(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記FAX送信データの前記宛先回線番号に対応する登録ネットワークアドレスを前記ネットワークを通じて予め定められた管理サーバーに要求し、前記管理サーバーから前記登録ネットワークアドレスを受信するアドレス問合せ部と、
前記管理サーバーから得られた前記登録ネットワークアドレスを宛先として前記FAX送信データを前記ネットワークを通じて送信するFAXネットワーク送信部と、をさらに備え、
前記最短地特定部は、前記登録ネットワークアドレスが前記管理サーバーから得られなかった場合に、前記最短地理情報を特定する処理を実行する、請求項1または請求項2に記載のネットワークファクシミリ装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格を有さない。
【0011】
実施形態に係る画像形成装置10は、例えばWAN(Wide Area Network)80aおよびインターネット80bなどのネットワーク80を通じてFAX通信処理を実行するネットワークファクシミリ装置の一例である。
【0012】
[画像形成装置10の構成]
図1に示されるように、実施形態に係る画像形成装置10は、ユーザーインターフェイス1、画像読取部2、画像形成部3,内蔵ストレージ4、制御部5、通信部6およびモデム7などを備える。ユーザーインターフェイス1は、ユーザーの操作を受け付け可能なタッチパネルまたは押しボタンなどの操作部1aと、前記ユーザーに提示する情報を表示可能なパネル状の表示部1bとを含む。
【0013】
画像読取部2は、原稿の画像を読み取る画像読取処理を実行する装置である。例えば、画像読取部2は、前記原稿が載置されるプラテンガラス、前記原稿に対して光を出射する光源、前記光源を前記プラテンガラスに沿って移動させる機構、前記原稿からの反射光を受光して画像データを出力するラインセンサーなどを備える。
【0014】
画像形成部3は、電子写真方式またはインクジェット方式などの予め定められた方式でシートに画像を形成する画像形成処理を実行する装置である。例えば、画像形成部3は、画像読取部2によって得られる画像データに基づく画像を前記シートに形成する。
【0015】
内蔵ストレージ4は、コンピューター読み取り可能な不揮発性の記憶部の一例である。例えば、ハードディスクドライブまたはフラッシュメモリーなどが、内蔵ストレージ4として採用される。
【0016】
通信部6は、ネットワーク80を通じて他装置と通信を行う通信インターフェイスである。本実施形態において、前記他装置は、WAN80a内の複数の画像形成装置10のうちの自装置以外の装置と、インターネット80b上のSIPサーバー8yとを含む。
【0017】
SIPサーバー8yは、アドレス管理データD3を記憶する不揮発性の記憶部8aを備える情報処理装置である。アドレス管理データD3は、相互に関連付けられた登録回線番号D31と登録ネットワークアドレスD32とを含むデータである。
【0018】
登録回線番号D31は、WAN80a内に存在する1つ以上のネットワークファクシミリ装置に割り当てられた公衆回線800の番号である。登録ネットワークアドレスD32は、WAN80a内に存在する1つ以上のネットワークファクシミリ装置に割り当てられた公衆回線800の番号である。
【0019】
画像形成装置10を含む複数の前記ネットワークファクシミリ装置各々は、初期設定が行われる際に、自装置に割り当てられた公衆回線800の番号およびネットワーク80のアドレスをSIPサーバー8yに送信する。SIPサーバー8yは、複数の前記ネットワークファクシミリ装置から受信した複数組の公衆回線800の番号およびネットワーク80のアドレスの組合せを、アドレス管理データD3として記憶部8aに保存する。
【0020】
さらに、SIPサーバー8yは、前記ネットワークファクシミリ装置から公衆回線800の番号を指定した問合せに応じて、指定された番号に対応する登録ネットワークアドレスD32を要求元の前記ネットワークファクシミリ装置に送信する。
【0021】
モデム7は、いわゆるFAXモデムであり、公衆回線800を通じてFAX送信データD0の送信およびFAX受信データD0aの受信を実行することが可能な通信インターフェイスである。
【0022】
制御部5は、各種の演算、データ処理および画像形成装置10が備える各種の電子機器の制御を実行する。制御部5は、バス100を通じてユーザーインターフェイス1、内蔵ストレージ4、通信部6およびモデム7との間でデータおよび制御信号の受け渡しが可能である。
