(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
(衣料用液体洗浄剤)
本発明の衣料用液体洗浄剤(以下、単に「液体洗浄剤」ともいう。)は、(A)〜(C)成分を含有する組成物である。
【0011】
<(A)成分>
(A)成分はアルコールのプロピレンオキシド付加物である。
アルコールのプロピレンオキシド付加物は、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のモノアルコール;エタンジオール等のジオール、グリセリン等のトリオール、エリスリトール等のテトラオール、ソルビトール等のヘキサオール等の多価アルコールにプロピレンオキシドを付加させて得られる。
【0012】
(A)成分として、例えば、ポリオキシプロピレンメチルエーテル、ポリオキシプロピレンエチルエーテル、ポリオキシプロピレンプロピルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテル、ポリオキシプロピレンペンチルエーテル、ポリオキシプロピレンヘキシルエーテル、ポリオキシプロピレンヘプチルエーテル、ポリオキシプロピレンオクチルエーテル、ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンペンタエリスリトールエーテル、ポリオキシプロピレンソルビット等が挙げられる。また、(A)成分は、以下の式(I)〜(III)で表されるものが好ましい。
【0014】
式(I)中、R
1は炭素数1〜8の炭化水素基を示し、aはPOの平均繰り返し数を表す10〜350の数であり、POはオキシプロピレン基を表す。
R
1の炭素数は1〜4が好ましく、1〜3がより好ましい。
R
1は、アルキル基またはアルキレン基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基であることがより好ましい。
aは、20〜150であることが好ましい。
【0015】
式(II)中、b、cはそれぞれ独立にPOの平均繰り返し数を表す10〜350の数であり、POはオキシプロピレン基を表す。
b、cはそれぞれ独立に、10〜80であることが好ましい。
【0016】
式(III)中、d、e、fはそれぞれ独立にPOの平均繰り返し数を表す10〜350の数であり、POはオキシプロピレン基を表す。
d、e、fはそれぞれ独立に、6〜50であることが好ましい。
【0017】
式(I)〜(III)のうち、インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力及び液安定性が優れることから、式(II)又は式(III)で表される化合物が好ましく、式(III)で表される化合物がより好ましい。
【0018】
(A)成分の重量平均分子量は、1500〜6000が好ましく、2500〜5500がより好ましく、3000〜5000がさらに好ましい。
上記下限値以上であれば、インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
【0019】
なお、(A)成分の重量平均分子量は、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量:800、1200、2000、4000)を標準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で得られる分子量分布より求められる。
【0020】
式(I)で表される化合物の製造方法としては、例えば、アルコール(R
1−OH)にプロピレンオキシドを付加重合させる公知方法が挙げられる。
式(II)で表される化合物の製造方法としては、例えば、エチレングリコールにプロピレンオキシドを付加重合させる公知方法が挙げられる。
式(III)で表される化合物の製造方法としては、例えば、グリセリンにプロピレンオキシドを付加重合させる公知方法が挙げられる。
各化合物に付加重合させる際、プロピレンオキシドの供給量を調節することにより、所望の重量平均分子量を有するプロピレンオキシド付加物を製造することができる。
【0021】
本発明の液体洗浄剤に含有される(A)成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
液体洗浄剤の総質量に対して、(A)成分の含有量は、0.5〜5質量%が好ましく、0.75〜3質量%がより好ましく、0.75〜1.5質量%がさらに好ましい。
上記下限値以上であれば、インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
【0022】
<(B)成分>
(B)成分は界面活性剤である。本発明の(B)成分として、公知の洗剤の洗浄成分として使用されている公知の界面活性剤、例えば、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤等が適用可能である。
これらのなかでも、本発明のインク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力を高める観点から、アニオン界面活性剤及びノニオン界面活性剤のうち少なくとも一方を含有することが好ましく、両方を含有することがより好ましい。
【0023】
[ノニオン界面活性剤]
(B)成分として適用可能な公知のノニオン界面活性剤としては、例えば以下の(1)〜(8)が挙げられる。
(1)炭素数6〜22、好ましくは8〜18、さらに好ましくは9〜18の脂肪族アルコールに炭素数2〜4のアルキレンオキシドを平均3〜30モル、好ましくは3〜20モル、さらに好ましくは5〜20モル付加した、ポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル。この中でも、ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)エーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル(又はアルケニル)エーテルが好適である。ここで使用される脂肪族アルコールとしては、第1級アルコール、第2級アルコールが挙げられる。また、そのアルキル基は、分岐鎖を有していてもよい。脂肪族アルコールとしては、第1級アルコールが好ましい。ただし、(A)成分に該当するものを除く。
(2)ポリオキシエチレンアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル。
(3)長鎖脂肪酸アルキルエステルのエステル結合間にアルキレンオキシドが付加した脂肪酸アルキルエステルアルコキシレート。
(4)ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル。
(5)ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル。
(6)ポリオキシエチレン脂肪酸エステル。
(7)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油。
(8)グリセリン脂肪酸エステル。
【0024】
ノニオン界面活性剤としては、上記(1)又は(3)が好ましく、中でも、下記式(V)又は(VI)で表されるものが好ましい。
【0025】
R
2−C(=O)O−[(EO)
s/(PO)
t]−(EO)
u−R
3・・・(V)
【0026】
式(V)中、R
2は炭素数7〜22の炭化水素基であり、R
