特許第6607282号(P6607282)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6607282
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】配線部材
(51)【国際特許分類】
   H01B 7/00 20060101AFI20191111BHJP
   H01B 7/08 20060101ALI20191111BHJP
   B60R 16/02 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   H01B7/00 301
   H01B7/08
   B60R16/02 620J
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-103257(P2018-103257)
(22)【出願日】2018年5月30日
【審査請求日】2019年7月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】西村 哲也
(72)【発明者】
【氏名】中野 悠
(72)【発明者】
【氏名】水野 芳正
【審査官】 北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−342394(JP,A)
【文献】 特開昭49−047885(JP,A)
【文献】 特開2002−325323(JP,A)
【文献】 実開昭58−168010(JP,U)
【文献】 特開昭62−256492(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 7/00
B60R 16/02
H01B 7/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート材と、
前記シート材の主面上において交差部を有するように配設された複数の絶縁電線と、
を備え、
前記複数の絶縁電線のうち前記交差部における下側電線部を構成する絶縁電線は、長手方向に間隔をあけた複数箇所で前記シート材と固定されており、
前記下側電線部の絶縁被覆が、前記交差部の位置で前記シート材に固定されており、この固定部分における前記下側電線部の絶縁被覆と前記シート材とのうち少なくとも一方の厚みが薄くなっている、配線部材。
【請求項2】
請求項1に記載の配線部材であって、
前記交差部における上側電線部を構成する絶縁電線が、前記交差部を挟む第1位置及び第2位置でそれぞれ前記シート材と固定されている、配線部材。
【請求項3】
請求項2に記載の配線部材であって、
前記第1位置と前記第2位置との間隔が30ミリメートル以下である、配線部材。
【請求項4】
請求項3に記載の配線部材であって、
前記第1位置と前記第2位置との間隔が20ミリメートル以下である、配線部材。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記第1位置及び前記第2位置と前記交差部との間隔がそれぞれ前記上側電線部を構成する絶縁電線の最小曲げ半径以上である、配線部材。
【請求項6】
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記上側電線部を構成する絶縁電線は、前記第1位置及び前記第2位置以外の箇所でも長手方向に沿って、前記第1位置と前記第2位置との間隔とは異なる間隔をあけて前記シート材に固定されている、配線部材。
【請求項7】
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の配線部材であって、
前記絶縁電線のうち前記交差部を構成する部分が偏平である、配線部材。
【請求項8】
請求項7に記載の配線部材であって、
前記絶縁電線のうち前記交差部以外の部分において前記交差部を構成する部分よりも偏平でない部分が存在する、配線部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両に搭載される電気部品をつなぐ配線部材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両に搭載される電気部品をつなぐ配線部材が偏平に形成されたものとして、例えばフレキシブルフラットケーブル(FFC)又はフレキシブルプリント基板(FPC)が存在する(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−11910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記FFC、FPCでは、一の配線部材内で導体同士を短絡させずに交差させることが難しい。このため、一の配線部材における導体の配設経路が制限されていた。
【0005】
