特許第6607471号(P6607471)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6607471燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607471
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータ
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/2404 20160101AFI20191111BHJP
   H01M 8/2432 20160101ALI20191111BHJP
   H01M 8/0228 20160101ALI20191111BHJP
   H01M 8/0258 20160101ALI20191111BHJP
   H01M 8/0273 20160101ALI20191111BHJP
   H01M 8/1226 20160101ALN20191111BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20191111BHJP
【FI】
   H01M8/2404
   H01M8/2432
   H01M8/0228
   H01M8/0258
   H01M8/0273
   !H01M8/1226
   !H01M8/12 101
   !H01M8/12 102A
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2018-522282(P2018-522282)
(86)(22)【出願日】2016年6月10日
(86)【国際出願番号】JP2016067362
(87)【国際公開番号】WO2017212638
(87)【国際公開日】20171214
【審査請求日】2018年11月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(74)【代理人】
【識別番号】100137316
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 宏
(72)【発明者】
【氏名】市原 敬士
(72)【発明者】
【氏名】高畑 和弘
【審査官】 守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−118329(JP,A)
【文献】 国際公開第2002/078108(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/157290(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/075786(WO,A1)
【文献】 特開2010−153158(JP,A)
【文献】 特開2014−078337(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/24
H01M 8/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単セルを有するセルユニットとセパレータとが交互に複数積層された構造を有する燃料電池スタックであって、
前記セパレータは、前記セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される連続する凸部と、他方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される連続する凸部とを備え、
前記一方の主面に配置される連続する凸部と前記他方の主面に配置される連続する凸部は、前記ガス流路に対し直交する断面において、前記セパレータ中心から等間隔で配置され、
前記セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部が、前記セパレータの積層方向において重なって配置されており、
前記セパレータは、前記セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凸部と、他方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凸部とを備え、
前記セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部の少なくとも一部が、前記セパレータの積層方向において前記単セルを除く前記セルユニットを挟むように配置されている
ことを特徴とする燃料電池スタック。
【請求項2】
前記セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部の少なくとも一部が、前記セパレータの積層方向において前記単セルと重なって配置されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池スタック。
【請求項3】
前記一方の主面に配置される連続する凸部と前記他方の主面に配置される連続する凸部は、前記ガス流路に対し直交する断面において、前記セパレータ中心から交互に配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池スタック。
【請求項4】
前記セパレータは、前記セパレータの一方の主面に配置される連続する凸部により形成され、かつ、前記他方の主面においてガス流路を形成するために配置される連続する凹部と、前記他方の主面に配置される連続する凸部により形成され、かつ、前記一方の主面においてガス流路を形成するために配置される連続する凹部とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック。
【請求項5】
前記一方の主面に配置される連続する凸部と凹部とで形成される前記ガス流路及び前記他方の主面に配置される連続する凸部と凹部とで形成される前記ガス流路のうち前記セパレータ中心を通るガス流路と、前記セパレータ中心に最も近い前記一方の主面又は他方の主面に配置される連続する凸部と前記一方の主面又は他方の主面に配置される連続する凹部との中間部とが、前記セパレータの積層方向において重なって配置されていることを特徴とする請求項4に記載の燃料電池スタック。
【請求項6】
前記セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凸部が、所定の間隔で配置されており、
