(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の保護帯域要件を決定するステップは、前記第1の光経路距離に割合を適用するステップであって、前記割合は、保護帯域を有しない前記第1の光経路距離に基づき、前記第1の保護帯域要件は、閾長さより長い前記第1の光経路距離の部分に更に基づく、ステップを有する、請求項7に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
顧客のトラフィックデマンドを満たすために必要な光再生器及びトランスポンダの数は、ネットワーク事業者にとって重要な関心事である。光再生器の数は、光経路に沿って信号品質を劣化させる光学的機能障害の影響を軽減することにより最大光到達距離のために光信号を設計することにより、最小化され得る。このような機能障害の1つは、隣接する光信号の間の相互位相変調に起因する。この影響は、近隣の光信号の間に、信号電力を含まない光スペクトルを導入することにより軽減され得る。相互位相変調は、近くのチャネルの中の位相変調された信号に位相ノイズを含む。例えば、各チャネルは、送信中に特定の波長を割り当てられ得る。幾つかのチャネルは、波長割り当ての間で空のままにされ、保護帯域を生成する。このように、再生成における削減は、ネットワークの中の光スペクトルが保護帯域の使用を通じて消費される比率を増大することを代償にしている。したがって、保護帯域は除去できないが、保護帯域の必要を最小化することは、ネットワークの中の光スペクトルの消費を削減し、ブロッキングの発生を低減し得る。概して、光再生器の数の削減は、他のネットワーク利用測定基準(メトリック、metric)よりも重要である。
【0009】
ネットワーク事業者により検討されるネットワーク利用の別のメトリックは、リソース可用性限度に起因するブロッキングに突入することなくネットワークの中で連続的に供給できるデマンド数又は合計トラフィック量である。ネットワーク事業者は、顧客が背を向けないように、ブロッキングを最小限に抑えようとする。ブロッキングを最小化する1つのアプローチは、1つの波長で信号を受信し、利用可能なスペクトル範囲に含まれるよう信号の波長を変更するために、特に光再生器を用いて、該信号を別の波長で再送することである。ブロッキングは、追加光再生器を含む代替経路が故障するまで、明言されなくても良い。しかしながら、再生はコストがかかり、再生器の数を最小化することが必要である。
【0010】
ブロッキングを最小化する別のアプローチは、各々の信号について少ない光スペクトルを用いることである。光保護帯域が光到達距離を拡張するために及び相互位相変調に起因する不利益を除去するために用いられるとき、目的は、光保護帯域スペクトルの量を最小化することである。
【0011】
以下の説明では、開示の主題の議論を容易にするために例として詳細事項が説明される。しかしながら、当業者には、開示の実施形態が例示であること及び全ての可能な実施形態を網羅するものではないことが明らかである。
【0012】
ここで用いられるように、ハイフンで結んだ形式の参照符号は、1つの要素の特定のインスタンスを表し、ハイフンを有しない形式の参照符号は、集合的又は総称的要素を表す。したがって、例えば、ウィジェット12−1は、ウィジェットクラスのインスタンスを表し、ウィジェット12として集合的に言及されても良く、それらのうちの任意のものがウィジェット12として一般的に言及されても良い。
【0013】
図1は、光ネットワーク101の一実施形態の選択された要素のブロック図である。図示のように、光ネットワーク101は、ユーザデータを伝達しネットワーク機器を有する要素を含むトランスポートプレーンビューを示し得る。したがって、光ネットワーク101は、光ネットワーク101のコンポーネントにより通信される1又は複数の光信号を運ぶよう構成される1又は複数の光ファイバ106を有しても良い。光ネットワーク101のネットワーク要素は、ファイバ106により互いに結合され、1又は複数の送信機102、1又は複数のマルチプレクサ(MUX)104、1又は複数の増幅器108、1又は複数の光アド/ドロップマルチプレクサ(optical add/drop multiplexer:OADM)110、及び1又は複数の受信機112を有しても良い。
【0014】
光ネットワーク101は、端末ノードを有するポイントツーポイント型光ネットワーク、リング型光ネットワーク、メッシュ型光ネットワーク、又は任意の他の適切な光ネットワーク若しくは光ネットワークの組合せを有しても良い。光ファイバ106は、非常に低損失で長距離に渡り信号を伝達可能なガラスの細い紐を有し得る。光ファイバ106は、任意の適切な種類のファイバを有しても良い。
【0015】
光ネットワーク101は、ファイバ106を介して光信号を送信するよう構成される装置を有しても良い。情報は、波長に関する情報を符号化するために1又は複数の光の波長の変調により、ネットワーク101を通じて送信及び受信されても良い。光ネットワークでは、光の波長は、チャネルとも称される。各チャネルは、光ネットワーク101を通じて特定量の情報を伝達するよう構成されても良い。
【0016】
光ネットワーク101の情報伝達能力を増大するために、複数のチャネルで送信される複数の信号は、単一の光信号に結合されても良い。単一の光信号の複数のチャネルで情報を通信するプロセスは、光学的にWDM(wavelength division multiplexing)として言及される。DWDM(Dense wavelength division multiplexing)は、より多数の(密度の高い)、通常40より多い波長の1本のファイバへの多重化を表す。WDM、DWDM、又は他の複数波長送信技術は、光ファイバ当たりの集約帯域幅を増大するために、光ネットワークで用いられる。WDM又はDWDMを有しないと、光ネットワークにおける帯域幅は、単に1波長のビットレートに制限され得る。より大きな帯域幅により、光ネットワークは、より多くの情報を送信できる。光ネットワーク101は、WDM、DWDM又は特定の他の適切な多チャネル多重化技術を用いて異なるチャネルを送信し、多チャネル信号を増幅するよう構成されても良い。
【0017】
