【文献】
「バウンドボール!跳ねる景品を楽しむUFOキャッチャー」,YouTube [online] [video],2016年 9月 7日,主に0:10〜0:20を参照。,[2019年5月22日検索],URL,https://www.youtube.com/watch?v=l-3rYZ_7M_w
【文献】
ひえひえペンタハーゲンダッツアイス 華麗に2個取り!,YouTube [online] [video],日本,2014年 4月27日,主に0:08〜0:23を参照。 ,[2019年2月28日],URL,https://www.youtube.com/watch?v=c1MUZvyJWpI
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部が視認可能なケースにて覆われた遊戯空間内に、ユーザによる獲得対象となる景品群が配置される景品台と、前記景品群に含まれる少なくとも一つの景品を前記遊戯空間から前記ケース外に取り出すための景品取込口と、前記景品台上の前記景品を前記景品取込口に向けて移動させるように動作可能な景品取得手段とが設けられ、前記ケース外には前記ユーザの操作を受け付ける操作部が設けられた遊戯機構部と、
前記操作部に対する前記ユーザの前記操作に基づいて、前記景品の獲得を目的とする遊戯が前記遊戯空間内にて行われるように前記景品取得手段を制御する制御部とを備え、
前記景品取得手段には、前記景品を捕獲するための捕獲体と、前記景品を捕獲する捕獲動作、及び捕獲した前記景品を解放する解放動作を前記捕獲体に与えるように当該捕獲体を駆動する捕獲体駆動手段と、前記捕獲体が前記景品台上の前記景品群内に導入されて前記捕獲動作が行われる導入位置と前記捕獲体の前記解放動作が行われて前記景品が前記景品取込口に向けて解放される解放位置との間で前記捕獲体を移動させる捕獲体移送手段と、が設けられ、
前記遊戯機構部内の定まった位置に前記景品取込口がある状態を基準としたときに、前記捕獲体の前記解放位置を前記景品取込口に対して変化させる解放位置調整手段をさらに備えた遊戯装置。
前記制御部は、予め設定された停止位置を前記解放位置として前記捕獲体が停止するように前記捕獲体移送手段を制御し、前記設定された停止位置を変化させることにより前記解放位置調整手段として機能する請求項2に記載の遊戯装置。
前記制御部は、前記ユーザが前記遊戯のために消費した価値に対する前記ユーザが獲得した価値の比率であるペイアウト率が目標範囲に制御されるように前記解放位置を変化させる請求項2又は3に記載の遊戯装置。
前記遊戯空間には、前記景品台側からみて上り勾配が付された景品案内面が設けられ、前記景品取込口は前記景品案内面上に開口し、前記捕獲体は前記景品案内面の前記景品取込口よりも上方の領域に前記景品を落下させるように設けられている、請求項5に記載の遊戯装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明を実施するための例示的な実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態において説明する寸法、材料、形状及び構成要素の相対的な位置等は任意に設定でき、本発明が適用される装置の構成又は様々な条件に応じて変更できる。また、特別な記載がない限り、本発明の範囲は、以下に具体的に記載された実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、上下とは重力方向における上方向と下方向とにそれぞれ対応する。一例として、遊戯装置100の載置面側が下側とした場合に、その反対側が上側に対応する。
【0008】
図1に示すように、遊戯装置100は、内部が視認可能なケース101と、遊戯機構部の一例としての略直方体の筐体部102とを備えている。筐体部102は、ケース101と、景品を捕獲するための各機構及び装置とを含んでいる。代替的に、この筐体部102は、円柱、又は多角形を底面とする柱体であってもよい。ケース101は、筐体部102の上面と螺番等の接続部材によって開閉可能に接続されている。
図1はケース101を閉じた状態を示し、ケース101は
図1の状態から接続部材による接続位置を支点として上方に開くように操作可能である。これにより、ケース101を開放して景品の補充をすることができる。また、筐体部102の上方には、ケース101にて覆われた遊戯空間が画定されている。この遊戯空間はケース101によって密閉されており、ケース101外にはユーザの操作を受け付ける2つの操作部111が配置されている。
【0009】
この操作部111は、景品の捕獲動作を指示するための捕獲ボタン112Aと、景品の落下動作(解放動作の一例である。)を指示するための落下ボタン112Bとを有している。捕獲ボタン112A及び落下ボタン112Bは、いずれも押し込み式ボタンであり、それぞれのボタンの押し下げ操作の検出信号がユーザの操作として出力される。捕獲対象である景品は、氷菓及び菓子等の食品、ぬいぐるみ及び人形等の玩具、アクセサリー、及び飲料等が適宜に選択可能である。以下では、景品として冷凍貯蔵が必要な氷菓又はアイスクリームが選択される例について説明する。本明細書において、「捕獲」の用語は、最も広義には、景品をすくい上げる、掴む、挟む、及び引っ掛けるといったように景品を何らかの態様で拘束する作用を伴う動作を示す概念として用いられる。景品を特定の方向に押し出す動作も、その特定の方向に関して景品を拘束する点において「捕獲」の一態様である。ただし、以下の遊戯装置100では、景品を「捕獲」する動作としては、景品をすくい上げる動作、又は景品を押し出す動作が選択的に用いられる。
【0010】
操作部111は、筐体部102の側面に配置された投入口113を備えている。遊戯を開始する場合、ユーザは、遊戯の対価としてのコイン等の遊戯媒体を投入口113に投入する遊戯開始操作を行う。コインは通貨としての貨幣でもよいし、通貨との交換性を有する代替貨幣でもよい。以下では、コインを投入するものとして説明を続ける。投入口113内には、通過するコインを検出する投入センサが配置されている。そして、投入センサは、コインの通過を検出すると検出信号を出力する。さらに、操作部111は、遊戯に必要な各種の情報を読み取る情報読取装置を備えていてもよい。例えば、ユーザは、メンバーカード又はICカードを情報読取装置の読み取り部に接触させる遊戯開始操作を行う。
【0011】
また、操作部111は、筐体部102の上面に配置された表示部114と、筐体部102の側面に配置されたスピーカ115とを備えている。スピーカ115は音響効果を演出し、表示部114は画像効果を演出する。また、スピーカ115の下方には、景品排出口116が形成されている。なお、ケース101外に設けられる操作部111は、筐体部102とは別体であってもよく、一例として、携帯電話、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ等の無線通信端末を操作部111として用いてもよい。また、1つのみの操作部111又は3つ以上の操作部111が設けられていてもよい。
【0012】
図2は、ケース101が取り外された遊戯装置100を示す概略斜視図である。ケース101内の遊戯空間には、ユーザによる獲得対象となる景品群が配置される景品台131と、景品取得手段の一例としての景品取得ユニット121が設けられている。この景品台131は、略円形状を有しており、回転支持部132によってケース101内の所定の循環路を循環動作するように支持されている。代替的に、景品台131は、楕円、多角形、及び蛇行した閉経路等の循環動作可能な循環路であってもよい。回転支持部132は、不図示の駆動源であるモータと、景品台131を回転可能に支持する吊り下げ機構とを備えている。また、景品台131の回転軸は、景品台131の中心に位置しており、上下方向に沿って延びている。代替的に、遊戯装置100は、景品台131が静止した状態で遊戯を行うことができるように構成してもよい。この場合、回転支持部132から回転機構を省略できる。ただし、景品台131が回転することにより、ユーザは移動する景品を選択して捕獲できるため、ゲームの興趣をより高めることができる。
【0013】
景品取得ユニット121は、ショベル122を回転駆動する駆動手段196(
図11)の一例として、ショベル回転部123及び昇降部124を有している。この景品取得ユニット121は、捕獲体の一例としてのショベル122を動作させて景品の捕獲、及び解放を実現する。すなわち、景品取得ユニット121は、景品台131上の景品を景品取込口135に向けて移動させるように動作可能である。そして、景品取得ユニット121は、ショベル122を所定の回転軸線の周りに回転させることにより、景品台131上の景品をすくい上げ、かつすくい上げた景品を景品取込口135に向けて落下させる。なお、
図2右側においては、説明の便宜上、下側の導入位置にあるショベル122と、上側の解放位置にあるショベル122との両者を実線で示している。ただし、ショベル122は両位置間を移動するものであって、実際には、1つの景品取得ユニット121において、両方の位置にショベル122が同時に位置することはない。
【0014】
遊戯空間には、景品台131側からみて上り勾配が付された景品案内面134を有する案内コーン133が配置されている。この景品台131の上方において、景品取込口135が景品案内面134上に開口しており、この景品取込口135を介して、景品群に含まれる少なくとも一つの景品を遊戯空間からケース101外に取り出すことができる。
【0015】
筐体部102にはケース101の周方向における位置が異なる複数の遊戯領域の一例として、複数のステーションSが設定されている。このステーションSには、景品取込口135、景品取得ユニット121、操作部111及び景品排出口116が含まれている。
図2においては、2つのステーションSが設けられており、二人のユーザが同時に遊戯をすることが可能である。すなわち、ユーザは、自らが遊戯するステーションSと対応する遊戯空間において景品の捕獲を目的とした遊戯を楽しむことができる。
【0016】
図3及び
図4を参照して、景品台131及び案内コーン133について詳細に説明する。
図3は上方から見た景品台131を示しており、
図4は景品台131の略中央部分の断面を示している。
【0017】
図3に示す景品台131は、略半円上の断面を有するように円周方向に延びている。この景品台131の湾曲した底面上に、景品群が配置される。代替的に、景品台131は、無端ベルト及びベルトコンベア等の循環可能な部材であってもよい。また、略円錐台状の外形を有している案内コーン133が、景品台131と連結して景品台131の内側に配置されている。この案内コーン133は、景品取込口135に向かって傾斜している。さらに、案内コーン133の頂部には、回転支持部132と連結される支持面139が、景品台131の半径方向に延びるように設けられている。なお、案内コーン133は景品台131と一体的に構成してもよく、案内コーン133が景品台131に向かって傾斜した複数の平面又は湾曲面を有していてもよい。
