(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サーバを有しない画像形成システムにおいて、全ユーザの使用量情報が1台の或る特定の画像形成装置(たとえば親機の画像形成装置(階層構造における最上位階層の画像形成装置))のみに格納される場合、ユーザの利便性が低下することがある。
【0006】
具体的には、全ユーザの使用量情報が特定の画像形成装置のみに格納される場合、ログインユーザによる画像形成装置の利用に際して、当該画像形成装置は、ログインユーザの使用量情報を当該特定の画像形成装置から取得する処理を常に行う。そのため、たとえば非常に多くのユーザ(たとえば1万人以上のユーザ)が当該画像形成システムを利用するときには、多くの画像形成装置からのアクセスが当該特定の画像形成装置に集中する。その結果、画像形成装置の処理能力がサーバの処理能力よりも低いことに起因して当該特定の画像形成装置からの使用量情報の取得に比較的長時間を要し、ユーザの利便性が低下する。
【0007】
このような問題を回避するためには、非常に多くのユーザが利用する画像形成システムにおいては、各画像形成装置に全てのユーザの使用量情報をそれぞれ格納しておくことが好ましい。これによれば、各画像形成装置は、特定の画像形成装置から使用量情報を取得することを要しないので、当該特定の画像形成装置に各画像形成装置からのアクセスが集中することに起因するユーザの利便性の低下を回避することができる。
【0008】
ただし、次述するように、各画像形成装置に当該全てのユーザの使用量情報をそれぞれ格納しておくことが困難な事情が存在する。
【0009】
具体的には、画像形成装置の処理能力の高速化に伴い、ジョブが実行される度に更新される使用量情報に関しては、より高速なアクセス処理が求められている。そのため、当該使用量情報は、画像形成装置のハードディスクドライブ(HDD)に格納されるのではなく、当該HDDよりも高速なアクセス処理を行うことが可能な高速メモリ(フラッシュメモリ等)に格納されることが好ましい。しかしながら、全てのユーザの使用量情報を各画像形成装置にそれぞれ格納しようとすると、各画像形成装置において比較的大容量の高速メモリをそれぞれ設けることを要し、大幅なコストアップが生じてしまう。
【0010】
このように、ユーザの利便性を考慮すると、全てのユーザの使用量情報が各画像形成装置にそれぞれ格納されることが好ましいものの、非常に多くのユーザが利用する画像形成システムでは、これを実現しようとすると、大幅なコストアップが生じてしまう。
【0011】
そこで、本願発明は、ユーザの利便性の低下を抑制し且つコストアップを抑制しつつユーザによる画像形成装置の使用状況を管理することが可能な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決すべく、請求項1の発明は、少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を備え、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ
、前記特定の使用量情報を前記移動先装置に移動させた後、ログインユーザに関する使用量情報を前記記憶手段に格納することを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、
少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を備え、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、前記所定の条件は、ユーザによる前記画像形成装置へのログインの受付時における前記記憶手段の空き容量が所定量よりも小さい旨の条件、あるいは、ユーザによる前記画像形成装置へのログインの受付時において、その使用量情報が前記記憶手段に格納されているユーザの人数が、その使用量情報が前記記憶手段に格納され得るユーザの上限数に到達している旨の条件であることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、
少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を備え、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、その使用量情報が前記画像形成装置に格納されているユーザのうち、前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置にもその使用量情報が格納されているユーザを、前記特定ユーザとして決定することを特徴とする。
【0016】
請求項4の発明は、
請求項3の発明に係る画像形成装置において、前記管理手段は、その使用量情報が前記画像形成装置に格納されているユーザのうち、その使用量情報が最も多数の画像形成装置に格納されているユーザを、前記特定ユーザとして決定することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明は、
少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を備え、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、その使用量情報が前記画像形成装置に格納されているユーザのうち、前記画像形成装置の使用頻度が最も少ないユーザを、前記特定ユーザとして決定することを特徴とする。
【0018】
請求項6の発明は、
少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を備え、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、前記少なくとも1つの画像形成装置のうち最も大きい空き容量を有する画像形成装置を前記移動先装置として決定することを特徴とする。
【0019】
請求項7の発明は、
少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置であって、前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を備え、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、前記画像形成装置を含む複数の画像形成装置であって階層構造を有するように互いに論理接続される複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置よりも上位階層の特定の画像形成装置を、前記移動先装置として決定することを特徴とする。
【0020】
請求項8の発明は、請求項1から
請求項7のいずれかの発明に係る画像形成装置において、前記管理手段は、前記特定ユーザが前記画像形成装置を再び利用する際に、前記特定の使用量情報が前記画像形成装置の前記記憶手段から前記移動先装置へと事前に移動されていたと判定されたときには、前記特定の使用量情報を前記移動先装置から取得し、前記特定の使用量情報を前記記憶手段に再び格納することを特徴とする。
【0021】
請求項9の発明は、
請求項8の発明に係る画像形成装置において、前記管理手段は、前記特定の使用量情報を前記移動先装置に移動させる際に、前記移動先装置を記憶し、前記画像形成装置は、前記特定ユーザが前記画像形成装置を再び利用する際に、前記特定の使用量情報の返却要求を前記移動先装置に送信する通信制御手段、をさらに備え、前記管理手段は、当該返却要求に応じて前記移動先装置から送信されてきた前記特定の使用量情報を取得することを特徴とする。
【0022】
請求項10の発明は、
請求項8の発明に係る画像形成装置において、前記特定ユーザが前記画像形成装置を再び利用する際に、前記特定ユーザのユーザ識別情報と前記画像形成装置の装置識別情報とを前記少なくとも1つの画像形成装置に送信する通信制御手段、をさらに備え、前記管理手段は、前記少なくとも1つの画像形成装置のうちの一の装置にて前記ユーザ識別情報に基づき特定された前記特定ユーザに関する使用量情報であって前記一の装置にて前記装置識別情報に基づき特定された前記画像形成装置の使用量情報を、前記特定の使用量情報として前記一の装置から取得することを特徴とする。
【0023】
請求項11の発明は、画像形成システムであって、複数の画像形成装置、を備え、前記複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置は、前記一の画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記一の画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記一の画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を有し、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ
、前記特定の使用量情報を前記移動先装置に移動させた後、ログインユーザに関する使用量情報を前記記憶手段に格納することを特徴とする。
【0025】
請求項12の発明は、