光ネットワーク101は、特定の波長又はチャネルで、光ネットワーク101を通じて光信号を送信するよう構成される1又は複数の光送信機(Tx)102を有しても良い。送信機102は、電気信号を光信号に変換し該光信号を送信するよう構成される任意のシステム、機器、又は装置を有しても良い。例えば、送信機102は、それぞれ、レーザと、電気信号を受信し該電気信号に含まれる情報を特定の波長でレーザにより生成される光のビームに変調しネットワークを通じて信号を伝達するビームを送信するよう構成される変調器と、を有しても良い。
【0018】
マルチプレクサ104は、送信機102に結合されても良く、送信機102により個々の波長で送信される信号を単一のWDM又はDWDM信号に結合するよう構成される任意のシステム、機器又は装置であっても良い。
【0019】
増幅器108は、光ネットワーク101の中の多チャネル信号を増幅しても良い。増幅器108は、特定長のファイバ106の前又は後に置かれても良い。増幅器108は、信号を増幅するよう構成される任意のシステム、機器又は装置を有しても良い。例えば、増幅器108は、光信号を増幅する光リピータを有しても良い。この増幅は、光−電気又は電気−光変換により実行されても良い。幾つかの実施形態では、増幅器108は、希土類元素をドープされた光ファイバを有しても良い。信号がファイバを通過するとき、外部エネルギが印可され、光ファイバのドープされた部分の原子を励起し、光信号の強度を増大する。一例として、増幅器108は、エルビウムドープファイバ増幅器(erbium−doped fiber amplifier:EDFA)を有しても良い。幾つかの実施形態では、半導体光増幅器(semiconductor optical amplifier:SOA)のような他の適切な増幅器が用いられても良い。
【0020】
OADM110は、ファイバ106を介して光ネットワーク101に結合されても良い。OADM110は、ファイバ106から光信号をアッド又はドロップするよう構成される任意のシステム、機器又は装置を有しても良いアッド/ドロップモジュールを有しても良い。OADM110を通過した後に、信号は、ファイバ106に沿って宛先へと直接進んでも良く、或いは、信号は、宛先に達する前に、1又は複数の追加OADM110を通過しても良い。光ネットワーク110の幾つかの実施形態では、OADM110は、例えばWSS(wavelength selective switch)を用いて光領域でアッド又はドロップされるべきデータチャネルを伝達するWDM信号の個々の又は複数の波長をアッド又はドロップできるROADM(reconfigurable OADM)を表しても良い。
【0021】
光ネットワーク101は、光ネットワーク101の1又は複数の宛先に、1又は複数のデマルチプレクサ105を有しても良い。デマルチプレクサ105は、単一のWDM信号をその個々のチャネルに分離することによりデマルチプレクサとして動作し得る任意のシステム、機器又は装置を有しても良い。例えば、光ネットワーク101は、40チャネルDWDM信号を送信及び伝達しても良い。デマルチプレクサ105は、40個の異なるチャネルに従って、信号、40チャネルDWDM信号を40個の別個の信号に分割しても良い。
【0022】
光ネットワーク101は、デマルチプレクサ105に結合される受信機112を有しても良い。各受信機112は、特定の波長又はチャネルで送信される信号を受信し、該信号をそれらが含む情報について処理するよう構成されても良い。したがって、光ネットワーク101は、ネットワークの各チャネル毎に少なくとも1つの受信機112を有しても良い。
【0023】
光ネットワーク101のような光ネットワークは、光ファイバを介して光信号の中で情報を伝達するために、変調方式を更に用いても良い。このような変調方式は、PSK(phase−shift keying)、FSK(frequency−shift keying)、ASK(amplitude−shift keying)、及びQAM(quadrature amplitude modulation)を有しても良い。PSKでは、光信号により伝達される情報は、搬送波又は単にキャリアとしても知られる参照信号の位相を変調することにより変換されても良い。情報は、DPSK(differential phase−shift keying)を用いて信号自体の位相を変調することにより変換されても良い。QAMでは、光信号により運ばれる情報は、搬送波の振幅と位相の両方を変調することにより伝達されても良い。PSKは、QAMの一部であると考えられる。ここで、搬送波の振幅は、一定に維持される。
【0024】
光ネットワーク101のような光通信ネットワークでは、管理プレーン、制御プレーン、及びトランスポートプレーン(物理層と呼ばれることが多い)を言及することが通常である。中央管理ホスト(図示しない)は、管理プレーンに存在しても良く、制御プレーンのコンポーネントを構成し管理しても良い。管理プレーンは、トランスポートプレーン及び制御プレーンのエンティティ(例えば、ネットワーク要素)全てに渡る最終的な制御を有する。一例として、管理プレーンは、1又は複数の処理リソース、データ記憶コンポーネント、等を含む中央処理センタ(例えば、中央管理ホスト)を有しても良い。管理プレーンは、制御プレーンの要素と電気的に通信しても良く、トランスポートプレーンの1又は複数のネットワーク要素と電気的に通信しても良い。管理プレーンは、システム全体の管理機能を実行し、ネットワーク要素、制御プレーン及びトランスポートプレーンの間の調整を提供しても良い。例として、管理プレーンは、要素の観点から1又は複数のネットワーク要素を取り扱うEMS(element management system)、ネットワークの観点から多くの装置を取り扱うNMS(network management system)、又はネットワーク全体の動作を取り扱うOSS(operational support system)を有しても良い。
【0025】
本開示の範囲から逸脱することなく、光ネットワーク101に対し変更、追加又は省略が行われても良い。例えば、光ネットワーク101は、図示のものより多くの又は少ない要素を有しても良い。追加で、光ネットワーク101は、分散補償モジュールのような明示されない追加要素を有しても良い。また、上述のように、ポイントツーポイントネットワークとして図示されたが、ネットワーク101は、リング又はメッシュ型ネットワークのような光信号を送信する任意の適切なネットワークを有しても良い。
【0026】
