロホルム等を用いて、カラム温度40℃にて測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて算出することができる。
【0026】
(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の水酸基当量は、熱硬化による架橋密度を適度に形成するために、100〜500が好ましく、150〜400がより好ましい。
【0027】
後述する(B)エポキシ樹脂及び(C)光重合開始剤との組み合わせにおいて、小径ビア形成時の現像性が良好であると共に接続信頼性に優れる小径ビアをもたらす層間絶縁用樹脂組成物を得る観点から、(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、25質量%以上、30質量%以上、35質量%以上、又は40質量%以上である。(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂の含有量の上限は、好ましくは85質量%以下、より好ましくは75質量%以下、さらに好ましくは65質量%以下又は60質量%以下である。
【0028】
<(B)エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、tert-ブチル-カテコール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ナフトール型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、ブタジエン構造を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、スピロ環含有エポキシ樹脂、シクロヘキサンジメタノール型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、トリメチロール型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂等が挙げられる。エポキシ樹脂は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0029】
エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含むことが好ましい。エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%としたとき、少なくとも50質量%以上は1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であることが好ましい。
【0030】
エポキシ樹脂は、温度20℃で液状のエポキシ樹脂(以下、「液状エポキシ樹脂」という。)であってもよく、温度20℃で固形状のエポキシ樹脂(以下、「固形状エポキシ樹脂」という。)であってもよい。本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、固形状エポキシ樹脂を単独で、又は、固形状エポキシ樹脂と、液状エポキシ樹脂とを組み合わせて含むことが好ましい。液状エポキシ樹脂と固体状エポキシ樹脂とを併用する場合、それらの量比(液状エポキシ樹脂:固体状エポキシ樹脂)は、質量比で、1:0.1〜1:5の範囲が好ましく、1:0.3〜1:4の範囲がより好ましい。
【0031】
液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂が好ましく、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、及びナフタレン型エポキシ樹脂がより好ましい。液状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP4032」、「HP4032D」、「HP4032SS」(ナフタレン型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「jER828EL」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)、「jER807」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂)、「jER152」(フェノールノボラック型エポキシ樹脂)、「YL7223」、「YL7660」、「YL7723」(ビスフェノールAF型エポキシ樹脂)等が挙げられる。液状エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0032】
固形状エポキシ樹脂としては、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、トリスフェノール型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びナフチレンエーテル型エポキシ樹脂が好ましく、4官能ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、及びナフチレンエーテル型エポキシ樹脂がより好ましく、ビフェニル型エポキシ樹脂がさらに好ましい。固形状エポキシ樹脂の具体例としては、DIC(株)製の「HP−4700」、「HP−4710」(4官能ナフタレン型エポキシ樹脂)、「HP7200」、「HP7200H」、「HP7200K」(ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂)、「EXA7311」、「EXA7311−G3」、「EXA−7311G4S」、「HP6000」(ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂)、日本化薬(株)製の「EPPN−502H」(トリスフェノールエポキシ樹脂)、「NC7000L」(ナフトールノボラックエポキシ樹脂)、「NC3000H」、「NC3000」、「NC3000L」、「NC3100」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、新日鉄住金化学(株)製の「ESN475」、「ESN485」(ナフトールノボラック型エポキシ樹脂)、三菱化学(株)製の「YX4000H」、「YL6121」(ビフェニル型エポキシ樹脂)、「YX4000HK」(ビキシレノール型エポキシ樹脂)等が挙げられる。固形状エポキシ樹脂は、1種単独で用いてもよく、又は2種以上を併用してもよい。
【0033】
小径ビア形成時に良好な現像性を得る観点から、エポキシ樹脂は、好ましくは1000以下、より好ましくは950以下、さらに好ましくは900以下の数平均分子量(Mn)を有するエポキシ樹脂を含む。エポキシ樹脂のMnが1000を超えると、樹脂組成物を露光し現像を行った際に、未露光部の樹脂組成物が周囲の樹脂組成物の表面に現像残渣として付着してしまうため、その後の工程で不具合を発生してしまうおそれがある。他方、絶縁層の架橋密度を向上させ、機械強度が良好な絶縁層を得る観点から、エポキシ樹脂のMnの下限は、好ましくは100以上、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上である。
【0034】
エポキシ樹脂の不揮発成分を100質量%とした場合、良好な現像性を得る観点から、Mnが1000以下のエポキシ樹脂の含有量は、好ましくは50質量%〜100質量%、より好ましくは80質量%〜100質量%、さらに好ましくは90質量%〜100質量%である。
【0035】
エポキシ樹脂の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは15質量%以上である。エポキシ樹脂の含有量の上限は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは45質量%以下又は40質量%以下である。この範囲とすることにより、小径ビア形成時の現像性をより良好にすることができる。
【0036】
エポキシ樹脂のエポキシ当量は、好ましくは50〜3000、より好ましくは80〜2000、さらに好ましくは110〜1000である。この範囲となることで、得られる絶縁層の架橋密度が十分となり耐熱性に優れた絶縁層が得られる。なお、エポキシ当量は、例えばJIS K7236に従って測定することができ、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量である。
【0037】
<(C)光重合開始剤>
光重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、アルキルフェノン系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤、オキシムエステル系光重合開始剤、スルホニウム塩系光重合開始剤等が挙げられる。アルキルフェノン系光重合開始剤としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンゾフェノン、メチルベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸、ベンゾイルエチルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,4−ジエチルチオキサントン、ジフェニル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、エチル−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィネート、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン等が挙げられる。アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。オキシムエステル系光重合開始剤としては、例えば、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
