特許第6607249号(P6607249)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607249
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】通報装置、通報プログラム、通報方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/04 20060101AFI20191111BHJP
   G08B 25/10 20060101ALI20191111BHJP
   G08B 23/00 20060101ALI20191111BHJP
   G08B 21/02 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   G08B25/04 K
   G08B25/10 D
   G08B23/00 520C
   G08B21/02
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-503371(P2017-503371)
(86)(22)【出願日】2016年1月20日
(86)【国際出願番号】JP2016052220
(87)【国際公開番号】WO2016139988
(87)【国際公開日】20160909
【審査請求日】2018年3月1日
(31)【優先権主張番号】特願2015-44115(P2015-44115)
(32)【優先日】2015年3月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】515061949
【氏名又は名称】山崎 友之
(74)【代理人】
【識別番号】230118500
【弁護士】
【氏名又は名称】南部 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】山崎 友之
【審査官】 吉村 伊佐雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−209700(JP,A)
【文献】 特開2003−078590(JP,A)
【文献】 実開昭60−070870(JP,U)
【文献】 特開2005−242764(JP,A)
【文献】 国際公開第01/004441(WO,A1)
【文献】 特開2008−059327(JP,A)
【文献】 特開2004−242154(JP,A)
【文献】 特開2009−194521(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B19/00−31/00
H04M3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被保護者の保護を呼び掛けるための情報を取得する呼び掛け情報取得手段と、
前記呼び掛け情報の発信命令を取得する発信命令取得手段と、
前記発信命令を外部装置から取得した場合、前記呼び掛け情報を発信する呼び掛け情報発信手段と、
前記被保護者の名または連輅先を表示した表示物を、通報装置の本体部から取り外した場合、前記呼び掛け情報の発信を停止する発信停止手段と、
を備えることを特徴とする通報装置。
【請求項2】
前記呼び掛け情報発信手段は、前記発信命令を前記外部装置から取得した場合に限り、前記呼び掛け情報を発信することを特徴とする請求項1記載の通報装置。
【請求項3】
前記被保護者の名または連絡先を記載した紙を内部に収納したケースを備えることを特徴とする請求項1記載の通報装置。
【請求項4】
前記被保護者が保護地に居るか否かを判断するための情報を発信する保護地存否情報発信手段を備えることを特徴とする請求項1記載の通報装置。
【請求項5】
前記呼び掛け情報は、被保護者の保護を呼び掛ける音声メッセージであり、
前記外部装置は、前記被保護者の保護者が利用する電話機であり、
前記呼び掛け情報発信手段は、前記通報装置が備えるスピーカーである、
ことを特徴とする請求項1記載の通報装置。
【請求項6】
コンピュータを、
被保護者の保護を呼び掛けるための情報を取得する呼び掛け情報取得手段、
前記呼び掛け情報の発信命令を取得する発信命令取得手段、
前記発信命令を外部装置から取得した場合、前記呼び掛け情報を発信する呼び掛け情報発信手段、
前記被保護者の名または連絡先を表示した表示物を、通報装置の本体部から取り外した場合、前記呼び掛け情報の発信を停止する発信停止手段、