【0023】
制御部5は、ユーザーインターフェイス1を制御するUI(ユーザーインターフェイス)制御部51、画像読取部2を制御する読取制御部52、画像形成部3を制御する印刷制御部53およびFAX制御部54などを含む。FAX制御部54は、通信部6またはモデム7を制御することにより、FAX送信データD0の送信処理およびFAX受信データD0aの受信処理を実行する。
【0024】
例えば、制御部5は、予め内蔵ストレージ4などに記憶されたプログラムを実行するプロセッサーによって実現される。前記プロセッサーは、MPU(Micro Processor Unit)またはDSP(Digital Signal Processor)などである。
【0025】
UI制御部51は、FAX受付部51Aを含む。FAX受付部51Aは、宛先回線番号D00が設定されたFAX送信データD0の送信ジョブを受け付ける第1送信ジョブ受付処理を実行可能である。
【0026】
前記第1送信ジョブ受付処理において、FAX受付部51Aは、操作部1aに対する操作に従って宛先回線番号D00を設定するとともに、画像読取部2により得られる前記原稿の画像データを送信データD01として含むFAX送信データD0を生成する。宛先回線番号D00は、FAX送信データD0の送信先の公衆回線800における番号である。
【0027】
また、FAX制御部54のジョブ受信部54Aが、FAX送信データD0の送信ジョブを受け付ける第2送信ジョブ受付処理を実行可能である。前記第2送信ジョブ受付処理において、ジョブ受信部54Aは、WAN80aを通じて他装置から宛先回線番号D00が設定されたFAX送信データD0を受信することにより前記送信ジョブを受け付ける。
【0028】
なお、前記第1送信ジョブ受付処理を実行するFAX受付部51Aおよび前記第2送信ジョブ受付処理を実行するジョブ受信部54Aは、送信ジョブ受付部の一例である。
【0029】
そして、FAX受付部51AがFAX送信データD0の送信ジョブを受け付けると、FAX制御部54は、通信部6またはモデム7を通じてFAX送信処理を実行する。
【0030】
また、ジョブ受信部54Aが他装置から宛先回線番号D00が設定されたFAX送信データD0を受信した場合に、FAX制御部54の一部、通信部6およびモデム7は、モデム7を通じてFAX送信の中継処理を実行する。この中継処理を実行するFAX制御部54の一部、通信部6およびモデム7は、FAXゲートウェイ70を構成している。
【0031】
FAX制御部54は、ジョブ受信部54Aに加え、登録要求送信部54B、ゲートウェイデータ登録部54C、FAX回線送信部54D、FAX回線受信部54E、アドレス問合せ部54F、データ取得部54G、最短地特定部54H、FAX送信要求部54I、FAXネットワーク送信部54JおよびFAXネットワーク受信部54Kなどを含む。
【0032】
本実施形態において、FAX制御部54におけるジョブ受信部54A、登録要求送信部54B、ゲートウェイデータ登録部54C、FAX回線送信部54DおよびFAX回線受信部54Eと、通信部6と、モデム7とが、FAXゲートウェイ70を構成している。
【0033】
一方、FAX制御部54におけるアドレス問合せ部54F、データ取得部54G、最短地特定部54H、FAX送信要求部54I、FAXネットワーク送信部54JおよびFAXネットワーク受信部54Kは、通信部6を通じてFAX通信を実行するネットワークファクシミリ装置として機能する部分である。
【0034】
従って、画像形成装置10において、前記ネットワークファクシミリ装置の一部を成す通信部6およびモデム7は、FAXゲートウェイ70の一部を兼ねる。
【0035】
WAN80aを通じて相互に通信可能な複数の画像形成装置10は、FAXゲートウェイ70を内蔵する複数の第1画像形成装置10xと、FAXゲートウェイ70の機能を備えていない1つ以上の第2画像形成装置10yとを含む。
【0036】
複数の第1画像形成装置10xは、WAN80aの全通信エリアにおける複数の地域に分散して配置されている。なお、第1画像形成装置10xが備えるFAXゲートウェイ70は、画像形成装置10がWAN80aを通じて通信可能な複数のFAXゲートウェイ70のうちの1つであり、内蔵FAXゲートウェイの一例である。
【0037】
