特許第6607604号(P6607604)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6607604-真空掃除機用のベースステーション 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607604
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】真空掃除機用のベースステーション
(51)【国際特許分類】
   A47L 9/00 20060101AFI20191111BHJP
   A47L 5/28 20060101ALI20191111BHJP
   A47L 9/28 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   A47L9/00 104
   A47L5/28
   A47L9/28 E
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-234486(P2015-234486)
(22)【出願日】2015年12月1日
(65)【公開番号】特開2016-116852(P2016-116852A)
(43)【公開日】2016年6月30日
【審査請求日】2018年9月3日
(31)【優先権主張番号】10 2014 119 192.7
(32)【優先日】2014年12月19日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】592022394
【氏名又は名称】フォルヴェルク・ウント・ツェーオー、インターホールディング・ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】VORWERK & COMPAGNIE INTERHOLDING GESELLSHAFT MIT BESCHRANKTER HAFTUNG
(74)【代理人】
【識別番号】100095267
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 高城郎
(74)【代理人】
【識別番号】100124176
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 典子
(72)【発明者】
【氏名】マルティン・メグレ
(72)【発明者】
【氏名】ミロン・セルネッキ
【審査官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−180587(JP,A)
【文献】 独国特許出願公開第102011054162(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 5/00−5/38、9/00−9/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の真空掃除機(3)の掃除機集塵室(5)を清浄化しかつ/又は空にするために、ベース集塵室(2)と、該ベース集塵室(2)と流体的に接続する第1のエア入口(7)と、該ベース集塵室(2)と流体的に接続する第1のエア出口(8)とを有し、該第1のエア入口(7)及び該第1のエア出口(8)は流体的に該第1の真空掃除機(3)のエアダクト(9)と接続可能であることにより、該第1の真空掃除機(3)の該掃除機集塵室(5)に収容された塵を該第1の真空掃除機(3)のファン(11)を用いて該ベース集塵室(2)に移動可能であるベースステーション(1)において、
前記ベースステーション(1)が、前記ベース集塵室(2)と流体的に接続される第2のエア入口(12)と、前記ベース集塵室(2)と流体的に接続される第2のエア出口(13)とを有し、該第2のエア入口(12)及び該第2のエア出口(13)が、第2の真空掃除機(4)のエアダクト(10)と流体的に接続可能であることにより、該第2の真空掃除機(4)の掃除機集塵室(6)に収容された塵が、前記第1の真空掃除機(3)のファン(11)を用いて該ベース集塵室(2)に移送可能であることを特徴とする
ベースステーション。
【請求項2】
