特許第6607474号(P6607474)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6607474配信サーバ、配信システム、配信方法および配信プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6607474
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】配信サーバ、配信システム、配信方法および配信プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20191111BHJP
【FI】
   G06Q30/02 320
   G06Q30/02 380
【請求項の数】9
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2019-9960(P2019-9960)
(22)【出願日】2019年1月24日
【審査請求日】2019年1月24日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 出願人ウェブサイトにおいて平成30年11月29日付にて、本願発明に関するサービスの概要並びにサービスの開始に関して公開しました。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516378323
【氏名又は名称】株式会社タウンWiFi
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】荻田 剛大
【審査官】 山内 裕史
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−009447(JP,A)
【文献】 特開2016−031319(JP,A)
【文献】 特開2017−162374(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0236717(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す訪問促進情報を受け付ける訪問促進情報受付部と、
前記訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは異なる他のアクセスポイントに接続している情報端末に対し、前記訪問促進情報を配信する訪問促進情報配信部と、
前記訪問促進情報を受信した情報端末から、情報端末の移動した場所を示す訪問情報を取得する訪問情報取得部と、
前記訪問情報に基づいて、前記訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末に対し、当該アクセスポイントが設置された場所における、当該情報端末を保有するユーザに適した販売促進情報を配信する販売促進情報配信部と、
前記販売促進情報を受信した情報端末から、前記販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得する追跡情報取得部と、
を備える配信サーバ。
【請求項2】
前記訪問情報は、前記情報端末のアクセスポイントに対する接続情報を含む、請求項1に記載の配信サーバ。
【請求項3】
情報端末の位置情報を取得する位置情報取得部をさらに備え、
前記訪問促進情報配信部は、前記位置情報に基づき、所定のエリアに位置する情報端末に対し、前記訪問促進情報を配信する、請求項1または請求項2に記載の配信サーバ。
【請求項4】
前記所定のエリアは、前記アクセスポイントの通信エリアとは異なる、請求項3に記載の配信サーバ。
【請求項5】
前記訪問情報および前記追跡情報に基づき、前記訪問促進情報および販売促進情報の効果を評価する評価部をさらに備える、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の配信サーバ。
【請求項6】
前記訪問促進情報は、アクセスポイントが設置された店舗への来店を促す情報であり、前記販売促進情報は、前記店舗において提供される商品に関する情報である、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の配信サーバ。
【請求項7】
アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す訪問促進情報を受け付ける訪問促進情報受付部と、
前記訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは異なる他のアクセスポイントに接続している情報端末に対し、前記訪問促進情報を配信する訪問促進情報配信部と、
前記訪問促進情報を受信した情報端末から、情報端末の移動した場所を示す訪問情報を取得する訪問情報取得部と、
前記訪問情報に基づいて、前記訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末に対し、当該アクセスポイントが設置された場所における、当該情報端末を保有するユーザに適した販売促進情報を配信する販売促進情報配信部と、
前記販売促進情報を受信した情報端末から、前記販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得する追跡情報取得部と、
を備える配信システム。
【請求項8】
制御部を備えるコンピュータにおいて実行される配信方法であって、
前記制御部が、アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す訪問促進情報を受け付けるステップと、
前記制御部が、前記訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは異なる他のアクセスポイントに接続している情報端末に対し、前記訪問促進情報を配信するステップと、
前記制御部が、前記訪問促進情報を受信した情報端末から、情報端末の移動した場所を示す訪問情報を取得するステップと、
前記制御部が、前記訪問情報に基づいて、前記訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末に対し、当該アクセスポイントが設置された場所における、当該情報端末を保有するユーザに適した販売促進情報を配信するステップと、
前記制御部が、前記販売促進情報を受信した情報端末から、前記販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得するステップと、
を備える配信方法。
【請求項9】