3は炭素数1〜6のアルキル基であり、sはEOの平均繰り返し数を表す6〜20の数であり、tはPOの平均繰り返し数を表す0〜6の数であり、uはEOの平均繰り返し数を表す0〜20の数であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。
【0027】
式(V)中、R
2の炭素数は、9〜21が好ましく、11〜21がより好ましい。
R
2は、アルキル基、アルケニル基であることが好ましい。
R
2は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよい。
洗浄力のさらなる向上を図る観点から、R
2は、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数7〜22のアルキル基、又は直鎖もしくは分岐鎖の炭素数7〜22のアルケニル基が好ましい。
【0028】
式(V)中、R
3のアルキル基は、直鎖又は分岐鎖のいずれであってもよく、メチル基又はエチル基であることが好ましい。
【0029】
式(V)中、s+uは6〜20が好ましく、6〜18がより好ましく、11〜18がさらに好ましい。上記下限値以上であれば、液安定性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、洗浄力がより向上しやすくなる。
【0030】
式(V)中、tは、0〜3が好ましく、0がより好ましい。
tが3以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
tが1以上である場合、[(EO)
s/(PO)
t]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。
【0031】
R
4−O−[(EO)
v/(PO)
z]−(EO)
x−H・・・(VI)
【0032】
式(VI)中、R
4は炭素数6〜22の炭化水素であり、vはEOの平均繰り返し数を表す3〜20の数であり、zはPOの平均繰り返し数を表す0〜6の数であり、xはEOの平均繰り返し数を表す0〜20の数であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表す。
【0033】
式(VI)中、R
4の炭素数は、洗浄力のさらなる向上を図る観点から、10〜22が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜18がさらに好ましい。
R
4は、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。
【0034】
好ましいR
4−O−としては、下記一般式(VII)で表される基が挙げられる。
【0035】
(R
101)(R
102)CH−O−・・・(VII)
【0036】
式(VII)中、R
101及びR
102は、それぞれ独立に、水素原子又は鎖状の炭化水素基を表す。
R
101とR
102の合計の炭素数は、5〜21であり、9〜21が好ましく、9〜19がより好ましく、9〜17がさらに好ましい。
R
101及びR
102は、それぞれ独立に、直鎖であってもよく、分岐鎖であってもよい。
【0037】
式(VI)中、R
4は、直鎖のアルキル基であり、R
4の第2級炭素原子に式(VI)に示すエーテル性酸素原子(−O−)が結合していることが好ましい。
【0038】
式(VI)中、v+xは、3〜20が好ましく、5〜18がより好ましく、6〜18がさらに好ましく、11〜18が特に好ましい。上記下限値以上であれば、液安定性がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、洗浄力がより向上しやすくなる。
【0039】
式(VI)中、zは0〜3であることが好ましい。
zが3以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
zが1以上である場合、[(EO)
v/(PO)
z]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とは、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。
【0040】
式(V)及び式(VI)中のEO又はPOの分布は、製造する際の反応方法によって変動する。例えば、一般的なアルカリ触媒である水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用いて、エチレンオキシドやプロピレンオキシドを原料に付加した場合には、式(V)におけるs又はt、及び式(VI)におけるv又はzの分布は、比較的広くなる。特公平6−15038号公報に記載のAl
3+、Ga
3+、In
3+、Tl
3+、Co
3+、Sc
3+、La
3+、Mn
2+等の金属イオンを添加した酸化マグネシウム等の特定のアルコキシル化触媒を用いてエチレンオキシドやプロピレンオキシドを原料に付加した場合には、式(V)におけるs又はt、及び式(VI)におけるv又はzの分布は、比較的狭くなる。
【0041】
なお、本発明の液体洗浄剤に含まれる各成分のEO及びPOの平均繰り返し数は、ガスクロマトグラフィー等によって測定することができる。
【0042】
以下で説明する「ナロー率」とは、炭素数2〜4のアルキレンオキシド(AO)の付加モル数が異なるアルキレンオキシド付加体の分布の割合を示し、下記の数式(S)で表される。
【0043】
【数1】
[式中、n
maxは、全体のアルキレンオキシド付加体中に最も多く存在するアルキレンオキシド付加体のAOの付加モル数を示す。iはAOの付加モル数を示す。Yiは全体のアルキレンオキシド付加体中に存在する、AOの付加モル数がiであるアルキレンオキシド付加体の割合(質量%)を示す。]
【0044】
式(V)で表されるノニオン界面活性剤を合成した生成物中に、洗浄力に寄与しない成分、例えば、原料の脂肪酸エステルや、式(V)のsが1または2であるアルキレンオキシド付加体が共存すると、ナロー率が低下する傾向がある。逆に、ナロー率が高いと、共存する不要な成分が少なく、洗浄力の低下、原料臭気の問題等が生じにくくなる傾向がある。式(VI)で表されるノニオン界面活性剤についても同様である。
【0045】
式(V)及び(VI)で表されるノニオン界面活性剤のナロー率は、20質量%以上が好ましく、25質量%以上がより好ましい。
ナロー率が、20質量%以上、特に25質量%以上であると、界面活性剤の原料臭気の少ない液体洗浄剤が得られやすくなる。
また、ナロー率が高いほど、良好な洗浄力が得られるため、ナロー率は100質量%であってもよいが、通常の製造方法であれば、80質量%以下となることが多い。
また、ナロー率は、液体洗浄剤の液安定性と洗浄力が向上するため、20〜50質量%が好ましく、20〜40質量%がより好ましい。
【0046】
ナロー率は、ノニオン界面活性剤の製造方法によって制御することができる。
式(V)で表されるノニオン界面活性剤の好適な製造方法としては、例えば、表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシドを付加重合させる方法(特開2000−144179号公報参照)が挙げられる。
式(VI)で表されるノニオン界面活性剤の好適な製造方法としては、例えば、表面改質された複合金属酸化物触媒を用いて、炭素数6〜22のアルコールにエチレンオキシドを付加重合させる方法が挙げられる。
【0047】
前記表面改質された好適な複合金属酸化物触媒としては、例えば、金属水酸化物等により表面改質された金属イオン(Al