【0018】
操作部111の数と対応する2つの景品取込口135が、景品台131に対向する位置に形成されている。すなわち、景品取込口135は、景品台131の回転軸線を中心として正反対に位置するように形成されている。また、景品取込口135は、景品台131に隣接する位置に開口している。なお、景品取込口135は2つに限られず、1つ又は3つ以上の景品取込口135を形成してもよい。また、案内コーン133の円周方向において景品取込口135同士の間には、案内コーン133と隣り合う位置に、景品台131から突出する突出部136が配置されている。
【0019】
案内コーン133の景品案内面134における景品取込口135よりも上方の領域UAは、ショベル122から景品が落下する領域として設定されている。ショベル122から領域UAに落下した景品PZ’の少なくとも一部は、落下した景品を受けて保持する保持体141によって受けられる。すなわち、案内コーン133の景品案内面134上を滑り落ちた景品PZ’は、景品取込口135内に直接入り込む場合もあれば、保持体141上に落下する場合もある。さらに、景品PZ’は、案内コーン133の景品案内面134からそのまま景品台131内へと戻る場合もある。保持体141が景品台131に向かって傾いた保持位置にあるとき、保持体141上に落下した景品の少なくとも一部は、保持体141に受け止められて保持体141に保持される。保持体141が保持位置から景品取込口135に向かって傾いた誘導位置に傾くと、保持体141に保持された景品は、景品取込口135内に誘導される。これにより、景品PZ’が景品取込口135内に滑り落ちるように、あるいは崩れ落ちるように移動する。
【0020】
保持体141上に景品PZ’が一時的に保持された場合、その後の保持体141の挙動によりその景品PZ’が景品取込口135内に入り込むことが期待できる。遊戯が終了した時点でそのような状態が生じていれば、ユーザにはゲームを継続する動機付けが与えられる。これにより、保持体141による景品の一時的な保持を通じてゲーム継続に対するユーザの意欲を促進できる。一例として、ショベル122から落下した少なくとも一つの景品PZ’が保持体141上に保持され、一定量を超える複数の景品が貯留されると保持体141から景品取込口135に向かって景品PZ’が落下する。また、後述するように、景品台131上の景品群の少なくとも一部を、景品取込口135に向けて押し出すことができる。この場合も、押し出された景品は、景品取込口135内に入り込む場合もあれば、保持体141上に落下する場合もある。
【0021】
図4に示すように、景品台131の下面には、当該下面を支える複数の内側コロ137A及び複数の外側コロ137Bが配置されている。内側コロ137Aは景品台131の半径方向における内側に円状又は楕円状に配列されており、外側コロ137Bは景品台131の半径方向における外側に円状又は楕円状に配列されている。回転支持部132によって回転する景品台131は、それぞれ回転する内側コロ137A及び外側コロ137Bの上を循環する。
【0022】
保持体141は、景品取込口135に隣接する位置、すなわち、景品台131の半径方向において景品台131の内縁と景品取込口135の上縁部との間の位置に配置されている。保持体141は、景品取込口135の下縁部に沿って配置されており、景品取得ユニット121のショベル122によって送られた景品を受けて保持する。また、保持体141は、景品を保持する保持位置と、保持した景品を景品取込口135に向けて誘導する誘導位置との間で動作可能である。なお、説明の便宜上、
図4においては、保持位置にある保持体141Aを実線で示し、誘導位置にある保持体141Bを点線で示している。
【0023】
保持体141は、景品取込口135の下縁部に沿って延びるように設定された回転軸ALを中心として回転可能に設けられている。この場合の誘導位置は、保持体141が保持位置と比較して景品取込口135側に傾いた位置である。これにより、保持体141が誘導位置まで傾くことによって景品が落下することをユーザが視覚的に理解できる。そのため、多数の景品を獲得できる期待感を、視覚的にユーザに与えることができる。ここで、景品取込口135は、その位置又は大きさを調整可能に構成してもよい。例えば、景品取込口135の両側にレールを配置して、当該レールに沿って景品取込口135及び保持体141が移動できるように、景品取込口135を構成できる。また、景品取込口135に可動扉を配置して、扉の開き幅を変化できるように景品取込口135を構成できる。これにより、扉の開き幅を大きくすると、保持体141上の景品が落ちやすくなるため、景品を早期に景品取込口135内に誘導できる。一方、扉の開き幅を小さくすると、保持体141上に景品が貯まりやすくなるため、より多数の景品を保持体141に保持させることができる。
【0024】
さらに筐体部102は、保持体141を保持位置と誘導位置との間で動作させる保持体駆動手段の一例としての運動変換機構142を備えている。保持体141は、回転軸ALを中心として揺動可能な状態で案内コーン133に取り付けられている。そして、運動変換機構142は、景品台131の循環動作を、保持体141の保持位置と誘導位置との間の往復動作に変換する。これにより、簡易な構成によって捕獲体の往復動作を実現できる。例えば、運動変換機構142は、上下方向において周期的に進退する波型の外形を有するレール板143と、レール板143上を回転しながら周期的に上下移動する摺動コロ144とを有している。
【0025】
保持体141の両端に対応して、一対の摺動コロ144が配置されている。そして、摺動コロ144は、レール板143が下方に退避している部分に至ると、下方位置に位置する。そのため、保持体141の景品台131側の端部は保持体141の回転軸ALを中心に下方に移動し、保持体141は景品を受け取れるように保持位置へ位置する。一方、摺動コロ144は、レール板143が上方に進出している部分に至ると、上方位置に位置する。そのため、保持体141の景品台131側の端部は保持体141の回転軸ALを中心に上方に移動し、保持体141は景品を景品取込口135に誘導する誘導位置へ位置する。保持体141が誘導位置へ移動すると、保持体141の底面が景品取込口135に向かって傾斜する。その結果、保持されている景品が、景品取込口135内へと移動する。また、保持体141の景品台131側の端部には、保持体141上の景品が景品台131上に落下することを阻害する突起部140が形成されている。すなわち、景品は保持体141上で移動するか又は姿勢を変化させることがあるが、保持体141から景品台131への落下は突起部140によって阻害される。なお、
図3においては、説明の便宜上、突起部140の図示を省略している。
【0026】
代替的に、運動変換機構142は、平坦なレールと当該レール上を回転するカムを有していてもよい。この場合、カムは当該カムの回転軸に対して周期的に突出する外形を有する。そのため、カムの凹んだ部分がレールと当接すると、保持体141の景品台131側の端部が下方に移動する。一方、カムの突出した部分がレールと当接すると、保持体141の景品台131側の端部が上方に移動する。また、保持体駆動手段は、運動変換機構142に代えて、回転軸ALを中心として保持体141を回転させるモータ等の駆動源を備えていてもよい。この場合、制御部191は、保持体141を保持位置と誘導位置との間で動作させるように保持体駆動手段を制御する。例えば、制御部191は、後述するSP条件を満たしたとき、若しくは保持されている景品が一定の重さ又は高さに達したときに、保持体141を誘導位置へ回転させるように保持体駆動手段を制御できる。
【0027】
保持体駆動手段は、不定周期で保持体141を誘導位置へ回転させてもよい。例えば、保持体駆動手段が、ソレノイドアクチュエータ等の直動型アクチュエータ、又はモータ等の回転型アクチュエータを備え、保持体141を任意のタイミングで誘導位置へ回転させてもよい。また、保持体141の回転角度が大きい誘導位置と小さい誘導位置とを設定し、保持体駆動手段は、異なる誘導位置へ保持体141を回転させてもよい。この場合、保持体駆動手段は、遊戯の状況に応じて、異なる誘導位置へ保持体141を回転させてもよい。例えば、後述するSP条件を満たした場合、又はゲーム開始からの経過時間、ユーザの累計来店回数、ユーザの累計プレイ時間、及びユーザの累計プレイ回数等の指標が所定の条件に達した場合に、保持体駆動手段は異なる誘導位置へ保持体141を回転させる。
【0028】
図5から
図7を参照して、景品取得ユニット121について詳細に説明する。
図5は、上下方向に直交する水平方向に沿った略中央部分の断面を示している。
図6は、側方から見たショベル122を示している。
図7は、ショベル122が景品を保持する位置にある状態のショベル回転部123における上下方向に沿った断面を示している。
【0029】
図5に示すように、景品取得ユニット121は、駆動手段196(
図11)の一例として、導入位置と解放位置との間でショベル122を移動させる捕獲体移送手段の一例としての昇降部124と、ショベル122を回転駆動する捕獲体駆動手段の一例であるショベル回転部123とを備えている。さらに、景品取得ユニット121は、昇降部124に駆動される取り付け部材126を有している。また、中空のガイドレール125内及びガイドレール125の上端部には、ショベル回転部123を昇降させる昇降機構が設けられている。これにより、ショベル回転部123は、ガイドレール125に沿って昇降可能となる。昇降機構は、一例として、ショベル回転部123と連結された取り付け部材126と、取り付け部材126が連結されたベルトとを含んでいる。このベルトは、ガイドレール125に沿って配置され、当該ベルトをモータによって走行させると、取り付け部材126及びショベル回転部123がガイドレール125に沿って昇降する。代替的に、昇降機構は、ガイドレール125内及びガイドレール125の下端部に設けてもよい。
【0030】
さらに、昇降部124は、ショベル122が導入位置又は解放位置のいずれにあるかを検知するショベル検知部を備えていてもよい。例えば、ショベル検知部は、ガイドレール125の内部に配置された機械的スイッチ、又は取り付け部材126を検出する光学センサである。この場合、取り付け部材126が最上部のショベル検知部に到達すると、当該ショベル検知部は、ショベル122が解放位置へ到達したことを通知する信号を出力する。そして、取り付け部材126が最下部のショベル検知部に到達すると、当該ショベル検知部は、ショベル122が導入位置へ到達したことを通知する信号を出力する。代替的に、ショベル検知部は、昇降部124のモータに接続されたエンコーダであってもよい。この場合、エンコーダが出力する信号に基づいてショベル122の位置を検出することができる。