請求項8に記載の配信方法をコンピュータに実行させるための配信プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配信サーバ、配信システム、配信方法および配信プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線LAN(Local Area Network)の普及に伴い、コンビニエンスストア、カフェ、ホテル等に設置されたアクセスポイントを介してインターネット接続を可能とする公衆無線LANのサービス(フリースポットなど)が、さまざまな事業者によって提供されている。例えば、特許文献1には、多様な公衆無線LANに対する接続のための手間を低減し、ユーザの利便性を向上させる技術について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018−98695号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載される技術は、公衆無線LANのユーザにとっての利便性は向上するものの、アクセスポイントを設置して公衆無線LANのサービスを提供する事業者にとっては、アクセスポイント設置による利益を享受できていないという課題があった。
【0005】
そこで、本開示は、上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的は、アクセスポイントを用いて効果的に訪問促進および販売促進を行うことができる配信サーバ、配信システム、配信方法および配信プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係る配信サーバは、アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す訪問促進情報を受け付ける訪問促進情報受付部と、訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは異なる他のアクセスポイントに接続している情報端末に対し、訪問促進情報を配信する訪問促進情報配信部と、訪問促進情報を受信した情報端末から、情報端末の移動した場所を示す訪問情報を取得する訪問情報取得部と、訪問情報に基づいて、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末に対し、販売促進情報を配信する販売促進情報配信部と、販売促進情報を受信した情報端末から、販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得する追跡情報取得部と、を備える。
【0007】
また、上記目的を達成するため、本開示の第2の観点に係る配信システムは、アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す訪問促進情報を受け付ける訪問促進情報受付部と、訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは異なる他のアクセスポイントに接続している情報端末に対し、訪問促進情報を配信する訪問促進情報配信部と、訪問促進情報を受信した情報端末から、情報端末の移動した場所を示す訪問情報を取得する訪問情報取得部と、訪問情報に基づいて、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末に対し、販売促進情報を配信する販売促進情報配信部と、販売促進情報を受信した情報端末から、販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得する追跡情報取得部と、を備える。
【0008】
また、上記目的を達成するため、本開示の第3の観点に係る配信方法は、アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す訪問促進情報を受け付けるステップと、訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは異なる他のアクセスポイントに接続している情報端末に対し、訪問促進情報を配信するステップと、訪問促進情報を受信した情報端末から、情報端末の移動した場所を示す訪問情報を取得するステップと、訪問情報に基づいて、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末に対し、販売促進情報を配信するステップと、販売促進情報を受信した情報端末から、販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得するステップと、を備える。
【0009】
また、上記目的を達成するため、本開示の第4の観点に係る配信プログラムは、上述の配信方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、アクセスポイントを用いて効果的に訪問促進および販売促進を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態に係る配信システム1の構成図である。
図2】配信システム1におけるアクセスポイントを説明するための図である。
図3】配信サーバ10の機能構成の一例を示すブロック図である。
図4】訪問促進情報の一例を示す図である。
図5】訪問促進情報の配信リストの一例を示す図である。
図6】販売促進情報の一例を示す図である。
図7】販売促進情報の配信リストの一例を示す図である。
図8】アクセスポイントリストの一例を示す図である。
図9】訪問情報の一例を示す図である。
図10】追跡情報リストの一例を示す図である。
図11】追跡情報を説明するための図である。
図12】情報端末20の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図13】配信システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
図14】配信システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。
図15】配信サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。実施形態を説明する全図において、共通の構成要素には同一の符号を付し、繰り返しの説明を省略する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0013】
<実施形態>
(実施形態の概要)