として機能させることを特徴とする通報プログラム。
【請求項7】
コンピュータが、
被保護者の保護を呼び掛けるための情報を取得する呼び掛け情報取得ステップと、
前記呼び掛け情報の発信命令を取得する発信命令取得ステップと、
前記発信命令を外部装置から取得した場合、前記呼び掛け情報を発信する呼び掛け情報発信ステップと、
前記被保護者の名または連絡先を表示した表示物を、通報装置の本体部から取り外した場合、前記呼び掛け情報の発信を停止する発信停止ステップと、
を実行することを特徴とする通報方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通報装置等に関し、特に徘徊者や病人が保護や救護を求めるための通報装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会が進み、認知症の高齢者が徘徊し、事故やトラブルにあうケースが増えている。このような問題を解決するため、徘徊する高齢者を迅速・適切に保護する必要がある。
また、持病を抱えている人が突然病気を発症したり、健康な人が急病にかかり、自宅や外出先で倒れたりケースも増えている。このような問題を解決するため、急病人を迅速に保護・救護する必要がある。
さらに、窃盗犯やストーカーなどの犯罪者が、被害者宅に不法侵入しようと試みるケースも跡を絶たず、被害者を迅速に保護する必要がある。
すなわち、日々様々な人が保護や救護を求める場合があり、それらの人を迅速・的確に保護し救護するための通報システムが幾つも提案されている(例えば特許文献1の発明)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−332915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の仕組みは、徘徊が懸念される高齢者や持病を抱える人が、通報ボタンを備える通報端末を携帯し、保護や救護が必要な場合は、通報端末の携帯者自らが通報ボタンを押すことにより、所定の保護者又は救護者に通報され、保護や救護を受けることができるものである。
発明が解決しようとする課題
しかし、特許文献1の仕組みでは、認知症の徘徊者が自ら通報ボタンを押すことが可能であるため、判断能力の低い認知症の徘徊者が、必要もないのに通報ボタンを押してしまうことがあり、保護する者に無用の保護活動を強いてしまうという問題があった。すなわち、保護者が無用の保護活動を行っている間に、本当に保護が必要な人の保護が出来なくなるという問題があった。
また、自宅で急病になった場合、通報ボタンを押して救護を求めても、自宅の入口が施錠されていて、救急隊員が家の中に入れず、救護が遅れるという問題があった。
更に、特許文献1の発明を犯罪防止に利用する場合において、犯罪者が被害者宅に不法侵入しようとしている際に通報ボタンを押して保護を求めても、被害者宅の入口の鍵が開いている場合は警察が駆けつける前に犯罪者の不法侵入を許してしまうという問題があった。
すなわち、特許文献1の仕組みは、通報はできるものの、保護・救護を的確に行うために必要な手当がなされておらず、上記のような問題を生じさせてしまうのである。
本発明は、このような課題を解決するためのものであり、通報を的確に行うための手当を充分に行って、迅速・適切な保護や救護を可能にする通報装置等を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、以下の手段を備える装置、コンピュータを以下の手段として機能させるコンピュータプログラム、コンピュータが以下の処理を実行する方法である。
(1)被保護者の保護を呼び掛けるための情報を取得する呼び掛け情報取得手段と、
前記呼び掛け情報の発信命令を取得する発信命令取得手段と、
前記発信命令を外部装置から取得した場合に限り、前記呼び掛け情報を発信する呼び掛け情報発信手段とを備える。
(2)前記呼び掛け情報は、被保護者の保護を呼び掛ける音声メッセージであり、前記外部装置は、前記被保護者の保護者が利用する電話機であり、前記呼び掛け情報発信手段は、前記通報装置が備えるスピーカーである。
(3)前記被保護者の名および連絡先を記載した紙を内部に収納したケースを備える。
(4)前記被保護者の名および連絡先を表示した表示物を、通報装置の本体部から取り外した場合、前記呼び掛け情報の発信を停止する。