前記第1のエア入口(7)及び前記第2のエア入口(12)にバルブ(14)が連係しており、該バルブ(14)は、前記ベース集塵室(2)が前記第1の真空掃除機(3)の掃除機集塵室(5)又は前記第2の真空掃除機(4)の掃除機集塵室(6)に選択的に接続されるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のベースステーション。
【請求項3】
前記第1のエア出口(8)及び前記第2のエア出口(13)にバルブ(15)が連係しており、該バルブ(15)は、前記第1の真空掃除機(3)のファン(11)が前記第1の真空掃除機(3)の掃除機集塵室(5)又は前記第2の真空掃除機(4)の掃除機集塵室(6)に選択的に接続されるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のベースステーション。
【請求項4】
前記バルブ(14,15)が、前記第2の真空掃除機(4)のエアダクト(10)の前記第2のエア入口(12)及び前記第2のエア出口(3)への接続によって、前記第2の真空掃除機(4)のエアダクト(10)と前記ベース集塵室(2)の間の流体的接続を開放するように構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のベースステーション。
【請求項5】
前記バルブ(14,15)が、第2の真空掃除機(4)の部分領域の機械的動作により切換可能であり、該部分領域として吸引ダクト端部領域を含むことを特徴とする請求項4に記載のベースステーション。
【請求項6】
前記バルブ(14,15)が、電磁気的なバルブコントローラにより接続され、該バルブコントローラは、前記第2の真空掃除機(4)の前記第2のエア入口(12)及び/又は前記第2のエア出口(13)への接続状態によって該バルブ(14,15)を制御することを特徴とする請求項4又は5に記載のベースステーション。
【請求項7】
前記ベースステーション(1)が、前記第1の真空掃除機(3)と前記ベースステーション(1)の間、及び/又は、前記第1の真空掃除機(3)と前記第2の真空掃除機(4)の間に閉じた流路が形成されるように構成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のベースステーション。
【請求項8】
前記第1の真空掃除機(3)及び/又は前記第2の真空掃除機(4)のバッテリに接続可能な充電器を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のベースステーション。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載のベースステーション(1)と、ハンディ式真空掃除機である場合を含む第1の真空掃除機(3)と、掃除ロボットである場合を含む第2の真空掃除機(4)と、を有する真空掃除機システム(19)であって、前記第1及び第2の真空掃除機(3,4)のエアダクト(9,10)が該ベースステーション(1)に接続可能であることにより、前記第1の真空掃除機(3)と前記ベースステーション(1)の間、及び/又は、前記第1の真空掃除機(3)と前記第2の真空掃除機(4)の間に閉じた流路が形成されることを特徴とする真空掃除機システム。
【請求項10】
請求項9に記載の真空掃除機システム(19)を用いて第2の真空掃除機(4)の掃除機集塵室(6)を清浄化しかつ/又は空にするための方法であって、前記ベースステーション(1)の第1のエア入口(7)及び第1のエア出口(8)が前記第1の真空掃除機(3)のエアダクト(9)に接続されるとともに、前記ベースステーション(1)の第2のエア入口(12)及び第2のエア出口(13)が前記第2の真空掃除機(4)のエアダクト(10)に接続されることにより、該第2の真空掃除機(4)の掃除機集塵室(6)に収容された塵が該第1の真空掃除機(3)のファン(11)を用いて前記ベース集塵室(2)移送されることを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の真空掃除機の掃除機集塵室を清浄化しかつ/又は空にするためのベースステーションに関し、そのベースステーションは、ベース集塵室と、ベース集塵室と流体的に接続している第1のエア入口と、ベース集塵室と流体的に接続している第1のエア出口とを有し、それらのエア入口及びエア出口は、第1の真空掃除機のエアダクトと流体的に接続可能であることにより、第1の真空掃除機の掃除機集塵室に収容された塵が第1の真空掃除機のファンによってベース集塵室へ移送可能である。