図2は、光ネットワークの中の光スペクトルを割り当てる制御システム200の一実施形態の選択された要素のブロック図である。制御プレーンは、ネットワーク知識及び制御のための機能を有しても良く、ネットワークサービスを確立するための能力をサポートするアプリケーションを有しても良い。ネットワークサービスは、発見、ルーティング、経路計算、及びシグナリングのためのアプリケーション又はモジュールを含む。制御システム200により実行される制御プレーンアプリケーションは、光ネットワークの中でサービスを自動的に確立するために一緒に動作しても良い。発見モジュール212は、近隣同士を接続するローカルリンクを発見しても良い。ルーティングモジュール210は、データベース204を移植する(populate)間に、光ネットワークノードへローカルリンク情報をブロードキャストしても良い。光ネットワークからのサービスに対する要求が受信されると、経路計算エンジン202は、データベース204を用いてネットワーク経路を計算するために呼び出されても良い。このネットワーク経路は、次に、要求されたサービスを確立するために、シグナリングモジュール206に提供されても良い。
【0027】
図2に示すように、制御システム200は、プロセッサ208と、記憶媒体220とを有する。記憶媒体220は、記憶媒体220へのアクセスを有するプロセッサ208により実行可能な実行可能命令(例えば、実行可能コード)を格納する。プロセッサ208は、制御システム200に本願明細書に記載の機能及び動作を実行させる命令を実行しても良い。本開示の目的のために、記憶媒体220は、少なくともある時間期間の間、データ又は命令を格納する非一時的コンピュータ可読媒体を含み得る。記憶媒体220は、永続的及び揮発性媒体、固定及び取り外し可能媒体、磁気及び半導体媒体を含み得る。記憶媒体220は、直接アクセス記憶装置(例えば、ハードディスクドライブ又はフロッピー(登録商標)ディスク)、順次アクセス記憶装置(例えば、テープディスクドライブ)、CD(compact disk)、RAM(random access memory)、ROM(read−only memory)、CD−ROM、DVD(digital versatile disc)、EEPROM(electrically erasable programmable read−only memory)、フラッシュメモリのような記憶媒体、非一時的媒体、又はこれらの種々の組合せを有してもよいが、これらに限定されない。記憶媒体220は、命令、データ、又はそれらの両方を格納するよう動作する。図示のような記憶媒体220は、実行可能コンピュータプログラム、つまり経路計算エンジン202、シグナリングモジュール206、発見モジュール212、及びルーティングモジュール210を表し得る命令のセット又はシーケンスを有する。本願明細書に記載のように、経路計算エンジン202は、シグナリングモジュール206、発見モジュール212、及びルーティングモジュール210と連動して、本開示による種々のアルゴリズムを実装する命令又はコードを表しても良い。
【0028】
幾つかの実施形態では、制御システム200は、人(つまり、ユーザ)と相互作用し、光信号送信経路に関するデータを受信するよう構成されても良い。例えば、制御システム200は、ユーザからの光信号送信経路に関するデータの受信を実現するために及びユーザに結果を出力するために、1又は複数の入力装置又は出力装置を有し又はそれらに結合されても良い。1又は複数の入力又は出力装置(図示しない)は、キーボード、マウス、タッチパッド、マイクロフォン、ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、オーディオスピーカ、等を有しても良いが、これらに限定されない。追加で、制御システム200は、例えば別のコンピューティング装置又はネットワーク要素のような装置(
図2に示されない)から光信号送信経路に関するデータを受信するよう構成されても良い。
【0029】
図2に示すように、幾つかの実施形態では、発見モジュール212は、光ネットワークにおける光信号送信経路に関するデータを受信するよう構成されても良く、近隣及び近隣同士の間のリンクの発見を担っても良い。言い換えると、発見モジュール212は、発見プロトコルに従って発見メッセージを送信しても良く、光信号送信経路に関するデータを受信しても良い。幾つかの実施形態では、発見モジュール212は、特に、ファイバ種類、ファイバ長、コンポーネントの数又は種類、データレート、データの変調フォーマット、光信号の入力パワー、信号搬送波長(例えば、チャネル)の数、チャネル間隔、トラフィックデマンド、及びネットワークトポロジ、のような特徴を決定しても良いが、これらに限定されない。
【0030】
ルーティングモジュール210は、光ネットワーク101のような光ネットワークの中の種々のノードにリンク接続性情報を伝搬することを担っても良い。特定の実施形態では、ルーティングモジュール210は、リンク帯域幅可用性を含み得る、トラフィックエンジニアリングをサポートするためのリソース情報をデータベース204に移植しても良い。したがって、データベース204は、ルーティングモジュール210により、光ネットワークのネットワークトポロジを決定するのに有用な情報を移植されても良い。
【0031】
シグナリングモジュール206は、光ネットワーク101のような光ネットワークの中でエンド−エンドネットワークサービスを設定、変更、及び取り壊しに関連する機能を提供しても良い。例えば、光ネットワーク内のイングレスノードがサービス要求を受信すると、制御システム200は、シグナリングモジュール206を用いて、帯域幅、コスト、等のような異なる基準に従って最適化され得る経路計算エンジン202からのネットワーク経路を要求しても良い。所望のネットワーク経路が識別されると、次に、シグナリングモジュール206は、要求されたネットワークサービスを確立するために、ネットワーク経路に沿って個々のノードと通信しても良い。幾つかの実施形態では、シグナリングモジュール206は、ネットワーク経路に沿ってノードへ及びノードから後続の通信を伝搬するために、シグナリングプロトコルを用いても良い。
【0032】