画像形成システムであって、複数の画像形成装置、を備え、前記複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置は、前記一の画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記一の画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記一の画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を有し、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、前記所定の条件は、ユーザによる前記一の画像形成装置へのログインの受付時における前記記憶手段の空き容量が所定量よりも小さい旨の条件、あるいは、ユーザによる前記一の画像形成装置へのログインの受付時において、その使用量情報が前記記憶手段に格納されているユーザの人数が、その使用量情報が前記記憶手段に格納され得るユーザの上限数に到達している旨の条件であることを特徴とする。
【0026】
請求項13の発明は、
画像形成システムであって、複数の画像形成装置、を備え、前記複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置は、前記一の画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記一の画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記一の画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を有し、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、その使用量情報が前記一の画像形成装置に格納されているユーザのうち、前記一の画像形成装置とは異なる他の画像形成装置にもその使用量情報が格納されているユーザを、前記特定ユーザとして決定することを特徴とする。
【0027】
請求項14の発明は、
請求項13の発明に係る画像形成システムにおいて、前記管理手段は、その使用量情報が前記一の画像形成装置に格納されているユーザのうち、その使用量情報が最も多数の画像形成装置に格納されているユーザを、前記特定ユーザとして決定することを特徴とする。
【0028】
請求項15の発明は、
画像形成システムであって、複数の画像形成装置、を備え、前記複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置は、前記一の画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記一の画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記一の画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を有し、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、その使用量情報が前記一の画像形成装置に格納されているユーザのうち、前記一の画像形成装置の使用頻度が最も少ないユーザを、前記特定ユーザとして決定することを特徴とする。
【0029】
請求項16の発明は、
画像形成システムであって、複数の画像形成装置、を備え、前記複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置は、前記一の画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記一の画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記一の画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を有し、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、前記複数の画像形成装置のうち最も大きい空き容量を有する画像形成装置を前記移動先装置として決定することを特徴とする。
【0030】
請求項17の発明は、
画像形成システムであって、複数の画像形成装置、を備え、前記複数の画像形成装置のうちの一の画像形成装置は、前記一の画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理を行うことが可能であり、且つ、ユーザごとの前記一の画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納することが可能である不揮発性の記憶手段と、前記記憶手段において格納される使用量情報を用いてユーザによる前記一の画像形成装置の使用状況を管理する管理手段と、を有し、前記管理手段は、所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動させ、前記複数の画像形成装置は、階層構造を有するように互いに論理接続され、前記管理手段は、前記複数の画像形成装置のうち、前記一の画像形成装置よりも上位階層の特定の画像形成装置を、前記移動先装置として決定することを特徴とする。
【0031】
請求項18の発明は、
請求項11から
請求項17のいずれかの発明に係る画像形成システムにおいて、前記管理手段は、前記特定ユーザが前記一の画像形成装置を再び利用する際に、前記特定の使用量情報が前記一の画像形成装置の前記記憶手段から前記移動先装置へと事前に移動されていたと判定されたときには、前記特定の使用量情報を前記移動先装置から取得し、前記特定の使用量情報を前記記憶手段に再び格納することを特徴とする。
【0032】
請求項19の発明は、
請求項18の発明に係る画像形成システムにおいて、前記管理手段は、前記特定の使用量情報を前記移動先装置に移動させる際に、前記移動先装置を記憶し、前記一の画像形成装置は、前記特定ユーザが前記一の画像形成装置を再び利用する際に、前記特定の使用量情報の返却要求を前記移動先装置に送信する通信制御手段、をさらに有し、前記移動先装置は、前記返却要求に応じて前記特定の使用量情報を前記一の画像形成装置に送信する送信手段、を有し、前記管理手段は、前記移動先装置から送信されてきた前記特定の使用量情報を取得することを特徴とする。
【0033】
請求項20の発明は、
請求項18の発明に係る画像形成システムにおいて、前記一の画像形成装置は、前記特定ユーザが前記一の画像形成装置を再び利用する際に、前記特定ユーザのユーザ識別情報と前記一の画像形成装置の装置識別情報とを、前記複数の画像形成装置のうち前記一の画像形成装置を除く装置に送信する通信制御手段、をさらに有し、前記移動先装置は、前記移動先装置にて前記ユーザ識別情報に基づき特定された前記特定ユーザに関する使用量情報であって前記移動先装置にて前記装置識別情報に基づき特定された前記画像形成装置の使用量情報を、前記一の画像形成装置に送信する送信手段、を有し、前記管理手段は、前記特定ユーザに関する使用量情報であって前記一の画像形成装置の使用量情報を、前記特定の使用量情報として前記移動先装置から取得することを特徴とする。
【0034】
請求項21の発明は、少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理が可能である不揮発性の記憶手段に、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納するステップと、b)所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動するステップと、
c)前記ステップb)の後、ログインユーザに関する使用量情報を前記記憶手段に格納するステップと、を実行させるためのプログラムであることを特徴とする。
請求項22の発明は、少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理が可能である不揮発性の記憶手段に、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納するステップと、b)所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記所定の条件は、ユーザによる前記画像形成装置へのログインの受付時における前記記憶手段の空き容量が所定量よりも小さい旨の条件、あるいは、ユーザによる前記画像形成装置へのログインの受付時において、その使用量情報が前記記憶手段に格納されているユーザの人数が、その使用量情報が前記記憶手段に格納され得るユーザの上限数に到達している旨の条件であることを特徴とする。
請求項23の発明は、少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理が可能である不揮発性の記憶手段に、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納するステップと、b)所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記ステップb)は、b−1)その使用量情報が前記画像形成装置に格納されているユーザのうち、前記画像形成装置とは異なる他の画像形成装置にもその使用量情報が格納されているユーザを、前記特定ユーザとして決定するステップ、を有することを特徴とする。
請求項24の発明は、請求項23の発明に係るプログラムにおいて、前記ステップb−1)においては、その使用量情報が前記画像形成装置に格納されているユーザのうち、その使用量情報が最も多数の画像形成装置に格納されているユーザが、前記特定ユーザとして決定されることを特徴とする。
