(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0019】
〔実施の形態1〕
図1に本発明の実施の形態1に係るプラグチェック装置1の構成図を示す。チェック装置1は、PTT用プラグ収納部10と、PTT用ロータリースイッチ部20と、CTT用プラグ収納部30と、CTT用ロータリースイッチ部40と、切替え部50と、テスター部60とを備えている。チェック装置1は、保護継電器盤に装着されているテストプラグターミナル用の8つの端子を持つ4極の電圧プラグP1(
図11参照)と、8つの端子を持つ4極の電流プラグP2(
図12参照)とをチェックするためのものである。
【0020】
PTT用プラグ収納部10は、電圧プラグP1をチェックするために、電圧プラグP1が差し込まれる部分つまり電圧プラグP1の受け側である。電圧プラグP1は、PTT用プラグ収納部10に着脱自在である。PTT用プラグ収納部10は、
図2に示すように、電圧プラグP1の各相に接触する端子11〜18を備えている。例えば、PTT用プラグ収納部10の端子11、15がR相用であり、端子12、16がS相用である。また、PTT用プラグ収納部10の端子13、17がT相用であり、端子14、18がN相用である。
【0021】
テスター部60は、抵抗レンジを使い導通状態と抵抗値とを測定するために用いられる。このために、テスター部60は、測定用の2つの測定端子として、プラス側端子61Aとマイナス側端子61Bとを備えている。テスター部60は、測定結果を表すメータ62や、測定レンジを切り替えるためのスイッチ63を備え、抵抗レンジに固定して使用される。
【0022】
切替え部50は、テスター部60をPTT用ロータリースイッチ部20に接続するか、またはCTT用ロータリースイッチ部40に接続するかを切り替える切替えスイッチである。具体的には、
図3に示すように、切替え部50は接点51A
1〜51A
3と、接点51B
1〜51B
3と、切替え具52とを備えている。そして、切替え具52が矢印方向に動かされると、接点51A
1が接点51A
2または接点51A
3に接続され、同時に、接点51B
1が接点51B
2または接点51B
3に接続される。これにより、テスター部60のプラス側端子61Aとマイナス側端子61BがPTT用ロータリースイッチ部20に接続されるか、またはCTT用ロータリースイッチ部40に接続されるかが切り替えられる。なお、
図2では、切替え部50により、テスター部60がPTT用ロータリースイッチ部20に接続されている状態を示して、切替え部50の図示を省略している。さらに、切替え部50は、PTT用ロータリースイッチ部20やCTT用ロータリースイッチ部40に対して、テスター部60を接続するか、または、メガー(図示を省略)を接続するようにしてもよい。
【0023】
PTT用ロータリースイッチ部20は、PTT用プラグ収納部10の各端子11〜18に対する接続を切り替える。このために、PTT用ロータリースイッチ部20は、基本的に
図2に示す構成のロータリースイッチ21を備えている。
【0024】
ロータリースイッチ21は、棒状の回転軸21Aを備え、さらに回転軸21Aには円形の回転体21B、21D、21E、21Gが固定されている。回転軸21Aの一端にはノブ21Bが取り付けられている。ノブ21Bは、作業者によって操作される部分であり、45度ずつ段階的に回転する構造である。ノブ21Bと間をおいて回転軸21Aには、円板状の第1の回転体21Cが取り付けられている。第1の回転体21Cの周囲には、円環状の第1の回転導体部21Dが取り付けられている。第1の回転導体部21Dは導電性の材料で作られていて、第1の回転導体部21Dに常時接触する固定接点21D
1が設けられている。ノブ21Bの段階的な回転によって第1の回転導体部21Dが回転しても、固定接点21D
1は第1の回転導体部21Dと常に接触している。こうした固定接点21D
1は、テスター部60のプラス側端子61Aと接続されている。
【0025】
第1の回転体21Cと間をおいて回転軸21Aには、円板状の第2の回転体21Eが取り付けられている。第2の回転体21Eの周囲には、円環状の第2の回転導体部21Fが取り付けられている。第2の回転導体部21Fは導電性の材料で作られていて、第2の回転導体部21Fに常時接触する固定接点21F
1が設けられている。ノブ21Bの段階的な回転によって第2の回転導体部21Fが回転しても、固定接点21F
1は第2の回転導体部21Fと常に接触している。こうした固定接点21F