経路計算エンジン202は、光信号送信経路の送信特性を決定するために、ルーティングモジュール210によりデータベース204に提供される情報を用いるよう構成されても良い。光信号送信経路の送信特性は、色分散(chromatic dispersion:CD)、非線形(nonlinear:NL)効果、偏光モード分散(polarization mode dispersion:PMD)及び偏光依存損失(polarization dependent loss:PDL)のような偏光効果、自然放出雑音(amplified spontaneous emission:ASE)等のような送信劣化因子が、光信号送信経路内で光信号にどれ位影響を与え得るかについての見識を提供しても良い。光信号送信経路の送信特性を決定するために、経路計算エンジン202は、送信劣化因子の間の相互作用を検討しても良い。幾つかの実施形態では、経路計算エンジン202は、特定の送信劣化因子の値を生成しても良い。経路計算エンジン202は、光信号送信経路を記述するデータをデータベース204に更に格納しても良い。経路計算エンジン202は、適切な量の保護帯域スペクトルを割り当て及び追加トラフィックデマンドを満たすために残りのスペクトルを使用するために、光保護帯域を各々の特定の光経路に合わせるよう更に構成されても良い。
【0033】
図3Aは、保護帯域を用いる例示的なメッシュネットワーク300である。メッシュネットワーク300は、種々のスパン304により分離される複数のノード302を有する。最小スパン304は約31キロメートル(km)であっても良く、平均スパン304は約154kmであっても良く、最大スパン304は約295kmであっても良い。したがって、メッシュネットワーク300の中のノード302は、互いから種々の距離にある種々の位置にあっても良い。
【0034】
図3Bは、メッシュネットワーク300の中のエンドツーエンド経路長のヒストグラム380を有する
図350である。特定の光経路距離又は光到達距離まで、相互位相変調及び他のノイズ源の累積は、エラーのない送信のために十分低い。例えば、相互位相変調の累積が閾に達しないので、約375kmまで、保護帯域は必要なくても良い。したがって、この光到達距離まで、保護帯域は全く必要なくても良い。ヒストグラムにより示されるこれらの経路長を有する対応する経路は、無保護帯域(no guard band:NO−GB)到達距離356を上限とするNO−GB経路352として参照され得る。しかしながら、この光経路距離を超えると、送信される信号の両側にある保護帯域が相互位相変調干渉成分を解決するために利用されても良く、最大で全保護帯域(all guard bands:ALL−GB)到達距離366まで光到達距離を延長できる。この長さ範囲の中でヒストグラムにより示される経路は、多数のALL−GB経路358として表すことができる。ALL−GB経路366を超える範囲362の中の経路距離では、光信号は、終端され、ネットワーク300の中の最大光距離354まで別の光経路で送信するために再生される。しかしながら、光経路長がALL−GB到達距離366とNO−GB到達距離356との間である場合、経路距離の全長に沿って保護帯域を有することは、特定の場合の光経路距離については必要ない。
【0035】
最大NO−GB到達距離356を超えて増大した光到達距離では、経路の個々の長さに依存して、幾つかの経路に沿って完全保護帯域及び他の経路に沿って無保護帯域の混合が用いられても良い。このようなアプローチは、MIX−GB割り当て方法と呼ばれ得る。経路距離に関係なく全ての経路に保護帯域を割り当てること(ALL−GB方法と表す)に比べて、MIX−GB割り当て方法によるスペクトル利用において期待される向上は、NO−GB到達距離とALL−GB到達距離との間の経路距離を有するヒストグラムにより示される経路の数を、ヒストグラムの中の合計経路数で割ることにより、推定できる。完全保護帯域及び無保護帯域の混合を有することが光到達距離及びスペクトル利用を増大する一方で、スペクトル利用の更なる向上は、完全保護帯域を必要としない経路に沿って可変保護帯域長を用いることにより実現され得る。
【0036】
可変保護帯域(VAR−GB)経路360は、NO−GB到達距離とALL−GB到達距離との間の経路長を有する。曲線364は、VAR−GB経路についての全ての光到達性のために、光保護帯域の最小必要割合を示す。ALL−GB割り当て方法と比べて、各経路に最小必要保護帯域を割り当てるために、各経路に沿った保護帯域を変化することにより実現される向上は、保護帯域長割合と、保護帯域長の発生頻度と、経路長との積を、発生頻度と経路長と100%との積で割って計算することにより推定できる。このようなアプローチは、VAR−GB割り当て方法と呼ばれ得る。さらに、保護帯域の使用を削減する、したがってブロッキングを減少するための1つの選択肢は、最大光到達距離より短い光経路の保護帯域の幅を減少することである。これは、VAR−W−GB方法とも呼ばれる。しかしながら、VAR−W−GB方法の使用は、スペクトル幅の多様性によりスペクトルの高水準のフラグメント化をもたらし得る。したがって、幾つかの実施形態では、固定幅保護帯域が、可変保護帯域到達距離と共に用いられる。これは、VAR−L−GB方法とも呼ばれる。したがって、本開示のVAR−GB割り当て方法は、固定幅保護帯域、より具体的には、VAR−L−GB方法を用いても良い。VAR−GB到達距離360では、保護帯域は光経路に沿ってセグメント化され、特定の割合の光経路距離のみが、保護帯域を利用する必要がある。さらに、保護帯域は、光経路の片側でのみ利用されても良い。したがって、VAR−L−GB方法及びVAR−GB割り当て方法は、追加トラフィックを運ぶために前の保護帯域スペクトルの再割り当てを可能にしても良い。さらに、保護帯域の位置は、予測を必要としないで、将来のトラフィックデマンドに適応する柔軟性を最大化するために、可変である。さらに、最大光到達距離354に到達すべき信号のために、再生器が用いられても良い。再生器到達距離362は、光経路に再生器を追加することにより実現される光到達距離を示す。
【0037】
図4A〜Cは、信号404の光到達距離及びスペクトルを跨る保護帯域406の例である。
図4Aは、それぞれノード402−1からノード402−4までに渡る光到達距離を有する信号404−1〜404−5のグラフを示す。信号404−1〜404−5の各々は、相互位相変調及び他のノイズ源の累積を最小化する又は除去するために保護帯域を使用しなくても良い。なぜなら、この累積は、信号404−1〜404−5の送信の成功を妨げない程度に低いままであるからである。したがって、特定の信号距離まで、保護帯域は必要なくても良い。しかしながら、信号距離は限られている。例えば、ノード402−1から402−4へ渡る光到達距離は、約375kmより短くても良い。したがって、
図4Aは、
図3Bを参照して議論したNO−GB到達距離を示す。
【0038】
