(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
近年、コンピュータの普及に伴い、電子黒板やタブレット端末などの通信機能を備えた装置を用いて授業を行う、教育支援システムが普及してきている。このようなシステムでは、教師が使用する通信端末(以後、教師用端末とも呼ぶ)と複数の生徒がそれぞれ使用する通信端末(以後、生徒用端末とも呼ぶ)との間で通信できることが求められる。
【0003】
また、これら通信端末は、無線通信用のインタフェースも備えている。そこで、複数の通信端末の間で無線通信を可能とする中継装置が知られている(非特許文献1)。この中継装置は、電子黒板や校内ネットワークと有線接続され、教師用端末に表示された画像情報を電子黒板に表示を行いつつ、無線通信によって複数の生徒用端末でも閲覧できる。
【0004】
さらに、この中継装置により、生徒用端末で行われた入力情報を教師用端末の画面に表示させ、教師用端末から電子黒板にその入力情報を送信することで他の生徒とも情報を共有することができる。このように、この中継装置を介して、教師用端末と生徒用端末が相互に通信し合う(双方向)ことで授業を円滑、かつ効率的に進めることができる。
【0005】
一方、上述したシステムを活用するためのインフラ(例えば、校内ネットワーク、インターネットなど)が未だ整備されていない教育現場もある。このような環境下では、広域ネットワークへの接続(インターネット、携帯端末業者のサーバなど)は、専用装置(例えば、モバイルルータなど)を使用することが考えられる。
【0006】
ここで、上述したシステムにおいて、教師用端末から専用装置を利用してインターネットへ接続することを可能とする場合は、教師用端末と生徒用端末が相互に通信できるために生徒用端末からもインターネットへ接続することが可能になる。このような、教師が意図しない生徒用端末によるインターネットへの接続は、回線使用料などのコスト増加やセキュリティ面に問題がある。
【0007】
特許文献1には、無線LANアクセスポイントが、VLAN(Virtual Local Area Network)を利用して、コンピュータウイルスが発生した場合に、無線LAN通信端末へのコンピュータウイルスの感染拡大を阻止し、通信サービスを継続して提供することが記載されている。上述したような教育現場での課題に対し、特許文献1に記載の技術を上述したシステムに適用し、教師用端末、生徒用端末、中継装置、広域ネットワーク間にVLANを構築し、仮想的にLANネットワークを論理的に分けることで、特定の通信端末の通信経路とその端末以外の通信経路を分けることが考えられる。
【0008】
また、特許文献2には、MACアドレスの特定パターンでフィルタリングを設定し、フィルタリングの設定を簡略化するとともに特定のMACアドレスのみ通信を有効化できることが記載されている。このような従来技術を利用し、教師用端末のMACアドレスを中継装置に登録しフィルタリングすることで、インターネットへ接続したい教師用端末のみをインターネットに接続することを許可することも考えられる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
【0020】
以下の実施の形態で示される数値、構成要素、構成要素の配置位置などは、一例であり、発明の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【0021】
(実施の形態)
図1は本発明の実施の形態にかかるデバイス制御システムの全体図である。
【0022】
図1に示すとおり、本発明の実施の形態にかかるシステム100は、中継装置1、無線通信端末2、無線通信端末3、通信装置4、広域ネットワーク5などの装置から構成されている。
【0023】
中継装置1は、通信経路R1を通じて通信装置4と無線接続され、さらに通信装置4を経由して通信経路R2によって広域ネットワーク5と接続される。また中継装置1は、アクセスポイントの機能を有し、無線通信インタフェースにより無線通信端末2および3と、ネットワークW1およびW2を通じて接続されている。ここで、通信経路R1は、本発明の実施の形態では、無線通信ネットワークとして説明するが、有線通信インタフェースによる有線通信ネットワークで行われてもよい。通信経路R2は、広域ネットワークを利用するために
通信装置4が
広域ネットワーク5と通信できる経路であればよい。本発明の実施の形態では、モバイル通信(例えば、3G通信、LTE(Long Term Evolution))を例に説明するが、その他通信(有線LAN通信、無線LAN通信など)であってもよい。
【0024】