そこで本発明は、偏平な一の配線部材において導体の配設経路の自由度を高めることができる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1の態様に係る配線部材は、シート材と、前記シート材の主面上において交差部を有するように配設された複数の絶縁電線と、を備える。
【0007】
また第1の態様に係る配線部材において、前記複数の絶縁電線のうち前記交差部における下側電線部を構成する絶縁電線は、長手方向に間隔をあけた複数箇所で前記シート材と固定されており、前記下側電線部の絶縁被覆が、前記交差部の位置で前記シート材に固定されており、この固定部分における前記下側電線部の絶縁被覆と前記シート材とのうち少なくとも一方の厚みが薄くなっている。
【0008】
の態様に係る配線部材は、第1の態様に係る配線部材であって、前記交差部における上側電線部を構成する絶縁電線が、前記交差部を挟む第1位置及び第2位置でそれぞれ前記シート材と固定されている。
【0009】
の態様に係る配線部材は、第の態様に係る配線部材であって、前記第1位置と前記第2位置との間隔が30ミリメートル以下である。
【0010】
の態様に係る配線部材は、第の態様に係る配線部材であって、前記第1位置と前記第2位置との間隔が20ミリメートル以下である。
【0011】
の態様に係る配線部材は、第から第のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記第1位置及び前記第2位置と前記交差部との間隔がそれぞれ前記上側電線部を構成する絶縁電線の最小曲げ半径以上である。
【0012】
の態様に係る配線部材は、第から第のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記上側電線部を構成する絶縁電線は、前記第1位置及び前記第2位置以外の箇所でも、長手方向に沿って前記第1位置と前記第2位置との間隔とは異なる間隔をあけて前記シート材に固定されている。
【0013】
の態様に係る配線部材は、第1から第のいずれか1つの態様に係る配線部材であって、前記絶縁電線のうち前記交差部を構成する部分が偏平である。
【0014】
の態様に係る配線部材は、第の態様に係る配線部材であって、前記絶縁電線のうち前記交差部以外の部分において前記交差部を構成する部分よりも偏平でない部分が存在する。
【発明の効果】
【0015】
各態様によると、シート材上で絶縁電線を交差させることによって、偏平な一の配線部材において導体の配設経路の自由度を高めることができる。
【0016】
また各態様によると、交差部の高さを低くすることができ、もって配線部材の厚みが大きくなることを抑えることができる。
【0017】
の態様によると、配線部材が曲げられた場合でも上側電線部が浮きにくくなる。
【0018】
の態様によると、配線部材が曲げられた場合でも上側電線部がより浮きにくくなるとともに、浮いた場合の量を小さくできる。
【0019】
の態様によると、配線部材が曲げられた場合でも上側電線部が特に浮きにくくなるとともに、浮いた場合の量をさらに小さくできる。
【0020】
の態様によると、交差部の前後で曲がる上側電線部が傷つきにくい。
【0021】
の態様によると、絶縁電線の配設形態に応じて固定することができる。
【0022】
の態様によると、交差部の高さを低くすることができる。
【0023】
の態様によると、電線として例えば丸電線などの汎用電線を使用した場合にも、交差部の高さを低くすることができる。

【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】実施形態に係る配線部材を示す平面図である。
図2図1のII−II線に沿って切断した概略断面図である。
図3図1のIII−III線に沿って切断した概略断面図である。
図4】変形例に係る配線部材を示す概略断面図である。
図5】変形例に係る配線部材を示す概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
{実施形態}
以下、実施形態に係る配線部材について説明する。図1は、実施形態に係る配線部材10を示す平面図である。図2は、図1のII−II線に沿って切断した概略断面図である。図3は、図1のIII−III線に沿って切断した概略断面図である。
【0026】
配線部材10は、車両に搭載される電気部品をつなぐ部材である。配線部材10は、偏平に形成されている。配線部材10は、シート材20と、複数の絶縁電線30と、を備える。
【0027】
シート材20は、複数の絶縁電線30を偏平な状態に保持する。シート材20を構成する材料は特に限定されるものではないが、シート材20は、好ましくはPVC(ポリ塩化ビニル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレン)などの樹脂を含む材料によって形成される。シート材20は、金属などの材料を含むこともあり得る。シート材20は、好ましくは、可撓性を有する。シート材20は、単層であってもよいし、複数層積層されていてもよい。複数層積層されている場合、例えば、樹脂層と樹脂層とが積層されていることが考えられる。また例えば、樹脂層と金属層とが積層されていることが考えられる。また例えば、金属層と金属層とが積層されていることが考えられる。
