特許第6607299号(P6607299)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6607299
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】焼き器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20191111BHJP
   A47J 37/07 20060101ALI20191111BHJP
   F24C 1/16 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   A47J37/06 366
   A47J37/07
   F24C1/16 B
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2018-193705(P2018-193705)
(22)【出願日】2018年10月12日
【審査請求日】2018年10月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】596172761
【氏名又は名称】坂井 清
(72)【発明者】
【氏名】坂井 清
【審査官】 沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第06213006(US,B1)
【文献】 米国特許第06102031(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/00−37/07
F24C 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース管体と
前記ベース管体の上に位置する下段円錐形状ユニットと
前記下段円錐形状ユニットの上に位置する中段円錐形状ユニットと
前記中段円錐形状ユニットの上に位置する上段円錐形状ユニットと
からなる熱風吐出ユニットを備え
前記ベース管体が取り込んだ熱風を
前記下段円錐形状ユニットと
前記中段円錐形状ユニットとの間から吐出して
前記熱風吐出ユニットの上方位置に設置した焼き網部の外周焼成域に供給し
前記中段円錐形状ユニットと
前記上段円錐形状ユニットとの間から吐出して
前記焼き網部の内周焼成域に供給する
焼き器。
【請求項2】
前記下段円錐形状ユニットと前記上段円錐形状ユニットは前記中段円錐形状ユニットの上下で昇降可能とした請求項1の焼き器。












【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
食品焼成の熱源に持ち運びが容易に出来る一口バーナーヘッドのカセットコンロを使用する焼き器。
【背景技術】
【0002】
ガス供給設備の無い屋外での食品焼成の熱源には利便上,炭が最も多く利用されている。又食品焼成熱源として持ち運びが容易に出来るカートリッジ式ガスボンベを使用するガスコンロの焼き器がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5188645
【特許文献2】特許5254079
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記、特許文献1は持ち運びが便利なバーベキューグリルであるが炭火を熱源として使用し炭受け部の上方位置に焼き網があり食品焼成中の油脂やタレが炭火上に滴下し燃焼に支障を来したり又炭の着火に時間が掛ったり、使用中の火力調整での炭の出し入れが困難だったり、使用終了時の炭火消火に水等で消火しても完全に消火出来ている事の確認が困難であり廃棄や持ち帰り時に支障を来す。又一般に多く使用されている野外のバーベキュー焼き器も箱枠状の下部に炭受け部を備えた構造で箱枠上方位置に焼き網を載置して焼成しているが前記同様の課題がある。
前記特許文献2の焼物はカセットボンベを使用する焼物で持ち運びが容易でガス供給設備の無い場所での食品焼成が可能であるが食品焼成への熱供給が火炎の上方に一対の切妻屋根状のバーナーカバーを備えて、主として前記バーナーカバーの火炎により加熱されて発生する輻射熱と遠赤外線での焼成手法であり、火炎で発生した熱量をバーナーカバーの熱媒体でもって熱を供給する事やバーナーカバー上への油脂やタレの滴下等により熱効率が低下し、且焼成域への均一な熱供給に課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
食品焼成の熱源として持ち運びが容易な一口バーナーヘッドのカセットコンロを使用し、食品焼成下方域外よりガス燃焼により発生した上昇速度を持った熱風流を即座に多段の円錐板より構成されている熱風吐出ユニットに全熱量を取り込み焼成域に均等に供給し、且熱風焼成領域と熱風供給量を調節出来る焼き器。
【発明の効果】
【0006】