【0031】
具体的に、昇降部124は、取り付け部材126を駆動することにより、導入位置にあるショベル122を、ガイドレール125に沿って上方向に移動させながら、景品台131の半径方向において操作部111から離れる方向に移動させる。反対に、昇降部124は、取り付け部材126を駆動することにより、解放位置にあるショベル122を、ガイドレール125に沿って下方向に移動させながら、景品台131の半径方向において操作部111に近づく方向に移動させる。これにより、ショベル122は、導入位置と解放位置との間を移動可能である。そして、導入位置にあるショベル122は、ショベル回転部123によって回転させられることにより、景品台131上の景品群内に導入される。また、解放位置にあるショベル122は、ショベル回転部123によって回転させられることにより、すくい上げられた景品を落下させる。
【0032】
説明の便宜上、
図5においては、導入位置にあるショベル122Aと、解放位置にあるショベル122Bとを実線で示している。ただし、実際には、複数の位置にショベル122が同時に位置することはない。そして、
図5に示すように、景品をすくい上げるときに導入位置にあるショベル122が回転を開始する位置と、景品を落下させるときに解放位置にあるショベル122の回転が終了した位置とは、ショベル122の回転軸に対する位置が一致している。すなわち、ショベル122は、導入位置において回転を開始してから、解放位置において回転を終了するまでの間に、360度回転している。
【0033】
ここで解放位置は、ショベル122を上向き(
図6の反時計方向)に回転させたときに、景品取込口135の上方の領域UAに景品が落下するように設定されている。すなわち、昇降部124は、ショベル122を領域UAの上方まで移動させる。その後、ショベル回転部123は、ショベル122を回転させて、ショベル122上の景品を落下させる。そして、景品案内面134上を滑り落ちた景品は、保持体141又は景品取込口135内に受け入れられる。保持体141は、受け入れた景品を保持して、所定のタイミングで景品取込口135へと誘導する。このように、景品が景品案内面134上を滑り落ちるため、ユーザは、景品が滑る経路を予測する必要がある。そのため、ゲーム内容を複雑化することによって、ゲームの興趣をより高めることができる。代替的に、ショベル122は、景品を景品取込口135に向かって投げてもよく、又は景品を景品取込口135に向かって押し出してもよい。
【0034】
なお、遊戯が行われていないときに、ショベル122を導入位置及び解放位置のいずれとも異なる待機位置で待機させてもよい。この場合には、待機位置をショベル検知部が検出してもよい。待機位置は、導入位置と解放位置との間、又は解放位置よりも上に設定できる。なお、
図5においては、待機位置(以下、HP(Home Position)と表記する。)にあるショベル122Cを点線で示している。一例として、ショベル122は、ユーザが落下ボタン112Bを押し下げて景品が落下した後に、解放位置からその下方に設定されたHPへと移動する。このHPは、導入位置の上方に設定されている。そして、ユーザが捕獲ボタン112Aを押し下げると、ショベル122が導入位置へと移動する。ここで、解放位置からHPに移動するまでの間、及びHPから導入位置へと移動する間は、ショベル122が回転しない。そのため、ショベル122の回転軸に対して、HPにあるショベル122の位置は、導入位置にあるショベル122が回転を開始する位置と、解放位置にあるショベル122の回転が終了した位置と一致している。解放位置は調整可能とされているが、この点は後述する。
【0035】
図6に示すように、ショベル122は、すくい上げ方向Rに回転可能であり、かつすくい上げ方向Rの回転に伴って景品をすくい上げるすくい上げ動作を行うことが可能な形状を有している。また、ショベル回転部123は、ショベル122をすくい上げ方向Rに回転駆動できる。すなわち、ショベル回転部123は、ショベル122を、
図6左側の回転開始位置からすくい上げ方向Rに回転させる。そして、
図6中央の回転停止位置までショベル122を回転させた後、ショベル回転部123は、ショベル122の回転を停止する。ここで、ショベル122の平坦な保持面122Wは上向きとなっており、保持面122W上には景品が保持されている。このショベル122は、回転軸とは反対側の端部に屈曲部122Xを有している。そのため、ショベル122がわずかに傾斜していても、景品が屈曲部122Xを乗り越えて落下することが抑制される。代替的に、保持面122Wは、湾曲面であってもよい。また、すくい上げ方向Rとは反対の押出方向ORにショベル122が回転した場合、景品PZ’’は、ショベル122の押出面122Zに押されて、景品取込口135内へと押し出される。このとき、景品PZ’’、又は景品群の少なくとも一部が、保持体141に受け取られることもある。
【0036】
次に、ショベル回転部123は、導入位置から解放位置へショベル122を移動させて、
図6中央の回転停止位置からすくい上げ方向Rに回転させる落下動作を行う。そして、ショベル回転部123は、
図6右側の景品落下位置まで(保持面122Wがショベル122の回転軸線よりも上方の位置に達するまで)ショベル122を回転させる。これにより、ショベル122上において保持されていた景品は、景品取込口135内に落下する。その後、ショベル回転部123は、保持面122Wが裏返るまで(下向きとなる位置まで)ショベル122を回転させる。この景品落下位置から回転終了位置までの回転動作は、連続的に行われる。すなわち、ショベル回転部123は、
図6右側の景品落下位置においてショベル122を停止させず、
図6左側の回転終了位置まで連続的にショベル122を回転させる。なお、
図6においては、保持面122Wが下向きとなる位置まで回転したショベル122を、点線で示している。ショベル122が景品をすくい上げるように回転する動作は捕獲動作の一例に相当し、ショベル122がすくい上げた景品を落下させるように回転する動作は開放動作の一例に相当する。
【0037】
ショベル122は、回転軸の端部に傾斜部122Yを有している。そして、傾斜部122Yは、屈曲部122Xと比較して、ショベル122の底面から緩やかに傾斜している。そのため、ショベル122が景品落下位置まで回転すると、景品が傾斜部122Yを乗り越えて落下することが阻害され難い。ここで、すく上げ動作と落下動作とのショベル122の回転方向は同一である。これにより、ショベル122の一方の側が常に景品群に導入し、すくい上げられた景品はショベル122の他方の側から常に落下する。そのため、ショベル122の一方の側の形状を他方の側と異ならせることにより、落下を阻害することなく景品をより容易にすくい上げることができる。さらに、ショベル回転部123は、景品落下位置においてショベル122の回転を所定時間停止してもよい。
【0038】
その後、ショベル回転部123は、解放位置にあるショベル122を、
図6右側の景品落下位置からすくい上げ方向Rに回転させる。
図6左側の回転終了位置までショベル122を回転させた後、ショベル回転部123は、ショベル122の回転を停止する。ここで、回転終了位置は、回転開始位置と、ショベル122の回転軸に対する位置が一致している。なお、HPを設定した場合、回転終了位置まで回転したショベル122は、その後、HPへと移動される。代替的に、HPへと移動しながら、ショベル122を回転終了位置まで回転させてもよい。また、HPを設定せずに、ショベル122を導入位置において待機させてもよい。この場合、ショベル回転部123及び昇降部124は、解放位置において景品を落下させた後に、ショベル122を導入位置へと移動させる。
【0039】
図7に示すように、ショベル回転部123は、略直方体である箱体123Aと、ガイドレール125の取り付け部材126に取り付けられる取り付け部123Bとを有している。この取り付け部123Bは、箱体123Aの外面にねじ止め等の方法によって固定されている。また、ショベル回転部123は、一対のプーリ123Cと、一対のプーリ123Cに掛け回された無端ベルト123Dと、ショベル122の駆動源でありかつ一対のプーリ123Cの一方に連結されたショベル駆動モータ123Eとを備えている。
【0040】
一対のプーリ123Cの他方には、回転軸を介してショベル122が連結されている。これにより、ショベル駆動モータ123Eの駆動力は、一対のプーリ123C、無端ベルト123D、及びショベル122の回転軸を介してショベル122に伝達される。さらに、ショベル回転部123は、無端ベルト123Dのテンション(張力)を調整する調整機構を有していてもよい。この調整機構が無端ベルト123Dの張力を高めることにより、ショベル122の耐荷重を増やすことができる。一例として、箱体123A内に、無端ベルト123Dと接離可能に出没する突出部材を配置することができる。突出部材が無端ベルト123Dを押す量が増すにつれて無端ベルト123Dの張力が高まり、耐荷重を増やすことができる。
【0041】
図8から
図10を参照して、景品の案内ダクト151と、シャッタ152とを説明する。
図8は案内ダクト151の概略斜視図である。
図9は、案内ダクト151の長手方向に沿った断面を示している。
図10は、ケース101と景品台131との間を通る断面を示している。
【0042】
遊戯装置100の景品排出口116は、
図2に示すように、ケース101の外周側でかつ景品取込口135よりも低い位置へ設けられている。そこで、遊戯装置100は、景品取込口135に取り込まれた景品を景品排出口116に向けて案内するように、
図8に示す案内ダクト151を備えている。案内ダクト151は、断面略U字状の形状を有しており、その上側、すなわち景品台131側が開口している。また、案内ダクト151の下端部には略U字状の取り付け金具153が取り付けられている。そして、案内ダクト151は、この取り付け金具153によって、筐体部102の側面内側に取り付けられる。これにより、案内ダクト151は、景品排出口116と連絡する。
【0043】
