(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示データ変更部は、前記判定部にて前記映像の複雑さ度合いが基準とする複雑さ度合いに対し相対的に高いと判断された場合に、前記表示データに含まれる表示オブジェクトに前記表示オブジェクトの表示色とは異なる色で前記表示オブジェクトの形状に沿った外郭線を付加する、
請求項1に記載の虚像表示装置。
前記表示データ変更部は、前記判定部にて前記映像の複雑さ度合いが基準とする複雑さ度合いに対し相対的に高いと判断された場合に、前記表示データに含まれる表示オブジェクトに前記表示オブジェクトの表示色とは異なる色で前記表示オブジェクトの形状に沿った中心線を付加する、
請求項1に記載の虚像表示装置。
前記表示データ変更部は、前記判定部にて前記映像の複雑さ度合いが基準とする複雑さ度合いに対し相対的に高いと判断された場合に、前記表示データに含まれる表示オブジェクトの表示サイズを大きくする、
請求項2または3に記載の虚像表示装置。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
本発明の実施の形態にかかる、車両用の虚像表示装置はヘッドアップディスプレイ装置である。まず、虚像表示装置100の概略構成について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる虚像表示装置100の構成を模式的に示す側面図である。
図1に示すように、虚像表示装置100は、制御部110と、映像光投射部120と、反射部140と、コンバイナ160と、筐体170とを備えている。
【0013】
映像光投射部120は、車両の運転者前方に映像光L1を投射するプロジェクタを有している。映像光投射部120は投射映像に応じた映像光L1を、反射部140に向けて出射する、
図1の例においては、後方斜め上方向に出射する。映像光投射部120の後方斜め上方向には、反射部140が配置されている。したがって、映像光投射部120からの映像光L1は、反射部140に入射する。映像光投射部120は、表示信号に応じて、映像光L1を投射する。
【0014】
反射部140は、映像光投射部120からの映像光L1を反射する。反射部140は、凹面鏡などを有しており、映像光L1を拡大する。反射部140は、映像光L1をコンバイナ160などの虚像投影面方向に反射する。
図1の例においては、前方斜め上方向に向けて反射する。反射部140の前方斜め上方向には、コンバイナ160が配置されている。したがって、反射部140で反射した映像光L1は、コンバイナ160に入射する。なお、反射部140には、反射部140を駆動することで映像光L1の反射光路を変更する、サーボモータやギヤ等などの光路変更部が取り付けられていてもよい。
【0015】
コンバイナ160は、入射した映像光L1の一部を反射して、虚像を表示させる。したがって、コンバイナ160で反射した映像光L1は観察者の眼に入射する。
図2に示すように、虚像表示装置100が自動車1のダッシュボード13上に設置された場合には、フロントガラス12を透過した外界からの外光L2と虚像表示装置100からの映像光L1とがオーバーレイ(重畳)し、運転者Pの視界には車両の前方の景色(外景)と虚像表示装置100によって生成等された虚像とが同時に見えることになる。
本発明を適用する虚像表示装置は、
図1に示すようなコンバイナ160を用いた虚像表示装置100に加えて、コンバイナを用いずに車両のフロントガラスを虚像投影面とする虚像表示装置であってもよい。
【0016】
なお、以下の説明では、虚像表示装置100が自動車1のダッシュボード13上に置かれている状態での方向を基準に説明する。すなわち、自動車1の方向を基準の方向とする。例えば、フロントガラス12側を前方として、運転者P側を後方として説明する。同様に、自動車1のルーフ側を上方とし、地面側を下方とし、自動車1の横方向(左右方向)を側方として説明する。
【0017】
次に、虚像表示装置100の制御構成について説明する。
図3は、虚像表示装置100の制御構成を示すブロック図である。
図3に示すように、制御部110は、表示データ生成部4と、映像データ取得部5と、範囲特定部6と、判定部7と、表示データ変更部8と、投射制御部9と、を備えている。なお、制御部110は、CPU、ROM、RAM等を含むコンピュータなどである。
【0018】
表示データ生成部4は、CAN(Controller Area Network)やナビゲーションシステムなどの表示情報供給手段10からの表示情報に基づいて虚像として表示する表示データを生成する。映像データ取得部5は、撮像手段としての前方カメラ11により車両前方の景色を撮影した映像データを取得する。前方カメラ11は、運転者から見える車両前方の景色を撮影することができる任意の位置に配置される。例えば、
