(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、電極体において充放電が繰り返されたときに該電極体を構成する電極がずれ難い蓄電装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る蓄電素子は、
電極が積層された扁平な電極体、及び該電極体が収容される角形のケースを有する蓄電素子と、
前記蓄電素子と第一方向において隣接するスペーサと、
前記蓄電素子と前記スペーサとを第一方向に締め込むように保持する保持部材と、を備え、
前記スペーサは、第一方向と直交する方向であって前記ケースにおいて略平行な一対の壁部同士を結ぶ方向である第二方向における該スペーサの中央部の第一方向の厚さ寸法が、該スペーサの前記中央部と第二方向において隣接する他の部位の第一方向の厚さ寸法より大きく、且つ、前記スペーサの中央部の前記蓄電素子との当接部における第一方向及び第二方向と直交する第三方向の幅が前記ケースの第三方向における幅より小さくなるように形成されている。
【0009】
このように、スペーサにおいて、他の部位より厚さ寸法を大きくした中央部における蓄電素子との当接部の幅をケースより小さくし、これにより、該ケースにおける強度の大きな側部近傍を避けた部位を該中央部によって押圧可能とすることで、蓄電素子とスペーサとが第一方向に締め込まれた状態で保持部材に保持されることにより、電極体が膨張したときの該電極体の中央部に対し、反力を効果的に加え続けることができる。これにより、充放電の繰り返し及び電極の劣化による電極体の膨張等に起因する電極体での電極のずれを抑えることができる。
【0010】
前記蓄電装置では、
前記電極体を構成する電極は、活物質層を有し、
前記スペーサの中央部の前記当接部における第三方向の幅は、前記電極における前記活物質層の第三方向における幅と同じ又は大きいことが好ましい。
【0011】
かかる構成によれば、電極体の膨張等の度合いが大きい活物質層部分全体に、スペーサの中央部による押圧力(反力)が加えられるため、電極体が膨張等したときの電極のずれがより生じ難くなる。
【0012】
前記蓄電装置では、
前記電極体を構成する電極は、活物質層を有し、
前記スペーサの中央部の前記当接部における第三方向の幅は、前記電極における前記活物質層の第三方向における幅より小さくてもよい。
【0013】
かかる構成によれば、ケースとスペーサの中央部との接触面積が小さくなるため、スペーサからケースに加わる押圧力(反力)の単位面積当たりの値が大きくなる。これにより、電極体が膨張したときの該電極体の中央部に対し、反力をより効果的に加え続けることができる。
【0014】
前記蓄電装置では、
前記スペーサは、前記蓄電素子と隣接し且つ該蓄電素子に沿って拡がるベースを有し、
第二方向における前記ベースの中央部の第三方向の幅は、前記ケースの第三方向における幅より小さく、
前記ベースにおける第一方向及び第二方向を含む断面の形状は、矩形波形状であり、
第二方向における前記ベースの中央部の第一方向の振幅は、該ベースの前記中央部と第二方向において隣接する他の部位の第一方向の振幅より大きくてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、蓄電素子とベースとの間に、蓄電素子を冷却するための流体が第三方向に流通可能な通風路が形成される。即ち、上記構成によれば、通風路を形成する構成(断面が矩形波形状となる構成)を利用して、電極体の第二方向における中央部に対し、反力を効果的に加えることができる。
【0016】
また、前記蓄電装置では、
前記スペーサは、前記蓄電素子と隣接し且つ該蓄電素子に沿って拡がるベースと、前記ベースから該ベースに隣接する蓄電素子に向けて延びる凸部であって、第二方向に間隔をおいて複数設けられる凸部とを有し、
前記複数の凸部は、前記ケースにおける第三方向の両端部を除く部位と当接し、
第二方向における前記ベースの中央部に設けられた前記凸部の延出量が、該ベースの前記中央部と第二方向において隣接する他の部位に設けられた前記凸部の延出量より大きくてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、蓄電素子とベースとの間に、蓄電素子を冷却するための流体が流通可能な空間が形成される。即ち、上記構成によれば、前記空間を形成する構成(ベースから蓄電素子に向かって凸部が延びる構成)を利用して、電極体の第二方向における中央部に対し、反力を効果的に加えることができる。
【0018】
この場合、
前記複数の凸部のそれぞれは、第一方向に延び且つ第三方向に延びるリブであってもよい。
【0019】
かかる構成によれば、蓄電素子とベースとの間に、蓄電素子を冷却するための流体が第三方向に流通可能な通風路が形成される。
【発明の効果】
【0020】