3+、Ga
3+、In
3+、Tl
3+、Co
3+、Sc
3+、La
3+、Mn
2+等)が添加された酸化マグネシウム等の複合金属酸化物触媒や、金属水酸化物および/または金属アルコキシド等により表面改質されたハイドロタルサイトの焼成物触媒等が挙げられる。
前記複合金属酸化物触媒の表面改質においては、複合金属酸化物と、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドとを併用することが好ましい。この場合、複合金属酸化物100質量部に対して、金属水酸化物及び/又は金属アルコキシドの割合を0.5〜10質量部とすることが好ましく、1〜5質量部とすることがより好ましい。
【0048】
本発明の液体洗浄剤の材料としてのノニオン界面活性剤は、市販品であってもよいし、公知の製造方法で得たものであってもよい。
式(V)で表されるノニオン界面活性剤は、例えば、脂肪酸アルキルエステルにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加重合させる公知方法により製造することができる。
式(VI)で表されるノニオン界面活性剤は、例えば、炭素数6〜22のアルコールにエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを付加重合させる公知方法により製造することができる。
【0049】
(B)成分のノニオン界面活性剤として、式(V)のtが0である化合物(即ち、ポリオキシエチレン脂肪酸アルキルエステル)を含むことが好ましい。また、特に、式(V)のR
3がメチル基であるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル(以下「MEE」と表記する。)を含むことが好ましい。これらの好適なノニオン界面活性剤が含まれていれば、本発明の液体洗浄剤の洗浄力及び液安定性がより一層向上する。
【0050】
本発明の液体洗浄剤に含まれる(B)成分としてのノニオン界面活性剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
洗浄力を高める観点から、ノニオン界面活性剤の2種以上が配合されていることが好ましい。特に、MEEと、LMAO等のポリオキシエチレンアルキルエーテルと、の両方が配合されていることによって洗浄力がより一層向上し、液安定性も向上するので、より好ましい。
【0051】
本発明の液体洗浄剤の総質量に対する(B)成分の濃度は、25質量%程度(レギュラータイプ)であってもよく、40質量%超(超濃縮タイプ)であってもよい。超濃縮タイプである場合、衣類に液体洗浄剤を直接塗布して洗浄する方法(塗布洗浄)が、洗浄力を高める観点から好ましい。
一般に、超濃縮タイプの組成を有する液体洗浄剤においては、界面活性剤が析出する場合があることが知られている。しかし、本発明の液体洗浄剤においては、MEEが含まれると、界面活性剤の析出を抑制して、液安定性を向上させることができる。
【0052】
本発明の液体洗浄剤の総質量に対する(B)成分としてのノニオン界面活性剤の濃度は、10〜50質量%が好ましく、15〜45質量%がより好ましく、20〜40質量%がさらに好ましい。上記範囲であると、洗浄力と液安定性のバランスが良好となる。
【0053】
(B)成分中のノニオン界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、10〜80質量%が好ましく、15〜75質量%がより好ましく、20〜70質量%がさらに好ましい。
上記下限値以上であれば、インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
【0054】
[アニオン界面活性剤]
(B)成分として適用可能な公知のアニオン界面活性剤として、例えば、以下の(1)〜(12)が挙げられる。
(1)炭素数8〜20の飽和又は不飽和α−スルホ脂肪酸のメチル、エチルもしくはプロピルエステル塩。
(2)炭素数8〜18のアルキル基を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS又はABS)。
(3)炭素数10〜20のアルカンスルホン酸塩。
(4)炭素数10〜20のα−オレフィンスルホン酸塩(AOS)。
(5)炭素数10〜20のアルキル硫酸塩又はアルケニル硫酸塩(AS)。
(6)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシド(EO)とプロピレンオキシド(PO)(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル硫酸塩(AES)。
(7)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均3〜30モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)フェニルエーテル硫酸塩。
(8)炭素数2〜4のアルキレンオキシドのいずれか、又はエチレンオキシドとプロピレンオキシド(モル比EO/PO=0.1/9.9〜9.9/0.1)を、平均0.5〜10モル付加した炭素数10〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル(又はアルケニル)基を有するアルキル(又はアルケニル)エーテルカルボン酸塩。
(9)炭素数10〜20のアルキルグリセリルエーテルスルホン酸のようなアルキル多価アルコールエーテル硫酸塩。
(10)長鎖(炭素数8〜20の)モノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(11)ポリオキシエチレンモノアルキル、ジアルキル又はセスキアルキルリン酸塩。
(12)石鹸。平均炭素数が10〜20(好ましくは炭素数12〜18)の高級脂肪酸塩。
【0055】
上記の他、例えば、アルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシアルキレンエーテルカルボン酸塩、アルキルアミドエーテルカルボン酸塩、アルケニルアミドエーテルカルボン酸塩、アシルアミノカルボン酸塩等のカルボン酸型アニオン界面活性剤;アルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルリン酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルリン酸エステル塩、グリセリン脂肪酸エステルモノリン酸エステル塩等のリン酸エステル型アニオン界面活性剤等が挙げられる。
【0056】
アニオン界面活性剤としては、上記(2)又は(6)が好ましい。
(6)のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩は、一般式(IV)で表される化合物であることが好ましい。
【0057】
R
40−O−[(EO)
m/(PO)
n]−SO
3−M
+・・・(IV)
【0058】
式(IV)中、R
40は、炭素数8〜20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、EOはオキシエチレン基を表し、POはオキシプロピレン基を表し、mは、EOの平均繰り返し数を表す1以上の数であり、nは、POの平均繰り返し数を表す0〜6の数であり、M
+は対カチオンである。
【0059】
式(IV)におけるm=0、n=0の成分(b0)の含有量は、(B)成分の総質量に対して35〜55質量%であることが好ましい。
