特許第6607136号(P6607136)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6607136画面構成制御装置および画面構成制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607136
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】画面構成制御装置および画面構成制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0484 20130101AFI20191111BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20191111BHJP
   G09G 5/02 20060101ALI20191111BHJP
   G06F 13/00 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   G06F3/0484 150
   G09G5/00 510H
   G09G5/02 B
   G09G5/02 L
   G09G5/00 555D
   G06F13/00 520C
【請求項の数】7
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-82309(P2016-82309)
(22)【出願日】2016年4月15日
(65)【公開番号】特開2017-191568(P2017-191568A)
(43)【公開日】2017年10月19日
【審査請求日】2019年1月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092152
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 毅巖
(72)【発明者】
【氏名】原 秀司
【審査官】 池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−298133(JP,A)
【文献】 特開2010−262548(JP,A)
【文献】 特開2007−083873(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/168235(WO,A1)
【文献】 特開2012−040765(JP,A)
【文献】 特開2002−236638(JP,A)
【文献】 特開2013−238932(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06F 13/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の装置の設定に用いられるユーザインタフェースの内容を示す表示情報を提供する画面構成制御装置であって、
背景色と文字色との第1の組合せを定義したカラー配列情報を記憶する記憶部と、
前記背景色と前記文字色との第2の組合せを含む第1の表示情報を前記第1の装置から受信し、前記第1の組合せと前記第2の組合せとの照合に応じて、前記第1の表示情報のうち前記第2の組合せに対応する設定を前記第1の組合せに対応する設定に変換した第2の表示情報を生成し、前記第2の表示情報を第2の装置に送信する演算部と、
を有する画面構成制御装置。
【請求項2】
前記演算部は、前記第1の組合せおよび前記第2の組合せにおいて、両方の前記背景色が一致し、両方の前記文字色が一致しない場合に、前記第2の組合せに対応する設定を前記第1の組合せに対応する設定に変換し、また、両方の前記背景色が一致しない場合に、当該設定の変換を行わない、請求項1記載の画面構成制御装置。
【請求項3】
前記カラー配列情報は、前記ユーザインタフェースに含まれるフレームの識別情報を含み、
前記演算部は、前記フレームの識別情報に基づいて、前記第1の表示情報に含まれる前記背景色と前記文字色とのフレーム毎の組合せのうち、変換の対象外とする組合せを決定する、
請求項1または2記載の画面構成制御装置。
【請求項4】
前記演算部は、前記ユーザインタフェースに対するユーザによる所定の操作の回数に応じて、前記第2の表示情報に代えて前記第1の表示情報を前記第2の装置に送信する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の画面構成制御装置。
【請求項5】
前記操作は、前記ユーザインタフェースによるキャンセル操作または前記ユーザインタフェースを表示するブラウザによるバック操作である、請求項4記載の画面構成制御装置。
【請求項6】
前記演算部は、前記第2の装置からリクエストを受信すると、前記リクエストの宛先に応じて、複数の前記第1の装置のうち、前記リクエストの転送先の装置を選択し、前記転送先の装置に前記リクエストを転送し、前記リクエストに対する応答とともに前記第1の表示情報を受信する、請求項1乃至5の何れか1項に記載の画面構成制御装置。
【請求項7】
第1の装置の設定に用いられるユーザインタフェースの内容を示す表示情報を提供する画面構成制御プログラムであって、コンピュータに、
背景色と文字色との第1の組合せを定義したカラー配列情報を取得し、
前記背景色と前記文字色との第2の組合せを含む第1の表示情報を前記第1の装置から受信し、前記第1の組合せと前記第2の組合せとの照合に応じて、前記第1の表示情報のうち前記第2の組合せに対応する設定を前記第1の組合せに対応する設定に変換した第2の表示情報を生成し、
前記第2の表示情報を第2の装置に送信する、
処理を実行させる画面構成制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は画面構成制御装置および画面構成制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、様々な情報機器がネットワークに接続されている。情報機器には、ネットワークを介して動作設定を行えるものがある。例えば、情報機器は、動作設定用のグラフィカルユーザインタフェース(GUI:Graphical User Interface)を、ネットワークを介してクライアント装置に提供する機能を備えることがある。情報機器は、クライアント装置からの要求に応じて、動作設定用のGUIをクライアント装置に提供する。
【0003】
例えば、受信装置と、受信装置にコンテンツを配信する配信装置と、配信装置の機能を操作するために受信装置に表示させるGUIを管理する管理装置とを宅内ネットワークに接続したシステムの提案がある。この提案では、管理装置は、宅内ネットワーク外のGUI生成サーバに、受信装置に提供するGUIを生成させる。
【0004】
