特許第6607715号(P6607715)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607715
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】液体洗浄剤
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/28 20060101AFI20191111BHJP
   C11D 1/22 20060101ALI20191111BHJP
   C11D 1/12 20060101ALI20191111BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20191111BHJP
   C11D 3/04 20060101ALI20191111BHJP
   C11D 17/08 20060101ALI20191111BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20191111BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20191111BHJP
   A61K 8/19 20060101ALI20191111BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20191111BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   C11D1/28
   C11D1/22
   C11D1/12
   C11D1/83
   C11D3/04
   C11D17/08
   A61K8/46
   A61K8/02
   A61K8/19
   A61Q5/02
   A61Q19/10
【請求項の数】1
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-134103(P2015-134103)
(22)【出願日】2015年7月3日
(65)【公開番号】特開2017-14424(P2017-14424A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年2月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100153763
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 広之
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100108578
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 詔男
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】森垣 篤典
(72)【発明者】
【氏名】久保園 隆康
(72)【発明者】
【氏名】岩佐 佑希子
【審査官】 林 建二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−196987(JP,A)
【文献】 特開2002−294293(JP,A)
【文献】 特開2002−294299(JP,A)
【文献】 特開2003−113399(JP,A)
【文献】 特開2012−051858(JP,A)
【文献】 特開2012−036356(JP,A)
【文献】 特開2009−155578(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/115250(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/054541(WO,A1)
【文献】 米国特許第6232282(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 1/00−19/00
A61K 8/00−8/99
A61Q 1/00−90/00
C23G 1/00−5/06
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(a)を3質量%以上と、
前記(a)成分以外のスルホン酸型アニオン界面活性剤、硫酸エステル型アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種(b)を5質量%以上と、
水溶性マグネシウム塩(c)と、を含有し、
前記(a)成分と前記(b)成分との合計含有量が8〜35質量%であり、
前記(a)成分の含有量が界面活性剤の総質量に対して50質量%未満であり、
かつ、前記(c)成分/前記(a)成分で表される質量比が0.1〜1.5であり、
前記(a)成分は、式(I)中のRが炭素数14のα−脂肪酸アルキルエステル塩(a1)と、式(I)中のRが炭素数16のα−脂肪酸アルキルエステル塩(a2)との混合物であり、
前記(a1)成分と前記(a2)成分との質量比は、a1:a2=60:40〜90:10であり、
前記(b)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸塩(b1)を含有し、(b1)/{(b)−(b1)}で表される質量比が1以上である、液体洗浄剤。
−CH(SOM)−COOR ・・・(I)
ただし、式(I)中、Rは、炭素数14〜16の炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、Mは、対イオンである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体洗浄剤に関する。
【背景技術】
【0002】
液体洗浄剤には、使用性や嗜好性等の点から、高い粘度が求められる場合がある。