第2画像形成装置10yは、アドレス問合せ部54F、データ取得部54G、最短地特定部54H、FAX送信要求部54IおよびFAXネットワーク送信部54Jを備えているが、それぞれFAXゲートウェイ70の一部を構成する登録要求送信部54B、ゲートウェイデータ登録部54C、FAX回線送信部54DおよびFAX回線受信部54Eを備えていない。
【0038】
なお、第2画像形成装置10yが、ジョブ受信部54Aを備えている場合および備えていない場合の両方が考えられる。第2画像形成装置10yがジョブ受信部54Aを備えている場合、ジョブ受信部54Aは、パーソナルコンピューターなどの不図示の端末装置から宛先回線番号D00が設定されたFAX送信データD0を受信することができる。
【0039】
第1画像形成装置10xおよび第2画像形成装置10yにおいて、FAXネットワーク受信部54Kは、自装置を宛先とするFAX送信データD0であるFAX受信データをネットワーク80を通じて受信した場合に、受信した前記FAX受信データを内蔵ストレージ4に保存する。
【0040】
さらに、操作部1aに対して受信FAX出力操作が行われた場合に、印刷制御部53が、前記FAX受信データに基づく画像を前記シートに形成する処理を画像形成部3に実行させる。
【0041】
また、第1画像形成装置10xにおいて、モデム7が、公衆回線800を通じた自装置への発呼信号を受信した場合に、FAX回線受信部54Eが、モデム7を通じてFAX送信データD0をFAX受信データD0aとして受信し、受信したFAX受信データD0aを内蔵ストレージ4に保存する。
【0042】
さらに、FAX回線受信部54Eは、他装置からのWAN80aを通じた要求に応じて、内蔵ストレージ4に保存したFAX受信データD0aを要求元に対して送信する。
【0043】
ところで、FAX送信における公衆回線800の利用料金は、通常、宛先の地域が送信元の地域から遠いほど高い。そのため、画像形成装置10の最寄りのFAXゲートウェイ70が、遠隔地を宛先とするFAX送信データD0に基づくFAX送信を実行した場合、高額な公衆回線800の利用料金が発生する。
【0044】
画像形成装置10は、FAXゲートウェイ70を通じて公衆回線800を用いたFAX送信において、
図2に示される手順に従ってFAX送信処理を実行する。これにより、公衆回線800の利用料金を低減することができる。
【0045】
[FAX送信処理]
以下、
図2に示されるフローチャートを参照しつつ、前記FAX送信処理の手順の一例について説明する。
【0046】
本実施形態において、
図2に示される前記FAX送信処理が、FAXゲートウェイ70を内蔵する第1画像形成装置10xによって実行される場合と、FAXゲートウェイ70を備えていない第2画像形成装置10yによって実行される場合とが考えられる。
【0047】
図2に示される前記FAX送信処理は、FAX受付部51Aが前記第1送信ジョブ受付処理を実行したときに開始する。
【0048】
以下の説明において、S101,S102,…は、制御部5が前記F
AX送信処理において実行する工程の識別符号を表す。
【0049】
<工程S101>
宛先回線番号D00が設定されたFAX送信データD0が受け付けられると、アドレス問合せ部54Fが登録アドレス問合せ処理を実行する。
【0050】
前記登録アドレス問合せ処理は、FAX送信データD0の宛先回線番号D00を含む問合せコマンドDx1をSIPサーバー8yに送信し、SIPサーバー8yから宛先回線番号D00に対応する登録ネットワークアドレスD32を受信する処理である。問合せコマンドDx1は、宛先回線番号D00に対応する登録ネットワークアドレスD32を要求するコマンドである。なお、SIPサーバー8yは、予め定められた管理サーバーの一例である。
【0051】
アドレス問合せ部54Fは、SIPサーバー8yから登録ネットワークアドレスD32を得ることができた場合に、処理を工程S102へ移行させ、登録ネットワークアドレスD32を得ることができなかった場合に、処理を工程S103へ移行させる。
【0052】
<工程S102>
工程S102において、FAXネットワーク送信部54Jが、SIPサーバー8yから得られた登録ネットワークアドレスD32を宛先としてFAX送信データD0をネットワーク80を通じて送信する。
【0053】
例えば、FAXネットワーク送信部54Jは、SIPおよびH.323の通信プロトコルに従ってFAX送信データD0に含まれる送信データD01を通信相手の装置に対して送信する。FAXネットワーク送信部54Jは、工程S102の処理の後、前記FAX送信処理を終了させる。