前記セパレータの他方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凸部が、所定の間隔で配置されており、
前記一方の主面に配置される不連続な凸部と前記他方の主面に配置される不連続な凸部は、前記セパレータ中心に対する平面内回転において点対称の位置に、かつ、対応する凸部同士の突出方向が逆向きに配置され、
前記セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部が、前記セパレータの積層方向において重なって配置されている
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック。
【請求項7】
前記セパレータは、前記セパレータの一方の主面に配置される不連続な凸部により形成され、かつ、前記他方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凹部と、前記他方の主面に配置される不連続な凸部により形成され、かつ、前記一方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凹部とを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック。
【請求項8】
前記セパレータは、前記セパレータ中心に対する平面内回転において点対称な形状を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック。
【請求項9】
前記セパレータは、1枚の板部材で形成されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック。
【請求項10】
前記セルユニットは、電解質がアノードとカソードとで挟持された単セルと、多孔質金属からなる中央部及び前記中央部の周囲に設けられた金属からなる周囲部を有する金属支持部材と、絶縁部材とを有し、
前記アノードが前記電解質と前記中央部とで挟持された構造を有し、
前記絶縁部材が前記周囲部の前記カソード側に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の燃料電池スタック。
【請求項11】
前記セパレータは、前記セパレータの外周縁部の少なくとも一部が前記周囲部の前記アノード側に接合されていることを特徴とする請求項10に記載の燃料電池スタック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータに関する。さらに詳細には、本発明は、固体酸化物形燃料電池スタック及び固体酸化物形燃料電池スタック用セパレータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セパレータ自体を簡単且つ経済的に構成するとともに、同一のセパレータで電解質・電極接合体を挟持することができ、スタック全体の簡素化及び製造コストの削減を図ることが可能な燃料電池スタックが提案されている(特許文献1参照。)。
【0003】
燃料電池スタックは、電解質をアノード電極とカソード電極とで挟んで構成される電解質・電極接合体が、第1セパレータ及び第2セパレータ間に配設される燃料電池を備え、複数の燃料電池が積層されている。第1セパレータ及び第2セパレータは、同一形状のセパレータ構造体を互いに反転させることによって構成されている。セパレータ構造体は、電解質・電極接合体を挟持するとともに、電極面に沿って反応ガスを供給する反応ガス通路が設けられる挟持部と、反応ガスを反応ガス通路に供給するための反応ガス供給連通孔が積層方向に形成される反応ガス供給部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】日本国特開2008−103210号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された燃料電池スタックにおいては、積層方向において適切な荷重伝達ができないことがあり、また、構成部品にかかる押圧を均一にできないことがあるといった問題点があった。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、積層方向において適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧を均一にし得る燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、セルユニットを挟持する2つのセパレータにおける所定の凸部をセパレータの積層方向において重ねて配置することにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、積層方向において適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧を均一にし得る燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタックの分解した状態の模式的な斜視図である。
図2図2は、図1に示した固体酸化物形燃料電池スタックの組み立てた状態のII−II線に沿った模式的な断面図である。
図3図3は、図1に示したセパレータの一方の主面の概略を示す平面図である。
図4図4は、図1に示したセパレータの他方の主面の概略を示す平面図である。
図5図5は、図3に示したセパレータの連続する凸部の配置の一例を示す模式的な断面図である。
図6図6は、セパレータの連続する凸部の配置の他の一例を示す模式的な断面図である。
図7図7は、セパレータの連続する凸部の配置のさらに他の一例を示す模式的な断面図である。
図8図8は、図3に示したセパレータの包囲線VIIIで囲んだ部分の概略を示す斜視図である。
図9図9は、図3に示したセパレータの包囲線IXで囲んだ部分の概略を示す斜視図である。
図10図10は、図3に示したセパレータの包囲線Xで囲んだ部分の概略を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタック及び固体酸化物形燃料電池スタック用セパレータについて図面を参照しながら詳細に説明する。
【0011】
まず、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタックについて詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタックの分解した状態の模式的な斜視図である。また、図2は、図1に示した固体酸化物形燃料電池スタックの組み立てた状態のII−II線に沿った模式的な断面図である。
