特許第6607382号(P6607382)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6607382パテ組成物及びこれを用いた補修塗装方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607382
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】パテ組成物及びこれを用いた補修塗装方法
(51)【国際特許分類】
   C09D 167/06 20060101AFI20191111BHJP
   C09D 7/61 20180101ALI20191111BHJP
   C09D 4/00 20060101ALI20191111BHJP
   C09D 4/02 20060101ALI20191111BHJP
   C09D 5/34 20060101ALI20191111BHJP
   C08G 63/52 20060101ALI20191111BHJP
   C08F 283/01 20060101ALI20191111BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20191111BHJP
   B05D 7/00 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   C09D167/06
   C09D7/61
   C09D4/00
   C09D4/02
   C09D5/34
   C08G63/52
   C08F283/01
   B05D7/24 302V
   B05D7/00 Z
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-171023(P2015-171023)
(22)【出願日】2015年8月31日
(65)【公開番号】特開2017-48281(P2017-48281A)
(43)【公開日】2017年3月9日
【審査請求日】2018年5月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001409
【氏名又は名称】関西ペイント株式会社
(72)【発明者】
【氏名】今井 玄児
【審査官】 上條 のぶよ
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−206863(JP,A)
【文献】 特開2006−206873(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/048739(WO,A1)
【文献】 特開2012−246351(JP,A)
【文献】 特開2015−034240(JP,A)
【文献】 特開2005−095723(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09D 1/00−10/00
C09D 101/00−201/00
B05D 7/00
C08F 283/00
C08G 63/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)および着色顔料(C)を含んでなり、重合性不飽和化合物(B)が、1分子中に重合性不飽和基と多環状エーテル構造を有する化合物であって、
不飽和ポリエステル樹脂(A)固形分100質量部を基準として、化合物(B)が1〜150質量部、着色顔料(C)が1〜150質量部の範囲内にあることを特徴とするノンスチレン型のパテ組成物。
【請求項2】
多環状エーテル構造が、下記式で表されるものである請求項1に記載のパテ組成物。
【化1】
【請求項3】
重合性不飽和化合物(B)以外のその他の重合性不飽和化合物を含み、該その他の重合性不飽和化合物がその成分の一部としてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物を含む、請求項1又は2に記載のパテ組成物。
【請求項4】
脱水剤をさらに含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のパテ組成物。
【請求項5】
多価金属化合物をさらに含む請求項1〜4のいずれか1項に記載のパテ組成物。
【請求項6】
硬化剤として有機過酸化物をさらに含む請求項1〜のいずれか1項に記載のパテ組成物。
【請求項7】
塗装体の損傷部に請求項1〜のいずれか1項に記載のパテ組成物を充填し、乾燥させた後にパテ層を研磨し、その上に補修用塗料組成物を塗装する補修塗装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パテ組成物及びこれを用いた補修塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
不飽和ポリエステル樹脂は、一般に、他の樹脂に比べて比較的安価であり、また常温でも短時間で硬化するため作業性に優れ、さらに主原料の選択によって種々のすぐれた物理的および化学的特性を有するため、パテ、塗料、FRP成形品、レジンコンクリート、注型品等の各種用途に使用されている。
【0003】
従来、パテ組成物には不飽和ポリエステル樹脂の反応性希釈剤として、硬化性や物性の面からスチレンモノマーが用いられていた。
【0004】
しかしながら近年、スチレンモノマーが特定化学物質障害予防規則での規制対象となり、スチレンを含まないパテ組成物、いわゆるノンスチレン型パテ組成物の開発が必要とされてきた。
【0005】