【0054】
<工程S103>
一方、工程S103において、データ取得部54Gが、ゲートウェイデータD1を内蔵ストレージ4から取得する。
図4に示されるように、ゲートウェイデータD1は、複数組のゲートウェイアドレスD11およびゲートウェイ回線番号D12を含むデータである。
【0055】
ゲートウェイデータD1における複数のゲートウェイアドレスD11は、WAN80a内の複数のFAXゲートウェイ70についてのネットワークアドレスである。なお、FAXゲートウェイ70を内蔵する複数の第1画像形成装置10x各々において、第1画像形成装置10x自体のネットワークアドレスがゲートウェイアドレスD11を兼ねる。
【0056】
また、ゲートウェイデータD1における複数のゲートウェイ回線番号D12は、WAN80a内の複数のFAXゲートウェイ70についての公衆回線800の番号である。
【0057】
ゲートウェイデータD1は、後述するゲートウェイデータ登録処理(
図3参照)において複数の第1画像形成装置10xの内蔵ストレージ4に記録されるデータである。工程S103の処理を実行するデータ取得部54Gはゲートウェイデータ取得部の一例である。
【0058】
なお、ゲートウェイデータD1が、ネットワーク80内の不図示の共用サーバーが備える不揮発性のデータ記憶部に記憶されていることも考えられる。この場合、工程S103において、データ取得部54Gは、通信部6を通じて前記共用サーバーの前記データ記憶部からゲートウェイデータD1を取得する。
【0059】
<工程S104>
さらに、データ取得部54Gは、地理対応データD2を内蔵ストレージ4から取得する。
図5に示されるように、地理対応データD2は、公衆回線800の番号の一部である局番D21と地理情報D22との対応関係を表すデータである。工程S104の処理を実行するデータ取得部54Gは地理対応データ取得部の一例である。
【0060】
例えば、地理情報D22が、公衆回線800の番号の局番D21ごとに1組または複数組の経度D22aおよび緯度D22bの情報であることが考えられる。
図5に示される例では、地理情報D22は、局番D21ごとに1組の経度D22aおよび緯度D22bの情報である。局番D21ごとに1組の経度D22aおよび緯度D22bは、局番D21に対応する地域における重心位置などの代表位置に対応している。
【0061】
なお、地理情報D22が、局番D21に対応する地域を囲む多角形における複数の頂点の位置に対応する複数組の経度D22aおよび緯度D22bの組合せの情報であることも考えられる。
【0062】
<工程S105>
次に、最短地特定部54Hが、最短地特定処理を実行する。前記最短地特定処理は、複数のゲートウェイ回線番号D12の局番D12aに対応する地理対応データD2の複数の地理情報D22の中から、1つの地理情報D22である最短地理情報を特定する処理である。
【0063】
前記最短地理情報は、FAX送信データD0に設定された宛先回線番号D00の局番に対応する地理対応データD2の地理情報D22が表す地域に対して最も近い地域を表す1つの地理情報D22である。
【0064】
本実施形態において、最短地特定部54Hは、比較対象とする複数の地理情報D22の経度D22aおよび緯度D22bにより特定される複数の地点の距離の比較により前記最短地理情報を特定する。
【0065】
地理対応データD2において、1つの局番D21に対して複数組の経度D22aおよび緯度D22bが対応付けられていることも考えられる。この場合、最短地特定部54Hは、前記1つの局番D21に対応する複数の地点と宛先回線番号D00の局番に対応する1つまたは複数の地点との距離のうち最小の距離を、前記1つの局番D21と宛先回線番号D00に対応する地点との距離として算出する。
【0066】
公衆回線800の番号における局番D21は、例えば市町村などの地域ごとに予め設定されている。前記最短地理情報に対応する局番D21を含むゲートウェイ回線番号D12が割り当てられたFAXゲートウェイ70は、その他のFAXゲートウェイ70よりも宛先回線番号D00に相当する地域の近くに設置されていると考えられる。
【0067】
なお、工程S105の処理を実行する装置が第1画像形成装置10xである場合、前記最短地理情報に対応するFAXゲートウェイ70は、自装置が内蔵するFAXゲートウェイ70および他の第1画像形成装置10xが内蔵するFAXゲートウェイ70のいずれかである。