また、遊戯装置100は、景品取込口135及び案内ダクト151と直接的又は間接的に連絡する導入部154を備えている。ここで、景品取込口135は、操作部111側からみて景品台131よりも遊戯空間の中央部に偏った位置へ設けられている。そして、導入部154は、遊戯空間の中央部の下方に配置されるとともに、景品取込口135から下方に延ばされている。そのため、景品取込口135に投入された景品は、導入部154を通って、案内ダクト151へと落下する。案内ダクト151は、景品を景品排出口116に向けてケース101の外周側に導くように、景品排出口116に向けて下り勾配が付された傾斜部155を有している。そのため、景品は、傾斜部155上を転がって、案内ダクト151から景品排出口116へと移動する。ユーザは、景品排出口116の外側扉を開放して、景品排出口116へ移動した景品を取り出すことができる。
【0044】
ここで筐体部102には、複数のステーションS(
図2)が設けられている。そのため、案内ダクト151は、導入部154から複数のステーションSのそれぞれに対応する景品排出口116に向かって延びる複数の分岐部156を有している。本実施形態においては、2つのステーションが設けられているため、案内ダクト151は、2つの分岐部156を有している。そして、景品取込口135は、導入部154において合流している。そのため、導入部154は、複数の分岐部156、例えば2つの分岐部156と個別に連絡するように、仕切り部材157によって仕切られている。この仕切り部材157は、導入部154の上部開口及び下部開口をそれぞれ等分するように、上下方向に延びている。この結果、景品取込口135は、それぞれ1つのみの分岐部156と連絡する。そのため、景品取込口135に誘導された景品は、常にユーザが操作する操作部111に対応した景品排出口116に導かれる。
【0045】
ここで遊戯装置100は、遊戯空間内の景品台131上に設定された
図5に示す冷却区画CSを冷却する冷却部195(
図11)をさらに備えている。これにより、景品台131上の景品を冷凍状態で維持することができる。この冷却区画CSは、ケース101の下端部の位置から景品台131の上端部の位置まで設定されている。そして、景品取込口135の少なくとも一部が冷却区画CSに開口しており、制御部191は冷却区画CS内の温度が所定の温度(例.−25℃)よりも低くなるように制御している。ただし、冷気の流れによって、ケース101の下端部よりも上側の区画、及び景品台131の上端部よりも下側の区画が冷却されることもある。また、制御部191(
図11)は、遊戯装置100又は冷却部195の電源投入を検知すると、冷却部195を起動する。代替的に、制御部191に代えて、冷却部195が冷却区画CSの温度を制御する機能を有していてもよい。
【0046】
この冷却部195は、一例として、筐体部102の下部に配置されており、圧縮機、凝縮器、膨張弁、蒸発器、及び送風ファンを備えている。冷却部195は、不図示のダクト等を介して冷却区画CSへ冷気を送り、冷却部195から送られた冷気が冷却区画CSへと吹き出されている。冷却区画CSに流入した冷気は、比重の関係によって冷却区画CS内の景品台131上に滞留する。また、冷気の吹き出し方向を景品台131の半径方向に設定することにより、景品台131上にエアーカーテンを形成してもよい。
【0047】
導入部154は、冷却区画CSの温度を維持するため気密性を有する。さらに、導入部154には、導入部154を開閉するシャッタ機構が設けられている。このシャッタ機構は、導入部154を通って案内ダクト151(又は遊戯装置100の外側)へと流れる冷気を遮断、又は阻害する。具体的に、シャッタ機構は、導入部154を開く開位置と、導入部154を閉じる閉位置との間を移動可能な板状のシャッタ152を有している。このシャッタ152は、導入部154において、案内ダクト151に連絡する境界に配置されている。代替的に、シャッタ152は、導入部154内、又は導入部154において景品取込口135と連絡する境界に配置してもよい。シャッタ機構を設けることにより、景品取込口135を通って下方に漏れ出る冷気の損失を抑制できる。また、シャッタ機構は、シャッタ152を開位置と閉位置との間で駆動するシャッタ駆動手段の一例として、シャッタ駆動モータ158を備えている。
【0048】
図9に示すように、シャッタ機構は、
図9右側に示す閉位置では、シャッタ152Aによって導入部154を閉鎖する。また、シャッタ機構は、ユーザが遊戯を開始するときにシャッタ152Aを下方に回転させ、
図9左側に示す開位置ではシャッタ152Bが導入部154を開放している。さらに、導入部154において、上端部の開口面積は下端部よりも大きい。そして、シャッタ152は、導入部154において開口面積が小さい部分に配置されている。これにより、シャッタ152の配置部分が狭くなるため、シャッタ152を開放したときの冷気の損失を抑制することができる。
【0049】
一般に、モータを低温下で使用する場合には、低温下での動作を保証する必要からモータに対して要求される仕様が厳しくなる。そこで、要求される仕様を緩和するために、シャッタ機構のシャッタ駆動モータ158は、導入部154の外側に配置されている。すなわち、シャッタ駆動モータ158は、シャッタ152によって冷却区画CSから隔離された区画に配置されている。これにより、シャッタ駆動モータ158が直接冷気に晒されて冷やされることを抑制できる。
【0050】
さらに、昇降部124は、ショベル回転部123の少なくとも一部を冷却区画CS内に進入させること、及びショベル回転部123を冷却区画CS外に退避させることができる。具体的には、昇降部124は、ショベル122を導入位置へ移動させたときに、ショベル回転部123の少なくとも一部を冷却区画CS内に進入させる。その後、昇降部124は、ショベル122を移動させて、ショベル回転部123の全体を冷却区画CS外に退避させる。これにより、ショベル回転部123内のショベル駆動モータ123Eが冷気によって冷やされる時間を短時間に限定できる。例えば、ショベル制御部192は、景品を捕獲するときを除いて、ショベル回転部123が冷却区画CSの外(ショベル122のHP)に位置するように、昇降部124を制御する。
【0051】
図10に示すように、遊戯装置100は、景品の保管部の一例としてストックボックスSBをさらに備えている。これにより、保管用の冷却装置を別途配置することなく、景品を保管することができる。このストックボックスSBは、冷却区画CSと連絡するように、遊戯空間外に配置されている。また、ストックボックスSBは、2つのステーションSの間に配置されている。一例として、ストックボックスSBは、多数の穴が形成されたプレート又はシートを介して遊戯空間と流体連通している。そのため、冷却区画CS内に流入した冷気が、プレート又はシートの穴を通ってストックボックスSB内に流入する。
【0052】
ストックボックスSB内で保管される景品は、例えば、低温状態での保管を要するアイスクリーム等の食品である。また、ストックボックスSBの蓋119(
図1)は、蝶番等の接続部材によって、開閉可能に筐体部102に取り付けられている。蓋119は、
図1の状態から接続部材による接続位置を支点として上方に開くように操作可能である。この蓋119を開放することによって、景品をストックボックスSB内に収容することができる。代替的に、蓋119の代わりにケース101を用いて、ストックボックスSBを覆ってもよい。
【0053】
続いて、
図11及び
図12を参照して、遊戯装置100の制御について説明する。
図11は遊戯装置100の概略ブロック図であり、
図12は遊戯モードを説明する概略フローチャートである。
【0054】
図11に示すように、遊戯装置100は、景品取得ユニット121を制御する制御部191を備えている。一例として、制御部191は、いずれも不図示のCPUと、制御プログラムを記憶した記憶部としてのメモリとを有している。CPUは、メモリに記憶されたプログラムに基づいて、遊戯装置100全体を制御すると共に、各種処理についても統括的に制御する。また、メモリは、CPUが動作するためのシステムワークメモリであるRAMと、プログラム、所定のサウンドデータ、画像データ、及び動画データを格納するROM及び/又はハードディスクドライブとを有する。
【0055】
コンピュータとしての制御部191は、ROM又はハードディスクドライブに記憶された制御プログラムに従って、種々の演算、制御、及び判別等の処理動作を実行できる。例えば、制御プログラムに対応して、制御部191が各種処理を実行することにより、制御部191では、ショベル制御部192、回転制御手段として機能する回転制御部193、シャッタ制御手段として機能するシャッタ制御部194、解放位置調整手段の一例としてのペイアウト率調整部200等の各部が各種機能として論理的に実現される。例えば、回転制御部193は、所定の回転速度で景品台131が循環するように、回転支持部132を制御する機能を奏する。また、制御プログラムは、コンピュータ読み取り可能な内部又は外部の記録媒体に記録されている。ペイアウト率調整部200の詳細については後述する。
【0056】
制御部191は、操作部111に対するユーザの操作に基づいて、景品の獲得を目的とした遊戯が遊戯空間内にて行われるように、景品取得ユニット121を制御する。より具体的に、制御部191には、捕獲体制御手段の一例としてショベル制御部192が設けられている。そして、ショベル制御部192は、景品をすくい上げる場合のショベル122の回転方向と、景品を景品取込口135に向けて落下させる場合のショベル122の回転方向とが同一となるように、ショベル回転部123を制御する。すなわち、
図6に示すように、ショベル制御部192は、景品をすくい上げる場合、回転開始位置にあるショベル122をすくい上げ方向Rに回転させるように、ショベル回転部123を制御する。また、ショベル制御部192は、景品を落下させる場合、回転停止位置にあるショベル122を、すくい上げ方向Rに回転させるように、ショベル回転部123を制御する。これにより、落下動作時にショベル回転部123が逆転する必要がない。そのため、効率的にショベル122を回転できるとともに、逆転時に発生する振動によって景品が落下することを防止できる。
【0057】
さらに、ショベル制御部192は、景品をすくい上げる場合には、ショベル122の保持面122Wが上向きとなる位置にてショベル122の回転が停止するようにショベル回転部123を制御する(
図6中央の回転停止位置)。そして、景品を落下させる場合、ショベル制御部192は、保持面122Wが、ショベル122の回転軸線よりも上方の位置に達するまでショベル122が回転するように、ショベル回転部123を制御する(
図6右側の景品落下位置)。その後、ショベル制御部192は、保持面122Wが裏返るまで(下向きとなる位置まで)ショベル122が回転するように、ショベル回転部123を制御する。この景品落下位置から回転終了位置までの回転動作は、連続的に行われる。すなわち、ショベル回転部123は、