以上より、本発明によれば、電極体において充放電が繰り返されたときに該電極体を構成する電極がずれ難い蓄電装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態について、
図1〜
図10を参照しつつ説明する。尚、本実施形態の各構成部材(各構成要素)の名称は、本実施形態におけるものであり、背景技術における各構成部材(各構成要素)の名称と異なる場合がある。
【0023】
蓄電装置は、
図1に示すように、蓄電素子1と、該蓄電素子1に隣り合うスペーサ2と、蓄電素子1及びスペーサ2をひとまとめに保持する保持部材3とを備える。保持部材3は、導電材料により成形される。これに伴い、蓄電装置は、蓄電素子1と保持部材3との間に配置されるインシュレータ4を備える。
【0024】
蓄電素子1は、
図2〜
図5に示すように、正極53及び負極54を含む電極体5と、電極体5が収容される角形のケース10と、ケース10の外面上に配置された一対の外部端子11とを備える。
【0025】
電極体5は、電極53,54が巻回され、短径(
図4における左右方向の径)及び長径(
図4における上下方向)を有する。即ち、本実施形態の電極体5は、扁平な筒形状を有する。具体的には以下の通りである。
【0026】
電極体5は、巻芯51と、正極(正の極性を有する電極)53と負極(負の極性を有する電極)54とが互いに絶縁された状態で積層された積層体であって、巻芯51の周囲に巻回された積層体52と、を備える。電極体5においてリチウムイオンが正極53と負極54との間を移動することにより、蓄電素子1が充放電する。
【0027】
巻芯51は、通常、絶縁材料によって形成される。巻芯51は、筒形状である。本実施形態の巻芯51は、偏平な筒形状である。本実施形態の巻芯51は、可撓性又は熱可塑性を有するシートを巻回することによって形成される。前記シートは、例えば、合成樹脂によって形成される。
【0028】
積層体52は、正極53及び負極54が積層された(重ねられた)ものであり、巻芯51の周囲に巻回される。
【0029】
正極53は、金属箔と、金属箔の上に形成された正極活物質層と、を有する。金属箔は帯状である。本実施形態の金属箔は、例えば、アルミニウム箔である。正極53は、帯形状の短手方向である幅方向の一方の端縁部に、正極活物質層の非被覆部(正極活物質層が形成されていない部位)531を有する。正極53において正極活物質層が形成される部位を被覆部532と称する。正極53における被覆部(正極活物質層が設けられた部位)532の厚さ寸法は、該正極53における非被覆部(他の部位)531の厚さ寸法より大きい。本実施形態の正極活物質層を構成する正極活物質は、例えば、リチウム金属酸化物である。
【0030】
負極54は、金属箔と、金属箔の上に形成された負極活物質層と、を有する。金属箔は帯状である。本実施形態の金属箔は、例えば、銅箔である。負極54は、帯形状の短手方向である幅方向の他方(正極53の非被覆部531と反対側)の端縁部に、負極活物質層の非被覆部(負極活物質層が形成されていない部位)541を有する。負極54の被覆部(負極活物質層が形成される部位)542の幅は、正極53の被覆部532の幅よりも大きい。負極54における被覆部542の厚さ寸法は、該負極54における非被覆部(他の部位)541の厚さ寸法より大きい。本実施形態の負極活物質層を構成する負極活物質は、例えば、難黒鉛化炭素である。
【0031】
本実施形態の電極体5では、以上のように構成される正極53と負極54とがセパレータ55によって絶縁された状態で巻回される。即ち、本実施形態の電極体5では、正極53、負極54、及びセパレータ55の積層体52が巻芯51の周囲に巻回される。セパレータ55は、絶縁性を有する部材である。セパレータ55は、正極53と負極54との間に配置される。これにより、電極体5(詳しくは、積層体52)において、正極53と負極54とが互いに絶縁される。また、セパレータ55は、ケース10内において、電解液を保持する。これにより、蓄電素子1の充放電時において、リチウムイオンが、セパレータ55を挟んで交互に積層される正極53と負極54との間を移動する。
【0032】
セパレータ55は、帯状である。セパレータ55は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セルロース、ポリアミドなどの多孔質膜によって構成される。セパレータの幅(帯形状の短手方向の寸法)は、負極54の被覆部542の幅より僅かに大きい。セパレータ55は、被覆部532,542同士が重なるように幅方向に位置ずれした状態で重ね合わされた正極53と負極54との間に配置される。このように積層された状態の正極53、負極54、及びセパレータ55(即ち、積層体52)が巻芯51の周囲に巻回されることによって、電極体5が形成される。
【0033】