また、機種毎に異なるUIを統合して、パラメータの一括設定可能な項目がUI上に統合(表示)される統合UIを作成する提案もある。なお、サーバが、クライアントからの画面表示選択情報を受けて、配信するファイルの画面表示形式を選択し、選択された画面の表示形式(画像の有無又は大きさ、表示分解能、色彩の組み合わせなど)に変更したファイルを配信する提案もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−9336号公報
【特許文献2】特開2010−92486号公報
【特許文献3】特開2002−222141号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
様々なベンダ、あるいは、様々な機種の情報機器を組合せて1つのシステム製品とすることがある。この場合、各情報機器が提供するGUIを用いて各情報機器を運用することが考えられる。ところが、各情報機器が提供するGUIのカラーデザインは、ベンダや機種に応じて異なる。このため、各情報機器が提供する既存のGUIをそのまま用いると、システム製品として統一感のないGUIをユーザに提供してしまうおそれがある。
【0007】
そこで、システム開発者が各情報機器のGUIの基となる表示情報を編集して、背景色や文字色などのデザインを統一することが考えられる。しかし、GUIは、ベンダや機種毎にデザインが異なっており、個々のGUIのデザイン変更に要する工数が問題となる。また、当該変更作業によるリスク(例えば、既存システムのレベルダウン)もあり、デザイン変更には技能も要する。
【0008】
1つの側面では、本発明は、ユーザインタフェースのデザイン変更の作業効率を改善することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
1つの態様では、第1の装置の設定に用いられるユーザインタフェースの内容を示す表示情報を提供する画面構成制御装置が提供される。この画面構成制御装置は、記憶部と演算部とを有する。記憶部は、背景色と文字色との第1の組合せを定義したカラー配列情報を記憶する。演算部は、背景色と文字色との第2の組合せを含む第1の表示情報を第1の装置から受信し、第1の組合せと第2の組合せとの照合に応じて、第1の表示情報のうち第2の組合せに対応する設定を第1の組合せに対応する設定に変換した第2の表示情報を生成し、第2の表示情報を第2の装置に送信する。
【0010】
また、1つの態様では、第1の装置の設定に用いられるユーザインタフェースの内容を示す表示情報を提供する画面構成制御プログラムが提供される。この画面構成制御プログラムは、コンピュータに、背景色と文字色との第1の組合せを定義したカラー配列情報を取得し、背景色と文字色との第2の組合せを含む第1の表示情報を第1の装置から受信し、第1の組合せと第2の組合せとの照合に応じて、第1の表示情報のうち第2の組合せに対応する設定を第1の組合せに対応する設定に変換した第2の表示情報を生成し、第2の表示情報を第2の装置に送信する、処理を実行させる。
【発明の効果】
【0011】
1つの側面では、ユーザインタフェースのデザイン変更の作業効率を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】第1の実施の形態の画面構成制御装置を示す図である。
図2】第2の実施の形態のVTライブラリの例を示す図である。
図3】VTライブラリのハードウェア例を示す図である。
図4】管理サーバのハードウェア例を示す図である。
図5】管理サーバの機能例を示す図である。
図6】カラー配列情報の例を示す図である。
図7】キャンセル回数管理テーブルの例を示す図である。
図8】GUIの変換の例を示す図である。
図9】DOMデータの変換の例を示す図である。
図10】管理サーバの処理例を示すフローチャートである。
図11】Webページのレイアウト例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本実施の形態を図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態の画面構成制御装置を示す図である。画面構成制御装置1は、サーバ2およびクライアント3に接続されている。画面構成制御装置1は、サーバ2およびクライアント3とネットワークを介して接続されてもよい。サーバ2は、サーバ2の動作設定用のユーザインタフェースを提供するサーバコンピュータである。クライアント3は、サーバ2の設定を行うクライアントコンピュータである。
【0014】
画面構成制御装置1は、サーバ2の設定に用いられるユーザインタフェースの内容を示す表示情報をクライアント3に提供する。具体的には、画面構成制御装置1は、サーバ2が提供するGUIの表示情報を、所定のルールに従って変換し、変換後の表示情報をクライアント3に送信する。
【0015】
例えば、サーバ2は、Webサーバとして機能し、HTML(HyperText Markup Language)形式のデータによりGUIを提供してもよい。すなわち、表示情報はHTML形式のデータでもよい。クライアント3は、Webブラウザとして機能し、HTMLデータに応じたGUIを、クライアント3が備えるディスプレイを用いて表示してもよい。例えば、ユーザは、クライアント3により表示されたGUIを操作することで、サーバ2の動作設定を行える。サーバ2は、Webサーバとして機能する装置であればよく、スイッチ装置やストレージ装置などでもよい。また、サーバ2は第1の装置と呼ばれてもよい。クライアント3は第2の装置と呼ばれてもよい。
【0016】
画面構成制御装置1は、記憶部1aおよび演算部1bを有する。記憶部1aは、RAM(Random Access Memory)などの揮発性記憶装置でもよいし、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの不揮発性記憶装置でもよい。演算部1bは、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを含み得る。演算部1bはプログラムを実行するプロセッサであってもよい。ここでいう「プロセッサ」には、複数のプロセッサの集合(マルチプロセッサ)も含まれ得る。
【0017】
記憶部1aは、カラー配列情報T1を記憶する。カラー配列情報T1は、サーバ2が提供するGUIの背景色と文字色との第1の組合せを定義した情報である。カラー配列情報T1には、クライアント3に提供するGUIの背景色と文字色との組合せとして許容されている組合せが登録されている。カラー配列情報T1は、第1の組合せを1つまたは複数含む。例えば、カラー配列情報T1は、第1の組合せとして次の組合せを含む。第1には、背景色“C11”と文字色“C12”との組合せである。第2には、背景色“C21”と文字色“C22”との組合せである。カラー配列情報T1は、これら以外の組合せも含み得る。例えば、演算部1bはカラー配列情報T1を予め取得し(カラー配列情報T1のユーザによる入力を受け付けるなど)、記憶部1aに格納する。
【0018】