【0028】
図1に示す例では、シート材20は方形状に形成されているが、シート材20の形状はこれに限られない。シート材20は、絶縁電線30の配設経路等に応じた形状に形成されるとよい。絶縁電線30が配設されない部分は、適宜省略可能である。例えば、図1に示す例において絶縁電線30が配設されない部分が省略されてT字状などにされていることも考えられる。またシート材20のうち絶縁電線30が配設されない部分、より詳細には電線配設面の空部分又は電線配設面とは反対側面には、マーキングが施されることも考えられる。係るマーキング形状は特に限定されるものではなく、例えば文字であってもよいし、バーコード、QRコード(登録商標)などであってもよい。また係るマーキングに含まれる情報は特に限定されるものではなく、例えば、製造番号、端末名、品番など当該配線部材10に係る各種情報が含まれることが考えられる。また係るマーキング手段は特に限定されるものではなく、印刷によるもの、凹凸形状によるものなど各種手段を採用することができる。またシート材20は、例えば、その色の違いによって、部品分け、種別分けがなされてもよい。
【0029】
絶縁電線30は、車両に搭載される電気部品をつなぐ部材である。絶縁電線30は、電源を供給する電源線、信号を伝達する信号線などとして用いられる。シート材20上に配設される絶縁電線30のすべてが、電源線として用いられてもよいし、信号線として用いられてもよい。また電源線として用いられる絶縁電線30と信号線として用いられる絶縁電線30との両方がシート材20上に混在するように配設されていてもよい。
【0030】
具体的には各絶縁電線30は、芯線32と、芯線32を覆う絶縁被覆34とを含む。芯線32は、1本又は複数本の素線で構成される。素線は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の導体で形成される。芯線32が複数本の素線で構成される場合、複数本の素線は撚られていることが好ましい。絶縁被覆34は、PVC、PE(ポリエチレン)などの樹脂材料が芯線32の周囲に押出成形されたり、エナメルなどの樹脂塗料が芯線32の周囲に塗布されたりして形成される。
【0031】
絶縁電線30は、一般電線、シールド線、ツイスト線、アンテナ線などであってもよい。また、絶縁電線30は、単一の物でもよいし、各種複合した物(複合物をシースで覆ったケーブル等)でもよい。以下では絶縁電線30は、横断面が円形のいわゆる丸電線である一般電線であるものとして説明する。
【0032】
絶縁電線30は、例えば端部に設けられた端子、コネクタなどを介して車両に搭載される電気部品に接続される。図1に示す例では、絶縁電線30の端部はシート材20から外方に延出しているが、絶縁電線30の端部がシート材20上に配設されている場合もあり得る。
【0033】
複数の絶縁電線30は、シート材20の主面上において交差部40を有するように配設されている。以下では、交差部40において下側に位置する絶縁電線30を下側電線部42と称し、上側に位置する絶縁電線30を上側電線部44と称する。また、下側電線部42を形成する絶縁電線30を絶縁電線30aと称し、上側電線部44を形成する絶縁電線30を絶縁電線30bと称することがある。下側電線部42は、交差部40において最もシート材20側に位置する絶縁電線30である。下側電線部42は、通常シート材20と接している。上側電線部44は、交差部40において下側電線部42に対してシート材20と反対側に重ねられる絶縁電線30である。上側電線部44は、通常下側電線部42と接している。
【0034】
ここで一の交差部40における下側電線部42の数は、1本であってもよいし、複数本であってもよい。同様に一の交差部40における上側電線部44の数は、1本であってもよいし、複数本であってもよい。一の交差部40における上側電線部44の数と下側電線部42の数とは同じであってもよいし、異なっていてもよい。図1に示す例は、一の交差部40における上側電線部44の数と下側電線部42の数とが共に3本である事例である。このため、一の交差部40において一の下側電線部42の上を3本の上側電線部44が越えている。また一の交差部40において一の上側電線部44が3本の下側電線部42を越えている。
【0035】
複数の絶縁電線30は、シート材20の主面上に固定されている。係る固定態様として、接触部位固定であってもよいし、非接触部位固定であってもよいし、両者が併用されていてもよい。ここで接触部位固定とは、絶縁電線30とシート材20とが接触する部分がくっついて固定されているものである。また、非接触部位固定とは、接触部位固定でない固定態様であり、例えば、縫糸、別のシート材、粘着テープなどが、絶縁電線30をシート材20に向けて押え込んだり、絶縁電線30とシート材20とを挟み込んだりして、その状態に維持するものである。以下では、絶縁電線30とシート材20とが、接触部位固定の状態にあるものとして説明する。
