(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
母材ガラスロールから繰り出されるシート状の母材ガラスを加熱しながら下方へ延伸することによりガラスリボンを成形する、リドロー法を用いたガラスリボンの製造方法であって、
前記母材ガラスロールは、ロール径が100mm未満であるロール部材に前記母材ガラスを巻き取ることにより構成され、
母材ガラスの搬送方向における加熱炉よりも上流側に配置され、前記母材ガラスロールから引き出された前記母材ガラスが捲回された搬送ロールを回転駆動することにより、前記母材ガラスを搬送し、
前記母材ガラスは、前記搬送ロールの外周面の1/4周以上の範囲で前記搬送ロールの外周面に接触している、
ことを特徴とするガラスリボンの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、前述の特許文献1に記載される母材ガラスロールは、ロール径が100mm〜1500mmの巻き取りロールに母材ガラスを巻き取ったものであり、巻き取りロールのロール径が大きいため、母材ガラスロールの重量が大きくなっていた。
【0006】
ここで、ガラスリボンの製造工程の始動時において、搬送ロールにより母材ガラスロールから母材ガラスを引き出し始めると、停止状態の母材ガラスロールが母材ガラスの引き出し開始に伴って回転し始めるが、停止状態の母材ガラスロールは自身の慣性によって停止状態に留まろうとするため、搬送ロールと母材ガラスロールとの間の母材ガラスには引っ張り方向に比較的大きな張力がかかる。
【0007】
このように、ガラスリボンの製造工程の始動時においては、引き出される母材ガラスに大きな張力がかかることとなるが、母材ガラスロールの重量が大きいと、引き出される母材ガラスにかかる張力が大きくなり過ぎて、前記母材ガラスにひびや割れが生じるおそれがある。
【0008】
そこで、本発明においては、母材ガラスロールの重量が大きくなることがなく、ガラスリボンの製造工程の始動時においても、引き出される母材ガラスにかかる張力が抑制されて、母材ガラスにひびや割れが生じることを防止できる、ガラスリボンの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するガラスリボンの製造方法は、以下の特徴を有する。
即ち、請求項1記載の如く、母材ガラスロールから繰り出されるシート状の母材ガラスを加熱しながら下方へ延伸することによりガラスリボンを成形する、リドロー法を用いたガラスリボンの製造方法であって、前記母材ガラスロールは、ロール径が100mm未満であるロール部材に前記母材ガラスを巻き取ることにより構成される。
【0010】
また、請求項2記載の如く、前記母材ガラスロールにおいては、前記ロール部材に巻き取られている前記母材ガラスに生じる曲げ応力が、100MPa以下である。
【0011】
また、請求項3記載の如く、前記母材ガラスは、厚み寸法が260μm以下である。
【0012】
また、請求項4記載の如く、前記母材ガラスは、幅寸法が10mm以上かつ500mm以下であり、長さ寸法が1m以上かつ5000m以下である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ガラスリボンの製造工程の始動時においても、搬送ロールと母材ガラスロールとの間の母材ガラスに過大な張力がかかることがなく、母材ガラスにひびや割れが生じることを防止できる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明に係るガラスリボンの製造方法を実施するための形態を、
図1及び
図2を用いて説明する。
【0016】
本発明に係るガラスリボンの製造方法は、母材ガラスロールから繰り出されるシート状の母材ガラスを加熱しながら下方へ延伸することによりガラスリボンを成形する、リドロー法を用いたガラスリボンの製造方法であって、前記母材ガラスロールは、ロール径が100mm未満であるロール部材に前記母材ガラスを巻き取ることにより構成されるものである。