(5)前記被保護者が保護地に居るか否かを判断するための情報を発信する保護地存否情報発信手段を備える。
(6)被保護者の保護を要請する保護要請信号の発信命令を取得する発信命令取得手段と、前記発信命令を取得した場合、保護者が利用する装置に対し、前記保護要請信号を発信する信号発信手段と、前記発信命令を取得した場合、被保護者が居る住居の入口の施錠制御装置に対し、施錠または解錠を指示する指示情報を発信する指示情報発信手段とを備える。
(7)前記指示情報発信手段は、前記保護要請信号の送信先に基づいて解錠または施錠の指示情報を発信する。
(8)前記保護要請信号が、病人救護を求める信号である場合、前記指示情報発信手段は前記入口を解錠する旨の指示情報を発信する。
(9)前記入口を施錠するタイミングを取得する施錠タイミング取得手段と、前記タイミングになった場合、前記指示情報発信手段は前記入口を施錠する旨の指示情報を発信する。
(10)前記保護要請信号が、防犯を求める信号である場合、前記指示情報発信手段は前記入口を施錠する旨の指示情報を発信する。
(11)前記発信命令は、前記通報装置が備えるボタンを押すこと、または、前記通報装置が備える紐を引っ張ること、または、前記通報装置が備える突起物を移動させることにより発せられる。
(12)前記保護要請信号は音声メッセージが含まれ、前記音声メッセージを出力する音声メッセージ出力手段を備える。
(13)前記保護要請信号には、前記入口を解錠するための解錠情報が含まれる。
【発明の効果】
【0006】
本発明を利用すれば、被保護者の保護・救護を的確に行うことができる。すなわち、保護する者に無用の保護活動を強いることがないので、本当に保護を必要としている人を適切に保護することができる。さらに、入口の施錠・解錠を適切に行うので、保護者が的確に被保護者の家宅に入ることができると共に、犯罪者の家宅侵入を効果的に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、実施例1で利用するハードウェア概略図である。
図2は、実施例1で利用するハードウェアの機能概略図である。
図3は、呼び掛けメッセージの内容を表した図である。
図4は、紙の記載内容を表した図である。
図5は、実施例1の処理手順を示したフローチャートである。
図6は、実施例2で利用するハードウェア概略図である。
図7は、実施例2で利用するハードウェアの機能概略図である。
図8は、通報メッセージの内容を表す図である。
図9は、他の通報メッセージの内容を表す図である。
図10は、実施例2の処理手順を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
【実施例1】
【0009】
本発明の実施例1の概要を説明する。
実施例1は、徘徊が懸念される高齢者等に携帯端末(通報装置1)を携帯所持させ、徘徊した場合、その高齢者の子供や介護ヘルパー等がその携帯端末に電話をかければ、携帯端末から「迷子になりました。警察に連れて行って下さい」などのメッセージが流れ、周囲の人に保護を求める仕組みを実現するものである。
本発明の実施例1を図に基づいて説明する。
図1および図2は、本実施例の通報装置1のハードウェア概略図である。図1の通報装置1は、徘徊が懸念される認知症の高齢者等が携帯所持する装置であり、本体部2とケース3とを備える。
本体部2の詳細は図2の通りであり、信号受信部11、記憶装置12、スピーカー13、透明ケース14(図1のケース3に相当するケース)、制御装置15を備える。
制御装置15は、発信命令取得部151、呼び掛け情報取得部152、呼び掛け情報発信部153、取り外し判断部154を備える。
また、外部装置としての親機17は、通報装置1を携帯する高齢者の保護者(高齢者の子や介護ヘルパー等)が利用する通信装置(通信装置1の外部にあり、通信装置1とは別体の装置)である。
なお、本体部2は防水であることが望ましい。誤って水に濡らしてしまっても作動するようにするためである。
ケース3は、透明な樹脂性のケースであり、紙31を内部に収納できる空間を有する。ただし、ケース3は透明に限るものではなく、半透明でもよく、さらには透明でなくてもよい。