請求項25の発明は、少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理が可能である不揮発性の記憶手段に、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納するステップと、b)所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記ステップb)は、b−1)その使用量情報が前記画像形成装置に格納されているユーザのうち、前記画像形成装置の使用頻度が最も少ないユーザを、前記特定ユーザとして決定するステップ、を有することを特徴とする。
請求項26の発明は、少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理が可能である不揮発性の記憶手段に、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納するステップと、b)所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記ステップb)は、b−1)前記少なくとも1つの画像形成装置のうち最も大きい空き容量を有する画像形成装置を前記移動先装置として決定するステップ、を有することを特徴とする。
請求項27の発明は、少なくとも1つの画像形成装置との間で各種情報の授受を行うことが可能な画像形成装置に内蔵されたコンピュータに、a)前記画像形成装置のハードディスクドライブよりも高速なアクセス処理が可能である不揮発性の記憶手段に、ユーザごとの前記画像形成装置の使用量に関する使用量情報を格納するステップと、b)所定の条件により、前記記憶手段に格納されている複数のユーザのそれぞれに関する使用量情報である複数の使用量情報のうち、特定ユーザに関する使用量情報である特定の使用量情報を、前記画像形成装置とは別の画像形成装置である移動先装置に移動するステップと、を実行させるためのプログラムであって、前記ステップb)は、b−1)前記画像形成装置を含む複数の画像形成装置であって階層構造を有するように互いに論理接続される複数の画像形成装置のうち、前記画像形成装置よりも上位階層の特定の画像形成装置を、前記移動先装置として決定するステップ、を有することを特徴とする。
請求項28の発明は、請求項21から請求項27のいずれかの発明に係るプログラムにおいて、前記プログラムは、d)前記特定ユーザが前記画像形成装置を再び利用する際に、前記特定の使用量情報が前記画像形成装置の前記記憶手段から前記移動先装置へと事前に移動されていたと判定されたときには、前記特定の使用量情報を前記移動先装置から取得し、前記特定の使用量情報を前記記憶手段に再び格納するステップ、を前記コンピュータにさらに実行させることを特徴とする。
請求項29の発明は、請求項28の発明に係るプログラムにおいて、前記プログラムは、e)前記ステップb)に際して前記移動先装置を記憶するステップと、f)前記特定ユーザが前記画像形成装置を再び利用する際に、前記特定の使用量情報の返却要求を前記移動先装置に送信するステップと、を前記コンピュータにさらに実行させ、前記ステップd)においては、前記ステップf)における当該返却要求に応じて前記移動先装置から送信されてきた前記特定の使用量情報が取得されることを特徴とする。
請求項30の発明は、請求項28の発明に係るプログラムにおいて、前記プログラムは、e)前記特定ユーザが前記画像形成装置を再び利用する際に、前記特定ユーザのユーザ識別情報と前記画像形成装置の装置識別情報とを前記少なくとも1つの画像形成装置に送信するステップ、を前記コンピュータにさらに実行させ、前記ステップd)においては、前記少なくとも1つの画像形成装置のうちの一の装置にて前記ユーザ識別情報に基づき特定された前記特定ユーザに関する使用量情報であって前記一の装置にて前記装置識別情報に基づき特定された前記画像形成装置の使用量情報が、前記特定の使用量情報として前記一の装置から取得されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0035】
請求項1から
請求項30に記載の発明によれば、画像形成装置は、ユーザごとの自装置の使用量に関する使用量情報を自装置に格納し、当該自装置内に格納されている複数のユーザの使用量情報を用いて当該複数のユーザによる自装置の使用状況を管理する。そのため、画像形成装置は、ユーザによる当該画像形成装置の利用に際して当該ユーザの使用量情報を或る特定の画像形成装置から取得する処理を常に行うことを要さず、当該特定の画像形成装置に各画像形成装置からのアクセスが集中する状況が生じ難い。したがって、当該アクセスの集中に起因するユーザの利便性の低下を抑制しつつユーザによる画像形成装置の使用状況を管理することが可能である。
【0036】
また、画像形成装置は、所定の条件により、自装置の記憶手段に格納されている複数の使用量情報のうち特定の使用量情報を別の画像形成装置に移動する。その結果、当該画像形成装置の記憶手段には空き容量が生成される。そのため、画像形成装置は、自装置の記憶手段を効率的に運用することができる。したがって、画像形成装置において比較的大容量の記憶手段を設けることを要しないので、コストアップを抑制しつつユーザによる画像形成装置の使用状況を管理することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0039】
<1.第1実施形態>
<1−1.構成概要>
図1は、本発明に係る画像形成システム1を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム1は、複数の画像形成装置10(10a,10b,10c,...)を備えている。また、この画像形成システム1は、サーバ(外部サーバ)を有しない(いわゆるサーバレスシステムである)。この実施形態では、画像形成システム1は、多くの画像形成装置10(たとえば数百台程度の画像形成装置10)で構成され、非常に多くのユーザ(たとえば1万人のユーザ)によって利用される。すなわち、この画像形成システム1は、比較的大規模システムである。
【0040】
また、当該画像形成システム1では、各画像形成装置10において、ユーザごとの画像形成装置10の使用量に関する使用量情報を用いて各ユーザによる画像形成装置10の使用状況が管理されている。そして、当該使用状況に基づきユーザによる画像形成装置10への課金金額が算出される。詳細には、プリントジョブにおけるプリントアウト枚数および(または)スキャンジョブにてスキャンされた原稿の枚数(スキャン枚数)など、画像形成装置におけるジョブに関するカウンタ情報が各画像形成装置10にて管理され、当該カウンタ情報に基づきユーザによる画像形成装置10への課金金額が算出される。
【0041】
たとえば、或るユーザが、或る画像形成装置10を利用してプリントジョブを実行すると、当該プリントジョブにおけるプリントアウト枚数に応じて、当該或るユーザによる当該或る画像形成装置10のカウンタ情報が更新される(プリントアウト枚数の値が加算される)。
【0042】
また、たとえば、或るユーザが、或る画像形成装置10を利用してスキャンジョブを実行すると、当該スキャンジョブのスキャン枚数に応じて、当該或るユーザによる当該或る画像形成装置10のカウンタ情報が更新される(スキャン枚数の値が加算される)。
【0043】
そして、所定期間(集計対象期間)の終了に応じて、当該或るユーザによる当該或る画像形成装置への課金金額が、当該或るユーザの使用量情報(カウンタ情報)に基づき算出される。
【0044】
このようにして、この画像形成システム1では、各画像形成装置10において、画像形成装置10についてのユーザに関するカウンタ情報を用いてユーザによる各画像形成装置10の使用状況がそれぞれ管理される。なお、当該画像形成システム1は、「課金システム」とも称される。
【0045】
<1−2.画像形成装置の構成>
図2は、画像形成装置10(10a,10b,10c,...)の機能ブロックを示す図である。ここでは、画像形成装置10として、MFP(マルチ・ファンクション・ペリフェラル(Multi-Functional Peripheral))を例示する。
図2においては、MFP10の機能ブロックが示されている。
【0046】
MFP10は、スキャン機能、コピー機能、ファクシミリ機能およびボックス格納機能などを備える装置(複合機とも称する)である。具体的には、MFP10は、
図2の機能ブロック図に示すように、画像読取部2、印刷出力部3、通信部4、格納部5(5a,5b)、操作部6およびコントローラ(制御部)9等を備えており、これらの各部を複合的に動作させることによって、各種の機能を実現する。
【0047】
画像読取部2は、MFP10の所定の位置に載置された原稿を光学的に読み取って(すなわちスキャンして)、当該原稿の画像データ(原稿画像あるいはスキャン画像とも称する)を生成する処理部である。この画像読取部2は、スキャン部であるとも称される。
【0048】
印刷出力部3は、印刷対象に関するデータに基づいて紙などの各種の媒体に画像を印刷出力する出力部である。
【0049】
通信部4は、公衆回線等を介したファクシミリ通信を行うことが可能な処理部である。さらに、通信部4は、ネットワークを介したネットワーク通信を行うことも可能である。このネットワーク通信では、たとえば、TCP/IP(Transmission Control Protocol / Internet Protocol)等の各種のプロトコルが利用される。当該ネットワーク通信を利用することによって、MFP10は、所望の相手先(他のMFP10等)との間で各種情報の授受を行うことが可能である。通信部4は、各種データを送信する送信部4aと各種データを受信する受信部4bとを有する。