図6右側の景品落下位置においてショベル122を停止させず、
図6左側の回転終了位置まで連続的にショベル122を回転させる。
【0058】
また、ショベル制御部192は、景品をすくい上げるときのショベル122の回転の開始位置と、景品を落下させるときのショベル122の回転の終了位置とが一致するように、ショベル回転部123を制御する。すなわち、ショベル制御部192は、
図6の回転開始位置で停止しているショベル122を、導入位置へ移動させるように昇降部124を制御する。さらに、ショベル制御部192は、
図6の景品落下位置まで回転したショベル122を、回転終了位置まで回転させるようにショベル回転部123を制御する。この結果、回転の開始及び終了位置は、ショベル122の回転軸に対する位置が一致する。これにより、落下動作後のショベル122を回転させずに、導入位置へ移動させても、ショベル122のすくい上げ動作を行うことができる。そのため、すくい上げ動作を行う前に、景品群に導入可能な位置へショベル122を回転させる予備動作が不要になる。
【0059】
遊戯装置100は、第1モードである通常ゲームと、第2モードである特別ポイントゲーム(以下、SPゲームと表記する。)とを実行できる。通常ゲームにおいて、ショベル制御部192は、導入位置にあるショベル122をすくい上げ方向Rに回転させて景品をすくい上げるように動作させる。その後、ショベル制御部192は、すくい上げた景品を景品取込口135に向けて落下させる方向に回転するように、ショベル122を動作させる。ここで、ショベル制御部192は、導入位置にあるショベル122を解放位置へ移動させた後にショベル122を回転させる。代替的に、ショベル制御部192は、導入位置にあるショベル122を回転させて、景品を景品取込口135に向けて落下させてもよい。この場合、景品取込口135の形成位置は、導入位置に近接する位置を通過するように設定される。
【0060】
SPゲームにおいて、ショベル制御部192は、ショベル122を導入位置へ移動して押出方向OR(
図6)に回転させる押出動作を行う。そのため、ショベル122は、すくい上げ動作時の回転方向であるすくい上げ方向Rとは反対の方向、すなわち、景品台131上の景品を景品取込口135に向けて押し出す押出方向ORに回転可能に構成されている。また、ショベル回転部123は、ショベル122を押出方向ORに回転させるように構成されている。そして、ショベル制御部192は、ショベル122が押出方向ORに回転するように、ショベル回転部123を制御する。通常ゲームでは、ショベル122が解放位置へ移動して回転されるが、SPゲームではショベル122が導入位置において回転される。すなわち、SPゲームは、捕獲動作において、ショベル122の移動範囲が通常ゲームとは異なる。これにより、すくい上げ動作と押出動作の、2つの異なる動作を同一の構成によって実行できる。そのため、同一の遊戯機構によって、互いにゲーム性が異なる2つのゲームを、ユーザに提供することができる。
【0061】
具体的に、
図6を参照して、SPゲームについて説明する。ショベル回転部123は、導入位置へ移動したショベル122を、
図6左側の回転開始位置から、すくい上げ方向Rの反対方向である押出方向ORに回転させる。そして、
図6中央の回転停止位置を通過して、ショベル回転部123は、
図6左側の回転終了位置までショベル122を回転させる。代替的に、ショベル回転部123は、ショベル122が導入位置へ移動している間に、ショベル122を押出方向ORに回転させてもよい。また、ショベル回転部123は、ショベル122が導入位置へ移動する前に、予めショベル122を
図6中央の回転停止位置まで回転させてもよい。この場合、ショベル回転部123は、押出方向OR又はすくい上げ方向Rのいずれの方向にショベル122を回転させてもよい。ただし、押出動作時には、ショベル回転部123が、回転停止位置にあるショベル122を押出方向ORに回転させる。これにより、景品PZ’’をすくい上げて景品取込口135の上方まで持ち上げなくとも、そのまま景品PZ’’を押し出して景品取込口135に導くことができる。そのため、多数の景品を獲得できる期待感を、ユーザに与えることができる。
【0062】
ここで、景品取込口135は、景品台131に隣接する位置、例えば、回転するショベル122に押し出された景品が到達する位置に開口している。そのため、
図6左側の回転終了位置までショベル回転部123がショベル122を回転させると、景品台131上の景品PZ’’がショベル122の押出面122Zに押されて、景品取込口135内に落下する。その後、ショベル回転部123は、ショベル122の回転を停止する。SPゲームにおいては、景品台131上の景品を直接景品取込口135内に押し出すため、景品案内面134上を滑り落とす通常ゲームと比較して、景品獲得の期待感を高めることができる。なお、押出動作には、景品を摺動させる動作に加えて、景品を弾き飛ばす動作が含まれる。
【0063】
また、制御部191には、遊戯の状態に基づいて導入部154が開閉されるように、シャッタ機構を制御するシャッタ制御手段の一例としてシャッタ制御部194が設けられている。例えば、シャッタ制御部194は、制御部191が遊戯開始操作を検知すると、シャッタ駆動手段の一例であるシャッタ駆動モータ158にシャッタ152を動作させて導入部154を開放する。代替的に、シャッタ制御部194は、景品が景品取込口135を通過したことを検知したときに導入部154を開放してもよい。この場合、例えば、景品取込口135にセンサを配置し、シャッタ制御部194は、景品の通過を検知した信号をセンサから受信したときに、導入部154を開放することができる。さらに、シャッタ制御部194は、ショベル122が導入位置又は解放位置へ移動したとき、又は獲得ボタン又は落下ボタン112Bが押し下げられたときに導入部154を開放してもよい。
【0064】
その後、シャッタ制御部194は、制御部191がゲームを終了すると判断すると、シャッタ駆動モータ158にシャッタ152を動作させて導入部154を閉鎖する。代替的に、シャッタ制御部194は、遊戯開始動作又はユーザによるボタンの押し下げ操作が行われずに所定時間が経過したときに、導入部154を閉鎖してもよい。また、シャッタ制御部194は、景品が景品排出口116に到達したときに、導入部154を閉鎖してもよい。さらに、シャッタ制御部194は、遊戯開始から終了までの間に渡って導入部154を開放してもよい。または、シャッタ制御部194は、遊戯開始後も導入部154を閉鎖したまま維持して、景品が景品取込口135を通過する度に導入部154を開放してもよい。
【0065】
次に、
図12を参照して、遊戯装置100による制御について説明する。なお、
図12においては、解放位置及び導入位置とは異なる位置にHPが設定されている形態を例として説明する。
【0066】
制御部191は、所定の対価の支払いと引き換えに、ユーザの操作に基づく遊戯をユーザに許可する。そのため、ユーザは、初めに投入口113にコインを投入する等の遊戯開始操作を行う。制御部191が遊戯開始操作を検知すると、シャッタ制御部194は、シャッタ駆動モータ158にシャッタ152を動作させて導入部154を開放する。例えば、投入口113内の投入センサは、コインの通過を検出すると検出信号を制御部191へ出力する。これにより、制御部191は、遊戯開始操作を検知できる。
【0067】
また、情報読取装置が配置されている場合、当該情報読取装置が、メンバーカード又はICカードからユーザ情報を読み取り、制御部191に送信する。制御部191は、ユーザ情報に基づいて、ポイント又は電子通貨等による支払処理を行って遊戯開始操作が検知されたと判定する。あるいは、制御部191は、情報読取装置を介してICカード等の遊技媒体に記録された電子通貨の残高情報を読み取り、遊戯の対価に相当する量の電子通貨を消費させることによって、遊戯開始操作が検知されたと判定してもよい。
【0068】
遊戯が開始されると、ショベル制御部192は、筐体部102にて行われる遊戯の状態に基づいて、通常ゲーム又はSPゲームを選択する。具体的に、ショベル制御部192は、遊戯の状態が、SPゲームを実行するための所定の条件(SP条件)を満たしているか否かを判定する(S101)。一例として、SP条件は、遊戯対価と関連付けて設定されている。すなわち、SP条件は、遊戯対価の支払い量の積算値が、所定の閾値に達した場合に満たされるように設定されている。例えば、制御部191がゲームを終了すると判断した後、所定の時間が経過するまでの間に遊戯対価が支払われると、SPポイントが積算される。そして、SPポイントが所定の閾値まで積算されると、SP条件が満たされる。具体的に、ゲーム終了から所定の時間内に100円が投入されると、SPポイントが1ポイント積算される。そして、SPポイントが5ポイントまで積算されると、SP条件が満たされる。これにより、ユーザがゲームを継続する意欲を促進できる。代替的に、ゲーム開始からの経過時間、ユーザの累計来店回数、ユーザの累計プレイ時間、及びユーザの累計プレイ回数等の指標が所定の条件に達した場合に、SP条件が満たされるように設定してもよい。もしくは、クーポン又はメンバーカードの読み取り等の所定の条件を満たした場合に、SP条件が満たされるように設定してもよい。
【0069】
SP条件が満たされていない場合(S101においてNO)、ショベル制御部192は、通常ゲームを選択して、通常ゲームを開始する(S102)。通常ゲームの選択時において、ショベル制御部192は、景品をすくう場合にはショベル122が導入位置へ移動して回転し、当該回転後はショベル122が解放位置まで移動して回転するように、ショベル回転部123及び昇降部124を制御する。具体的に、通常ゲームが開始されると、ショベル制御部192は、操作部111に対する第1操作である捕獲ボタン112Aの押し下げ操作に応じて、ショベル122が導入位置へ移動するように昇降部124を制御する。
【0070】
すなわち、ショベル制御部192は、捕獲ボタン112Aが押し下げられたか否かを判定し(S103)、押し下げられていない場合(S103においてNO)、押し下げを検知するまで待機する。一方、押し下げられた場合(S103においてYES)、ショベル制御部192は、すくい上げ動作を開始し(S104)、ショベル122が導入位置へ移動するように昇降部124を制御する。そして、ショベル制御部192は、導入位置にあるショベル122が自動的にすくい上げ方向Rに回転するようにショベル回転部123を制御する。代替的に、ショベル制御部192は、ユーザの操作、例えば捕獲ボタン112Aの二回目の押し下げ操作を検知した場合にショベル122が回転するように、ショベル回転部123を制御してもよい。
【0071】