【背景技術】
【0002】
上述したタイプのベースステーションは、公知技術である。それらは特に、いわゆるパーマネントフィルタを有する真空掃除機と組み合わせて用いられる。パーマネントフィルタは、塵で満杯になったときに交換されるのではなく、塵の通常の吸引方向とは逆の吸引方向の吸引気流を用いて排出される。このために、その真空掃除機の掃除機集塵室が、ベースステーションのファン又は真空掃除機自体のファンに分流器を用いて接続される。
【0003】
特許文献1は、例えば、掃除機集塵室を清浄化しかつ/又は空にするためのベースステーションを開示している。そのベースステーションは、真空掃除機の掃除機集塵室から塵埃を移送可能なベース集塵室を有し、清浄化されるべき真空掃除機自体のファンから生じた吸引エア流をベース集塵室を介して掃除機集塵室に流すことが可能である。その結果ベース集塵室に生じた負圧により、塵を掃除機集塵室からベース集塵室に吸引可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】欧州特許第1 243 218号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このタイプのベースステーションは公知であるが、1つの真空掃除機のみを清浄化するように設計されている。さらに、清浄化のために使用可能な真空掃除機自体のファンは1つのみに限られる。
【0006】
従って本発明の目的は、複数の真空掃除機を同時に接続可能なベースステーションを提供することである。真空掃除機が、付加的に別の真空掃除機の清浄化に寄与できることは有用である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的を達成するために、ベースステーションが、ベース集塵室と流体的に接続された第2の空気入口と、ベース集塵室と流体的に接続された第2の空気出口とを有する。第2の空気入口及び第2の空気出口は、流体的に第2の真空掃除機のエアダクトと接続可能であることにより、第2の真空掃除機の掃除機集塵室に収容された塵が、第1の真空掃除機のファンを用いてベース集塵室に移送可能である。
【0008】
これは、受動的ベースステーション、すなわちベースステーションがそれ自体のファンを備えないものであり、同時にベースステーションに接続された複数の真空掃除機のうちの1つの掃除機集塵室を清浄化しかつ/又は空にするために機能することができる。このために、ベースステーションは、複数の真空掃除機のためのエア入口とエア出口を設けており、例えば、第1の真空掃除機用の第1のエア入口及び第1のエア出口と、第2の真空掃除機用の第2のエア入口及び第2のエア出口等である。エア入口及びエア出口の数は限定されない。ベース集塵室と真空掃除機の掃除機集塵室の間の流体的接続は、例えば、接続されている第1及び第2の真空掃除機に関して、第1の真空掃除機の掃除機集塵室が第1の真空掃除機自体のファンを用いて清浄化されるのか、又は、第2の真空掃除機の掃除機集塵室が第1の真空掃除機のファンを用いて清浄化されるのかによって切り替え可能である。原理的には、第2の、又はさらに別の真空掃除機の掃除機集塵室をそれ自体のファンを用いて清浄化することも当然に可能である。
【0009】
第1の真空掃除機の掃除機集塵室をそれ自体のファンを用いて清浄化するために、第1の真空掃除機のファンが、第1のエア出口を介してベースステーションのベース集塵室からエアを吸引するように、第1の真空掃除機とベースステーションの間の流体的接続が形成される。それにより、第1のエア入口を介して第1の真空掃除機の掃除機集塵室からベース集塵室へとエアが流れる。閉じた流路を形成するために、掃除機集塵室が再度第1の真空掃除機のファンに接続されてもよい。そのように形成された流体的接続により、第1の真空掃除機の掃除機集塵室内に収容されている塵がベース集塵室に到達し、そしてそこで、ベース集塵室に設けられたフィルタバッグ又は同様のものによりフィルタリングされることによって、ファンへ流れるエアから塵が除去される。ベース集塵室は、例えば塵でフィルタが満杯となったとき、ベースステーションから取り外され、空にされるか又は清浄化される。総括すると、それにより真空掃除機自体が取り外し可能なフィルタを備える必要が無くなる。それに替えて、真空掃除機のエアフィルタを永久フィルタとして設計することができる。