図4Bは、信号404−6〜404−8及び保護帯域406−1〜406−2のグラフを示す。特定の距離で、相互位相変調及び他のノイズの累積は、保護帯域406−1及び406−2の使用を必要としても良い。信号404−6〜404−8の各々は、ノード402−1〜ノード402−8へと伸びても良く、全長に沿って保護帯域により分けられても良い。例えば、信号404−6及び404−7は、信号の全長に沿って保護帯域406−1により分けられる。信号404−7及び404−8は、信号の全長に沿って保護帯域406−2により分けられる。信号404−6〜404−8の光路長に基づき、全長に沿った保護帯域は、信号間の相互位相変調又はノイズを最小化し又は除去しても良い。したがって、
図4Bは、信号距離に関係なく、保護帯域が各信号の全光到達距離に渡るALL−GB割り当て方法を示す。
【0039】
図4Cは、信号404−9〜404−14及び保護帯域406−3〜406−5のグラフを示す。幾つかの実施形態では、保護帯域は、信号の全長に沿って含まれなくても良く、相互位相変調を十分に最小化する又は除去するために最適に含まれるだけであっても良い。例えば、信号404−9は、ノード402−1からノード402−6への光経路を有し、保護帯域406−3により示されるように、光経路長の一部のみのために保護帯域を必要とする。したがって、ノード402−5から405−6へと伸びる信号404−10は、信号404−9に隣接して配置される。別の例として、信号404−11は、保護帯域406−3に加えて、ノード402−1と402−6との間の光経路長の一部のためにのみ伸びる保護帯域406−4及び406−5を必要とする。信号404−12及び404−13は、
図4Cに示すように信号404−11に隣接して配置される。
図4Cは、
図3Bを参照して議論したVAR−GB到達距離を示す。したがって、本開示は、信号のための最適保護帯域長を決定すること、及び保護帯域の適応に基づき、スペクトルに跨る既存の信号に対して近隣信号として新しい信号デマンドを配置することを検討する。新しい信号の各インスタンスが追加されると、両方の既存の信号の保護帯域要件は、新しい信号の要件と共に満たされるべきである。
【0040】
留意すべきことに、通常、100%の保護帯域距離は、信号の両側の保護帯域に対応する。例えば、保護帯域が信号の片側のみで距離の100%に対して割り当てられる場合、これは、50%の保護帯域距離に対応する。代替で、50%の保護帯域距離が、信号経路距離の50%に沿って信号の両側の保護帯域により実現されても良い。
【0041】
さらに、全光経路長の割合の観点で、保護帯域の管理は、単なる例示的な一実施形態である。保護帯域を管理するために、距離ではなくノイズ電力密度又はスパン数のような、他の手段が用いられても良い。追加で、特定距離又は経路に応じる必要保護帯域の間の関係は、単一曲線により表すことができるよりも、更に詳細に又は更に高い精度で管理されても良い。保護帯域により軽減される機能障害は、距離ではなくスパン数に応じて表現され管理されても良い。なぜなら、機能障害は、信号電力が最強である各スパンの始めにおいて顕著であり、スパンの各々の中盤における減衰により、信号電力の低下に関連して減少しているからである。しかしながら、これは、例えばラマン増幅を用いるシステムの場合には当てはまらない。
【0042】
図5は、光経路距離に応じた保護帯域長の割合を示すグラフ500である。ALL−GBグラフ502は、経路距離に関係なく、相互位相変調を抑制するために全経路長に沿って固定幅の保護帯域を割り当てるALL−GB割り当て方法を用いて経路毎に1つの保護帯域を割り当てる場合を示す。例として、光到達距離限度(Lmax)であり得る約600kmの光経路距離では、全長保護帯域(例えば、100%GB)が必要であっても良い(例えば、100%GB)。
【0043】
MIX−GBグラフ504は、特定閾長(Lth)を超える長さの光経路にのみ保護帯域を割り当てるMIX−GB割り当て方法を用いて保護帯域を割り当てる場合を示す。更に短い光経路では、相互位相変調は、光割当量(budget)の範囲内で調整されても良い。したがって、保護帯域は必要ない。例えば、最大375kmまでの光経路距離では、保護帯域は必要なくても良い(例えば、0%GB)。一方で、約375kmより大きい光経路距離では、全長保護帯域が割り当てられても良い。
【0044】
VAR−GBグラフ506は、VAR−GB割り当て方法を用いて部分保護帯域を割り当てる場合を示す。例えば、LthとLmaxとの間の光経路距離において、ある割合の光経路は保護帯域を有しても良い。したがって、VAR−GBグラフ506では、複数の等価な空間割り当てが利用可能であり、保護帯域の量は、保護帯域スペクトル幅ではなく長さに基づき可変であっても良い。
【0045】
幾つかの実施形態では、
図2を参照して議論した経路計算要素202は、ファーストフィット(first−fit)方法を用いてスペクトル割り当てを実行する。経路に沿って特定のスペクトルの中で新しい光信号の適合を決定するために、経路計算要素202は、新しい光信号の共同伝搬近隣信号であっても良い全ての光信号の各々を決定する。共同伝搬近隣信号に基づき、経路計算要素202は、依然として利用可能な無保護帯域距離(NO−GB距離)を決定する。経路計算要素202は、新しい光信号の任意の保護帯域要件が満たされることを保証する。利用可能なNO−GB距離が新しい光信号の保護帯域要件を満たす場合、新しい光信号はスペクトルに割り当てられても良い。新しい光信号の保護帯域要件は、実際の光経路距離に基づき、
図5の関係を用いて、1%の増分で決定されても良い。
【0046】
図6は、新しい光信号に適するスペクトルを探索する間のVAR−GB割り当て方法を用いる保護帯域最適化の計算及び施行を説明する例示的なネットワーク600である。
図3A〜5の光信号特性に基づき、第1の光信号604−1はノード602−1からノード602−5まで存在し、約535kmの長さL
1を有する。この長さは、光経路の少なくとも約80%の間、保護帯域を必要とする。例えば、535kmx80%=428kmである。代わりに、光経路の100%−80%=20%は、保護帯域を必要としない。例えば、各々の側で535kmx20%=107km又は同等量である。さらに、保護帯域が信号の両側で用いられる場合、距離の2x20%=40%又は2x107km=214kmは、信号の片側のみで保護帯域無しである。したがって、約214kmは、第1の光信号604−1のNO−GB距離であり得る。したがって、最大で約214kmの光経路距離を有する近隣信号は、保護帯域無しで既存の光信号の隣に配置できる。新たなデマンド又は新たな光信号604−2がノード602−2及びノード602−4の間の、例えば約185kmの経路距離の長さL