演算部1bは、表示情報4をサーバ2から受信する。表示情報4は、GUI4aの表示に用いられる情報である。例えば、演算部1bは、GUI取得のリクエストをクライアント3から受け付けて、サーバ2に転送し、当該リクエストに対するレスポンスとして、サーバ2から表示情報4を受信してもよい。また、表示情報4は第1の表示情報と呼ばれてもよい。
【0019】
表示情報4は、GUI4aに含まれる背景色と文字色との第2の組合せを定義した情報を含む。背景色や文字色は、所定の識別情報で表される。当該識別情報は、色の名称でもよいし、色を示す所定のコードでもよい。例えば、表示情報4はGUI4aの背景色“C11”および文字色“C31”という情報を含む。これは、GUI4aが“ABC”という文字列を含む場合、当該文字列“ABC”の背景の色を“C11”で示される色で表示し、“ABC”という文字列自体を“C31”で示される色で表示することを意味する。
【0020】
演算部1bは、カラー配列情報T1に含まれる第1の組合せと、表示情報4に含まれる第2の組合せとの照合に応じて、表示情報4のうち第2の組合せに対応する設定を第1の組合せに対応する設定に変換した表示情報5を生成する。表示情報5は、GUI5aの表示に用いられる情報である。表示情報5は第2の表示情報と呼ばれてもよい。例えば、演算部1bは、表示情報4に含まれる背景色と一致する背景色を、カラー配列情報T1に登録された組合せの中から検索し、検索した組合せを表示情報4にも適用することで、表示情報5を生成してもよい。より具体的には次の通りである。
【0021】
演算部1bは、表示情報4を参照して、背景色“C11”と文字色“C31”との組合せが定義されていることを検出する。演算部1bは、背景色“C11”と文字色“C31”との組合せを、カラー配列情報T1に登録されている各組合せと照合する。例えば、カラー配列情報T1には、背景色“C11”と文字色“C12”との組合せが登録されている。背景色“C11”と文字色“C31”との組合せ、および、背景色“C11”と文字色“C12”との組合せを比較すると、背景色“C11”が一致する。このため、演算部1bは、背景色“C11”と文字色“C31”との組合せのうち、文字色“C31”を、文字色“C12”に変更することで、当該組合せを、カラー配列情報T1に登録された組合せに一致させる。すなわち、演算部1bは、表示情報4のうち、背景色“C11”と文字色“C31”との組合せが定義されている箇所を、背景色“C11”と文字色“C12”との組合せに変換する。こうして、演算部1bは、表示情報4を基に表示情報5を生成する。なお、カラー配列情報T1に登録された背景色に対して、表示情報4の文字色を変換する例を示したが、変換対象は逆でもよい。すなわち、演算部1bは、カラー配列情報T1に登録された文字色に対して、表示情報4の背景色を変換してもよい(ただし、背景色に対する文字色の変換のみを行ってもよい)。
【0022】
演算部1bは、生成した表示情報5をクライアント3に送信する。例えば、クライアント3は、表示情報5を受信し、表示情報5に基づいて、クライアント3が備えるディスプレイにGUI5aを表示する。GUI5aは、GUI4aとは異なる配色で表示される。具体的には、GUI4aでは背景色が“C11”で示される色であり、文字色が“C31”で示される色であるのに対し、GUI5aでは背景色が“C11”で示される色であり、文字色が“C12”で示される色である。ユーザは、GUI5aを操作して、サーバ2に対する動作設定を行える。
【0023】
ところで、様々なベンダ、あるいは、様々な機種の情報機器を組合せて1つのシステム製品(統合装置と称してもよい)とすることがある。第1の実施の形態のサーバ2を、例えば、スイッチ装置やストレージ装置などを含む1つの統合装置と考えてもよい。すると、サーバ2に含まれるスイッチ装置やストレージ装置がそれぞれ別個に動作設定用のGUIを提供し得る。しかし、各情報機器が提供する既存のGUIをそのまま用いると、システム製品として統一感のないGUIをユーザに提供してしまうおそれがある。例えば、背景色に対して警告やエラーなどの表示に用いる文字色が機器毎に異なっていると、ユーザに対する適切な注意喚起を行えないなど、運用支援に支障が生じ得る。
【0024】
この場合、システム開発者が各情報機器のGUIの基となる表示情報を編集して、背景色や文字色などのデザインを、システム製品として統一されたデザインに変更することが考えられる。しかし、各情報機器のGUIは、ベンダや機種毎にデザインが異なっており、個々のデザイン変更に要する工数が問題となる。また、当該変更作業によるリスク(例えば、既存システムの一部の機能が使用不可になる、バグが発生するなどのレベルダウン)もあり、デザイン変更には技能も要する。
【0025】
そこで、画面構成制御装置1は、サーバ2から提供される表示情報4の配色を、カラー配列情報T1を用いて所定の配色となるよう変換し、クライアント3に提供する。例えば、ユーザは、カラー配列情報T1に、背景色と文字色との組合せを設定しておけばよく、表示情報4を直接編集せずに済む。このため、ユーザによるGUIのカラーデザインの変更に伴う作業を省力化でき、GUIのデザイン変更の作業効率を改善することができる。
【0026】
また、カラー配列情報T1を基にGUIの背景色と文字色との配色を変更することで、各GUIの提供元の機器のベンダや機種が異なっていても、ユーザには、ある程度統一されたカラーデザインによりGUIを提供できる。このため、画面構成制御装置1は、様々なベンダ、あるいは、様々な機種の情報機器を組合せた1つのシステム製品(統合装置)において、各機器の既存のGUIを流用する場合に特に有用である。この場合、ユーザは、カラー配列情報T1として、各機器や各ベンダのGUIで用いられている配色の傾向に応じた背景色と文字色との組合せを定義しておけばよい。すると、カラー配列情報T1を基に画面構成制御装置1により、システム製品として配色の統一されたGUIをユーザに提供できる。システム製品として配色の統一されたGUIをユーザに提供することで、例えば、背景色に対して各種通知(例えば、設定内容、警告およびエラーなど)の表示に用いる文字色の統一化などを図れ、適切な運用支援に貢献できる。
【0027】
以下では、統合装置の一例として、仮想テープ(VT:Virtual Tape)ライブラリを含むシステムを例示し、画面構成制御装置1の機能を詳細に説明する。
[第2の実施の形態]
図2は、第2の実施の形態のVTライブラリの例を示す図である。VTライブラリ10は、複数の装置を有する統合装置である。VTライブラリ10は、管理サーバ100、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400を有する。また、VTライブラリ10は、ネットワーク20に接続されている。ネットワーク20は、例えば、LAN(Local Area Network)である。ネットワーク20には、クライアント500が接続されている。更に、VTライブラリ10は、サーバ600に接続されている。VTライブラリ10とサーバ600との間のインタフェースは、例えばファイバチャネルである。