特許文献1には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩及びアルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種と、無機塩等とを併用することで、粘度が高められた液体洗浄剤が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2012/115250号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、洗浄力に優れ、生分解性が良好で環境に対する影響が少ないことから、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(α−SF塩)を洗浄成分として含有する洗浄剤が広く用いられている。
しかしながら、α−SF塩を含有する液体洗浄剤において、該液体洗浄剤の粘度を高めるために無機塩を添加すると、低温環境下で保管した際に、液体洗浄剤が固化したり、沈降物が生じたりして、液安定性が損なわれる(即ち、低温安定性が損なわれる)ことがあった。特に、脂肪酸残基の炭素数が大きいα−SF塩(脂肪酸残基の炭素数が16以上のα−SF塩)を用いた液体洗浄剤においては、低温安定性が損なわれやすい。
液体洗浄剤の低温安定性を高めるためには、例えば液体洗浄剤にハイドロトロープ剤を添加することが考えられる。しかし、この場合、液体洗浄剤の粘度が低下してしまい充分な粘度が得られ難くなる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、粘度が高められ、かつ、低温安定性に優れるα−SF塩含有の液体洗浄剤を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の液体洗浄剤が、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち本発明は、以下の構成を有する。
[1]下記一般式(I)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(a)を3質量%以上と、
前記(a)成分以外のスルホン酸型アニオン界面活性剤、硫酸エステル型アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種(b)を5質量%以上と、
水溶性マグネシウム塩(c)と、を含有し、
前記(a)成分と前記(b)成分との合計含有量が8〜35質量%であり、
前記(a)成分の含有量が界面活性剤の総質量に対して50質量%以下であり、
かつ、前記(c)成分/前記(a)成分で表される質量比が0.1〜1.5である、液体洗浄剤。
−CH(SOM)−COOR ・・・(I)
ただし、式(I)中、Rは、炭素数14〜16の炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、Mは、対イオンである。
[2]前記(b)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸塩(b1)を含有し、(b1)/{(b)−(b1)}で表される質量比が1以上である、[1]に記載の液体洗浄剤。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、粘度が高められ、かつ、低温安定性に優れるα−SF塩含有の液体洗浄剤を提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
(液体洗浄剤)
本発明の液体洗浄剤は、(a)〜(c)成分を含有する液体組成物である。
【0008】
<(a)成分>
(a)成分は、下記一般式(I)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(α−SF塩)である。
−CH(SOM)−COOR ・・・(I)
ただし、式(I)中、Rは、炭素数14〜16の炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、Mは、対イオンである。
【0009】
前記式(I)中、Rの炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、Rの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基、直鎖状のアルケニル基がさらに好ましい。Rの炭素数は、14〜16である。
の炭化水素基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよく、又は環状の構造を含んでいてもよい。なかでも、Rの炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基がより好ましく、直鎖状のアルキル基、分岐鎖状のアルキル基がさらに好ましい。Rの炭素数は1〜6であり、1〜3が好ましい。Rの炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基等が挙げられ、洗浄成分として洗浄力がより向上することから、メチル基、エチル基、n−プロピル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
Mは対イオンであり、RCH(COOR)SOとともに水溶性の塩を形成し得るものであればよい。該対イオンとしては、アルカリ金属イオン、プロトン化したアミン、アンモニウム等が挙げられる。該対イオンとなり得るアルカリ金属としては、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。該対イオンとなり得るアミンとしては、第1〜3級アミンが挙げられる。前記アミンの総炭素数は1〜6であることが好ましい。また、前記アミンは、ヒドロキシ基を有していてもよい。α−SF塩の水に対する溶解性が高まることから、前記アミンはヒドロキシ基を有することが好ましい。前記アミンとしては、アルカノールアミンが挙げられ、該アルカノール基の炭素数は1〜3が好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