ケース10は、開口を有するケース本体100と、ケース本体100の開口を閉じる蓋板101であって、外面上に一対の外部端子11が配置される蓋板101とを有する。
【0034】
ケース本体100は、閉塞部100aと(
図3及び
図4参照)、該閉塞部100aを取り囲むように、該閉塞部100aの周縁に接続された筒状の胴部100bとを備える。
【0035】
胴部100bは、間隔をあけて互いに対向する一対の第一壁100cと、一対の第一壁100cを挟んで互いに対向する一対の第二壁100dとを備える。
【0036】
第一壁100c及び第二壁100dのそれぞれは、矩形状に形成される。第一壁100c及び第二壁100dは、互いの端縁を突き合わせた状態で隣り合って配置される。隣り合う第一壁100cの端縁及び第二壁100dの端縁同士は、全長に亘って接続される。これにより、胴部100bは、角筒状に形成されている。胴部100bの一端は、閉塞部100aによって閉塞されている。これに対し、ケース本体100における胴部100bの他端は、開口している。この開口は、蓋板101によって閉塞される。本実施形態において、第一壁100cの表面積は、第二壁100dの表面積よりも広くなっている。このため、胴部100bは、扁平な角筒状である。
【0037】
本実施形態に係る蓄電装置は、複数の蓄電素子1を備える。複数の蓄電素子1のそれぞれは、一方向(第一方向)に整列する。本実施形態において、複数の蓄電素子1のそれぞれは、ケース10の第一壁100cを一方向(第一方向)に向けて整列している。蓄電装置は、隣り合う二つの蓄電素子1の外部端子11同士を電気的に接続する図略のバスバーを備える。
【0038】
尚、以下の説明において、便宜上、蓄電素子1の整列する方向(第一方向:電極体5の短径方向)をX軸方向という。また、三軸が互いに直交する座標系(直交座標系)において、蓄電素子1の整列する方向(X軸方向)と直交する二軸方向のうちの一つの方向(第二方向:電極体5の長径方向)をZ軸方向といい、残りの一つの方向(第三方向:電極体5の巻回中心方向)をY軸方向ということとする。換言すれば、Z軸方向(第二方向)は、ケース10において略平行な壁部同士である蓋板101と閉塞部100aとを結ぶ方向である。これに伴い、各図面には、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向のそれぞれに対応する直交三軸(座標軸)が補助的に図示されている。
【0039】
スペーサ2は、絶縁性を有し、X軸方向において蓄電素子1と隣接する。スペーサ2は、蓄電素子1(詳しくは、ケース10、より詳しくは、胴部100bの第一壁100c)と隣接するベースと、該ベースに隣接する蓄電素子1の位置ずれを防止する規制部とを有する。
【0040】
スペーサ2について、より具体的に説明する。蓄電装置は、上述のように、複数の蓄電素子1を備える。これに伴い、蓄電装置は、
図6及び
図7に示すように、2種類のスペーサ2(2A,2B)を備える。即ち、蓄電装置は、二つの蓄電素子1間に配置されるスペーサ(以下、内部スペーサという)2Aと、複数の蓄電素子1のうちの最も端にある蓄電素子1に隣り合うスペーサ(以下、外部スペーサという)2Bとを備える。
【0041】
まず、
図8及び
図9も参照しつつ、内部スペーサ2Aについて説明する。内部スペーサ2Aは、Z軸方向における該内部スペーサ2Aの中央部25AのX軸方向の厚さ寸法が、該内部スペーサ2Aの中央部25AとZ軸方向において隣接する他の部位26AのX軸方向の厚さ寸法より大きくなるように形成されている(
図9参照)。また、内部スペーサ2Aは、内部スペーサ2Aの中央部25Aの蓄電素子1との当接部おけるY軸方向の幅(寸法)が、ケース10(詳しくは、第一壁100c)のY軸方向における幅(寸法)より小さくなるように形成されている。詳しくは、以下の通りである。
【0042】
内部スペーサ2Aは、該蓄電素子1を冷却するための流体(冷却流体)がY軸方向(第二方向)に流通可能な通風路203を隣接する蓄電素子1との間に形成する(
図1参照)。この内部スペーサ2Aは、蓄電素子1(ケース本体100の第一壁100c)に隣り合うベース20Aと、ベース20Aに隣接する蓄電素子1の該ベース20Aに対するY軸方向及びZ軸方向の移動(位置ずれ)を規制する規制部21Aと、を有する。また、内部スペーサ2Aは、ベース20Aから突出した弁カバー部22Aであって、蓄電素子1の蓋板101(ガス排出弁101a)上に配置される弁カバー部22Aを有する。
【0043】