【0060】
(6)のポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩としては、炭素数10〜20の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を有し、平均1〜5モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
上記アルキル基の炭素数としては、10〜20が好ましく、12〜14がより好ましい。具体的には、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。なかでもドデシル基が好ましい。
(6)のEOの平均繰り返し数は、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
(6)のPOの平均繰り返し数は、0〜3が好ましい。
【0061】
アニオン界面活性剤の塩の形態としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩;モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩;アンモニウム塩等が挙げられる。中でも、アルカリ金属塩が好ましい。
【0062】
アニオン界面活性剤は公知の方法で製造することができる。
LASの製造方法としては、例えば、アルキルベンゼンを無水硫酸でスルホン化し、アルカリで中和する方法が挙げられる。
AESの製造方法としては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させる方法;クロルスルホン酸を反応させてスルホン化し、アルカリで中和する方法等が挙げられる。
【0063】
本発明の液体洗浄剤に含まれる(B)成分としてのアニオン界面活性剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
(B)成分中のアニオン界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、5〜50質量%が好ましく、10〜45質量%がより好ましく、10〜40質量%がさらに好ましい。
上記下限値以上であれば、インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
【0064】
[カチオン界面活性剤]
(B)成分として適用可能な公知のカチオン界面活性剤としては、例えばアルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等が挙げられる。これらの塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩などが挙げられる。
【0065】
本発明の液体洗浄剤に含まれる(B)成分としてのカチオン界面活性剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
(B)成分中のカチオン界面活性剤の含有量は、(B)成分の総質量に対し、0.1〜5質量%が好ましく、0.5〜4質量%がより好ましく、1〜3質量%がさらに好ましい。
上記下限値以上であれば、インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力がより向上しやすくなる。上記上限値以下であれば、液安定性がより向上しやすくなる。
【0066】
[両性界面活性剤]
(B)成分として適用可能な公知の両性界面活性剤としては、例えば、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型、リン酸型等の両性界面活性剤が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤に含まれる(B)成分としての両性界面活性剤は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
【0067】
本発明の液体洗浄剤の(B)成分は、ノニオン界面活性剤及びアニオン界面活性剤を含むことが好ましい。(B)成分におけるノニオン界面活性剤/アニオン界面活性剤の含有比は、質量基準で、0.1〜20が好ましく、0.3〜9がより好ましく、1〜9がさらに好ましく、1.5〜4が特に好ましい。上記の比がこの範囲にあると、塗布洗浄におけるインク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力がより一層向上する。
【0068】
本発明の液体洗浄剤中の(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対し、20〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。
本発明の液体洗浄剤の総質量に対して、(B)成分が20質量%以上であると、(A)成分及び(C)成分と併用することによるインク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力が高められる。さらに(B)成分の含有量は、30質量%以上が好ましく、35質量%以上がより好ましく、40質量%以上が特に好ましい。
(B)成分の含有量が30質量%以上であると、濃縮タイプの液体洗浄剤として、塗布洗浄において特に優れた洗浄力が得られる。
一方、液体洗浄剤の液安定性を高める観点から、(B)成分は70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
【0069】
<(C)成分>
(C)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体(c1)及びポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体(c2)から選ばれる少なくとも1種である。
本発明の液体洗浄剤は、(C)成分と(A)成分とが併用されることで、インク汚れ等の油性汚れに対する洗浄力がより高められる。特に、本発明の液体洗浄剤で繰り返し処理した場合に、その効果は顕著である。
【0070】
(c1)成分は、ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体である。
ポリアルキレンイミンは、下記一般式(II)で表される。
NH
2−R
21−(NA−R
21)
n−NH
2 ・・・(II)
式(II)中、R
21は、それぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基であり、Aは、水素原子又は分岐による別のポリアミン鎖を示し、nは、1以上の数である。ただし、前記Aがすべて水素原子であることはない。
【0071】
R
21は、炭素数2〜6の直鎖アルキレン基又は炭素数3〜6の分岐アルキレン基である。R
21は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
【0072】
ポリアルキレンイミンは、炭素数2〜6のアルキレンイミンの1種又は2種以上を常法により重合して得られる。炭素数2〜6のアルキレンイミンとしては、エチレンイミン、プロピレンイミン、1,2−ブチレンイミン、2,3−ブチレンイミン、1,1−ジメチルエチレンイミン等が挙げられる。