【0028】
VTライブラリ10は、サーバ600により扱われる各種のデータを記憶する。VTライブラリ10は、磁気テープによるデータ保存の機能の運用を、HDDなどの記憶装置を用いて仮想的に行い、テープ処理の高速化を図る。VTライブラリ10は、VTライブラリ10が有するテープ装置、あるいは、VTライブラリ10に外付けされたテープ装置を用いて、カートリッジテープに対するテープボリュームの書き込みや読み出しを行うこともある。VTライブラリ10は、管理サーバ100、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400を有する。
【0029】
管理サーバ100は、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれによって提供されるGUIのカラーデザインを変更して、クライアント500に提供するサーバコンピュータである。
【0030】
VTサーバ200は、ストレージ400に格納されたテープボリュームを管理し、テープ処理を仮想的に実行する機能を提供するサーバコンピュータである。
スイッチ300は、VTライブラリ10内における装置間の通信を中継する中継装置である。例えば、VTライブラリ10は、スイッチ300を複数備え、装置間の通信路を冗長化させてもよい。
【0031】
ストレージ400は、テープボリュームを記憶するディスクアレイである。ストレージ400は、HDDやSSD(Solid State Drive)などの記憶装置を複数備え、RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)の技術により、複数の記憶装置の記憶領域を統合した論理的な記憶領域を実現してもよい。
【0032】
VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれは、Webサーバとして機能する。VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれは、GUIに対するリクエストに応じて、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれの動作設定用のGUIを、リクエスト元に提供する。GUIの提供は、GUIの表示に用いられるHTMLデータやCSS(Cascading Style Sheets)データなどをリクエスト元に送信することで行われる。
【0033】
クライアント500は、VTライブラリ10のユーザによる操作を受け付けるクライアントコンピュータである。クライアント500は、Webブラウザとして機能する。クライアント500のWebブラウザは、HTMLデータやCSSデータをVTライブラリ10から受信し、受信したHTMLデータやCSSデータに従って、GUIの表示を行う。
【0034】
例えば、VTライブラリ10のユーザは、クライアント500により表示されたGUIを操作することで、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれの動作設定を行える。ここで、以下では、HTMLデータやCSSデータといったGUIの表示に用いられる情報を総称してDOM(Document Object Model)データと呼ぶこととする。
【0035】
図3は、VTライブラリのハードウェア例を示す図である。前述のように、VTライブラリ10は、管理サーバ100、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400を有する。管理サーバ100、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400は、ネットワーク30に接続されている。ネットワーク30は、VTライブラリ10内に設けられた管理用のネットワークである。ネットワーク30は、ネットワーク20に接続されている。管理サーバ100およびクライアント500は、ネットワーク20,30を介して通信可能である。また、VTサーバ200は、所定の通信インタフェース(例えば、ファイバチャネル)を用いて、サーバ600に接続されている。
【0036】
ここで、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれは、互いに機種が異なり、また、ベンダも異なる。このため、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400により提供される各GUIは、配色が異なっている。したがって、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれが提供する各GUIをそのまま流用すると、クライアント500により表示されるGUIの配色に統一感がなくなり、運用支援に影響を及ぼすおそれがある。そこで、管理サーバ100は、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400により提供されるDOMデータを所定のルールに従い変換することで、クライアント500により表示されるGUIの配色に統一性をもたせる。
【0037】
図4は、管理サーバのハードウェア例を示す図である。管理サーバ100は、プロセッサ101、RAM102、HDD103、画像信号処理部104、入力信号処理部105、媒体リーダ106および通信インタフェース107を有する。各ユニットは管理サーバ100のバスに接続されている。
【0038】
プロセッサ101は、管理サーバ100の情報処理を制御する。プロセッサ101は、マルチプロセッサであってもよい。プロセッサ101は、例えばCPU、DSP、ASICまたはFPGAなどである。プロセッサ101は、CPU、DSP、ASIC、FPGAなどのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0039】
RAM102は、管理サーバ100の主記憶装置である。RAM102は、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部を一時的に記憶する。また、RAM102は、プロセッサ101による処理に用いる各種データを記憶する。
【0040】
HDD103は、管理サーバ100の補助記憶装置である。HDD103は、内蔵した磁気ディスクに対して、磁気的にデータの書き込みおよび読み出しを行う。HDD103は、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データを記憶する。管理サーバ100は、フラッシュメモリやSSDなどの他の種類の補助記憶装置を備えてもよく、複数の補助記憶装置を備えてもよい。
【0041】