【0010】
第1のエア入口及び第2のエア入口にバルブが連係することが好適である。そのバルブは、ベース集塵室が、第1の真空掃除機の掃除機集塵室又は第2の真空掃除機の掃除機集塵室と選択的に接続するように構成されている。よってバルブにより、それらの流体的接続を形成することができ、それらの流体的接続は第1又は第2の真空掃除機のいずれかの掃除機集塵室を清浄化しかつ空にするために必要である。このためにバルブは、中央の位置に、すなわち流体的にベースステーションの第1のエア入口と第2のエア入口の間に配置されている。好適には、バルブがフラップバルブとして構成されるが、基本的に他の形式のバルブも採用可能である。バルブは、ベース集塵室と第1のエア入口の間、又は、ベース集塵室と第2のエア入口の間のいずれかを選択的に接続する。もし例えば、第1の真空掃除機のみがベースステーションに接続されているならば、バルブは、第1のエア入口がベース集塵室と接続される位置に留まりかつ第2のエア入口はベース集塵室から分離されることにより、ベース集塵室は、第1の真空掃除機の掃除機集塵室のみと接続される。。
【0011】
第1のエア出口及び第2のエア出口にバルブが連係することも好適である。そのバルブは、第1の真空掃除機のファンが、第1の真空掃除機の掃除機集塵室又は第2の真空掃除機の掃除機集塵室と選択的に接続するように構成されている。この構成により、バルブは、例えば、第1の真空掃除機の掃除機集塵室又は第2の真空掃除機の掃除機集塵室のいずれかが、第1の真空掃除機のファンを用いて清浄化されるように切り換える。第2の真空掃除機の掃除機集塵室を清浄化するために、例えば第1のエア出口及び第2のエア出口の間に配置されたバルブが切り換えられることにより、第2の真空掃除機の掃除機集塵室が第1の真空掃除機のファンと流体的に接続される。この接続により、第1の真空掃除機のファンが、塵を第2の真空掃除機の掃除機集塵室からベースステーションのベース集塵室に吸引する。この場合のバルブも、フラップバルブ又は同様のものでよい。
【0012】
さらに、第2の真空掃除機のエアダクトが第2のエア入口及び第2のエア出口と接続されることにより、第2の真空掃除機のエアダクトとベース集塵室の間の流体的接続を開放するように、バルブが設定されている。この構成によれば、ベースステーションのユーザは、エア入口及びエア出口の領域におけるバルブを手動で操作する必要がない。それに替えて、第2の真空掃除機がベースステーションに接続されるとバルブが自動的に切り換えられることによって、第2の真空掃除機と、ベースステーション又はさらに第1の真空掃除機との間の流体的接続が形成される。
【0013】
バルブが、例えば第2の真空掃除機の一部の機械的動作により切換可能であることが、好適である。第2の真空掃除機の一部は、例えば、吸引ダクト端部領域でもよく、その部分がバルブに対して機械的に作用する。その場合、機械的動作は、エア入口の領域のバルブであってもエア出口の領域のバルブであっても連係させることができる。例えば、バルブフラップ等に対する機械的押圧、又は、空気圧のいずれかを利用可能である。
【0014】
さらに、バルブが、電磁気的なバルブコントローラにより接続されてもよい。そのコントローラは、第2の真空掃除機の第2のエア入口及び/又は第2のエア出口への接続状態に応じてバルブを制御する。その場合、バルブコントローラは、例えば、第2の真空掃除機のベースステーションへの設置を検知するセンサシステムを有する。この場合、対応する切換信号が1又は複数のバルブに送信される。これに関連してベースステーションが例えば電気的接点を有し、それらの接点が、特にベースステーションに対する第2の真空掃除機の一部の形状的適合条件を検知することにより、例えば、第2の真空掃除機がベースステーションに接続されたか否かのみでなく、第2の真空掃除機がベースステーションから吸引可能な特定のタイプの掃除機に対応するか否かについても検知することができる。
【0015】