図2に示すように、前方カメラ11は、自車のフロントガラス12の上部付近のルームミラー14の裏側など、車両前方を撮影可能な位置に設置される。なお、前方カメラ11は、虚像表示装置100に一体的に配置されてもよい。
【0019】
範囲特定部6は、映像データ取得部5が取得した映像データにおいて虚像が重畳される範囲を特定する。判定部7は、範囲特定部6において特定された範囲の映像データに対して、映像の複雑さ度合いを判定する。具体的な判定方法は後述する。表示データ変更部8は、判定部7にて映像の複雑さ度合いが基準とする複雑さ度合いに対し相対的に高いと判断された場合に、表示データに含まれる表示オブジェクトの表示色を維持し、表示オブジェクトの表示色とは異なる色で表示オブジェクトの形状に沿った線を付加する。
【0020】
映像光投射部120は、光を発生する光源121と、表示データに応じて光源で発生した光を変調する光変調素子などの投射画像表示部122、光を投射する投射レンズなどの光学部123を有している。例えば、光変調素子である液晶パネルがバックライト光源からの光を変調する。あるいは、光変調素子として、MEMS(Micro Electronics Mechanical System)ミラー等の走査ミラーを用いることができる。この場合、レーザダイオードやLED(Light Emitting Diode)などの光源からの光を、表示信号に応じて走査ミラーが走査する。投射制御部9は、映像光投射部120の光源121および投射画像表示部122を制御する。
【0021】
制御部110における各処理は、コンピュータなどにプログラムを実行させることによって実現できる。より具体的には、制御部110において、プログラムメモリに格納されたプログラムを主記憶装置にロードし、CPUの制御によって当該プログラムを実行して実現する。また、制御部110は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現しても良い。
【0022】
また、制御部110において実現される各機能は、虚像表示装置100として単独の装置における制御部であってもよく、虚像表示装置100と連携した他の装置における制御部を用いてもよい。例えば、虚像表示装置100が単に受け取った映像データを表示するのみである構成の場合、制御部110における投射制御部9が虚像表示装置100の制御部によって実現され、他の各機能は、車両のカメラや表示画像を制御する他の装置で実現される。このような場合、虚像表示装置は虚像表示システムと言い換え可能である。
【0023】
上述したように、運転者から見える車両前方の景色には、虚像表示装置100によって生成等された虚像が重畳される。
図4は、映像データ取得部5(
図3参照)が取得した車両前方の景色の映像データにおいて虚像が重畳される範囲の例を示す図である。
図4に示すように、破線で囲んだ範囲(虚像重畳範囲A、B、C)が、映像データにおいて虚像が重畳される範囲である。
【0024】
運転者の目の位置は運転者の座高や運転姿勢等によって変わるので、虚像表示装置100では、運転者から見える車両前方の景色において虚像を重畳させる範囲を変更できるようにしてもよい。このようにした場合、運転者から見える車両前方の景色における虚像を重畳させる範囲の変更に伴って、映像データにおいて虚像が実際に重畳されている範囲も変更される。範囲特定部6では、範囲特定部6で特定する、映像データにおいて虚像が重畳される範囲を、運転者から見える車両前方の景色において虚像を重畳させる範囲の設定と整合させるようにしてもよい。つまり、範囲特定部6で特定する、映像データにおいて虚像が重畳される範囲を、映像データにおいて虚像が実際に重畳されている範囲と一致させる。
図4に示される虚像重畳範囲A、Bは、運転者から見える車両前方の景色において虚像を重畳させる範囲の設定と整合させるようにしたときの、映像データにおける虚像が重畳される範囲の例である。このようにすると、表示データ変更部8(
図3参照)にて表示オブジェクトの形状に沿った線を付加するタイミングをより適切に判断することができる。
【0025】
これに対し、範囲特定部6(
図3参照)において、虚像重畳範囲A、Bなど特定の運転者向けの設定範囲のいずれをもカバーできる、映像データにおける虚像が重畳される範囲が予め設定されていてもよい。