【0038】
市販されている光重合開始剤としては、例えば、BASFジャパン(株)製「OXE−02」(エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム))、「OXE−01」(1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])が挙げられる。
【0039】
中でも、高感度であることから、光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤を含むことが好ましい。光重合開始剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0040】
光重合開始剤の含有量は、効率的に光硬化し得る層間絶縁用樹脂組成物を得る観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上である。他方、光重合開始剤の含有量の上限は、感度過多による解像性の低下を抑制する観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは3質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下である。
【0041】
<(D)反応性希釈剤>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(D)成分として、反応性希釈剤をさらに含んでもよい。反応性希釈剤を使用することにより、露光時の反応性を向上させることができる。
【0042】
反応性希釈剤としては、例えば、1分子中に1個以上の(メタ)アクリロイル基を有する、室温で液体、固体又は半固形の感光性(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。
【0043】
(D)成分として好適に使用し得る感光性(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレート類;エチレングリコール、メトキシテトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコールのモノ又はジアクリレート類;N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのアクリルアミド類、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアミノアルキルアクリレート類;トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールなどの多価アルコール又はこれらのエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド若しくはε−カプロラクトンの付加物の多価アクリレート類;フェノキシアクリレート、フェノキシエチルアクリレート等のフェノール類、あるいはそのエチレンオキサイドあるいはプロピレンオキサイド付加物などのアクリレート類;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテルから誘導されるエポキシアクリレート類;メラミンアクリレート類、及び/又は上記のアクリレートに対応するメタクリレート類などが挙げられる。中でも、多価アクリレート類または多価メタクリレート類が好ましく、例えば、3価のアクリレート類またはメタクリレート類としては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンEO付加トリ(メタ)アクリレート、グリセリンPO付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、テトラフルフリルアルコールオリゴ(メタ)アクリレート、エチルカルビトールオリゴ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンオリゴ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールオリゴ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、N,N,N',N'−テトラキス(β−ヒドロキシエチル)エチルジアミンの(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、3価以上のアクリレート類またはメタクリレート類としては、トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、トリ(2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)ホスフェート、トリ(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)ホスフェート、トリ(3−(メタ)アクリロイル−2−ヒドロキシルオキシプロピル)ホスフェート、ジ(3−(メタ)アクリロイル−2−ヒドロキシルオキシプロピル)(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート、(3−(メタ)アクリロイル−2−ヒドロキシルオキシプロピル)ジ(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)ホスフェート等のリン酸トリエステル(メタ)アクリレートを挙げることができる。これら感光性(メタ)アクリレート化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0044】
市販されている反応性希釈剤としては、東亞合成(株)製「M−306」(液状3官能アクリレート)、日本化薬(株)製「DPHA」(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート)、共栄社化学工業(株)製「DCPA」(トリシクロデカンジメタノールジアクリレート)が挙げられる。
【0045】
反応性希釈剤を使用する場合、反応性希釈剤の含有量は、光硬化を促進させ、べたつきの抑制された絶縁層を得る観点から、樹脂組成物の不揮発成分を100質量%とした場合、0.5質量%〜30質量%が好ましく、3質量%〜15質量%がより好ましい。
【0046】
<(E)硬化促進剤>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(E)成分として、硬化促進剤をさらに含んでもよい。硬化促進剤を使用することにより、より良好な熱硬化性が得られる。
【0047】
硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、アミン系硬化促進剤、グアニジン系硬化促進剤、イミダゾール系硬化促進剤、ホスホニウム系硬化促進剤、金属系硬化促進剤等が挙げられる。硬化促進剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0048】
アミン系硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのトリアルキルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6,−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン(DBU)などのアミン化合物などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0049】
グアニジン系硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、ジシアンジアミド、1−メチルグアニジン、1−エチルグアニジン、1−シクロヘキシルグアニジン、1−フェニルグアニジン、1−(o−トリル)グアニジン、ジメチルグアニジン、ジフェニルグアニジン、トリメチルグアニジン、テトラメチルグアニジン、ペンタメチルグアニジン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、7−メチル−1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デカ−5−エン、1−メチルビグアニド、1−エチルビグアニド、1−n−ブチルビグアニド、1−n−オクタデシルビグアニド、1,1−ジメチルビグアニド、1,1−ジエチルビグアニド、1−シクロヘキシルビグアニド、1−アリルビグアニド、1−フェニルビグアニド、1−(o−トリル)ビグアニド等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0050】
イミダゾール系硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[1,2−a]ベンズイミダゾール、1−ドデシル−2−メチル−3−ベンジルイミダゾリウムクロライド、2−メチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、メタクリル酸2−(ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル、メタクリル酸(5−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)メチル等のイミダゾール化合物及びイミダゾール化合物とエポキシ樹脂とのアダクト体が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、イミダゾール系硬化促進剤は、後述する(F)密着性向上剤としての機能を併せ持つため好適である。
【0051】