1は、テスター部60のマイナス側端子61Bと接続されている。
【0026】
第2の回転体21Eの下部には第3の回転体21Gが取り付けられている。この回転体21Gには、45度の間隔で可動接点21G
1〜21G
8が円形に配置されている。可動接点21G
1〜21G
8は、ノブ21Bの段階的な回転によって、回転軸21Aを中心にして45度ずつ回転する。つまり、可動接点21G
1は、内部配線により円環状の第1の回転導体部21Dに固定されている。また、可動接点21G
2〜21G
8は、一点で接続され、接続点J1が第2の回転導体部21Fに内部配線により接続されている。さらに、ノブ21Bが止まる各位置には、可動接点21G
1〜21G
8と電気的に接触するように、8つの固定接点が配置されている。8つの固定接点の位置を丸囲み数字1〜8で示している。8つの固定接点は、PTT用プラグ収納部10の端子11〜18にそれぞれ接続されている。そして、ノブ21Bの初期位置では、可動接点21G
1が丸囲み数字1の位置にある固定接点と接触し、可動接点21G
2〜21G
8が丸囲み数字2〜8の位置にある固定接点と接触している。つまり、初期位置では、可動接点21G
1がテスター部60のプラス側端子61Aに接続されている。
【0027】
具体的には
図4に示すように、ロータリースイッチ21の可動接点21G
1は、内部配線21G
11によって第1の回転導体部21Dに接続されている。これにより、可動接点21G
1は、第1の回転導体部21Dに対して電気的に接続され、かつ、第1の回転導体部21Dと一緒に回転する。また、可動接点21G
2〜21G
8は、内部配線21G
21〜21G
81によって第2の回転導体部21Fに接続されている。これにより、可動接点21G
2〜21G
8は、第2の回転導体部21Fに対して電気的に接続され、かつ、第2の回転導体部21Fと一緒に回転する。
【0028】
ロータリースイッチ21の可動接点21G
1〜21G
8には、電気的に接触するように固定接点21G
12〜21G
82が配置されている。
【0029】
こうした構造のロータリースイッチ21では、先の
図2に示すように、可動接点21G
1が固定接点21G
12と電気的に接触している状態が、ノブ21Bの初期位置である。このときには、可動接点21G
2〜21G
8は固定接点21G
22〜21G
82とそれぞれ電気的に接触している。初期位置からノブ21Bが45度、時計方向に回転されると、可動接点21G
1が隣接する固定接点21G
22と電気的に接触し、可動接点21G
2〜21G
8は固定接点21G
32〜21G
82、21G
12と電気的に接触する。
【0030】
こうしたロータリースイッチ21は、PTT用プラグ収納部10に差し込まれている電圧プラグP1をチェックする際に、電圧プラグP1が差し込まれているPTT用プラグ収納部10の端子11〜18の中から、チェックの基準となり、テスター部60のプラス側端子61Aに接続される端子を順に選択する。この選択は、ノブ21Bを45度ずつ回転することで行われる。さらに、ノブ21Bの初期位置では、PTT用プラグ収納部10の端子11〜18の中から、端子11が選択されている。つまり、初期位置では、PTT用プラグ収納部10の端子11がテスター部60のプラス側端子61Aに接続されている。以上がPTT用ロータリースイッチ部20の構造である。
【0031】
次にプラグチェック装置1による電圧プラグP1のチェック方法について説明する。なお、CTT用プラグ収納部30とCTT用ロータリースイッチ部40の構成については後述する。
【0032】
作業者が保護継電器盤を点検するために、4極の電圧プラグP1をチェックする。電圧プラグP1をチェックするために、作業者はプラグチェック装置1のPTT用プラグ収納部10に電圧プラグP1を差し込む。この後、作業者は切替え部50を操作して、テスター部60をPTT用ロータリースイッチ部20に接続する。さらに、作業者は、PTT用ロータリースイッチ部20のノブ21Bを初期位置にする。
【0033】
これにより、
図5に示すように、テスター部60のプラス側端子61Aに対して、可動接点21G
1と固定接点21G
12とを経て、PTT用プラグ収納部10の端子11が接続される。つまり、ノブ21Bの初期位置では、電圧プラグP1用のPTT用プラグ収納部10の端子11が基準となる端子である。また、テスター部60のマイナス側端子61Bに対しては、可動接点21G
2〜21G
8と固定接点21G
