特許第6607669号(P6607669)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607669
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】ワイヤレス充電装置及びその充電方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20191111BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20191111BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20191111BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   H02J7/00 301D
   H02J50/10
   H02J50/80
   H02J7/10 Z
【請求項の数】8
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2014-216104(P2014-216104)
(22)【出願日】2014年10月23日
(65)【公開番号】特開2015-96029(P2015-96029A)
(43)【公開日】2015年5月18日
【審査請求日】2017年10月23日
(31)【優先権主張番号】201310565816.4
(32)【優先日】2013年11月13日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513235681
【氏名又は名称】群▲マイ▼通訊股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】魏 伯珊
【審査官】 坂東 博司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−185034(JP,A)
【文献】 特開2004−286473(JP,A)
【文献】 特開2012−223070(JP,A)
【文献】 特開2010−119224(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0134923(US,A1)
【文献】 特開2001−186676(JP,A)
【文献】 特開2013−105371(JP,A)
【文献】 特開2013−38854(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00
H02J 7/10
H02J 50/10
H02J 50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス充電機能を備えた電子装置にワイヤレス充電するために用いられるワイヤレス充電装置であって、
前記ワイヤレス充電装置は、互いに電気的に接続されているコイル及び制御ユニットを備え、前記コイルは、前記制御ユニットが送信した信号を電磁波によって前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に伝送し、
前記制御ユニットは、識別モジュール、電力量取得モジュール、比較モジュール及び選択モジュールを備え、
前記識別モジュールは、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置を識別し、前記電力量取得モジュールは、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量の情報を取得し、前記比較モジュールは、前記ワイヤレス充電装置の電池の残量と前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量とを比較し、且つこの比較結果に基づいて前記選択モジュールを制御し、前記選択モジュールは、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電すべき電力量を決め、前記ワイヤレス充電装置は、前記コイルを介してファラデーの電磁誘導の法則によって、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電することを特徴とするワイヤレス充電装置。
【請求項2】
前記識別モジュールは、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に検証信号を送信して、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置から識別情報(ID)を取得した後、前記識別情報に基づいて前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置を識別して、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置と一対一の無線通信接続関係を確立することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項3】
前記ワイヤレス充電装置の電池の残量が前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量より大きい場合、前記比較モジュールは前記選択モジュールに第一制御信号を送信し、前記選択モジュールは、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量と同じ電力量を選択して、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電することを特徴とする請求項1に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項4】
前記ワイヤレス充電装置の電池の残量が前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量より小さいか又はそれに等しい場合、前記比較モジュールは前記選択モジュールに第二制御信号を送信し、前記選択モジュールは、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電しないことを選択するか又は前記ワイヤレス充電装置の電池の残量の一部を前記充電すべき電力量とすることを特徴とする請求項3に記載のワイヤレス充電装置。
【請求項5】
ワイヤレス充電装置をあるワイヤレス充電機能を備えた電子装置に近づけて、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置を識別するステップと、
前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量を取得するステップと、
前記ワイヤレス充電装置の電池の残量と前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量とを比較するステップと、
この比較結果に基づいて、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電すべき電力量を決めるステップと、
ファラデーの電磁誘導の法則によって、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電するステップと、
を備えることを特徴とするワイヤレス充電装置の充電方法。
【請求項6】
前記ワイヤレス充電装置をあるワイヤレス充電機能を備えた電子装置に近づけて、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置を識別するステップは、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に検証信号を送信して、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置から識別情報を取得するステップを含むことを特徴とする請求項5に記載のワイヤレス充電装置の充電方法。