ホスホニウム系硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、トリフェニルホスフィン、ホスホニウムボレート化合物、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、n−ブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラブチルホスホニウムデカン酸塩、(4−メチルフェニル)トリフェニルホスホニウムチオシアネート、テトラフェニルホスホニウムチオシアネート、ブチルトリフェニルホスホニウムチオシアネート等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0052】
市販されている硬化促進剤としては、例えば、四国化成(株)製「2P4MZ」(2−フェニル−4−メチルイミダゾール)、「2E4MZ」(2−エチル−4−メチルイミダゾール)、「1HBZM」(メタクリル酸2−(ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル)、「4M5HZM」(メタクリル酸(5−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)メチル)が挙げられる。
【0053】
硬化促進剤を使用する場合、硬化促進剤の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.005〜1質量%の範囲であることが好ましく、0.01〜0.5質量%の範囲であることがより好ましい。0.005質量%未満であると、硬化が遅くなり硬化時間が長く必要となる傾向にあり、1質量%を超えると樹脂組成物の保存安定性が低下する傾向となる。
【0054】
<(F)密着性向上剤>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(F)成分として、密着性向上剤をさらに含んでもよい。密着性向上剤を使用することにより、絶縁層と銅等の導体回路との密着性を高めることができ、小径ビアの接続信頼性のさらなる向上に寄与する。
【0055】
密着性向上剤としては、特に限定はされず、プリント配線板の絶縁層に使用される公知の密着性向上剤を使用してよい。密着性向上剤としては、例えば、シランカップリング剤、含窒素化合物が挙げられる。
【0056】
シランカップリング剤としては、エポキシ基、アミノ基、カルボキシ基、(メタ)アクリレート基、メルカプト基、イソシアネート基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤が好適であり、例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラントリメトキシシリル安息香酸、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及び3−メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。(F)成分として好適なシランカップリング剤の市販品としては、例えば、信越化学工業(株)製「KBM403」(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM803」(3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBE903」(3−アミノプロピルトリエトキシシラン)、信越化学工業(株)製「KBM573」(N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン)が挙げられる。
【0057】
含窒素化合物としては、アゾール基、アミノ基、アミド基、イミノ基、イミド基等の含窒素官能基を有する化合物が好適であり、例えば、イミダゾール、ピラゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾトリアゾール、C1−10アルキルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、アニリン、エチレンジアミン、カテコールアミン、エチレンジアミン四酢酸、ビピリジン、ターピリジン、フェナントロリン、メラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、メラミン−フェノール−ホルマリン樹脂、エチルジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−キシリル−S−トリアジン等が挙げられる。これらの含窒素化合物は、さらに、エポキシ基、カルボキシ基、(メタ)アクリレート基、メルカプト基等の反応性置換基を有していてもよく、中でも、反応性置換基として(メタ)アクリレート基を有することが好適である。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。(F)成分として好適な含窒素化合物の市販品としては、四国化成工業(株)製「2MZ−AZINE」、「2E4MZ−AZINE」、「C11Z−AZINE」、「2MA−OK」、「1HBZM」、「4M5HZM」等が挙げられる。
【0058】
密着性向上剤を使用する場合、密着性向上剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.1〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.5〜5質量%の範囲であることがより好ましい。
【0059】
<(G)光増感剤>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(G)成分として、光増感剤をさらに含んでよい。光増感剤を使用することにより、より良好な光硬化性が得られる。
【0060】
光増感剤としては、特に限定されず、公知の光増感剤を使用してよいが、例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル−4−ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の3級アミン類;ピラリゾン類;アントラセン類;クマリン類;キサントン類;チオキサントン類が挙げられる。中でも、光増感剤としては、チオキサントン類が好ましく、2,4−ジエチルチオキサントンがより好ましい。市販されている光増感剤としては、例えば、日本化薬(株)製「DETX−S」(2,4−ジエチルチオキサントン)が挙げられる。光増感剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0061】
光増感剤を使用する場合、光増感剤の含有量は、特に限定されないが、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、0.01〜3質量%の範囲であることが好ましく、0.05〜1質量%の範囲であることがより好ましい。
【0062】
<(H)無機充填材>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(H)成分として、無機充填材をさらに含んでもよい。無機充填材を使用することにより、解像性の向上、絶縁層の低熱膨張率化、低誘電率化に寄与する。
【0063】
無機充填材としては、特に限定されないが、例えば、シリカ、アルミナ、ガラス、コーディエライト、シリコン酸化物、硫酸バリウム、タルク、クレー、雲母粉、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化マンガン、ホウ酸アルミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ビスマス、酸化チタン、ジルコン酸バリウム、ジルコン酸カルシウム、リン酸ジルコニウム、及びリン酸タングステン酸ジルコニウム等が挙げられる。中でも、無機充填材としては、無定形シリカ、粉砕シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ、中空シリカ、球状シリカ等のシリカが好ましく、絶縁層の低熱膨張率化の観点から、溶融シリカ、球状シリカがより好ましく、球状溶融シリカがさらに好ましい。無機充填材は1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。市販されている球状溶融シリカとしては、例えば、(株)アドマテックス製「SO−C2」、「SO−C1」、「SC2050」、電気化学工業(株)製「UFP−30」、旭硝子(株)製「AZフィラー」等が挙げられる。
【0064】
無機充填材の平均粒径は、特に限定されないが、樹脂組成物の光透過性を向上させ、良好な現像性を得る観点から、好ましくは3μm以下、より好ましくは2μm以下、さらに好ましくは1μm以下、さらにより好ましくは0.6μm以下、特に好ましくは0.4μm以下又は0.2μm以下である。他方、樹脂組成物を樹脂ワニスとした場合に、樹脂ワニスの粘度が上昇し、取り扱い性が低下するのを抑制する観点、解像性の低下を抑制する観点から、無機充填材の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.03μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上である。無機充填材の平均粒径はミー(Mie)散乱理論に基づくレーザー回折・散乱法により測定することができる。具体的にはレーザー回折散乱式粒度分布測定装置により、無機充填材の粒度分布を体積基準で作成し、そのメディアン径を平均粒径とすることで測定することができる。測定サンプルは、無機充填材を超音波により水中に分散させたものを好ましく使用することができる。レーザー回折散乱式粒度分布測定装置としては、(株)堀場製作所製「LA−500」、「LA−950」等を使用することができる。
【0065】