22〜21G
82とを経て、PTT用プラグ収納部10の端子12〜18がそれぞれ接続される。このときには、端子12〜18はすべて電気的にテスター部60のマイナス側端子61Bに接続される。
【0034】
この状態で、テスター部60は抵抗測定モードになっているので、
基準の端子11と端子12との間
基準の端子11と端子13との間
基準の端子11と端子14との間
基準の端子11と端子15との間
基準の端子11と端子16との間
基準の端子11と端子17との間
基準の端子11と端子18との間
の抵抗を一度に測定する。
【0035】
図示を省略しているが、同じようにして、ノブ21Bを時計方向に45度回転すると、基準となる端子が端子11から端子12に代わる。この状態でテスター部60は、
基準となる端子12と端子13との間
基準となる端子12と端子14との間
基準となる端子12と端子15との間
基準となる端子12と端子16との間
基準となる端子12と端子17との間
基準となる端子12と端子18との間
基準となる端子12と端子11との間
の抵抗を一度に測定する。
【0036】
このように、PTT用ロータリースイッチ部20のノブ21Bを45度ずつ回転すると、つまり、ノブ21Bの8点の位置で、テスター部60のプラス側端子61Aが接続される基準となる端子が、端子11から端子18まで順に変化する。これにより、ノブ21Bの8回の操作で、基準を移しながら、電圧プラグのすべての抵抗を測定することにより、端子間が正常に開放されているかどうかをチェックすることができる。以上がプラグチェック装置1を用いた電圧プラグP1のチェック方法である。
【0037】
次に、CTT用プラグ収納部30とCTT用ロータリースイッチ部40とについて説明する。PTTとCTT用のロータリースイッチの構造の違いは、PTT用は開放チェックのみを行うが、CTT用は電流プラグP2側の丸囲み数字1〜丸囲み数字4は短絡がしてあり、丸囲み数字5〜丸囲み数字8は開放状態であるために、測定回路は短絡側の丸囲み数字1〜丸囲み数字4と開放側の丸囲み数字5〜丸囲み数字8を二分割し、それぞれ測定方法の違う回路を構成している。
【0038】
CTT用プラグ収納部30は、電流プラグP2をチェックするために、電流プラグP2が差し込まれる部分つまり電流プラグP2の受け側である。電流プラグP2は、CTT用プラグ収納部30に着脱自在である。CTT用プラグ収納部30は、
図6に示すように、電流プラグP2の各相に接触する端子31〜38を備えている。例えば、CTT用プラグ収納部30の端子31、35がR相用であり、端子32、36がS相用である。また、CTT用プラグ収納部30の端子33、37がT相用であり、端子34、38がN相用である。
【0039】
CTT用ロータリースイッチ部40は、CTT用プラグ収納部30の各端子31〜38に対する接続を切り替える。このために、CTT用ロータリースイッチ部40は、ロータリースイッチ41を備えている。
【0040】
ロータリースイッチ41は、棒状の回転軸41Aを備えている。回転軸41Aには円形の回転体41B、41C、41E、41G、41Hが固定されている。回転軸41Aの一端にはノブ41Bが取り付けられている。ノブ41Bは作業者によって操作される部分であり、45度ずつ段階的(8段)に回転する構造である。ノブ41Bと間をおいて回転軸41Aには、円板状の第1の回転体41Cが取り付けられている。第1の回転体41Cの周囲には、円環状の第1の回転導体部41Dが取り付けられている。第1の回転導体部41Dは導電性の材料で作られていて、第1の回転導体部41Dには固定接点41D
1が常に接触している。つまり、ノブ21Bの段階的な回転によって第1の回転導体部41Dが回転しても、固定接点41D
1は常に第1の回転導体部41Dと接触している。こうした固定接点41D
1は、テスター部60のプラス側端子61Aと接続されている。
【0041】
第1の回転体41Cと間をおいて回転軸41Aには、円板状の第2の回転体41Eが取り付けられている。第2の回転体41Eの周囲には、円環状の第2の回転導体部41Fが取り付けられている。第2の回転導体部41Fは導電性の材料で作られていて、第2の回転導体部41Fには固定接点41F
1が設けられている。つまり、ノブ41Bの段階的な回転によって第2の回転導体部41Fが回転しても、固定接点41F
1は常に第2の回転導体部41Fと接触している。こうした固定接点41F
1は、テスター部60のマイナス側端子61Bと接続されている。
【0042】