【0050】
MFP10は、2つの格納部(記憶部)5(5a,5b)を有する。
【0051】
格納部5aは、ハードディスクドライブ(HDD)等の大容量の記憶装置で構成される。HDD5aには、画像形成システム1(複数のMFP10(10a,10b,10c,...))を利用する全てのユーザ(たとえば1万人のユーザ)のユーザ識別情報(たとえばユーザIDおよびパスワード)が登録(格納)されている(
図3も参照)。当該ユーザ識別情報は、ユーザによるMFP10へのログインに際して利用される。
【0052】
格納部5bは、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶装置で構成される。当該格納部5bによるアクセス処理(読出処理および/または書込処理)は、HDD5aによるアクセス処理よりも高速であり、当該格納部5bは、高速メモリとも称される。
【0053】
また、MFP10の高速メモリ5bには、当該MFP10にログインしたユーザに関するカウンタ情報が順次に登録(格納)されていく。たとえば、MFP10aの高速メモリ5bには、MFP10aにログインした経験を有するユーザ(たとえばユーザU1,U2,U4,U9)のカウンタ情報が、ログインした順(ここではユーザU1,U2,U4,U9の順)に登録される(
図3も参照)。
【0054】
さらに、当該高速メモリ5bの容量は、HDD5aの容量よりも小さい。具体的には、当該高速メモリ5b(詳細には高速メモリ5bにてカウンタ情報の格納領域として割り当てられている領域)は、所定数(たとえば数十人程度)のユーザのそれぞれに関するカウンタ情報を登録(格納)することが可能であり、当該MFP10を利用する全ユーザに関するカウンタ情報を登録(格納)することはできない。換言すれば、そのカウンタ情報が当該高速メモリ5bに格納され得るユーザの上限数(登録可能人数)までのユーザのカウンタ情報が当該高速メモリ5bに格納される。すなわち、当該高速メモリ5bには、当該所定数(登録可能人数)よりも多数のユーザ(MFP10を利用する非常に多くのユーザ)のそれぞれに関するカウンタ情報は格納されず、所定数までのユーザのそれぞれに関するカウンタ情報が格納される。
【0055】
操作部6は、MFP10に対する操作入力を受け付ける操作入力部6aと、各種情報の表示出力を行う表示部6bとを備えている。
【0056】
このMFP10においては、略板状の操作パネル部6c(
図1参照)が設けられている。また、操作パネル部6cは、その正面側にタッチパネル25(
図1参照)を有している。タッチパネル25は、操作入力部6aの一部としても機能するとともに、表示部6bの一部としても機能する。タッチパネル25は、液晶表示パネルに各種センサ等が埋め込まれて構成され、各種情報を表示するとともに操作者からの各種の操作入力を受け付けることが可能である。
【0057】
コントローラ(制御部)9は、MFP10に内蔵され、MFP10を統括的に制御する制御装置である。コントローラ9は、CPUおよび各種の半導体メモリ(RAMおよびROM)等を備えるコンピュータシステムとして構成される。コントローラ9は、CPUにおいて、ROM(例えば、EEPROM(登録商標))内に格納されている所定のソフトウエアプログラム(以下、単にプログラムとも称する)を実行することによって、各種の処理部を実現する。なお、当該プログラム(詳細にはプログラムモジュール群)は、USBメモリなどの可搬性の記録媒体に記録され、当該記録媒体を介してMFP10にインストールされてもよく、あるいは、当該プログラムは、ネットワーク等を経由してダウンロードされてMFP10にインストールされるようにしてもよい。
【0058】
具体的には、
図2に示すように、コントローラ9は、当該プログラムの実行により、通信制御部11と入力制御部12と表示制御部13とカウンタ情報管理部14とを含む各種の処理部を実現する。
【0059】
通信制御部11は、他の装置(他のMFP10等)との間の通信動作を通信部4等と協働して制御する処理部である。通信制御部11は、各種データの送信動作を制御する送信制御部と各種データの受信動作を制御する受信制御部とを有する。たとえば、通信制御部11は、カウンタ情報管理部14からの指示に基づき、通信部4と協働して、特定ユーザに関するカウンタ情報(特定のカウンタ情報)を別のMFP10(移動先装置)に移動(送信)する。また、通信制御部11は、当該特定ユーザによるMFP10の再利用に際して、移動先装置に移動させていた当該特定のカウンタ情報を、当該移動先装置から受信する。
【0060】
入力制御部12は、操作入力部6a(タッチパネル25等)に対する操作入力動作を制御する制御部である。たとえば、入力制御部12は、タッチパネル25に表示された操作画面に対する操作入力を受け付ける動作を制御する。
【0061】
表示制御部13は、表示部6b(タッチパネル25等)における表示動作を制御する処理部である。表示制御部13は、MFP10を操作するための操作画面等をタッチパネル25に表示させる。
【0062】
カウンタ情報管理部14は、高速メモリ5bにおいて格納されるユーザごとの使用量情報(カウンタ情報)を用いて、ユーザによるMFP10の使用状況を管理する制御部である。たとえば、カウンタ情報管理部14は、ログインユーザによるジョブの実行に応じて、当該ログインユーザに関するカウンタ情報の更新処理を実行する。また、カウンタ情報管理部14は、ログインユーザに関するカウンタ情報の登録処理(格納処理)をも実行する。具体的には、カウンタ情報管理部14は、所定の条件(たとえば、ユーザによるログインの受付時における高速メモリ5bの空き容量が所定量よりも小さい旨の条件)が充足されるまでは、ログインユーザに関するカウンタ情報を自装置の高速メモリ5bに(直ちに)登録(格納)する。一方、ユーザによるログインの受付時における高速メモリ5bの空き容量が所定量よりも小さい旨の条件が充足されると、カウンタ情報管理部14は、特定のカウンタ情報の移動処理を実行する。詳細には、カウンタ情報管理部14は、当該高速メモリ5bに格納されている複数のカウンタ情報のうち特定のカウンタ情報(ログインユーザ以外の特定ユーザのカウンタ情報)を、別のMFP10に移動させる。そして、カウンタ情報管理部14は、ログインユーザに関するカウンタ情報を自装置の高速メモリ5bに登録(格納)する。
【0063】
<1−3.動作>
この実施形態では、MFP10(たとえばMFP10a)は、(原則として)自身の高速メモリ5bにログインユーザに関するカウンタ情報を登録(格納)していく。その後、或るユーザ(たとえばユーザU5)が当該MFP10aにログインした際において、当該MFP10aの高速メモリ5bの空き容量が所定量よりも小さい旨の条件が充足されると、当該MFP10aは、当該MFP10aについての特定ユーザ(たとえばユーザU9)のカウンタ情報を、別のMFP10(たとえばMFP10c)に移動させる(
図4および
図5参照)。そして、当該MFP10aは、当該ログインユーザU5のカウンタ情報を自装置(MFP10a)の高速メモリ5bに新たに登録し(
図5参照)、当該ログインユーザU5によりジョブが実行されると、当該ユーザU5のカウンタ情報を更新する。なお、ここでは、各MFP10についてのユーザごとのカウンタ情報は、互いに区別して扱われる。たとえば、MFP10aについてのユーザU9のカウンタ情報(MFP10a向けのユーザU9に関するカウンタ情報)とMFP10cについてのユーザU9のカウンタ情報(MFP10c向けのユーザU9に関するカウンタ情報)とは、互いに区別して扱われる(
図5も参照)。
【0064】
また、その後、たとえばそのカウンタ情報が別のMFP10(たとえばMFP10c)に移動されていたユーザU9がMFP10aを再び利用(ログイン)する際においては、当該MFP10aは、自装置(MFP10a)についての当該ユーザU9のカウンタ情報(MFP10cに移動させていたユーザU9のカウンタ情報)を、当該MFP10cから取得して再登録する。
【0065】
図6は、MFP10の動作を示すフローチャートである。或るユーザが自身のユーザ識別情報(たとえばユーザIDおよびパスワード)を入力してMFP10(たとえばMFP10a)にログインすると、当該MFP10(MFP10a)において、
図6の動作が開始される。以下、
図6等を参照しつつ、カウンタ情報の更新処理、カウンタ情報の登録処理、カウンタ情報の移動処理、およびカウンタ情報の取得処理等について説明する。なお、
図6の動作は、各MFP10(MFP10a,10b,10c,...)にてそれぞれ行われる。
【0066】
或るユーザによるログインが受け付けられると、ログインユーザによって利用される利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、自装置(MFP10a)についてのログインユーザに関するカウンタ情報が自装置(MFP10a)の高速メモリ5bに登録(格納)されているか否か、を判定する(ステップS11)。
【0067】
利用対象装置(MFP10a)についてのログインユーザのカウンタ情報が当該MFP10aの高速メモリ5bに登録(格納)されている旨が判定されると、処理はステップS12へと進み、カウンタ情報の更新処理が行われる。逆に、利用対象装置(MFP10a)についてのログインユーザのカウンタ情報が当該MFP10aの高速メモリ5bに登録(格納)されていない旨が判定されると、処理はステップS13へと進む。
