特許第6606983号(P6606983)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6606983板ガラス製造装置及び板ガラスの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6606983
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】板ガラス製造装置及び板ガラスの製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 13/18 20060101AFI20191111BHJP
【FI】
   C03B13/18
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-218391(P2015-218391)
(22)【出願日】2015年11月6日
(65)【公開番号】特開2017-88436(P2017-88436A)
(43)【公開日】2017年5月25日
【審査請求日】2018年8月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】田中 太基
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−059732(JP,A)
【文献】 特開2014−125364(JP,A)
【文献】 特開2000−335924(JP,A)
【文献】 特開昭53−108112(JP,A)
【文献】 特開昭60−036339(JP,A)
【文献】 特開昭62−283831(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 13/00 − 13/18
C03B 17/00 − 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
供給口を有する供給ノズルと、前記供給ノズルを支持する支持部材と、前記供給口から流下される溶融ガラスを圧延する一対の成形ローラとを備え、前記溶融ガラスをロールアウト成形して板ガラスを製造する板ガラス製造装置であって、
前記支持部材を冷却するための冷却構造を備え、
さらに、前記支持部材に付着して該支持部材から落下する落下物を捕集する捕集部材を、前記支持部材の下方に備えていることを特徴とする板ガラス製造装置。
【請求項2】
前記捕集部材は、水平面に対して平行に配置された板状の部材であることを特徴とする請求項1に記載の板ガラス製造装置。
【請求項3】
前記支持部材は、平面視長手方向を有する形状をなし、
前記捕集部材は、前記支持部材の長手方向に沿って延在していることを特徴とする請求項1又は2に記載の板ガラス製造装置。
【請求項4】
前記支持部材には、前記捕集部材を保持するための保持部が設けられ、
前記捕集部材は、前記保持部に設けられた載置部に載置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の板ガラス製造装置。
【請求項5】
前記冷却構造は、前記支持部材の内部に形成した流路に冷却液を流通させる構造であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の板ガラス製造装置。
【請求項6】
供給口を有する供給ノズルと、前記供給ノズルを支持する支持部材と、前記供給口から流下される溶融ガラスを圧延する一対の成形ローラとを備え、前記溶融ガラスをロールアウト成形して板ガラスを製造する板ガラス製造装置であって、
前記支持部材を冷却するための冷却構造を備え、
前記冷却構造は、前記支持部材の内部に形成されるとともに冷却液が流通される流路を備え、
前記支持部材と前記冷却構造の前記流路とが、前記供給ノズルの前記供給口の下面よりも上方に位置することを特徴とする板ガラス製造装置。
【請求項7】
支持部材に支持された供給ノズルの供給口から溶融ガラスを一対の成形ローラ上に流下し、該一対の成形ローラにて前記溶融ガラスをロールアウト成形して板ガラスを製造する板ガラスの製造方法であって、
前記支持部材が備える冷却構造によって該支持部材を冷却し、
前記支持部材に付着してそこから落下する落下物を、前記支持部材の下方に配置した捕集部材によって捕集することを特徴とする板ガラスの製造方法。
【請求項8】
支持部材に支持された供給ノズルの供給口から溶融ガラスを一対の成形ローラ上に流下し、該一対の成形ローラにて前記溶融ガラスをロールアウト成形して板ガラスを製造する板ガラスの製造方法であって、
前記支持部材が備える冷却構造によって該支持部材を冷却し、
前記冷却構造は、前記支持部材の内部に形成されるとともに冷却液が流通される流路を備え、