第2の回転体41Eの下部には第3の回転体41Gおよび第4の回転体41Hが取り付けられている。この回転体41Gと回転体41Hとは電流プラグP2の測定回路を二分割し、回転体41Gは短絡用、回転体41Hは開放用の測定回路を構成している。回転体41Gは、可動接点41G
1〜41G
4が互いに90度の角度で円形に配置されている。可動接点41G
1〜41G
4は、ノブ41Bの段階的な回転によって、回転軸41Aを中心にして45度ずつ回転する。また、可動接点41G
2〜41G
4は、抵抗41R
1〜41R
3を介在して、一点で接続され、接続点J11が第2の回転導体部41Fに接続されている。
【0043】
また、ノブ41Bが90度回転する毎に止まる位置には、4つの固定接点が配置されている。4つの固定接点の位置を丸囲み数字1〜4で示している。4つの固定接点は、CTT用プラグ収納部30の端子31〜34にそれぞれ接続されている。そして、ノブ41Bの初期位置では、可動接点41G
1が丸囲み数字1の位置にある固定接点と接触している。つまり、初期位置では、可動接点41G
1がテスター部60のプラス側端子61Aに接続されている。また、初期位置では、可動接点41G
2〜41G
4が丸囲み数字2〜4の位置にある固定接点と接触している。
【0044】
次に、ノブ41Bをさらに45度回転(2段位置)させれば、回転体41Gの回路は可動接点41G
1〜41G
4が固定接点の無い場所に移動し、回路は構成されない。
【0045】
このように、ノブ41Bの操作により交互に短絡と開放の回路を測定し、8点(1〜8段)の操作で一周し、電流プラグ1個の短絡と開放の測定が完了する。
【0046】
次に、説明が前後するが、回転体41Hは電流プラグの開放を測定する回路を構成し、回転体41Hの可動接点は回転体41Gの可動接点41G
1〜41G
4よりそれぞれが45度ずらして配置され、ノブ41Bを45度ずつ回すことで、回転体41Gと回転体41Hの回路が交互に構成される。
【0047】
回転体41Hの周囲には、可動接点41H
1〜41H
4が互いに90度の角度で円形に配置されている。可動接点41H
1〜41H
4は可動接点41G
1〜41G
4と向かい合うように配置されている。可動接点41H
1〜41H
4と稼動接点41G
1〜41G
4は、ノブ41Bの段階的な回転によって、回転軸41Aを中心にして45度ずつ回転する。また、回転体41Gの周囲には丸囲み数字1〜丸囲み数字4で示される位置の固定接点が90度の間隔で配置され、回転体41Hの周囲には丸囲み数字5〜丸囲み数字8で示される位置の固定接点が90度の間隔で配置されている。丸囲み数字1〜丸囲み数字4の固定接点と丸囲み数字5〜丸囲み数字8の固定接点は45度ずらした位置に配置されている。回転体41Gと回転体41Hに接続する固定接点が45度のずれ位置により、ノブ41Bを45度回転する度に回転体41Gと回転体41Hの回路が交互に形成される。ノブ41Bが止まる位置には、4つの固定接点が配置されている。4つの固定接点の位置を丸囲み数字5〜8で示している。4つの固定接点は、CTT用プラグ収納部30の端子35〜38にそれぞれ接続されている。
【0048】
そして、繰り返しになるが、ノブ41Bの初期位置では、可動接点41G
1が丸囲み数字1の位置にある固定接点と接触し、かつ、可動接点41G
2〜41G
4が丸囲み数字2〜4の位置にある固定接点と接触している。また、ノブ41Bの初期位置では、可動接点41H
1〜41H
4は丸囲み数字5〜8の位置にある固定接点と接触していない。つまり、ノブ41Bの初期位置では、可動接点41H
1〜41H
4は無接続状態である。
【0049】
具体的には
図7に示すように、ロータリースイッチ41の可動接点41G
1は、内部配線41G
11によって第1の回転導体部41Dに接続されている。これにより、可動接点41G
1は、第1の回転導体部41Dに対して電気的に接続され、かつ、第1の回転導体部41Dと一緒に回転する。また、可動接点41G
2〜41G
4は、抵抗41R
1〜41R
3を介在した内部配線41G
21〜41G
41によって、第2の回転導体部41Fに接続されている。
【0050】
ロータリースイッチ41の可動接点41G
1〜41G
4には、電気的に接触する固定接点41G
12〜41G
42が配置されている。固定接点41G
12〜41G
42は配置位置が固定されていて、ノブ41Bの段階的な回転と共に回転するものではない。さらに、固定接点41G
12〜41G