2を有するコネクションのために到着した場合、該新たな光信号は、保護帯域無しで第1の光信号604−1の隣に収容できる。なぜなら、該新たな光信号の経路長は、片側のみに沿った約214kmの許容無保護帯域長より短いからである。
図6に示すように、保護帯域距離は、適切なスパン数に量子化されても良い。例えば、第1の光信号604−1について保護帯域要件の一部は、ノード602−1からノード602−2の間のスパンに保護帯域606−1を、第1の光信号604−1の片側でノード602−4からノード602−5の間のスパンに保護帯域606−2を割り当て、第1の光信号604−1の他方の側でノード602−1と602−5の間のスパンに保護帯域606−3を割り当てることにより、満たされ得る。
【0047】
図6の例は、VAR−GB割り当て方法が以下によりネットワーク容量の拡張に貢献し得ることを示す。(1)個々の経路のスパンに沿って保護帯域スペクトルを微調整する。(2)コネクションの片側又は両側で保護帯域を柔軟に割り当てる。(3)将来のトラフィックデマンドに適応できるために、特定のスパンにおける保護帯域スペクトルの実際の予約を遅らせる。例えば、第1のコネクションに沿った保護帯域の位置は、新しい光信号が追加されるまで割り当てられなくても良い。
【0048】
図7、8、9は、異なる割り当て方法についてのシミュレーション実行の結果である。異なる割り当て方法を比較するために、異なるシードにより連続トラフィックデマンドの疑似ランダムシーケンスが生成された。同じシードに対応する各トラフィックパターンについて最初にブロックするデマンドが比較された。改善は、中央値の差として表される。基準保護帯域方法は、任意の経路距離に対して全長保護帯域を有するALL−GB割り当て方法である。混合保護帯域方法は、経路距離に依存して無保護帯域又は全長保護帯域を有するMIX−GB割り当て方法である。したがって、MIX−GB割り当て方法は、必要光経路距離に到達する必要がある場合にのみ、保護帯域の割り当てを示す。VAR−GB割り当て方法は、光経路距離に基づき及び本開示の実施形態に従って、可変長の保護帯域の割り当てを示す。
【0049】
方法の影響を評価する目的で、高速少数経路(fast state−less path)計算要素及びネットワークシミュレータが用いられた。本開示の方法は、各経路の光到達距離を保証するために保護帯域の量を決定するために用いられた。方法は、新しい信号が特定範囲のスペクトルスライスに追加されるとき、保護帯域要件がネットワークの中の全ての既存の信号に対して及び追加される新しい信号に対して維持できるかどうかも決定した。信号スペクトル幅及び保護帯域幅は、同じサイズになるよう選択された。また、各スパンの中の有用スペクトルの合計光幅は、信号スペクトル幅の約64倍であった。これらのパラメータは、任意の特定の変調フォーマットに適応することを意図せず、単に本開示の方法の一般的な可能性を決定するためである。
図7、8、9のデータを生成するために、約150個のデマンドシーケンスがシミュレートされた。
【0050】
図7は、異なる割り当て方法についてのデマンド数に応じたブロッキングレートのグラフ700である。ALL−GBグラフ702は、任意の経路距離について全長保護帯域を有するALL−GB割り当て方法を用いたブロッキングレートを示す。ALL−GBデマンド708は、ブロッキングが最初に生じたデマンド数を示す。MIX−GBグラフ704は、設定距離(例えば、約375km)より短い経路に対して無保護帯域、該設定距離以上の経路に対して全長保護帯域を有する、MIX−GB割り当て方法を用いたブロッキングレートを示す。MIX−GBデマンド710は、ブロッキングが最初に生じたデマンド数を示す。VAR−GBグラフ706は、設定距離より短い経路に対して無保護帯域、該設定距離以上の経路に対して可変長保護帯域を有する、VAR−GB割り当て方法を用いたブロッキングレートを示す。VAR−GBデマンド712は、VAR−GB割り当て方法でブロッキングが最初に生じたポイントを示す。VAR−GBデマンド712は、曲線706のブロッキングの開始と呼ばれる。偏差グラフ714及び716は、中央曲線706に対する相対ブロッキングレートの1つの標準偏差帯を示す。グラフ700から分かるように、VAR−GB割り当て方法は、最初のブロッキングが生じる前に、ALL−GB割り当て方法又はMIX−GB割り当て方法より多くの光信号デマンドに対応できた。したがって、最初のデマンドブロッキングは、VAR−GB割り当て方法の使用により実現されても良い。
【0051】
図8は、異なる割り当て方法についての、最初のデマンドブロッキングの開始の一連のヒストグラム800である。VAR−GBヒストグラム802は、VAR−GB割り当て方法についての最初のデマンドブロッキングの頻度を示す。VAR−GB中央値808は、VAR−GB割り当て方法についての最初のデマンドブロッキングの中央値を示す。MIX−GBヒストグラム804は、MIX−GB割り当て方法についての最初のデマンドブロッキングの頻度を示す。MIX−GB中央値810は、MIX−GB割り当て方法についての最初のデマンドブロッキングの中央値を示す。ALL−GBヒストグラム806は、ALL−GB割り当て方法についての最初のデマンドブロッキングの頻度を示す。ALL−GB中央値812は、ALL−GB割り当て方法についての最初のデマンドブロッキングの中央値を示す。ヒストグラム800から分かるように、MIX−GB中央値810とVAR−GB中央値808との間の最初のデマンドブロッキングの中央値における向上は、約27%である。また、ALL−GB中央値812とVAR−GB中央値808との間の最初のデマンドブロッキングの中央値における向上は、約40%である。
【0052】
図9は、異なる割り当て方法についての到達比に応じた容量増加のグラフ900である。到達比は、無保護帯域到達距離(Lth)及び最大到達距離(Lmax)の比である。小さいLth及び関連する到達比ほど、低い自己位相変調に対応しても良く、狭い信号間隔を許容できる相互位相変調のより多くの累積を可能にし得る。グラフ902は、ALL−GB割り当て方法に対する、VAR−GB割り当て方法を用いた容量の向上を示す。グラフ904は、MIX−GB割り当て方法に対する、VAR−GB割り当て方法を用いた容量の向上を示す。低い到達比ほど容量の向上が少ない。これは、より多数の信号が保護帯域を必要とし、その結果、保護帯域を有しない新しい信号を収容する可能性が減少するからである。高い到達比ほど、VAR−GB割り当て方法は、MIX−GB割り当て方法と類似してくる。したがって、グラフ904に示す向上は減少する。