このようなパテ組成物として例えば、特許文献1〜2には、反応性希釈剤として特定の重合性不飽和化合物、硬化促進剤として特定の芳香族アミン化合物、防錆剤を含むパテ組成物が開示されている。かかる組成物によれば、表面乾燥性が良好で、上塗り塗装後の仕上がり面も黄変することなく良好な外観を有し、また厚塗りにした際の内部乾燥性にも優れ、基材や上塗り塗料に対する付着性にも優れたパテ層を形成できるものである。しかしながら、かかるパテ組成物を貯蔵後、硬化性、表面乾燥性、耐水付着性等の物性が低下する現象が起きることがあり、未だ改善の余地が残されている。
【0006】
こうした問題点に関して特許文献3〜4にはカルボキシル基のカルボニル部分に共役した共役二重結合を有するカルボン酸化合物を利用した不飽和ポリエステル樹脂組成物が開示されている。かかる組成物によれば貯蔵安定性及び表面乾燥性が共に良好であるが、この組成物を補修用パテとして適用したときに硬化層の表面が研磨し難いという問題点がある。
【0007】
【特許文献1】特開2005−206781号公報
【特許文献2】特開2006−206863号公報
【特許文献3】特開2008−63528号公報
【特許文献4】特開2008−115217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、スチレンを含まなくても貯蔵安定性および乾燥性に優れ、さらに研磨しやすいパテ層を形成するのに適するパテ組成物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記した課題に関して鋭意検討した結果、不飽和ポリエステル樹脂組成物に特定の化合物を含ませることで、貯蔵安定性が良好で乾燥性と研磨性に優れたパテ層が得られることを見出し、本発明に到達した。
【0010】
すなわち本発明は、
不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)および着色顔料(C)を含んでなり、重合性不飽和化合物(B)が、1分子中に重合性不飽和基と多環状エーテル構造を有する化合物であって、
不飽和ポリエステル樹脂(A)固形分100質量部を基準として、化合物(B)が1〜150質量部、着色顔料(C)が1〜150質量部の範囲内にあることを特徴とするノンスチレン型のパテ組成物、塗装体の損傷部に該パテ組成物を充填し、乾燥させた後にパテ層を研磨し、その上に補修用塗料組成物を塗装する補修塗装方法に関する。
【発明の効果】
【0011】
本発明のパテ組成物によれば、常温乾燥又は強制乾燥の条件でも表面乾燥性と硬度に優れたパテ層が得られる。このパテ層の表面は研磨しやすい性質を有しており、自動車補修用の下地処理剤として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明のパテ組成物に含まれる各成分について順に説明する。
【0013】
<不飽和ポリエステル樹脂(A)>
本発明に使用される不飽和ポリエステル樹脂(A)としては、従来から塗料やパテに用いられているものを制限なく使用することができる。
【0014】
不飽和ポリエステル樹脂(A)は、多価アルコールと不飽和多塩基酸を含む多塩基酸を構成単位とする樹脂であり、これら成分の縮合反応によって製造することができる。
【0015】
多価アルコールとしては例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素化ビスフェノールA、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスフェノールAとプロピレンオキシドまたはエチレンオキシドとの付加物、1,2,3,4−テトラヒドロキシブタン、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,3−プロパンジオール、1,2−シクロヘキサングリコール、1,3−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、パラキシレングリコール、ビシクロヘキシル−4,4’−ジオール、2,6−デカリングリコール、2,7−デカリングリコール、ビスヒドロキシエチルテレフタレート、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノアリルエーテル、トリエチレングリコールモノアリルエーテル、ポリエチレングリコールモノアリルエーテル、プロピレングリコールモノアリルエーテル、ジプロピレングリコールモノアリルエーテル、トリプロピレングリコールモノアリルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、1,2−ブチレングリコールモノアリルエーテル、1,3−ブチレングリコールモノアリルエーテル、ヘキシレングリコールモノアリルエーテル、オクチレングリコールモノアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセリンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル等の水酸基を有するアリル化合物;等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
【0016】
多塩基酸としては、不飽和多塩基酸として、例えば、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水ヘット酸、無水ハイミック酸等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
【0017】