42は、CTT用プラグ収納部30の端子31〜34にそれぞれ接続されている。
【0051】
ロータリースイッチ41の可動接点41G
1〜41G
4と間をおいて回転軸41Aの周囲には、可動接点41H
1〜41H
4が配置されている。このとき、可動接点41H
1〜41H
4は、可動接点41G
1〜41G
4に対して、45度だけずれて配置されている。可動接点41H
1は、内部配線41H
11によって第1の回転導体部41Dに固定されている。これにより、可動接点41H
1は、第1の回転導体部41Dに対して電気的に接続され、かつ、第1の回転導体部41Dと一緒に回転する。また、可動接点41H
2〜41H
4は、棒状の接続具41H
21〜41H
41によって円環状の第2の回転導体部41Fに固定されている。これにより、可動接点41H
2〜41H
4は、第2の回転導体部41Fと共に45度ずつ回転する。
【0052】
ロータリースイッチ41の可動接点41H
1〜41H
4には、電気的に接触するように固定接点41H
12〜41H
42が互いに90度の角度で配置されている。固定接点41H
12〜41H
42は配置位置が固定されていて、ノブ21Bの段階的な回転と共に回転するものではない。また、固定接点41H
12〜41H
42は固定接点41G
12〜41G
42と向かい合うように同じ位置に90度の角度で配置されている。さらに、固定接点41H
12〜41H
42は、CTT用プラグ収納部30の端子35〜38にそれぞれ接続されている。
【0053】
こうした構造のロータリースイッチ41では、先の
図6に示すように、可動接点41G
1が固定接点41G
12(
図7)と電気的に接触し、かつ、可動接点41H
1が固定接点に無接続である状態が、ノブ41Bの初期位置である。このときには、可動接点41G
2〜41G
4は固定接点41G
22〜41G
42(
図7)と電気的に接触し、可動接点41H
2〜41H
4は固定接点に無接続の状態である。初期状態からノブ41Bが45度、時計方向に回転されると、可動接点41G
1が固定接点に無接続の状態であり、かつ、可動接点41H
1が隣接する固定接点41H
12(
図7)と電気的に接触する。また、可動接点41G
2〜41G
4は固定接点に無接続の状態であり、可動接点41H
2〜41H
4は固定接点41H
22〜41G
42(
図7)と電気的に接触している。
【0054】
こうしたロータリースイッチ41は、CTT用プラグ収納部30に差し込まれている電流プラグP2をチェックする際に、電流プラグP2が差し込まれているCTT用プラグ収納部30の端子31〜34と端子35〜38との中から、チェックの基準となる端子、つまり、テスター部60のプラス側端子61Aに接続される端子を順に選択する。この選択は、ノブ41Bを45度ずつ回転することで行われる。さらに、ノブ41Bの初期位置では端子31〜34の中から、端子31が選択されている。以上がCTT用ロータリースイッチ部40の構造である。
【0055】
次にプラグチェック装置1による電流プラグP2のチェック方法について説明する。作業者が保護継電器盤を点検するために、4極の電流プラグP2をチェックする。電流プラグP2をチェックするために、作業者はプラグチェック装置1のCTT用プラグ収納部30に電流プラグP2を差し込む。この後、作業者は切替え部50を操作して、テスター部60をCTT用ロータリースイッチ部40に接続し、テスター部60の測定モードを抵抗測定にする。さらに、作業者は、CTT用ロータリースイッチ部40のノブ41Bを初期位置にする。
【0056】
これにより、テスター部60のプラス側端子61Aは、ロータリースイッチ41の第1の回転導体部41Dと常に接触されているので、可動接点41G
1に接続される。可動接点41G
1には固定接点41G
12が接触するので、可動接点41G
1はCTT用プラグ収納部30の端子31に接続される。つまり、
図8に示すように、テスター部60のプラス側端子61Aは、CTT用プラグ収納部30の端子31に電気的に接続される。
【0057】
テスター部60のマイナス側端子61Bは、ロータリースイッチ41の第2の回転導体部41Fと常に接触されているので、接続点J11を経て、抵抗41R
1〜41R
3にそれぞれ接続されている。抵抗41R
1〜41R
3は、可動接点41G
2〜41G
4に接続されている。可動接点41G
2〜41G
4には固定接点41G
22〜41G
42が接触するので、可動接点41G
2〜41G