画像信号処理部104は、プロセッサ101からの命令に従って、管理サーバ100に接続されたディスプレイ11に画像を出力する。ディスプレイ11としては、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイや液晶ディスプレイなどを用いることができる。
【0042】
入力信号処理部105は、管理サーバ100に接続された入力デバイス12から入力信号を取得し、プロセッサ101に出力する。入力デバイス12としては、例えば、マウスやタッチパネルなどのポインティングデバイス、キーボードなどを用いることができる。
【0043】
媒体リーダ106は、記録媒体13に記録されたプログラムやデータを読み取る装置である。記録媒体13として、例えば、フレキシブルディスク(FD:Flexible Disk)やHDDなどの磁気ディスク、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光ディスク、光磁気ディスク(MO:Magneto-Optical disk)を使用できる。また、記録媒体13として、例えば、フラッシュメモリカードなどの不揮発性の半導体メモリを使用することもできる。媒体リーダ106は、例えば、プロセッサ101からの命令に従って、記録媒体13から読み取ったプログラムやデータをRAM102またはHDD103に格納する。
【0044】
通信インタフェース107は、ネットワーク30を介して他の装置と通信を行う。通信インタフェース107は、有線通信インタフェースでもよいし、無線通信インタフェースでもよい。
【0045】
ここで、VTサーバ200も管理サーバ100と同様のユニットを用いて実現できる。また、スイッチ300やストレージ400も管理サーバ100と同様に、プロセッサやRAMを備えたハードウェアにより実現できる(ただし、画像信号処理部や媒体リーダなどの一部のハードウェアを備えていなくてもよい)。
【0046】
図5は、管理サーバの機能例を示す図である。管理サーバ100は、記憶部110、カラー配列生成部120、リクエスト受信部130、アドレス変換部140、リクエスト送信部150、レスポンス受信部160、カラー変換部170およびレスポンス送信部180を有する。記憶部110は、RAM102やHDD103に確保された記憶領域として実現される。カラー配列生成部120、リクエスト受信部130、アドレス変換部140、リクエスト送信部150、レスポンス受信部160、カラー変換部170およびレスポンス送信部180は、RAM102に記憶されたプログラムをプロセッサ101により実行することで実現される。
【0047】
記憶部110は、アドレス変換部140やカラー変換部170の処理に用いられる各種の情報を記憶する。例えば、記憶部110は、カラー配列情報を記憶する。カラー配列情報は、カラー変換部170によるカラー変換に用いられる情報である。また、記憶部110は、キャンセル回数管理テーブルを記憶する。キャンセル回数管理テーブルは、クライアント500を操作するユーザがGUI上からキャンセル操作またはバック操作を行った回数を管理するためのテーブルである。キャンセル操作またはバック操作を行った回数は、例えば、GUI上に設けられたキャンセルボタンまたはバックボタンに対する押下操作を管理サーバ100が受け付けた回数、あるいは、当該押下操作に応じたGUIを管理サーバ100が送信した回数と考えてもよい。
【0048】
カラー配列生成部120は、カラー配列情報を取得する。具体的には、カラー配列生成部120は、ユーザによるカラー配列情報の入力を受け付ける。カラー配列生成部120は、受け付けたカラー配列情報を記憶部110に格納する。例えば、VTライブラリ10のユーザは、入力デバイス12を操作して、カラー配列情報を管理サーバ100に入力できる。あるいは、ユーザは、クライアント500を操作して、ネットワーク20,30経由で、カラー配列情報を管理サーバ100に入力することもできる。
【0049】
リクエスト受信部130は、HTTP(HyperText Transfer Protocol)リクエスト(以下、単にリクエストと称する)をクライアント500から受信する。例えば、リクエストは、クライアント500のWebブラウザにより発行される。リクエストの宛先は、管理サーバ100が公開するURL(Uniform Resource Locator)によって指定される。すなわち、リクエスト受信部130が受信するリクエストの宛先は、管理サーバ100のアドレス(例えば、IP(Internet Protocol)アドレス)である。同送信元は、クライアント500のアドレスである。
【0050】
アドレス変換部140は、リクエスト受信部130により受信したリクエストの送信元および宛先を変換する。具体的には、アドレス変換部140は、当該リクエストの送信元を管理サーバ100のアドレスに変換し、同宛先を当該リクエストの宛先に応じたバックエンド側のアドレス(VTサーバ200、スイッチ300またはストレージ400のアドレス)に変換する。
【0051】
アドレス変換部140は、上記とは逆のアドレス変換を行うこともある。VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400のカラー変換後のGUIに対応するDOMデータをレスポンスとしてクライアント500に送信するときである。すなわち、レスポンスの送信元を管理サーバ100のアドレスに変換し、同宛先をクライアント500のアドレスに変換する。
【0052】
上記のアドレス変換用の情報(アドレス変換部140が受け付ける宛先URLと転送先IPアドレスとの対応情報)は、記憶部110に予め格納される。
リクエスト送信部150は、アドレス変換部140によるアドレス変換後のリクエストを、変換後のアドレスに相当する装置(VTサーバ200、スイッチ300またはストレージ400)に送信する。
【0053】
レスポンス受信部160は、リクエスト送信部150により送信されたリクエストに対するレスポンスを受信する。レスポンスは、GUIの表示に用いられるDOMデータを含む。レスポンス受信部160が受信するレスポンスの宛先は、管理サーバ100のアドレスである。同送信元は、レスポンスを送信したVTサーバ200、スイッチ300またはストレージ400のアドレスである。
【0054】
カラー変換部170は、レスポンス受信部160により受信されたレスポンスに含まれるDOMデータに対し、記憶部110に記憶されたカラー配列情報に基づくカラー変換を実行する。
【0055】
レスポンス送信部180は、カラー変換部170によるカラー変換、および、アドレス変換部140によるアドレス変換後のレスポンスをクライアント500に送信する。
図6は、カラー配列情報の例を示す図である。カラー配列情報111は、記憶部110に予め格納される。カラー配列情報111は、カラー変換部170によるカラー変換のルールを示す情報である。
【0056】
カラー配列情報111には、カラー変換のルールを複数登録することができる。カラー変換のルールは、““colorTable”:{}”の定型句によって表される。““colorTable”:{}”のうち、2つの中括弧記号(“{}”)の間に、許容する背景色と文字列との組合せを1以上定義できる。