内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1に挟み込まれる。即ち、内部スペーサ2Aのベース20AのX軸方向の両側に、蓄電素子1がそれぞれ配置されている。このベース20Aは、該ベース20AのZ軸方向と隣接する蓄電素子1(詳しくは、第一壁100c)に沿って拡がる。本実施形態のベース20Aは、X軸方向と直交する方向(Y−Z平面(Y軸とZ軸を含む平面)方向)に拡がる。そして、内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1と対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面であって、二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1と対向する第二面とを有する。この内部スペーサ2Aのベース20Aは、Y軸方向に長い矩形状においてY軸方向の両端部を切り欠いた形状である。このベース20Aは、蓄電素子1の第一壁100cと対応する大きさである。
【0044】
内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の蓋板101に対応する位置に配置される第一端205Aと、該第一端205Aとは反対側の第二端であって、蓄電素子1の閉塞部100aに対応する位置に配置される第二端206Aとを有する(
図8参照)。また、内部スペーサ2Aのベース20Aは、蓄電素子1の一方の第二壁100dに対応する位置に配置される第三端207Aと、該第三端207Aとは反対側の第四端であって、蓄電素子1の他方の第二壁100dに対応する位置に配置される第四端208Aとを有する(
図8参照)。
【0045】
第三端207A及び第四端208Aは、ベース20Aの四隅から延びる規制部21Aを残して、Y軸方向の内側に向けてそれぞれ切り欠かれている。本実施形態の第三端207A及び第四端208Aは、矩形状に切り欠かれている。これにより、内部スペーサ2Aのベース20Aの前記切り欠かれた部位におけるY軸方向の幅は、蓄電素子1のY軸方向の幅より小さくなっている。即ち、内部スペーサ2Aのベース20AのZ軸方向における中央部のY軸方向の幅が、ケース10のY軸方向の幅より小さくなっている。本実施形態の内部スペーサ2Aのベース20AのY軸方向における幅は、例えば、該ベース20Aと隣接する蓄電素子1のケース10に収容されている電極体5を構成する電極23,24の活物質層(正極活物質層及び負極活物質層の少なくとも一方)のY軸方向の幅と同じ又は僅かに大きい。尚、内部スペーサ2Aのベース20AのZ軸方向における前記中央部と、上述の内部スペーサ2Aの中央部25Aとは、同じ部位である。よって、以下では、いずれも同じ符号を用いて中央部25Aと称する。また、内部スペーサ2Aのベース20Aの中央部25AとZ軸方向に隣接する他の部位と、上述の内部スペーサ2Aの他の部位26Aとは、同じ部位である。よって、以下では、いずれも同じ符号を用いて他の部位26Aと称する。
【0046】
本実施形態の内部スペーサ2Aのベース20Aは、該ベース20Aの第一面と蓄電素子1との間、及び該ベース20Aの第二面と蓄電素子1との間の少なくとも何れか一方に、冷却流体(冷却用の流体)を通過させるための通風路203を形成する。
【0047】
内部スペーサ2Aのベース20Aの断面(X−Z平面(X軸とZ軸とを含む平面)方向の断面)は、矩形波形状である。より詳しく説明する。内部スペーサ2Aのベース20Aは、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの一方の蓄電素子1のみに当接する第一当接部200Aと、隣り合う二つの蓄電素子1のうちの他方の蓄電素子1のみに当接する第二当接部201Aと、第一当接部200Aと第二当接部201Aとを繋げる連接部202Aと、を有する。第一当接部200Aは、Y軸方向に長い。また、第二当接部201Aは、Y軸方向に長い。
【0048】
本実施形態の内部スペーサ2Aのベース20Aは、複数の第一当接部200Aと、複数の第二当接部201Aとを有する。各第一当接部200Aと各第二当接部201Aとは、Z軸方向において、交互に配置される。
【0049】
これにより、蓄電装置では、第一当接部200Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面と、該第一当接部200Aに繋がる一対の連接部202Aとによって、通風路203が形成される。この通風路203には、蓄電素子1を冷却するための冷却流体(例えば、空気)が供給される。即ち、通風路203は、Y軸方向に延び、冷却流体を蓄電素子1の第一壁100cに接触させつつY軸方向に流通させる。また、蓄電装置では、第二当接部201Aにおける蓄電素子1と当接する面とは反対側の面と、該第二当接部201Aに繋がる一対の連接部202Aとによって、通風路203が形成される。この通風路203も、Y軸方向に延び、冷却流体を蓄電素子1の第一壁100cに接触させつつY軸方向に流通させる。以上のように、本実施形態の蓄電装置では、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面と蓄電素子1との間、及び内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面と蓄電素子1との間のそれぞれに通風路203が形成される。そして、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面側の通風路203と、内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面側の通風路203とは、共通の蓄電素子1間においてZ軸方向に交互に形成される(