【0012】
図1及び図2に示すように、本実施形態の固体酸化物形燃料電池スタック1は、単セル11を有するセルユニット10とセパレータ20とが交互に複数積層された構造を有する。
【0013】
なお、詳しくは後述するセパレータ20のカソード113側は、外周縁部20Cにおいてシール材30によりシールされている。また、シール材30としては、例えば、絶縁性を有する酸化物など従来公知のものを用いることができる。
【0014】
そして、セルユニット10は、単セル11を有し、さらに、単セル11を支持する金属支持部材12を有する。このようなセルユニット10は、一般に、メタルサポートセルと呼ばれる。また、セルユニット10は、必要に応じて配設される、絶縁部材13、ガス透過集電部材14を有する。
【0015】
また、単セル11は、例えば、イットリウム安定化ジルコニア等の酸化物イオン伝導体で構成される電解質111と、アノード112と、カソード113とを有し、電解質111がアノード112とカソード113とで挟持された構造を有する。
【0016】
さらに、金属支持部材12は、多孔質金属からなる中央部121及び中央部121の周囲に設けられた金属からなる周囲部122を有し、アノード112の電解質111と反対側に中央部121が配設されている。つまり、アノード112は電解質111と多孔質金属からなる中央部121とで挟持されている。また、セパレータ20の外周縁部20Cの少なくとも一部は、金属支持部材12の周囲部122のアノード112側における接合部40より接合されている。接合部40は、例えば溶接などにより形成される。つまり、セパレータ20のアノード112側は、外周縁部20Cの少なくとも一部において接合部40によりシールされている。
【0017】
また、絶縁部材13は、周囲部122のカソード113側に配設されている。絶縁部材13は、例えば、カソード113側の周囲部122に絶縁材料を塗布するなど従来公知の方法で配設することができる。なお、周囲部122のカソード113側において、セパレータ20が近接する位置にも絶縁部材13が配設されている。
【0018】
さらに、ガス透過集電部材14としては、特に限定されるものではないが、例えば、エキスパンドメタルなど適用することができ、カソード113の電解質111と反対側に配設される。
【0019】
また、図3は、図1に示したセパレータの一方の主面の概略を示す平面図である。なお、図1及び図2中の上側であって、カソード側を示すものである。さらに、図4は、図1に示したセパレータの他方の主面の概略を示す平面図である。なお、図1及び図2中の下側であって、アノード側を示すものである。なお、上述したものと同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0020】
図3及び図4に示すように、セパレータ20は、セパレータ20の一方の主面20aにおいてガス流路Gを形成するために所定間隔で配置される連続する凸部21と、他方の主面20bにおいてガス流路Gを形成するために所定間隔で配置される連続する凸部22とを備えている。
【0021】
そして、セパレータ20は、セパレータ20の一方の主面20aにおいてガス流路Gを形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部23と、他方の主面20bにおいてガス流路Gを形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部24とを備えている。
【0022】
また、セパレータ20の一方の主面20aに配置される不連続な凸部23と他方の主面20bに配置される不連続な凸部24は、セパレータ中心Cに対する平面内回転において点対称な位置に、かつ、対応する不連続な凸部23,24同士の突出方向が逆向きに配置されている。
【0023】
さらに、セパレータ20は、セパレータ中心Cに対する平面内回転において点対称な形状を有する。つまり、セパレータ20の中央に発電領域部20Aを有し、発電領域部20Aの外側に拡散領域部20Bを有し、拡散領域部20Bの外側に一方の主面20a及び他方の主面20bを連通する複数の貫通孔(20c,20d,20e,20f)を有する。なお、複数の貫通孔(20c,20d,20e,20f)がセパレータ中心Cに対する平面内回転において点対称の位置に配置されていることは言うまでもない。
【0024】
ここで、「セパレータ中心C」とは、例えば、セパレータの積層方向視における外形形状の重心を意味する。
【0025】
なお、セパレータ20の一方の主面20aにおいて、貫通孔20cがカソードガスの供給に利用され、貫通孔20eがカソードガスの排出に利用される。つまり、貫通孔20cから供給されたカソードガスは、図3中矢印Zで示すように、拡散領域部20B、発電領域部20A及び拡散領域部20Bを通って、貫通孔20eから排出される。なお、貫通孔20d及び20fは、図示しないシール材でシールされている(図1参照。)。
【0026】
また、セパレータ20の他方の主面20bにおいて、貫通孔20dがアノードガスの供給に利用され、貫通孔20fがアノードガスの排出に利用される。つまり、貫通孔20dから供給されたアノードガスは、図4中矢印Yで示すように、拡散領域部20B、発電領域部20A及び拡散領域部20Bを通って、貫通孔20fから排出される。なお、貫通孔20c及び20eは、図示しないシール材でシールされている。
【0027】
さらに、図5は、図3に示したセパレータの連続する凸部の配置の一例を示す模式的な断面図である。なお、上述したものと同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0028】
図5に示すように、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と他方の主面20bに配置される連続する凸部22は、ガス流路Gに対し直交する断面において、セパレータ中心Cから等間隔で配置されている。
【0029】
そして、セルユニット(図5中においては、単セル11及び金属支持部材の中央部121である。)を挟持する2つのセパレータ20,20の連続する凸部21,22が、セパレータ20,20の積層方向において重なって配置されている。
【0030】
また、セルユニット(図5中においては、単セル11及び金属支持部材の中央部121である。)を挟持する2つのセパレータ20,20の連続する凸部21,22の全部が、セパレータ20,20の積層方向において単セル11と重なって配置されている。