本実施形態に係る配信システムは、アクセスポイントを用いて効果的に訪問促進および販売促進を行うためのシステムである。近年、さまざまな事業者によって、コンビニエンスストア、カフェ、ホテル等に設置されたアクセスポイントを介して無線LANによるインターネット接続を可能とする公衆無線LANのサービスが提供されている。アクセスポイントを設置して公衆無線LANのサービスを提供することにより、ユーザの利便性を向上させることはできるものの、当該サービスの提供者が、アクセスポイント設置の利益を享受することは難しかった。
【0014】
そこで、本実施形態に係る配信システムは、まず、アクセスポイントが設置された場所(例えば、店舗等)への訪問を促す訪問促進情報を情報端末へ配信する。そして、訪問促進情報に対応するアクセスポイントの通信エリアに移動した情報端末に対し、当該アクセスポイントを介して、販売促進情報(例えば、アプリ広告等)を配信する。このようにアクセスポイントを介して訪問促進情報や販売促進情報を配信することにより、アクセスポイントを利用して収益につなげることができる。
【0015】
また、本実施形態に係る配信システムは、訪問促進情報、販売促進情報を配信した情報端末から、情報端末が移動した場所を示す訪問情報や、販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得し、取得した情報に基づいて、訪問促進情報や販売促進情報の効果を評価する。これにより、訪問促進情報や販売促進情報がどの程度収益につながっているかを把握することができる。また、そのような収益につながるアクセスポイントの設置に対するモチベーション向上に役立てることができる。
【0016】
以下の説明では、訪問促進情報および販売促進情報を総称して「促進情報」と記載する場合がある。また、促進情報の提供者、すなわち、アクセスポイントが設置された場所(例えば、店舗等)の管理者や運営者等を「広告主」と記載する場合がある。
【0017】
(配信システム1の構成)
図1は、本実施形態に係る配信システム1の構成図である。図1を参照して、配信システム1の構成及びその概要について説明する。
【0018】
図1において、配信システム1は、配信サーバ10と、情報端末20と、公衆無線LAN―AP30−1,30−2,…,30−N(Nは自然数。また、特に区別する必要がない限り、アクセスポイント30と記載する。)と、広告主端末40と、を備える。
【0019】
配信サーバ10および広告主端末40は、インターネット等のネットワークNWに接続される。また、情報端末20は、アクセスポイント30を介してネットワークNWに接続される。
【0020】
配信サーバ10は、情報端末20に訪問促進情報および販売促進情報を配信する機能と、情報端末20から取得する情報に基づいて、アクセスポイント設置の効果を評価する機能とを有する。配信サーバ10は、アクセスポイント30を介して、情報端末20に対し、例えば、プッシュ通知によって、促進情報を配信する。
【0021】
情報端末20は、ユーザが保有する情報処理端末であって、例えば、スマートフォンやタブレット端末、スマートウォッチ、ヘッドマウントディスプレイ等によって実現される。なお、本実施形態では、ユーザとは、配信システム1において、後述する訪問情報や追跡情報等を配信サーバ10に取得させるプログラム(例えば、スマートフォン専用のアプリ)をインストールした情報端末20を保有する者のことをいう。
【0022】
情報端末20は、情報端末20にインストールされたプログラムを実行して、配信サーバ10からアクセスポイント30を介して配信される促進情報を受信する。また、情報端末20は、後述する訪問情報や追跡情報を配信サーバ10に送信する。なお、情報端末20は、複数であってよく、図1においては、説明を簡略化するため1台のみ記載する。
【0023】
アクセスポイント30は、コンビニエンスストア、カフェ、ホテル等の公共性のある場所に設置されている無線LANのアクセスポイントで、様々なユーザが公衆回線としてアクセス可能である。アクセスポイント30は、ネットワークNWと接続されており、アクセスポイント30から電波の届く通信エリア内に入った情報端末20は、アクセスポイント30を介してネットワークNWに接続することができる。すなわち、情報端末20は、ネットワークNWを介して、配信サーバ10と通信可能に接続される。
【0024】
また、アクセスポイント30は、情報端末20からの要求に応じて、アクセスポイント30の識別情報(ID)を接続情報として送信してもよい。アクセスポイント30のIDは、例えば、アクセスポイント30に割り当てられたBSSID(Basic Service Set Identifier)である。なお、接続情報には、アクセスポイント30に接続した日時などを含めてもよい。
【0025】
本実施形態において、例えば、アクセスポイント30−1が設置された場所への訪問を促す訪問促進情報は、アクセスポイント30−1とは異なるアクセスポイント30−2から配信される。これにより、訪問を促したい場所に設置されたアクセスポイントの通信エリアとは異なる通信エリアにいる情報端末20を保有するユーザに訪問を促し、効果的に集客を行うことができる。
【0026】
広告主端末40は、広告主が促進情報を入力するための情報端末であり、広告主から入力された促進情報を配信サーバ10に送信する。ここで、広告主とは、個人を限定して指すものではなく、店舗の運営会社や、アプリケーションの開発者等を含む。
【0027】
図2は、配信システム1におけるアクセスポイントを説明するための図である。図2は、ある地域の地図を示しており、図中の黒丸(●)は無線LANのアクセスポイント(図1のアクセスポイント30に相当。)である。図2に示すように、アクセスポイントは、地域の様々な店舗や駅等に設置されており、アクセスポイントからの電波が届く通信エリアに入った情報端末と無線で通信を行う。例えば、アクセスポイントAP0の通信エリアR0に入った情報端末は、アクセスポイントAP0を介してネットワークNWに接続することができる。
【0028】
本実施形態において、例えば、アクセスポイントAP1が設置された店舗Sについて集客したい場合、アクセスポイントAP1とは異なる他のアクセスポイントから、アクセスポイントAP1が設置された店舗Sへの訪問を促す訪問促進情報を配信する。これにより、集客したい店舗Sに設置されたアクセスポイントAP1の通信エリアに滞在していない情報端末のユーザに対して訪問を促し、効果的に集客を行うことができる。
【0029】
なお、アクセスポイントAP1が設置された場所(店舗S)に対応する訪問促進情報を配信させる他のアクセスポイントは、どの場所に設置されたものであってもよいが、店舗Sの周辺領域D1内に設置されたものであることが好ましい。一般的に、店舗Sの近くに滞在するユーザに訪問を促す方が、訪問率が高くなるため、集客の効果を高めることができるからである。
【0030】
(配信サーバ10の機能構成)
図3は、配信サーバ10の機能構成の一例を示すブロック図である。図3を参照して、配信サーバ10の機能構成について説明する。