【0017】
図1及び
図2には、本発明に係るガラスリボンの製造方法を実施するためのガラスリボンの製造装置1を示している。
ガラスリボンの製造装置1は、母材ガラスロール2と、搬送ロール3と、電気炉4と、延伸ロール6と、巻取ロール7とを備えている。
【0018】
母材ガラスロール2は、円筒形状に形成されたロール部材である巻芯ロール21に、シート状の母材ガラスGbを巻き取ることにより構成されている。
母材ガラスGbは長尺のシート状に形成されており、例えば、その厚み寸法は260μm以下に形成され、その幅寸法は10mm以上かつ500mm以下に形成され、その長さ寸法は1m以上かつ5000m以下に形成される。
【0019】
母材ガラスGbは、フロート法、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、アップドロー法、及びロールアウト法等によって、溶融ガラスをシート状に成形することにより作製される。
また、母材ガラスGbとしては、延伸成形が可能であって、延伸成形を行う際の加熱により失透が生じないガラスであれば用いることができ、無アルカリガラス、ケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウ珪酸ガラス、アルミノ珪酸塩ガラス、及び結晶化ガラス等を用いることができる。
【0020】
巻芯ロール21は、母材ガラスロール2において母材ガラスGbを巻き取る際の芯材となるロール部材であり、軸心を中心として回転可能に支持されている。
巻芯ロール21の軸心方向の長さ寸法は、母材ガラスGbの幅寸法以上の寸法に形成されており、巻芯ロール21のロール径は、100mm未満に設定されている。
本実施形態では、巻芯ロール21は塩化ビニル製のロール部材にて構成されており、巻芯ロール21のロール径は70mmに設定されている。
【0021】
本実施形態の母材ガラスロール2においては、巻芯ロール21に母材ガラスGbを直接捲回しているが、母材ガラスGbの片面又は両面に保護シートを重ねた状態で、母材ガラスGbを捲回することもできる。
これにより、捲回され積層状態となった母材ガラスGbと母材ガラスGbとの間に保護シートが介在することとなり、隣接する母材ガラスGb・Gb同士が擦れて母材ガラスGbの表面に傷が発生することを防止することができる。前記保護シートとしては、例えばPET等の樹脂シートや紙等を用いることができる。
【0022】
搬送ロール3は、母材ガラスGbの搬送方向における加熱炉4よりも上流側に配置され、回転駆動されるロール部材であり、母材ガラスロール2から引き出された母材ガラスGbを下方の電気炉4側へ向けて一定速度で搬送するものである。搬送ロール3の軸心方向の長さ寸法は、母材ガラスGbの幅寸法以上の寸法に形成されている。
【0023】
搬送ロール3は、外周面が高摩擦係数を有する面に形成された円筒状部材にて構成されており、例えば、円筒状のロール部材の外周面にウレタンゴムを貼設することにより構成することができる。また、搬送ロール3を全体的に円柱状のウレタンゴムにて形成することも可能である。前記ウレタンゴムは、他の種類のゴムにて構成することも可能であり、例えばウレタンゴムの代わりにニトリルゴムやシリコンゴム等を用いることもできる。
本実施形態の場合、搬送ロール3のロール径は、200mmに設定されている。
【0024】
搬送ロール3の外周面には、母材ガラスロール2から引き出された母材ガラスGbが捲回されており、搬送ロール3を一定速度で回転駆動することにより、母材ガラスGbにおける搬送ロール3の外周面に接触している部分が電気炉4側へ一定速度で送り出されることとなる。
つまり、母材ガラスGbは、回転駆動される搬送ロール3の外周面と、当該外周面に接触している母材ガラスGbとの間の摩擦力により電気炉4側へ搬送される。