【0036】
係る接触部位固定の態様として、接触部位間接固定であってもよいし、接触部位直接固定であってもよいし、異なる領域で両者が併用されていてもよい。ここで接触部位間接固定とは、絶縁電線30とシート材20とが、その間に設けられた接着剤、粘着剤、両面粘着テープなどを介して間接的にくっついて固定されているものである。また接触部位直接固定とは、絶縁電線30とシート材20とが別に設けられた接着剤等を介さずに直接くっついて固定されているものである。接触部位直接固定では、例えば絶縁電線30とシート材20とのうち少なくとも一方に含まれる樹脂が溶かされることによってくっついて固定されることが考えられる。以下では、絶縁電線30とシート材20とが、接触部位直接固定の状態にあるものとして説明する。
【0037】
係る接触部位直接固定の状態が形成されるに当たり、樹脂は、例えば、熱によって溶かされることも考えられるし、溶剤によって溶かされることも考えられる。つまり、接触部位直接固定の状態としては、熱による接触部位直接固定の状態であってもよいし、溶剤による接触部位直接固定の状態であってもよい。好ましくは、熱による接触部位直接固定の状態であるとよい。
【0038】
このとき接触部位直接固定の状態を形成する手段は特に限定されるものではなく、溶着、融着、溶接等の公知の手段を用いることができる。例えば、溶着によって熱による接触部位直接固定の状態を形成する場合、超音波溶着、加熱加圧溶着、熱風溶着、高周波溶着など種々の溶着手段を採用することができる。またこれらの手段によって接触部位直接固定の状態が形成されると、絶縁電線30とシート材20とは、その手段による接触部位直接固定の状態とされる。具体的には、例えば、超音波溶着によって接触部位直接固定の状態が形成されると、絶縁電線30とシート材20とは、超音波溶着による接触部位直接固定の状態とされる。以下では、絶縁被覆34とシート材20とは、超音波溶着による接触部位直接固定の状態とされているものとして説明する。
【0039】
接触部位直接固定の場合、絶縁電線30の絶縁被覆34に含まれる樹脂と、シート材20に含まれる樹脂とのうちいずれか一方のみが溶けていてもよいし、両方が共に溶けていてもよい。前者の事例の場合、溶けた方の樹脂が溶けない方の樹脂の外面にくっついた状態となり、比較的はっきりした界面が形成されることがある。後者の事例の場合、両方の樹脂が混ざり合ってはっきりした界面が形成されないことがある。特に、絶縁電線30の絶縁被覆34とシート材20とが、同じ樹脂材料など相溶しやすい樹脂を含む場合などに、両方の樹脂が混ざり合ってはっきりした界面が形成されないことがある。
【0040】
絶縁電線30は、長手方向に間隔をあけた複数箇所でシート材20と固定(ここでは溶着)されている。図1に示す例では、固定箇所Pが仮想線で示されている。もっとも絶縁電線30は長手方向に一連にシート材20と固定されていてもよい。
【0041】
上側電線部44を構成する絶縁電線30bは、交差部40を挟む第1位置P1及び第2位置P2でそれぞれシート材20と固定(ここでは溶着)されている。また絶縁電線30bは、第1位置P1及び第2位置P2以外の箇所でもそれぞれシート材20と固定(ここでは溶着)されている。絶縁電線30bが、第1位置P1及び第2位置P2以外の箇所でシート材20に固定されている間隔を以下では、第1間隔D1と称する。また第1位置P1と第2位置P2との間隔を第2間隔D2と称する。
【0042】
第1間隔D1、第2間隔D2は、特に限定されるものではない。第1間隔D1、第2間隔D2が比較的小さく設定されていると、絶縁電線30がより強固にシート材20に固定され、また配線部材10が曲げられた際に絶縁電線30が固定箇所間でシート材20から浮きにくくなる。これに対して第1間隔D1、第2間隔D2が比較的大きく設定されていると、絶縁電線30をシート材20に固定するのに係る時間を短縮できる。従って、第1間隔D1、第2間隔D2は、これらに鑑みて適宜設定されればよい。
【0043】
第1間隔D1は、ここでは概ね一定である。またここでは第1間隔D1は、交差部40を形成しない絶縁電線30とシート材20との固定間隔と同じである。
【0044】
第2間隔D2は、ここでは第1間隔D1とは異なる。特にここでは第2間隔D2は、第1間隔D1よりも小さい。例えば第2間隔D2は、30ミリメートル以下であることが好ましい。さらに例えば第2間隔D2は、20ミリメートル以下であることがより好ましい。
【0045】