【0068】
図7は、各MFP10におけるユーザのカウンタ情報の保有状況を示す図である。
図7に示すように、MFP10aには、現在、5人のユーザ(ユーザU1,U2,U4,U6,U9)のカウンタ情報が格納されている。なお、各MFP10は、(原則として)自装置におけるカウンタ情報の保有状況を所持し、他装置におけるカウンタ情報の保有状況は所持していない。たとえば、MFP10aは、MFP10aにおけるカウンタ情報の保有状況を有しているものの、他装置(MFP10b,10c,...)におけるカウンタ情報の保有状況を有していない。
【0069】
たとえばユーザU1がMFP10aにログインした場合、MFP10aについてのログインユーザU1のカウンタ情報が当該MFP10aに格納されている旨がステップS11にて判定され(
図7も参照)、処理はステップS12へと進む。
【0070】
ステップS12においては、ログインユーザ(ここではユーザU1)に関するカウンタ情報の更新処理が実行される。
【0071】
具体的には、たとえばユーザU1がMFP10aを利用してプリントジョブを実行すると、MFP10aのカウンタ情報管理部14は、当該プリントジョブにおけるプリントアウト枚数に応じて、MFP10aについてのユーザU1のカウンタ情報を更新する。詳細には、ユーザU1によるプリントジョブにおけるプリントアウト枚数(たとえば50枚)の値が、MFP10aについてのユーザU1のカウンタ情報におけるプリントアウト枚数のカウント値に加算される。
【0072】
一方、たとえばユーザU5がMFP10aにログインした場合、MFP10aについてのログインユーザU5のカウンタ情報はMFP10aに格納されていない旨がステップS11にて判定され(
図7も参照)、処理はステップS13へと進む。
【0073】
ステップS13においては、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、自装置から別のMFP10へと自装置(MFP10a)向けのカウンタ情報が事前に移動されていたユーザによってログインされたか否か、を判定する。なお、このステップS13の処理内容については、後述のカウンタ情報の取得処理(ステップS14)にてする。ここでは、ログインユーザU5は、MFP10aに初めてログインしたユーザであり、「当該ユーザU5によるログインは、別のMFP10にMFP10aのカウンタ情報が事前に移動されていたユーザによるログインではない」旨がステップS13にて判定され、処理はステップS15(S15A)へと進む。
【0074】
ステップS15(S15A)以降では、カウンタ情報の登録処理(ステップS16,S20)等が実行される。
【0075】
まず、ステップS15(S15A)においては、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、ユーザによる自装置(MFP10a)へのログインの受付時におけるの高速メモリ5bの空き容量が所定量よりも小さい旨の条件が充足されているか否かによって、ログインユーザに関するカウンタ情報の登録可否(格納可否)を判定する。なお、当該所定量としては、1人のユーザのカウンタ情報の格納に要する容量(たとえば10キロバイト)、あるいは数人(たとえば3人)のユーザのカウンタ情報の格納に要する容量(たとえば30キロバイト)などが用いられる。
【0076】
たとえば、ユーザU5によるログインの受付時におけるMFP10aの高速メモリ5bの空き容量が所定量よりも大きい場合、MFP10aのカウンタ情報管理部14は、当該ログインユーザU5のカウンタ情報を自装置に登録できる旨をステップS15(S15A)にて判定する。そして、処理はステップS16へと進む。
【0077】
ステップS16においては、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、ログインユーザに関するカウンタ情報を、自装置(MFP10a)の高速メモリ5bに登録(格納)する。たとえば、MFP10aについてのユーザU5(MFP10aに初めてログインしたユーザ)のカウンタ情報が、MFP10aの高速メモリ5bに新たに登録される。そして、当該ログインユーザ(ユーザU5)によるジョブの実行に応じて、MFP10a向けの当該ログインユーザ(ユーザU5)のカウンタ情報の更新処理が実行される(ステップS12)。
【0078】
一方、ユーザU5によるログインの受付時におけるMFP10aの高速メモリ5bの空き容量が所定量よりも小さい場合、MFP10aのカウンタ情報管理部14は、当該ログインユーザU5のカウンタ情報を自装置(MFP10a)に登録(格納)できない旨をステップS15(S15A)にて判定する。そして、処理はステップS17へと進み、特定ユーザに関するカウンタ情報の移動処理(ステップS19)が行われる。なお、高速メモリ5bの空き容量と所定量との大小関係における等号成立時においては、ログインユーザに関するカウンタ情報を登録できる旨がステップS15(S15A)にて判定されてもよく、逆に、ログインユーザに関するカウンタ情報を登録できない旨がステップS15(S15A)にて判定されてもよい。
【0079】
ステップS17〜S20においては、特定ユーザに関するカウンタ情報を利用対象装置(ここではMFP10a)とは別のMFP10に移動する移動処理(ステップS19)が行われた後、ログインユーザに関するカウンタ情報が利用対象装置(MFP10a)の高速メモリ5bに登録(格納)される(ステップS20)。具体的には、利用対象装置(ここではMFP10a)は、自装置の高速メモリ5bに格納されている複数のユーザのそれぞれに関するカウンタ情報(複数のカウンタ情報)のうち、特定ユーザに関するカウンタ情報(特定のカウンタ情報)を別のMFP10に移動させた後(ステップS17〜S19)、ログインユーザに関するカウンタ情報を自装置に格納する(ステップS20)。
【0080】
まず、ステップS17においては、いずれのユーザのカウンタ情報を別のMFP10に移動させるか、が決定される。すなわち、ステップS17では、カウンタ情報の移動対象ユーザが決定される。
【0081】
具体的には、そのカウンタ情報が利用対象装置(ここではMFP10a)に格納されているユーザのうち、当該利用対象装置(MFP10a)とは異なる他のMFP10にもそのカウンタ情報が格納されているユーザが、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定される。
図12は、移動対象ユーザの決定処理(ステップS17)のサブルーチン処理を示す図である。
【0082】
より詳細には、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、当該画像形成システム1における他のMFP10(MFP10b,10c,10d,...)から、カウンタ情報の保有状況(保有情報)を取得する(ステップS31)。詳細には、MFP10aは、そのカウンタ情報がMFP10aに格納されている複数のユーザ(ここではユーザU1,U2,U4,U6,U9)のそれぞれのユーザ識別情報(たとえばユーザID)を他のMFP10に送信し、各MFP10における各ユーザのカウンタ情報の有無を問い合わせる。MFP10aからの問い合わせを受けた他のMFP10は、問合せ対象ユーザ(ここではユーザU1,U2,U4,U6,U9)のカウンタ情報の保有状況を確認し、保有情報をMFP10aにそれぞれ返信する。たとえば、MFP10bは、MFP10bにおける当該問合せ対象ユーザ(ユーザU1,U2,U4,U6,U9)のカウンタ情報の保有状況を確認し(
図7も参照)、ユーザU2,U6,U9のカウンタ情報(MFP10b向けのカウンタ情報)がMFP10bに格納されている旨の保有情報をMFP10aに送信する。このようにして、MFP10aのカウンタ情報管理部14は、他のMFP10(MFP10b,10c,10d,...)における当該問合せ対象ユーザ(ユーザU1,U2,U4,U6,U9)のカウンタ情報の保有状況を取得する。
【0083】
ここでは、
図7に示すように、ユーザU1のカウンタ情報は、MFP10aにのみ格納されており、他のMFP10には、当該ユーザU1のカウンタ情報は格納されていない。また、ユーザU2のカウンタ情報は、MFP10a,10bの2台のMFP10に格納されており、ユーザU4のカウンタ情報は、MFP10a,10cの2台のMFP10に格納されている。さらにユーザU6のカウンタ情報は、MFP10a,10b,10eの3台のMFP10に格納されており、ユーザU9のカウンタ情報は、MFP10a,10b,10c,10d,10eの5台のMFP10に格納されている。
【0084】
そして、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、そのカウンタ情報が自装置(MFP10a)に格納されているユーザのうち、そのカウンタ情報が他のMFP10にも格納されているユーザを、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定する(ステップS32)。具体的には、利用対象装置(MFP10a)のカウンタ情報管理部14は、そのカウンタ情報が自装置(MFP10a)に格納されているユーザのうち、そのカウンタ情報が最も多数のMFP10に格納されているユーザを、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定する。ここでは、そのカウンタ情報が5台のMFP10(MFP10a,10b,10c,10d,10e)に格納されているユーザU9が、当該移動対象ユーザとして決定される。なお、利用対象装置(MFP10a)に格納されている全てのユーザのカウンタ情報が、当該利用対象装置(MFP10a)のみに格納されている場合(換言すれば他のMFP10には格納されていない場合)は、当該全てのユーザのうち任意のユーザが、移動対象ユーザとして決定されればよい。