【0025】
図1において、搬送ロール3は母材ガラスロール2の左上方に配置されており、母材ガラスGbは母材ガラスロール2から左斜め上方へ引き出されて搬送ロール3に捲回される。具体的には、搬送ロール3の軸中心は、母材ガラスロール2における巻芯ロール21の軸中心よりも上方に位置しており、母材ガラスGbは、母材ガラスロール2の下端部から左斜め上方へ引き出されて、搬送ロール3の上部に捲回されている。これにより、母材ガラスロール2における母材ガラスGbが引き出される箇所の上下位置は、搬送ロール3における母材ガラスGbが捲回され始める箇所の上下位置よりも下方に位置することとなっている。
搬送ロール3に捲回された母材ガラスGbは下方の電気炉4側へ向かって送り出されている。
【0026】
母材ガラスロール2から左斜め上方へ引き出されて搬送ロール3に捲回され、その後下方へ向かって送り出される母材ガラスGbは、搬送ロール3の周方向における右端点Aと上端点Bとの間の箇所から、搬送ロール3の周方向における左端点Cまでの90°を超える範囲において、搬送ロール3の外周面に接触している。
【0027】
つまり、母材ガラスGbは、搬送ロール3の外周面の1/4周以上の広い範囲となる、搬送ロール3の周方向における右端点Aと上端点Bとの間から左端点Cまでの範囲で、搬送ロール3の外周面に接触している。
このように、回転駆動される搬送ロール3の外周面に接触する母材ガラスGbの面積を大きくすることで、搬送ロール3の外周面と、当該外周面に接触している母材ガラスGbとの間に生じる摩擦力を大きくすることができ、母材ガラスGbを搬送方向下流側の電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となっている。
なお、本実施形態においては、母材ガラスロール2から左斜め上方へ引き出される母材ガラスGbの引き出し方向は、水平方向に対して45°傾斜する方向に設定されている。
【0028】
また、搬送ロール3により母材ガラスGbを一定速度で安定的に搬送するためには、搬送ロール3のロール径を100mm以上に設定することが好ましい。
このように、搬送ロール3のロール径を100mm以上に設定することで、搬送ロール3の外周面と母材ガラスGbとの接触面積を確保して、両者間に十分な大きさの摩擦力を生じさせることができ、母材ガラスGbを電気炉4へ向けて一定速度で安定的に搬送することが可能となる。
【0029】
電気炉4は、搬送されてきた母材ガラスGbを延伸成形可能な温度、例えば母材ガラスGbの軟化点近傍の温度まで加熱することが可能な加熱炉である。
電気炉4は、上下方向に貫通する炉心管41と、炉心管41の外周部に配置される複数のヒータ42・42・・・を備えており、設置台5の上に設置されている。
【0030】
搬送ロール3により下方へ搬送される母材ガラスGbは、電気炉4の上方から炉心管41内に侵入し、炉心管41内に侵入した母材ガラスGbは、炉心管41の下端から炉外へ退出する。つまり、母材ガラスGbは、炉心管41内を上方から下方へ向けて通過する。
ヒータ42・42・・・は、炉心管41の外部において上下方向に並設されており、炉心管41内を通過する母材ガラスGbを軟化点付近の温度にまで加熱する。
また、ヒータ42・42・・・は、炉心管41における母材ガラスGbのガラス面と平行な一対の面の外側にそれぞれ配置されている。
【0031】
電気炉4内を通過する母材ガラスGbには引っ張り方向に張力が付与されており、前記張力が付与された状態の母材ガラスGbが電気炉4により加熱されて軟化すると、付与された張力の大きさに応じて延伸され、ガラスリボンGrとなる。
【0032】
延伸ロール6は、電気炉4の下方に配置され、回転駆動されるロール部材であって、電気炉4から出てくるガラスリボンGrを下方に引っ張り、搬送ロール3と延伸ロール6との間において搬送される母材ガラスGb及びガラスリボンGrに対して引っ張り方向の張力を付与するためのロールである。延伸ロール6の軸心方向の長さ寸法は、ガラスリボンGrの幅寸法以上の寸法に形成されている。