その後、ショベル制御部192は、ショベル122が自動的に解放位置へ移動するように、昇降部124を制御する(S105)。そして、ショベル制御部192は、解放位置へ移動したショベル122が、操作部111に対する第2操作である落下ボタン112Bの押し下げ操作に応じて、ショベル122が回転するようにショベル回転部123を制御する。すなわち、ショベル制御部192は、落下ボタン112Bが押し下げられたか否かを判定し(S106)、押し下げられていない場合(S106においてNO)、押し下げを検知するまで待機する。
【0072】
一方、押し下げられた場合(S106においてYES)、ショベル制御部192は、落下動作を開始する(S107)。代替的に、ショベル制御部192は、落下ボタン112Bの押し下げ操作に応じてショベル122が解放位置へ移動するように、昇降部124を制御してもよい。この場合、ショベル制御部192は、解放位置にあるショベル122が自動的に回転するようにショベル回転部123を制御する。もしくは、ショベル制御部192は、ユーザの操作、例えば二回目の落下ボタン112Bの押し下げ操作を検知した場合にショベル122が回転するように、ショベル回転部123を制御してもよい。このように、ユーザが景品の落下タイミングを決定するため、ユーザは、落下タイミングを考慮する必要がある。そのため、ゲーム内容を複雑化することによって、ゲームの興趣をより高めることができる。
【0073】
解放位置における回転後、ショベル制御部192は、ショベル122がHPまで移動するように昇降部124を制御する(S108)。その後、制御部191は、所定の対価の支払いが行われているか否かを判定して、ゲームを終了するか否かを判断する。例えば、所定の対価(例.500円)の支払いによって、所定の回数(例.6回)プレイできる場合、制御部191は、プレイが終了する度にプレイ可能回数から1を減算する。そして、制御部191は、プレイ可能回数が0に達するまでは、所定の対価の支払いが行われていると判定する。一方、制御部191は、プレイ可能回数が0に達すると、所定の対価の支払いが行われていないと判定する。
【0074】
そして、制御部191は、所定の対価の支払いが行われていると判定すると(S109においてNO)、通常ゲームを開始する(S102)。一方、制御部191は、所定の対価の支払いが行われていないと判定してから所定時間が経過すると、ゲームを終了する(S109においてYES)。そして、シャッタ制御部194は、操作部111の投入口113に対する遊戯開始操作に基づいて、遊戯が行われているか否かを判断する。例えば、遊戯開始操作が行われずに所定時間(例.1分)が経過すると、シャッタ制御部194は、遊戯が行われていないと判断する。そして、シャッタ制御部194は、遊戯が行われていないと判断した場合には、導入部154が閉じるようにシャッタ機構を制御する(S110)。これにより、景品を景品排出口116へと送る必要がない場合には、シャッタ152を閉じることができる。そのため、景品取込口135を通って下方に漏れ出る冷気の損失を最小限にとどめることができる。
【0075】
SP条件が満たされている場合(S101においてYES)、ショベル制御部192は、SPゲームを選択して、SPゲームを開始する(S111)。SPゲームの選択時において、ショベル制御部192は、ショベル122が導入位置へ移動し、その後にショベル122が押出方向ORに回転するように、ショベル回転部123及び昇降部124を制御する。具体的に、SPゲームが開始されると、ショベル制御部192は、操作部111に対する第1操作である捕獲ボタン112Aの押し下げ操作に応じて、ショベル122が導入位置へ移動するように昇降部124を制御する。
【0076】
すなわち、ショベル制御部192は、捕獲ボタン112Aが押し下げられたか否かを判定し(S112)、押し下げられていない場合(S112においてNO)、押し下げを検知するまで待機する。一方、押し下げられた場合(S112においてYES)、ショベル制御部192は、押出動作を開始し(S113)、ショベル122が導入位置へ移動するように昇降部124を制御する。そして、ショベル制御部192は、導入位置にあるショベル122が自動的に押出方向ORに回転するようにショベル回転部123を制御する。代替的に、ショベル制御部192は、ユーザの操作、例えば捕獲ボタン112Aの二回目の押し下げ操作を検知した場合にショベル122が回転するように、ショベル回転部123を制御してもよい。
【0077】
導入位置における回転後、ショベル制御部192は、ショベル122がHPまで移動するように昇降部124を制御する(S114)。その後、制御部191は、所定の対価の支払いが行われているか否かを判定して、ゲームを終了するか否かを判断する。そして、制御部191は、所定の対価の支払いが行われていると判定すると(S115においてNO)、通常ゲームを開始する(S102)。代替的に、制御部191は、所定の対価の支払いが行われていると判定すると、SPゲームを開始してもよい。一方、制御部191は、所定の対価の支払いが行われていないと判定してから所定時間が経過すると、ゲームを終了する(S115においてYES)。そして、シャッタ制御部194は、遊戯が行われていないと判断した場合には、導入部154が閉じるようにシャッタ機構を制御する(S110)。
【0078】
次に、
図11に示したペイアウト率調整部200の詳細を説明する。ペイアウト率調整部200は、遊戯装置100におけるペイアウト率を調整するための論理的装置である。ペイアウト率は、遊戯のために消費した価値に対するユーザが獲得した景品の価値の比率である。遊戯のために消費した価値は、例えばユーザが投入口113に投入したコインの枚数と一枚のコインが有する金銭的価値の積で与えられる。一方、景品の価値は、例えばユーザに対して払い出された景品のそれぞれが有する金銭的価値の和として与えられる。ただし、ユーザが消費した価値及びユーザが獲得した景品の価値は必ずしも同一の単位で計量されることを要しない。例えば、各コインの価値が一定であるとすれば、ユーザが消費した価値がコインの枚数によって計量されてもよい。景品の価値も、例えば各景品の金銭的価値(例えば仕入れ額)が一定であるとすれば、ユーザに払い出された景品の価値が景品の個数によって計量されてもよい。
【0079】
ペイアウト率調整部200は、ペイアウト率を監視する処理、及びペイアウト率に応じてショベル122の解放位置が変化するように駆動手段196の昇降部124の動作を制御する処理を実行する。制御対象の解放位置は、
図12の処理における通常ゲーム時の解放位置、すなわち
図12のステップS107にて落下動作が行われるときの解放位置である。ペイアウト率を監視する処理は、例えば投入口113に設けられた投入センサからの信号に基づいて、ユーザが消費した価値の量を積算するとともに、景品センサ201が検出した景品の払い出し信号に基づいて、ユーザが獲得した景品の価値の量を積算し、それらの積算値から遊戯装置100のペイアウト率を随時算出することにより実現することができる。景品センサ201は、景品取込口135から取り込まれて景品排出口116に導かれる景品を検出し、その検出結果に応じた信号を制御部191に出力する。景品の価値が一定である場合、景品センサ201からは景品を検出するごとに所定の検出信号を出力させ、その検出信号が出力された回数をペイアウト率調整部200にて計数すればユーザが獲得した景品の価値を特定することができる。価値が異なる複数種類の景品が存在する場合には、例えば景品の種類を判別可能な情報が埋め込まれたバーコード、二次元コードあるいはRFIDタグ等の識別子を景品に設け、その識別子を景品センサ201にて読み取るようにしてもよい。
【0080】
ペイアウト率調整部200によるペイアウト率の監視は、ペイアウト率が変化するイベント、例えば投入口113へのセンサによる検出信号の出力、あるいは景品センサ201による景品の検出信号の出力をトリガとして随時実行されてよい。遊戯装置100においては、複数のステーションSが設けられ、各ステーションSに投入口113、景品排出口116及び景品取得ユニット121が設けられている。ペイアウト率調整部200によるペイアウト率の算出は、ステーションSごとに独立して行われてもよい。その場合には、ステーションSごとにペイアウト率を目標範囲に制御することができる。あるいは、ステーションSごとのペイアウト率の算出に代えて、又は加えて、遊戯装置100の全体としてのペイアウト率が算出されてもよい。例えば、複数のステーションSのそれぞれにてユーザが消費した価値を合算するとともに、複数のステーションSのそれぞれにてユーザが消費した景品の価値を合算し、それらの値から遊戯装置100の全体としてのペイアウト率が算出されてもよい。
【0081】
ステーションSごとにペイアウト率が算出される場合には、その算出結果に基づいて、各ステーションSの景品取得ユニット121におけるショベル122の解放位置をステーションSごとに独立的に調整して、各ステーションSのペイアウト率を目標範囲に個別に制御することができる。一方、遊戯装置100の全体としてのペイアウト率を算出する場合には、その算出結果に基づいて全てのショベル122の解放位置を調整して遊戯装置100の全体としてのペイアウト率を目標範囲に制御することが可能である。遊戯装置100における遊戯では、ユーザのスキル、例えば捕獲ボタン112Aを操作して景品の捕獲を指示するタイミングの選択の巧拙がペイアウト率に対して無視できない程度の影響を与えることがある。そのため、ステーションSごとに独立してペイアウト率を制御した場合には、スキルの高いユーザが遊戯している間のペイアウト率の一時的な上昇(つまり、ユーザが獲得した景品の価値の比率が高まること)、あるいは反対にスキルの低いユーザが遊戯している間のペイアウト率の一時的な低下に反応してペイアウト率調整部200による解放位置の制御が過度に介入し、ユーザのスキルが遊戯結果に反映され難くなるおそれがある。そのような場合には、遊戯装置100の全体としてのペイアウト率を目標範囲に制御すれば、ペイアウト率制御が過度に介入するおそれを低減することが可能である。
【0082】
一方、ペイアウト率調整部200によるショベル122の解放位置の変化は、例えばペイアウト率調整部200が
図13に示したペイアウト率調整処理を実行することにより実現される。ステーションSごとにペイアウト率を別々に制御する場合には、ステーションSごとに分けて
図13の処理を実行すればよい。この場合、
図13の処理で参照されるペイアウト率は
図13の処理を実行する対象となるステーションSに関するペイアウト率であり、かつ
図13の制御によって変更される解放位置も制御対象のステーションSにおけるショベル122の解放位置である。一方、遊戯装置100の全体としてのペイアウト率を制御する場合には、遊戯装置100の全体として