【0068】
<工程S106>
次に、FAX送信要求部54Iが、前記最短地理情報に対応するゲートウェイアドレスD11が割り当てられたFAXゲートウェイ70に対し、WAN80aを通じてFAX送信データD0を送信するとともに、FAX送信データD0に基づく公衆回線800を通じたFAX送信を要求する。
【0069】
本実施形態において、工程S106におけるFAX送信データD0の送信先は、FAXゲートウェイ70を備える第1画像形成装置10xである。その第1画像形成装置10xが自装置であることも考えられる。
【0070】
前記FAX送信の要求を受けた第1画像形成装置10xにおいて、FAXゲートウェイ70のFAX回線送信部54Dが、モデム7を制御することにより、受信したFAX送信データD0に基づく公衆回線800を通じたFAX送信を実行する。
【0071】
FAX送信要求部54Iは、工程S106の処理の後、前記FAX送信処理を終了させる。
【0072】
以上に示されるように、本実施形態によれば、FAX送信データD0が、前記最短地理情報に対応するFAXゲートウェイ70から宛先回線番号D00が割り当てられた相手装置へ送信される(S106)。そのため、公衆回線800の利用料金を低減することができる。
【0073】
[ゲートウェイデータ登録処理]
次に、
図3に示されるフローチャートを参照しつつ、前記ゲートウェイデータ登録処理の手順の一例について説明する。
【0074】
図3に示される前記ゲートウェイデータ登録処理は、それぞれFAXゲートウェイ70を備える複数の第1画像形成装置10xによって実行される。より具体的には、前記ゲートウェイデータ登録処理は、WAN80a内に新たに追加されたFAXゲートウェイ70である新規ゲートウェイを備える第1画像形成装置10xと、WAN80a内に既に存在するFAXゲートウェイ70である既存ゲートウェイを備える1つ以上の第1画像形成装置10xとによって実行される。
【0075】
複数の第1画像形成装置10xにおいて、UI制御部51は、ゲートウェイ登録受付処理を実行するゲートウェイ登録受付部51Bを含む。ゲートウェイ登録受付部51Bは、前記新規ゲートウェイを内蔵する第1画像形成装置10xにおいて前記ゲートウェイ登録受付処理を実行する。
【0076】
前記ゲートウェイ登録受付処理において、ゲートウェイ登録受付部51Bは、操作部1aに対する操作に従って、前記新規ゲートウェイに割り当てられたゲートウェイ回線番号D12を設定する。さらに、ゲートウェイ登録受付部51Bは、前記ゲートウェイデータ登録処理を開始させる。
【0077】
一方、前記既存ゲートウェイを内蔵する第1画像形成装置10xが起動したときに、起動した第1画像形成装置10xのゲートウェイデータ登録部54Cが、前記ゲートウェイデータ登録処理を開始する。
【0078】
以下の説明において、S201,S202およびS2
03は、前記新規ゲートウェイが前記ゲートウェイデータ登録処理において実行する工程の識別符号を表す。また、S301,S302,S303およびS304は、前記既存ゲートウェイが前記ゲートウェイデータ登録処理において実行する工程の識別符号を表す。
【0079】
<工程S201>
前記新規ゲートウェイを内蔵する第1画像形成装置10xにおいて、登録要求送信部54Bが、前記新規ゲートウェイのゲートウェイアドレスD11およびゲートウェイ回線番号D12を含む登録要求データDx2をWAN80aを通じてブロードキャスト送信する。
【0080】
さらに、登録要求送信部54Bは、登録要求データDx2を受信した前記既存ゲートウェイから応答データDx3を受信する。応答データDx3は、登録要求データDx2を受信した前記既存ゲートウェイのゲートウェイアドレスD11を含む。
【0081】
<工程S202>
次に、登録要求送信部54Bは、応答データDx3の送信元の1つに対し、WAN80aを通じてゲートウェイデータ要求コマンドDx4を送信する。さらに、登録要求送信部54Bは、ゲートウェイデータ要求コマンドDx4の送信先からゲートウェイデータD1を受信する。
【0082】
前述したように、ゲートウェイデータD1は、複数のFAXゲートウェイ70各々のゲートウェイアドレスD11およびゲートウェイ回線番号D12を含むデータである(
図4参照)。
【0083】
<工程S203>