Mとしては、入手しやすいこと、液体洗浄剤の低温安定性がより高められやすくなる点などから、アルカリ金属イオンが好ましく、ナトリウムイオンが特に好ましい。
【0010】
(a)成分のなかでも、前記式(I)におけるRが炭素数14〜16の、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、又は直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基であり、Rがメチル基である化合物が特に好ましい。
(a)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(a)成分としては、洗浄成分として洗浄力が高まるとともに、水への溶解性が高まることから、脂肪酸残基(アシル基部分をいう)の炭素数が異なるものが混合した混合物を用いることが好ましい。具体的には上記一般式(I)で表されるα−SF塩としては、Rの炭素数が14のα−SF塩(a1)と、Rの炭素数が16のα−SF塩(a2)とが、質量比でa1:a2=45:55〜95:5であるものが好ましく、60:40〜90:10であるものがより好ましく、80:20〜85:15であるものがさらに好ましい。かかる質量比が前記の好ましい範囲であると、洗浄力、水への溶解性、外観安定性がより良好となる。
【0011】
本発明の液体洗浄剤において、(a)成分の含有量は、界面活性剤の総質量に対して50質量%以下である。(a)成分の含有量が、界面活性剤の総質量に対して50質量%超であると低温安定性が損なわれる。
(a)成分の含有量は、界面活性剤の総質量に対して、50質量%未満が好ましく、40質量%以下がより好ましい。
また、(a)成分の含有量は、界面活性剤の総質量に対して、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましく、20質量%以上がさらに好ましい。(a)成分の含有量が前記下限値以上であると、(a)成分と後述の(b)〜(c)成分とを併用したことで得られる本発明の効果をより享受しやすくなる。
【0012】
また、(a)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、3質量%以上の範囲で適宜に選択可能である。本発明の効果をより享受しやすくなる点から、(a)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、5質量%以上が好ましい。また、低温安定性により優れる液体洗浄剤が得られやすい点から、(a)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、15質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましく、7質量%以下がさらに好ましい。
【0013】
<(b)成分>
(b)成分は、(a)成分以外のスルホン酸型アニオン界面活性剤、硫酸エステル型アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種である。
本発明においては、(a)成分を含有する液体洗浄剤において、(b)成分と後述する(c)成分とが併用されることで、粘度が高められ、かつ低温安定性が向上される。
【0014】
(a)成分以外のスルホン酸型アニオン界面活性剤としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)、α−オレフィンスルホン酸塩(AOS)、アルカンスルホン酸塩、脂肪酸残基の炭素数が8〜14のα−SF塩等が挙げられる。
上記直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩としては、直鎖アルキル基の炭素数が8〜20のものが好ましく、炭素数10〜14のものがより好ましい。
上記α−オレフィンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20のものが好ましく、炭素数10〜16のものがより好ましい。
上記アルカンスルホン酸塩としては、炭素数10〜20、好ましくは14〜18のアルキル基を有する2級アルカンスルホン酸塩が好ましい。
【0015】
硫酸エステル型アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩またはアルケニルエーテル硫酸塩(AES)等が挙げられる。
アルキル硫酸塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のものが好ましく、炭素数10〜16の直鎖または分岐鎖のものがより好ましい。
アルキルエーテル硫酸塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルキル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩が好ましい。なかでも液体洗浄剤の液安定性向上の観点から、前記ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩の有するアルキル基の炭素数は10〜14がより好ましく、洗浄力向上の観点から、エチレンオキシドの平均付加モル数は1〜4がより好ましい。
アルケニルエーテル硫酸塩としては、炭素数10〜20の直鎖または分岐鎖のアルケニル基を有し、平均1〜10モルのエチレンオキシドを付加したポリオキシエチレンアルケニルエーテル硫酸塩が好ましい。
上記(a)成分以外のスルホン酸型アニオン界面活性剤及び硫酸エステル型アニオン界面活性剤の塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、アルキルアミン塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらのなかでも、アルカリ金属塩が好ましい。
【0016】