【0031】
さらに、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と他方の主面20bに配置される連続する凸部22は、ガス流路Gに対し直交する断面において、セパレータ中心Cから交互に配置されている。
【0032】
また、セパレータ20は、セパレータ20の他方の主面20bにおいてガス流路Gを形成するために配置される連続する凹部26と、セパレータ20の一方の主面20aにおいてガス流路Gを形成するために配置される連続する凹部25とを備えている。なお、連続する凹部25は、セパレータ20の他方の主面20bに配置される連続する凸部22により形成されている。また、連続する凹部26は、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21により形成されている。
【0033】
さらに、所定のガス流路Gと所定の中間部CLとが、セパレータ20,20の積層方向において重なって配置されている。
【0034】
ここで、「所定のガス流路G」とは、例えば、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と凹部25とで形成されるガス流路G及び他方の主面20bに配置される連続する凸部22と凹部26とで形成されるガス流路Gのうちセパレータ中心Cを通るガス流路を意味する。
【0035】
また、「所定の中間部CL」とは、例えば、セパレータ中心Cに最も近い一方の主面20aに配置される連続する凸部21と一方の主面21aに配置される連続する凹部25との中間部、又はセパレータ中心Cに最も近い他方の主面20bに配置される連続する凸部22と他方の主面21bに配置される連続する凹部26との中間部、を意味する。
【0036】
さらに、セパレータ20は、1枚の板部材で形成されている。このようなセパレータは、例えば、ステンレス鋼などの金属板からプレス成形によって成形することができる。
【0037】
また、図6は、図5と同様の位置におけるセパレータの連続する凸部の配置の他の一例を示す模式的な断面図である。なお、上述したものと同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0038】
図6に示すように、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と他方の主面20bに配置される連続する凸部22は、ガス流路Gに対し直交する断面において、セパレータ中心Cから等間隔で配置されている。
【0039】
そして、セルユニット(図6中においては、単セル11及び金属支持部材の中央部121である。)を挟持する2つのセパレータ20,20の連続する凸部21,22が、セパレータ20,20の積層方向において重なって配置されている。
【0040】
また、セルユニット(図6中においては、単セル11及び金属支持部材の中央部121である。)を挟持する2つのセパレータ20,20の連続する凸部21,22の全部が、セパレータ20,20の積層方向において単セル11と重なって配置されている。
【0041】
さらに、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と他方の主面20bに配置される連続する凸部22は、ガス流路Gに対し直交する断面において、セパレータ中心Cから交互に配置されている。
【0042】
また、セパレータ20は、1枚の板部材で形成されている。このようなセパレータは、例えば、ステンレス鋼などの金属板から機械加工などによって成形することができる。
【0043】
さらに、図7は、図5と同様の位置におけるセパレータの連続する凸部の配置のさらに他の一例を示す模式的な断面図である。なお、上述したものと同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0044】
図7に示すように、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と他方の主面20bに配置される連続する凸部22は、ガス流路Gに対し直交する断面において、セパレータ中心Cから等間隔で配置されている。
【0045】
そして、セルユニット(図7中においては、単セル11及び金属支持部材の中央部121である。)を挟持する2つのセパレータ20,20の連続する凸部21,22が、セパレータ20,20の積層方向において重なって配置されている。
【0046】
また、セルユニット(図7中においては、単セル11及び金属支持部材の中央部121である。)を挟持する2つのセパレータ20,20の連続する凸部21,22の全部が、セパレータ20,20の積層方向において単セル11と重なって配置されている。
【0047】
さらに、セパレータ20は、1枚の板部材で形成されている。このようなセパレータは、例えば、ステンレス鋼などの金属板から機械加工などによって成形することができる。
【0048】
また、図8は、図3に示したセパレータの包囲線VIIIで囲んだ部分の概略を示す斜視図である。さらに、図9は、図3に示したセパレータの包囲線IXで囲んだ部分の概略を示す斜視図である。また、図10は、図3に示したセパレータの包囲線Xで囲んだ部分の概略を示す斜視図である。
【0049】
図3図4図8図10に示すように、セルユニット10を挟持する2つのセパレータ20,20の不連続な凸部23,24が、セパレータ20,20の積層方向において重なって配置されている。
【0050】
そして、セルユニット(図10においては、絶縁部材13である。)を挟持する2つのセパレータ20,20の不連続な凸部23,24が、セパレータ20,20の積層方向において単セル11を除くセルユニットにおける絶縁部材13と重なって配置されている。
【0051】
また、セパレータ20は、セパレータ20の他方の主面20bにおいてガス流路Gを形成するために配置される不連続な凹部28と、セパレータ20の一方の主面20aにおいてガス流路Gを形成するために配置される不連続な凹部27とを備えている。なお、不連続な凹部27は、セパレータ20の他方の主面20bに配置される不連続な凸部24により形成されている。また、不連続な凹部28は、セパレータ20の一方の主面20aに配置される不連続な凸部23により形成されている。
【0052】
上述したように、燃料電池スタックは、以下の(1)〜(3)の構成を有することにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。