【0033】
延伸ロール6は、外周面が高摩擦係数を有する面に形成された円筒状部材にて構成されており、例えば、円筒状のロールの外周面にウレタンゴムを貼設することにより構成することができる。また、延伸ロール6を全体的に円柱状のウレタンゴムにて形成することも可能である。前記ウレタンゴムは、他の種類のゴムにて構成することも可能であり、例えばウレタンゴムの代わりにニトリルゴムやシリコンゴム等を用いることもできる。
【0034】
延伸ロール6の外周面には、電気炉4から出てきたガラスリボンGrが捲回されており、延伸ロール6を一定速度で回転駆動することにより、ガラスリボンGrにおける搬送ロール3の外周面に接触している部分が下流側へ一定速度で送り出されることとなる。
つまり、ガラスリボンGrは、回転駆動される延伸ロール6の外周面と、当該外周面に接触しているガラスリボンGrとの間の摩擦力により下流側へ搬送される。
本実施形態では、延伸ロール6は、上方から搬送されてきたガラスリボンGrを水平方向へ搬送するように構成されており、ガラスリボンGrは、延伸ロール6の外周面の1/4周の範囲にて、延伸ロール6の外周面と接触している。
【0035】
延伸ロール6によるガラスリボンGrの搬送速度は、搬送ロール3による母材ガラスGbの搬送速度よりも大きくなるように設定されており、この搬送速度の差により母材ガラスGを延伸させるだけの張力を付与している。
このように、延伸ロール6が回転駆動され、母材ガラスGb及びガラスリボンGrに引張り方向の張力が付与されることにより、電気炉4にて加熱された母材ガラスGbが延伸されてガラスリボンGrが生成する。
この場合、母材ガラスGbの延伸度合は前記搬送速度の差の大きさにより変化し、例えば前記搬送速度の差が大きくなると母材ガラスGbの延伸度合が高くなって、幅寸法及び厚さ寸法が小さなガラスリボンGrが製造されることとなる。
【0036】
巻取ロール7は、延伸ロール6により搬送されるガラスリボンGrを巻き取るための円筒状のロール部材である。巻取ロール7は、ガラスリボンGrの幅寸法以上の寸法に形成されており、回転駆動可能に構成されている。回転駆動される巻取ロール7は、延伸ロール6により搬送されるガラスリボンGrが弛まない程度の速度でガラスリボンGrを巻き取る。
なお、巻取ロール7にガラスリボンGrを巻き取る際には、ガラスリボンGrの片面又は両面に保護シートを重ねた状態で、ガラスリボンGrを巻き取るように構成することが可能である。
【0037】
以上のように構成されるガラスリボンの製造装置1においては、母材ガラスロール2から繰り出される母材ガラスGbを搬送ロール3により下方の電気炉4へ搬送し、搬送ロール3により搬送され、電気炉4にて加熱されて軟化した母材ガラスGbに対して延伸ロール6により引っ張り方向の張力を付与して、当該母材ガラスGbを延伸させることにより、ガラスリボンGrが製造される。
【0038】
このようなガラスリボンの製造装置1を用いたガラスリボンの製造工程の始動時においては、搬送ロール3を回転駆動して、母材ガラスロール2から母材ガラスGbを引き出し始めると、停止状態の母材ガラスロール2が母材ガラスGbの引き出し開始に伴って回転し始めるが、停止状態の母材ガラスロール2は自身の慣性によって停止状態に留まろうとするため、搬送ロール3と母材ガラスロール2との間の母材ガラスGbには引っ張り方向に比較的大きな張力がかかる。
しかし、本実施形態における母材ガラスロール2の巻芯ロール21は100mm未満の小さなロール径に形成されているため、巻芯ロール21に母材ガラスGbを巻き取って構成される母材ガラスロール2の重量は小さく抑えられており、ガラスリボンの製造工程の始動時においても、搬送ロール3と母材ガラスロール2との間の母材ガラスGbに過大な張力がかかることがなく、母材ガラスGbにひびや割れが生じることを防止できる。