ケース3は、本体部2に脱着可能に取り付けられるものとする。なお、脱着手段は既知の手段であり、例えば本体部2に所定の凸部を、ケース3にその凸部を嵌め込むことが可能な凹部を設けて脱着できるようにすればよい。また、取り外し判断部154は、本体部2にケース3が取り付けられているか、または取り外されているかを判断する既知の手段であり、例えば本体部2の所定のボタンをケース3が押している場合は本体部2にケース3が取り付けられていおり、そのボタンが押されていない場合はケース3が本体部2から取り外されていることを検知するものである。
図3は、記憶装置11に記憶されている呼び掛けメッセージの内容である。ここには徘徊して帰宅できない高齢者の保護を求めるメッセージ等が記憶されており、これは本体部2の録音機能(図示せず)を利用して録音されたメッセージである。
図4は、紙31に記載された内容である。ここには徘徊して帰宅できない高齢者の氏名や住所・保護者の連絡先などが記載されている。これは保護者が予め記載したものである。
図5は、本実施例のフローチャートである。
本実施例は、保護要請処理(STEP1)、メッセージ取得処理(STEP2)、呼び掛け処理(STEP3)とからなる。
なお、本実施例を実行する事前準備として、保護者は本体部2の録音機能(図示せず)を利用して図3のような呼び掛けメッセージを録音し、さらに、保護者は図4のような保護を求める情報を紙31に記載する。
保護要請処理(STEP1)は、高齢者等が徘徊してしまい、その保護者が保護を要請するための処理である。保護者は親機17から通報装置1に対し電話をかける。これにより、図2のように、本体部2の発信命令取得部151は、信号受信部11を介して親機17からの信号(保護を要請するための電話)を取得し、呼び掛け情報取得部152に対し、呼び掛けメッセージの取得命令を発する。
メッセージ取得処理(STEP2)は、呼び掛けメッセージを取得するための処理である。呼び掛け情報取得部152は、記憶装置12に記憶された図3の呼び掛けメッセージを取得し、呼び掛けメッセージ発信部153に対し、呼び掛けメッセージの発信命令を発する。
呼び掛け処理(STEP3)は、呼び掛けメッセージを発信するための処理である。呼び掛け情報発信部153は、取得した呼び掛けメッセージをスピーカー13から発する。これにより、徘徊高齢者等が携帯する通報装置1から図3の呼び掛けメッセージが流れ、周囲の人に保護を要請することができる。
周囲の人がメッセージを聞いて高齢者に近づき、通報装置1に気づく。そして、ケース3を本体部2から取り外す。これにより周囲の人は紙31を見て連絡先や徘徊高齢者等の氏名などを知ることができ、適切に保護することができる。
なお、本体部2からケース3が取り外された際、取り外し判断部154がそれを検知し、呼び掛け情報発信部153に対し、呼び掛け情報の発信の停止を命令する。これにより、呼び掛け情報発信部153は、メッセージの発信を停止する。
また、本体部2に光発手段(電球など)を設け、メッセージと共に光を発するようにしてもよい。光を発すれば周囲の人がより気づき易くなるからである。
なお、高齢者が自宅を出た際に、「外出したこと(保護地である住宅内に居ないこと)」を保護者に知らせるようにしてもよい。例えば、本体部2にGPS装置を設け、高齢者の自宅の位置と、GPS装置が割り出した現在地とにより、高齢者が自宅内にいるか否かを判断し、自宅の外に居る場合は「外出したこと」を親機17に通報してもよい。さらに、親機17から通報装置1に電話がかかった際に、GPS装置から現在地を親機17に通報してもよい。
【実施例2】
【0010】
本発明の実施例2の概要を説明する。
実施例2は、保護・救護が必要な人の自宅に通報装置50を設置し、急病にかかった場合やストーカーに付け狙われた場合に、通報ボタンを押すと警察や消防に自動的に連絡が行き、それと共に、救急隊員が自宅に容易に入って来られるよう、自宅の入口の施錠を自動的に解除するものである。また一方で、ストーカーに付け狙われ警察に通報した場合は、入口を自動的に施錠するものである。
本発明の実施例2を図に基づいて説明する。
図6および図7は、本実施例の通報装置50のハードウェア概略図である。図6の通報装置50は、通報を求める者の自宅に設置される装置である。
通報装置50の詳細は図6図7の通りであり、ボタン51、紐52、突起物(スライドバー53)、信号発信装置54、メッセージ記憶装置55、スピーカー56、施錠制御装置57、タイミング記憶装置58、制御装置59を備える。