図4に示される虚像重畳範囲Cは、特定の運転者向けの設定範囲のいずれをもカバーできる、映像データにおける虚像が重畳される範囲の例である。範囲特定部6で特定する、映像データにおいて虚像が重畳される範囲を、虚像重畳範囲Cに設定すると、運転者から見える車両前方の景色において虚像を重畳させる範囲がどのように設定されていても、虚像重畳範囲Cの範囲内に虚像を収めることができる。このようにすると、運転者から見える車両前方の景色における虚像を重畳させる範囲の変更に伴って、映像データにおいて虚像が実際に重畳されている範囲をいちいち変更する必要がない。
【0026】
ここで、範囲特定部6(
図3参照)において特定された範囲の映像データに対して、判定部7(
図3参照)が映像の複雑さ度合いを判定する方法について説明する。
判定部7は、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データに対し、構成する色調または輝度の統計分布(ヒストグラム)に基づいて当該特定された範囲内の映像データの複雑さ度合いを判定する。
【0027】
図5から
図7は、映像データにおける色調分布の例を示すヒストグラムである。このヒストグラムは、横軸に光の波長(右へいくほど波長が高い)、縦軸に波長ごとの画素数を積み上げたグラフである。つまり、映像データにおいて、波長の低い色の成分が多いほどグラフの左寄りに積み上げられ、波長の高い色の成分が多いほどグラフの右寄りに積み上げられて表示される。
【0028】
図5に示すヒストグラムでは、色の波長の大きなピークが1つである(ピークがある色の波長の近傍に集中している)。
図5に示す例のように色の波長の大きなピークが1つである場合を、複雑さ度合いの基準とする。範囲特定部6(
図3参照)において特定された範囲の映像データの色調分布のヒストグラムが
図5に示すような場合、虚像として表示する表示データにおける表示オブジェクトに対して表示オブジェクトの形状に沿った線は付加しない。
【0029】
図5に示すヒストグラムは、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する色が単色または同系色の割合が多い状態を示している。このような映像データに対応する外景を背景とした場合は、虚像の認識に困難性は無い。
図5に示すヒストグラムのピーク近傍の色と、虚像の表示オブジェクトの色とが近接する場合は、虚像の表示オブジェクトの色を変更することで、適切に虚像を認識させることができる。
【0030】
具体例としては、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データに、
図5に示すような例として、波長600nm前後である橙色および橙色近傍の色で構成される背景、例えば大型車両の後面が撮影されている場合、虚像の表示オブジェクトの色が橙色または橙色の近傍の色以外であれば、虚像の認識に困難性は無い。
【0031】
図6に示すヒストグラムでは、色の波長の大きなピークが2つである。
図6に示す例のように色の波長の大きなピークが2つ以上である場合には、基準とする複雑さ度合いに対し複雑さ度合いが相対的に高いと判断する。このような場合、虚像として表示する表示データにおける表示オブジェクトに対して表示オブジェクトの形状に沿った線は付加する。
【0032】
図6に示すヒストグラムは、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する色が、複数色または複数の色の同系色の割合が多い状態を示している。このような映像データに対応する外景を背景とした場合は、虚像の表示オブジェクトの色が、
図6に示すヒストグラムのピークの色またはピーク近傍の色と同一または近接した色となる可能性が高い。
図6に示す例は、ピークが2つであるが、さらにピークの数が多い場合は特に顕著である。このような場合は、虚像の表示オブジェクトの一部分または全体の視認性が悪化する。
【0033】
具体例としては、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データに、
図6に示すような例として、波長550nm前後である緑色および緑色近傍の色、および波長750nm前後の赤色および赤色近傍の色で構成される背景の場合である。このような場合、虚像の表示オブジェクト全体の色が背景色と異なる色である可能性は低くなる。例えば、範囲特定部6において特定された範囲に対応する外景に、緑色をおよび緑色近傍の色を中心とした森林等と赤色の車両が含まれている場合や、大型車両の後面に緑色と赤色によって構成された彩色が施されている場合などである。
【0034】
図7に示すヒストグラムでは、特定の色の波長において大きなピークは存在せず、色の波長が広範囲に分布している。