【0057】
また、カラー配列情報111には、カラー変換の対象外とするURLやフレームを指定することもできる。変換対象外とするURLは、““url”:{}”の定型句によって表される。““url”:{}”のうち、2つの中括弧記号(“{}”)の間に、変換対象外とするURLを1以上定義できる。変換対象外とするフレームは、““frame”:{}”の定型句によって表される。““frame”:{}”のうち、2つの中括弧記号(“{}”)の間に、変換対象外とするフレームの識別情報を1以上定義できる。
【0058】
カラー配列情報111では、上記の“url”、“frame”および“colorTable”の設定を纏めて1セットと考えることができる。次に、設定内容の具体例を説明する。以下では、図6においてカラー配列情報111に便宜的に付した行番号により、各行の内容を指し示す。
【0059】
例えば、カラー配列情報111の2行目〜14行目は、デフォルトの変換ルールを示している。2行目〜14行目の設定では、カラー変換の対象外とするURLやフレームは設定されていない。また、同箇所の設定では、“colorTable:{・・・}”の部分(7行目〜13行目)に、背景色と文字色との複数の組合せが登録されている。ここで、“colx_b”(x=1,2,3,・・・)は、x番目の組合せの背景色を示す。“colx_f”は、x番目の組合せの文字色を示す。
【0060】
1つ目の組合せは、““col1_b”:#FFFFFF”および““col1_f”:#000000”である。1つ目の組合せは、背景色を“#FFFFFF”とし、文字色を“#000000”とすることを示す。ここで、色を表す情報(“#FFFFFF”や“#000000”など)は、カラーパレットで定められる各色を数値化した情報(カラーコード)である。2つ目の組合せとして、““col2_b”:#CCFFFF”および““col2_f”:#000000”という情報も設定されている。
【0061】
また、カラー配列情報111の15行目〜27行目は、変換対象外とするURLを指定する場合の変換ルールを示している。15行目〜27行目の設定では、カラー変換の対象外とするURLが設定されている。具体的には、“url:{・・・}”の部分(16行目〜19行目)に、2つのURLが登録されている。第1のURLは、“https://192.168.1.100/main”である。第2のURLは、“https://192.168.1.100/create”である。ここで、“192.168.1.100”は、VTサーバ200のIPアドレスである。すなわち、レスポンスの送信元のURLが“https://192.168.1.100/main”、または、“https://192.168.1.100/create”である場合、カラー変換の対象外とすることを示す。これら2つのURL以外の場合であれば、カラー変換部170は、22行目〜26行目の“colorTable”の設定に従って、カラー変換を行う。ここで、22行目〜26行目の設定内容は、7行目〜13行目の設定内容と同じである。
【0062】
更に、カラー配列情報111の28行目〜40行目は、変換対象外とするフレームを指定する場合の変換ルールを示している。28行目〜40行目の設定では、カラー変換の対象外とするフレームの識別情報(セレクタ(selector)情報と称する)が設定されている。具体的には、““frame”:{・・・}”の部分(31行目〜34行目)に、2つのセレクタ情報が登録されている。第1のセレクタ情報は、“Contents1”である。第2のセレクタ情報は“Contents2”である。すなわち、レスポンスに含まれるDOMデータにおいて、セレクタ情報“Contents1”または“Contents1”で示されるフレームを、カラー変換の対象外とすることを示す。この場合、同DOMデータの他のフレームについては、カラー変換の対象となる。すなわち、変換対象外とするフレームを指定することで、カラー変換の対象とするフレームを絞り込める。カラー変換の対象とするフレームについては、カラー変換部170は、35行目〜39行目の“colorTable”の設定に従って、カラー変換を行う。ここで、35行目〜39行目の設定内容は、7行目〜13行目の設定内容と同じである。
【0063】
なお、第2の実施の形態の例では、あるフレームに属する各表示要素は、共通のセレクタ情報(例えば、クラスセレクタで用いられるクラス属性や、ID(IDentifier)セレクタで用いられるIDセレクタなど)をもつものとする。また、異なるフレームでは、セレクタ情報も異なる。
【0064】
カラー配列情報111の例では、カラー変換のルールの3つのセットを示した。カラー配列情報111の定義によれば、カラー変換部170は、17行目および18行目で示される2つのURLを送信元とするDOMデータをカラー変換の対象外とする。更に、カラー変換部170は、カラー変換の対象となるURLであっても、32行目および33行目で示される2つのフレームに関しては、カラー変換の対象外とする。
【0065】
カラー配列情報111と同じ定義を1つのセットで記述することもできる。例えば、カラー配列情報111において、3行目と4行目の間に17行目と18行目の定義を挿入し、5行目と6行目の間に32行目と33行目の定義を挿入すればよい。その上で、15行目〜40行目の記述を削除しても、上記3つのセットによるカラー変換のルールと同等のルールを定義できる。
【0066】
図7は、キャンセル回数管理テーブルの例を示す図である。キャンセル回数管理テーブル112は、記憶部110に格納される。キャンセル回数管理テーブル112は、項番、URL、回数および閾値の項目を含む。
【0067】
項番の項目には、レコードを識別する番号が登録される。URLの項目には、キャンセル操作またはブラウザのバック操作に対して応答されるGUIのURLが登録される。回数の項目には、キャンセル操作またはブラウザのバック操作に応じて同GUIが応答された回数(キャンセル回数と称する)が登録される。閾値の項目には、カラー変換を抑止するまでのキャンセル回数の閾値が登録される。
【0068】
例えば、キャンセル回数管理テーブル112には、項番が“1”、URLが“https://192.168.1.100/main_cancel”、回数が“1”、閾値が“10”という情報が登録される。
【0069】
これは、キャンセル操作またはブラウザのバック操作により応答されるURL“https://192.168.1.100/main_cancel”のGUIが、クライアント500に対して応答された回数(キャンセル回数)が1回であることを示す。また、IPアドレス“192.168.1.100”を含むURLのGUIに対するカラー変換を抑止するまでのキャンセル回数の閾値が10回であることを示す。すなわち、カラー変換部170は、一定期間におけるキャンセル回数が10回に達すると、VTサーバ200から提供されるGUI(例えば、https://192.168.1.100/の下位のURLで示されるGUI)に対するカラー変換を中止する。