【0031】
配信サーバ10は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、配信サーバ10は、配信サーバ10を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0032】
通信部110は、ネットワークNWに接続された情報端末20等と通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。
【0033】
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部120は、訪問促進情報DB121と、販売促進情報DB122と、アクセスポイントDB123と、訪問情報DB124と、追跡情報DB125と、を有する。
【0034】
訪問促進情報DB121は、広告主端末40から通信部110を介して、後述する制御部130の受付部131が受け付けた訪問促進情報を記憶するデータベースである。訪問促進情報は、例えば、アクセスポイントを設置した場所(店舗)の管理者や運営者等によって入力される、アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す情報である。なお、本実施形態において、訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは、訪問促進情報が訪問を促す場所へ設置されたアクセスポイントを意味する。
【0035】
また、訪問促進情報DB121は、受け付けた訪問促進情報を配信するアクセスポイントを示す配信リストを記憶する。なお、配信するアクセスポイントは、上記管理者等から訪問促進情報と共に入力されてもよいし、配信するアクセスポイントを自動的に設定してもよい。例えば、訪問促進情報に対応するアクセスポイントの設置場所を中心とする所定の半径の領域内に設置されたアクセスポイントを配信するアクセスポイントとして設定してもよい。また、上記管理者等から訪問促進情報を配信する配信エリアの設定を受け付け、配信エリア内に設置されたアクセスポイントを配信するアクセスポイントとして設定してもよい。
【0036】
図4は、訪問促進情報の一例を示す図である。図4において、情報端末20のディスプレイ400には、訪問促進情報410が表示されている。例えば、情報端末20が、アクセスポイントに接続すると、「○○WiFiに接続しました」のような接続状況とともに、アクセスポイントが設置されているABCカフェへの訪問を促すテキストが表示される。情報端末20が接続したアクセスポイントの位置に応じて、訪問を促したい場所までの距離や移動時間が表示してもよい。また、地図画像や、地図をディスプレイ400に表示させるためのリンクを表示してもよい。具体的な場所に関する情報を示すことにより、ユーザに対し訪問する意欲を起こさせることができる。
【0037】
図5は、訪問促進情報の配信リストの一例を示す図である。図5において、訪問促進情報を識別するIDと、訪問促進情報に対応するアクセスポイントのID、訪問促進情報を配信するアクセスポイントのIDとが関連付けられている。例えば、訪問促進情報A1は、アクセスポイントAP1が設置された場所への訪問を促す情報であり、アクセスポイントAP2,AP5…から配信される。また、例えば、訪問促進情報A2は、アクセスポイントAP10が設置された場所への訪問を促す情報であり、アクセスポイントAP11,AP12…から配信される。
【0038】
図3に戻って、記憶部120の販売促進情報DB122は、広告主端末40から通信部110を介して、後述する制御部130の受付部131が受け付けた販売促進情報を記憶するデータベースである。販売促進情報は、例えば、アクセスポイントを設置した場所(店舗)に滞在するユーザに対して、広告等を配信したい広告主によって入力される情報である。販売促進情報は、例えば、店舗において提供される商品に関する情報であり、より具体的には、コンビニエンスストアにおいて提供されるコーヒーや、ファーストフード店において提供されるハンバーガーなど、店舗において販売を促進したい商品である。また、販売促進のためのクーポン情報や、スマートフォンで用いられる決済アプリの利用を促す広告であってもよい。また、例えば、アクセスポイントを設置した場所(店舗)に滞在するユーザの好みや年齢、性別等の属性に着目し、属性に応じたWebサイトの訪問や商品購入を促す広告であってもよい。
【0039】
また、販売促進情報DB122は、受け付けた販売促進情報を配信するアクセスポイントを示す配信リストを記憶する。なお、配信するアクセスポイントは、上記広告主から販売促進情報と共に入力されてもよい。また、アクセスポイントを設置した場所(店舗)の管理者等が、自アクセスポイントから配信する販売促進情報を選択するようにしてもよい。店舗の管理者等は、来店するユーザの属性を考慮して、自店舗での収益向上につながりそうな広告を選択することができるため、アクセスポイント設置の利益を実感しやすくなる。
【0040】
図6は、販売促進情報の一例を示す図である。図6において、情報端末20のディスプレイ400には、販売促進情報420が表示されている。例えば、情報端末20が、アクセスポイントに接続すると、「ABCカフェWiFiに接続しています」のような接続状況とともに、アクセスポイントが設置されているABCカフェで利用可能な○○Payの利用を促すテキスト(店舗で利用可能な購入手段に関する情報に相当。)が表示される。セール情報なども一緒に表示させることにより、ユーザに○○Payの利用をより促すことができる。
【0041】
図7は、販売促進情報の配信リストの一例を示す図である。図7において、販売促進情報を配信するアクセスポイントのID、当該アクセスポイントの設置場所(店舗)、および販売促進情報を識別するIDが関連付けられている。例えば、ABCカフェに設置されるアクセスポイントAP21からは販売促進情報B1,B2,B3のいずれかが配信される。また、例えば、DEF美容院に設置されるアクセスポイントAP22からは販売促進情報B2またはB4が配信される。また、例えば、GHIレストランに設置されるアクセスポイントAP23からは販売促進情報B1,B3,B5,B6のいずれかが配信される。
【0042】
後述する配信部132は、アクセスポイントごとに関連付けられた販売促進情報のうち、情報端末20にインストールされているアプリケーションの情報、および、アクセスポイントが設置されている店舗で利用できるアプリケーションやクーポンの情報に基づいて、配信する販売促進情報を選択する。一般的に、ユーザごとに情報端末20にインストールされているアプリケーションは異なり、また、店舗で利用できるアプリケーションやクーポンも異なるため、各アクセスポイントから配信する販売促進情報を複数関連付けておくことは有用である。これにより、配信部132は、ユーザごとに適切な販売促進情報を配信することができる。