4はCTT用プラグ収納部30の端子32〜34に電気的に接続される。つまり、
図8に示すように、テスター部60のマイナス側端子61Bは、抵抗41R
1〜41R
3を介在して、CTT用プラグ収納部30の端子32〜34に電気的に接続される。そして、テスター部60のプラス側端子61Aが接続されているCTT用プラグ収納部30の端子31が測定の基準となる。
【0058】
CTT用プラグ収納部30に差し込まれている電流プラグP2により、CTT用プラグ収納部30では、
図9に示すように、
端子31と端子32との間
端子32と端子33との間
端子33と端子34との間
が短絡される。
【0059】
これにより、テスター部60による抵抗41R
1〜41R
3を流れる電流の流路が次のように形成される。
a.テスター部60のプラス側端子61A→CTT用プラグ収納部30の端子31→電流プラグP2→CTT用プラグ収納部30の端子32→抵抗41R
1→テスター部60のマイナス側端子61B
b.テスター部60のプラス側端子61A→CTT用プラグ収納部30の端子31→電流プラグP2→CTT用プラグ収納部30の端子33→抵抗41R
2→テスター部60のマイナス側端子61B
c.テスター部60のプラス側端子61A→CTT用プラグ収納部30の端子31→電流プラグP2→CTT用プラグ収納部30の端子34→抵抗41R
3→テスター部60のマイナス側端子61B
【0060】
つまり、端子32に接続された抵抗41R
1は、端子32と端子31とを経て、テスター部60のプラス側端子61Aに接続される。また、端子33に接続された抵抗41R
2は、端子33と端子32と端子31とを経て、テスター部60のプラス側端子61Aに接続される。さらに、端子34に接続された抵抗41R
3は、端子34と端子33と端子32と端子31とを経て、テスター部60のプラス側端子61Aに接続される。
【0061】
この結果、抵抗41R
1〜41R
3は、並列に接続されることになる。例えば抵抗41R
1〜41R
3の抵抗値を、値R
1〜R
3とすると、抵抗41R
1〜41R
3によるテスター部60のプラス側端子61Aとマイナス側端子61Bとの間の合成抵抗である並列抵抗の値R
0は、
【数1】
になる。
【0062】
ここで、
図10に示すように、電流プラグP2の例えば丸囲み数字2と丸囲み数字3との間の接続が図中の×印で示すように開放されていると、
図8のCTT用プラグ収納部30では、
端子32と端子33との間が開放
になる。この結果、端子33に接続された抵抗41R
2は、端子33と端子32と端子31とを経るので、テスター部60のプラス側端子61Aに対して、接続されなくなる。さらに、端子34に接続された抵抗41R
3は、端子34と端子33と端子32と端子31とを経るので、テスター部60のプラス側端子61Aに接続されなくなる。
【0063】
これにより、並列抵抗の値R
0は、
【数2】
となる。つまり、テスター部60が計測する並列抵抗は、電流プラグP2が正常に短絡されている場合と、開放がある場合とでは異なる値となるので、この並列抵抗の値の変化で異常のある電流プラグP2を容易に見つけ出すことができる。
【0064】
ところで、プラグチェック装置が電流プラグP2の短絡をチェックしているときには、ロータリースイッチ41(
図6)の可動接点41H
1〜41H
4は無接続の状態にあり、電流プラグP2のチェックには係わらない。
【0065】
次に、作業者がCTT用ロータリースイッチ部40のノブ41Bを初期位置から45度回転した位置にする。これにより、初期位置から45度回転した可動接点41G
1〜41G
4は無接続の状態になり、電流プラグP2のチェックには係わらない。
【0066】
一方、初期位置から45度回転した可動接点41H
1〜41H
4は、固定接点41H
12〜41H
42と接触する。固定接点41H
12〜41H
42は、CTT用プラグ収納部30の端子35〜38にそれぞれ接続されている。この結果、テスター部60のプラス側端子61Aは、固定接点41D
1、第1の回転導体部41D、可動接点41H
1を経て、CTT用プラグ収納部30の端子35に接続される。そして、この端子35が測定の基準になる。また、テスター部60のマイナス側端子61Bは、固定接点41F
1、第2の回転導体部41F、接続点J12を経て、CTT用プラグ収納部30の端子36〜38にそれぞれ接続される。そして、CTT用プラグ収納部30では、
基準の端子35と端子36との間
基準の端子35と端子37との間
基準の端子35と端子38との間