無機充填材は、表面処理剤で表面処理されていることが好ましく、具体的には、アミノシラン系カップリング剤、エポキシシラン系カップリング剤、メルカプトシラン系カップリング剤、スチリルシラン系カップリング剤、アクリレートシラン系カップリング剤、イソシアネートシラン系カップリング剤、スルフィドシラン系カップリング剤、ビニルシラン系カップリング剤、シラン系カップリング剤、オルガノシラザン化合物及びチタネート系カップリング剤より選択される1種以上の表面処理剤で表面処理されていることがより好ましい。これにより、無機充填材の分散性や耐湿性を向上させることができる。表面処理に用いられる表面処理剤の量は、無機充填材100質量%に対して好ましくは0.1〜6質量%、より好ましくは0.2〜4質量%、さらに好ましくは0.3〜3質量%である。
【0066】
無機充填材を使用する場合、無機充填材の含有量は、特に限定されないが、解像性の向上、絶縁層の低熱膨張率化、低誘電率化の観点から、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは1〜80質量%、より好ましくは5〜70質量%、さらに好ましくは10〜60質量%である。
【0067】
<(I)有機充填材>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(I)成分として、有機充填材をさらに含んでよい。有機充填材を使用することにより、絶縁層に加わる応力を緩和することができ、小径ビアの接続信頼性を一層高めることができる。有機充填材としては、プリント配線板の絶縁層を形成するに際し使用し得る任意の有機充填材を使用してよく、例えば、ゴム粒子、ポリアミド微粒子、シリコーン粒子などが挙げられ、ゴム粒子が好ましい。有機充填材の含有量は、樹脂組成物中の不揮発成分を100質量%とした場合、好ましくは0.1〜6質量%、より好ましくは1〜3質量%である。
【0068】
<(J)有機溶剤>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、(J)成分として、有機溶剤をさらに含んでよい。有機溶剤を使用することにより、樹脂組成物(樹脂ワニス)の粘度を調整することができる。有機溶剤としては、例えば、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエステル類、オクタン、デカンなどの脂肪族炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤等が挙げられる。有機溶剤は1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。有機溶剤を使用する場合、有機溶剤の含有量は、層間絶縁用樹脂組成物の塗布性の観点から適宜決定してよい。
【0069】
<(K)その他の添加剤>
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、本発明の目的を阻害しない程度に、(K)成分として、その他の添加剤をさらに含んでもよい。その他の添加剤としては、例えば、有機ベントナイト等の微粒子、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、アイオディングリーン、ジアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラック等の着色剤、ハイドロキノン、フェノチアジン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等の重合禁止剤、ベントン、モンモリロナイト等の増粘剤、シリコーン系消泡剤、フッ素系消泡剤、ビニル樹脂系消泡剤、臭素化エポキシ化合物、酸変性臭素化エポキシ化合物、アンチモン化合物、リン系化合物、芳香族縮合リン酸エステル、含ハロゲン縮合リン酸エステル等の難燃剤、フェノール系硬化剤、シアネートエステル系硬化剤、アミノ樹脂、アルキルエーテル化されたアミノ基を2つ以上有する化合物、オキセタン環含有化合物、イソシアネート基含有化合物(ブロック化されたものを含む。)、アルデヒド基含有フェノール化合物、メチロール基含有フェノール化合物等の熱硬化樹脂、等が挙げられる。
【0070】
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、上記の配合成分を適宜混合し、必要に応じて混練手段(3本ロール、ボールミル、ビーズミル、サンドミル等)あるいは撹拌手段(スーパーミキサー、プラネタリーミキサー等)により混練又は撹拌することにより調製することができる。
【0071】
本発明の層間絶縁用樹脂組成物は、プリント配線板の製造に際して、小径ビア形成時の現像性が良好であると共に接続信頼性に優れる小径ビアをもたらすことができる。特に、メッキにより導体層が形成される多層プリント配線板の層間絶縁層を形成するための樹脂組成物(メッキにより導体層を形成する層間絶縁用樹脂組成物)として好適に使用することができる。
【0072】
[感光性フィルム]
本発明の感光性フィルムは、本発明の層間絶縁用樹脂組成物の層(以下、単に「樹脂組成物層」ともいう。)からなる。
【0073】
例えば、プリント配線板の製造に際して、本発明の層間絶縁用樹脂組成物を樹脂ワニスとして内層基板上に塗布し、乾燥させることで、本発明の層間絶縁用樹脂組成物の層を形成することができる。本実施形態においては、内層基板上に本発明の感光性フィルムが形成される。内層基板の詳細は後述する。
【0074】
あるいはまた、プリント配線板の製造に先立ち、本発明の層間絶縁用樹脂組成物を樹脂ワニスとして支持体上に塗布し、乾燥させることで、支持体上に本発明の感光性フィルムを形成してもよい。プリント配線板の製造に際しては、斯かる感光性フィルムを内層基板に積層すればよい。支持体の詳細は後述する。
【0075】
本発明の感光性フィルムにおいて、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量は、熱硬化時の膨れ等を抑制する観点から、樹脂組成物層の全質量を100質量%とした場合、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下である。
【0076】
[支持体付き感光性フィルム]
本発明の支持体付き感光性フィルムは、支持体と、該支持体上に設けられた本発明の層間絶縁用樹脂組成物の層(本発明の感光性フィルム)とを含む。
【0077】
支持体としては、プラスチック材料からなるフィルムが好適である。プラスチック材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート等のアクリル、環状ポリオレフィン、トリアセチルセルロース、トリアセチルアセテート、ポリエーテルサルファイド、ポリエーテルケトン、ポリイミドが挙げられる。中でも、PET、PENが好ましく、PETが特に好ましい。市販の支持体としては、例えば、東レ(株)製の「FB40」、王子製紙(株)製の「アルファンMA−410」、「E−200C」、帝人(株)製の「PS−25」等のPSシリーズ、信越フィルム(株)製等のポリプロピレンフィルム等が挙げられる。
【0078】
支持体は、感光性フィルムと接合する側の表面にマット処理、コロナ処理を施してあってもよい。また、支持体としては、感光性フィルムと接合する側の表面に離型層を有する離型層付き支持体を使用してもよい。離型層付き支持体の離型層に使用する離型剤としては、例えば、アルキド樹脂、オレフィン樹脂、ウレタン樹脂、及びシリコーン樹脂からなる群から選択される1種以上の離型剤が挙げられる。離型剤の市販品としては、例えば、アルキド樹脂系離型剤である、リンテック(株)製の「SK−1」、「AL−5」、「AL−7」などが挙げられる。
【0079】
支持体の厚さは、良好な支持体強度を得る観点、支持体上方から露光する際に良好な解像性が得られる観点から、好ましくは5〜50μm、より好ましくは10〜25μmである。なお、支持体が離型層付き支持体である場合、離型層付き支持体全体の厚さが上記範囲であることが好ましい。
【0080】
また、露光時の光の散乱を低減する観点から、支持体としては、透明性に優れる支持体が好ましい。具体的には、透明性の指標となる濁度(JIS−K6714で規格化されているヘーズ)が0.1〜5の範囲にある支持体が好ましい。
【0081】
本発明の支持体付き感光性フィルムは、当業者に公知の方法、例えば、本発明の層間絶縁用樹脂組成物を樹脂ワニスとして支持体上に塗布し、更に乾燥させて樹脂組成物層を形成することにより製造することができる。層間絶縁用樹脂組成物は、塗布に先立ち、真空脱泡法等で該樹脂組成物中の泡を完全に除去することが好適である。
【0082】
層間絶縁用樹脂組成物の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、リバースコート法、キスリバースコート法、ダイコート法、スロットダイ法、リップコート法、コンマコート法、ブレードコート法、ロールコート法、ナイフコート法、カーテンコート法、チャンバーグラビアコート法、スロットオリフィス法、スプレーコート法、ディップコート法等が挙げられる。層間絶縁用樹脂組成物は、1回で塗布してもよく、数回に分けて塗布してもよい。数回に分けて塗布する場合、異なる塗布方法を複数組み合わせて塗布してもよい。中でも、塗布された層の均一性が良好であることから、塗布方法としてはダイコート法が好ましい。層間絶縁用樹脂組成物の塗布は、異物混入等をさけるために、クリーンルーム等の異物が少ない環境で実施することが好ましい。
【0083】
乾燥は、加熱、熱風吹きつけ等の公知の方法により実施してよい。乾燥条件は特に限定されないが、樹脂組成物層中の有機溶剤の含有量が好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは3質量%以下となるように乾燥させる。樹脂ワニス中の有機溶剤の沸点によっても異なるが、例えば30質量%〜60質量%の有機溶剤を含む樹脂ワニスを用いる場合、80℃〜120℃で3分間〜13分間乾燥させることにより、樹脂組成物層を形成することができる。当業者は、簡単な実験により適宜、好適な乾燥条件を設定することができる。
【0084】
支持体付き感光性フィルムにおいて、樹脂組成物層(感光性フィルム)の厚さは、小径ビア形成時に良好な現像性を得る観点から、好ましくは100μm以下、より好ましくは80μm以下、さらに好ましくは60μm以下、さらにより好ましくは50μm以下、40μm以下又は30μm以下である。樹脂組成物層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常、1μm以上、5μm以上、10μm以上などとし得る。