不飽和多塩基酸には、飽和多塩基酸を併用してもよく、かかる飽和多塩基酸としては、例えば、フタル酸、無水フタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、コハク酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、1,12−ドデカン二酸,2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸、2,3−ナフタレンジカルボン酸無水物、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、並びにそれらのジアルキルエステル等を挙げることができ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
【0018】
また、不飽和ポリエステル樹脂(A)は、必要に応じて脂肪酸により変性されていてもよい。かかる脂肪酸としては、乾性油脂肪酸および/または半乾性油脂肪酸が好適であり、例えば、魚油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸、サフラワー油脂肪酸、アマニ油脂肪酸、大豆油脂肪酸、ゴマ油脂肪酸、ケシ油脂肪酸、エノ油脂肪酸、麻実油脂肪酸、ブドウ核油脂肪酸、トウモロコシ油脂肪酸、トール油脂肪酸、ヒマワリ油脂肪酸、綿実油脂肪酸、クルミ油脂肪酸、ゴム種油脂肪酸、ハイジエン脂肪酸等を挙げることができ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
【0019】
不飽和ポリエステル樹脂(A)は、常法によって製造することができ、例えば、前記多価アルコールと多塩基酸を含む成分を窒素雰囲気下に縮合反応させることにより得られる。縮合反応時の加熱温度は、140〜250℃、好ましくは160〜200℃の範囲内であることがゲル化防止の点から望ましい。
【0020】
上記不飽和ポリエステル樹脂(A)は、耐水付着性の向上に効果があることから酸基を有するものであることが好ましく、酸価としては、10〜50mgKOH/g、好ましくは20〜40mgKOH/gの範囲内であるのが望ましい。
【0021】
また、不飽和ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量は、1,000〜100,000、好ましくは2,000〜50,000の範囲内であることが望ましい。
【0022】
本発明において、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定し、ポリスチレン換算した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフ装置としては「HLC8120GPC」(東ソー(株)社製、商品名)が使用でき、これに用いるカラムとしては、「TSKgel G−4000H×L」、「TSKgel G−3000H×L」、「TSKgel G−2500H×L」、「TSKgel G−2000H×L」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を使用することができる。ここでは、移動相としてテトラヒドロフランを用い、測定温度40℃、流速1cc/分とし、検出器としてRI屈折計を用いた。
【0023】
<重合性不飽和化合物(B)>
本発明において、重合性不飽和化合物(B)は、塗布時には組成物の粘度を低くせしめて塗布作業性を向上させつつ、かつ、膜形成成分ともなりうる反応性希釈剤として作用するものであり、重合性不飽和基を有する化合物である。
【0024】
重合性不飽和基としては、ラジカル重合しうる不飽和基を意味する。かかる重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アリル基等が挙げられる。
【0025】
本発明では重合性不飽和化合物(B)が、分子中に重合性不飽和基と多環状エーテル構造を有する化合物であることを特徴とする。これによりパテ層の表面乾燥性と研磨作業性が向上する効果がある。
【0026】
多環状エーテル構造としては、環状炭化水素の炭素が酸素で置換された、多環状の構造である。
【0027】
かかる化合物(B)における多環状エーテル構造としては、下式で表される構造であることが好ましい。
【0028】
【化1】
【0029】
化合物(B)の具体例としては、例えば、下記化合物を挙げることができる。
【0030】
【化2】
【0031】
上記式においてRは同一又は異なって水素原子又は(メタ)アクリロイル基であり、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基である。
【0032】
【化3】
【0033】
上記式において、Rは水素原子又は(メタ)アクリロイル基を表し、少なくとも1つは(メタ)アクリロイル基であり、Aは炭素数2から4のアルキレン基を表し、nは1〜30の数を表す。
【0034】
上記の中でも式(1)におけるRが共にアクリロイル基であるイソソルバイドジアクリレートがパテ層の表面乾燥性と研磨性の点から好ましい。
【0035】
<着色顔料(C)>
本発明のパテ組成物は、パテ層の下地隠蔽性及び研磨作業性の点から着色顔料(C)を含む。着色顔料(C)としては塗料用として用いられる従来公知の着色顔料を使用できるが、特に好適には、チタン白、ベンガラ、カーボンブラック、鉄黒などを挙げることができる。
【0036】