図10参照)。
【0050】
また、本実施形態のベース20Aでは、
図9に示すように、中央部25AのX軸方向の振幅αが、他の部位26AのX軸方向の振幅βより大きい。但し、振幅α,βの大きさは、保持部材3によって蓄電素子1とスペーサ2とがX軸方向に締め込まれた状態で保持されることにより、内部スペーサ2Aのベース20の各第一当接部200Aと各第二当接部201Aとが、該内部スペーサ2Aと隣接する二つの蓄電素子1とそれぞれ当接する(
図10参照)ように設定されている。尚、
図9では、中央部25Aと他の部位26Aとの振幅α、βの違いを分かり易くするために、中央部25Aの振幅を誇張して表している。
【0051】
規制部21Aは、X軸方向の両側にある蓄電素子1の内部スペーサ2A(ベース20A)に対するY−Z平面方向の位置ずれを抑える(規制する)。これにより、規制部21Aは、内部スペーサ2Aに隣接する二つの蓄電素子1同士の相対移動を規制できる。具体的に、規制部21Aは、ベース20からX軸方向の両側にそれぞれ延びる。即ち、規制部21Aは、内部スペーサ2Aのベース20Aの第一面に隣り合う蓄電素子1に向かってベース20Aから延びると共に、内部スペーサ2Aのベース20Aの第二面に隣り合う蓄電素子1とに向かって内部スペーサ2Aのベース20Aから延びる。これらの規制部21Aが蓄電素子1の四隅を保持する(拘束する)ことによって、蓄電素子1の内部スペーサ2A(ベース20A)に対するY−Z平面方向の位置ずれが規制される。
【0052】
本実施形態の蓄電装置は、上述のように、複数の蓄電素子1を備え、内部スペーサ2Aは、隣り合う蓄電素子1同士の間のそれぞれに配置されている。このため、本実施形態の蓄電装置は、複数の内部スペーサ2Aを備える。
【0053】
次に、外部スペーサ2Bについて説明する。外部スペーサ2Bは、
図6及び
図7に示すように、Z軸方向における該外部スペーサ2Bの中央部25BのX軸方向の厚さ寸法が、該外部スペーサ2Bの中央部25BとZ軸方向において隣接する他の部位26BのX軸方向の厚さ寸法より大きくなるように形成されている。また、外部スペーサ2Bは、外部スペーサ2Bの中央部25Bの蓄電素子1との当接部(本実施形態では、後述する内部接触部201Bの先端)おけるY軸方向の幅(寸法)が、ケース10(詳しくは、第一壁100c)のY軸方向における幅(寸法)より小さくなるように形成されている。詳しくは、以下の通りである。
【0054】
外部スペーサ2Bは、蓄電素子1とX軸方向に隣接するベース20Bと、ベース20Bから該ベース20Bと隣接する蓄電素子1に向かって延びる内部接触部201Bと、を有する。外部スペーサ2Bは、該ベース20Bに隣接する蓄電素子1の該ベース20Bに対する位置ずれを抑える規制部21Bも有する。また、外部スペーサ2Bは、ベース20Bから終端部材30(
図6参照)に向けて突出する外部接触部24Bを有する。本実施形態の外部スペーサ2Bでは、内部接触部201Bが、該外部スペーサ2Bのベース20Bの第一面と蓄電素子1との間に、冷却用の流体を通過させるための通風路203を形成する。
【0055】
外部スペーサ2Bのベース20Bは、該ベース20BのX軸方向と隣接する蓄電素子1(詳しくは、第一壁100c)に沿って拡がる。本実施形態のベース20Bは、Y−Z平面方向に拡がる板状の部位である。そして、外部スペーサ2Bのベース20Bは、隣接する蓄電素子1と対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面であって、保持部材3の終端部材30と対向する第二面とを有する。本実施形態の外部スペーサ2Bのベース20Bは、略矩形の板状の部位である。また、外部スペーサ2Bのベース20Bは、蓄電素子1の第一壁100cと略同等の大きさである。
【0056】