第2間隔D2が第1間隔D1よりも小さいのは、配線部材10が曲げられた際に、絶縁電線30bのうち上側電線部44となる部分が、交差部40を形成しない部分よりも固定箇所間でシート材20から浮きやすいことによる。より詳細には、絶縁電線30bは、第1位置P1と第2位置P2との間で下側電線部42を越える部分で、シート材20から離れる方向に曲がっている。このため、電線配設面が内側となるように配線部材10が曲げられた際に、絶縁電線30bは、第1位置P1と第2位置P2との間で、シート材20から浮く方向に曲がり易く、下側電線部42から浮きやすい。これに対して絶縁電線30bのうち交差部40を形成しない部分では、シート材20に沿って延出している。このため、電線配設面が内側となるように配線部材10が曲げられた際に、絶縁電線30bのうち交差部40を形成しない部分は、シート材20の曲げ方向に追従して曲がることができることによって、シート材20から浮きにくい。
【0046】
ここで上記のような配線部材10の曲げは、例えば配線部材10を車両に組付けるときなどに起こり得る。配線部材10を車両に組付けるときに、配線部材10の曲げによって絶縁電線30がシート材20から浮くと、その浮いた部分が周囲の部材に引っ掛かって傷ついたり、絶縁電線30がシート材20から外れたりする恐れがある。特に偏平な配線部材10が組み付けられる箇所は、狭い箇所である場合が多く、少しの浮きでも引っ掛かってしまう恐れがある。これに対してここでは、第2間隔D2が第1間隔D1よりも小さくされていることによって、絶縁電線30bが第1位置P1と第2位置P2との間の部分でもシート材20から浮きにくくされ、もってこれらの事態が生じにくくなる。
【0047】
第1位置P1と交差部40との間隔を第3間隔D3とする。また第2位置P2と交差部40との間隔を第4間隔D4とする。ここで第3間隔D3は、例えば下側電線部42のうち最も第1位置P1側の下側電線部42aと第1位置P1との間隔であることが考えられる。同様に第4間隔D4は、例えば下側電線部42のうち最も第2位置P2側の下側電線部42bと第2位置P2との間隔であることが考えられる。第3間隔D3及び第4間隔D4は、それぞれ上側電線部44を構成する絶縁電線30bの最小曲げ半径(最小屈曲半径、許容曲げ半径などとも言う)以上に設定されている。
【0048】
ここで最小曲げ半径は、絶縁電線30が曲げて配設される際、それを超えた曲げ半径で曲げられることを推奨する値である。より詳細には、絶縁電線30が曲げられると、内周側と外周側との間に周長差が生じ、これにより内周側には圧縮される力がかかり、外周側には伸長される力がかかる。絶縁電線30の曲げ半径が小さくなると、一般にこの力が大きくなる。そしてこの力が大きくなると、絶縁電線30が座屈したり断線したりする恐れがある。よって、この力が大きくなり過ぎないように、絶縁電線30には最小曲げ半径が設定されている。
【0049】
最小曲げ半径は、絶縁電線30の材料、形状、配設状況(固定又は可動など)等に応じて適宜設定される値である。最小曲げ半径は、通常、絶縁電線30の種類ごとに設定される値である。最小曲げ半径は、通常、絶縁電線30の直径の数倍に設定される場合が多い。
【0050】
第3間隔D3及び第4間隔D4が、それぞれ上側電線部44を構成する絶縁電線30bの最小曲げ半径以上に設定されていることによって、上側電線部44を構成する絶縁電線30bが最小曲げ半径より小さい半径で曲げられることを抑制することができる。これにより、絶縁電線30bが傷ついたり、断線したりすることを抑制できる。
【0051】
下側電線部42を構成する絶縁電線30aの絶縁被覆34は、交差部40の位置P3でシート材20に固定されている。この際、当該固定部分における下側電線部42を構成する絶縁電線30aの絶縁被覆34とシート材20とのうち少なくとも一方の厚みがその周囲の部分と比べて薄くなっている。ここでは交差部40の位置P3で下側電線部42を構成する絶縁電線30aの絶縁被覆34とシート材20とが溶着されていることによって当該接着部分における下側電線部42を構成する絶縁電線30aの絶縁被覆34とシート材20とのうち少なくとも一方の厚みが薄くなっている。これにより、下側電線部42の絶縁被覆34とシート材20との厚みの和が溶着前よりも小さくなる。ここでは、一の交差部40において一の下側電線部42の上を、3本の上側電線部44が越えている。このように一の交差部40において一の下側電線部42の上を複数本の上側電線部44が越えている場合、一の下側電線部42のうち複数の上側電線部44と重なる部分それぞれの絶縁被覆34が、シート材20と溶着されているとよい。
【0052】
ここでは、一の交差部40において交差部40全体に亘って下側電線部42の絶縁被覆34がシート材20と溶着されている。つまり、一の交差部40において一の下側電線部42のうち複数の上側電線部44と重なる部分それぞれに加えて、複数の上側電線部44と重なる部分の間の部分の絶縁被覆34がシート材20と溶着されている。もっとも、一の交差部40において一の下側電線部42のうち複数の上側電線部44と重なる部分の間の部分の絶縁被覆34がシート材20と溶着されていない場合もあり得る。