【0043】
また、配信部132は、後述する訪問情報取得部134が取得した訪問情報に含まれるアクセスポイントに対する接続情報から端末20を保有するユーザの行動履歴を分析し、行動履歴に適した販売促進情報を選択して配信するようにしてもよい。例えば、アクセスポイントの接続情報から、ユーザが移動した経路、滞在した店舗等に関する情報を取得することができ、これにより推測されるユーザの好みに適した販売促進情報を配信する。
【0044】
図3に戻って、アクセスポイントDB123は、配信システム1に含まれるアクセスポイントのIDと、設置場所とを関連付け、例えば、アクセスポイントリストとして記憶する。
【0045】
図8は、アクセスポイントリストの一例を示す図である。図8において、配信システム1に含まれるアクセスポイントのIDと、当該アクセスポイントが設置されている場所とが関連付けられている。例えば、アクセスポイントAP1は、P1に設置されている。図8では、設置場所が「P1」のような概念で示されているが、実際には、具体的な住所や、緯度経度等が関連付けられる。また、アクセスポイントごとに各アクセスポイントの通信エリアと関連付けてもよい。
【0046】
次に、訪問情報DB124は、情報端末20から取得した訪問情報を記憶する。訪問情報とは、情報端末20の移動した場所を示す情報である。具体的には、例えば、情報端末20のアクセスポイントに対する接続情報を含む情報である。また、接続情報とは、アクセスポイントのIDや接続日時である。
【0047】
図9は、訪問情報の一例を示す図である。図9の例では、情報端末20ごとに、情報端末20がアクセスポイントに接続した日時、接続したアクセスポイントのIDが関連付けられている。また、接続したアクセスポイントのIDに基づいて、訪問促進情報を受信したか否かを示す受信フラグ、および受信した訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続したか否かを示す訪問フラグが関連付けられている。
【0048】
例えば、「2019年1月1日12時00分」にアクセスポイント「AP2」に接続し、訪問促進情報を受信した(受信フラグ「1」)ことを示している。また、「2019年1月1日12時10分」にアクセスポイント「AP1」に接続し、上記受信した訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続したこと(訪問フラグ「1」)を示している。
【0049】
なお、本実施形態において、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに情報端末が接続したことにより、訪問促進情報が訪問を促す場所に当該情報端末を保有するユーザが訪問したと判断する。これは、アクセスポイントへの接続が、情報端末が当該アクセスポイントの通信エリア内に位置していることを意味するからである。また、所定の期間以上、訪問促進情報に対応するアクセスポイントへの接続があったことにより、訪問促進情報が訪問を促す場所に訪問したと判断するようにしてもよい。
【0050】
次に、追跡情報DB125は、情報端末20が受信した販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を記憶する。例えば、販売促進情報を配信した情報端末について、販売促進情報が利用を促していたアプリケーションについての利用履歴を追跡情報として記憶する。利用履歴から、アプリケーションの利用があったか否かを示す追跡フラグを立ててもよい。追跡情報DB125では、各情報端末20の追跡フラグを追跡情報リストとして記憶してもよい。
【0051】
図10は、追跡情報リストの一例を示す図である。図10の例では、あるアクセスポイントから配信した販売促進情報を受信した情報端末と、当該情報端末が販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報に基づいた追跡フラグとが関連付けられている。上述のように、販売促進情報が利用を促していたアプリケーションやWebサイトの閲覧などを示す利用履歴や閲覧情報に基づいて、利用や閲覧があれば、追跡フラグが立てられる。図10において、例えば、端末2,3および6では、追跡フラグが「1」になっており、端末2,3および6では、販売促進情報に対応する行動が行われたことを意味している。
【0052】
図3に戻って、制御部130について説明する。制御部130は、例えば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、配信サーバ10の記憶部120に記憶されている各種プログラム(配信プログラムに相当。)がRAM(Random Access Memory)を作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0053】
制御部130は、受付部131と、配信部132と、位置情報取得部133と、訪問情報取得部134と、追跡情報取得部135と、評価部136と、を有する。なお、制御部130の内部構成は、図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0054】
受付部131は、通信部110を介して広告主端末40から受信した訪問促進情報や販売促進情報を受け付ける。受付部131は、受け付けた訪問促進情報を、記憶部120の訪問促進情報DB121に格納する。また、受付部131は、受け付けた販売促進情報を、販売促進情報DB122に格納する。
【0055】
配信部132は、通信部110を介して、所定のアクセスポイントから訪問促進情報や販売促進情報を配信する。例えば、訪問促進情報DB121に格納される配信リスト(図5参照)に従って、関連付けられたアクセスポイントから訪問促進情報を配信する。また、販売促進情報DB122に格納された配信リスト(図7参照)に従って、関連付けられたアクセスポイントから販売促進情報を配信する。配信部132は、例えば、プッシュ通知により訪問促進情報や販売促進情報を配信する。
【0056】
また、配信部132は、後述する位置情報取得部133が取得した、情報端末20の位置情報に基づいて、所定のエリアに位置する情報端末20に対し、訪問促進情報を配信するようにしてもよい。例えば、配信部132は、訪問促進情報を配信するエリアとして予め広告主等から設定された領域に位置する情報端末を、取得した位置情報から判断する。そして、設定された所定のエリアに位置する情報端末20と通信可能な通信エリアを有するアクセスポイントに対し、訪問促進情報を配信するよう通信部110を制御する。