【0053】
本開示の幾つかの実施形態に基づき、
図7、8、9で得た結果は、MIX−GB割り当て方法に対して、VAR−GB割り当て方法を用いたネットワークの容量を約27%増大し、ALL−GB割り当て方法に対して、VAR−GB割り当て方法を用いたネットワークの容量を約40%増大することに対応した。
【0054】
さらに、最初のブロッキングの発生を引き延ばす1つの追加3R再生器の導入は、MIX−GB割り当て方法に対して、VAR−GB割り当て方法において約33%の容量向上を、及びALL−GB割り当て方法に対して、VAR−GB割り当て方法において約46%の容量向上をもたらす。MIX−GB割り当て方法とALL−GB割り当て方法との間のネットワーク容量の増大は、1つの追加3R再生器の導入の有無にかかわらず、約10%である。ALL−GB割り当て方法に対する、VAR−GB割り当て方法とMIX−GB割り当て方法との間の向上の差は、信号の片側で保護帯域無しで動作する能力に依存し、トラフィックデマンドが分かるまで保護帯域スペクトルの割り当てを延期する能力に依存する。
【0055】
さらに、最初のブロッキングが局所的ボトルネックに起因するという事実は、該ボトルネックにおける小さな向上でも、最初のブロッキングを延期するのに有意な差を生じ得る。本開示は、新しいスペクトルスライス及び割り当て方法を用いるスパンの観点でのスペクトル管理システムを用いることによりブロッキングを最小化するソリューションを示す。本開示は、光スペクトルのスパンの観点での管理が、どのように光ネットワーク容量の増大に大きな影響を与え得るかを実証する。向上のレベルは、光信号送信信号設計、光割り当て量、及び光ネットワークの特性に依存する。再生されたコネクションは、最大光到達距離に近い全光経路を含むので、影響は低減される。しかし、都市域ネットワークでは、本方法は、最短経路の最小値を超える追加再生器を認めることなく、ネットワークの容量を約27%だけ、又は最大で1つの追加再生器により代替経路を可能にすることにより最初のブロッキングが遅らせることができる場合は33%だけ、向上できる。
【0056】
図10は、光スペクトルのスパンの観点からの管理のための方法1000の一実施形態の選択された要素のフローチャートである。方法1000は、
図2を参照して議論した経路計算エンジン202のような制御システム200のコンポーネントを用いて実行されても良い。方法1000の少なくとも特定の部分は、例えばプロセッサ208のようなプロセッサにより実行可能な命令を格納する記憶媒体へのアクセスを有するプロセッサにより実行されても良い。留意すべきことに、方法1000で記載される特定の動作は、幾つかの実施形態では任意であっても良く或いは再配置されても良い。
【0057】
ステップ1002で、制御システムは、第1の経路(R1)に沿って第1の光信号(S1)を送信する。例えば、制御システム200は、
図6を参照して議論したように、約535kmの長さL
1を有するノード602−1からノード602−5への経路に沿って、第1の光信号604−1を送信しても良い。
【0058】
ステップ1004で、制御システムは、相互位相変調の累積を最小化する又は減少させることに基づき、S1のための保護帯域を必要とする光経路距離を決定する。例えば、制御システム200は、第1の光信号604−1が光経路の少なくとも約80%、例えば535kmx80%=428kmで保護帯域を必要とすると決定しても良い。
【0059】
ステップ1006で、制御システムは、S1について保護帯域を有しない許容光経路距離(NGB1)を計算する。NGB1距離は、係数、差、又は割合のような変数を、光経路距離に適用することに基づき計算されても良い。例えば、制御システム200は、第1の光信号604−1が各々の側で535kmx20%=107km又は同等量の保護帯域を必要としないことを決定しても良い。代替で、述べたように、光経路の100%−80%=20%は無保護帯域であり得る。さらに、保護帯域が信号の両側で用いられる場合、距離の2x20%=40%又は2x107km=214kmは、信号の片側のみで無保護帯域であり得る。したがって、約214kmはNGB1距離であり得る。したがって、最大で約214kmの光経路距離を有する近隣信号は、保護帯域無しで第1の光信号604−1の隣に配置できる。ステップ1008で、制御システムは、第1の波長(L1)でS1を送信する。
【0060】
ステップ1010で、制御システムは、第2の経路(R2)に沿って第2の光信号(S2)を送信する要求を受信する。例えば、制御システム200は、例えば約185kmの長さL
2を有する、ノード602−2からノード602−4の経路に沿って、新しい光信号604−2を送信する要求を受信しても良い。
【0061】
ステップ1012で、制御システムは、S2について保護帯域を必要とする光経路距離を決定する。例えば、制御システム200は、S2についてステップ1004で記載したのと同様の動作を実行しても良い。
【0062】
ステップ1014で、制御システムは、S2について保護帯域を有しない許容光経路距離(NGB2)を計算する。例えば、制御システム200は、S2についてステップ1006で記載したのと同様の動作を実行しても良い。
【0063】
ステップ1016で、制御システムは、第2の波長(L2)が利用可能かどうかを決定する。例えば、制御システムは、L1にスペクトル的に隣接する又は近隣であるL2が利用可能かどうかを決定しても良い。利用可能な近隣波長が存在しない場合、制御システムは、L1の最も近くから始め次第に更に遠くへ移動して、任意の他のL2が利用可能かどうかを決定しても良い。L2が利用可能ではない場合、方法1000はステップ1018に進み、L2におけるS2の送信は失敗する。L2が利用可能な場合、方法1000はステップ1020に進む。
【0064】
ステップ1020で、制御システムは、選択したL2がR1に関連する及び/又はそれと交差するR2の部分に沿って別の信号に割り当てられるかどうかを決定する。L2がR1に関連するR2の部分に沿って別の信号に割り当てられる場合、方法1000はステップ1016に戻る。L2がR1に関連するR2の部分に沿って別の信号に割り当てられない場合、方法1000はステップ1022に進み、制御システムはS2を送信するために一時的にL2を選択する。