また、着色顔料(C)に加えて体質顔料を併用してもよい。体質顔料の具体例としてはタルク、マイカ、硫酸バリウム、カオリン、炭酸カルシウム、クレー、シリカ、石英、ガラス、シリチン、硫酸亜鉛、酸化ジルコニウムなどの体質顔料を挙げることができる。これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
【0037】
<パテ組成物>
本発明のパテ組成物は、不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)および着色顔料(C)を含み、
不飽和ポリエステル樹脂(A)固形分100質量部を基準として、
化合物(B)が1〜150質量部の範囲内にあり、好ましくは5〜90質量部、
着色顔料(C)が1〜150質量部の範囲内にあり、好ましくは5〜90質量部の範囲内にあることを特徴とする。
【0038】
化合物(B)の含有量が1質量部より少ないと、パテ層の表面乾燥性及び研磨作業性が不十分となり、一方、150質量部より多いと、塗布作業性が低下する。
【0039】
着色顔料(C)の含有量が1質量部より少ないと、パテ層の下地隠蔽性、表面乾燥性、研磨作業性が低下し、一方、150質量部より多いと塗布作業性が低下するとともにパテ層にひび割れが生じたりすることがあり、好ましくない。
【0040】
本発明のパテ組成物としては、重合性不飽和化合物(B)以外のその他の重合性不飽和化合物を含むものであってもよい。パテ層の表面乾燥性と基材に対する付着性の観点からである。その他の重合性不飽和化合物の具体例としては、例えば、ビニルトルエン、t−ブチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ノルボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)−フェニル)プロパン、ジ(メタクリロキシエチル)トリメチルヘキサメチレンジウレタン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパンなどの1価または多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルメタクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシプロピルメタクリレート、ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルメタクリレート等のジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物;エチレングリコールジマレエート、プロピレングリコールジイタコネートなど;4−(メタ)アクリロイルオキシメトキシカルボニルフタル酸、4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシカルボニルフタル酸などの4−(メタ)アクリロイルオキシ基含有芳香族ポリカルボン酸およびその酸無水物;ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレ−ト、トリアリルフタレ−ト等のアリル化合物;エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリジメチルシリコンジ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等のオリゴマーなどが挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
【0041】
その他の重合性不飽和化合物としては、その成分の少なくとも一部として、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよび/またはジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物を含むものが望ましい。
【0042】
本発明において、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートおよびジシクロペンテニル基を有する重合性不飽和化合物を併用する場合には、その使用割合が、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート/ジシクロペンテニル基含有重合性不飽和化合物の質量比で95/5〜5/95、好ましくは90/10〜10/90の範囲内であると、表面乾燥性と基材に対する付着性を両立させることができ、望ましい。
【0043】
<脱水剤>
本発明のパテ組成物は脱水剤を含むことが好ましい。これによりパテ層の表面乾燥性、耐水性、付着性の経時による低下を抑制し、安定した品質のパテ組成物を得ることができるからである。
【0044】
上記脱水剤の配合量としては、一般に、不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)及び必要に応じて配合されるその他の重合性不飽和化合物の合計質量100質量部を基準にして0.1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部の範囲内で含むことが好ましい。
【0045】
上記脱水剤としては、従来公知の無機系脱水剤及び有機系脱水剤を制限なく使用することができる。
【0046】