【0057】
位置情報取得部133は、通信部110を介して情報端末20の位置情報を取得する。位置情報取得部133は、取得した位置情報を配信部132に送る。また、取得した位置情報を、情報端末20のIDと関連付け、訪問情報として訪問情報DB124に格納してもよい。その際、取得した位置情報が示す位置を通信エリアとするアクセスポイントと関連付けてもよい。
【0058】
訪問情報取得部134は、通信部110を介して、情報端末20が接続したアクセスポイントのIDおよび接続日時を取得する。訪問情報取得部134は、訪問促進情報DB121に格納された配信リスト(図5参照)に基づいて、取得したアクセスポイントのIDから、情報端末20が訪問促進情報を受信しているか否かを判断する。訪問促進情報を受信していると判断した場合は、受信フラグを立てる。
【0059】
また、訪問情報取得部134は、情報端末20が受信した訪問促進情報に対応するアクセスポイントに、情報端末20が接続しているか判断する。訪問情報取得部134は、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続していると判断した場合は、例えば、訪問フラグを立てる。そして、アクセスポイントのID、接続日時、受信フラグ、訪問フラグを関連付けて訪問情報として、訪問情報DB124に格納する(図9参照)。なお、上述の訪問情報は一例であり、訪問情報は、情報端末20が、受信した訪問促進情報に対応するアクセスポイントの通信エリアに移動したことを示す情報であれば、どのような態様であってもよい。
【0060】
追跡情報取得部135は、通信部110を介して、情報端末20から、販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得する。追跡情報取得部135は、例えば、販売促進情報として所定のアプリの利用を促す広告が配信された場合、情報端末20において、当該アプリの利用履歴を追跡情報として取得する。追跡情報取得部135は、追跡情報に基づいて、販売促進情報に対応する行動が行われたかを判断した場合は、追跡フラグを立てて、情報端末20のIDと関連付けて追跡情報DB125に格納する(図10参照)。
【0061】
図11は、追跡情報を説明するための図である。図11において、情報端末20のディスプレイ400には、「〇〇Pay」(専用アプリケーション)の利用時における画面例が示されている。図6で示したように、販売促進情報として「○○Pay」の利用が促された場合、情報端末20において「○○Pay」を利用して決済を行ったことを示す情報が、追跡情報として配信サーバ10に送信される。追跡情報は、情報端末20が受信した販売促進情報に基づいて、情報端末20において生成され、配信サーバ10に送信されてもよいし、配信サーバ10において、販売促進情報の配信履歴および情報端末20におけるアプリの利用履歴から追跡情報を生成するようにしてもよい。
【0062】
評価部136は、訪問情報DB124や追跡情報DB125に格納された訪問情報や追跡情報に基づいて、促進情報の効果を評価する。例えば、訪問情報から、訪問促進情報を受信した情報端末のうち、訪問促進情報に対応する場所へ訪問した情報端末の割合(訪問率)を算出する。また、評価部136は、販売促進情報を受信した情報端末のうち、販売促進情報に対応する行動を行った情報端末の割合(例えば、アプリ利用率)を算出する。これにより、促進情報の効果を評価することができる。また、アクセスポイント設置の前後において、訪問率やアプリ利用率の変化を比較することで、アクセスポイント設置が収益と関連しているか判断することができ、アクセスポイント設置の効果についても評価することができる。
【0063】
(情報端末20の機能構成)
図12は、情報端末20の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図12を参照して、情報端末20の機能構成について説明する。なお、本実施形態の情報端末20は、図12の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0064】
情報端末20は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機や、タブレット端末や、ノート型PCや、PDA(Personal Digital Assistant)等の携帯端末である。また、情報端末20には、眼鏡型や時計型の情報処理端末であるウェアラブルデバイス(wearable device)も含まれる。さらに、情報端末20には、インターネット等に接続可能な通信機能や、位置情報を取得するための情報処理機能を有する種々のスマート機器が含まれてもよい。例えば、情報端末20には、自動車などのスマートビークル(Smart vehicle)などが含まれてもよい。
【0065】
図12において、情報端末20は、通信部210と、入力部220と、出力部230と、検知部240と、制御部250と、記憶部260と、を有する。
【0066】
通信部210は、配信サーバ10等と、ネットワークNWを介した通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。例えば、通信部210は、配信サーバ10に対して、アクセスポイントの接続情報、位置情報などの訪問情報や、アプリの利用履歴などの追跡情報を送信する。
【0067】
入力部220は、ユーザから各種操作を受け付ける入力インターフェイスである。例えば、入力部220は、情報端末20に備えられた操作キーやボタン、タッチパネル、音声入力のためのマイク等によって実現される。
【0068】
出力部230は、各種情報を出力するための表示装置や、スピーカであって、例えば、液晶ディスプレイやスマートスピーカ等によって実現される。なお、情報端末20にタッチパネルが採用される場合には、入力部220の一部と出力部230とは一体化される。例えば、配信サーバ10から配信された促進情報は、出力部230の表示装置に表示される。また、促進情報は、スピーカ(不図示)を介して音声出力されてもよい。
【0069】
検知部240は、情報端末20の位置に関する各種情報を検知する。具体的には、検知部240は、衛星測位システムから送出される電波を受信し、受信した電波に基づいて情報端末20の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を検知する。なお、検知部240は、異なる手法により位置情報を取得してもよい。例えば、情報端末20が駅改札や商店等で使用される非接触型ICカードと同等の機能を備えている場合(もしくは、情報端末20が非接触型ICカードの履歴を読み取る機能を備えている場合)、情報端末20によって駅での乗車料金の決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。検知部240は、この情報を検知し、位置情報として取得する。