ベースステーションが、第1の真空掃除機とベースステーションの間、及び/又は、第1の真空掃除機と第2の真空掃除機の間に、閉じた流路を形成するように構成してもよい。その閉じた流路は、第1の真空掃除機のファン(吸引側)が、エアをベースステーション又はそれに接続された第1若しくは第2の真空掃除機の掃除機集塵室から吸引し、それらが今度は第1の真空掃除機のファン(圧力側)に接続されるように構成されている。
【0016】
ユーザにとってのベースステーションの価値を高めるために、さらにベースステーションが充電器を有することが好適である。その充電器は、第1の真空掃除機及び/又は第2の真空掃除機のバッテリと接続可能である。それにより、ベースステーションに設置された真空掃除機は、清浄化や空にされるだけでなく、同時にそれらのバッテリが充電されることが可能である。それによりユーザは、1又は複数の真空掃除機について何回も生じるメンテナンスを忘れることがないばかりか、異なるメンテナンス、すなわち空にすることとバッテリを充電することが同時に行われることになる。
【0017】
上述したベースステーションに加えて、本発明は、本発明によるベースステーションと、それに対応する第1の真空掃除機と、同じくそれに対応する第2の真空掃除機とを有する真空掃除機システムを提供する。それらの真空掃除機は、互いに相補的なエア連通を有するという点においてベースステーションに対応している。真空掃除機システムは、例えば第1の真空掃除機としてハンディ式真空掃除機を、そして第2の真空掃除機として掃除ロボットを有してもよい。ベースステーションが上述した実施形態のいずれかに従って構成されることにより、真空掃除機のエアダクトがベースステーションのベース集塵室に接続可能であり、第1の真空掃除機とベースステーションの間及び第1の真空掃除機と第2の真空掃除機の間の閉じた流路が形成される。よって真空掃除機システムは、異なる真空掃除機を清浄化可能であり、例えば、第1の真空掃除機がベースステーションに接続されるだけでそのファンを用いてその掃除機集塵室を空にできるのみでなく、第1及び第2の真空掃除機の双方がベースステーションに接続されることで、第1の真空掃除機のファンを用いて第2の真空掃除機の掃除機集塵室を清浄化することができる。もちろん、真空掃除機システムは、第1及び第2の真空掃除機に加えてさらに別の真空掃除機を有してもよい。これらのことは、本発明に関して第2の真空掃除機についても同様に適用される。原理的に、当然に第2の真空掃除機の掃除機集塵室を第2の真空掃除機のファンを用いて清浄化することもできる。この点に関して第1の真空掃除機と同様である。
【0018】
ベースステーション及び真空掃除機システムに加えて、第2の真空掃除機の掃除機集塵室を、本発明による真空掃除機システムを用いて清浄化しかつ/又は空にするための方法も提示される。その方法では、ベースステーションの第1のエア入口及び第1のエア出口が第1の真空掃除機のエアダクトに接続されるとともに、ベースステーションの第2のエア入口及び第2のエア出口が第2の真空掃除機のエアダクトに接続される。その後、第2の真空掃除機の掃除機集塵室に収容された塵が第1の真空掃除機のファンを用いてベース集塵室に移送される。それにより本発明による方法は、第2の真空掃除機の掃除機集塵室を第1の真空掃除機のファンを用いて清浄化することができる。第1の真空掃除機がハンディ式真空掃除機であり、かつ、第2の真空掃除機は、その掃除機集塵室の容量が通常、より小さい故により頻繁に清浄化されるべき掃除ロボットであることが、好適である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、ベースステーションと、第1の真空掃除機と、第2の真空掃除機とを備えた本発明による真空掃除機システムである。
図2図2は、ベースステーションと接続された第1の真空掃除機を備えた図1の真空掃除機システムである。
図3図3は、ベースステーションに接続された第1及び第2の真空掃除機を備えた図1及び図2の真空掃除機システムである。
図4図4は、ベースステーションに接続された第1の真空掃除機を備えたベースステーションの断面図である。
図5図5は、ベースステーションに接続された第1及び第2の真空掃除機を備えたベースステーションの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に基づいて説明する。