前記支持部材と前記冷却構造の前記流路とが、前記供給ノズルの前記供給口の下面よりも上方に位置することを特徴とする板ガラスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板ガラス製造装置及び板ガラスの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば特許文献1に示すように、板ガラスの成形法の一種としてロールアウト法が知られている。ロールアウト法では、供給ノズルから溶融ガラスを流下させ、該供給ノズルの直下に配置された一対の成形ローラによって溶融ガラスを圧延して板ガラスを成形する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4788951号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような板ガラス製造装置では、供給ノズルの支持が不安定であると、例えば供給ノズルの姿勢が傾いたり変形したりしてしまい、溶融ガラスが所望の態様で流下されず、このことが成形する板ガラスの形状等に影響を与えてしまう。このため、供給ノズルの安定した支持を可能とした構成が望まれている。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、供給ノズルの安定した支持を可能とした板ガラス製造装置及び板ガラスの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する板ガラス製造装置は、供給口を有する供給ノズルと、前記供給ノズルを支持する支持部材と、前記供給口から流下される溶融ガラスを圧延する一対の成形ローラとを備え、前記溶融ガラスをロールアウト成形して板ガラスを製造する板ガラス製造装置であって、前記支持部材を冷却するための冷却構造を備えている。
【0007】
この構成によれば、供給ノズルを支持する支持部材が冷却構造によって冷却されるため、支持部材が高温となることを抑制でき、それにより、支持部材の歪み等の熱変形を抑制できる。従って、供給ノズルの安定した姿勢が維持されるため、溶融ガラスが供給ノズルから所望の態様で流下され、好適な板ガラスの成形が可能となる。
【0008】
上記板ガラス製造装置において、前記支持部材に付着して該支持部材から落下する落下物を捕集する捕集部材を、前記支持部材の下方に備えていることが好ましい。
支持部材が上記冷却構造を備えることから、溶融ガラス中の揮発成分が支持部材に凝集付着しやすく、その付着した揮発成分が支持部材から落下するおそれがあるが、この構成によれば、支持部材からの落下物を捕集部材にて捕集することができる。このため、支持部材からの落下物が成形ローラや成形ローラ上の溶融ガラスに付着することを抑制することができ、その結果、成形ローラにて成形される板ガラスへの異物混入による品質低下を抑制できる。更に、支持部材からの落下物が成形ローラに付着した場合には、成形ローラを交換する必要が生じるため、成形ローラへの落下物の付着が抑制されることで、成形ローラの交換作業によるロスを抑えた効率的な板ガラスの製造が可能となる。
【0009】
上記板ガラス製造装置において、前記捕集部材は、水平面に対して平行に配置された板状の部材であることが好ましい。
この構成によれば、捕集部材は、水平面に対して平行に配置された板状の部材であるため、支持部材からの落下物を捕集部材の板面上で捕集することができる。
【0010】
上記板ガラス製造装置において、前記支持部材は、平面視長手方向を有する形状をなし、前記捕集部材は、前記支持部材の長手方向に沿って延在していることが好ましい。
この構成によれば、捕集部材が支持部材の長手方向に沿って延在するため、支持部材の下方のより広い範囲において落下物を捕集でき、その結果、板ガラスへの異物混入をより好適に抑制できる。
【0011】
上記板ガラス製造装置において、前記支持部材には、前記捕集部材を保持するための保持部が設けられ、前記捕集部材は、前記保持部に設けられた載置部に載置されていることが好ましい。
【0012】
この構成によれば、捕集部材は、載置部に載置される態様で支持部材の下方に配置されるため、捕集部材を容易に着脱することが可能となり、捕集部材の洗浄等のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
【0013】
上記板ガラス製造装置において、前記冷却構造は、前記支持部材の内部に形成した流路に冷却液を流通させる構造であることが好ましい。
この構成によれば、冷却構造は、支持部材の内部に形成した流路に冷却液を流通させる構造であるため、支持部材を好適に冷却することが可能となる。