【0070】
制御部250は、例えば、コントローラであり、CPUやMPU等によって、情報端末20内部の記憶部260に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部250は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0071】
制御部250は、配信サーバ10に情報端末20の訪問情報や追跡情報を提供する処理を制御する。例えば、制御部250は、情報端末20の訪問情報や追跡情報の提供処理を実現するためのプログラム(例えば、スマートフォン専用アプリ)を実行制御する。プログラムは、予め情報端末20にインストールされていてもよいし、情報端末20を保有するユーザによる操作に従って配信サーバ10(または、各種プログラムを提供する外部サーバ)からダウンロードされ、情報端末20にインストールされてもよい。
【0072】
制御部250は、接続制御部251と、情報取得部252と、出力制御部253と、を有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を、RAMを作業領域として上述したプログラムを実行することにより、実現または実行する。
【0073】
接続制御部251は、情報端末20の通信エリア内にあるアクセスポイントと接続するよう通信部210を制御する。接続制御部251は、通信速度等を考慮して接続先のアクセスポイントを選択してもよい。
【0074】
情報取得部252は、通信部210を介して情報端末20が接続しているアクセスポイントのIDを取得する。また、情報取得部252は、検知部240から情報端末20の位置情報を取得する。情報取得部252は、取得したアクセスポイントのIDや位置情報を記憶部260に記憶させてもよい。また、情報取得部252は、取得したアクセスポイントのIDや位置情報は、通信部210を介して配信サーバ10に送信する。
【0075】
また、情報取得部252は、情報端末20で実行されたアプリケーションの利用履歴に基づいて追跡情報を生成してもよい。例えば、情報取得部252は、通信部210を介して取得した販売促進情報で提示されたアプリケーションの利用履歴から、アプリケーションが利用されたと判断した場合は、効果フラグを「1」とした追跡情報を生成する。アプリケーションの利用がないと判断した場合は、追跡フラグを「0」とした追跡情報を生成する。
【0076】
出力制御部253は、配信サーバ10から配信された訪問促進情報や販売促進情報を出力部230に出力するよう制御する。例えば、図4図6で示したように、訪問促進情報や販売促進情報をディスプレイに表示させてもよいし、音声出力してもよい。
【0077】
記憶部260は、CPUやMPU等のコントローラによって実行される各種プログラムや、制御部250によって取得された訪問情報等を記憶する。制御部250は、記憶された訪問情報等を、所定のタイミングで配信サーバ10に送信するようにしてもよい。
【0078】
(配信システム1における処理の流れ)
図13および図14は、配信システム1の処理の流れを示すシーケンス図である。図13および図14を参照して、配信システム1における処理の流れを説明する。なお、図13および図14で示す処理は、配信システム1の処理の一例である。配信システム1の処理として、この他にも、上述した配信サーバ10の各機能構成等の処理を組み合わせてもよい。
【0079】
まず、図13を参照して処理を説明する。ステップS101において、広告主端末40は、広告主等から入力された訪問促進情報および販売促進情報を、配信サーバ10に送信する。
【0080】
ステップS102において、配信サーバ10は、促進情報を受け付け、記憶部120の各データベースに格納する。
【0081】
ステップS103において、情報端末20は、アクセスポイント30に接続する。例えば、情報端末20は、情報端末20の通信エリアに設置されたアクセスポイント30のうち、通信速度等を考慮して、接続先のアクセスポイントを選択してもよい。
【0082】
ステップS104において、アクセスポイント30は、接続した情報端末20に対し、アクセスポイントのIDを送信する。情報端末20は、受信したアクセスポイントのIDを接続履歴として記憶部260に記憶するようにしてもよいし、配信サーバ10に訪問情報として送信してもよい。
【0083】
ステップS105において、配信サーバ10は、ステップS102で受け付けた訪問促進情報を、配信リスト(図5参照)に基づいて、設定されたアクセスポイントから配信する。
【0084】
ステップS106において、情報端末20は、訪問促進情報を受信する。
【0085】
ステップS107において、情報端末20は、受信した訪問促進情報を、例えばディスプレイ等に表示し、ユーザに提示する。
【0086】
続いて、図14を参照して、図13で説明した後の処理について説明する。
【0087】
ステップS201において、情報端末20は、通信エリアに設置されているアクセスポイント30に接続する。例えば、情報端末20は、ユーザが移動するのに伴い、接続するアクセスポイントを切り替える。
【0088】
ステップS202において、アクセスポイント30は、接続した情報端末20に対し、アクセスポイントのIDを送信する。
【0089】
ステップS203において、情報端末20は、ステップS202において送信されたアクセスポイントのID(接続情報)を訪問情報として配信サーバ10に送信する。
【0090】
ステップS204において、配信サーバ10は、受信した訪問情報を記憶する。また、配信サーバ10は、訪問情報から、情報端末20が受信した訪問促進情報に対応したアクセスポイントに接続したかを判断する。例えば、訪問情報(図9参照)において、訪問フラグが立っているかを判断する。
【0091】
ステップS205において、配信サーバ10は、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末20に対し、販売促進情報を配信する。配信サーバ10は、例えば、販売促進情報の配信リスト(図7参照)に基づいて、訪問促進情報に対応しているアクセスポイントに接続している情報端末20に対し、当該アクセスポイントから配信されるように設定されている販売促進情報を配信する。
【0092】
ステップS206において、情報端末20は、配信された販売促進情報を、例えばディスプレイ等に表示し、ユーザに提示する。
【0093】