【0053】
以上のように構成された配線部材10によると、シート材20上で絶縁電線30を交差させることによって、偏平な一の配線部材10において導体の配設経路の自由度を高めることができる。
【0054】
また下側電線部42を構成する絶縁電線30aの絶縁被覆34が、交差部40の位置でシート材20に溶着されているため、交差部40の高さを低くすることができ、もって配線部材10の厚みが大きくなることを抑えることができる。
【0055】
また上側電線部44を構成する絶縁電線30bが、交差部40を挟む第1位置P1及び第2位置P2でそれぞれシート材20と固定されているため、配線部材10が曲げられた場合でも上側電線部44が浮きにくくなる。このとき第1位置P1と第2位置P2との第2間隔D2が30ミリメートル以下であると、配線部材10が曲げられた場合でも上側電線部44が浮きにくくなるとともに、浮いた場合の量を小さくできる。特に第1位置P1と第2位置P2との第2間隔D2が20ミリメートル以下であると、配線部材10が曲げられた場合でも上側電線部44が特に浮きにくくなるとともに、浮いた場合の量をより小さくできる。
【0056】
また第1位置P1及び第2位置P2と交差部40との第3間隔D3及び第4間隔D4が、それぞれ上側電線部44を構成する絶縁電線30bの最小曲げ半径以上であるため、絶縁電線30bが最小曲げ半径より小さい曲げ半径で曲げられることが抑制され、交差部40の前後で曲がる上側電線部44が傷つきにくい。
【0057】
また上側電線部44を構成する絶縁電線30bは、第1位置P1及び第2位置P2以外の箇所でも長手方向に沿って、第1位置P1と第2位置P2との第2間隔D2とは異なる第1間隔D1をあけてシート材20に固定されているため、絶縁電線30の配設形態に応じて固定することができる。
【0058】
また複数の絶縁電線30は、シート材20上に位置決めされているため、回路に応じて色分けされずに単色であっても、回路の識別が可能となる。もちろん複数の絶縁電線30は回路に応じて色分けされていてもよい。
【0059】
{変形例}
図4及び図5は、変形例に係る配線部材110を示す概略断面図である。図4は、図2に対応する位置における概略断面図である。図5は、図3に対応する位置における概略断面図である。
【0060】
変形例に係る配線部材110において絶縁電線130のうち交差部140を構成する部分が偏平である。このように絶縁電線130のうち交差部140を構成する部分が偏平であることによって、交差部140の高さを低くすることができる。この際、ここでは上側電線部144と下側電線部142との両方が偏平にされているが、このことは必須の構成ではない。上側電線部144と下側電線部142とのうち上側電線部144のみが偏平にされていてもよいし、下側電線部142のみが偏平にされていてもよい。しかしながら、上側電線部144と下側電線部142との両方が偏平にされると、いずれか一方のみが偏平にされる場合と比べて、交差部140の高さをより低くすることができる。
【0061】
配線部材110において絶縁電線130のうち交差部140以外の部分において交差部140を構成する部分よりも偏平でない部分が存在する。より詳細には、配線部材110においても実施形態と同様に絶縁電線130として丸電線が用いられている。この丸電線のうち交差部140となる部分がプレスされて潰されることによって、交差部140となる部分が偏平にされている。このとき、交差部140以外の部分において、丸電線が潰されないか潰されるにしてもその量が少ない部分が存在することによって、絶縁電線130のうち交差部140以外の部分において交差部140を構成する部分よりも偏平でない部分が存在する。例えば、交差部140を構成する部分を有する絶縁電線130のうちシート材20上に配設される部分において、交差部140を構成せず、かつ、シート材20に固定されない部分が、丸電線が潰されないか潰されるにしてもその量が少ない部分となり得る。
【0062】
絶縁電線130が潰される場合、加熱を伴ってプレスされることが考えられる。また、上側電線部144と下側電線部142とが重なった状態でプレスされて潰されることが考えられる。これらの条件が同時に満たされる場合、加熱温度は低い方が好ましい。加熱温度が高いと、絶縁被覆34が流動し、上側電線部144と下側電線部142とが短絡する恐れがあるためである。
【0063】
このように絶縁電線130のうち交差部140以外の部分において交差部140を構成する部分よりも偏平でない部分が存在すると、絶縁電線130として例えば丸電線などの汎用電線を使用した場合にも、交差部140を構成する部分が潰されるなどして偏平にされることによって交差部140の高さを低くすることができる。
【0064】