ノニオン界面活性剤としては、高級アルコール、アルキルフェノール、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル又は高級アミン等にアルキレンオキシドを付加したポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、脂肪酸アルカノールアミド、多価アルコール脂肪酸エステル又はそのアルキレンオキシド付加体、脂肪酸ポリグリセリンエステル、糖脂肪酸エステル、アルキル(又はアルケニル)アミンオキシド、アミドアミンオキシド、硬化ヒマシ油のアルキレンオキシド付加体、N−アルキルポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルキルグリコシド、アルキルポリグリコシド、グリセリルエーテル等が挙げられる。なお、ここでいう高級とは、炭素数が8以上の化合物を意味する。
ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤が好ましい。ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のなかでも、飽和の高級アルコールにアルキレンオキシドを付加したポリオキシアルキレンアルキルエーテル(AE)が好ましい。
前記ポリオキシアルキレンアルキルエーテルの有するアルキル基の炭素数は8〜18が好ましく、洗浄力向上の点から、前記アルキル基の炭素数は、10〜16がより好ましく、10〜14が特に好ましい。前記アルキル基の炭素数が8以上であれば、界面活性剤としての機能を充分に発揮でき、液体洗浄剤に優れた洗浄力を付与できる。一方、前記アルキル基の炭素数が18以下であれば、液体状態が維持されやすいため、液体洗浄剤の液安定性がより向上する。
前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドのいずれか1種であってもよく、これらの2種以上が混在するものであってもよい。アルキレンオキシドのなかでも、エチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。エチレンオキシド、プロピレンオキシド又はブチレンオキシドの2種以上が混在する場合、これらはランダム状に混在していてもよく、ブロック状に混在していてもよい。アルキレンオキシドの平均付加モル数は、5〜30の数であり、液体洗剤の安定性向上の点から、5〜20の数が好ましく、5〜10の数がより好ましい。
【0017】
(b)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(b)成分としては、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(b1)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(b2)、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b3)が好ましい。
より低温安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすい点から、(b)成分は、(b1)成分を含むことが好ましい。また、(b)成分としては、(b1)〜(b3)成分が併用されることが好ましい。
【0018】
(b)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、5〜32質量%である。(b)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、7〜25質量%が好ましく、7〜20質量%がより好ましく、10〜20質量%がさらに好ましい。
(b)成分の含有量が、前記の好ましい範囲であると、低温安定性により優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
【0019】
液体洗浄剤中の(a)成分と(b)成分との合計含有量[以下、「(a+b)合計含有量」ともいう]は、8〜35質量%である。(a+b)合計含有量が、8質量%未満又は35質量%超であると、粘度を充分に高められなくなったり、低温安定性が損なわれるおそれがある。
(a+b)合計含有量は、粘度が高められ、かつ、低温安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすい点から、10〜25質量%が好ましい。
【0020】
また、界面活性剤の総質量に対する(a)成分と(b)成分との合計含有量は、75質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、90質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
界面活性剤の総質量に対する(a)成分と(b)成分との合計含有量が、上記下限値以上であると、粘度が高められ、かつ、低温安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
【0021】
(b1)/{(b)−(b1)}で表される質量比[(b)成分中の(b1)成分以外の成分の合計含有量に対する、(b1)成分の含有量の質量割合、以下「b1/(b−b1)比」ともいう]は1以上が好ましく、1.5以上がより好ましい。
b1/(b−b1)比が上記下限値以上であると、低温安定性がより高められる。
【0022】
<(c)成分>
(c)成分は、水溶性マグネシウム塩である。本発明においては、(a)成分を含有する液体洗浄剤において、(b)成分と(c)成分とが併用されることで、粘度が高められ、かつ低温安定性が向上される。
【0023】
(c)成分としては、水溶性の無機塩が好ましい。なお、本発明において「水溶性」とは、25℃の水に5質量%以上溶解することを意味する。
(c)成分としては、例えばマグネシウムの硫酸塩、塩化物等が挙げられる。(c)成分としては、前記硫酸塩、塩化物等の水和物が用いられてもよい。
(c)成分としては、粘度がより高められる点及び低温安定性の点から、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウムが好ましく、硫酸マグネシウムがより好ましい。