の開放を一度に測定する。
【0067】
この後、作業者がノブ41Bをさらに45度回転した位置にする。これにより、可動接点41G
1、41G
2、41G
3、41G
4が固定接点41G
22、41G
32、41G
42、41G
12とそれぞれ接触し、かつ、テスター部60のプラス側端子61Aに接続されているCTT用プラグ収納部30の端子36が測定の基準になる。この状態で、電流プラグP2が正常に短絡されているかどうかをチェックする。このときには、ロータリースイッチ41(
図6)の可動接点41H
1〜41H
4は無接続の状態にあり、電流プラグP2のチェックには係わらない。
【0068】
さらに、この後、作業者がノブ41Bをさらに45度回転した位置にする。これにより、可動接点41G
1〜41G
4は無接続の状態にあり、電流プラグP2のチェックには係わらない。
【0069】
一方、可動接点41H
1、41H
2、41H
3、41H
4は、固定接点41H
22、41H
32、41H
42、41H
12とそれぞれ接触し、かつ、テスター部60のプラス側端子61Aに接続されているCTT用プラグ収納部30の端子36が測定の基準になる。この状態で、電流プラグP2が正常に開放されているかどうかをチェックする。
【0070】
以降は、作業者がノブ41Bを45度回転する毎に、電流プラグP2の短絡と開放のチェックを、測定の基準を移しながら行っていく。
【0071】
以上説明したように、この実施の形態1では、PTT用プラグ収納部(第1のプラグ収納部)10と、CTT用プラグ収納部(第2のプラグ収納部)30と、テスター部(計測部)60と、PTT用ロータリースイッチ部(第1の切替えスイッチ部)20と、CTT用ロータリースイッチ部(第2の切替えスイッチ部)40と、切替え部50と、を備えて、作業対象の盤に装着されているテストプラグターミナル用の電圧プラグP1と電流プラグP2とをチェックするプラグチェック装置1において、電圧プラグP1のチェック時には、PTT用ロータリースイッチ部20により、PTT用プラグ収納部10が持つ各端子の中の1つを選択し、該選択した端子をテスター部60の一方の測定端子に接続すると共に、PTT用プラグ収納部10の残りの端子を電気的に接触させた状態で、これらのすべての端子をテスター部60の他方の測定端子に接続して、電圧プラグP1のチェックを行う。4極の電圧プラグP1の場合、PTT用ロータリースイッチ部20において、ノブ21Bの回転操作を8回行うことで、全端子間の開放状態を確認することができ、チェック時間を大幅に短縮することが可能である。
【0072】
また、電流プラグP2のチェック時には、CTT用ロータリースイッチ部40により、CTT用プラグ収納部30が持つ各端子であって電流プラグP2の短絡側と接触している端子の中の1つを選択し、該選択した端子をテスター部60の一方の測定端子に接続すると共に、CTT用プラグ収納部30が持つ各端子であって電流プラグP2の短絡側と接触している端子の残りの端子を、抵抗を介在して電気的に接触させた状態で、これらのすべての端子をテスター部60の他方の測定端子に接続して、電流プラグP2のチェックを行う。4極の電流プラグP2の場合、CTT用ロータリースイッチ部40において、ノブ41Bの回転操作を1回行うことで、回路の開放が無いことを確認することができ、チェック時間を大幅に短縮することが可能である。
【0073】
また、電圧プラグP1をPTT用プラグ収納部10に差し込み、電流プラグP2をCTT用プラグ収納部30に差し込むことによりチェックを行うので、チェックの確実性を高めることができる。
【0074】
また、基本的な装置構成は、2つのプラグ収納部10、30と、2つのロータリースイッチ21、41と、切替え部50と、テスター部60と、による構成であるので、試験装置を安価に製作することが可能である。
【0075】
〔実施の形態2〕
次に、本発明の実施の形態2に係るプラグチェック装置は、作業対象の盤に装着されているテストプラグターミナル用の電圧プラグをチェックするプラグチェック装置である。
【0076】
この実施の形態2では、PTT用プラグ収納部(第1のプラグ収納部)10と、テスター部(計測部)60と、PTT用ロータリースイッチ部(第1の切替えスイッチ部)20と、を備えて、作業対象の盤に装着されているテストプラグターミナル用の電圧プラグP1をチェックする。各構成要素の構造、機能等の詳細は実施の形態1と同等であり、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0077】