【0053】
(1)セパレータが、セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される連続する凸部と、他方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される連続する凸部とを備えている。
(2)一方の主面に配置される連続する凸部と他方の主面に配置される連続する凸部が、ガス流路に対し直交する断面において、セパレータ中心から等間隔で配置されている。
(3)セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部が、セパレータの積層方向において重なって配置されている。
【0054】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0055】
また、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(4)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となり、セルユニット、特に、単セルにかかる押圧を均一にすることができる。
【0056】
(4)セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部の少なくとも一部が、セパレータの積層方向において単セルと重なって配置されている。
【0057】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部の少なくとも一部が、セパレータの積層方向において単セルと重なって配置されている構成とすることにより、特に、単セルにかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0058】
さらに、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(5)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧を均一にすることができるだけでなく、適切なガス流路を確保することができる。
【0059】
(5)一方の主面に配置される連続する凸部と他方の主面に配置される連続する凸部が、ガス流路に対し直交する断面において、セパレータ中心から交互に配置されている。
【0060】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、一方の主面に配置される連続する凸部と他方の主面に配置される連続する凸部が、ガス流路に対し直交する断面において、セパレータ中心から交互に配置されている構成とすることにより、適切なガス流路を確保することができる。また、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0061】
また、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(6)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができるだけでなく、より適切なガス流路を確保することができる。
【0062】
(6)セパレータは、他方の主面においてガス流路を形成するために配置される連続する凹部と、一方の主面においてガス流路を形成するために配置される連続する凹部とを備えている。なお、他方の主面の連続する凹部は、セパレータの一方の主面に配置される連続する凸部により形成されている。また、一方の主面の連続する凹部は、他方の主面に配置される連続する凸部により形成されている。
【0063】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、他方の主面においてガス流路を形成するために配置される所定の連続する凹部と、一方の主面においてガス流路を形成するために配置される所定の連続する凹部とを備えている構成とすることにより、通常、圧縮されて組み付けられるセパレータにバネ機能を持たせることができる。これにより、より適切なガス流路を確保することができるとともに、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0064】
さらに、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(7)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができるだけでなく、より適切なガス流路を確保することができる。
【0065】
(7)所定のガス流路と、所定の中間部とが、セパレータの積層方向において重なって配置されている。なお、「所定のガス流路」とは、一方の主面に配置される連続する凸部と凹部とで形成されるガス流路及び他方の主面に配置される連続する凸部と凹部とで形成されるガス流路のうちセパレータ中心を通るガス流路である。また、「所定の中間部」とは、セパレータ中心に最も近い一方の主面又は他方の主面に配置される連続する凸部と一方の主面又は他方の主面に配置される連続する凹部との中間部である。
【0066】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、他方の主面においてガス流路を形成するために配置される所定の連続する凹部と、一方の主面においてガス流路を形成するために配置される所定の連続する凹部とを備えている構成とすることにより、通常、圧縮されて組み付けられるセパレータにバネ機能を持たせることができる。これにより、より適切なガス流路を確保することができるとともに、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、所定のガス流路と、所定の中間部とがセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、各単セルを挟持する凸部の数を同じにすることができる。これにより、単セルにかかる押圧をより均一にすることができるとともに、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0067】
また、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(8)〜(10)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、セルユニットの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。