また、中継装置1は、複数のネットワーク識別子(SSID(Service Set Identifier))を利用できる機能が備わっている。中継装置1は、予め設定されたSSID1のセグメントとSSID2のセグメントを区別し、それぞれのセグメント内でのみ無線通信が可能な機能を備える。
【0025】
無線通信端末2は、少なくとも無線通信インタフェースを備え、中継装置1を経由して無線通信端末3と無線通信ができる。無線通信端末2は、例えば、ノートPCやタブレットやスマートフォンなどである。無線通信インタフェースは、例えばIEEE802.11規格などに適合する無線LANにより実現される。
【0026】
また、無線通信端末2は、本発明の実施の形態のシステム100において、メイン端末の位置づけとなる。例えば、学校内で本発明の実施の形態のシステム100を適用する場合、メイン端末は教室で使用される教師用の無線通信端末に相当する。以後、無線通信端末2をメイン端末とも呼ぶ。なお、メイン端末は後述する主SSIDを通じて中継装置1と通信する。メイン端末は、1台に限らず、他の複数のメイン端末とネットワークグループ(第一の端末グループ)を構築してもよい。
【0027】
無線通信端末3は、無線通信端末2と同様に少なくとも無線通信インタフェースを備え、中継装置1を経由して無線通信端末2と無線通信ができる。無線通信端末3は、例えば、ノートPCやタブレットやスマートフォンなどである。
【0028】
また、無線通信端末3は、本発明の実施の形態のシステム100において、サブ端末の位置づけとなる。例えば、学校内で本発明の実施の形態のシステム100を適用する場合、サブ端末は教室で使用される生徒用の無線通信端末に相当する。なお、サブ端末は後述する副SSIDを通じて中継装置1と通信する。サブ端末は、1台に限らず、他の複数のサブ端末とSSIDによって個別のネットワークグループ(第二の端末グループ)を構築してもよい。サブ端末は、例えば、
図1に示す、副SSIDに属する無線通信端末3a、3b、3cなどである。サブ端末のグループは、1つまたは複数存在して、それぞれ異なる副SSIDにより中継装置1と通信してもよい。
【0029】
通信装置4は、通信経路R2を介して広域ネットワーク(広域通信網)5との間でモバイル通信(例えば、3G、LTEなど)を行う。また、通信装置4は、通信経路R1を介して中継装置1との間で通信を行うことができる。通信装置4は、無線通信端末2を広域ネットワーク5に接続して通信できるように用いられる。
【0030】
広域ネットワーク5は、本発明の実施の形態にかかるシステム100が接続可能なネットワークであればよい。例えば、インターネットなどである。
【0031】
図2は、本発明の実施の形態に係る中継装置1、無線通信端末2および3のハードウェア構成図である。
【0032】
図2に示すとおり、これらの装置は、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、記憶装置23、WNIC(Wireless Network Interface Card)24、NIC(Network Interface Card)25および各構成部品間を接続している内部バス26などを備えている。なお、中継装置1、無線通信端末2および3は、NIC25を必ずしも備える必要はない。
【0033】
CPU20は、ROM21に格納された制御プログラムを実行するプロセッサである。
【0034】
ROM21は、制御プログラム等を保持する読み出し専用記憶領域である。
【0035】
RAM22は、CPU20が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる記憶領域である。
【0036】
記憶装置23は、制御プログラム、制御情報、装置情報、または情報の一時記憶する記憶領域である。
【0037】
WNIC24は、無線通信を行う無線通信インタフェースを備えている。例えば、IEEE802.11a、b、g、n、ac規格等に適合する無線LANの通信インタフェースである。
【0038】
NIC25は、有線通信を行う有線通信インタフェースを備えている。例えば、IEEE802.3規格等に適合する有線LANの通信インタフェースである。
【0039】
内部バス26は、CPU20,ROM21、RAM22、記憶装置23、WNIC24、NIC25を電気的に接続し、信号のやりとりを行うバスである。
【0040】
図3は、本発明の実施の形態にかかる中継装置1の機能ブロック図である。
【0041】
図3に示す中継装置1は、第一通信部31、第二通信部32、第一中継部33、第二中継部34、識別子設定部35、識別子付与部36、判断部37、制御部38などを備えている。
【0042】
第一通信部31は、通信装置4との通信を司り、第一中継部33から受信した通信データ(データおよび通信に関する種々の情報(例えば、制御情報))を通信経路R1を通じて通信装置4に送信する。