【請求項7】
前記比較結果に基づいて、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電すべき電力量を決めるステップは、前記ワイヤレス充電装置の電池の残量が前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量より大きい場合、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量と同じ電力量を選択して、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電するステップをさらに含むことを特徴とする請求項5に記載のワイヤレス充電装置の充電方法。
【請求項8】
前記比較結果に基づいて、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電すべき電力量を決めるステップは、前記ワイヤレス充電装置の電池の残量が前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量より小さいか又はそれに等しい場合、前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電しないことを選択するか又は前記ワイヤレス充電装置の電池の残量の一部を前記充電すべき電力量とするステップをさらに含むことを特徴とする請求項7に記載のワイヤレス充電装置の充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス充電装置及びその充電方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、ワイヤレス充電装置が大量に市販されるようになった。従来のワイヤレス充電装置は、主にファラデーの電磁誘導の法則を利用している。具体的には、電流が1つのコイルを流れると磁場を発生する。この磁場は、他の1つのコイルにおいて磁力を生成する。このように、磁場の変化によって電気エネルギーを生成する。しかし、従来のワイヤレス充電装置は、被充電装置の電池残量を知ることができず、充電をコントロールできないため充電効率が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の問題点に鑑みて、本発明は、充電効率が高いワイヤレス充電装置及びこのワイヤレス充電装置の充電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明に係るワイヤレス充電装置は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置にワイヤレス充電するために用いられる。ワイヤレス充電装置は、互いに電気的に接続されているコイル及び制御ユニットを備え、コイルは、制御ユニットが送信した信号をファラデーの電磁波の法則によってワイヤレス充電機能を備えた電子装置に伝送し、制御ユニットは、識別モジュール、電力量取得モジュール、比較モジュール及び選択モジュールを備え、識別モジュールは、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置を識別し、電力量取得モジュールは、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量の情報を取得し、比較モジュールは、ワイヤレス充電装置の電池の残量とワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量とを比較し且つこの比較結果に基づいて選択モジュールを制御し、選択モジュールは、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電すべき電力量を決め、前記ワイヤレス充電装置は、前記コイルを介してファラデーの電磁誘導の法則によって前記ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電する。
【0005】
また、上記の課題を解決するために、本発明に係るワイヤレス充電装置の充電方法は、ワイヤレス充電装置をあるワイヤレス充電機能を備えた電子装置に近づけて、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置を識別するステップと、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量を取得するステップと、ワイヤレス充電装置の電池の残量とワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量とを比較するステップと、この比較結果に基づいて、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電すべき電力量を決めるステップと、ファラデーの電磁誘導の法則によって、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0006】
従来の技術と異なり、本発明に係るワイヤレス充電装置は、電力量取得モジュールを介してワイヤレス充電機能を備えた電子装置に必要な電力量を取得した後、比較モジュールを介して必要な電力量とワイヤレス充電装置の電池の残量とを比較して、この比較結果に基づいて選択モジュールを制御して、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置に充電すべき電力量を決める。このようにして、ワイヤレス充電の過程において、充電すべき電力量を制御することができるため、本発明のワイヤレス充電装置はより高い充電効率を有し、電力量を浪費しない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施形態に係るワイヤレス充電装置の機能モジュールを示す図である。
図2図1に示したワイヤレス充電装置の充電方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図1に示すように、本発明の実施形態に係るワイヤレス充電装置100は、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)、タブレットPC等の携帯式電子装置であることが可能である。ワイヤレス充電装置100は、他のワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電することに用いられる。また、ワイヤレス充電装置100は、他のワイヤレス充電機能を備えた電子装置200から、ワイヤレス充電の方式によって電気エネルギーを取得することもできる。ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200のハードウェア及びソフトウェアは、ワイヤレス充電装置100のハードウェア及びソフトウェアと全く同じであるか又は従来のワイヤレス充電機能のみを備える。
【0009】
ワイヤレス充電装置100は、コイル10及び該コイル10に電気的に接続されている制御ユニット20を含む。制御ユニット20は、識別モジュール22、電力量取得モジュール24、比較モジュール26及び選択モジュール28を備える。
【0010】
コイル10は、電気エネルギーを電磁波に変換して、前記電磁波をワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に伝送すると共に、制御ユニット20が生成した信号を電磁波の方式によってワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に伝送する。
【0011】