ポリアルキレンイミンとしては、ポリエチレンイミン(PEI)、ポリプロピレンイミンが好ましく、PEIがより好ましい。PEIは、エチレンイミンを重合することによって得られ、その構造中に、1級、2級及び3級アミン窒素原子を含む分岐鎖構造を有している。
【0073】
ポリアルキレンイミンの重量平均分子量は、200〜2000が好ましく、300〜1500がより好ましく、400〜1000がさらに好ましく、500〜800が特に好ましい。
なお、(C)成分の重量平均分子量は、ポリエチレングリコールを標準物質とし、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により求めた値である。
【0074】
ポリアルキレンイミンとしては、その1分子中に活性水素を5〜30個有するものが好ましく、7〜25個有するものがより好ましく、10〜20個有するものがさらに好ましい。
【0075】
(c1)成分は、ポリアルキレンイミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この方法としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒の存在下、出発物質であるポリアルキレンイミンに対して、100〜180℃でエチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加させる方法等が挙げられる。
アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
【0076】
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。なお、前記ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体は、ポリアルキレンイミンにエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加したものであり、ポリアルキレンイミンに対するエチレンオキシドとプロピレンオキシドの付加順序や付加形態(ブロック状、ランダム状)は任意である。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンイミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
【0077】
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1原子に対し、平均5〜40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンイミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5〜40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。
【0078】
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体の重量平均分子量は、1000〜80000が好ましく、2000〜50000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましく、10000〜20000が特に好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、例えば、式(II−a)で示される化合物が挙げられる。
【0080】
式(II−a)中、R
32は、それぞれ独立に炭素数2〜6のアルキレン基であり、mは、それぞれ独立に1以上の数である。
R
32は、炭素数2又は3のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
mは、(R
32O)の平均繰り返し数であり、5〜40が好ましく、10〜30がより好ましい。
ポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体としては、合成品が用いられてもよいし、市販品が用いられてもよい。
市販品としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」等が挙げられる。
【0081】
(c2)成分は、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体である。
ポリアルキレンアミンは、下記一般式(III)で表される。
NH
2(R
31NH)
lH ・・・(III)
式(III)中、R
31は、炭素数2〜6のアルキレン基であり、lは、1以上の数である。
【0082】
R
31は、炭素数2〜6の直鎖アルキレン基又は炭素数3〜6の分岐アルキレン基である。R
31は、炭素数2〜4のアルキレン基が好ましく、炭素数2のアルキレン基がより好ましい。
【0083】
ポリアルキレンアミンとしては、ポリエチレンアミンが好ましい。ポリエチレンアミンとしては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン等が挙げられる。なお、これらのポリエチレンアミンは、公知の製造方法、例えばアンモニア及びエチレンジクロリドを反応させることで得られる。
【0084】
ポリアルキレンアミンの重量平均分子量は、60〜1800が好ましく、60〜1000がより好ましく、60〜800がさらに好ましい。
【0085】
ポリアルキレンアミンとしては、その1分子中に活性水素を6〜30個有するものが好ましく、7〜20個有するものがさらに好ましい。
【0086】
(c2)成分は、ポリアルキレンアミンにアルキレンオキシドを付加して得られる。この反応は、(c1)成分と同様に行える。アルキレンオキシドとしては、炭素数2〜4のアルキレンオキシドが挙げられる。前記アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが挙げられ、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドが好ましく、エチレンオキシドがより好ましい。
【0087】
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのプロピレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体等が挙げられる。
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド−プロピレンオキシド付加体が好ましく、ポリアルキレンアミンのエチレンオキシド付加体がより好ましい。
【0088】
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1原子に対し、平均5〜40個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30個のアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい。即ち、原料であるポリアルキレンアミンが有する活性水素1モルあたりに、平均5〜40モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましく、平均10〜30モルのアルキレンオキシドが付加されたものが好ましい
【0089】
ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体の重量平均分子量は、1000〜80000が好ましく、2000〜50000がより好ましく、5000〜30000がさらに好ましく、10000〜20000が特に好ましい。