また、第一通信部31は、通信装置4から通信経路R1を通じて送信された通信データを制御部38の指示をもとに、第一中継部33、または第二中継部34に通知する。
第一通信部31は、CPU20、ROM21、RAM22、WNIC24、NIC25などにより実現される。
【0043】
第二通信部32は、無線通信端末(2または3)との通信を司り、複数の無線通信ネットワークをネットワーク識別子(SSID)により管理している。SSIDごとにネットワーク構成された複数の無線通信端末から通信データを受信し、判断部37に通知する。第一中継部33、または第二中継部34から通知された通信データを送信先である無線通信端末に送信する。ここで、通信データの送信先は、制御部38の指示をもとに決定される。第二通信部32は、CPU20、ROM21、RAM22、WNIC24などにより実現される。
【0044】
第一中継部33は、制御部38の指示をもとに、特定のSSID(例えば、SSID1)を用いて中継装置1と通信する無線通信端末(以下、「主SSIDに属する無線通信端末」とも、「メイン端末」ともいう。)から通信装置4宛の通信データを第二通信部32から受信し、当該通信データを第一通信部31に通知する。
【0045】
また、第一中継部33は、制御部38の指示をもとに、メイン端末宛の通信データを第一通信部31から受信し、当該通信データを第二通信部32に通知する。このように第一中継部33は、第一通信部31と第二通信部32との間で行われる通信を制御部38の指示をもとに中継する。
【0046】
さらに、第一中継部33は、サブ端末からのメイン端末宛通信データを第二中継部34から受信すると、制御部38の指示をもとに当該通信データを第二通信部32に通知する。
第一中継部33は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶装置23などにより実現される。
【0047】
第二中継部34は、制御部38の指示をもとに、メイン端末から、副SSID(例えば、SSID2)を用いて中継装置1と通信する無線通信端末(以下、「副SSIDに属する無線通信端末」とも、「サブ端末」ともいう。)宛の通信データを、第一中継部33を通じて受信する。そして、第二中継部34は、当該通信データを第二通信部32に通知する。また、第二中継部34は、サブ端末からのメイン端末宛通信データを第二通信部32から受信する。そして、第二中継部34は、当該通信データを第一中継部33に通知する。このように、副SSID以外に属する無線通信端末から発信され中継装置1を経由して行われる通信は、常に第二中継部34を介して行われる。第二中継部34は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶装置23などにより実現される。
【0048】
識別子設定部35は、通信装置4により付与されるIPアドレスを第一通信部31から取得し、第二通信部32を通じて主SSID(例えば、SSID1)に属する無線通信端末(メイン端末)に対し個別に通知する。また、識別子設定部35は、識別子付与部36に副SSIDに属するサブ端末ごとに所定のIPアドレスを付与するように促す通知を行う。識別子設定部35は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶装置23などにより実現される。
【0049】
識別子付与部36は、識別子設定部35の通知に基づいて、第二通信部32を通じて副SSIDに属する無線通信端末(サブ端末)に対し、予め設定された規則に従い、個別にIPアドレス付与する。つまり、識別子付与部36は、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)機能を有し、副SSID(例えばSSID2)が設定されている場合には、この副SSIDに属するサブ端末に対し、個別にIPアドレスを動的に付与する。また、識別子付与部36は、ユーザによって複数の利用可能なSSID(複数の副SSID)が設定されている場合は、それらSSIDそれぞれに属するサブ端末に対し、個別にIPアドレスを動的に付与できてもよい。識別子設定部36は、CPU20、ROM21、RAM22、記憶装置23などにより実現される。
【0050】
判断部37は、以下の判断を行い、制御部38にその旨を通知する。
(1)主SSID(例えば、SSID1)に属する装置のみが通信装置4と接続してもよい旨の設定情報(特定接続許可情報とも呼ぶ)を記憶装置23に格納しているか否かを判断する。なお、特定接続許可情報は、ユーザによるツール、Web入力などにより設定される。
(2)副SSIDに利用可能なSSIDの設定情報が記憶装置23に格納されているか否かを判断する。