内部接触部201Bは、外部スペーサ2Bのベース20BからX軸方向に延びる(突出する)と共に、Y軸方向に延びる。即ち、本実施形態の内部接触部201Bは、リブ形状を有する。この内部接触部201Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bに複数設けられる。そして、複数の内部接触部201Bのそれぞれは、Z軸方向(長手方向と直交する方向)に互いに間隔をあけて平行に配置される。複数の内部接触部201BのそれぞれのY軸方向の長さは、外部スペーサ2Bのベース20Bと隣接する蓄電素子1(詳しくは、第一壁100c)のY軸方向における長さより小さい。本実施形態では、複数の内部接触部201BのY軸方向の長さは、全て同じである。この外部スペーサ2Bの内部接触部201BのY軸方向の幅は、例えば、外部スペーサ2Bと隣接する蓄電素子1のケース10に収容されている電極体5における活物質層(正極活物質層及び負極活物質層の少なくとも一方)のY軸方向の幅と同じ又は僅かに大きい。また、外部スペーサ2Bのベース20BのZ軸方向における中央部に設けられる内部接触部201BのX軸方向の延出量(突出量)は、該ベース20Bの中央部とZ軸方向において隣接する他の部位に設けられる内部接触部201BのX軸方向の延出量(突出量)より大きい。尚、外部スペーサ2Bのベース20BのZ軸方向における前記中央部と、上述の外部スペーサ2Bの中央部25Bとは、同じ部位である。よって、以下では、いずれも同じ符号を用いて中央部25Bと称する。また、外部スペーサ2Bのベース20Bの中央部25BとZ軸方向に隣接する他の部位と、上述の外部スペーサ2Bの他の部位26Bとは、同じ部位である。よって、以下では、いずれも同じ符号を用いて他の部位26Bと称する。
【0057】
規制部21Bは、外部スペーサ2Bの第一面に隣り合う蓄電素子1のベース20Bに対する位置ずれ(相対移動)を規制する。この規制部21Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bから、該ベース20Bの第一面と隣り合う蓄電素子1に向かって延びる。これらの規制部21Bが蓄電素子1の四隅を保持する(拘束する)ことによって、蓄電素子1の外部スペーサ2B(ベース20B)に対するY−Z平面方向の位置ずれが規制される。
【0058】
外部接触部24Bは、外部スペーサ2Bのベース20Bから終端部材30に向けて突出し、終端部材30に当接している。そのため、蓄電装置では、外部スペーサ2Bと、終端部材30との間に隙間が形成されている。
【0059】
本実施形態の外部スペーサ2Bのベース20Bと、保持部材3の終端部材30とが対向する。即ち、外部スペーサ2Bは、蓄電素子1と終端部材30との間に配置される。これに伴い、外部スペーサ2Bは、ベース20Bの終端部材30と対向する位置に、終端部材30と嵌合する嵌合部22Bを有する。即ち、外部スペーサ2Bは、ベース20Bに対する終端部材30の位置を決定するための嵌合部22Bであって、ベース20Bの第二面に形成される嵌合部22Bを有する。また、外部スペーサ2Bは、ベース20Bに対する終端部材30の位置を決定するための軸部23Bであって、ベース20Bの第二面から突出した軸部23Bを有する。
【0060】
本実施形態の蓄電装置は、以上のように構成される外部スペーサ2Bを一対備える。外部スペーサ2Bは、複数の蓄電素子1のうちの最も端にある蓄電素子1に隣り合う。即ち、外部スペーサ2Bは、整列する複数の蓄電素子1をX軸方向において挟み込むように一対設けられる。
【0061】
保持部材3は、蓄電素子1とスペーサ2とをX軸方向に締め込むように保持する。具体的に、保持部材3は、
図1及び
図6に示すように、整列する複数の蓄電素子1のX軸方向における外側に配置される一対の終端部材30と、該一対の終端部材30のそれぞれを接続するフレーム31とを備える。
【0062】
一対の終端部材30のそれぞれは、蓄電素子1(詳しくは、第一壁100c)に沿って拡がる。本実施形態の終端部材30は、Y−Z平面方向に拡がる。終端部材30は、外部スペーサ2Bと対向する第一面と、該第一面とは反対側の第二面とを有する。本実施形態の終端部材30は、X軸方向視において略矩形状(蓄電素子1と対応する形状)である。また、終端部材30は、外部スペーサ2Bのベース20Bから延びる外部接触部24Bに当接する圧接部300を有する。圧接部300は、外部スペーサ2Bの軸部23Bに対応する位置に形成される挿入穴300aを有する。この挿入穴300aには、外部スペーサ2Bの軸部23Bが挿入される。
【0063】
フレーム31は、一対の終端部材30同士を接続する接続部であって内部スペーサ2Aを介して整列する複数の蓄電素子1のそれぞれの角部に沿って延びる複数(本実施形態の例では二つ)の接続部310,311と、接続部310,311を補強する少なくとも一つの補強部314と、を有する。本実施形態の保持部材3は、Y軸方向の一端と他端とにそれぞれフレーム31を有する。一対のフレーム31のそれぞれは、蓄電素子1の蓋板101と対応する位置に配置される第一接続部310と、蓄電素子1の閉塞部100aと対応する位置に配置される第二接続部311とを有する。第一接続部310は、X軸方向に延びる。第二接続部311も、第一接続部310と同様に、X軸方向に延びる。また、フレーム31は、第一接続部310と第二接続部311とを接続する支持部312を有する。支持部312は、Y軸方向において蓄電素子1に対して同じ側にある一対の接続部(第一接続部310及び第二接続部311)の対応する端部同士を接続する。また、フレーム31は、Z軸方向に隣り合う第一接続部310と第二接続部311との中間部同士を接続する補強部314を有する。