図7に示す例のように色の波長が広範囲に分布している場合には、基準とする複雑さ度合いに対し複雑さ度合いが相対的に高いと判断する。このような場合、虚像として表示する表示データにおける表示オブジェクトに対して表示オブジェクトの形状に沿った線は付加する。
【0035】
図7に示すヒストグラムは、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する色が、多数の色で構成されている状態を示す。このような映像データに対応する外景を背景とした場合は、虚像の表示オブジェクトの色が単色または複数の色で構成されていても、高い確率で
図7に示すヒストグラムの範囲の色と同一または近接した色となる。
図7に示すヒストグラムは、
図6に示すヒストグラムの複数のピークがさらに多数存在するものと同様でもある。
【0036】
具体例としては、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データに、
図7に示すような例として、波長480nm前後である青緑色から波長750nm前後の赤色まで、多くの色が存在している場合である。例えば、範囲特定部6において特定された範囲に対応する外景に、様々な色の物体や車両が含まれている場合や、大型車両の後面に多くの色によって構成された彩色が施されている場合などである。
【0037】
図8から
図10は、映像データにおける輝度分布の例を示すヒストグラムである。このヒストグラムは、横軸に輝度(右へいくほど輝度が高い)、縦軸に輝度ごとの画素数を積み上げたグラフである。つまり、映像データにおいて、暗い成分が多いほどグラフの左寄りに積み上げられ、明るい成分が多いほどグラフの右寄りに積み上げられて表示される。
【0038】
図8に示すヒストグラムでは、輝度の大きなピークが1つである(ピークがある輝度の近傍に集中している)。
図8に示す例のように輝度の大きなピークが1つである場合を、複雑さ度合いの基準とする。範囲特定部6(
図3参照)において特定された範囲の映像データの輝度分布のヒストグラムが
図8に示すような場合、虚像として表示する表示データにおける表示オブジェクトに対して表示オブジェクトの形状に沿った線は付加しない。
【0039】
図8に示すヒストグラムは、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する画素の輝度が全体的に均一な輝度であることを示している。このような映像データに対応する外景を背景とした場合は、虚像の認識に困難性は無い。
【0040】
具体例としては、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する1画素の輝度が8ビット(輝度値:0〜255)で表される場合、
図8に示すような例として、構成色を問わず輝度値が100から150前後など、狭い範囲に集中している場合は、虚像の認識に困難性は無い。
【0041】
図9に示すヒストグラムでは、輝度の大きなピークが2つである。
図9に示す例のように輝度の大きなピークが2つ以上である場合には、基準とする複雑さ度合いに対し複雑さ度合いが相対的に高いと判断する。このような場合、虚像として表示する表示データにおける表示オブジェクトに対して表示オブジェクトの形状に沿った線は付加する。
【0042】
図9に示すヒストグラムは、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する画素の輝度が複数の輝度値を中心とした分布となっていることを示す。このような映像データに対応する外景を背景とした場合、複数のピークに対する輝度値の差により、虚像の視認性が悪化する。
【0043】
具体例としては、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する1画素の輝度が8ビット(輝度値:0〜255)で表される場合、
図9に示すような例として、構成色を問わず輝度値が100前後のピークと輝度値が200前後のピークがある。例えば、範囲特定部6において特定された範囲に対応する外景に、陽光の当たった森林や、道路と自動車、コントラストの高い複数の配色を備えた大型車両の後面などである。
【0044】
図10に示すヒストグラムでは、特定の輝度において大きなピークは存在せず、輝度が広範囲に分布している。
図10に示す例のように輝度が広範囲に分布している場合には、基準とする複雑さ度合いに対し複雑さ度合いが相対的に高いと判断する。このような場合、虚像として表示する表示データにおける表示オブジェクトに対して表示オブジェクトの形状に沿った線は付加する。