【0024】
(c)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよく、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
(c)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、0.1〜12質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましく、0.5〜5質量%がさらに好ましく、1〜3質量%が特に好ましい。(c)成分の含有量が、前記の好ましい範囲であると、粘度が高められ、かつ、低温安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
【0025】
(c)成分/(a)成分で表される質量比[(a)成分の含有量に対する(c)成分の含有量の質量割合、以下「c/a比」ともいう。]は0.1〜1.5である。
c/a比が0.1未満であると、粘度を充分に高められない。また、低温安定性が損なわれる。c/a比が1.5超であると、低温安定性が損なわれる。
c/a比は、0.1〜1.0がより好ましく、0.1〜0.8がさらに好ましい。
【0026】
<水>
本発明の液体洗浄剤は、製造時のハンドリングのし易さ、使用する際の水への溶解性等の点から、水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤中の水の含有量は、特に限定されないが、液体洗浄剤中50〜92質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましい。
【0027】
<その他の成分>
本発明の液体洗浄剤は、上記(a)〜(c)成分以外に、液体洗浄剤に通常用いられるその他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、例えば、(a)成分及び(b)成分以外の界面活性剤、水混和性有機溶剤、キレート剤、殺菌剤、防腐剤、抗カビ剤、色素、酸化防止剤、紫外線吸収剤、香料、pH調整剤等が挙げられる。
【0028】
上記(a)成分及び(b)成分以外の界面活性剤としては、カルボン酸型又はリン酸型のアニオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
上記カルボン酸型のアニオン界面活性剤としては、炭素数8〜24の高級脂肪酸塩(石鹸)、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキル(又はアルケニル)アミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等が挙げられる。
上記リン酸型のアニオン界面活性剤としては、アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等が挙げられる。
これらの塩としては、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
【0029】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン酸型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
【0030】
本発明の液体洗浄剤は、界面活性剤の合計含有量が、液体洗浄剤の総質量に対して、50質量%以下が好ましく、35質量%以下がより好ましく、25質量%以下がさらに好ましい。また、界面活性剤の合計含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して、8質量%以上が好ましく、10質量%以上がより好ましい。
界面活性剤の合計含有量が前記の好ましい範囲であると、粘度が高められ、かつ、低温安定性に優れる液体洗浄剤が得られやすくなる。
【0031】
水混和性有機溶剤としては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール類、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のグリコール類、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、重量平均分子量約200〜1000のポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリグリコール類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキルエーテル類等が挙げられる。
なお、本発明において、水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶剤をいう。
【0032】
本発明の液体洗浄剤には、pHを所望の値とするためにpH調整剤を配合してもよい。但し、上述した各成分を配合したのみで液体洗浄剤のpHが所望の値となる場合は、pH調整剤は必ずしも配合しなくてもよい。pH調整剤としては、たとえば硫酸、塩酸等の酸性化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ性化合物が挙げられる。アルカリ性化合物としては前記アルカノールアミン以外のアミン類も使用できる。これらのpH調整剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0033】
本発明の液体洗浄剤は、25℃におけるpHが5〜9であることが好ましく、pHが7〜9であることがより好ましい。液体洗浄剤のpHが前記の好ましい範囲内であると、液体洗浄剤を長期保存した際、α−SF塩がより安定化されるため良好な洗浄力が維持されやすい。また、pHを上記上限以下とすることにより低温安定性がより高められやすくなるため好ましい。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃でのpHは、試料を25℃に調整し、pHメーター(例えば、東亜ディーケーケー株式会社製の製品名「HM−30G」を使用)等により測定される値を示す。