【0068】
(8)セパレータが、セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部と、他方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部とを備えている。
(9)一方の主面に配置される不連続な凸部と他方の主面に配置される不連続な凸部が、セパレータ中心に対する平面内回転において点対称の位置に、かつ、対応する不連続な凸部同士の突出方向が逆向きに配置されている。
(10)セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部が、セパレータの積層方向において重なって配置されている。
【0069】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部と、他方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、一方の主面に配置される不連続な凸部と他方の主面に配置される不連続な凸部が、セパレータ中心に対する平面内回転において点対称の位置に、かつ、対応する不連続な凸部同士の突出方向が逆向きに配置されている構成とすることにより、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。つまり、セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けすることによって、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部が、セパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。また、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0070】
さらに、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(11)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、セルユニットの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。
【0071】
(11)セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部の少なくとも一部が、セパレータの積層方向において単セルを除くセルユニットと重なって配置されている。
【0072】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部と、他方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、一方の主面に配置される不連続な凸部と他方の主面に配置される不連続な凸部が、セパレータ中心に対する平面内回転において点対称の位置に、かつ、対応する不連続な凸部同士の突出方向が逆向きに配置されている構成とすることにより、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。つまり、セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けすることによって、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部が、セパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部が、セパレータの積層方向において単セルを除くセルユニットと重なって配置されている構成とすることにより、特に、単セルを除くセルユニットにかかる押圧をより均一にすることができる。さらに、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0073】
また、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(12)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、セルユニットの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。
【0074】
(12)セパレータは、他方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凹部と、一方の主面においてガス流路を形成するために配置される不連続な凹部とを備えている。なお、他方の主面に配置される不連続な凹部は、セパレータの一方の主面に配置される不連続な凸部により形成されている。また、一方の主面に配置される不連続な凹部は、他方の主面に配置される不連続な凸部により形成されている。
【0075】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セパレータの一方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部と、他方の主面においてガス流路を形成するために所定間隔で配置される不連続な凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、一方の主面に配置される不連続な凸部と他方の主面に配置される不連続な凸部が、セパレータ中心に対する平面内回転において点対称の位置に、かつ、対応する不連続な凸部同士の突出方向が逆向きに配置されている構成とすることにより、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。つまり、セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けすることによって、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットを挟持する2つのセパレータの不連続な凸部が、セパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。また、他方の主面においてガス流路を形成するために配置される所定の不連続な凹部と、一方の主面においてガス流路を形成するために配置される所定の不連続な凹部とを備えている構成とすることにより、通常、圧縮されて組み付けられるセパレータにバネ機能を持たせることができる。これにより、より適切なガス流路を確保することができるとともに、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。