特にここでは絶縁電線130のうち交差部140を構成する部分が、交差部140以外の部分よりも偏平である。つまり、絶縁電線130のうち交差部140を構成する部分が最も潰されている部分とされる。これにより交差部140の高さをより低くすることができる。なお、絶縁電線130の端部においては端子との接続のために絶縁電線130が偏平とされることがあり得る。この場合、絶縁電線130の端部が、絶縁電線130のうち交差部140を構成する部分よりも偏平であることもあり得る。この場合、絶縁電線130のうち交差部140を構成する部分が、交差部140以外の中間部分よりも偏平であるとよい。
【0065】
上記配線部材110は、絶縁電線130の一部が偏平にされている例であるが、絶縁電線130が全体に亘って偏平に形成されていることも考えられる。この場合、係る絶縁電線130として、いわゆる平角電線などの予め偏平に形成された絶縁電線130を採用することができる。もちろん丸電線が全体に亘って潰されることによって絶縁電線130が全体に亘って偏平に形成されていてもよい。
【0066】
また絶縁電線130の一部が偏平にされている場合、絶縁電線130のうちシート材20上に配設される部分が全体に亘って偏平に形成され、シート材20上に配設されない部分に偏平でない部分が存在していてもよい。これにより配線部材110のうちシート材20にかかる部分の厚みを小さくすることができる。
【0067】
この他、これまで示した例では、上側電線部44の上には絶縁電線30が重ねられていないが、上側電線部44の上にさらに絶縁電線30が重ねられている場合もあり得る。つまりこれまで示した例は、交差部40において絶縁電線30が二重に交差するものであったが、絶縁電線30が三重以上に交差している場合もあり得る。
【0068】
またこれまで示した例では、一の絶縁電線30が長手方向に沿った一箇所で交差部40を構成していたが、一の絶縁電線30が長手方向に沿った複数箇所で交差部40を構成している場合もあり得る。この場合、当該一の絶縁電線30が、全ての交差部40で上側電線部44を構成している場合もあり得るし、全ての交差部40で下側電線部42を構成している場合もあり得る。さらに当該一の絶縁電線30が一の交差部40では上側電線部44を構成し、別の交差部40では下側電線部42を構成している場合もあり得る。
【0069】
またこれまで示した例では、一の交差部40において一の上側電線部44が複数の下側電線部42を越えていたが、一の交差部40において一の上側電線部44が越える下側電線部42の数が多くなったり、太さが太くなったりすると、第1位置P1と第2位置P2との第2間隔D2が大きくなる。この場合、越えるべき下側電線部42を複数のグループに分割して複数の交差部40を形成するとよい。つまり、一の上側電線部44が一の交差部40において一のグループの下側電線部42を越え、別の交差部40において別のグループの下側電線部42を越えるように構成されているとよい。これにより、一の交差部40において越えるべき下側電線部42の数を減らすことができ、各交差部40において第1位置P1と第2位置P2との第2間隔D2を小さくできる。この場合、隣り合う交差部40の間において上側電線部44を構成する絶縁電線30とシート材20との固定箇所が一になることもあり得る。この一の固定箇所は、隣り合う交差部40のうち一方の交差部40に対する第1位置P1であり、他方の交差部40に対する第2位置P2であるとみなすことができる。
【0070】
またこれまで示した例では、交差部40における上側電線部44が曲がった経路に沿って配設されていたが、直線状の経路に沿って配設されていてもよい。また一の交差部40において複数の上側電線部44が存在する場合、曲がった経路に沿って配設される上側電線部44と、直線状の経路に沿って配設される上側電線部44とのうちいずれか一方のみが存在していてもよいし、両方が存在していてもよい。
【0071】
同様に、交差部40における下側電線部42が曲がった経路に沿って配設されていたが、直線状の経路に沿って配設されていてもよい。また一の交差部40において複数の下側電線部42が存在する場合、曲がった経路に沿って配設される下側電線部42と、直線状の経路に沿って配設される下側電線部42とのうちいずれか一方のみが存在していてもよいし、両方が存在していてもよい。
【0072】
またこれまで示した例では、シート材20上に配設される絶縁電線30のすべてが同じ径であったが、径の異なる絶縁電線30がシート材20上に混在するように配設されていてもよい。例えば、電源線と信号線とを混在させる場合、電源線は信号線よりも比較的電流が大きくなり易いため、電源線として太径の絶縁電線が用いられ、信号線として細径の絶縁電線が用いられることが考えられる。
【0073】
径の異なる絶縁電線30がシート材20上に混在するように配設されている場合であって、シート材20上に交差部40が形成されている場合、交差部40を構成する絶縁電線30として、太径の絶縁電線と細径の絶縁電線とのうちいずれが採用されてもよい。しかしながら、交差部40を構成する絶縁電線30の少なくとも一つが細径の絶縁電線であることが好ましく、交差部40を構成する絶縁電線30のすべてが細径の絶縁電線であることがより好ましい。交差部40を構成する絶縁電線30が細径の絶縁電線であると、交差部40の高さが高くなることを抑制できる。