【0090】
(C)成分としては、(c1)成分が好ましい。(c1)成分のなかでも、ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体が好ましい。
(C)成分は、いずれか1種が単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。
【0091】
本発明の液体洗浄剤の総質量に対して、(C)成分の含有量は、0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましく、0.1〜2質量%がさらに好ましい。
(C)成分が0.01質量%以上あれば、インク等の油性汚れに対する洗浄力が向上し、5質量%以下であれば液安定性が良好である。
【0092】
本発明の液体洗浄剤において、(A)成分/(C)成分の質量比(A/C)は、0.1〜4が好ましく、0.2〜2.5がより好ましく、0.3〜1.5がさらに好ましい。
(A)成分/(C)成分の質量比が上記範囲にあることで、インク等の油性汚れに対する洗浄力がより一層向上する。
【0093】
本発明の液体洗浄剤において、(B)成分/(A)成分の質量比(B/A)は、5〜90が好ましく、10〜80がより好ましく、15〜60がさらに好ましい。
(B)成分/(A)成分の質量比が上記範囲にあることで、液安定性がより一層良好となる。
【0094】
<任意成分>
本発明の液体洗浄剤には、水等の溶媒、プロテアーゼ(例えばアルカラーゼ、コロナーゼ等)等の酵素、エタノール等の水混和性有機溶媒、モノエタノールアミン等のアルカリ剤、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤、安息香酸ナトリウム等の防腐剤、塩化カルシウム、乳酸ナトリウム等の酵素安定化剤、香料、色素等を含んでいてもよい。
【0095】
本発明の液体洗浄剤は、25℃におけるpHが4〜9であることが好ましく、pH6〜9であることがより好ましい。pHがこのような範囲にあると液体洗浄剤の液安定性を良好に維持できる。pHは、必要に応じて、pH調整剤を配合することにより調整できる。pH調整剤としては、本発明の効果を損なわない限りにおいて随意であるが、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン等が好ましい。pHは、JIS Z8802:2011によって25℃において測定した値である。
【0096】
本発明の液体洗浄剤の製造方法としては、例えば、溶媒である水に、上記(A)〜(C)成分を添加し、必要に応じて任意成分を加え、これを混合する方法が挙げられる。
【0097】
本発明の液体洗浄剤の使用方法としては、例えば、液体洗浄剤を洗濯時に被洗物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を予め水に溶解して調製される洗浄剤水溶液に被洗物を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を被洗物に直接塗布して一定時間放置し、その後、通常の洗濯を行ってもよい(塗布洗浄)。
なお、液体洗浄剤を水に溶解して使用する場合、例えば、5〜5000倍(体積基準)に希釈することが好ましい。
【0098】
以上、説明したとおり、本発明の液体洗浄剤は、(A)〜(C)成分を含有しているため、液安定性及びインク等の油性汚れに対する洗浄力に優れる。
【0099】
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分がポリオキシプロピレングリセリルエーテルであり、且つ、(C)成分がポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体であることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分がポリオキシプロピレングリセリルエーテルであり、且つ、(B)成分が2種以上のノニオン界面活性剤であることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分がポリオキシプロピレングリセリルエーテルであり、且つ、(B)成分が2種以上のノニオン界面活性剤及び1種以上のアニオン界面活性剤であることが好ましい。
本発明の液体洗浄剤は、(A)成分がポリオキシプロピレングリセリルエーテルであり、且つ、(B)成分が2種以上のノニオン界面活性剤及び1種以上のアニオン界面活性剤であり、且つ、ノニオン界面活性剤の合計含有量がアニオン界面活性剤の合計含有量よりも多いことが好ましい。
上記の(A)成分及び(B)成分の好ましい場合において、(C)成分がポリアルキレンイミンのアルキレンオキシド付加体であることがより好ましい。
【実施例】
【0100】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。本実施例において「%」は特に断りがない限り「質量%」を示す。
各例の衣料用液体洗浄剤の組成を表1〜2に示した。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
【0101】
<(A)成分>
・A−1:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−1500(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量1500。
・A−2:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−3000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量3000。
・A−3:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−4000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量4000。
・A−4:ポリオキシプロピレングリセリルエーテル、アクトコールT−5000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量5000。
・A−5:ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、アクトコールD−3000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量3000。
・A−6:ポリオキシプロピレンエチレングリコールエーテル、アクトコールD−4000(商品名)、三井化学株式会社製、重量平均分子量4000。
【0102】
<(B)成分:界面活性剤>
・B−1:MEE(ポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル)。ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=74/26の混合物)に対して、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。上記一般式(V)中、R
2=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R
3=メチル基、s=15、t=0、u=0であるもの。下記合成方法により合成されたもの。