【0014】
上記課題を解決する板ガラスの製造方法は、支持部材に支持された供給ノズルから溶融ガラスを一対の成形ローラ上に流下し、該一対の成形ローラにて前記溶融ガラスをロールアウト成形して板ガラスを製造する板ガラスの製造方法であって、前記支持部材が備える冷却構造によって該支持部材を冷却する。
【0015】
この製造方法によれば、供給ノズルを支持する支持部材を冷却構造によって冷却するため、支持部材が高温となることを抑制でき、それにより、支持部材の歪み等の熱変形を抑制できる。従って、供給ノズルの安定した姿勢が維持されるため、溶融ガラスが供給ノズルから所望の態様で流下され、好適な板ガラスの成形が可能となる。
【0016】
上記板ガラスの製造方法において、前記支持部材に付着してそこから落下する落下物を、前記支持部材の下方に配置した捕集部材によって捕集することが好ましい。
支持部材が上記冷却構造にて冷却されることから、溶融ガラス中の揮発成分が支持部材に凝集付着しやすく、その付着した揮発成分が支持部材から落下するおそれがあるが、この製造方法によれば、支持部材からの落下物を捕集部材にて捕集することができる。このため、支持部材からの落下物が成形ローラや成形ローラ上の溶融ガラスに付着することを抑制することができ、その結果、成形ローラにて成形される板ガラスへの異物混入による品質低下を抑制できる。更に、支持部材からの落下物が成形ローラに付着した場合には、成形ローラを交換する必要が生じるため、成形ローラへの落下物の付着が抑制されることで、成形ローラの交換作業によるロスを抑えた効率的な板ガラスの製造が可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の板ガラス製造装置及び板ガラスの製造方法によれば、供給ノズルの安定した支持が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態の板ガラス製造装置を示す概略構成図である。
図2】同形態の板ガラス製造装置の要部を示す側面図である。
図3】同形態のオリフィス部を斜め下方から見た斜視図である。
図4】同形態のオリフィス部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、板ガラス製造装置及び板ガラスの製造方法の一実施形態について説明する。なお、図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張して示す場合がある。また、各部分の寸法比率についても、実際と異なる場合がある。
【0020】
図1に示すように、本実施形態の板ガラス製造装置10は、ロールアウト法による板ガラスの製造手法を用いた設備である。この板ガラス製造装置10は、溶融窯11にて溶融された溶融ガラスMGをオリフィス部12から一対の成形ローラ13に対して流下し、該一対の成形ローラ13の間で溶融ガラスMGを圧延して板ガラスGを成形するようになっている。
【0021】
図2図3及び図4に示すように、オリフィス部12は、溶融窯11にて溶融された溶融ガラスの供給路を構成するフィーダ14の出口に装着される。オリフィス部12は、フィーダ14の下面14aに固定される支持部材21と、支持部材21とフィーダ14の下面14aとに挟持される供給ノズル22と、支持部材21の下方に配置された一対の捕集部材31とを備えている。
【0022】
支持部材21は、ステンレス鋼等の金属材料からなる板状部材であって、その板面が水平面に対して平行となるようにフィーダ14の下面14aに固定されている。また、支持部材21は、平面視(鉛直方向視)において長手方向を有する矩形状をなし、支持部材21の中央部には、供給ノズル22が取り付けられる開口21aが形成されている。
【0023】
供給ノズル22は、クロム煉瓦やジルコン煉瓦等の耐火物よりなり、該供給ノズル22の下面が支持部材21の開口21aから下側に露出する態様で支持部材21に装着されている。供給ノズル22は、平面視において支持部材21の長手方向に沿って長尺をなす矩形状をなしている。また、供給ノズル22は、水平方向に延びるフランジ部23を有し、このフランジ部23がフィーダ14の下面14aと支持部材21とによって上下方向に挟持されている。
【0024】
供給ノズル22の中央部には、該供給ノズル22を上下方向に貫通する貫通孔24が形成されている。貫通孔24は、支持部材21の長手方向に沿って延びる長孔形状をなしている。この貫通孔24は、オリフィス部12がフィーダ14に装着された状態において、フィーダ14のガラス流通路14bと連通され、該貫通孔24には、ガラス流通路14bから供給される溶融ガラスMGが流入される。そして、貫通孔24の下端の供給口25から一対の成形ローラ13に向けて溶融ガラスMGが流下される。