無機系脱水剤の具体例としては、水素化カルシウム、酸化カルシウム(生石灰)、塩化カルシウム、硫酸カルシウム(石膏)等のカルシウム化合物;酸化バリウム等のバリウム化合物;硫酸マグネシウムなどのマグネシウム化合物;硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウムなどのナトリウム化合物;硫酸銅などの銅化合物;シリカゲルなどの無機珪素化合物;酸化アルミニウム(水硬性アルミナ、水素化アルミニウムリチウム、非結晶性シリカアルミナ、結晶性アルミノ珪酸塩(モレキュラーシーブ)などのアルミニウム化合物等を挙げることができる。
【0047】
一方、有機系脱水剤の具体例としては、オルソ蟻酸トリメチル、オルソ蟻酸トリエチル、オルソ蟻酸トリブチル等のオルソ蟻酸アルキル;オルソ酢酸トリメチル、オルソ酢酸トリエチル、オルソ酢酸トリブチル等のオルソ酢酸アルキル;またはオルソほう酸トリメチル、オルソほう酸トリエチル、オルソほう酸トリブチル等のオルソほう酸アルキル等のオルソカルボン酸エステル;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルシラン;テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のシリケート化合物;ベンゼンスルフォニルイソシアネート、トシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート等モノイソシアネート化合物;無水酢酸等の脂肪族酸無水物、無水安息香酸等の芳香族酸無水物;N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩等のカルボジイミド化合物等を挙げることができる。
【0048】
以上に述べた例示物は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0049】
本発明においては、上記脱水剤としては無機系脱水剤がより好ましく、また、水を除去する原理として、脱水剤と水が反応することによって水を除去する水反応性脱水剤、脱水剤と水が水和物を形成して水を除去する水和物生成性の脱水剤、脱水剤が水を吸着することによって水を除去する水吸着型脱水剤のいずれであってもよいが、特に水吸着型脱水剤が好ましい。
【0050】
上記のうち水吸着型の脱水剤としては、例えば、シリカ、非結晶性シリカアルミナ、結晶性アルミノ珪酸塩を挙げることができる。
【0051】
<多価金属化合物>
本発明のパテ組成物には、多価金属化合物を含有することが適している。多価金属化合物を含むことによって上記不飽和ポリエステル樹脂(A)と共に強固な、耐水付着性に優れたパテ層を形成できる効果がある。
【0052】
多価金属化合物としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等の元素周期表2族元素;チタン、ジルコニウム等の元素周期表4族元素;クロム、モリブデン等の元素周期表6族元素;マンガン等の元素周期表7族元素;鉄、ルテニウム等の元素周期表8族元素;コバルト、ロジウム等の元素周期表9族元素;ニッケル、パラジウム等の元素周期表10族元素;銅、銀等の元素周期表11族元素;亜鉛、カドミウム等の元素周期表12族元素、アルミニウム等の元素周期表13族元素;セリウム等の元素周期表16族元素等の金属元素を含有する多価金属の水酸化物、酸化物、炭酸塩等を挙げることができる。
【0053】
具体的には、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化鉄、酸化銅等の金属酸化物;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩;水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の金属水酸化物等を挙げることができる。
【0054】
本発明では、多価金属化合物として、元素周期2族元素、特にマグネシウムを含有する化合物が好適である。
【0055】
かかる多価金属化合物は、不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)及び必要に応じて配合されるその他の重合性不飽和化合物の合計質量100質量部を基準として3〜50質量部、好ましくは5〜30質量部含むことが適している。
【0056】
本発明のパテ組成物には、さらに硬化性の向上を目的として、必要に応じて硬化促進剤を配合することができる。硬化促進剤としては、特に制限なく従来公知のものが使用できるが、特に硬化性、乾燥性の観点から芳香族アミンが好ましく、さらにパテ組成物上に塗装した上塗り塗膜の黄変が少ないことから、かかる芳香族アミンの中でも、ジメチルアミノ基を有する化合物が好適である。具体的には、4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、3−ジメチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ安息香酸エチル、3−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、3−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、3−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、2−ジメチルアミノ安息香酸、2−ジメチルアミノ安息香酸エチル、2−ジメチルアミノ安息香酸(n−ブトキシ)エチル、2−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、2−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル等が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。これらの中でも4−ジメチルアミノ安息香酸、3−ジメチルアミノ安息香酸が特に適している。