【0103】
[B−1の合成方法]
特開2000−144179号公報に記載の合成方法に準じて合成した。
組成が2.5MgO・Al
2O
3・wH
2O(w:水和水のモル数)である水酸化アルミナ・マグネシウム(キョーワード300(商品名)、協和化学工業株式会社製)を600℃で1時間、窒素雰囲気下で焼成して、焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒を得た。焼成水酸化アルミナ・マグネシウム(未改質)触媒2.2gと、0.5N水酸化カリウムエタノール溶液2.9mLと、ラウリン酸メチルエステル280gと、ミリスチン酸メチルエステル70gとを4Lオートクレーブに仕込み、オートクレーブ内で触媒の改質を行った。次いで、オートクレーブ内を窒素で置換した後、温度を180℃、圧力を0.3MPaに維持しつつ、エチレンオキシド1052gを導入し、撹拌しながら反応させた。
得られた反応液を80℃に冷却し、水159gと、濾過助剤として活性白土及び珪藻土をそれぞれ5gとを添加し混合した後、触媒を濾別してB−1を得た。
B−1のナロー率は30質量%であった。
【0104】
・B−2:MEE。ヤシ脂肪酸メチル(質量比でラウリン酸メチル/ミリスチン酸メチル=8/2の混合物)に、アルコキシル化触媒を用いて、15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。上記一般式(V)中、R
2=炭素数11のアルキル基及び炭素数13のアルキル基、R
3=メチル基、s=15、t=0、u=0であるもの。下記合成方法により合成されたもの。
【0105】
[B−2の合成方法]
500mLビーカーに、2−エチルヘキサノール(一級試薬、関東化学株式会社製)137gと、酢酸カルシウム一水和物(特級試薬、関東化学株式会社製)41.7gを入れ、パドル攪拌翼により室温(25℃)で混合して分散物を得た(分散工程)。前記分散物を攪拌しながら、滴下ロートによって、硫酸(特級試薬、関東化学株式会社製)20.9gを10分間かけて添加し混合した(混合工程)。混合工程では硫酸の添加で発熱するので、ビーカーを水浴して冷却し、反応温度を30〜50℃に制御した。硫酸を添加した後、50℃に保ちながら、さらに2時間攪拌し(触媒熟成工程)、アルコキシル化触媒を得た。
オートクレーブに、上記アルコキシル化触媒12.5gと、ラウリン酸メチル(パステルM12、ライオンケミカル株式会社製)462gと、ミリスチン酸メチル(パステルM14、ライオンケミカル株式会社製)166gとを入れ、攪拌した。攪拌しながら、オートクレーブ内を窒素置換し、100℃に昇温し、1.3kPa以下の減圧条件で30分間、脱水を行った。次いで、160℃に昇温し、0.1〜0.5MPaの条件で、エチレンオキシド1876g(ラウリン酸メチルとミリスチン酸メチルとの合計の15倍モル)を導入して攪拌した(付加反応工程)。さらに、付加反応温度で0.5時間攪拌した(熟成工程)後、80℃に冷却し、反応粗製物(脂肪酸メチルエステルエトキシレート(MEE)、EO平均付加モル数=15)2516gを得た。前記反応粗製物をろ過して触媒を除去したものをB−2とした。
B−2のナロー率は30質量%であった。
【0106】
・B−3:ソフタノール。炭素数12〜14の第2級アルコールに、7モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。ソフタノール70(商品名)、株式会社日本触媒製。上記一般式(VI)中、R
4=炭素数12〜14の分岐鎖のアルキル基、v=7、w=0、x=0であるもの。
【0107】
・B−4:ポリオキシエチレンアルキルエーテル。炭素数12及び14の天然アルコール(第1級アルコール)に15モル相当のエチレンオキシドを付加したもの。
[ポリオキシエチレンアルキルエーテルの合成方法]
プロクター・アンド・ギャンブル社製のCO−1214(商品名、炭素数12及び14の天然アルコール)224.4gと、30質量%NaOH水溶液2.0gとを耐圧型反応容器内に仕込み、該反応容器内を窒素置換した。次に、温度100℃、圧力2.0kPa以下で30分間脱水した後、温度を160℃まで昇温した。次いで、反応液を撹拌しながら、エチレンオキシド(ガス状)760.6gを反応液中に徐々に加えた。この時、反応温度が180℃を超えないように添加速度を調節しながら、エチレンオキシドを吹き込み管で加えた。
エチレンオキシドの添加終了後、温度180℃、圧力0.3MPa以下で30分間熟成した後、温度180℃、圧力6.0kPa以下で10分間、未反応のエチレンオキシドを留去した。
次に、温度を100℃以下まで冷却した後、反応物の1質量%水溶液のpHが約7になるように、70質量%p−トルエンスルホン酸を加えて中和し、B−4を得た。
【0108】
・B−5:EPノニオン。天然アルコール(質量比で炭素数12の第1級アルコール/炭素数14の第1級アルコール=7/3)に、8モルのエチレンオキシド、2モルのプロピレンオキシド、8モルのエチレンオキシドの順にブロック付加させて得られたノニオン界面活性剤。
【0109】
・B−6:AES。ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウムとの混合物、EOの平均付加モル数1)。一般式(IV)におけるR
40=炭素数12、及び14の直鎖状のアルキル基、m=1.0、n=0、M=ナトリウム、B−6全体に対するm=0、n=0の化合物(成分(b0))の割合=43質量%。
【0110】
[B−6の調製例]
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてP&G社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。
ガスクロマトグラフ質量分析計:Hewlett−Packard社製のGC−5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra−1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)と、を用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物(最終的に成分(b0)となるもの)の量が、得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。
次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することによりB−6を得た。
【0111】
・B−7:AEPS。ポリオキシエチレンポリオキシプロパン−1,2−ジイルアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩。一般式(IV)におけるR
40=炭素数12の直鎖状のアルキル基、m=2.0、n=1.0、M=モノエタノールアミン。
【0112】
[AEPSの合成方法]
撹拌装置、温度制御装置及び自動導入装置を備えたオートクレーブ内に、炭素数12の直鎖の第1級アルコール[東京化成工業株式会社製、商品名:1−ドデカノール(分子量186.33)、純度>99%]640gと、KOH1.0gと、を仕込み、110℃、1.3kPaにて30分間脱水を行った。脱水後、窒素置換を行い、120℃まで昇温した後、プロパン−1,2−ジイルオキシド199gを仕込んだ。次いで、120℃にて付加反応・熟成を行った後、145℃に昇温し、エチレンオキシド303gを仕込んだ。次いで、145℃にて付加反応・熟成を行った後、80℃まで冷却し、4.0kPaで未反応のエチレンオキシドを除去した。未反応のエチレンオキシドを除去した後、酢酸1.0gをオートクレーブ内に加え、80℃で30分間撹拌した後、抜き出しを行い、アルキル基がドデシル基、POの平均付加モル数が1.0、EOの平均付加モル数が2.0であるアルコキシレートを得た。