【0074】
また下側電線部42をなす絶縁電線30aと上側電線部44をなす絶縁電線30bとが、太径の絶縁電線及び細径の絶縁電線の組み合わせで構成される場合、太径の絶縁電線を上側電線部44としてもよいし、細径の絶縁電線を上側電線部44としてもよい。
【0075】
また一の交差部40において一の下側電線部42の上を複数の上側電線部44が越える場合に、複数の上側電線部44が太径の絶縁電線及び細径の絶縁電線の組み合わせで構成される場合、下側電線部42の絶縁被覆34のうち太径の絶縁電線と重なる部分が溶着されているとよい。
【0076】
またこれまで示した例では、交差部40における下側電線部42を構成する絶縁電線30aと上側電線部44を構成する絶縁電線30bとは、少なくとも一方の端部側においてその接続先となる端末部を異にするものであったが、このことは必須の構成ではない。両方の端部側においてその接続先がそれぞれ同じ端末部である場合もあり得る。より具体的には、これまで示した例は、下側電線部42を構成する絶縁電線30aの一方端部が第1コネクタに収容され、他方端部が第2コネクタに収容される場合、上側電線部44を構成する絶縁電線30bの少なくとも一方の端部が第1コネクタ及び第2コネクタとは別の第3コネクタに収容されるものである。これに対して下側電線部42を構成する絶縁電線30aの一方端部が第1コネクタに収容され、他方端部が第2コネクタに収容される場合、上側電線部44を構成する絶縁電線30bにおいてもその一方端部が第1コネクタに収容され、他方端部が第2コネクタに収容されることもあり得る。
【0077】
またこれまで示した例では、交差部40における下側電線部42と上側電線部44とは固定されていなかったが、固定されている場合もあり得る。
【0078】
またこれまで示した例では、シート材20に対して一方主面上にのみ絶縁電線30が配設されていたが、シート材20に対して両主面上に絶縁電線30が配設されていてもよい。この場合、一の絶縁電線30がシート材20に対して両主面上に配設されていてもよい。係る絶縁電線30は、例えば、シート材20の縁部の外方を通って一方主面から他方主面に移ってもよいし、シート材20に形成された凹部、貫通孔などを通って一方主面から他方主面に移ってもよい。
【0079】
また配線部材10には、シート材20とは別に保護材が取付けられていてもよい。係る保護材としては特に限定されるものでなく、例えば粘着テープ、コルゲートチューブ、保護シートなどを用いることができる。
【0080】
また配線部材10には、シート材20とは別に防音材が取付けられていてもよい。かかる防音材は、例えば配線部材10と他の部材との接触時に異音が生じにくくなるように設けられる。係る防音材としては特に限定されるものでなく、例えばウレタンテープなどの発泡樹脂を基材とした粘着テープを用いることができる。また例えば、配線部材10にウレタンフォームなどが直接吹き付けられて防音材とされてもよい。
【0081】
上記保護材、防音材が取付けられるに当たり、配線部材10は、偏平なままであってもよいし、丸められてもよい。また上記保護材、防音材は、電線配設面に設けられてもよいし、電線配設面とは反対側に設けられてもよいし、その両方に設けられていてもよい。
【0082】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせることができる。
【0083】
以上のようにこの発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【符号の説明】
【0084】
10 配線部材
20 シート材
30 絶縁電線
40 交差部
42 上側電線部
44 下側電線部
P1 第1位置
P2 第2位置
【要約】
【課題】偏平な一の配線部材において導体の配設経路の自由度を高めることができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】配線部材10は、シート材20と、前記シート材20の主面上において交差部40を有するように配設された複数の絶縁電線30と、を備える。例えば、前記交差部40における下側電線部42の絶縁被覆34が、前記交差部40の位置で前記シート材20に固定されており、この固定部分における前記下側電線部42の絶縁被覆34と前記シート材20とのうち少なくとも一方の厚みが薄くなっている。また例えば、前記交差部40における上側電線部44を構成する絶縁電線30が、前記交差部40を挟む第1位置P1及び第2位置P2でそれぞれ前記シート材20と固定されている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5