本発明の焼き器は、ガス供給設備の無い屋外等で熱源として広く利用されている炭を使用しての焼成手法に於いて,炭の着火に時間が掛かる事と、炭火での火力調整が食品焼成中に容易に出来難い事と、食品焼成中に炭火上に滴下する油脂やタレにより炭火の燃焼を阻害したり、食品焼成が終了して炭火の消火に於いて水等を掛けて消火しても炭火が完全に消火した事の確認が非常に困難であり使用後の炭の持ち帰りや廃棄において火災の危険等の課題がある炭を熱源としての食品焼成であり、前記の課題を解決出来る持ち運びが安全に容易にできる一口バーナーヘッド形式のカセットコンロを使用して熱源使用開始の着火、及び火力調整、消火が即座に容易に出来、安心安全な焼き器である。
【0007】
食品焼成用熱源の熱風を食品焼成下方域外より供給するので、前記課題の炭火やバーナーカバー上に油脂やタレの滴下が無く燃焼熱源への阻害が発生せず且食品焼成下方に油脂やタレの滴下を受けるトレーを設置可能し、依って使用完了後の清掃や洗い等の手間を少なく出来る。
【0008】
一口バーナーヘッドのカセットコンロのガス燃焼により発生する上昇気流と吐出ガスに吐出圧力が有ることにより発生する熱風流が大きな流速を持つ事で熱風吐出ユニットBにその全量を即座に取り込み、下段円錐状ユニット4と中段円錐状ニット5間及び中段円錐状ユニット5と上段円錐状ユニット6間から吐出される熱風の流量流速は減衰される事無く焼成域に供給されるので、熱損出が少なく非常に熱効率に優れている。
【0009】
下段円錐状ユニット4は昇降可能で上方位置に移動することに依り熱風吐出ユニットBに取り込んだ熱風を焼き網部Cの内周域Sbに集約供給出来、上段円錐状ユニット6も昇降可能で下方位置に移動することに依り熱風を焼き網部Cの外周域Saに集約供給出来、焼成食品の種類等に於いて熱風吐出領域と熱風供給量を適切に調節対応出来る機能を有する。
【0010】
本、焼き器の熱源として使用する一口バーナーヘッド形式のカセットコンロは持ち運びが容易でガス供給設備の無い場所に於いても食品焼成が可能で且LS/LPG認証品として一般に市販されており、誰でも着火、火力調整及び消火が容易に出来,安心安全に使用できる焼き器。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】焼き器全体の断面構成図
図2】熱風吐出ユニットの組立要領図(一部詳細斜視図を含む)
図3】熱風吐出ユニットからの熱風基本流れ図
図4】調節された焼き網外周領域への熱風流れ図
図5】調節された焼き網内周領域への熱風流れ図
図6】焼き網部斜視図
図7】トレー斜視図
図8】ベース架台の構造斜視図
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0012】
本発明の焼き器は熱源として使用する一口バーナーヘッド14a形式のカセットコンロ14とベース架台DとトレーEと熱風吐出ユニットBとを焼き器本体ケースA内に収納し、前記焼き器本体ケースA頭部に焼き網部Cを篏合する。
【0013】
熱風吐出ユニットBの構成はベース架台Dの中央位置にパイプD0を接合設置し其のパイプD0に熱風取り込み用のベース管体1を篏合して、其の管体内に順次、熱風均等板2と下段円錐形状ユニット4を組み込み前記熱風均等板2の中央位置に筒3を接合設置し其の筒3に熱風吐出円筒11を篏合し、熱風均等板2の中心に中心軸8を接合し立てる。前記下段円錐形状ユニット4は中心軸8と熱風吐出円筒11に設けてある下部スリット11bを介しリブ4aでもって昇降可能とする。
【0014】
熱風吐出円筒11の全長の約中央位置に熱風を吐出できる孔11aを筒円周面上に穿設し頭部位置に下段円錐形状ユニット4の中心に接合されている昇降用パイプ9の頭部にロックネジ9aを接合して其のロックネジ9aと上段円錐形状ユニット6を昇降させる昇降用パイプ10の頭部位置にロックネジ10aを接合し、ロックネジ9aとロックネジ10aが夫々上下に摺動可能とする上部スリット11cを両側面に設け、上部スリット11c下部位置に上上段円錐形状ユニット7を挿入設置し、熱風吐出円筒11の頭部位置に蓋12とキャップ13を被せる。
【0015】
中段円錐形状ユニット5は熱風吐出円筒11に穿設されている孔11aより熱風の吐出を妨げない位置で熱風吐出円筒11に挿入しビス等で取り付ける。
【0016】
上段円錐形状ユニット6の中央に中心軸8を介して昇降できる昇降用パイプ10を接合設置し昇降用パイプ10の頭部にロックネジ10aを接合し上部スリット11cを介して上段円錐状ユニット6が昇降出来、かつ任意の位置でロック可能とする。
【0017】
下段円錐形状ユニット4の円錐板の傾斜角度θ1はその傾斜稜線延長先が焼き網C1円形の外径端であり中段円錐形状ユニット5の円錐板の傾斜角度θ2はその傾斜稜線延長先が焼き網C1円形の中央位置であり夫々の傾斜角を適切に選定し下段円錐形状ユニット4と中段円錐形状ユニット5間から吐出される熱風を焼き網C1径の外周焼成域S1の領域に供給させ、中段円錐形状ユニット5の円錐板の傾斜角θ2は傾斜稜線延長先が焼き網C1円形の中央位置であり上段円錐形状ユニット6の円錐板の傾斜角θ3はその傾斜稜線延長先が焼き網C1円形の内円径位置と成る様に適切に選定し中段円錐形状ユニット5と上段円錐形状ユニット6間から吐出される熱風が焼き網C1の焼き網内周焼成域S2に吐出させる。