【0070】
図8は、GUIの変換の例を示す図である。GUI710は、カラー変換部170によるカラー変換を行う前のGUIを例示している。GUI720は、カラー変換部170によるカラー変換を行った後のGUIを例示している。例えば、GUI710は、文字列711を含む。文字列711は、“Sample”という文字列である。カラー変換部170は、GUI710の背景色、および、文字列711の文字色の組合せをカラー配列情報111に含まれる背景色および文字色の組合せと照合する。例えば、カラー変換部170は、GUI710の背景色がカラー配列情報111に登録されていることを検出すると、当該背景色に対応する文字色をカラー配列情報111から抽出する。カラー変換部170は、文字列711の色を、カラー配列情報111から抽出した色に変換し、GUI720の表示情報を生成する。GUI720は、文字列721を含む。文字列721は、“Sample”という文字列であり、文字列711に対するカラー変換が行われた結果である。
【0071】
図9は、DOMデータの変換の例を示す図である。DOMデータ810は、GUI710に対応するHTMLデータである。DOMデータ820は、カラー変換部170により、DOMデータ810に対してカラー変換を行うことで生成されたHTMLデータである。以下、DOMデータ810,820それぞれに対して、左側に便宜的に付した番号を用いて各行を指し示す。
【0072】
例えば、DOMデータ810では、5行目の記述により、背景色(“#FFFFFF”)および文字色(“#AAAAAA”)という情報が登録されている。すなわち、GUI710の背景色は“#FFFFFF”で示される色である。文字列711の文字色は、“#AAAAAA”で示される色である。
【0073】
また、例えば、DOMデータ820では、DOMデータ810に対して、カラー変換部170により当該5行目の記述が変更されている。具体的には、5行目の記述により、背景色(“#FFFFFF”)および文字色(“#000000”)という情報が登録されている。すなわち、GUI720の背景色は“FFFFFF”で示される色である。文字列721の文字色は、“#000000”で示される色である。
【0074】
次に、管理サーバ100の処理手順を説明する。
図10は、管理サーバの処理例を示すフローチャートである。以下、図10に示す処理をステップ番号に沿って説明する。
【0075】
(S11)リクエスト受信部130は、クライアント500からリクエストを受信する。アドレス変換部140は、リクエストに含まれる宛先URLに応じて、当該リクエストの宛先を転送先の宛先(VTサーバ200、スイッチ300またはストレージ400の何れかのIPアドレスを含むURL)に変換する。また、アドレス変換部140は、当該リクエストの送信元を管理サーバ100のIPアドレスに変換する。
【0076】
(S12)リクエスト送信部150は、アドレス変換部140によるアドレス変換後のリクエストを送信する。当該リクエストは、変換後の宛先に対応する装置(VTサーバ200、スイッチ300またはストレージ400)に到達する。
【0077】
(S13)カラー変換部170は、記憶部110に記憶されたカラー配列情報111の読み込みを行う。
(S14)レスポンス受信部160は、VTサーバ200、スイッチ300またはストレージ400から、ステップS12で送信したリクエストに対するレスポンスを受信する。レスポンスは、GUIに対応するURLやDOMデータを含む。なお、ステップS13は、ステップS14の後に実行されてもよい。
【0078】
(S15)カラー変換部170は、URLおよびDOMデータをレスポンスから抽出する。
(S16)カラー変換部170は、URLに基づいて、今回受信したレスポンスに含まれるDOMデータがキャンセルまたは戻る操作に対するDOMデータであるか否かを判定する。キャンセルまたはバック操作に対するDOMデータである場合、処理をステップS17に進める。キャンセルまたはバック操作に対するDOMデータでない場合、処理をステップS19に進める。例えば、カラー変換部170は、キャンセル回数管理テーブル112に登録されたキャンセルまたはバック操作後のURLに今回のURLが一致するか否かにより、今回のURLがキャンセルまたはバック操作に応じて応答されたものか否かを判定できる。
【0079】
(S17)カラー変換部170は、キャンセル回数管理テーブル112に登録されたURLのうち、今回のURLに一致するURLのレコードの回数(キャンセル回数)の設定値に、1を加算する。なお、カラー変換部170は、各URLのキャンセル回数について、最後に更新されてから所定時間経過後(例えば、10分間経過後など)に、当該キャンセル回数の設定値を0にリセットする。
【0080】
(S18)カラー変換部170は、キャンセル回数管理テーブル112に登録された何れかのURLに対してキャンセル回数が閾値に達したか否かを判定する。キャンセル回数が閾値に達した場合(あるキャンセル回数=閾値)、処理をステップS27に進める(カラー変換しない)。キャンセル回数が閾値に達していない(何れのキャンセル回数の閾値未満である)場合、処理をステップS19に進める。
【0081】
(S19)カラー変換部170は、ステップS15で抽出したURLがカラー配列情報111にあるか否かを判定する。ある場合、処理をステップS27に進める(カラー変換しない)。ない場合、処理をステップS20に進める。
【0082】
(S20)カラー変換部170は、ステップS15で抽出したDOMデータを参照して、フレームがあるか否かを判定する。フレームがある場合、処理をステップS21に進める。フレームがない場合、処理をステップS23に進める。例えば、カラー変換部170は、フレームに対応する所定のセレクタ情報をDOMデータから検索することで、フレームがあるか否かを判定する。フレームに対応する所定のセレクタ情報がDOMデータ内にあれば、フレームがあることになる。同セレクタ情報がDOMデータ内になければ、フレームがないことになる。
【0083】
(S21)カラー変換部170は、フレームに対応するセレクタ情報をDOMデータから抽出する。
(S22)カラー変換部170は、抽出したセレクタ情報がカラー配列情報111にあるか否かを判定する。ある場合、処理をステップS26に進める(該当フレームについてカラー変換しない)。ない場合、処理をステップS23に進める。ステップS22からステップS23に進む場合、ステップS23〜25でカラー変換の対象となるのは、該当のフレーム内のみとなる。
【0084】