【0057】
芳香族アミンの使用量は、前記不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.01〜2.0質量部、好ましくは0.05〜1.5質量部の範囲内であることが、ポットライフ(ゲル化時間)、形成塗膜の空気乾燥性や研磨性、上塗り塗膜の耐熱黄変性などの観点から望ましい。
【0058】
上記芳香族アミン以外の他の硬化促進剤としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸バリウム、オクテン酸コバルト、オクテン酸マンガン、オクテン酸亜鉛、オクテン酸バナジウム等の金属ドライヤー;上記に例示した芳香族アミン以外の3級アミン類、4級アンモニウム塩が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。上記金属ドライヤーを使用する場合、その量は不飽和ポリエステル樹脂(A)100質量部に対して0.01〜5質量部の範囲が適している。
【0059】
本発明のパテ組成物には、さらに必要に応じて、例えば、防錆剤、ガラスバルーン、プラスチックバルーンなどの中空粒子、紫外線安定剤、紫外線吸収剤、低収縮剤、酸化防止剤、皮張り防止剤、重合禁止剤、可塑剤、骨材、難燃剤、安定剤、強化材、減粘剤等の粘度調節剤、顔料分散剤、改質用樹脂、溶剤、チキソ剤、チキソ助剤、消泡剤、レベリング剤、シランカップリング剤、パラフィン等の空気遮断剤、アルデヒド捕捉剤等を配合することができる。
【0060】
これらのうち防錆剤としては、例えば、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム等のリン酸塩系;トリポリリン酸二水素アルミニウム等のポリリン酸系;モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム等のモリブデン酸塩系、リンモリブデン酸アルミニウム等のリンモリブデン酸塩系;ホウ酸塩系;メタホウ酸バリウム等のメタホウ酸塩系;シアナミド亜鉛カルシウム系;カルシウム、亜鉛、コバルト、鉛、ストロンチウム、バリウム等のカチオンを多孔質シリカ粒子に結合させた変性シリカ、カチオンをイオン交換によって結合させたイオン交換シリカ;ピロリン酸アルミニウム系;酸化亜鉛などの防錆顔料や、さらに1−(ベンゾチアゾール−2−イルチオ)コハク酸、(2−ベンゾチアゾール−2−イルチオ)コハク酸ジ−(C12〜14アルキル)アンモニウム塩などのベンゾチアゾール系化合物;4−メチル−γオキソ−ベンゼンブタン酸とN−エチルモルホリンとの付加反応物、4−メチル−γオキソ−ベンゼンブタン酸とジルコニウムとの付加反応物などのケトカルボン酸系などの有機防錆剤が挙げられ、これらは1種を単独でまたは2種以上を併用して使用できる。
【0061】
防錆剤を配合する場合、その配合量は、パテ層の研磨作業性や仕上り性、硬化性や乾燥性、ヘラ付け性、耐熱黄変性等の観点から、不飽和ポリエステル樹脂(A)の合計質量100質量部に対して、3〜50質量部、好ましくは5〜45質量部の範囲であるのがよい。
【0062】
本発明のパテ組成物は、有機溶剤を実質的に配合しなくても、ヘラ付け作業性が良好で、諸物性に優れるパテ層を与えることができるが、必要に応じてトルエン、キシレン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メチルエチルケトン等の有機溶剤を粘度調整剤として配合することもできる。
【0063】
本発明のパテ組成物には、塗膜を硬化するための硬化剤を配合することができる。かかる硬化剤としては、有機過酸化物が挙げられ、具体的にはシクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド化合物;1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビス(4,4−ジtert−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−アミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−ヘキシルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジtert−オクチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(4,4−ジクミルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等のパーオキシケタール化合物;クメンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド化合物;1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジイソプロピルベンゼンパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジtert−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド化合物;デカノイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド化合物;ビス(tert−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシカーボネート化合物;tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等のパーオキシエステル化合物の化合物を使用でき、単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0064】