【0018】
一口カセットコンロ14のLPG認証品の発生熱量は約3000Kカリー/hで約400mm径の焼き網C1の全域に食品焼成に必要な温度120℃〜350℃の熱風をガス燃焼により発生した熱風の全量を取り込んだベース管体1と熱風吐出ユニットBから焼き網部Cへ吐出供給可能な熱量であり、更に熱風に流量流速を減衰する構造物が極めて少なく、且流速がある事と合わせて熱損出が少なく又食品焼成に必要な火力はカセットコンロ14の火力調整ツマミ14bにより容易に調整出来る。
【0019】
一口カセットコンロ14のバーナーヘッド14aの外径は75mm〜85mmであり依ってガス燃焼により発生した高温熱風流全量を即座に取り込むベース管体1の内径は90〜95mm程度が適切であり蓋12の外径を110mmに選定して上段円錐形状ユニット6、中段円錐形状ユニット5、下段円錐形状ユニット4の外径を100mmに選定して食品焼成中の油脂やタレが燃焼中のバーナーヘッド14a上への滴下を防止出来、燃焼火力への障害を防止できる。
【0020】
焼き器本体ケースAは内側ケース板A2と外側ケース板A1の二重構造とし内側ケース板A2の熱風が放射される側の面は放射熱反射に有効なクロム等のメッキを施し焼き器本体ケースAの外部への熱伝達を軽減し内外側ケース板の下部にベース架台Dを載置出来る受金具D1を90度均等間隔で4か所接合設置する。
【0021】
ベース架台Dの中央下部域にカセットコンロ14の出し入れが容易に出来るカセットコンロ受け棚D2を設ける。
【0022】
焼き網部Cの焼き網C1のは其の外周に15mm等辺のアングルC2を接合し内径が100mmの中穴C4を空けて其の穴径周辺を6mmのロッドC3を接合する。焼き網部Cは焼き器本体ケースAの頭部に篏合し取り外し自在とする。
【0023】
トレーEは中央域が開口しているお盆形状で外周を15mm幅の外周フラットバーE2を接合し外形寸法は焼き器本体ケースAの内側に挿入できる径とし中央位置の底板E1に中穴E4を設け内径が蓋12の上方より挿入できる径とし其の周囲を15mm幅の内周フラットバーE3を接合しトレー3に水を蓄えて食品焼成中に滴下する油脂やタレの清掃が焼成終了時に容易とし焼き器本体ケースAの底部に載置されているベース架台D上に載置する。
【0024】
焼き器本体ケースAはパイプ足A4が挿入出来るロッドA3を90度均等間隔に焼き器本体ケースAの外周下方に4本接合し、夫々のロッドA3に着脱可能で作業性に適した長さのパイプ足A4を夫々のロッドA3に挿入する。4本のパイプ足A4の夫々の下端に高さを調整可能とするアジャスターA5を設置する。
【0025】
上記これ等焼き器構成の器具類は全て組立及び取り外しが出来、容易に持ち運びが出来る構造とする。
【符号の説明】
【0026】
A 焼き器本体ケース
A1 外側ケース板
A2 内側ケース板
A3 ロッド
A4 パイプ足
A5 アジャスター
B 熱風吐出ユニット
C 焼き網部
C1 焼き網
C2 アングル
C3 ロッド
C4 中穴
D ベース架台
D0 パイプ
D1 受金具
D2 カセットコンロ受け棚
D4 リブ
D5 外枠
E トレー
E1 底板
E2 外周フラットバー
E3 内周フラットバー
E4 中穴
1 ベース管体
2 熱風均等板
3 筒
4 下段円錐形状ユニット
4a リブ
5 中段円錐形状ユニット
6 上段円錐形状ユニット
7 上上段円錐形状ユニット
8 中心軸
9 昇降用パイプ
9a ロックネジ
10 昇降用パイプ
10a ロックネジ
11 熱風吐出円筒
11a 孔
11b 下部スリット
11c 上部スリット
12 蓋
13 キャップ
θ1 傾斜角度
θ2 傾斜角度
θ3 傾斜角度
S1 焼き網外周焼成域
S2 焼き網内周焼成域
Sa 調整された焼き網外周焼成域
Sb 調整された焼き網内周焼成域
【要約】
【課題】
ガス供給設備の無い場所でのバーベキュー用焼き器の熱源は利便上炭の使用が殆んどであり着火、火力調整、消火が困難であり炭火上への油脂やタレの滴下で燃焼に支障を来している。又カセットコンロでの食品焼成に於いてガス燃焼火炎上への油脂やタレの滴下により燃焼障害を防止するためにバーナーカバーや石英管を設置している焼成器に於いてもバーナーカバーや石英管上への油脂やタレの滴下もあり火炎の供給熱量の減衰と焼成域への均等に熱量の供給に課題がある。
【解決手段】
食品焼成の熱源として持ち運びが容易な一口バーナーのカセットコンロを使用し、食品焼成下方域外よりガス燃焼により発生した上昇速度を持った熱風流を即座に多段円錐板より構成されている熱風吐出ユニットに全熱量を取り込み焼成域に均等に供給し、かつ熱風焼成領域と熱風供給量を調節出来る焼き器。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8