制御装置59は、発信命令取得部591、信号発信部592、指示情報発信部593を備える。また、入口63は、施錠装置631を備える。なお、入口63は、被保護者が居る個別住宅の玄関ドアや、集合住宅の各世帯の玄関ドアである場合もあれば、集合住宅のエントランス(集合住宅の中に入るための総合入口)である場合もあるものとする。
なお、通報装置50には薬手帳などを収納できるようにしてもよい。
図8はメッセージ記憶装置55に記憶されている救急通報メッセージであり、図9はメッセージ記憶装置55に記憶されている防犯通報メッセージである。これは通報装置50の録音機能(図示せず)を利用して録音されたメッセージである。
図10は、本実施例のフローチャートである。
本実施例は、通報要請処理(STEP1)、信号発信処理(STEP2)、施錠指示処理(STEP3)とからなる。
なお、本実施例を実行する事前準備として、通報装置50の利用者は録音機能(図示せず)を利用して図8図9のようなメッセージを録音する。
通報要請処理(STEP1)は、急病を発症してしまった場合、または、ストーカーに付け狙われた場合に通報するための処理である。急病人または犯罪被害者は、通報装置50のボタン51を押すか、または、紐52を引っ張るか、または、スライドバー53を左右どちらかに移動させる。これにより、発信命令取得部591は通報の発信命令を取得する。また、発信命令取得部591は、信号発信部592に対し、通報命令を発する。
信号発信処理(STEP2)は、警察または消防(救急)に通報するための処理である。
信号発信部592は信号発信装置54に対し信号発信命令を発し、信号発信装置54は保護者(警察または消防)が利用する保護者利用装置61に電話をかけ(保護要請信号を発信し)図8図9の録音メッセージを流す。なお、この保護要請信号には集合住宅の入口を解錠するための番号や記号(解錠情報)を含めてもよい。
また、信号発信部592はスピーカー56から図8図9の録音メッセージを流す。これにより急病人や犯罪被害者は警察や消防に適切に通報されていることを知ることができ安心できる。
さらに、信号発信部592は指示情報発信部593に対し、施錠または解錠の指示をする。
施錠指示処理(STEP3)は、入口の施錠または解錠を行うための処理である。
指示情報発信部593は、施錠制御装置57に対し、施錠または解錠の指示の送信を命令し、施錠制御装置57は、施錠又は解錠の指示を施錠装置631に対し行う。そして、施錠装置631は、入口63の施錠または解錠を行う。
なお、この通報装置50が、急病人用の通報装置として機能する場合(保護要請情報の送信先が消防や救急である場合)、指示情報発信部593は、施錠制御装置57を介して施錠装置631に対し、入口62の解錠を指示する。これにより、救急隊員は迅速に急病人を保護・救護できる。すなわち、急病人宅に到着したが入口が施錠されていて救護できないという不都合を回避できる。なお、解錠の指示には、玄関ドアの解錠指示のほか、集合住宅の入口(エントランス)で、集合住宅の入口の解錠要請(部屋番号の入力)があった場合に入口のドアや扉の鍵の解錠を許可する指示が含まれる場合があるものとする。
また、指示情報発信部593は、タイミング記憶装置58から施錠タイミング(例えば、通報から60分後などのタイミング情報)を取得し、そのタイミングになったら、施錠制御装置57に対し施錠指示を出すよう命令し、施錠制御装置57は施錠装置631に施錠を指示する。これにより救急隊員が急病人を病院に連れて行った後に入口が施錠され、窃盗犯の不法侵入を防止できる。
また、この通報装置50が、防犯用の通報装置として機能する場合(保護要請情報の送信先が警察である場合)、指示情報発信部593は、施錠制御装置57に対し、入口の施錠を指示する。これにより、ストーカーなどの犯罪者の家宅侵入を防止できる。
さらに、通報装置50は、保護要請情報の送信先を消防(救急)にするか、または警察にするかを決めるスイッチ(送信先指定手段)を備えていてもよい。
なお、誤ってボタン51を押した場合等はもう一度押すと警察や消防への電話を中止するようにしてもよい。
上記実施例では、特定の例に基づいて本発明の内容を説明したが、本発明はこれに限るものではない。すなわち、本発明の趣旨に沿うものであれば、上記実施例と異なるものであってもよい。
【符号の説明】
【0011】
1 通報装置
2 本体部
3 透明ケース
31 紙
50 通報装置
51 ボタン
52 紐
53 スライドバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10