【0065】
ステップ1024で、制御システムは、L2におけるS2が別の波長(Lj)における別の信号(Sj)にスペクトル的に隣接する又はその近隣である、及びS2とSjとの間に保護帯域が存在しない、R2に沿った全ての距離(Di)を決定する。例えば、制御システム200は、L2に基づき、新しい光信号604−2と任意の近隣光信号との間の無保護帯域距離(Di)を決定しても良い。
【0066】
ステップ1026で、制御システムは、L2におけるS2の保護帯域要件が満たせるかどうかを決定する。例えば、制御システムは、全てのDiの和がNGB2以下であるかどうかを決定する。全てのDiの和がNGB2より大きい場合、方法1000はステップ1016に戻る。全てのDiの和がNGB2以下である場合、方法1000はステップ1028に進む。
【0067】
ステップ1028で、制御システムは、距離{Di}jを有するSjの各々について、残りの許容無保護帯域距離(RNGBj)を決定する。RNGBjは、NGBjから、スペクトル的に隣接する又は近隣の信号が保護帯域によってスペクトル的に分離されない経路jに沿った全距離(Ri)を減算したものに等しい。ステップ1030で、制御システムは、L2におけるS2の追加の後に、既存の信号の保護帯域要件が維持できるかどうかを決定する。例えば、制御システムは、Sjの各々について全ての{Di}jの和がRNGBj以下であるかどうかを決定する。全ての{Di}jの和がRNGBjより大きい場合、方法1000はステップ1016に戻る。Sjの各々について全ての{Di}jの和がRNGBj以下である場合、方法1000はステップ1032へ進み、制御システムはL2においてS2を送信する。
【0068】
以上に開示した主題は、説明のためであり、限定ではないと考えられるべきである。また、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神及び範囲に包含される全ての変更、拡張及び他の実施形態を包含することを意図している。したがって、法により認められる最大範囲まで、本開示の範囲は、特許請求の範囲及びその等価物の最も広い許容可能な解釈により決定されるべきであり、前述の詳細な説明により限定又は制限されるべきではない。
【0069】
以上の実施形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 光信号送信のための方法であって、
制御システムにより第1の波長で第1の光信号を送信するステップであって、前記第1の光信号は第1の光経路距離を有する、ステップと、
前記第1の光信号の第1の保護帯域要件を決定するステップと、
前記制御システムにより第2の光信号を送信するステップであって、前記第2の光信号は第2の光経路距離を有する、ステップと、
前記第2の光信号の第2の保護帯域要件を決定するステップと、
第2の波長を選択することにより前記第1の光信号にスペクトル的に隣接して前記第2の光信号を配置するステップであって、前記第2の波長は、前記第1及び第2の保護帯域要件を満たすよう選択される、ステップと、
を有する方法。
(付記2) 前記第1の保護帯域要件は、複数の光スパンの中で複数の第1の保護帯域を割り当てることにより満たされる、付記1に記載の方法。
(付記3) 前記複数の第1の保護帯域は、別の保護帯域と異なる長さを有する特定の保護帯域を有する、付記2に記載の方法。
(付記4) 前記複数の第1の保護帯域は、別の保護帯域と異なる幅を有する特定の保護帯域を有する、付記2に記載の方法。
(付記5) 前記複数の第1の保護帯域は、第1の固定幅保護帯域及び第2の固定幅保護帯域を有する、付記2に記載の方法。
(付記6) 前記第2の光信号を配置するステップは、複数の光スパンに前記第2の光信号を配置するステップを有する、付記1に記載の方法。
(付記7) 保護帯域を有しない残りの第1の光経路距離を計算するステップ、を更に有する付記1に記載の方法。
(付記8) 前記保護帯域を有しない残りの第1の光経路距離を計算することは、前記第1の光信号の2つの側を含むことに基づく、付記7に記載の方法。
(付記9) 前記第1の保護帯域要件を決定するステップは、前記第1の光経路距離に割合を適用するステップであって、前記割合は、保護帯域を有しない前記第1の光経路距離に基づき、前記第1の保護帯域要件は、閾長さより長い前記第1の光経路距離の部分に更に基づく、ステップを有する、付記7に記載の方法。
(付記10) 前記割合は、1パーセントの増分で適用される、付記9に記載の方法。
(付記11) 前記割合を適用するステップは、ファーストフィット方法に基づく、付記9に記載の方法。
(付記12) 前記第1の保護帯域要件に基づき第1の保護帯域を配置するステップ、を更に有する付記1に記載の方法。
(付記13) 前記第2の保護帯域要件に基づき第2の保護帯域を配置するステップ、を更に有する付記12に記載の方法。
(付記14) ネットワーク要素であって、プロセッサを有し、前記プロセッサは、
第1の波長で第1の光信号を送信し、前記第1の光信号は第1の光経路距離を有し、
前記第1の光信号の第1の保護帯域要件を決定し、
第2の光経路距離を有する第2の光信号を受信し、
前記第2の光信号の第2の保護帯域要件を決定し、
第2の波長を選択することにより前記第1の光信号にスペクトル的に隣接して前記第2の光信号を配置し、前記第2の波長は、前記第1及び第2の保護帯域要件を満たすよう選択される、
ように構成される、ネットワーク要素。
(付記15) 前記第1の保護帯域要件は、複数の光スパンの中で複数の第1の保護帯域を割り当てることにより満たされる、付記14に記載のネットワーク要素。
(付記16) 前記複数の第1の保護帯域は、別の保護帯域と異なる長さを有する特定の保護帯域を有する、付記15に記載のネットワーク要素。
(付記17) 前記複数の第1の保護帯域は、別の保護帯域と異なる幅を有する特定の保護帯域を有する、付記15に記載のネットワーク要素。
(付記18) 前記複数の第1の保護帯域は、第1の固定幅保護帯域及び第1の固定幅保護帯域を有する、付記15に記載のネットワーク要素。
(付記19) 前記第2の光信号の配置は、複数の光スパンの中の前記第2の光信号の配置を有する、付記14に記載のネットワーク要素。
(付記20) 前記プロセッサは、保護帯域を有しない残りの第1の光経路距離を計算するよう更に構成される、付記14に記載のネットワーク要素。