図13の処理を合一的に実行すればよい。この場合、
図13の処理で参照されるペイアウト率は遊戯装置100の全体としてのペイアウト率であり、かつ
図13の制御によって変更される解放位置は全てのショベル122の解放位置である。
【0083】
図13のペイアウト率調整処理は適宜の周期で繰り返し実行されるルーチン処理である。
図13の処理を開始すると、ペイアウト率調整部200は、まず現在のペイアウト率が目標範囲にあるか否かを判別する(S121)。目標範囲は適宜に定められてよい。ペイアウト率が目標範囲にある場合には今回のルーチンが終了する。一方、ペイアウト率が目標範囲外の場合、ペイアウト率調整部200はペイアウト率の目標範囲からのずれに応じてショベル122の解放位置を変更する(S122)。この処理は、例えば
図11のショベル制御部192にて設定されている解放位置、つまり景品を落下させるときのショベル122の停止位置を、ペイアウト率のずれの状態に応じて更新することにより実行される。ステップS122の処理を実行することにより、ペイアウト率調整部200は解放位置調整手段の一例として機能する。解放位置の変更後、ペイアウト率調整部200は今回のルーチンを終了する。
【0084】
ステップS122の処理において、目標範囲からのペイアウト率のずれの状態と解放位置の変更との関係は、解放位置とペイアウト率との間の相関性に応じて適宜に設定されてよい。例えば、ショベル122が景品取込口135に対して景品案内面134に沿って上方に離れるほど、景品が景品案内面134を滑り落ちる距離が増加する。その間に景品が斜めに転がる、あるいは景品同士がぶつかって移動方向が変わるといった不規則な動きが生じ、結果として景品取込口135に景品が取り込まれ難くなる、といった相関性が認められる場合には次の通りペイアウト率に応じて解放位置を変化させる。すなわち、ペイアウト率が目標範囲よりも低い値であるときは、ペイアウト率のずれ量が大きいほど解放位置が景品取込口135に近付くように、言い換えれば、導入位置と解放位置との間におけるショベル122の移動方向に相当するガイドレール125の長手方向に沿って、解放位置が下方に偏位するように解放位置の設定値が更新されてよい。これにより、ショベル122が解放動作を行ったとき、ショベル122に保持されていた景品が景品取込口135により近い位置に落下する。これにより、上述した景品の挙動の不規則性が抑えられてペイアウト率が上昇する。一方、ペイアウト率が目標範囲よりも高い値であるときは、ペイアウト率のずれ量が大きいほど解放位置が景品取込口135から遠ざかるように、つまりガイドレール125の長手方向に沿って解放位置が上方に偏るように解放位置の設定値が更新されてよい。これにより、ショベル122が解放動作を行ったとき、ショベル122に保持されていた景品が景品取込口135に対して上方により離れた位置に落下する。この場合は、景品の挙動の不規則性が高まってペイアウト率が低下する。
【0085】
一方、ショベル122や景品案内面134の形状、あるいは大きさといった、景品の挙動に影響する要素によっては、必ずしもショベル122の解放位置とペイアウト率との関係が必ずしも上記の通りではない場合もあり得る。あるいは、景品の大きさ、形状、重量等の景品の形態によっても、景品案内面134を滑り落ちる間の景品の挙動は変わり得る。したがって、景品案内面134上の少なくとも一部の区間において、景品ショベル122が景品取込口135に対して景品案内面134に沿って上方に離れるほど景品が景品取込口135に取り込まれ易くなるといった相関性が認められる場合も想定できる。このような場合には、ペイアウト率が目標範囲に対して低い側に大きくずれるほど解放位置が景品取込口135から遠ざかるように解放位置の設定値が更新され、ペイアウト率が目標範囲に対して高い側に大きくずれるほど解放位置が景品取込口135に近付くように解放位置の設定値が更新されてよい。いずれにしても、ショベル122の解放位置とペイアウト率との間の相関性を実際の遊戯装置100の構成に合わせて検証し、その結果に応じて解放位置をどのように変化させるかを定めれば、ペイアウト率を適切に調整することが可能である。
【0086】
ステップS122にて解放位置が変更されると、ショベル制御部192は、変更後の解放位置にてショベル122が停止するように昇降部124を制御する。これにより、解放位置がペイアウト率に応じて変化する。なお、ペイアウト率調整部200にて設定された解放位置としてのショベル122の停止位置は、ショベル制御部192がショベル122を停止させるべき位置として制御部191の内部記憶装置に内部パラメータとして保持される値であって、ユーザによって変更することは不可能である。つまり、操作部111の捕獲ボタン112Aの操作によってショベル122が捕獲動作を行った後、ショベル122は予め設定された解放位置まで昇降部124によって移送されて停止するが、そのときの停止位置をユーザが指定することはできない。言い換えれば、解放位置の設定はユーザに対して開放されておらず、解放位置の変化はユーザ操作に依存することなく実現されるものである。
【0087】
本発明は上記の形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記の形態では、ペイアウト率が目標範囲から外れた場合に解放位置を変更するものとしたが、解放位置の変更はそのように自動的に行われる例に限らない。例えば、ペイアウト率の現在値を遊戯装置100のオペレータが適宜に確認可能とし、オペレータの指示に従ってペイアウト率調整部200が解放位置の設定値を変更するようにしてもよい。つまり、解放位置を変更するか否か、及び変更する場合にはどのように変更するかがオペレータの判断に委ねられてもよい。
【0088】
上記の形態では、ショベル制御部192における解放位置の設定をペイアウト率調整部200が変更することにより解放位置を変化させているが、これに代えて、又は加えて昇降部124にて、解放位置を機械的に変更する機構が解放位置調整手段として設けられてもよい。例えば、昇降部124にて、ショベル122が解放位置に達したことを検出する位置センサを設け、その位置センサが解放位置へのショベル122の移動を検出したか否かをショベル制御部192にて判別し、解放位置に達したと判断されたときに昇降部124によるショベル122の昇降動作を停止させる場合には、位置センサの取付位置を機械的に変更する機構を解放位置調整手段として設けてもよい。あるいは、解放位置を規定するストッパを昇降部124に設け、そのストッパにてショベル122の解放位置側への移動が規制する場合にはストッパの位置を調整する機構を解放位置調整手段として設けてもよい。これらの場合には、遊戯装置100のオペレータが必要に応じて解放位置を調整すればよい。
【0089】
上記の形態では、ショベル122の導入位置と解放位置との間の移動方向、つまりガイドレール125の長手方向に沿って解放位置を変化させるものとしたが、これに代えて、又は加えてガイドレール125の長手方向とは異なる方向、例えば鉛直方向にショベル122を変位させる機構を設け、その機構によるショベル122の位置を変更することにより解放位置を変化させてもよい。景品の取り易さ、言い換えれば景品取込口135に景品が取り込まれる可能性は、ショベル122が解放動作を行うべき解放位置と景品取込口135との間の距離の影響を受ける。よって、解放位置から景品取込口135までの距離が変化する限りにおいて、解放位置を変化させる方向は導入位置と解放位置との間のショベル122の移動方向のみならず、他の方向に設定されていてもよい。
【0090】
捕獲体は、景品をすくい上げる動作を捕獲動作として行うショベル122に限らず、景品を掴むように構成されたものでもよい。その場合には景品を掴む動作が捕獲動作に相当し、掴んだ景品を離す動作が解放動作に相当するが、そのような場合でも捕獲体の解放動作が行われるべき解放位置を変化させることにより、景品が景品取込口に入り込む可能性を変化させ、それによりペイアウト率を調整することが可能である。捕獲体は、景品を釣り上げるような動作を行うように構成されたものでもよい。例えば、フック状の先端部が捕獲体に設けられ、景品には捕獲体の先端部を引っ掛ける部分が設けられた構成であっても、景品の解放動作が行われるべき解放位置を変化させてペイアウト率を調整することが可能である。
【0091】
上記の形態では、捕獲体の解放位置を変化させることによりペイアウト率を調整するものとしたが、ショベル122のように所定の回転軸線の周りに回転して捕獲動作及び解放動作を実現するタイプの遊戯装置においては、その捕獲体の回転動作、言い換えれば捕獲体の捕獲動作及び解放動作の少なくともいずれか一方を動的に変化させることによってもペイアウト率を調整することが可能である。
【0092】
例えば、捕獲体を駆動するトルク(以下、駆動トルクと呼ぶ。)を動的に変化させることによってペイアウト率を調整することができる。すなわち、ショベル122によってすくい上げることが可能な景品の重量はショベル122の駆動トルクの影響を受けることがある。ショベル122を捕獲動作させたとき、ショベル122によってすくい上げることが可能な景品の重量(複数の景品ではその合計重量)はショベル122の駆動トルクによって制限される。駆動トルクの制限を超える重量の景品をすくい上げようとした場合にはショベル122が一時的に停止、あるいは減速し、それに伴なって一部の景品がショベル122からこぼれ落ち、景品の重量が減少したことにより、ショベル122が本来のすくい上げ動作に復帰することがある。この場合には、駆動トルクを増加させれば、一度に捕獲することが可能な景品の個数を増加させ得る。一方、景品が比較的軽量な場合には、駆動トルクが過度に大きいと、景品をすくい上げようとしたときに一部の景品が弾かれてショベル122に乗せることが不可能となることもある。この場合には、駆動トルクを増加させれば、一度に獲得できる景品の個数が減少し得る。いずれの場合でも、一度に捕獲可能な景品の個数が大きければペイアウト率は上昇する可能性がある。また、ショベル122の解放動作に関しても、ショベル122の駆動トルクが大きければ、景品により大きな加速度を与えて景品を案内コーン133のより上方の領域に向けて落下させ得る。つまり、ショベル122の解放動作時の加速度を増加させるほど、景品の落下位置が景品取込口135に対して遠方に離れる可能性がある。景品の落下位置が景品取込口135から遠ざかるほどペイアウト率が低下する可能性があることは上述した通りである。
【0093】