(S23)カラー変換部170は、背景色と文字色との組合せの情報をDOMデータから抽出する。なお、ステップS22 Noの後にステップS23を実行する場合、当該組合せは該当のフレーム内での色の定義ということになる。カラー変換部170は、抽出した背景色がカラー配列情報111にある背景色であるか否かを判定する。抽出した背景色がカラー配列情報111にある背景色である場合、処理をステップS24に進める。抽出した背景色がカラー配列情報111にある背景色でない場合、処理をステップS26に進める(カラー変換しない)。
【0085】
(S24)カラー変換部170は、ステップS23で抽出した文字色がカラー配列情報111にある文字色であるか否かを判定する。ここで、カラー変換部170は、ステップS24では、カラー配列情報111に登録された文字色のうち、ステップS23で抽出した背景色に対応する文字色と、ステップS23で抽出した文字色とを比較して判定を行う。すなわち、ステップS24の判定は、ステップS23で抽出した組合せに対して、カラー配列情報111から背景色が一致する組合せを抽出し、両組合せの文字色が一致しているか否かを判定しているともいえる。抽出した文字色がカラー配列情報111にある文字色である(両組合せについて、両背景色は一致し、両文字色も一致する)場合、処理をステップS26に進める(元々両組合せが一致しているためカラー変換しない)。抽出した文字色がカラー配列情報111にある文字色でない(両組合せについて、両背景色は一致するが、両文字色は一致しない)場合、処理をステップS25に進める。
【0086】
(S25)カラー変換部170は、文字色を変更する。具体的には、カラー変換部170は、DOMデータにおける文字色の定義箇所を、カラー配列情報111から抽出した文字色の情報に置き換える。ステップS25の処理は、図9の例でいえば、DOMデータ810の5行目のtext=“#AAAAAA”の記述を、DOMデータ820の5行目のtext=“#000000”の記述に置き換えることに相当する。
【0087】
(S26)カラー変換部170は、DOMデータを参照して、未処理のフレームがあるか否かを判定する。未処理のフレームがある場合、処理をステップS21に進める。未処理のフレームがない場合、処理を終了する。なお、ステップS20 Noであった場合、今回のDOMデータはフレームをもたないので、カラー変換部170は、ステップS26をスキップしてステップS27に進めてもよい。
【0088】
(S27)アドレス変換部140は、DOMデータを含むレスポンスの宛先をクライアント500とし、送信元を管理サーバ100とする(アドレス変換)。ここまでの手順でカラー変換を行っている場合、ステップS27のレスポンスに含まれるDOMデータは、カラー変換後のDOMデータである。一方、ここまでの手順でカラー変換を行っていない場合、ステップS27のレスポンスに含まれるDOMデータは、ステップS15で抽出したDOMデータである。レスポンス送信部180は、アドレス変換後のレスポンスをクライアント500に送信する。
【0089】
図11は、Webページのレイアウト例を示す図である。GUIは、Webページとして、クライアント500のブラウザにより表示される。ここで、Webページは、複数のフレームをもつレイアウトが可能である。例えば、ヘッダー、サイドバー、コンテンツ1、コンテンツ2およびフッターなどのフレームにそれぞれ別個の内容を表示させることができる。管理サーバ100によれば、フレーム単位にカラー変換を抑止するよう設定可能である。例えば、図6のカラー配列情報111の例では、カラー変換部170は、コンテンツ1(セレクタ情報“contents1”に対応)やコンテンツ2(セレクタ情報“contents2”に対応)に対するカラー変換を抑止する。
【0090】
更に、カラー変換部170は、ユーザによるキャンセル操作やバック操作の回数が所定時間の間に閾値に達した場合にも、該当のURLに対応するGUIのカラー変換を抑止する。ユーザによるキャンセル操作やバック操作の頻度が比較的多い場合、ユーザは、該当のGUIのカラーデザインに対して違和感を覚えている可能性が高いからである。この場合、カラー変換部170は、カラー変換を抑止することで、ユーザの違和感を抑え、設定作業を円滑に行えるよう支援できる。
【0091】
以上のように、管理サーバ100は、VTライブラリ10に属するVTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれから提供されるGUIを、カラー配列情報111を用いて所定の配色となるよう変換する。この場合、VTライブラリ10のユーザは、カラー配列情報111に背景色と文字色との組合せや、カラー変換対象から除外したいURLやフレームの識別情報を設定しておけばよく、GUIのDOMデータを直接編集せずに済む。このため、ユーザによるGUIのカラーデザインの変更に伴う作業の省力化を図れ、GUIのデザイン変更の作業効率を改善することができる。
【0092】
また、管理サーバ100は、カラー配列情報111を基に、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれから提供されるGUIの配色を変更する。これにより、VTサーバ200、スイッチ300およびストレージ400それぞれの機種やベンダが異なっていても、ユーザに対してある程度統一されたカラーデザインによるGUIを提供できる。そのために、ユーザは、カラー配列情報111として、各機器や各ベンダのGUIで用いられている配色の傾向に応じた背景色と文字色との組合せを定義しておけばよい。すると、カラー配列情報111を基に管理サーバ100により、システム製品として配色の統一されたGUIをユーザに提供できる。例えば、VTライブラリ10というシステム製品として配色の統一されたGUIをユーザに提供することで、例えば、ユーザにとって違和感の少ない表示により各種通知を行うことができ、VTライブラリ10の適切な運用支援に貢献できる。
【0093】
なお、第1の実施の形態の情報処理は、演算部1bにプログラムを実行させることで実現できる。また、第2の実施の形態の情報処理は、プロセッサ101にプログラムを実行させることで実現できる。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体13に記録できる。
【0094】
例えば、プログラムを記録した記録媒体13を配布することで、プログラムを流通させることができる。また、プログラムを他のコンピュータに格納しておき、ネットワーク経由でプログラムを配布してもよい。コンピュータは、例えば、記録媒体13に記録されたプログラムまたは他のコンピュータから受信したプログラムを、RAM102やHDD103などの記憶装置に格納し(インストールし)、当該記憶装置からプログラムを読み込んで実行してもよい。
【符号の説明】
【0095】
1 画面構成制御装置
1a 記憶部
1b 演算部
2 サーバ
3 クライアント
4,5 表示情報
4a,5a GUI
T1 カラー配列情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11