【0085】
つぎに、ステップS18においては、いずれのMFP10に特定のカウンタ情報を移動させるか、が決定される。すなわち、ステップS18では、カウンタ情報の移動先装置が決定される。
【0086】
具体的には、複数のMFP10(利用対象装置(ここではMFP10a)とは異なる他のMFP10)のうち最も大きい空き容量を有するMFP10が、カウンタ情報の移動先装置として決定される。
【0087】
より詳細には、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、画像形成システム1における他のMFP10(MFP10b,10c,10d,...)の各高速メモリ5bの空き容量を、それぞれ、他のMFP10に問い合わせて取得する。
【0088】
図8は、他のMFP10の高速メモリ5b(詳細には高速メモリ5bにてカウンタ情報の格納領域として割り当てられている領域)における空き容量(残余の登録可能人数)を示す図である。ここでは、MFP10bの高速メモリ5bの空き容量は、残り2人のカウンタ情報を登録可能な容量(たとえば20キロバイト(KB))であり、MFP10cの高速メモリ5bの空き容量は、残り30人のカウンタ情報を登録可能な容量(たとえば300KB)である。また、MFP10dの高速メモリ5bの空き容量は、残り22人のカウンタ情報を登録可能な(たとえば220KB)であり、MFP10eの高速メモリ5bの空き容量は、残り19人のカウンタ情報を登録可能な容量(たとえば190KB)である。
【0089】
そして、利用対象装置(MFP10a)のカウンタ情報管理部14は、複数のMFP10(他のMFP10)のうち最も大きい空き容量を有するMFP10を、カウンタ情報の移動先装置として決定する。ここでは、最も大きい空き容量を有するMFP10c(その高速メモリ5bに残り30人のカウンタ情報を登録することが可能なMFP10c)が、特定のカウンタ情報(ここではユーザU9のカウンタ情報)の移動先装置として決定される。
【0090】
移動対象ユーザおよび移動先装置が決定される(ステップS17,S18)と、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、移動対象ユーザとして決定されたユーザ(ここではユーザU9)のカウンタ情報を、移動先装置として決定されたMFP10(ここではMFP10c)に移動させる(ステップS19)(
図4も参照)。具体的には、利用対象装置(MFP10a)の通信制御部11は、カウンタ情報管理部14からの指示に基づき、移動対象ユーザ(ユーザU9)のカウンタ情報を移動先装置(MFP10c)に送信する。また、MFP10aのカウンタ情報管理部14は、移動対象ユーザのカウンタ情報を移動させる際に、カウンタ情報の移動先装置として決定されたMFP10(ここではMFP10c)を高速メモリ5b(あるいはHDD5a)に記憶する。
【0091】
図9は、各MFP10におけるユーザのカウンタ情報の保有状況(移動処理後の保有状況)を示す図である。MFP10aについてのユーザU9のカウンタ情報がMFP10aからMFP10cに移動された(ステップS19)結果、
図9に示すように、MFP10cには、MFP10cについてのユーザU9のカウンタ情報に加えて、MFP10aについてのユーザU9のカウンタ情報もが格納されている(
図5も参照)。
【0092】
そして、ステップS20においては、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、ログインユーザに関するカウンタ情報を自装置(MFP10a)の高速メモリ5bに登録する。たとえば、MFP10aについてのユーザU5(MFP10aに初めてログインしたユーザ)のカウンタ情報が、MFP10aの高速メモリ5bに新たに登録される(
図9も参照)。その後、処理はステップS12へと進み、当該利用対象装置(MFP10a)についてのログインユーザ(ユーザU5)のカウンタ情報の更新処理が実行される。
【0093】
このように、利用対象装置は、原則として(所定の条件が充足されるまでは)、ユーザのカウンタ情報を自装置の高速メモリ5bに登録し(ステップS16)、所定の条件により、自装置内の複数のカウンタ情報のうち特定ユーザに関するカウンタ情報を別のMFP10に移動させる(ステップS19)。そして、利用対象装置は、現在のログインユーザに関するカウンタ情報を自装置の高速メモリ5bに登録する(ステップS20)。端的に言えば、利用対象装置は、カウンタ情報を自装置内に登録できるうちは、自装置内にカウンタ情報を直ちに登録する。そして、高速メモリ5bの容量制限に起因して現在のログインユーザに関するカウンタ情報を自装置内に登録できなくなると、特定ユーザに関するカウンタ情報を別のMFP10に移動させて空き容量を生成し、空き容量が生成された高速メモリ5bに当該ログインユーザに関するカウンタ情報を登録する。
【0094】
さて、再びステップS13の説明に戻り、カウンタ情報の取得処理(ステップS14)等について以下に説明する。
【0095】
ここでは、上記のカウンタ情報の移動処理(ステップS19)の後において、ユーザU9がMFP10aにログインし、MFP10aを(再び)利用することを想定する。
【0096】
ログインユーザU9のカウンタ情報は、利用対象装置(ここではMFP10a)には現在登録(格納)されておらず(
図9も参照)、処理はステップS11を経てステップS13へと進む。
【0097】
ステップS13においては、利用対象装置(ここではMFP10a)から別のMFP10にカウンタ情報が移動されていたユーザによってログインされたか否か、が判定される。換言すれば、利用対象装置(MFP10a)についてのログインユーザに関するカウンタ情報が、利用対象装置(MFP10a)の高速メモリ5bから別のMFP10へと事前に移動されていたか否か、が判定される。
【0098】
利用対象装置(MFP10a)についてのログインユーザに関するカウンタ情報が別のMFP10へと事前に移動されていない旨がステップS13にて判定されると、処理はステップS15(S15A)へと進み、上述のカウンタ情報の登録処理(ステップS16,S20)が行われる。一方、利用対象装置(MFP10a)についてのログインユーザに関するカウンタ情報が別のMFP10へと事前に移動されていた旨がステップS13にて判定されると、処理はステップS14へと進む。
【0099】
ここでは、ユーザU9は、上記のカウンタ情報の移動処理(ステップS17〜S19)にてカウンタ情報の移動対象ユーザとして決定されていたユーザであり、当該ユーザU9のカウンタ情報は、MFP10aとは異なる別のMFP10(ここではMFP10c)に移動されている(
図9も参照)。そのため、ログインユーザU9のカウンタ情報がMFP10aから別のMFP10へと事前に移動されていた旨がステップS13にて判定され、処理はステップS14へと進む。
【0100】
ステップS14においては、利用対象装置(ここではMFP10a)は、ログインユーザ(ここではユーザU9)による自装置の再利用に際して、別のMFP10へと移動させていた当該ログインユーザに関するカウンタ情報(自装置向けのカウンタ情報)を、移動先のMFP10から取得する。
【0101】
具体的には、利用対象装置(MFP10a)の通信制御部11は、当該MFP10aについてのログインユーザ(ユーザU9)のカウンタ情報の返却要求を、ユーザU9のカウンタ情報の移動先装置として決定されていたMFP10(ここではMFP10c)に送信する。なお、上述したように、利用対象装置(MFP10a)は、ユーザU9のカウンタ情報の移動(ステップS19)に際して、ユーザU9のカウンタ情報の移動先装置として決定されたMFP10(MFP10c)を記憶している。
【0102】
当該移動先装置(MFP10c)は、MFP10aからの当該返却要求に応じて、自装置(MFP10c)の高速メモリ5bに格納されているユーザU9のカウンタ情報(詳細には、MFP10aについてのユーザU9のカウンタ情報)(
図9も参照)をMFP10aに送信する。
【0103】
そして、MFP10aは、当該MFP10cから送信されてきたユーザU9のカウンタ情報(MFP10aについてのユーザU9のカウンタ情報)を取得(受信)する(ステップS14)。
【0104】
その後、処理はステップS15以降へと進み、ログインユーザ(ここではユーザU9)のカウンタ情報の登録処理(格納処理)が実行される。
【0105】
たとえば、当該ログインユーザU9のカウンタ情報をMFP10aの高速メモリ5bに登録できる旨がステップS15にて判定されると、当該ユーザU9のカウンタ情報が当該MFP10aの高速メモリ5bに登録(再登録)される(ステップS16)。
【0106】
あるいは、当該ログインユーザU9のカウンタ情報をMFP10aの高速メモリ5bに登録できない旨がステップS15にて判定されると、カウンタ情報の移動処理(ステップS19)が(再び)実行される。具体的には、MFP10aの高速メモリ5bに格納されている複数のカウンタ情報のうち特定のカウンタ情報(特定ユーザに関するカウンタ情報)が別のMFP10へと移動される(ステップS17〜S19)。そして、当該ログインユーザU9のカウンタ情報がMFP10aに登録(再登録)される(ステップS20)。