以上のように、ショベル122の駆動トルクとペイアウト率との間には、景品の重量によって対応関係が変わることがあり得るとしても、ショベル122の捕獲動作、及び解放動作のいずれに関しても相関性があると考えられる。したがって、ショベル122の駆動トルクを動的に変化させるトルク調整手段をショベル回転部123に設け、捕獲動作及び解放動作の少なくともいずれか一方に関してショベル122の駆動トルクを適宜に調整すれば、ペイアウト率を変化させることができる。
【0094】
トルク調整手段としては、例えばショベル駆動モータ123Eの出力トルクを調整する手段を利用することができる。あるいは、無端ベルト123Dの張力が大きいほどショベル122に対してより大きな駆動トルクを伝えることができることを考慮すれば、無端ベルト123Dの張力を動的に変化させる張力調整機構がトルク調整手段として設けられてもよい。そのような張力調整機構としては、例えば、無端ベルト123Dに接するアイドルプーリ等の接触体と、その接触体の無端ベルト123Dに対する押付力を調整する調整機構とを備えた、テンションアジャスタ機構等を設けることができる。押付力の調整は手作業によるもの、あるいはアクチュエータを用いるもののいずれでもよいが、アクチュエータにて押付力を調整する場合には、
図13のステップS122の処理に代えて、又は加えて接触体の押付力を変更すれば、ペイアウト率に応じたショベル122の駆動トルクを自動的に調整することが可能である。もちろん、ショベル駆動モータ123Eの出力トルクを調整する場合にも同様である。
【0095】
さらに、捕獲動作又は解放動作の変化は、捕獲体に与える駆動トルクに限らず、捕獲体の回転速度、加速度、あるいは回転量といった捕獲動作又は解放動作を決定付ける物理量を適宜に調整することによって実現されてもよい。それらの物理量を動的に変化させれば、捕獲動作における景品の取り易さ、あるいは解放動作における景品取込口への景品の入り易さを変化させ、ひいてはペイアウト率を変化させることが可能である。
【0096】
さらに、上記形態の遊戯装置100においては、次のような変形又は変更が可能である。例えば、ショベル122の回転軸は、ショベル122の端部ではなくショベル122の中央部分に設けてもよい。この場合、ショベル122は、ショベル122の押出面122Zに対して面対称の形状を有していてもよい。また、景品取込口135は、上下方向に並んで複数形成してもよい。また、景品案内面134の周方向に沿って複数の景品取込口135を形成し、複数の景品取込口135の上下方向における位置を、互いに異ならせてもよい。さらに、落下ボタン112Bと捕獲ボタン112Aとを一つのボタンで兼用してもよい。この場合、ゲーム開始後の一回目のボタン押し下げ動作が捕獲動作に対応し、二回目のボタン押し下げ動作が落下動作に対応する。また、複数種類のショベル122、例えば、サイズが異なる複数のショベル122を準備し、ショベル122を交換可能に構成してもよい。
【0097】
必要に応じて、すくい上げ方向Rにおける落下動作の回転終了位置は、すくい上げ動作の回転開始位置と異ならせることができる。この場合、すくい上げ動作を開始する前に、すくい上げ動作の回転開始位置へとショベル122を回転させてもよい。また、景品取込口135は、必ずしも景品案内面134内に設けなくともよい。例えば、景品取込口135は、案内コーン133の下端部の周辺に設けることができる。または、案内コーン133を省略して、上方に向かって開口する景品取込口135を、景品台131に隣接するように形成してもよい。
【0098】
さらに、捕獲ボタン112Aのみを設けて、落下ボタン112Bを省略してもよい。この場合、ユーザが捕獲ボタン112Aを押し下げると、すくい上げ動作及び落下動作が一連の動作として自動的に実行される。また、ステーションSを1つのみ設け、一人のユーザのみが遊戯できるように遊戯装置100を構成してもよい。また、保持体141及び/又は冷却部195は、不要であれば省略してもよい。さらに、冷却部195を省略する場合、シャッタ機構及びシャッタ制御部194も省略できる。
【0099】
以下、上述した各実施形態及び各変形例から導き出される各種の態様を記載する。なお、各態様の理解を容易にするため、添付図面に図示された参照符号を括弧書きにて付記する。ただし、参照符号は、本発明を図示の形態に限定する意図で付記するものではない。
【0100】
本発明の一態様に係る遊戯装置(100)は、内部が視認可能なケース(101)にて覆われた遊戯空間内に、ユーザによる獲得対象となる景品群が配置される景品台(131)と、前記景品群に含まれる少なくとも一つの景品を前記遊戯空間から前記ケース外に取り出すための景品取込口(135)と、前記景品台上の前記景品を前記景品取込口に向けて移動させるように動作可能な景品取得手段(121)とが設けられ、前記ケース外には前記ユーザの操作を受け付ける操作部(111)が設けられた遊戯機構部(102)と、前記操作部に対する前記ユーザの前記操作に基づいて、前記景品の獲得を目的とする遊戯が前記遊戯空間内にて行われるように前記景品取得手段を制御する制御部(191)とを備え、前記景品取得手段には、前記景品を捕獲するための捕獲体(122)と、前記景品を捕獲する捕獲動作、及び捕獲した前記景品を解放する解放動作を前記捕獲体に与えるように当該捕獲体を駆動する捕獲体駆動手段(123)と、前記捕獲体が前記景品台上の前記景品群内に導入されて前記捕獲動作が行われる導入位置と前記捕獲体の前記解放動作が行われて前記景品が解放される解放位置との間で前記捕獲体を移動させる捕獲体移送手段(124)と、が設けられ、前記捕獲体の前記解放位置を変化させる解放位置調整手段(200)を前記遊戯装置がさらに備えたものである。
【0101】
上記の態様によれば、解放位置を変化させることにより、解放動作時の捕獲体と景品取込口との距離、あるいは位置関係を変化させることができる。解放位置と景品取込口との距離、あるいは位置関係は、景品取込口への景品の取り込まれ易さに影響を与え、その結果として解放位置がどのような位置に設定されているかはペイアウト率と相応に相関する。例えば、捕獲体が景品取込口に対して比較的近い位置で解放動作を行うように解放位置が設定されていれば、景品取込口に景品が取り込まれ易くなってペイアウト率が上昇し、捕獲体が景品取込口に対して比較的遠い位置で解放動作を行うように解放位置が設定されていれば、景品が取り込まれ難くなってペイアウト率が低下する、といった相関関係が想定される。もっとも、捕獲体から解放された景品が景品取込口に導かれる態様によっては、上記と逆の相関関係が生じることも想定される。例えば、捕獲体から解放された景品が放物線を描くように落下するような場合には、景品取込口に対して必要以上に接近した位置で解放動作を行うように解放位置が設定されると、却って景品が景品取込口外に落下するような場合も想定される。このような場合には解放位置を景品取込口から適度に離して設定した方が景品が取り込まれ易くなってペイアウト率が上昇する。いずれにしても、捕獲体の解放位置と景品取込口との間の距離又は位置関係とペイアウト率との間には相応に相関性があり、解放位置を変化させることによりペイアウト率を適宜に調整することが可能である。
【0102】
上記態様において、前記制御部は、前記捕獲体の前記解放位置が変化するように前記捕獲体移送手段を制御することにより前記解放位置調整手段として機能してもよい。この態様によれば、制御部にて解放位置を変化させることにより、機械的な調整作業に依存することなく、比較的容易に解放位置を変化させてペイアウト率を調整することが可能である。この場合、例えば前記制御部は、予め設定された停止位置を前記解放位置として前記捕獲体が停止するように前記捕獲体移送手段を制御し、前記設定された停止位置を変化させることにより前記解放位置調整手段として機能してもよい。この場合、解放位置調整手段は解放位置の設定を変更すればよく、捕獲体移送手段がその設定された解放位置で捕獲体を停止させることにより、捕獲体の解放位置が適宜に変化する。
【0103】
前記制御部は、前記ユーザが前記遊戯のために消費した価値に対する前記ユーザが獲得した価値の比率であるペイアウト率が目標範囲に制御されるように前記解放位置を変化させてもよい。これによれば、ペイアウト率が目標範囲に制御されるように解放位置調整手段が解放位置を変化させることができる。
【0104】
前記捕獲体は所定の回転軸線の周りに回転可能に設けられ、前記捕獲体駆動手段は、前記景品をすくい上げるように前記捕獲体を前記回転軸線の周りに回転させることによって前記捕獲体に前記捕獲動作を与えるとともに、すくい上げられた前記景品が落下するように前記捕獲体を前記回転軸線の周りに回転させることによって前記捕獲体に前記解放動作を与えるように設けられてもよい。景品を掴むように動作するタイプの捕獲体を用いる場合には、その掴む力を調整することにより景品の取り易さを変化させることができる。しかし、景品をすくい上げるように動作するタイプの捕獲体を用いる場合にはそのような調整手法を採用し得ない。これに対して、解放位置を変化させる手法を導入すれば、景品をすくい上げるタイプの捕獲体を用いる場合であってもペイアウト率の調整が可能となる。
【0105】
前記遊戯空間には、前記景品台側からみて上り勾配が付された景品案内面(134)が設けられ、前記景品取込口は前記景品案内面上に開口し、前記捕獲体は前記景品案内面の前記景品取込口よりも上方の領域(UA)に前記景品を落下させるように設けられてもよい。これによれば、解放位置を変化させることにより、捕獲体から解放された景品が景品案内面のどのような位置に落下するかを適宜に変化させることができる。景品が落下する位置が変化すれば、景品案内面に沿って景品取込口に向かう景品の挙動が変化し、その変化が景品取込口への景品の取り込まれ易さに影響を与え、ひいてはペイアウト率にも影響を与え得る。このように、捕獲体から景品取込口に向けて景品を直接落とすのではなく、景品取込口に向かって傾斜した景品案内面に景品を落とすことにより、景品案内面上での景品の挙動をペイアウト率に影響する要素としてさらに利用しつつ、解放位置に応じてペイアウト率を調整することができる。
【解決手段】景品台131上の景品群に含まれる少なくとも一つの景品を取り出すための景品取込口135と、景品を景品取込口135に向けて移動させるように動作可能な景品取得ユニット121とが設けられ、景品取得ユニット121には、景品を捕獲するための捕獲体の一例としてのショベル122と、景品を捕獲する捕獲動作、及び捕獲した景品を解放する解放動作をショベル122に与えるショベル駆動部123と、ショベル122が景品台135上の景品群内に導入されて捕獲動作が行われる導入位置と、ショベル122の解放動作が行われて景品が解放される解放位置との間でショベル122を移動させる昇降部124と、が設けられた遊戯装置100において、ショベル122の解放位置を変化させる解放位置調整手段の一例として、ペイアウト率調整部200を設ける。