【0064】
以上のように構成されるフレーム31のX軸方向の両端部(詳しくは、第一接続部310と第二接続部311の両端部)が一対の終端部材30に固定される。これにより、一対の終端部材30が、蓄電素子1及びスペーサ2をX軸方向に締め込む。
【0065】
インシュレータ4は、絶縁性を有する材料で構成され、蓄電素子1と保持部材3とを絶縁する。本実施形態の蓄電装置は、
図1及び
図6に示すように、一対のインシュレータ4を備える。一対のインシュレータ4のそれぞれは、第一接続部310とスペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)との間に配置される第一絶縁部40と、第二接続部311とスペーサ2(内部スペーサ2A及び外部スペーサ2B)との間に配置される第二絶縁部41とを有する。
【0066】
また、インシュレータ4は、第一絶縁部40と第二絶縁部41とを接続する第三絶縁部であって、外部スペーサ2Bと、フレーム31の支持部312との間に配置される第三絶縁部42を有する。さらに、インシュレータ4は、第一絶縁部40の途中位置と第二絶縁部41の途中位置とを接続する第四絶縁部43であって、蓄電素子1とフレーム31の補強部314との間に配置される第四絶縁部43を有する。
【0067】
以上の蓄電装置では、スペーサ2(内部スペーサ2A、外部スペーサ2B)において、他の部位26A,26BよりX軸方向の厚さ寸法(内部スペーサ2Aにおいては矩形波形状の断面における振幅、外部スペーサ2Bにおいては内部接触部201Bの延出量)の大きな中央部25A,25Bにおける蓄電素子1との当接部の幅をケース10より小さくし、これにより、該ケース10の第一壁100c(スペーサ2との対向面)における強度の大きな側部(第二壁100dとの接続部)近傍を避けた部位を該中央部25A,25Bによって押圧可能としている(
図10参照)。このため、蓄電素子1とスペーサ2とがX軸方向に締め込まれた状態で保持部材3に保持されることにより、電極体5が膨張したときの該電極体5のZ軸方向における中央部に対し、反力が効果的に加えられる。その結果、充放電の繰り返し及び電極53,54の劣化による電極体5の膨張、収縮等に起因する電極体5での電極53,54の巻回方向へのずれが抑えられる。
【0068】
本実施形態の蓄電装置では、スペーサ2の中央部25A,25Bの蓄電素子1との当接部位におけるY軸方向の幅は、電極53,54における活物質層のY軸方向における幅と同じ又は僅かに大きい。このため、電極53,54の膨張等の度合いが大きい活物質層部分全体に、スペーサ2の中央部25A,25Bによる押圧力(反力)が加えられるため、電極体5が膨張、収縮等したときの電極53,54の巻回方向へのずれがより生じ難くなる。
【0069】
本実施形態の蓄電装置では、内部スペーサ2Aのベース20AにおけるX―Z平面方向の断面の形状が矩形波形状である。そして、内部スペーサ2Aのベース20Aの中央部25AのX軸方向の振幅αが、該ベース20Aの他の部位26AのX軸方向の振幅βより大きい(
図9参照)。この構成によれば、通風路203を形成する構成(断面が矩形波形状となる構成)を利用して、電極体5の長径方向(Z軸方向)における中央部に対し、反力を効果的に加えることができる。
【0070】
尚、本発明の蓄電装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0071】
上記実施形態の蓄電装置の蓄電素子1は、帯状の電極(正極53及び負極54)が巻回された、いわゆる巻回型の電極体5を備えるが、この構成に限定されない。蓄電素子1は、枚葉状の電極(正極53及び負極54)が積層された、いわゆる積層型の電極体5を備える構成でもよい。かかる構成によっても、電極体5が膨張したときの該電極体5の中央部に対し、反力が効果的に加え続けられる。これにより、充放電の繰り返し及び電極53,54の劣化による電極体5の膨張等に起因する電極体5での電極53,54のずれが抑えられる。
【0072】
尚、巻回型の電極体5においては、長径方向(Z軸方向)の中央部が膨れ易いため、充放電の繰り返し及び電極53,54の劣化による電極体5の膨張等に起因する電極体5での電極53,54のずれがより効果的に抑えられる。即ち、巻回型の電極体5を備えた蓄電素子1において、より顕著なずれの抑制効果が得られる。また、
図4及び
図10で示すような中空の巻回型の電極体5の方が、中実の巻回型の電極体(図示せず)よりも、電極体5における電極53,54のずれ抑制効果が大きい。即ち、中空の巻回型の電極体5では、電極体5の直線部(