【0034】
本発明の液体洗浄剤の25℃における粘度は、500mPa・s以上が好ましく、1000mPa・s以上がより好ましい。また、本発明の液体洗浄剤の25℃における粘度は、20000mPa.s以下が好ましく、10000mPa・s以下がより好ましい。
液体洗浄剤の25℃における粘度が上記下限値以上であると、液体洗浄剤の粘度が高められたことを明らかに感知でき嗜好性が高められる。液体洗浄剤の25℃における粘度が上記上限値以下であると、例えば液体洗浄剤を容器から注出しやすくなり使用性が高められる。
液体洗浄剤の25℃における粘度は、500〜20000mPa・sが好ましく、500〜10000mPa・sがより好ましく、500〜5000mPa・sがさらに好ましく、750〜4000mPa・sが特に好ましく、1000〜3000mPa・sが最も好ましい。
なお、本発明における液体洗浄剤の25℃での粘度は、試料を25℃に調整し、B型粘度計(TOKIMEC社製)を用いて測定される値である。
液体洗浄剤の粘度は、ロータを30rpmの条件で回転させ、回転を開始してから30秒後に測定される値である。測定に使用するロータは、ロータNo.1〜2(液体洗浄剤の粘度が100mPa・s未満の場合)、ロータNo.3(液体洗浄剤の粘度が100〜5000mPa・sの場合)、ロータNo.4(液体洗浄剤の粘度が5000mPa・s超の場合)である。
【0035】
(液体洗浄剤の製造方法)
本発明の液体洗浄剤は、例えば上記(a)成分〜(c)成分と、必要に応じて任意成分とを、水に溶解することにより製造できる。
【0036】
本発明の液体洗浄剤は、例えば衣料等を洗浄対象とする繊維製品用液体洗浄剤、食器や野菜等を洗浄対象とする台所用液体洗浄剤、便器、壁、浴室等を洗浄対象とする硬質表面用液体洗浄剤、皮膚や毛髪等を洗浄対象とするボディーソープ、シャンプー等の人体用液体洗浄剤等として用いることができる。なかでも、繊維製品用液体洗浄剤として好適に用いられる。
【0037】
以上、説明したとおり、本発明の液体洗浄剤は、(a)成分〜(c)成分を含有し、(a+b)合計含有量、界面活性剤の総質量に対する(a)成分の含有量、及びc/a比が特定の範囲であるため、粘度が高められ、かつ、低温安定性に優れる。
【0038】
本発明の液体洗浄剤は、例えば以下の態様であってよい。
[1]下記一般式(I)で表されるα−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩(a)を3質量%以上と、
前記(a)成分以外のスルホン酸型アニオン界面活性剤、硫酸エステル型アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤から選ばれる少なくとも1種(b)を5質量%以上と、
水溶性マグネシウム塩(c)と、を含有し、
前記(a)成分と前記(b)成分との合計含有量が8〜35質量%であり、
前記(a)成分の含有量が界面活性剤の総質量に対して50質量%以下であり、
かつ、前記(c)成分/前記(a)成分で表される質量比が0.1〜1.5である、液体洗浄剤。
−CH(SOM)−COOR ・・・(I)
ただし、式(I)中、Rは、炭素数14〜16の炭化水素基であり、Rは、炭素数1〜6の炭化水素基であり、Mは、対イオンである。
[2]前記(b)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸塩(b1)を含有し、(b1)/{(b)−(b1)}で表される質量比が1以上である、[1]に記載の液体洗浄剤。
[3]前記(b)成分が、アルキルベンゼンスルホン酸塩(b1)と、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(b2)及び/又はポリオキシアルキレンアルキルエーテル(b3)を含有する、[1]又は[2]に記載の液体洗浄剤。
[4]前記(a)成分と前記(b)成分との合計含有量が、界面活性剤の総質量に対して50質量%以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
[5]25℃における粘度が500mPa・s以上である、[1]〜[4]のいずれかに記載の液体洗浄剤。
【実施例】
【0039】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例において「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
【0040】
<(a)成分>
a−1:MES塩(質量比でパルミチン酸メチル/ステアリン酸メチル=85/15混合物のスルホン化物のナトリウム塩)。下記合成方法により合成されたもの。
a−2:MES塩(質量比でパルミチン酸メチル/ステアリン酸メチル=60/40混合物のスルホン化物のナトリウム塩)。下記合成方法により合成されたもの。
【0041】
<(b)成分>
b1−1:LAS、直鎖アルキル(炭素数10〜14)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(ライオン株式会社製、商品名「ライポンLH−200」の水酸化ナトリウム中和品)。
b2−1:AES、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル硫酸ナトリウム[エチレンオキシドの平均付加モル数2]。花王株式会社製、商品名「EMAL270N」。
b3−1:AE、ポリオキシエチレンアルキル(炭素数12〜14)エーテル(エチレンオキシドの平均付加モル数7)、ライオン株式会社製、商品名「レオックスCL−70」。
【0042】
<(c)成分>
c−1:硫酸マグネシウム、試薬、東京化成工業株式会社製。
c−2:塩化マグネシウム6水和物、試薬、和光純薬工業株式会社製。
【0043】
<(c’)成分:(c)成分の比較成分>
c’−1:硫酸ナトリウム、試薬、東京化成工業株式会社製。
【0044】
<任意成分>
水:精製水。
【0045】