ステップS207において、情報端末20は、例えば、ユーザの操作等により、販売促進情報が利用を促した、アプリケーション等を起動する。また、ユーザの操作等により、情報端末20において、アプリケーションの利用履歴が記憶される。
【0094】
ステップS208において、情報端末20は、情報端末20において利用されるアプリケーションの利用履歴等を追跡情報として配信サーバ10に送信する。
【0095】
ステップS209において、配信サーバ10は、情報端末20からの追跡情報を受信し、記憶部120のデータベースに格納する。
【0096】
ステップS210において、配信サーバ10は、訪問情報DB124や追跡情報DB125に格納された訪問情報や追跡情報に基づいて、促進情報の効果を評価する。例えば、訪問情報から、訪問促進情報を受信した情報端末のうち、訪問促進情報に対応する場所へ訪問した情報端末の割合(訪問率)を算出する。また、販売促進情報を受信した情報端末のうち、販売促進情報に対応する行動を行った情報端末の割合(例えば、アプリ利用率)を算出する。
【0097】
ステップS211において、配信サーバ10は、ステップS210において評価した、促進情報の効果に関する評価情報を広告主端末40に送信する。広告主端末40は、受信した評価情報を広告主等に送信するようにしてもよい。
【0098】
以上のようにして、配信システム1における処理は終了する。
【0099】
(ハードウェア構成図)
図15は、配信サーバ10のハードウェア構成を示すブロック図である。配信サーバ10は、コンピュータ501に実装される。コンピュータ501は、CPU502と、主記憶装置503と、補助記憶装置504と、インターフェイス505と、を備える。
【0100】
配信サーバ10の各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置504に記憶されている。CPU502は、プログラムを補助記憶装置504から読み出して主記憶装置503に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU502は、プログラムに従って、記憶領域を主記憶装置503に確保する。当該プログラムは、具体的には、コンピュータ501に、促進情報を配信し、アクセスポイント設置の効果を評価する配信プログラムである。
【0101】
なお、補助記憶装置504は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インターフェイス505を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ501に配信される場合、配信を受けたコンピュータ501が当該プログラムを主記憶装置503に展開し、処理を実行してもよい。
【0102】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置504に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。なお、図15に示したハードウェア構成は、情報端末20、および広告主端末40も同様の構成としてもよい。これらの装置における各構成要素の動作も、上述の配信サーバ10と同様に、補助記憶装置に記憶されたプログラムに従ったCPUにより実現する。
【0103】
(効果の説明)
上述したように、本実施形態に係る配信システムは、アクセスポイントが設置された場所(例えば、店舗等)への訪問を促す訪問促進情報を情報端末へ配信する。そして、訪問促進情報に対応するアクセスポイントの通信エリアに移動した情報端末に対し、当該アクセスポイントを介して、販売促進情報を配信する。このようにアクセスポイントを介して訪問促進情報や販売促進情報を配信することにより、アクセスポイントを利用して収益につなげることができる。
【0104】
また、本実施形態に係る配信システムは、訪問促進情報、販売促進情報を配信した情報端末から、情報端末が移動した場所を示す訪問情報や、販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得し、取得した情報に基づいて、促進情報の効果を評価する。これにより、広告主は、促進情報による収益を把握することがでる。また、そのような収益につながるアクセスポイント設置に対するモチベーションの向上に役立てることができる。
【0105】
<実施形態の変形例>
追跡情報を、情報端末からの利用履歴に基づいて取得するのではなく、販売促進情報が利用を促したアプリケーションの運営会社から取得した利用履歴等に基づいて取得してもよい。例えば、販売促進情報が利用を促した決済アプリの運営会社から決済情報を取得し、決済情報に含まれる決済を行った端末のIDと、販売促進情報を受信した端末IDとを突き合わせて、販売促進情報を受信した端末が決済を行ったか否かを追跡するようにしてもよい。決済が行われた端末については、図10で示したように追跡フラグ「1」を立てればよい。
【0106】
本実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0107】
1 配信システム、10 配信サーバ、20 情報端末、30 公衆無線LANアクセスポイント、40 広告主端末、110,210 通信部、120,260 記憶部、121 訪問促進情報DB、122 販売促進情報DB、123 アクセスポイントDB、124 訪問情報DB、125 追跡情報DB、130,250 制御部、131 受付部、132 配信部、133 位置情報取得部、134 訪問情報取得部、135 追跡情報取得部、136 評価部、220 入力部、230 出力部、240 検知部、251 接続制御部、252 情報取得部、253 出力制御部、501 コンピュータ、502 CPU、503 主記憶装置、504 補助記憶装置、505 インターフェイス

【要約】
【課題】アクセスポイントを用いて効果的に訪問促進および販売促進を行うこと。
【解決手段】
配信サーバは、アクセスポイントが設置された場所への訪問を促す訪問促進情報を受け付ける訪問促進情報受付部と、訪問促進情報に対応するアクセスポイントとは異なる他のアクセスポイントに接続している情報端末に対し、訪問促進情報を配信する訪問促進情報配信部と、訪問促進情報を受信した情報端末から、情報端末の移動した場所を示す訪問情報を取得する訪問情報取得部と、訪問情報に基づいて、訪問促進情報に対応するアクセスポイントに接続している情報端末に対し、販売促進情報を配信する販売促進情報配信部と、販売促進情報を受信した情報端末から、販売促進情報に対応する行動を追跡する追跡情報を取得する追跡情報取得部と、を備える。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15