(3)通信装置4と自身(中継装置1)とが通信経路R1を通じて接続されているか否かを判断する。
(4)第一通信部31を通じて通信装置4から主SSIDに属するメイン端末に向けて、IPアドレスが付与されたか否かを判断する。
(5)第二通信部32を通じて通知されるメイン端末、またはサブ端末からの通信データに含まれる送信先IPアドレスが、副SSIDに属する装置のIPアドレスか否かを判断する。
(6)第一中継部33から送信される通信データに含まれる送信先IPアドレスが主SSIDに属する装置のIPアドレスか否かを判断する。
(7)通信データに含まれる送信元IPアドレスが、主SSIDに属する装置のIPアドレスか否かを判断する。
【0051】
判断部37は、CPU20、ROM21、RAM22などにより実現される。
【0052】
制御部38は、判断部37の判断に基づき、以下のように各機能部に通知する。
(1)通信装置4から主SSID(例えばSSID1)に属するメイン端末に向けて、IPアドレスが付与された場合は、識別子設定部35にその旨を通知する。
(2)第二通信部32を通じて通知される、メイン端末またはサブ端末からの通信データに含まれる送信先IPアドレスが、主SSIDに属する装置のIPアドレスであれば、当該送信先装置(主SSIDに属する通信装置4またはメイン端末)に通信データを送信する旨と通信データを第一中継部33に通知し、通信を制御する。また、メイン端末またはサブ端末からの通信データに含まれる送信先IPアドレスが、副SSIDに属するIPアドレスであれば、送信先IPアドレスのサブ端末に通信データを送信する旨と通信データを第二中継部34に通知する。
(3)第一中継部33に通知された通信データについて、その送信先IPアドレスが主SSIDにも副SSIDにも属さない装置のIPアドレスであり、かつ送信元IPアドレスが主SSIDに属さないものであれば、通信データを破棄する。つまり、通信データに含まれる送信先IPアドレスが、広域ネットワークに向けてのものであり、通信経路R1を通じて通信装置4に向けて送信される必要がある装置のIPアドレスであれば、制御部38は、その通信データを破棄し、通信装置4に通信データを送信しない。
【0053】
制御部38は、CPU20、ROM21、RAM22などにより実現される。
【0054】
図4は、本発明の実施の形態にかかる中継装置1が、メイン端末から通信装置4を経由して広域ネットワーク5への接続を開始してから通信可能になるまでの動作フロー図である。なお、SSID1が主SSIDに設定されているものとする。
【0055】
ステップS401にて、判断部37は、特定接続許可情報を記憶装置23に格納しているか否かを判断する。特定接続許可情報が格納されている場合は、制御部38にその旨を通知しステップS402に遷移する(ステップS401のYes)。特定接続許可情報が格納されていない場合は、一連の処理を終了する(ステップS401のNo)。
【0056】
ステップS402にて、判断部37は、SSID1以外に利用可能なSSIDの設定情報が記憶装置23に格納されているか否かを判断する。当該設定情報が格納されている場合は、制御部38にその旨を通知しステップS403に遷移する(ステップS402のYes)。格納されていない場合は、一連の処理を終了する(ステップS402のNo)。
【0057】
ステップS403にて、判断部37は、自身(中継装置1)が通信装置4と通信経路R1を通じて接続されているか否かを判断する。接続していれば、識別子設定部35は通信装置4に向けて主SSIDに属するメイン端末に付与されるIPアドレスを要求(例えばブロードキャスト方式で要求)し、ステップS404に遷移する(ステップS403のYes)。接続していなければ、一連の処理を終了する(ステップS403のNo)。
【0058】
ステップS404にて、識別子設定部35は、主SSIDに属するメイン端末に付与されるIPアドレスを、通信装置4から第一通信部31を通じて取得し、識別子付与部36にその旨を通知する。また、識別子設定部35は、識別子付与部36に対して、副SSIDに属するサブ端末ごとに所定のIPアドレスを付与するように要求する。
【0059】
ステップS405にて、識別子設定部35は、ステップS404にて取得した主SSIDに属するメイン端末に付与されるべきIPアドレスを、第二通信部32を通じて、メイン端末に通知する。これにより、主SSID(SSID1)に属するメイン端末は、通信装置4と主SSID(SSID1)に属するメイン端末とで構成された同セグメントのネットワークを構築できる。
【0060】
つぎにステップS406にて、識別子付与部36は、ステップS404の識別子設定部35からの要求をもとに、副SSID(SSID2)に属するサブ端末ごとに予め設定された規則に従い、第二通信部32を通じて、IPアドレスをサブ端末に付与する。これにより、SSID2に属するサブ端末で構成された同セグメントのネットワークを構築できる。