【0045】
図10に示すヒストグラムは、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する画素に様々な輝度値が含まれた分布となっていることを示す。このような映像データに対応する外景を背景とした場合、様々な輝度差により、虚像の視認性が悪化する。
【0046】
具体例としては、範囲特定部6において特定された範囲内の映像データを構成する1画素の輝度が8ビット(輝度値:0〜255)で表される場合、
図10に示すような例として、構成色を問わず輝度値が80から220前後にほぼ均一に分布している場合である。例えば、範囲特定部6において特定された範囲に対応する外景が、様々な物体が範囲内に存在する遠景や、複雑な構成で描画された大型車両の後面などである。
【0047】
判定部7(
図3参照)における映像の複雑さ度合いの判定において、範囲特定部6(
図3参照)において特定された範囲の映像データにおいて、
図11に示す隣接した複数の画素からなるグループごとにするようにしてもよい。
【0048】
次に、判定部7(
図3参照)にて映像の複雑さ度合いが基準とする複雑さ度合いに対し相対的に高いと判断された場合に、表示データ変更部8が、表示オブジェクトの表示色とは異なる色で表示オブジェクトの形状に沿った線を付加した表示オブジェクトの実施例について以下で説明する。なお、通常時における、表示させる虚像の表示データに含まれる表示オブジェクト(表示オブジェクトの表示色とは異なる色で表示オブジェクトの形状に沿った線を付加しない表示オブジェクト)の例を
図12に示す。
【0049】
[実施例1]
図13は、実施例1の表示オブジェクトの表示例について示す図である。
図13に示すように、実施例1では、
図12に示す表示オブジェクトに対して、表示データに含まれる表示オブジェクトに表示オブジェクトの表示色とは異なる色で表示オブジェクトの形状に沿った外郭線を付加する。表示オブジェクトの形状に沿った外郭線の色は、表示オブジェクトの表示色と異なる色であり、例えば補色や波長が150nm以上離れた色、輝度の異なる色などである。
【0050】
[実施例2]
図14は、実施例2の表示オブジェクトの表示例について示す図である。
図14に示すように、実施例2では、
図12に示す表示オブジェクトに対して、表示データに含まれる表示オブジェクトに表示オブジェクトの表示色とは異なる色で表示オブジェクトの形状に沿った中心線を付加する。表示オブジェクトの形状に沿った中心線の色は、表示オブジェクトの表示色と異なる色であり、例えば補色や波長が150nm以上離れた色、輝度の異なる色などである。
【0051】
[実施例3]
図15は、実施例3の表示オブジェクトの表示例について示す図である。
図15に示すように、実施例3では、
図12に示す表示オブジェクトに対して、表示データに含まれる表示オブジェクトの表示サイズを大きくする。
【0052】
[実施例4]
図16は、実施例4の表示オブジェクトの表示例について示す図である。
図16に示すように、実施例4では、表示オブジェクトは実施例1と同様にし、さらに表示オブジェクトの背景(表示データにおける表示オブジェクト以外の部分)を透明から色つきにする。なお、表示オブジェクトを実施例2または実施例3と同様にし、さらに表示オブジェクトの背景を透明から色つきにしてもよい。表示オブジェクトの背景の色は、表示オブジェクトの表示色と異なる色であり、例えば補色や波長が150nm以上離れた色、輝度の異なる色などである。
【0053】
[実施例5]
図17は、実施例5の表示オブジェクトの表示例について示す図である。
図17に示すように、実施例5では、表示オブジェクトは実施例1と同様にし、さらに表示オブジェクトの周辺の背景を透明から色つきにする。なお、表示オブジェクトを実施例2または実施例3と同様にし、さらに表示オブジェクトの周辺の背景を透明から色つきにしてもよい。表示オブジェクトの周辺の背景の色は、表示オブジェクトの表示色と異なる色であり、例えば補色や波長が150nm以上離れた色、輝度の異なる色などである。
【0054】
以上より、本発明によれば、外景の状況が変化しても、虚像の表示色を頻繁に変化させずかつ虚像の表示内容を複雑化させることなく、適切に虚像を認識させることができる。
【0055】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。上記実施の形態においては、映像の複雑さ度合いを色または輝度を用いて定義したが、これらの組み合わせであっても、他のパラメータを用い、または組み合わせることも可能である。