【0025】
上記の支持部材21は、自身が高温になることを防ぐための冷却構造を備えている。
具体的には、図4に示すように、支持部材21における開口21aの周囲には、冷却液が流通される流路21bが例えばガンドリルマシン等によって開孔形成されている。流路21bには、支持部材21に接続された供給パイプ26から冷却液が供給され、該冷却液は開口21a(供給ノズル22)の周囲を流通した後、支持部材21に接続された排出パイプ27に排出される。冷却液が流路21b内を流通する際に支持部材21から熱を得ることで、支持部材21が冷却される。
【0026】
図2及び図3に示すように、支持部材21の下方には、一対の捕集部材31が配置されている。各捕集部材31は、クロム煉瓦やジルコン煉瓦等の耐火物よりなり、支持部材21に対して平行な板状をなしている。また、各捕集部材31は、支持部材21の長手方向(つまり、供給口25の長手方向)に沿って延びる長尺をなしている。
【0027】
各捕集部材31は、支持部材21の長手方向両端部にそれぞれ固定された保持部32にて保持されている。なお、各保持部32の支持部材21に対する固定位置は、支持部材21の下面21cであってもよく、また、支持部材21の長手方向端面や短手方向端面であってもよい。
【0028】
各保持部32には、該保持部32を支持部材21の長手方向に貫通する一対の保持孔33が形成されている。各捕集部材31は、各保持部32の保持孔33に長手方向に挿通されるとともに、各捕集部材31の長手方向両端部がそれぞれ保持孔33の内面下部に載置されている。この捕集部材31の設置状態(保持孔33に載置された状態)では、捕集部材31の移動は、長手方向には規制されず、短手方向には保持孔33の内面との当接によって規制されている。
【0029】
このように各保持部32に保持された一対の捕集部材31は、供給口25からの溶融ガラスMGの流下の妨げにならない位置に配置されている。詳しくは、図3及び図4に示すように、一対の捕集部材31は、支持部材21における供給ノズル22(開口21a)の短手方向両側の部位Xのそれぞれの下方において、支持部材21の長手方向に沿ってそれぞれ配置されている。
【0030】
次に、本実施形態の作用について説明する。
図2に示すように、オリフィス部12の供給ノズル22の供給口25から流下された溶融ガラスMGは、各捕集部材31の間を通って一対の成形ローラ13上に供給される。そして、一対の成形ローラ13にて溶融ガラスMGが圧延されて板ガラスGがロールアウト成形される。
【0031】
このとき、供給ノズル22を支持する支持部材21は、溶融ガラスMGから生じる熱によって高温状況下に曝されることとなるが、前記冷却構造、すなわち、支持部材21の内部における冷却液の流通によって支持部材21の温度が高くなり過ぎないように維持される。これにより、支持部材21の熱変形(歪み)が抑制されるため、該支持部材21に支持される供給ノズル22の姿勢が安定する。その結果、供給ノズル22の姿勢が傾いて溶融ガラスMGの流下が乱れるといった不具合の発生が抑制されるため、好適な板ガラスGの成形が可能となっている。
【0032】
また、このように支持部材21が冷却された状態であるため、溶融ガラスMGから揮発した成分が支持部材21の近傍で冷やされ、該支持部材21の特に下面21cに凝集付着しやすい。この付着物が支持部材21の下面21cに蓄積されると、自重で落下するおそれがあるが、本実施形態では、その落下物Fを各捕集部材31の上面31a(板面)で捕集することが可能となっている。これにより、支持部材21からの落下物Fが各成形ローラ13や成形ローラ13上の溶融ガラスMGに付着することを抑制でき、その結果、板ガラスGに異物が混入することによる品質低下を抑制できる。
【0033】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)供給ノズル22を支持する支持部材21が冷却構造によって冷却されるため、支持部材21が高温となることを抑制でき、それにより、支持部材21の歪み等の熱変形を抑制できる。従って、供給ノズル22の安定した姿勢が維持されるため、溶融ガラスMGが供給ノズル22から所望の態様で流下され、好適な板ガラスGの成形が可能となる。
【0034】
(2)支持部材21が前記冷却構造を備えることから、溶融ガラスMG中の揮発成分が支持部材21に凝集付着しやすく、その付着した揮発成分が支持部材21から落下するおそれがあるが、本実施形態では、支持部材21からの落下物Fを、支持部材21の下方に設けた捕集部材31によって捕集することができる。このため、支持部材21からの落下物Fが成形ローラ13や成形ローラ13上の溶融ガラスMGに付着することを抑制することができ、その結果、成形ローラ13にて成形される板ガラスGへの異物混入による品質低下を抑制できる。