図1は、ベースステーション1、第1の真空掃除機3及び第2の真空掃除機4を備えた真空掃除機システム19を示す。第1の真空掃除機3は、例えばハンディ式充電動作掃除機であり、一方、第2の真空掃除機4は、例えば自走式掃除ロボットである。ベースステーション1は、少なくとも第1及び第2の真空掃除機3、4を形状的に嵌合して収容可能な部分を具備するハウジングを有する。それにより、組立状態での真空掃除機システム19の構成を全体的に最小限で実現できる。
【0021】
図2は、ベースステーション1に接続された第1の真空掃除機3を示しており、第1の真空掃除機3は、ベースステーション1のハウジングの部分領域に相互固定されて収容されている。
【0022】
図3は、ベースステーション1に接続された第1及び第2の真空掃除機3、4を備えたベースステーション1を示しており、第2の真空掃除機4は、ベースステーション1の対応する部分領域に自動的に移動させられている。
【0023】
図1図3を参照すると、第1の真空掃除機3及び第2の真空掃除機4の双方が、吸引口17及び排出口18を有する。吸引口17は、真空掃除機3、4の掃除機集塵室5、6に塵を吸引するように機能し、排出口18は、エアフィルタ16により清浄化されたエアを真空掃除機3、4から放出するように機能する。
【0024】
図4は、本発明の第1の実施形態を示す。これによれば、第1の真空掃除機3のみがベースステーション1に接続されている。概略断面図には、ベースステーション1がベース集塵室2を有し、第1のエア入口7と第1のエア出口8は、ベースステーション2と流体的に接続されるとともに、第1の真空掃除機3用の接続ポートとして使用可能である。ベース集塵室2にはフィルタバッグが配置されることが好適であり、掃除機集塵室5に到達した塵をフィルタバッグに収集することができる。第1のエア入口7及び第1のエア出口8に加えて、ベースステーション1はさらに第2のエア入口12及び第2のエア出口13を有する。これらは、第2の真空掃除機4の接続ポートとして機能する。第1のエア入口7と第2のエア入口12の間の流路、並びに、第1のエア出口8と第2のエア出口13の間の流路には、それぞれバルブ14、15が配置されている。それらのバルブは、第2の真空掃除機4がベースステーション1に接続され清浄化されるときに、第1の状態から第2の状態に切換可能である。
【0025】
第1の真空掃除機3は、その吸引口17、排出口18、及びさらに別の清浄化口21によりベースステーション1の流路に接続される。さらに、第1の真空掃除機3は、掃除機集塵室5を有し、その中にエアフィルタ16、ここでは永久フィルタが設けられている。掃除機集塵室5は、エアダクト9により第1の真空掃除機3のファン11と接続されている。ファン11は、第1の真空掃除機3の通常の掃除動作中、エアを吸引口17からエアフィルタ16を通してファン11へと移送する。それにより、吸引されたエアに含まれる塵がエアフィルタ16に到達し、掃除機集塵室5に収集される。それにより、塵を除去されたエアのみがファン11に流れ、排出口18から排気される。
【0026】
ベース集塵室2はさらに、接続ライン22を介してエアダクト9と接続される。ファン11によってベース集塵室2内に負圧を生じさせることができる。接続ライン22はまた、排出口18と第1のエア出口8を接続する接続ライン23と交差する(バルブ15が図4に示した位置にあるとき)。しかしながらこの場合、接続ライン22と接続ライン23の間は流体的には接続されていない。
【0027】
例示した第1の真空掃除機3の清浄化モードにおいては、第1の真空掃除機3の排出口18がベースステーション1の第1のエア出口8と流体的に接続され、第1の真空掃除機の吸引口17がベースステーション1の第1のエア入口7と流体的に接続される。ベースステーション1の第2のエア入口12及び第2のエア出口13は、バルブ14、15により閉鎖されることにより、周囲の空気が第2のエア入口12又は第2のエア出口13を通ってベースステーション1又は第1の真空掃除機3に侵入することはできない。
【0028】