【0039】
ここで、母材ガラスGbを巻芯ロール21に巻き取った場合、母材ガラスGbは巻芯ロール21の外周面に沿って屈曲され、屈曲された母材ガラスGbには応力が生じることとなる。また、この屈曲された母材ガラスGbに生じる応力は、母材ガラスGbの曲率半径や厚み寸法によって変化し、例えば母材ガラスGbの曲率半径が小さくなるほど生じる応力が大きくなり、母材ガラスGbの厚み寸法が大きくなるほど生じる応力が大きくなる。
従って、巻芯ロール21のロール径が小さくなると、巻き取られて屈曲する母材ガラスGbの曲率半径は小さくなり、母材ガラスGbに生じる応力も増大する。
【0040】
本実施形態においては、巻芯ロール21のロール径を100mm未満の小さな寸法に設定しており、巻芯ロール21に巻き取られた母材ガラスGbの曲率半径が小さくなるため、母材ガラスGbに生じる応力が大きくなり過ぎてひびや割れ等の破損が生じることを防止する観点からは、母材ガラスGbの厚み寸法を260μm以下に設定することが好ましい。
このように、母材ガラスGbの厚み寸法を260μm以下の小さな寸法に設定することにより、母材ガラスGbを巻芯ロール21に巻き取った場合でも、母材ガラスGbに生じる応力が過大になることはなく、母材ガラスGbにひびや割れ等の破損が生じることを防止することが可能となる。
【0041】
また、巻芯ロール21のロール径があまりに小さくなり過ぎると、母材ガラスGbに生じる応力が過大となって、母材ガラスGbに破損が生じるおそれが出てくることから、母材ガラスGbに破損が生じることを防止するためには、巻芯ロール21のロール径を50mm以上に設定することが好ましい。
【0042】
また、母材ガラスGbに破損が生じることを確実に防止するといった観点からは、母材ガラスGbを巻き取る巻芯ロール21のロール径を、巻き取った母材ガラスGbに生じる曲げ応力の大きさが100MPa以下となるような値に設定することが好ましい。
このように、巻芯ロール21に巻き取った母材ガラスGbに生じる曲げ応力の大きさが100MPa以下となるように構成することで、母材ガラスGbに破損が生じることを確実に防止することが可能となる。
なお、巻き取った母材ガラスGbに生じる曲げ応力は、σ=E×(t/2)/Rにより求めることができる。σ(MPa)は巻き取った母材ガラスGbに生じる曲げ応力、t(mm)は母材ガラスGbの厚み、R(mm)は巻芯ロール21の半径である。
【0043】
また、本実施形態においては、母材ガラスGbを、長さ寸法が1m以上となるように形成しているため、ガラスリボンGrを連続して製造することができ、ガラスリボンGrの生産効率を向上することが可能となっている。
さらに、本実施形態においては、母材ガラスGbを、長さ寸法が5000m以下となるように形成しているため、母材ガラスGbを巻き取って構成した母材ガラスロール2の重量を小さく抑えることができ、ガラスリボンの製造工程の始動時において、搬送ロール3と母材ガラスロール2との間の母材ガラスGbに過大な張力がかかって母材ガラスGbにひびや割れが生じることを防止できる。
【0044】
また、本実施形態においては、母材ガラスGbを、幅寸法が10mm以上となるように形成しているため、電気炉4にて加熱されて軟化した母材ガラスGbに引っ張り方向の張力を付加して延伸させる場合等、母材ガラスGbに引っ張り方向の張力がかかった場合でもひびや割れが生じて破損することを抑制することが可能となっている。
【0045】
さらに、本実施形態においては、母材ガラスGbを、幅寸法が500mm以下となるように形成しているため、巻芯ロール21に母材ガラスGbを巻き取って構成される母材ガラスロール2の重量を小さく抑えることが可能となっている。これにより、ガラスリボンの製造工程の始動時においても、搬送ロール3と母材ガラスロール2との間の母材ガラスGbに過大な張力がかかることがなく、母材ガラスGbにひびや割れが生じることを防止できる。