【0107】
以上のように、上記第1実施形態に係る動作においては、(所定の条件が充足されるまでは、)MFP10の高速メモリ5bに、ログインユーザに関するカウンタ情報が直ちに登録される(ステップS16)。各MFP10は、基本的には上限数までのユーザのカウンタ情報を自装置内に登録し、自装置内に登録されている複数のユーザのカウンタ情報を用いて当該複数のユーザによる自装置の使用状況を管理する。そのため、MFP10は、ログインユーザによるMFP10の利用に際して当該ログインユーザのカウンタ情報を1台の或る特定のMFP10から取得する処理を常に行うことを要しない。その結果、当該特定のMFP10に各MFP10からのアクセスが集中する状況が生じ難い。したがって、当該アクセスの集中に起因するユーザの利便性の低下を抑制しつつユーザによるMFP10の使用状況を管理することが可能である。
【0108】
また、当該所定の条件が充足されると(高速メモリ5bの容量の制約に起因して、MFP10がログインユーザに関するカウンタ情報を自装置の高速メモリ5bに登録できなくなると)、当該高速メモリ5bに格納されている複数のカウンタ情報のうち特定のカウンタ情報が別のMFP10に移動される(ステップS19)。謂わば、MFP10がその高速メモリ5bにログインユーザのカウンタ情報を登録できなくなると、当該MFP10は、当該高速メモリ5bに当該ログインユーザのカウンタ情報を登録できるように、特定ユーザのカウンタ情報を別のMFP10に移動させて当該高速メモリ5bに空き容量を生成し、空き容量が生成された当該高速メモリ5bに当該ログインユーザのカウンタ情報を登録する。その結果、MFP10においては、自装置の高速メモリ5bにおける登録可能人数(容量制限に基づく上限人数)よりも多数のユーザの使用状況が管理され得る。すなわち、各MFP10において、高速メモリ5bにおける容量制限を受けずに、各MFP10の高速メモリ5bが効率的に運用される。そのため、各MFP10において、高速メモリ5bが有効利用されるので、比較的大容量の高速メモリ5bをそれぞれ設けることを要しない。したがって、コストアップを抑制しつつユーザによるMFP10の使用状況を管理することが可能である。
【0109】
さらに、利用対象装置から移動先のMFP10に移動されていた特定のカウンタ情報(特定ユーザのカウンタ情報)が、当該特定ユーザによる当該利用対象装置の再利用に際して、当該移動先のMFP10から取得される(ステップS14)。そのため、利用対象装置は、別のMFP10に移動させたログインユーザのカウンタ情報を自装置に戻してきた上で当該ログインユーザのカウンタ情報の更新処理を実行するので、ユーザによるMFP10の使用状況を適切に管理することが可能である。
【0110】
ここにおいて、別のMFP10からカウンタ情報を取得する処理(ステップS14)の実行頻度が高い場合、カウンタ情報の取得に時間を要し、ユーザの利便性が低下する恐れがある。
【0111】
これに対して、上記実施形態では、そのカウンタ情報が利用対象装置(たとえばMFP10a)に格納されているユーザのうち、そのカウンタ情報が他のMFP10にも格納されているユーザが、カウンタ情報の移動対象ユーザとして優先的に決定される(ステップS17)。換言すれば、或るMFP10(たとえばMFP10a)のみを利用しているユーザ(他のMFP10を利用していないユーザ)(ここではユーザU1)(
図7も参照)は、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定され難い。すなわち、前回利用したMFP10と同じMFP10(たとえばMFP10a)を次回も利用する可能性が高いユーザ(ユーザU1)のカウンタ情報は、別のMFP10へと移動され難い。そのため、別のMFP10からのカウンタ情報の取得処理(ステップS14)の頻度が低減され、ユーザの利便性が低下することを抑制することが可能である。
【0112】
また、上記実施形態では、そのカウンタ情報が利用対象装置(たとえばMFP10a)に格納されているユーザのうち、そのカウンタ情報が最も多数のMFP10に格納されているユーザが、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定される(ステップS17)。すなわち、利用対象装置以外の他のMFP10を利用する可能性が最も高いユーザ(換言すれば利用対象装置を利用する可能性が最も低いユーザ)が、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定される。そのため、別のMFP10からのカウンタ情報の取得処理(ステップS14)の頻度が低減され、ユーザの利便性が低下することを抑制することが可能である。
【0113】
なお、上記第1実施形態では、移動先のMFP10に移動されていた特定のカウンタ情報(利用対象装置についての特定ユーザのカウンタ情報)の返却要求を当該移動先のMFP10に直接的に問い合わせて、当該特定のカウンタ情報を取得する(ステップS14)態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、特定ユーザのユーザ識別情報と利用対象装置の装置識別情報とが複数のMFP10に一斉送信され、当該複数のMFP10のうちの一のMFP10(すなわち移動先装置)から当該特定のカウンタ情報(当該利用対象装置についての当該特定ユーザに関するカウンタ情報)が取得されるようにしてもよい。
【0114】
具体的には、ステップS14において、利用対象装置(たとえばMFP10a)は、特定ユーザ(たとえばユーザU9)のユーザ識別情報(たとえばユーザID)と自装置の装置識別情報(たとえば装置ID)とを、他のMFP10(複数のMFP10のうち自装置(MFP10a)を除く残りのMFP10)(MFP10b,10c,10d,...)に一斉送信する。
【0115】
他のMFP10(MFP10b,10c,10d,...)は、MFP10aからのユーザ識別情報(ユーザU9のユーザID)とMFP10aからの装置識別情報(MFP10aの装置ID)とに基づき、当該MFP10aについての当該ユーザU9のカウンタ情報の有無を確認する。当該複数のMFP10のうちの一のMFP10(たとえばMFP10c)は、当該ユーザ識別情報(ユーザU9のユーザID)に基づき当該ユーザU9のカウンタ情報を特定するとともに、MFP10aの装置識別情報に基づき当該MFP10a向けのカウンタ情報を特定する。そして、当該MFP10cは、当該MFP10aについての当該特定ユーザ(ユーザU9)をMFP10aに送信する。
【0116】
利用対象装置(MFP10a)においては、自装置(MFP10a)についての当該特定ユーザ(ユーザU9)のカウンタ情報が当該一のMFP10(MFP10c)から受信(取得)される(ステップS14)。
【0117】
このように、特定ユーザのユーザ識別情報と利用対象装置の装置識別情報とが他のMFP10に一斉送信され、当該複数のMFP10のうちの一のMFP10から当該利用対象装置についての当該特定ユーザに関するカウンタ情報が取得されるようにしてもよい。
【0118】
また、上記第1実施形態では、移動対象ユーザが決定された(ステップS17)後に移動先装置が決定される(ステップS18)態様を例示したが、これに限定されず、逆に、移動先装置が決定された後に移動対象ユーザが決定されてもよい。すなわち、移動先装置の決定処理は、移動対象ユーザに依拠せず、移動対象ユーザの決定処理は、移動先装置に依拠しない。
【0119】
<2.第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0120】
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様に
図6の各処理がそれぞれ行われる。ただし、第2実施形態のステップS17の処理内容は、第1実施形態のステップS17の処理内容とは異なる。
【0121】
具体的には、上記第1実施形態のステップS17では、そのカウンタ情報が利用対象装置(たとえばMFP10a)に格納されているユーザのうち、そのカウンタ情報が他のMFP10にも格納されているユーザが、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定される。
【0122】
これに対して、この第2実施形態のステップS17では、そのカウンタ情報が利用対象装置(たとえばMFP10a)に格納されているユーザのうち、当該利用対象装置(MFP10a)の使用頻度が最も少ないユーザが、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定される。
【0123】
図10は、ユーザごとのMFP10の使用頻度の一例を示す図である。ここでは、当該使用頻度としては、各MFP10へのログイン回数が用いられる。
【0124】
図10に示すように、ユーザU1によるMFP10aの使用頻度(ここではログイン回数)は50回であり、ユーザU2によるMFP10aの使用頻度は12回である。また、ユーザU4によるMFP10aの使用頻度は9回であり、ユーザU6によるMFP10aの使用頻度は2回であり、ユーザU9によるMFP10aの使用頻度は17回である。
【0125】