第1の真空掃除機3の清浄化は、ユーザにより手動で開始されてもよく、又はそれに替えて、例えばベースステーション1に設けられたセンサ(図示せず)が第1の真空掃除機3のベースステーション1への接続を検知したとき自動的に開始されてもよい。その後、ファン11が始動され、第1の真空掃除機3のエアダクト9に設けられた吸引バルブ20が閉鎖されることによりエアダクト9が流体的に遮断され、そしてファン11はもはや掃除機集塵室5と直接的には流体的に接続されなくなる。ファン11により送出されるエアは、第1の真空掃除機3の排出口18を通って流れ、ベースステーション1に形成された流路を通って掃除機集塵室5に到達する。そこでエアは、エアフィルタ16に対して内側から供給されることにより、第1の真空掃除機3の吸引動作における通常の流れの方向とは逆方向に通過して流れる。エアフィルタ16の外側に堆積した塵と埃は、内側から外側に流れるエアに引きずられ、第1の真空掃除機3の吸引口17を通ってベースステーション1の第1のエア入口7に到達する。そこから、塵を伴うエアは最終的にベース集塵室2に到達し、ベース集塵室2に設けられたフィルタ、例えばフィルタバッグでフィルタリングされ、清浄化されたエアとしてベース集塵室2から第1の真空掃除機3のファン11へと流れる。このようにして、流路のループが閉じられる。
【0029】
図5は、本発明の第2の実施形態を示しており、第1の真空掃除機3及び第2の真空掃除機4の双方がベースステーション1に接続されている。第1の真空掃除機3は、図4に基づいて説明した通り、ベースステーション1に接続されている。さらにこの場合、ベースステーション1の第2のエア入口12及び第2のエア出口13が、ここでは掃除ロボットである第2の真空掃除機4のエア接続部と接続されている。
【0030】
第2の真空掃除機4もまた、エアフィルタ16を具備する掃除機集塵室6とファン11とを有している。掃除機集塵室6及びファン11は、エアダクト10と互いに接続されている。
【0031】
ベースステーション1は、第2の真空掃除機4が第2のエア入口12及び第2のエア出口13に存在することを検知するセンサ(図示せず)、例えばタッチセンサを有してもよい。バルブコントローラ(図示せず)が、バルブ14、15を制御することにより、第2の真空掃除機4のエアダクト10がベース集塵室2及び第1の真空掃除機3のファン11に流体的に接続されてもよい。バルブ14は、第2のエア入口12とベース集塵室2の間の流体的接続を形成するように切り換えられる。バルブ15は、第2のエア出口13と第1の真空掃除機3のファン11の間の流体的接続を形成するように適切に切り換えられる。吸引バルブ20もまた、第1の真空掃除機3のエアダクト9の内部で自動的に閉鎖されることが好適である。
【0032】
第2の真空掃除機4の掃除機集塵室6を清浄化し又は空にするために、第1の真空掃除機3のファン11が始動される。適切に切り換えられたバルブ14、15及び吸引バルブ20により、第1の真空掃除機3のファン11、第1の真空掃除機3の排出口18、ベースステーション1の第2のエア出口13、第2の真空掃除機4のエアダクト10、ベースステーション1の第2のエア入口12、ベース集塵室2、及び最後に再び第1の真空掃除機3のファン11の間に閉じた流路が形成される。これにより、第1の真空掃除機3のファン11と第2の真空掃除機4の掃除機集塵室6が協働することにより、第2の真空掃除機4の掃除機集塵室6に収容された塵が第1の真空掃除機3のファン11を用いてベースステーション1のベース集塵室2に移送される。そこに収集された塵は最終的に廃棄することができる。ベースステーション1自体は、個別のファンを有する必要はない。なぜなら、第1の真空掃除機3のファン11のみが、第1の真空掃除機3の掃除機集塵室5の清浄化及び第2の真空掃除機4の掃除機集塵室6の清浄化の双方のためにそれぞれ用いられるからである。
【0033】
上述した実施形態の他に、変形形態ももちろん可能であり、例えば、別の形態のバルブ14、15、20、別の種類のバルブ14、15、20が設けられてもよく、又は、エア入口7、12及びエア出口8、13がベースステーション1内における別の位置に設けられてもよい。さらに、ベースステーション1が、手動又は電磁気的なバルブ制御を付加される等されてもよい。また、図示の実施形態に限定するものではない。
【符号の説明】
【0034】
1 ベースステーション
2 ベース集塵室
3 第1の真空掃除機
4 第2の真空掃除機
5、6 掃除機集塵室
7 第1のエア入口
8 第1のエア出口
9、10 エアダクト
11 ファン
12 第2のエア入口
13 第2のエア出口
14、15 バルブ
16 エアフィルタ
図1
図2
図3
図4
図5