【0085】
支持体付き感光性フィルムにおいて、樹脂組成物層の支持体と接合していない面(即ち、支持体とは反対側の面)には、支持体に準じた保護フィルムをさらに積層することができる。保護フィルムの厚さは、特に限定されないが、例えば、1μm〜40μmである。保護フィルムを積層することにより、樹脂組成物層の表面へのゴミ等の付着やキズを防止することができる。なお、保護フィルムは、樹脂組成物層と支持体との接着力に対して、樹脂組成物層と保護フィルムとの接着力の方が小さいものが好ましい。支持体付き感光性フィルムは、ロール状に巻きとって保存することが可能である。支持体付き感光性フィルムが保護フィルムを有する場合、保護フィルムを剥がすことによって使用可能となる。
【0086】
[プリント配線板及びその製造方法]
本発明のプリント配線板は、本発明の層間絶縁用樹脂組成物の硬化物層を含む。詳細には、本発明のプリント配線板は、該硬化物層を層間絶縁層として含む。
【0087】
一実施形態において、本発明のプリント配線板は、
(A)(メタ)アクリレート変性フェノール樹脂であって、該樹脂の不揮発成分30重量%カルビトールアセテート溶液をシリコンウエハー上に塗布し120℃で3分間乾燥して得られる厚さ5μmの樹脂膜を、23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液に浸漬したとき、該樹脂膜の溶解速度が2〜14μm/分である樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)光重合開始剤を含む樹脂組成物層を内層基板上に設ける工程と、
樹脂組成物層の表面にマスクパターンを通して活性光線を照射し、照射部の樹脂組成物層を光硬化させる露光工程と、
前記樹脂組成物層を現像し、未露光部を除去することで、ビアを形成する現像工程と、
前記樹脂組成物層をポストベークし、絶縁層を形成するポストベーク工程と
を含む方法により製造することができる。
【0088】
<樹脂組成物層を内層基板上に設ける工程>
本工程において、本発明の層間絶縁用樹脂組成物の層(樹脂組成物層)を内層基板上に設ける。樹脂組成物層は、内層基板の片面に設けてもよく、両面に設けてもよい。
【0089】
本工程で用いる「内層基板」とは、主として、ガラスエポキシ基板、金属基板、ポリエステル基板、ポリイミド基板、BTレジン基板、熱硬化型ポリフェニレンエーテル基板等の基板、又は該基板の片面又は両面にパターン加工された導体層(回路)が形成された回路基板をいう。またプリント配線板を製造する際に、さらに絶縁層及び/又は導体層が形成されるべき中間製造物の内層回路基板も本発明でいう「内層基板」に含まれる。プリント配線板が部品内蔵回路板である場合、部品を内蔵した内層基板を使用すればよい。表面回路を有する内層基板を使用する場合、黒化処理、エッチング等により予め表面回路の粗化処理が施されていてもよい。
【0090】
樹脂組成物層は、(1)塗布方式、又は(2)ラミネート方式によって、内層基板上に設けることが好適である。以下、これらの方式について説明する。
【0091】
(1)塗布方式
塗布方式において、樹脂組成物層は、本発明の層間絶縁用樹脂組成物を樹脂ワニスとして内層基板上に塗布し、乾燥させることにより、内層基板上に設けられる。
【0092】
樹脂ワニスの塗布方式としては、スクリーン印刷方式による全面印刷が一般に多く用いられているが、樹脂ワニスを均一に塗布し得る限り、その他任意の手段を用いてもよい。例えば、スプレーコート方式、ホットメルトコート方式、バーコート方式、アプリケーター方式、ブレードコート方式、ナイフコート方式、エアナイフコート方式、カーテンフローコート方式、ロールコート方式、グラビアコート方式、オフセット印刷方式、ディップコート方式、刷毛塗りをはじめとする、公知の塗布方式を用いてよい。
【0093】
樹脂ワニスの塗布後、必要に応じて熱風炉あるいは遠赤外線炉等で乾燥を行う。乾燥条件は、80℃〜120℃で3分間〜13分間とすることが好ましい。こうして、内層基板上に樹脂組成物層が設けられる。
【0094】
(2)ラミネート方式
ラミネート方式においては、上記の支持体付き感光性フィルムを使用して、樹脂組成物層を内層基板上に設ける。支持体付き感光性フィルムが保護フィルムを有している場合には、該保護フィルムを除去した後に使用すればよい。
【0095】
ラミネート方式においては、支持体付き感光性フィルムを、該フィルムの樹脂組成物層が内層基板と接合するように、内層基板に積層する。積層に先立ち、必要に応じて支持体付き感光性フィルム及び内層基板をプレヒートしてもよい。
【0096】
支持体付き感光性フィルムと内層基板との積層は、例えば、支持体側から樹脂組成物層を内層基板に加熱圧着することにより行うことができる。樹脂組成物層を内層基板に加熱圧着する部材(以下、「加熱圧着部材」ともいう。)としては、例えば、加熱された金属板(SUS鏡板等)又は金属ロール(SUSロール)等が挙げられる。なお、加熱圧着部材を接着フィルムに直接プレスするのではなく、内層基板の表面凹凸に樹脂組成物層が十分に追随するよう、耐熱ゴム等の弾性材を介してプレスするのが好ましい。
【0097】
支持体付き感光性フィルムと内層基板の積層は、真空ラミネート法により実施することが好ましい。真空ラミネート法において、加熱圧着温度は、好ましくは60℃〜160℃、より好ましくは80℃〜140℃の範囲であり、加熱圧着圧力は、好ましくは0.098MPa〜1.77MPa、より好ましくは0.29MPa〜1.47MPaの範囲であり、加熱圧着時間は、好ましくは5秒間〜400秒間、より好ましくは20秒間〜300秒間の範囲である。積層は、好ましくは圧力26.7hPa以下の減圧条件下で実施する。ラミネート方式は、バッチ式でも連続式でもよい。
【0098】
積層は、市販の真空ラミネーターを使用して行うことができる。市販の真空ラミネーターとしては、例えば、ニチゴー・モートン(株)製のバキュームアプリケーター、(株)名機製作所製の真空加圧式ラミネーター、(株)日立インダストリイズ製のロール式ドライコータ、日立エーアイーシー(株)製の真空ラミネーター等が挙げられる。こうして、内層基板上に樹脂組成物層が形成される。
【0099】
支持体は、後述する現像工程の前に剥離すればよく、樹脂組成物層を内層基板上に形成する工程と露光工程との間、又は露光工程と現像工程との間に剥離すればよい。
【0100】
<露光工程>
露光工程において、樹脂組成物層の表面にマスクパターンを通して活性光線を照射し、照射部の樹脂組成物層を光硬化させる。
【0101】
露光工程は、樹脂組成物層上に支持体が付いた状態で実施してもよく、支持体を剥離した後に実施してもよい。
【0102】
活性光線としては、例えば、紫外線、可視光線、電子線、X線等が挙げられ、特に紫外線が好ましい。紫外線の照射量は、通常、10mJ/cm〜1000mJ/cmである。露光方法としては、マスクパターンを樹脂組成物層(支持体が存在する場合は支持体)に密着させて露光する接触露光法と、マスクパターンを樹脂組成物層(支持体が存在する場合は支持体)に密着させずに平行光線を使用して露光する非接触露光法のいずれを用いてもよい。
【0103】
<現像工程>
現像工程において、樹脂組成物層を現像し、未露光部(光硬化されていない部分)を除去することで、ビアを形成する。
【0104】
現像はウェット現像であることが好適である。ウェット現像に使用する現像液としては、安全かつ安定であり操作性が良好な現像液である限り、水系、有機溶剤系のいずれの現像液を使用してもよいが、水系現像液が好ましく、アルカリ性水溶液がより好ましい。
【0105】
現像液として好適に使用し得るアルカリ性水溶液としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等の炭酸塩又は重炭酸塩、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム等のアルカリ金属リン酸塩、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のアルカリ金属ピロリン酸塩の水溶液、テトラアルキルアンモニウムヒドロキシド等の金属イオンを含有しない有機塩基の水溶液が挙げられる。金属イオンを含有せず、半導体チップに影響を与えないという点でテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(ここで、アルキル部の炭素原子数は好ましくは1〜4)の水溶液が好ましく、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液がより好ましい。
【0106】
現像液として使用されるアルカリ性水溶液には、良好な現像性を得る観点から、界面活性剤、消泡剤等を添加してもよい。該アルカリ性水溶液のpHは、好ましくは8〜14、より好ましくは12〜14である。また、アルカリ性水溶液の塩基濃度は、0.1〜10質量%であることが好ましい。アルカリ性水溶液の温度は、樹脂組成物層の現像性に応じて適宜選択することができるが、20〜50℃とすることが好ましい。
【0107】
現像の方式としては、例えば、ディップ方式、パドル方式、スプレー方式、ブラッシング方式、スクラッピング方式等が挙げられ、解像性の観点から、パドル方式が好適である。パドル方式を採用する場合、現像液を滴下する際のスプレー圧は、0.05MPa〜0.3MPaが好ましい。
【0108】
ビアのトップ径(樹脂組成物層表面の開口の直径)は、配線の微細化、高密度化の観点から、好ましくは50μm以下、より好ましくは45μm以下、さらに好ましくは40μm以下、35μm以下、30μm以下、25μm以下、又は20μm以下である。ビアのトップ径の下限は、ビア内にメッキにより導電性材料を導入することによって絶縁層間の電気的な接続が確保できればよく、好ましくは5μm以上、より好ましく10μm以上、さらに好ましくは15μm以上である。上記特定の(A)乃至(C)成分を組み合わせて含む層間絶縁用樹脂組成物を使用する本発明においては、斯かる小径のビアを形成する場合にも良好な現像性を達成し得る。