そして、利用対象装置(ここではMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、そのカウンタ情報がMFP10aに格納されているユーザU1,U2,U4,U6,U9のうち、MFP10aの使用頻度が最も少ないユーザU6を、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定する(ステップS17)。
【0126】
なお、ステップS17以外の処理は、上記第1実施形態と同様にして行われる。
【0127】
たとえば、当該移動対象ユーザとして決定されたユーザ(ユーザU6)のカウンタ情報が移動先装置として決定されたMFP10へと移動され(ステップS18,S19)、ログインユーザ(たとえばユーザU5)のカウンタ情報が利用対象装置(MFP10a)に登録(格納)される(ステップS20)。
【0128】
この第2実施形態に係る態様においては、そのカウンタ情報が利用対象装置(たとえばMFP10a)に格納されているユーザのうち、当該利用対象装置(MFP10a)の使用頻度が最も少ないユーザが、カウンタ情報の移動対象ユーザとして決定される。端的に言えば、利用対象装置は、自装置を利用する可能性が最も低いと判断したユーザのカウンタ情報を別のMFP10へと移動させる。したがって、別のMFP10からのカウンタ情報の取得処理(ステップS14)の頻度が低減され、ユーザの利便性が低下することを抑制することが可能である。
【0129】
なお、上記第2実施形態では、MFP10の使用頻度としてMFP10へのログイン回数が用いられる態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、MFP10にて実行されたプリントジョブにおけるプリントアウト枚数がMFP10の使用頻度として用いられてもよく、MFP10にて実行されたスキャンジョブにおけるスキャン枚数がMFP10の使用頻度として用いられてもよい。あるいは、これらの要素が組み合わされた指標値が算出され、当該指標値に基づいてMFP10の使用頻度が判定されてもよい。
【0130】
<3.第3実施形態>
第3実施形態は、第1、第2実施形態の変形例である。以下では、第1、第2実施形態との相違点を中心に説明する。
【0131】
この第3実施形態においても、第1、第2実施形態と同様に
図6の各処理がそれぞれ行われる。ただし、第3実施形態のステップS18の処理内容は、第1、第2実施形態のステップS18の処理内容とは異なる。
【0132】
具体的には、上記第1、第2実施形態のステップS18では、複数のMFP10のうち最も大きい空き容量を有するMFP10が、カウンタ情報の移動先装置として決定される。
【0133】
これに対して、この第3実施形態のステップS18では、利用対象装置よりも上位階層の特定のMFP10が、カウンタ情報の移動先装置として決定される。
【0134】
図11は、第3実施形態に係る画像形成システム1のシステム構成を示す図である。
【0135】
図11に示すように、第3実施形態に係る画像形成システム1においては、複数のMFP10が多層(複数層)に階層化されて互いに論理接続されている。ここでは、MFP10dは、階層構造における最上位階層の装置であり、MFP10c,10gは、MFP10dの1つ下位の階層(直下の階層)の装置(すなわちMFP10dの子機)である。また、MFP10a,10bは、MFP10cの1つ下位の階層の装置(すなわちMFP10cの子機)であり、MFP10e,10fは、MFP10gの1つ下位の階層の装置(すなわちMFP10gの子機)である。なお、画像形成システム1における階層構造(複数のMFP10の親子関係)は、システムの管理者等によって予め設定(構築)される。また、親機のMFP10には、(子機のMFP10の高速メモリ5bよりも)比較的大容量の高速メモリ5bが搭載されていることが好ましい。
【0136】
第3実施形態のステップS18においては、利用対象装置(たとえばMFP10a)のカウンタ情報管理部14は、複数のMFP10のうち、自装置(MFP10a)よりも上位階層の特定のMFP10を、カウンタ情報の移動先装置として決定する。ここでは、当該複数のMFP10のうち最上位階層のMFP10(ここではMFP10d)が、カウンタ情報の移動先装置として決定される。
【0137】
なお、ステップS18以外の処理は、上記第1、第2実施形態と同様にして行われる。
【0138】
たとえば、特定ユーザに関するカウンタ情報が、移動先装置として決定されたMFP10(最上位階層のMFP10(ここではMFP10d))へと移動され(ステップS19)、ログインユーザのカウンタ情報が利用対象装置(ここではMFP10a)に登録(格納)される(ステップS20)。
【0139】
このような態様によれば、上記第1、第2実施形態と同様の効果を得ることが可能である。
【0140】
また、上記第3実施形態においては、利用対象装置よりも上位階層の特定のMFP10が、カウンタ情報の移動先装置として決定される。換言すれば、カウンタ情報の移動先装置が特定のMFP10に固定的に決定される。そのため、利用対象装置は、上記第1実施形態のように移動先装置の決定処理に際して他のMFP10における空き容量を他のMFP10に問い合わせること、を要しない。したがって、他のMFP10への空き容量の問い合わせに起因して利用対象装置と他のMFP10との間の通信負荷が増大すること、等を抑制することが可能である。
【0141】
なお、上記第3実施形態では、利用対象装置(たとえばMFP10a)よりも上位階層のMFP10のうち、最上位階層のMFP10(ここではMFP10d)が、カウンタ情報の移動先装置として決定される態様を例示したが、これに限定されない。たとえば、利用対象装置(MFP10a)よりも上位階層のMFP10のうち、当該利用対象装置(MFP10a)の1つ上位の階層(直上階層)のMFP10(すなわち親機)(ここではMFP10c(
図11参照))が、カウンタ情報の移動先装置として決定されてもよい。
【0142】
<4.変形例等>
以上、この発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記内容のものに限定されるものではない。
【0143】
たとえば、上記各実施形態等においては、ステップS15(
図6)において、ユーザによるMFP10(利用対象装置)へのログインの受付時における高速メモリ5bの空き容量が所定量よりも小さいか否かによって、ログインユーザに関するカウンタ情報の登録可否が判定される態様を例示した。しかしながら、本願発明は、これに限定されない。
【0144】
具体的には、ステップS15において、ユーザによるMFP10(利用対象装置)へのログインの受付時における高速メモリ5bの現在の登録人数(格納人数)が所定の登録可能人数(所定のユーザ上限数)に到達しているか否かによって、ログインユーザに関するカウンタ情報の登録可否が判定されるようにしてもよい(
図13のステップS15B参照)。より詳細には、ユーザによる利用対象装置へのログインの受付時において、そのカウンタ情報が当該高速メモリ5bに現在格納されているユーザの人数が、そのカウンタ情報が当該高速メモリ5bに格納され得るユーザの上限数(たとえば20人)に到達しているか否か、によってログインユーザに関するカウンタ情報の登録可否が判定されるようにしてもよい。
【0145】
たとえば、或るユーザ(たとえばユーザU5)によるMFP10aへのログインの受付時において、10人のユーザのカウンタ情報がMFP10aの高速メモリ5bに現在格納されている場合、「ユーザU5によるログインの受付時における高速メモリ5bの現在の登録人数(10人)は登録可能人数(ここでは20人)に到達していない」旨が判定される。そして、ログインユーザ(ユーザU5)のカウンタ情報をMFP10aの高速メモリ5bに登録(格納)できる旨がステップS15(S15B)にて判定され、処理はステップS16へと進む。
【0146】
一方、或るユーザ(ユーザU5)によるMFP10aへのログインの受付時において、20人のユーザのカウンタ情報がMFP10aの高速メモリ5bに格納されている場合、「ユーザU5によるログインの受付時における高速メモリ5bの現在の登録人数(20人)が登録可能人数(20人)に到達している」旨が判定される。高速メモリ5bにおける現在の登録人数が登録可能人数に到達している旨の条件が充足されると、ログインユーザ(ユーザU5)のカウンタ情報をMFP10aの高速メモリ5bに登録できない旨がステップS15(S15B)にて判定され、処理はステップS17へと進む。
【0147】
このように、ユーザによるMFP10へのログインの受付時における高速メモリ5bの現在の登録人数が登録可能人数に到達しているか否かによって、ログインユーザに関するカウンタ情報の登録可否が判定されるようにしてもよい。
【0148】
また、上記各実施形態等においては、画像形成システム1が、比較的大規模(たとえば1万人のユーザによって利用され且つ数百台程度のMFP10で構成されるシステム)である態様を例示した。しかしながら、これに限定されず、たとえば、画像形成システム1は、比較的小規模(たとえば数十人程度のユーザによって利用され且つ数台のMFP10で構成されるシステム)であってもよい。
【0149】
具体的には、たとえば画像形成システム1が2台のMFP10(10a,10b)で構成される場合、一方のMFP10(たとえばMFP10a)にて所定の条件が充足されると、当該一方のMFP10(MFP10a)に格納されている複数のカウンタ情報のうち特定のカウンタ情報が、他方のMFP10(ここではMFP10b)に移動される(ステップS19)。そして、ログインユーザに関するカウンタ情報が、当該一方のMFP10(MFP10a)の高速メモリ5bに格納される(ステップS20)。