次に、ゲートウェイデータ登録部54Cが、工程S202で得られたゲートウェイデータD1を内蔵ストレージ4に記録する。その後、ゲートウェイデータ登録部54Cは、新規ゲートウェイを備える第1画像形成装置10xにおける前記ゲートウェイデータ登録処理を終了させる。
【0084】
<工程S301>
一方、前記既存ゲートウェイを内蔵する全ての第1画像形成装置10xにおいて、ゲートウェイデータ登録部54Cが、工程S201においてブロードキャスト送信される登録要求データDx2を受信する処理を実行する。
【0085】
ゲートウェイデータ登録部54Cは、登録要求データDx2を受信できない場合、処理を工程S303へ移行させる。また、ゲートウェイデータ登録部54Cは、登録要求データDx2を受信した場合、処理を工程S302へ移行させる。
【0086】
<工程S302>
工程S302において、ゲートウェイデータ登録部54Cは、内蔵ストレージ4に記憶されているゲートウェイデータD1に、登録要求データDx2に含まれる前記新規ゲートウェイのゲートウェイアドレスD11およびゲートウェイ回線番号D12を追加する。これにより、ゲートウェイデータD1が、前記新規ゲートウェイの情報を含むデータへ更新される。
【0087】
ゲートウェイデータ登録部54Cは、工程S302の後、処理を工程S303へ移行させる。工程S301,S302の処理は、前記新規ゲートウェイが追加されるごとに実行される。従って、ゲートウェイデータ登録部54Cは、登録要求データDx2を複数のFAXゲートウェイ70各々からWAN80aを通じて受信し(S301)する。さらに、ゲートウェイデータ登録部54Cは、受信した登録要求データDx2に含まれるゲートウェイアドレスD11およびゲートウェイ回線番号D12をゲートウェイデータD1の一部として内蔵ストレージ4に記憶させる(S302)。
【0088】
<工程S303>
工程S303において、ゲートウェイデータ登録部54Cは、前記新規ゲートウェイを内蔵する第1画像形成装置10xからゲートウェイデータ要求コマンドDx4を受信する処理を実行する。
【0089】
工程S303において、ゲートウェイデータ登録部54Cは、ゲートウェイデータ要求コマンドDx4を受信できない場合、処理を工程S301へ移行させる。また、ゲートウェイデータ登録部54Cは、ゲートウェイデータ要求コマンドDx4を受信した場合、処理を工程S304へ移行させる。
【0090】
<工程S304>
工程S304において、ゲートウェイデータ登録部54Cは、ゲートウェイデータ要求コマンドDx4の要求元に対し、内蔵ストレージ4に記憶されているゲートウェイデータD1を送信する。その後、ゲートウェイデータ登録部54Cは、処理を工程S301へ移行させる。
【0091】
以上に示されるように、ゲートウェイデータ登録部54Cは、登録要求データDx2を複数のFAXゲートウェイ70各々からWAN80aを通じて受信し、受信した登録要求データDx2に含まれるゲートウェイアドレスD11およびゲートウェイ回線番号D12をゲートウェイデータD1の一部として内蔵ストレージ4に記憶させる(S301,S302)。
【0092】
従って、前記既存ゲートウェイを備える1つまたは複数の第1画像形成装置10xにおいて、ゲートウェイデータD1に前記新規ゲートウェイのデータを追加する操作を行う手間が省略される。
【0093】
また、登録要求送信部54Bは、自装置が内蔵するFAXゲートウェイ70のゲートウェイアドレスD11およびゲートウェイ回線番号D12を含む登録要求データDx2をブロードキャスト送信する(S201)。
【0094】
従って、前記既存ゲートウェイを備える第1画像形成装置10xにおいて、既存の第1画像形成装置10x各々を特定して登録要求データDx2を送信する必要がない。
【0095】
[応用例]
以上に示された画像形成装置10において、宛先回線番号D00が外国の番号である場合に、FAX受付部51Aが、FAX送信データD0の送信を制限することが考えられる。
【0096】
例えば、FAX受付部51Aが、予め登録されたパスワードが操作部1aを通じて入力された場合にのみ、FAX送信データD0の送信を許容することが考えられる。
【0097】
また、宛先回線番号D00が外国の番号である場合に、最短地特定部54Hが、外国送信用として予め設定されたゲートウェイアドレスD11を前記最短地理情報として特定することが考えられる。
【0098】
なお、本発明に係るネットワークファクシミリ装置は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。