【0109】
ビアの開口率[(ビアの底部径)/(ビアのトップ径)×100](%)は、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上又は85%以上である。ビアの開口率の上限は、高いほど好ましく、100%であってもよいが、通常、99%以下、98%以下などとなる。上記特定の(A)乃至(C)成分を組み合わせて含む層間絶縁用樹脂組成物を使用する本発明においては、斯かる開口率の高いビアを有利に形成することができる。
【0110】
<ポストベーク工程>
ポストベーク工程において、樹脂組成物層をポストベークし、絶縁層(樹脂組成物の硬化物層)を形成する。これにより、機械強度に優れる絶縁層が得られる。
【0111】
樹脂組成物層のポストベークは、例えば、i)樹脂組成物層に紫外線を照射する紫外線照射処理、ii)樹脂組成物層を加熱する加熱処理、iii)前記紫外線処理と加熱処理の組み合わせにより実施してよい。
【0112】
紫外線照射処理において、紫外線の光源は高圧水銀ランプとしてよい。紫外線の照射量は適宜決定してよく、例えば0.05J/cm〜10J/cmの範囲とすることができる。
【0113】
加熱処理において、加熱温度は、樹脂組成物層の組成等によっても異なるが、最終的に適切な絶縁層が形成され得る条件であれば特に限定されず、140℃〜240℃の範囲が好ましく、150℃〜210℃の範囲がより好ましく、160℃〜190℃の範囲がさらに好ましい。加熱時間は、樹脂組成物層の組成や熱硬化温度によっても異なるが、最終的に適切な絶縁層が形成される限り特に限定されず、例えば、20分間〜150分間、好ましくは30分間〜120分間とすることができる。
【0114】
<メッキ工程>
本発明のプリント配線板の製造方法は、ポストベーク工程の後、絶縁層上にメッキにより導体層を形成するメッキ工程をさらに含んでもよい。
【0115】
導体層に使用する導体材料は特に限定されない。好適な実施形態では、導体層は、金、白金、パラジウム、銀、銅、アルミニウム、コバルト、クロム、亜鉛、ニッケル、チタン、タングステン、鉄、スズ及びインジウムからなる群から選択される1種以上の金属を含む。導体層は、単金属層であっても合金層であってもよく、合金層としては、例えば、上記の群から選択される2種以上の金属の合金(例えば、ニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金及び銅・チタン合金)から形成された層が挙げられる。中でも、導体層形成の汎用性、コスト、パターニングの容易性等の観点から、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金、銅・ニッケル合金、銅・チタン合金の合金層が好ましく、クロム、ニッケル、チタン、アルミニウム、亜鉛、金、パラジウム、銀若しくは銅の単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層がより好ましく、銅の単金属層が更に好ましい。
【0116】
導体層は、単層構造であっても、異なる種類の金属若しくは合金からなる単金属層又は合金層が2層以上積層した複層構造であってもよい。導体層が複層構造である場合、絶縁層と接する層は、クロム、亜鉛若しくはチタンの単金属層、又はニッケル・クロム合金の合金層であることが好ましい。
【0117】
導体層の厚さは、所望のプリント配線板のデザインによるが、通常35μm以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは25μm以下である。導体層の厚さの下限は、特に限定されないが、通常3μm以上、好ましくは5μm以上である。
【0118】
メッキ工程において、導体層は、乾式メッキ、湿式メッキ、又はこれらの組み合わせにより形成してよい。
【0119】
乾式メッキとしては、例えば、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、レーザーアブレーション等の物理気相成長(PVD)法、熱CVD、プラズマCVD等の化学気相成長(CVD)法が挙げられ、中でも蒸着、スパッタリングが好ましい。蒸着(真空蒸着)では、例えば、基板を真空容器内に入れ、金属を加熱蒸発させることにより絶縁層上に導体層を形成することができる。スパッタリングでは、例えば、基板を真空容器内に入れ、アルゴン等の不活性ガスを導入し、直流電圧を印加して、イオン化した不活性ガスをターゲット金属に衝突させ、叩き出された金属により絶縁層上に導体層を形成することができる。導体層を乾式メッキのみにて形成する場合、フルアディティブ法、サブトラクティブ法等の公知の方法により導体層(回路)を形成してよい。
【0120】
導体層を湿式メッキにより形成する場合、無電解メッキと電解メッキとを組み合わせてセミアディティブ法又はサブトラクティブ法により導体層を形成してもよく、導体層とは逆パターンのメッキレジストを形成し、無電解メッキのみでフルアディティブ法により導体層を形成してもよい。
【0121】
導体層を湿式メッキにより形成する場合、湿式メッキに先立ち、膨潤液による膨潤処理、酸化剤による粗化処理及び中和液による中和処理をこの順に行うことによって、絶縁層の表面に凸凹のアンカーを形成することが好ましい。膨潤液による膨潤処理は、特に限定されないが、例えば、30℃〜90℃の膨潤液に絶縁層を1分間〜20分間浸漬することにより行うことができる。絶縁層の樹脂の膨潤を適度なレベルに抑える観点から、40℃〜80℃の膨潤液に硬化体を5分間〜15分間浸漬させることが好ましい。膨潤液としては特に限定されないが、アルカリ溶液、界面活性剤溶液等が挙げられ、好ましくはアルカリ溶液であり、該アルカリ溶液としては、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液がより好ましい。市販されている膨潤液としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「スウェリング・ディップ・セキュリガンスP」、「スウェリング・ディップ・セキュリガンスSBU」等が挙げられる。酸化剤による粗化処理は、60℃〜80℃に加熱した酸化剤に絶縁層を10分間〜30分間浸漬させて行うことが好ましい。酸化剤としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウムの水溶液に過マンガン酸カリウムや過マンガン酸ナトリウムを溶解したアルカリ性過マンガン酸溶液、重クロム酸塩、オゾン、過酸化水素/硫酸、硝酸等が挙げられる。また、アルカリ性過マンガン酸溶液における過マンガン酸塩の濃度は5質量%〜10質量%が好ましい。市販されている酸化剤としては、例えば、アトテックジャパン(株)製の「コンセントレート・コンパクトCP」、「ドージングソリューション・セキュリガンスP」等のアルカリ性過マンガン酸溶液が挙げられる。中和液による中和処理は、酸化剤による粗化処理がなされた処理面を30℃〜80℃の中和液に5分間〜30分間浸漬させることにより行うことができる。作業性等の点から、酸化剤による粗化処理がなされた対象物を、40℃〜70℃の中和液に5分間〜20分間浸漬する方法が好ましい。中和液としては、酸性の水溶液が好ましく、市販品としては、アトテックジャパン(株)製の「リダクションソリューション・セキュリガンスP」が挙げられる。
【0122】
乾式メッキと湿式メッキとを組み合わせて導体層を形成してもよい。例えば、乾式メッキにより形成した金属層をメッキシード層として利用し、電解メッキ又は無電解メッキを用いてセミアディティブ法により導体層を形成することができる。
【0123】
上記特定の(A)乃至(C)成分を組み合わせて含む層間絶縁用樹脂組成物を使用する本発明においては、接続信頼性に優れる小径ビアを備えたプリント配線板を有利に実現することができる。
【0124】
[半導体装置]
本発明のプリント配線板を用いて、半導体装置を製造することができる。
【0125】
半導体装置としては、電気製品(例えば、コンピューター、携帯電話、デジタルカメラ及びテレビ等)及び乗物(例えば、自動二輪車、自動車、電車、船舶及び航空機等)等に供される各種半導体装置が挙げられる。
【0126】
本発明の半導体装置は、プリント配線板の導通箇所に、部品(半導体チップ)を実装することにより製造することができる。「導通箇所」とは、「プリント配線板における電気信号を伝える箇所」であって、その場所は表面であっても、埋め込まれた箇所であってもいずれでも構わない。また、半導体チップは半導体を材料とする電気回路素子であれば特に限定されない。
【0127】
本発明の半導体装置を製造する際の半導体チップの実装方法は、半導体チップが有効に機能しさえすれば、特に限定されないが、具体的には、ワイヤボンディング実装方法、フリップチップ実装方法、バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法、異方性導電フィルム(ACF)による実装方法、非導電性フィルム(NCF)による実装方法、などが挙げられる。ここで、「バンプなしビルドアップ層(BBUL)による実装方法」とは、「半導体チップをプリント配線板の凹部に直接埋め込み、半導体チップとプリント配線板上の配線とを接続させる実装方法」のことである。
【実施例】
【0128】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、「部」は質量部を意味する。
【0129】
〔測定方法・評価方法〕
各種測定方法・評価方法について説明する。
【0130】
<現像性評価用積層体の調製>
回路銅層が形成されているガラスエポキシ基板(内層基板)の回路銅層をメック製「HE−7000Y」(硫酸―過酸化水素系エッチング液)にてエッチングして、回路銅層の厚さを18μmとした。次いで実施例、比較例で作製した支持体付き感光性フィルムを、樹脂組成物層が回路銅層と接合するように、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製「CVP700」)を用いて内層基板に積層して、内層基板\樹脂組成物層\支持体の層構成を有する積層体を得た。積層条件は、真空引きの時間30秒間、圧着温度80℃、圧着圧力0.5MPa、圧着時間30秒間であった。