【0061】
つぎに、
図5は、以下の状況下で、本発明の実施の形態にかかる中継装置1がメイン端末と通信装置4、またはメイン端末とサブ端末との間で行われる無線通信を中継する場合の動作フロー図である。以下の状況とは、
図4で示したとおり、通信装置4から取得したIPアドレスが主SSID(SSID1)に属するメイン端末に付与され(ステップS405)、中継装置1の識別子付与部36から副SSID(SSID2)に属するサブ端末に付与されている(ステップS406)状況である。
【0062】
ステップS500にて、判断部37は、記憶装置23に特定接続許可情報が存在するか否かを判断する。特定接続許可情報が存在する場合は、ステップS501に遷移する(ステップS500のYes)。特定接続許可情報が存在しない場合は、一連の処理を終了する(ステップS500のNo)。
【0063】
ステップS501にて、判断部37は、第二通信部32を通じて通知されるメイン端末、またはサブ端末からの通信データに含まれる送信先IPアドレスが、副SSIDに属する装置のIPアドレスか否かを判断する。副SSIDに属さない装置のIPアドレスであれば、判断部37は、主SSIDに属する通信装置4、または他のメイン端末(図示しない)に通信データを送信する旨を制御部38に通知し、ステップS502に遷移する(ステップS501のNo)。副SSIDに属するIPアドレスであれば、判断部37は、副SSID1に属するサブ端末に通信データを送信する旨を制御部38に通知し、ステップS508に遷移する(ステップS501のYes)。
【0064】
ステップS502にて、制御部38は、判断部37の指示(ステップS501のNo)に基づき、通信データを第一中継部33に通知しメモリに一時格納する。
【0065】
ステップS503にて、判断部37は、通信データに含まれる送信先IPアドレスが主SSIDに属する装置のIPアドレスか否かを判断する。主SSIDに属する装置のIPアドレスである場合、判断部37は制御部38に主SSIDに属する他のメイン端末へ通信データを送信する旨を通知し、ステップS507に遷移する(ステップS503のYes)。主SSIDに属する装置のIPアドレスでない場合、判断部37はステップS504に遷移する(ステップS503のNo)。
【0066】
ステップS504にて、判断部37は、データ送信元IPアドレスが、主SSIDに属する装置のIPアドレスか否か判断する。主SSIDに属する装置のIPアドレスである場合は、判断部37は制御部38にその旨を通知しステップS505に遷移する(ステップS504のYes)。主SSIDに属する装置のIPアドレスでない場合は、判断部37は制御部38にその旨を通知しステップS506に遷移する(ステップS504のNo)。
【0067】
ステップS505にて、第一中継部33は、制御部38の指示(ステップS504のYes)に基づき、第一通信部31に通信データを通知する。そして、第一通信部31は、通信経路R1を通じて、通信装置4に通信データを送信する。
【0068】
ステップS506にて、制御部38は、判断部37の通知をもとに(ステップS504のNo)通信データを第一通信部には送らず、破棄する。
【0069】
ステップS507にて、第一中継部33は、制御部38の指示(ステップS503のYes)に基づき、メモリに一時格納していた通信データを第二通信部32に通知する。そして、第二通信部32は、通信経路W1を通じて、主SSIDに属する送信先IPアドレスのメイン端末(他のメイン端末)に通信データを送信する。
【0070】
ステップS508にて、制御部38は、判断部37の指示(ステップS501のYes)に基づき、通信データを第二中継部34に通知しメモリに一時格納する。
【0071】
ステップS509にて、第二中継部34は、制御部38の指示(ステップS508)に基づき、メモリに一時格納していた通信データを第二通信部32に通知する。そして、第二通信部32は、通信経路W2を通じて、副SSIDに属する送信先IPアドレスのサブ端末に通信データを送信する。
【0072】
(まとめ)
上述したように、本発明の実施の形態にかかる中継装置は、主SSIDに属する装置のみが通信を許可されている通信経路を使用することができるか否かをSSIDや通信データの送信先IPアドレス、送信元IPアドレスで判断する。このようにして、特定の無線通信端末と複数の無線通信端末の間で通信経路を確保しつつも、特定の無線通信端末のみが利用可能な通信経路をも確保できる。また、新たな装置の導入によるコスト増加をまねくことなく、中継装置に接続する可能性のある教師用端末すべてのMACアドレスを予め設定する手間を軽減できる。