[a−1の合成]
パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−180)とを、85:15の質量比となるように混合して脂肪酸メチルエステル混合物を得た。この脂肪酸メチルエステル混合物330kgを撹拌機付きの容量1kLの反応装置に注入した後、該混合物を撹拌しながら、窒素ガスで4容量%に希釈したSOガス(スルホン化ガス)115.6kg(前記脂肪酸メチルエステル混合物に対して1.2倍モル)をバブリングした。反応温度は80℃であった。スルホン化ガスは脂肪酸メチルエステル混合物に3時間かけて等速で吹き込まれた。その後、無水硫酸ナトリウムを、前記脂肪酸メチルエステル混合物100質量部に対して1.5質量部投入し、80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
その後、メタノール13.5kgを供給し、温度条件80℃、熟成時間30分間でエステル化を行った。ついで、反応装置から抜き出したエステル化物を、ラインミキサーを用いて、当量の水酸化ナトリウム水溶液を添加することにより連続的に中和した。この中和物を漂白剤混合ラインに注入し、35容量%過酸化水素水を供給して混合し、80℃に保ちながら漂白を行い、ペースト状のa−1を得た。
【0046】
[a−2の合成]
パルミチン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−16)と、ステアリン酸メチル(ライオン株式会社製の商品名パステルM−180)とを、6:4の質量比となるように混合して脂肪酸メチルエステル混合物を得た。この脂肪酸メチルエステル混合物330kgを撹拌機付きの容量1kLの反応装置に注入した後、該混合物を撹拌しながら、着色抑制剤として無水硫酸ナトリウムを、前記脂肪酸メチルエステル混合物100質量部に対して5質量部投入した。その後、撹拌を継続しながら、窒素ガスで4容量%に希釈したSOガス(スルホン化ガス)112.8kg(前記脂肪酸メチルエステル混合物に対して1.2倍モル)をバブリングした。反応温度は80℃であった。スルホン化ガスは脂肪酸メチルエステル混合物に3時間かけて等速で吹き込まれた。その後、引き続き80℃に保ちながら30分間熟成を行った。
ついで、a−1と同様にして、エステル化、中和、漂白を行い、ペースト状のa−2を得た。
【0047】
<実施例1〜16、比較例1〜4>
表1〜2に示す組成に従い、(a)〜(c)成分を水に加え混合して実施例1〜16、比較例4の液体洗浄剤を得た。また、(b)成分又は(c)成分を加えなかったこと以外は上記と同様にして、比較例1、3の液体洗浄剤を得た。(c)成分に代えて(c’)成分を用いたこと以外は上記と同様にして、比較例2の液体洗浄剤を得た。
表1〜2に、得られた各例の液体洗浄剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。
精製水の含有量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
表中、比較例2の「c/a比」は、(a)成分に対する(c’)成分の質量比を示す。
但し、実施例4、5、8、13、14は、参考例である。
【0048】
各例の液体洗浄剤について、粘度及び低温安定性を以下のように評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0049】
[粘度の評価]
各例の液体洗浄剤の粘度を上述の方法により測定した。また、粘度の測定値を下記判定基準により分類し評価した。粘度の測定値及び評価結果を表1〜2に示す。
なお、Aの液体洗浄剤は、液体洗浄剤の粘度が高められたことを明らかに感知でき、かつ使用性に優れるものである。Bの液体洗浄剤は、液体洗浄剤の粘度が高められたことを感知できる(500mPa・s以上1000mPa・s未満)か、使用性にやや優れる(10000mPa・s超20000mPa・s以下)ものである。Cの液体洗浄剤は、液体洗浄剤の粘度が高められたことを明確に感知できない(500mPa・s未満)か、液体洗浄剤の使用性に劣る(20000mPa・s超)ものである。
(判定基準)
A:1000〜10000mPa・s。
B:500mPa・s以上1000mPa・s未満、又は10000mPa・s超20000mPa・s以下。
C:500mPa・s未満、又は20000mPa・s超。
【0050】
[低温安定性の評価]
無色透明のサンプル瓶に、各例の液体洗浄剤50mLを加え、蓋を閉めて密封した。この状態で、上記サンプル瓶をそれぞれ5℃、15℃及び20℃の恒温槽中に静置し1ヶ月間保管した。その後、液の外観を目視で観察し、下記判定基準に基づいて液体洗浄剤の低温安定性を評価した。
(判定基準)
A:保管温度5℃において、液体洗浄剤の固化が生じず、かつ液体洗浄剤中に沈降物が観察されない。
B:保管温度5℃において、液体洗浄剤の固化が生じるか、又は液体洗浄剤中に沈降物が観察されるが、保管温度15℃において、液体洗浄剤の固化が生じず、かつ液体洗浄剤中に沈降物が観察されない。
C:保管温度15℃において、液体洗浄剤の固化が生じるか、又は液体洗浄剤中に沈降物が観察されるが、保管温度20℃において、液体洗浄剤の固化が生じず、かつ液体洗浄剤中に沈降物が観察されない。
D:保管温度20℃において、液体洗浄剤の固化が生じるか、又は液体洗浄剤中に沈降物が観察される。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
表1〜2に示す結果から、本発明を適用した実施例1〜16の液体洗浄剤は、粘度が高く、かつ低温安定性に優れることが確認できた。
一方、(c)成分を含まない液体洗浄剤(比較例1)は、粘度を高められず、かつ低温安定性が充分でなかった。
(c)成分に代えて(c’)成分を用いた液体洗浄剤(比較例2)、(b)成分を含まない液体洗浄剤(比較例3)、c/a比が1.5超である液体洗浄剤(比較例4)は、低温安定性が充分に得られなかった。なお、比較例3、4については、液体洗浄剤が固化又は液体洗浄剤中に沈降物が多量に生じたため、粘度の測定は行わなかった。