【0131】
得られた積層体を室温で1時間以上静置した。その後、該積層体の支持体上に丸穴パターン(丸穴の直径20μm)を配し、パターン形成装置を用いて200mJ/cmの紫外線を照射した。室温にて30分間静置した後、前記積層体から支持体を剥離した。露出した樹脂組成物層の全面に、現像液として23℃、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液をスプレー圧0.1MPaにて最小現像時間(未露光部が現像される最小時間)の1.5倍の時間でスプレー現像した。スプレー現像後、樹脂組成物層に1J/cmの紫外線を照射し、さらに130℃にて30分間、180℃にて30分間の条件で加熱処理を行い、直径(トップ径)20μmの開口部を有する絶縁層を形成した。得られた積層体を「現像性評価用積層体」と称する。
【0132】
<接続信頼性評価用積層体の調製>
小径ビアの接続信頼性の評価に使用する積層体は、次の手順に従って調製した。
(i)ガラスエポキシ基板(内層基板)上に、第1の銅ランド(厚さ3μm、ランド径50μm、ピッチ100μm)を形成した。
(ii)該基板に、実施例、比較例で作製した支持体付き感光性フィルムを、樹脂組成物層が第1の銅ランドと接合するように、真空ラミネーター(ニチゴーモートン(株)製「CVP700」)を用いて積層した。積層は、現像性評価用積層体と同条件にて実施した。
(iii)第1の銅ランドの中心と現像後のビアホールの中心とが一致するように、現像性評価用積層体と同条件にて紫外線照射、現像、及び熱硬化を実施して、直径(トップ径)20μmのビアホールを有する第1の絶縁層を形成した。
(iv)得られた第1の絶縁層の表面に、スパッタ装置(キャノンアネルバ(株)製「E−400S」)を用いて銅層を形成した。そして、ビアホール位置に第2の銅ランド(厚さ3μm、ランド径50μm、ピッチ100μm)が形成されるようにドライフィルムレジスト(DFR)を用いてパターンを作成した後、電気めっきによりビアフィリングを行い、フィルドビアを形成した。その後、DFRを剥離し、不要な銅層をエッチングしてパターンを形成した。
【0133】
上記(ii)及び(iii)と同様にして、第2の銅ランドの中心と現像後のビアホールの中心とが一致するように、直径(トップ径)20μmのビアホールを有する第2の絶縁層を形成した。その後、上記(iv)と同様にして、ビアホール位置に第3の銅ランド(厚さ3μm、ランド径50μm、ピッチ100μm)を形成した。得られた積層体を「接続信頼性評価用積層体」と称する。図1に、該接続信頼性評価用積層体の模式図を示す。
【0134】
<アルカリ溶解速度の測定>
合成例1、2、3でそれぞれ合成した変性フェノール樹脂A、B、Cをカルビトールアセテートに溶解し、不揮発成分30重量%の溶液を調製した。該溶液をシリコンウエハー上に塗布し、120℃で3分間乾燥して厚さ5μmの樹脂膜を形成した。次いで、該樹脂膜を23℃、2.38wt%のTMAH水溶液に浸漬した。そして、変性フェノール樹脂の溶解により樹脂膜が消失するまでの時間に基づき溶解速度を算出した。
【0135】
<現像性の評価>
現像性評価用積層体について、丸穴の底部を走査型電子顕微鏡(SEM)にて観察(倍率4500倍)した。現像性は、下記基準に従って評価した。
評価基準:
○:直径20μmの丸穴の底部に現像残渣はなく、現像性に優れる
×:直径20μmの丸穴の底部に現像残渣があり、現像性が劣る
【0136】
<接続信頼性の評価>
接続信頼性評価用積層体について、−55℃で10分間、125℃で10分間を1サイクルとする熱サイクル試験を実施した(サイクル数:1000)。熱サイクル試験後の積層体の断面をSEMにて観察(倍率4500倍)した。接続信頼性は、下記基準に従って評価した。
評価基準:
○:ビア接続部分にクラック、剥がれが観察されない
×:ビア接続部分にクラック、剥がれが観察される
【0137】
<合成例1>変性フェノール樹脂Aの合成
1000mLセパラブルフラスコに、シクロヘキサノン176g、フェノールノボラック樹脂(DIC(株)製「TD−2090」)176g(1.68mol)を量り取り、完全に溶解するまで90℃にて撹拌した。同温度にて加熱しながら、グリシジルメタクリレート(日油(株)製「ブレンマーGS」、塩素フリータイプ)118g(0.84mol)、シクロヘキサノン142g、トリエチルアミン1g及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1gの混合溶液を滴下し、24時間撹拌し反応させて、変性フェノール樹脂A(メタクリレート変性フェノール樹脂)613.1gを得た。
【0138】
(変性フェノール樹脂Aの性状)
・固形分50質量%の溶剤溶解品
・メタクリレート基の比率:50%
・重量平均分子量:4870
・水酸基当量:352
・アルカリ溶解速度:6.86μm/分
【0139】
<合成例2>変性フェノール樹脂Bの合成
1000mLセパラブルフラスコに、シクロヘキサノン176g、フェノールノボラック樹脂(DIC(株)製「TD−2090」)176g(1.68mol)を量り取り、完全に溶解するまで90℃にて撹拌した。同温度にて加熱しながら、グリシジルメタクリレート(日油(株)製「ブレンマーGS」、塩素フリータイプ)47.8g(0.34mol)、シクロヘキサノン47.8g、トリエチルアミン1g及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1gの混合溶液を滴下し、8時間撹拌し反応させて、変性フェノール樹脂B(メタクリレート変性フェノール樹脂)448.7gを得た。
【0140】
(変性フェノール樹脂Bの性状)
・固形分50質量%の溶剤溶解品
・メタクリレート基の比率:20%
・重量平均分子量:2240
・水酸基当量:167
・アルカリ溶解速度:15.4μm/分
【0141】
<合成例3>変性フェノール樹脂Cの合成
2000mLセパラブルフラスコに、シクロヘキサノン176g、フェノールノボラック樹脂(DIC(株)製「TD−2090」)176g(1.68mol)を量り取り、完全に溶解するまで90℃にて撹拌した。同温度にて加熱しながら、グリシジルメタクリレート(日油(株)製「ブレンマーGS」、塩素フリータイプ)214.6g(1.51mol)、シクロヘキサノン214.6g、トリエチルアミン1g及びハイドロキノンモノメチルエーテル0.1gの混合溶液を滴下し、48時間撹拌し反応させて、変性フェノール樹脂C(メタクリレート変性フェノール樹脂)782.3gを得た。
【0142】
(変性フェノール樹脂Cの性状)
・固形分50質量%の溶剤溶解品
・メタクリレート基の比率:90%
・重量平均分子量:4200
・水酸基当量:1290
・アルカリ溶解速度:0.20μm/分
【0143】
<実施例1>
(1)樹脂ワニスの調製
変性フェノール樹脂Aを58部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分40質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)40部、反応性希釈剤(東亜合成(株)製「M−306」、液状3官能アクリレート)3部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−02」、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)6部、硬化促進剤(四国化成(株)製「1HBZM」、メタクリル酸2−(ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル、不揮発成分10質量%の1−メトキシ―2プロパノール溶液)5部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM−403」、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)2部を配合し、攪拌機((株)シンキー製「あわとり練太郎」)を用いて混錬し、樹脂ワニスを調製した。
【0144】
(2)支持体付き感光性フィルムの作製
支持体として、PETフィルム(東レ(株)製「FB40」、厚さ16μm)を用意した。上記(1)で得た樹脂ワニスを、該支持体上にダイコーターにて均一に塗布し、熱風対流式乾燥機を用いて75〜120℃(平均105℃)で10分間乾燥させて、樹脂組成物層の厚さ10μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
【0145】
<実施例2>
(1)樹脂ワニスの調製
フェノール樹脂Aを58部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分40質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)20部、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7760」、エポキシ当量233、数平均分子量880)10部、反応性希釈剤(東亜合成(株)製「M−306」、液状3官能アクリレート)3部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−02」、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)4部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−01」、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、不揮発成分10質量%のMEK溶液)4部、硬化促進剤(四国化成(株)製「1HBZM」、メタクリル酸2−(ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル、不揮発成分10質量%の1−メトキシ―2プロパノール溶液)5部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM−403」、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)2部を配合し、攪拌機((株)シンキー製「あわとり練太郎」)を用いて混錬し、樹脂ワニスを調製した。