【0076】
さらに、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(13)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、セルユニットの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。
【0077】
(13)セパレータは、セパレータ中心に対する平面内回転において点対称な形状を有する。
【0078】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けすることによって、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。また、燃料電池スタック全体の簡素化や製造コストの低減を実現し得るという利点もある。
【0079】
また、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(14)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、セルユニットの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。
【0080】
(14)セパレータが、1枚の板部材で形成されている。
【0081】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けすることによって、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、セルユニットなどの構成部品にせん断応力がかかりにくいという利点もある。また、燃料電池スタック全体の簡素化や製造コストの低減を実現し得るという利点もある。
【0082】
さらに、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(15)〜(17)の構成を有することが好ましい。このような構成であっても、積層方向における適切な荷重伝達が可能となり、セルユニットの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。
【0083】
(15)セルユニットは、電解質がアノードとカソードとで挟持された単セルと、多孔質金属からなる中央部及び中央部の周囲に設けられた金属からなる周囲部を有する金属支持部材と、絶縁部材とを有する。
(16)アノードが電解質と中央部とで挟持された構造を有する。
(17)絶縁部材が周囲部のカソード側に配置されている。
【0084】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、単セルがユニット化されているため、組み付ける際の部品点数を少なくすることができる。これにより、燃料電池スタック全体の製造コストの低減を実現し得るという利点がある。
【0085】
また、上述したように、燃料電池スタックは、以下の(18)の構成を有することが好ましい。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、セルユニットの構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。
【0086】
(18)セパレータは、セパレータの外周縁部の少なくとも一部が周囲部のアノード側に接合されている。
【0087】
つまり、セパレータの一方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部と他方の主面にセパレータ中心から等間隔で配置される連続する凸部とを備える構成とすることにより、セルユニットなどの構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部がセパレータの積層方向において重なって配置されている構成とすることにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となる。さらに、単セルがユニット化されているため、組み付ける際の部品点数を少なくすることができる。これにより、燃料電池スタック全体の製造コストの低減を実現し得るという利点がある。また、セパレータの外周縁部の少なくとも一部が周囲部のアノード側に接合されている構成とすることにより、特に別部品を用いることなく、平面内におけるセパレータのずれを抑制することができる。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができるとともに、燃料電池スタック全体の簡素化や製造コストの低減を実現し得るという利点もある。
【0088】
なお、上述した固体酸化物形燃料電池スタック1においては、他方の主面20bにおいて、貫通孔20dからアノード側に燃料ガス(例えば、水素、炭化水素系燃料などであり、必要に応じて水を含んでいてもよい。)が供給され、一方の主面20aにおいて、貫通孔20cからカソード側に酸化剤ガス(例えば、酸素、空気などである。)が供給されることにより、発電が行われる。
【0089】
次に、本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタック用セパレータについて詳細に説明する。なお、上述した実施形態と同一の構成については、同一の符号を付すことにより重複する説明を省略する。
【0090】
図3図5図8図10に示すように、本実施形態に係る固体酸化物形燃料電池スタック用セパレータ20は、一方の主面20aに配置される所定の連続する凸部21と、他方の主面20bに配置される所定の連続する凸部22と、他方の主面20bに配置される所定の連続する凹部26と、一方の主面20aに配置される所定の連続する凹部25とを備えている。なお、他方の主面20bに配置される連続する凹部26は、一方の主面20aに配置される連続する凸部21により形成されている。また、一方の主面20aに配置される連続する凹部25は、他方の主面20bに配置される連続する凸部22により形成されている。
【0091】
そして、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と他方の主面20bに配置される連続する凸部22は、ガス流路Gに対し直交する断面において、セパレータ中心Cから等間隔で配置されている。