【0035】
また、支持部材21からの落下物Fが成形ローラ13に付着した場合には、成形ローラ13を交換する必要が生じるため、成形ローラ13への落下物Fの付着が抑制されることで、成形ローラ13の交換作業によるロスを抑えた効率的な板ガラスGの製造が可能となる。
【0036】
また、本実施形態では、供給ノズル22から流下された溶融ガラスMGから揮発した成分は、支持部材21の下面21cと各捕集部材31の上面31aとに集中して付着する。支持部材21及び捕集部材31は、取り外しが容易に構成されているため、支持部材21及び捕集部材31からの付着物の除去を容易に行うことができる。
【0037】
(3)捕集部材31は、水平面に対して平行に配置された板状の部材であるため、支持部材21からの落下物Fを捕集部材31の板面上で捕集することができる。
(4)支持部材21は、平面視長手方向を有する形状をなし、捕集部材31は、支持部材21の長手方向に沿って延在している。このため、支持部材21の下方のより広い範囲において落下物Fを捕集でき、その結果、板ガラスGへの異物混入をより好適に抑制できる。
【0038】
(5)支持部材21には、捕集部材31を保持するための保持部32が設けられ、捕集部材31は、保持部32に設けられた載置部としての保持孔33に載置される。これにより、捕集部材31を設置する際には、保持部32の保持孔33に対して捕集部材31を長手方向に挿入して載置するだけでよく、捕集部材31を取り外す際には、捕集部材31を保持孔33から長手方向に抜き出すだけでよい。このように、捕集部材31を容易に着脱することが可能となるため、捕集部材31の洗浄等のメンテナンスを容易に行うことが可能となる。
【0039】
(6)支持部材21の冷却構造は、支持部材21の内部に形成した流路に冷却液を流通させる構造(水冷構造)であるため、支持部材21を好適に冷却することが可能となる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0040】
・上記実施形態では、捕集部材31は、支持部材21における供給ノズル22(開口21a)の短手方向側方の部位Xの下方に配置されたが、支持部材21における供給ノズル22(開口21a)の長手方向側方の部位Y(図3及び図4参照)の下方にも捕集部材が配置される構成としてもよい。この一例としては、例えば、支持部材21の前記部位Yの下方において、捕集部材31から支持部材21の短手方向に沿って延びる延出部を形成する構成が考えられる。このような構成によれば、支持部材21下方のより広範囲において落下物Fの捕集が可能となる。
【0041】
・上記実施形態では、支持部材21からの落下物Fが成形ローラ13等に付着することを抑制する手段として捕集部材31を設けたが、これに特に限定されるものではない。例えば、支持部材21の下面21cに煉瓦等よりなる断熱板を設けることで、支持部材21周囲の雰囲気温度の低下が抑制されるため、溶融ガラスMGから揮発した成分が支持部材21の下面(前記断熱板の下面)に付着することが抑制される。その結果、支持部材21からの落下物が成形ローラ13等に付着することを抑制できる。
【0042】
・捕集部材31の形状は上記実施形態の板状に限定されるものではなく、板状以外の形状としてもよいが、その場合であっても、捕集部材31の上面31aが水平面に沿った平面状であることが前記落下物Fを好適に捕集する点で好ましい。
【0043】
・上記実施形態では、捕集部材31を保持する保持部32が支持部材21に固定されているが、捕集部材31の支持構成は上記実施形態に限定されるものではなく、構成に応じて適宜変更してもよい。
【0044】
・上記実施形態では、支持部材21及び供給ノズル22は、平面視において長手方向を有する長方形をなすが、これ以外に例えば、平面視で正方形をなすように構成してもよく、また、平面視で矩形状以外の形状としてもよい。
【0045】
・支持部材21の冷却構造は前記水冷構造に限定されるものではなく、構成に応じて適宜変更してもよい。また、支持部材21を冷却するための冷却構造は、支持部材21自身が備える必要はなく、該冷却構造を支持部材21とは別に構成してもよい。
【0046】
・上記した実施形態並びに各変形例は適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0047】
10…板ガラス製造装置、12…オリフィス部、13…成形ローラ、21…支持部材、21b…流路、22…供給ノズル、25…供給口、31…捕集部材、32…保持部、33…保持孔(載置部)、MG…溶融ガラス、G…板ガラス。
図1
図2
図3
図4