電圧プラグP1のチェック時には、PTT用ロータリースイッチ部20により、PTT用プラグ収納部10が持つ各端子の中の1つを選択し、該選択した端子をテスター部60の一方の測定端子に接続すると共に、PTT用プラグ収納部10の残りの端子を電気的に接触させた状態で、これらのすべての端子をテスター部60の他方の測定端子に接続して、電圧プラグP1のチェックを行う。4極の電圧プラグP1の場合、PTT用ロータリースイッチ部20において、ノブ21Bの回転操作を8回行うことで、全端子間の開放状態を確認することができ、チェック時間を大幅に短縮することが可能である。
【0078】
また、電圧プラグP1をPTT用プラグ収納部10に差し込むことによりチェックを行うので、チェックの確実性を高めることができる。さらに、基本的な装置構成は、1つのプラグ収納部10と、1つのロータリースイッチ21と、テスター部60と、による構成であるので、試験装置を安価に製作することが可能である。
【0079】
〔実施の形態3〕
次に、本発明の実施の形態3に係るプラグチェック装置は、作業対象の盤に装着されているテストプラグターミナル用の電流プラグをチェックするプラグチェック装置である。
【0080】
この実施の形態3では、CTT用プラグ収納部(第2のプラグ収納部)30と、テスター部(計測部)60と、CTT用ロータリースイッチ部(第2の切替えスイッチ部)40と、を備えて、作業対象の盤に装着されているテストプラグターミナル用の電流プラグP2をチェックする。各構成要素の構造、機能等の詳細は実施の形態1と同等であり、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0081】
電流プラグP2のチェック時には、CTT用ロータリースイッチ部40により、CTT用プラグ収納部30が持つ各端子であって電流プラグP2の短絡側と接触している端子の中の1つを選択し、該選択した端子をテスター部60の一方の測定端子に接続すると共に、CTT用プラグ収納部30が持つ各端子であって電流プラグP2の短絡側と接触している端子の残りの端子を、抵抗を介在して電気的に接触させた状態で、これらのすべての端子をテスター部60の他方の測定端子に接続して、電流プラグP2のチェックを行う。4極の電流プラグP2の場合、CTT用ロータリースイッチ部40において、ノブ41Bの回転操作を1回行うことで、回路の開放が無いことを確認することができ、チェック時間を大幅に短縮することが可能である。
【0082】
また、電流プラグP2をCTT用プラグ収納部30に差し込むことによりチェックを行うので、チェックの確実性を高めることができる。さらに、基本的な装置構成は、1つのプラグ収納部30と、1つのロータリースイッチ41と、テスター部60と、による構成であるので、試験装置を安価に製作することが可能である。
【0083】
〔実施の形態4〕
次に、実施の形態4のプラグチェック装置は、上記実施の形態1のプラグチェック装置1の構成(
図1参照)において、メガー部を付加し、切替え部50により、PTT用ロータリースイッチ部(第1の切替えスイッチ部)20とCTT用ロータリースイッチ部(第2の切替えスイッチ部)40とを選択可能にすると共に、選択した切替えスイッチ部をテスター部60またはメガー部に選択的に接続可能な構成を備える。
【0084】
ここで、メガー部は、絶縁抵抗を測る測定装置であり、測定端子間に接続される測定対象の絶縁抵抗を測る。
【0085】
この実施の形態4のプラグチェック装置によれば、上記実施の形態1のプラグチェック装置1と同等の効果を奏することができると共に、メガー使用時の安全性を飛躍的に高めることができる。
【0086】
また、上記実施の形態2または実施の形態3のプラグチェック装置に、メガー部および切替え部を付加し、切替え部により、切替えスイッチ部(PTT用ロータリースイッチ部20またはCTT用ロータリースイッチ部40)をテスター部60またはメガー部に選択的に接続可能な構成としてもよい。このような構成によっても、上記実施の形態2または実施の形態3のプラグチェック装置と同等の効果を奏することができると共に、メガー使用時の安全性を飛躍的に高めることができる。
【0087】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の各実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。