【0092】
また、所定のガス流路Gと所定の中間部CLとがセパレータ20の積層方向において重なって配置されている。なお、「所定のガス流路G」とは、例えば、セパレータ20の一方の主面20aに配置される連続する凸部21と凹部25とで形成されるガス流路G及び他方の主面20bに配置される連続する凸部22と凹部26とで形成されるガス流路Gのうちセパレータ中心Cを通るガス流路Gを意味する。また、「所定の中間部CL」とは、例えば、セパレータ中心Cに最も近い一方の主面20a又は他方の主面20bに配置される連続する凸部21,22と一方の主面20a又は他方の主面20bに配置される連続する凹部25,26との中間部を意味する。
【0093】
このような燃料電池スタック用セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けて、燃料電池スタックを組み立てることによって、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部をセパレータの積層方向において重ねて配置することができる。これにより、積層方向における適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧を均一にすることができる。また、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。
【0094】
また、セパレータ20は、一方の主面20aに配置される所定の不連続な凸部23と、他方の主面20bに配置される所定の不連続な凸部24と、他方の主面20bに配置される所定の不連続な凹部28と、一方の主面20aに配置される所定の不連続な凹部27とを備えていることが好ましい。なお、不連続な凹部27は、セパレータ20の他方の主面20bに配置される不連続な凸部24により形成されている。また、不連続な凹部28は、セパレータ20の一方の主面20aに配置される不連続な凸部23により形成されている。
【0095】
さらに、セパレータ20の一方の主面20aに配置される不連続な凸部23と他方の主面20bに配置される不連続な凸部24は、セパレータ中心Cに対する平面内回転において点対称な位置に、かつ、対応する不連続な凸部23,24同士の突出方向が逆向きに配置されていることが好ましい。
【0096】
このような燃料電池スタック用セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けて、燃料電池スタックを組み立てることによって、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部をセパレータの積層方向において重ねて配置することができる。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。
【0097】
また、セパレータ20は、セパレータ中心Cに対する平面内回転において点対称な形状を有することが好ましい。つまり、セパレータ20の中央に発電領域部20Aを有し、発電領域部20Aの外側に拡散領域部20Bを有し、拡散領域部20Bの外側に一方の主面20a及び他方の主面20bを連通する複数の貫通孔(20c,20d,20e,20f)を有する。なお、複数の貫通孔(20c,20d,20e,20f)がセパレータ中心Cに対する平面内回転において点対称の位置に配置されていることは言うまでもない。
【0098】
ここで、「セパレータ中心C」とは、例えば、セパレータの積層方向視における外形形状の重心を意味する。
【0099】
このような燃料電池スタック用セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けて、燃料電池スタックを組み立てることによって、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部をセパレータの積層方向において重ねて配置することができる。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、燃料電池スタック全体の簡素化や製造コストの低減を実現し得るという利点もある。
【0100】
さらに、セパレータ20は、1枚の板部材で形成されていることが好ましい。
【0101】
このような燃料電池スタック用セパレータをセパレータ中心に対する平面内180度回転させながらセルユニットを介して組み付けて、燃料電池スタックを組み立てることによって、セルユニットを挟持する2つのセパレータの連続する凸部をセパレータの積層方向において重ねて配置することができる。これにより、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となり、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、燃料電池スタックとしての平面度をより向上させることができる。これにより、構成部品にかかる押圧をより均一にすることができる。また、積層方向におけるより適切な荷重伝達が可能となる。さらに、燃料電池スタック全体の簡素化や製造コストの低減を実現し得るという利点もある。このようなセパレータは、例えば、ステンレス鋼などの金属板からプレス成形によって成形することができる。
【0102】
以上、本発明を若干の実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
【0103】
例えば、上述した燃料電池スタック及び燃料電池スタック用セパレータの好適形態における構成は、適宜組み合わせて採用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 固体酸化物形燃料電池スタック
10 セルユニット
11 単セル
111 電解質
112 アノード
113 カソード
12 金属支持部材
121 中央部
122 周囲部
13 絶縁部材
14 ガス拡散集電部材
20 セパレータ
20A 発電領域部
20B 拡散領域部
20C 外周縁部
20a 一方の主面
20b 他方の主面
20c,20d,20e,20f 貫通孔
21,22 連続する凸部
23,24 不連続な凸部
25,26 連続する凹部
27,28 不連続な凹部
30 シール材
40 接合部
C セパレータ中心
CL 中間部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10