【0146】
(2)支持体付き感光性フィルムの作製
上記(1)で調製した樹脂ワニスを使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物層の厚さ10μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
【0147】
<実施例3>
(1)樹脂ワニスの調製
フェノール樹脂Aを58部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分40質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)25部、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7760」、エポキシ当量233、数平均分子量880)8部、反応性希釈剤(日本化薬(株)製「DPHA」、液状6官能アクリレート)3部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−02」、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)3部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−01」、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、不揮発成分10質量%のMEK溶液)8部、硬化促進剤(四国化成(株)製「1HBZM」、メタクリル酸2−(ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル、不揮発成分10質量%の1−メトキシ―2プロパノール溶液)5部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX−S」、2、4−ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)2部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM−403」、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)2部を配合し、攪拌機((株)シンキー製「あわとり練太郎」)を用いて混錬し、樹脂ワニスを調製した。
【0148】
(2)支持体付き感光性フィルムの作製
上記(1)で調製した樹脂ワニスを使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物層の厚さ10μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
【0149】
<実施例4>
(1)樹脂ワニスの調製
フェノール樹脂Aを58部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分40質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)30部、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YL7760」、エポキシ当量233、数平均分子量880)5部、反応性希釈剤(日本化薬(株)製「DPHA」、液状6官能アクリレート)3部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−02」、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)5部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−01」、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、不揮発成分10質量%のMEK溶液)3部、硬化促進剤(四国化成(株)製「4M5HZM」、メタクリル酸(5−メチル−3H−イミダゾール−4−イル)メチル、不揮発成分10質量%のメタノール溶液)8部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX−S」、2、4−ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)1部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM−403」、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)2部を配合し、攪拌機((株)シンキー製「あわとり練太郎」)を用いて混錬し、樹脂ワニスを調製した。
【0150】
(2)支持体付き感光性フィルムの作製
上記(1)で調製した樹脂ワニスを使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物層の厚さ10μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
【0151】
<比較例1>
(1)樹脂ワニスの調製
フェノール樹脂Bを29部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分40質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)40部、反応性希釈剤(東亜合成(株)製「M−306」、液状3官能アクリレート)3部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−02」、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)5部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−01」、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、不揮発成分10質量%のMEK溶液)2部、硬化促進剤(四国化成(株)製「1HBZM」、メタクリル酸2−(ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル、不揮発成分10質量%の1−メトキシ―2プロパノール溶液)9部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX−S」、2、4−ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)3部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM−403」、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)2部を配合し、攪拌機((株)シンキー製「あわとり練太郎」)を用いて混錬し、樹脂ワニスを調製した。
【0152】
(2)支持体付き感光性フィルムの作製
上記(1)で調製した樹脂ワニスを使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物層の厚さ10μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
【0153】
<比較例2>
(1)樹脂ワニスの調製
フェノール樹脂Cを225部、ビキシレノール型エポキシ樹脂(三菱化学(株)製「YX4000HK」、エポキシ当量185、数平均分子量800、不揮発成分40質量%のMEKとシクロヘキサノンの1:1溶液)40部、反応性希釈剤(東亜合成(株)製「M−306」、液状3官能アクリレート)3部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−02」、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)、不揮発成分10質量%のMEK溶液)5部、光重合開始剤(BASFジャパン(株)製「OXE−01」、1.2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])、不揮発成分10質量%のMEK溶液)1部、硬化促進剤(四国化成(株)製「1HBZM」、メタクリル酸2−(ベンゾイミダゾール−1−イル)エチル、不揮発成分10質量%の1−メトキシ―2プロパノール溶液)10部、光増感剤(日本化薬(株)製「DETX−S」、2、4−ジエチルチオキサントン、不揮発成分10質量%のMEK溶液)2部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製「KBM−403」、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)2部を配合し、攪拌機((株)シンキー製「あわとり練太郎」)を用いて混錬し、樹脂ワニスを調製した。
【0154】
(2)支持体付き感光性フィルムの作製
上記(1)で調製した樹脂ワニスを使用した以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物層の厚さ10μmの支持体付き感光性フィルムを得た。
【0155】
結果を表1に示す。
【0156】
【表1】
【符号の説明】
【0157】
1 内層基板
2 第1の銅ランド
10 第1の絶縁層
11 フィルドビア
12 第2の銅ランド
20 第2の絶縁層
21 フィルドビア
22 第3の銅ランド
100 接続信頼性評価用積層体
図1