識別モジュール22は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200を識別する。具体的には、識別モジュール22は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に検証信号を送信して、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200から識別情報(ID)を取得する。前記識別情報は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200のハードウェアのアドレス及び型番等である。その後、識別モジュール22は、前記識別情報に基づいてワイヤレス充電機能を備えた電子装置200を識別して、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200と一対一の無線通信接続関係を確立する。
【0012】
電力量取得モジュール24は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200の現在の電力量及び必要な電力量(例えば、完全に充電されるまでに必要な電力量)の情報を取得する。例を挙げると、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200の電池が完全に充電された時の総電力量は約1700mAhであり、電池の現在の電力量は約500mAhである場合、電池に必要な電力量は約1200mAhである。
【0013】
比較モジュール26は、ワイヤレス充電装置100の電池の残量とワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量とを比較した後、この比較結果に基づいて、選択モジュール28を制御する。ワイヤレス充電装置100の電池の残量がワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量より大きい場合、比較モジュール26は選択モジュール28に第一制御信号を送信する。また、ワイヤレス充電装置100の電池の残量がワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量より小さいか又はそれに等しい場合、比較モジュール26は選択モジュール28に第二制御信号を送信する。
【0014】
選択モジュール28は、比較モジュール26が送信した第一制御信号或いは第二制御信号に基づいて、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電すべき電力量を決める。具体的には、選択モジュール28が第一制御信号を受信すると、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量を充電すべき電力量として(言い換えれば、前記必要な電力量と同じ電力量を選択して)、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電する。また、選択モジュール28が第二制御信号を受信すると、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電しないことを選択するか又はワイヤレス充電装置100の電池の残量の一部を充電すべき電力量とする。
【0015】
以下、図2に基づいて、本発明のワイヤレス充電装置100の動作原理について詳細に説明する。ワイヤレス充電装置100の充電方法は、少なくとも以下のステップを備える。
【0016】
ステップS1において、ワイヤレス充電装置100をワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に近づけて、識別モジュール22を利用してワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に検証信号を送信して、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200の識別情報(ID)を取得する。ついで、この識別情報によってワイヤレス充電機能を備えた電子装置200を識別する。上記の過程において、検証信号の送信及び識別情報の取得動作は、全てコイル10によって実現される。
【0017】
ステップS2において、電力量取得モジュール24は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200の現在の電力量及び必要な電力量(例えば、完全に充電されるまでに必要な電力量)の情報を取得する。
【0018】
ステップS3において、比較モジュール26は、ワイヤレス充電装置100の電池の残量とワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量とを比較する。ワイヤレス充電装置100の電池の残量がワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量より大きい場合、比較モジュール26は選択モジュール28に第一制御信号を送信し、且つ以下のステップS5を実行する。また、ワイヤレス充電装置100の電池の残量がワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量より小さいか又はそれに等しい場合、比較モジュール26は選択モジュール28に第二制御信号を送信し、且つ以下のステップS4を実行する。
【0019】
ステップS4において、選択モジュール28は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に継続的に充電するかどうかを選択する。ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に継続的に充電することを決めた場合、以下のサブステップS41を実行する。また、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に継続的に充電しないことを決めた場合、以下のサブステップS42を実行する。
【0020】
サブステップS41において、選択モジュール28は、ワイヤレス充電装置100の電池の残量の一部を選択して、これを充電すべき電力量として、以下のステップS6を実行する。選択の根拠は、ワイヤレス充電装置100の電池の残量の数値及びユーザの要求によって決められる。
【0021】
サブステップS42において、選択モジュール28は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電しないことを選択する。
【0022】
ステップS5において、選択モジュール28は、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量と同じ電力量を選択して、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電し、且つ以下のステップS6を実行する。
【0023】
ステップS6において、コイル10によって、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電すべき電力量を電磁波に変換して、この電磁波をワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に伝送して、ファラデーの電磁誘導の法則を利用してワイヤレス充電を実現する。
【0024】
上記の記載から分かるように、本発明のワイヤレス充電装置100は、電力量取得モジュール24を介して、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に必要な電力量を取得した後、比較モジュール26を介して前記必要な電力量とワイヤレス充電装置100の電池の残量とを比較して、この比較結果に基づいて、選択モジュール28を制御して、ワイヤレス充電機能を備えた電子装置200に充電すべき電力量を決める。ワイヤレス充電の過程において、充電すべき電力量を制御することができるため、本発明のワイヤレス充電装置100はより高い充電効率を有し、且つ電力量を浪費しない。
【符号の説明】
【0025】
10 コイル
20 制御ユニット
22 識別モジュール
24 電力量取得モジュール
26 比較モジュール
28 選択モジュール
100 ワイヤレス充電装置
200 ワイヤレス充電機能を備えた電子装置
図1
図2