図4においては、Z軸方向に延びて第一壁100cと対向する部分)が中空部側に撓む(逃げる)ため、電極53,54に加わる反力が十分でなく、これにより、中実の巻回型の電極体より電極53,54がずれ易い(ずれ量が大きい)が、上記実施形態のようにスペーサ2によってケース10(詳しくは、第一壁100c)の中央部分に十分な押圧力が積極的に加わる構成とすることで、電極53,54に十分な反力(押圧力)が加わり、その結果、中実の巻回型の電極体に比べ、電極体5における電極53,54のずれ量が大幅に抑えられる。
【0073】
上記実施形態の内部スペーサ2Aの断面は、矩形波形状であるが、この構成に限定されない。内部スペーサ2Aは、外部スペーサ2Bと同様に、
図11及び
図12に示すような板状のベース20Aに、X軸方向に延び且つY軸方向に延びる複数のリブ27Aが設けられる構成であってもよい。この構成においても、内部スペーサ2Aの中央部25Aに設けられるリブ27AのX軸方向の延出量(突出量)は、内部スペーサ2Aの他の部位26Aに設けられるリブ27AのX軸方向の延出量(突出量)より大きくなっている。また、内部スペーサ2Aの中央部25Aに設けられたリブ27AのY軸方向の長さは、蓄電素子1のY軸方向の幅さより小さい(短い)。
【0074】
この構成の場合、内部スペーサ2Aのベース20AのY軸方向の幅全体が、該ベース20Aと隣接する蓄電素子1(詳しくは、第一壁100c)のY軸方向の幅と同じでもよく、また、中央部25AのY軸方向の幅をリブ27Aと同じ幅(寸法)にしてもよい。また、内部スペーサ2Aの他の部位26Aに設けられるリブ27AのY軸方向の長さは、限定されない。内部スペーサ2Aの他の部位26Aに設けられるリブ27AのY軸方向の長さは、例えば、該内部スペーサ2Aに隣接する蓄電素子1のY軸方向の幅より小さくてもよく、また、同じでもよい。
図12では、リブ27Aの延出量の違いを分かりやすくするために、内部スペーサ2Aの中央部25Aに設けられたリブ27AのX軸方向の延出量を誇張している。
【0075】
上記実施形態では、内部スペーサ2Aの断面が矩形波形状であり、外部スペーサ2Bが、ベース20Bと、該ベース20Bから延びる内部接触部(リブ)201Bとを有するが、スペーサ2(内部スペーサ2A、外部スペーサ2B)は、これらの構成に限定されない。スペーサ2は、蓄電素子1と隣接し且つ該蓄電素子1に沿って拡がるベース20A,20Bと、ベース20A,20Bから該ベース20A,20Bに隣接する蓄電素子1に向けて延びる凸部であって、Z軸方向に間隔をおいて複数設けられる凸部とを有していればよい。これら複数の凸部は、ケース10の第一壁100cにおけるY軸方向の両端部(第二壁100dとの接合部位近傍)を除く部位と当接する。この場合も、スペーサ2の中央部25A,25Bに設けられた凸部の延出量が、スペーサ2他の部位26A,26Bに設けられた凸部の延出量より大きい。
【0076】
かかる構成によれば、蓄電素子1とベース20A,20Bとの間に、蓄電素子1を冷却するための冷却流体が流通可能な空間が形成されるため、前記空間を形成する構成(ベース20A,20Bから凸部が延びる構成)を利用して、電極体5の長径方向(Z軸方向)における中央部に対し、反力を効果的に加えることができる。
【0077】
上記実施形態の内部スペーサ2Aでは、他の部位26Aにおいても、Y軸方向の幅が、内部スペーサ2Aと隣接する蓄電素子1のY軸方向の幅より小さいが、この構成に限定されない。例えば、
図13に示すように、内部スペーサ2Aのベース20Aにおいて、中央部25AのY軸方向の幅のみをケース10(蓄電素子1)のY軸方向の幅より小さくしてもよい。かかる構成によっても、内部スペーサ2Aは、
図14に示すような第一壁100cにおける硬い部位(第二壁近傍100dとの接合部及び閉塞部100aとの接合部近傍)を避けた部位で且つ電極体5の長径方向(Z軸方向)の中央部と対向する部位γを、該部位γの周辺の部位に対する押圧力よりも大きな力で押圧できる。
【0078】
上記実施形態のスペーサ2の中央部25A,25Bに設けられた凸部のY軸方向の幅(上記実施形態の例では、内部スペーサ2Aの中央部25Aにおける蓄電素子1との当接部のY軸方向の幅(寸法)と、外部スペーサ2Bの中央部25Bにける蓄電素子1との当接部(リブ形状の内部接触部201Bの先端)のY軸方向の幅(寸法))は、蓄電素子1の電極体5における活物質層のY軸方向の幅と同じ又は僅かに大きいが、この構成に限定されない。前記凸部のY軸方向の幅は、前記活物質層のY軸方向の幅より小さくてもよい。かかる構成によれば、ケース10とスペーサ2Aの中央部25Aとの接触面積が小さくなるため、スペーサ2Aからケース10に加わる圧力(反力)の単位面積当たりの値が大きくなる。これにより、電極体5が膨張したときの該電極体5のZ軸方向における中央部に対し、反力がより効果的に加え続けられる。