上記有機過酸化物の配合量は、特に制限されるものではなく、塗装環境や塗膜物性に応じて適宜調整可能であるが、不飽和ポリエステル樹脂(A)、重合性不飽和化合物(B)及び必要に応じて配合される重合性不飽和化合物の合計質量100質量部に対して、0.1〜6質量部の範囲内となるようにすることが好ましい。
【0065】
上記硬化剤は、例えば、本発明の塗料組成物を2液型とし、使用直前に混合配合されることが望ましい。
【0066】
以上の通り得られるパテ組成物はスチレンを含まなくても表面乾燥性、内部硬化性に優れたパテ層が得られ、ノンスチレン型として供することができるが、スチレンを含むことを排除するものではない。
【0067】
本発明のパテ組成物が適用される基材面としては、特に制限はないが、鉄、亜鉛、アルミなどの金属面やその化学処理面、プラスチック、木材など、さらにこれらに塗装された塗装体などが挙げられる。
【0068】
本発明のパテ組成物は自動車等の車両等の塗装体の補修塗装に有用である。
該塗装体の損傷部を中心に必要によりその周囲までサンディングを行い、該損傷部にパテ組成物をヘラ等で充填し、常温乾燥または強制乾燥により塗膜内部まで硬化することができる。
【0069】
乾燥条件は具体的には常温乾燥の場合は常温で5時間以上維持するか、強制乾燥の場合は3〜30分のセッティングタイムを取り、40〜120℃の温度で5〜60分間加熱することができる。
【0070】
形成されたパテ層は耐水ペーパーやサンドペーパーなどで研磨され、研磨面に補修用塗料組成物を塗装することができる。
【0071】
補修用塗料組成物としては、アクリルラッカー、アクリルメラミン樹脂系塗料、水酸基含有樹脂とポリイソシアネート化合物を含む2液型のウレタン硬化型塗料、酸−エポキシ硬化型塗料、フッ素樹脂系塗料、アルキド樹脂系塗料、アルキドメラミン樹脂系塗料、ポリエステルメラミン樹脂系塗料などの通常使用されている有機溶剤系、水系、粉体等の下塗り塗料、着色ベース塗料、トップクリヤー塗料等特に制限なく使用できる。
【実施例】
【0072】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明する。ここで、『部』および『%』はそれぞれ『質量部』および『質量%』を意味する。
【0073】
<不飽和ポリエステル樹脂の製造>
製造例1
攪拌機、ガス導入管、精留塔、温度計、減圧装置及び還流冷却器を備えた2リットルの四つ口フラスコに、ジエチレングリコール397.5部、ジプロピレングリコール134部、フマル酸580部、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル256部、及びハイドロキノン0.5部を入れ、窒素ガスを吹き込みながら150℃に加熱後、180℃まで昇温した。つづいて同温度で精留塔を水分離器に換え、トルエンを還流させて縮合反応を行ない、反応終了時にはトルエンを減圧下で除いて、酸価35mgKOH/g、重量平均分子量3,000の不飽和ポリエステル樹脂(A)を得た。
【0074】
<パテ組成物の製造>
実施例1〜20および比較例1〜3
下記表1の配合組成となるように各組成物を配合し、均一となるように高速混練機で20分間混合分散させて、攪拌し、パテベースを得た。次いで、シクロヘキサノンパーオキサイドを表1記載の配合量で添加し、均一に混合し、パテ組成物を得た。尚、表中の不飽和ポリエステル樹脂(A)の量(部)は固形分の量である。
【0075】
【表1】
【0076】
<塗装>
「SPCC−SB」(日本テストパネル(株)製、鉄板)の表面を耐水ペーパー#240で軽く研磨し、これを基材面とした。上記で得られた各パテ組成物を各基材面上にヘラで塗布し、ならして2mm厚に塗布したものを試験塗板とし、下記評価試験に供した。結果を表1に併せて示す。
【0077】
<評価試験>
上記で得た各パテ組成物について下記の評価方法、基準にて試験を行った。その結果を表1に併せて示す。
(*)ヘラ付け性
各パテベースと硬化剤を混合し、ヘラを用いて試験片にヘラ付けをする。その時のノビ、ヘラ切れ、ヘラサバキを調べた。
○:良好、
△:若干不良、
×:不良。
(*)乾燥性
各試験塗板を常温(20℃)で40分間放置後、各試験板の表面のタックおよび内部の硬化度合を指触にて調べた
◎:良好、
○:表面に若干タックあり、
△:表面に若干タックあり、内部も若干硬化不良、
×:表面にタックあり、内部も硬化不良。
(*)皮張り性
各パテベース20gをアルミ等の直径5cm程の皿にとり、40℃の雰囲気に10日間放置後(開放系)、パテ表面の皮張りの程度を調べた。
○:皮張りなく良好、
△:皮張り若干あり、やや不良、
×:皮張りあり不良。
(*)耐水付着性
上記試験塗板を室温(20℃)で6時間放置して乾燥させた後、塗面を#400耐水ペーパーで軽く研磨し、「レタンPG80ホワイトベース」(商品名、アクリルウレタン樹脂系上塗り塗料、関西ペイント(株)社製)を乾燥膜厚50μmになるようにスプレー塗装し、60℃で30分間乾燥させて各塗装板を得た。各塗装板を80℃の水に1日間浸漬した後、水中より取り出し、これを中央部より折り曲げて、折り曲げ部の塗膜状態を観察した。
○:良好、
△:塗膜が鋼板−パテ間から僅かに剥離している、
×:塗膜が鋼板−パテ間から完全に剥離している。