得られたアルコキシレートを、SO
3ガスを用いて下降薄膜式反応器により硫酸化した。得られた硫酸化物をモノエタノールアミンにて中和し、ポリオキシエチレンポリオキシプロパン−1,2−ジイルアルキルエーテル硫酸エステルのモノエタノールアミン塩(AEPS)を含む組成物を得た。
【0113】
・B−8:LAS。直鎖アルキルベンゼンスルホン酸。ライポンLH−200(商品名)、ライオン株式会社製。
・B−9:ヤシ脂肪酸。アニオン界面活性剤。商品名「ヤシ脂肪酸」、(日油株式会社)。
・B−10:塩化アルキル(炭素数12)トリメチルアンモニウム。ライオンアクゾ社製、商品名「アーカード12−37W」。
・B−11:アミドアミン。東邦化学(株)製、商品名:カチナールMPAS−R。
【0114】
<C成分>
・C−1:ポリエチレンイミンのエチレンオキシド付加体。BASF社製、商品名「Sokalan HP20」。上記式(II−a)において、R
32がエチレン基、mが20である化合物。
【0115】
<その他任意成分>
・コロナーゼ:コロナーゼ48L(商品名)、ノボザイムズ社製。
・アルカラーゼ:アルカラーゼ2.5L(商品名)、ノボザイムズ社製。
・MEA:モノエタノールアミン(アルカリ剤)、商品名「モノエタノールアミン」、株式会社日本触媒製。
・BHT:ジブチルヒドロキシトルエン(酸化防止剤)、商品名「SUMILZER BHT−R」、住友化学株式会社製。
・ブチルカルビトール:ブチルカルビトール(日本乳化剤株式会社製、「ブチルジグリコール」)。
・ポリエチレングリコール:PEG#1000−L60(商品名)、ライオン株式会社製。
・PG:プロピレングリコール、BASF社製。
・エタノール:水混和性有機溶媒、商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売株式会社製。
・安息香酸ナトリウム:防腐剤、商品名「安息香酸ナトリウム」、(東亞合成)。
・塩化カルシウム:酵素安定化剤、商品名「塩化カルシウム」、(関東化学)。
・乳酸ナトリウム:酵素安定化剤、商品名「乳酸ナトリウム」、(関東化学)。
・香料:着香剤、特開2002−146399号公報の表11〜18に記載の香料組成物A。
・色素:着色剤、商品名「緑色3号」、癸巳化成株式会社製。
・水:蒸留水、関東化学社製。
【0116】
(実施例1〜12、比較例1〜6)
[衣料用液体洗浄剤の製造]
表1〜2に示す組成に従い、(A)〜(C)成分及び任意成分を水に加えて混合し、実施例1〜12の液体洗浄剤を製造した。
また、(C)成分又は(A)成分を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして比較例1〜6の液体洗浄剤を製造した。
表1〜2に、製造した各例の液体洗浄剤の組成(配合成分、含有量(質量%))を示す。
表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
表中、配合成分の含有量は純分換算量を示す。ただし、酵素は、酵素製剤としての含有量を示す。
蒸留水の含有量を示す「バランス」は、液体洗浄剤に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
【0117】
各例の液体洗浄剤について、被洗物に付着した油性インク汚れに対する洗浄力、液安定性を以下のように評価した。評価結果を表1〜2に示す。
【0118】
[インク汚れ洗浄力]
全自動電気洗濯機(AW−80VC、株式会社東芝製)に、綿布を投入し、浴比20倍に合わせた。そこに、各例の液体洗浄剤12gを添加し、標準コースにて洗浄、すすぎ、脱水を順次行う洗濯操作を行った。洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(36Lに設定)に関しては、一切調整せず、洗濯機の標準設定を使用した。用いた水道水の温度は、15℃であった。この事前の洗浄操作を2回又は5回繰り返した。2回又は5回の事前洗浄を終えた後、綿布を平干しにて一晩乾燥させ、乾燥後の綿布を5×5cmにカットしたものを評価用綿布とした。
【0119】
評価用布に、油性ボールペン(ZEBRA社製、商品名「Clip−on−Slim油性ボールペン」)のインクを塗り付けて、油性インク汚れが付着したインク汚垢布を作製した。この際、綿布の中央に直径2cmの円となるように油性インクを塗り付けた。
このインク汚垢布を、以下の手順で洗浄した。
各例の液体洗浄剤0.05mLを、汚垢布に付着させた油性インク汚れが中心となるように前記インク汚垢布に塗布し、3分間放置したのち、下記洗濯方法によって、水15Lに対して各例の液体洗浄剤6mLを溶解した洗濯液を使用して、洗浄した。
洗浄試験器としてTerg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)を用いた。各例の液体洗浄剤を塗布して3分間放置した後の上記インク汚垢布10枚と、前記洗濯液とを洗浄試験器に入れ、浴比30倍に合わせて、120rpm、15℃で10分間洗浄した。次に、二槽式洗濯機(三菱電機社製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、1分間脱水後、水道水(15℃、4゜DH)30L中で3分間濯ぎ、風乾した。
【0120】
インク汚れを付けなかった評価用布、洗浄前のインク汚垢布及び洗浄後のインク汚垢布について、それぞれ反射率を日本電色社製の色差計(製品名:SE200型)で測定し、洗浄率(%)を以下の式で算出した。インク汚垢布10枚について洗浄率(%)を算出し、その平均値を用いて、下記基準に基づいてインク汚れに対する洗浄力を評価した。
洗浄率(%)=100×(洗浄前のインク汚垢布のK/S−洗浄後のインク汚垢布のK/S)/(洗浄前のインク汚垢布のK/S−評価用布のK/S)×100。
ただし、K/Sは式:(1−R/100)
2/(2R/100)で求められる値であり、Rは、評価用布、洗浄前のインク汚垢布または洗浄後のインク汚垢布の反射率(%)である。
上記の基準で洗浄率が50%以上の液体洗浄剤を合格とした。
【0121】
<液安定性の評価>
透明のガラス瓶(広口規格びん、PS−NO.11)に、各例の液体洗浄剤100mLを充填し、蓋を閉めて密封した。この状態で5℃又は25℃の恒温槽内に7日間静置して保存した。
かかる保存の後、液の外観を目視で観察し、下記評価基準に従って、各例の液体洗浄剤の外観安定性を評価した。
(評価基準)
○:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められず、液の流動性がある。
△:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められるが、ガラス瓶を軽く振ると、その沈殿物質は消失(溶解)する。
×:ガラス瓶の底部に沈殿物質が認められ、ガラス瓶を軽く振ってもその沈殿物質は消失しない、又は、当該液体洗浄剤の製造直後にゲル化もしくは白濁した。
かかる評価結果を、表1及び表2の常温安定性(25℃)、低温安定性(5℃)の欄にそれぞれ示す。
【0122】
【表1】
【0123】
【表2】
【0124】
表1に示す結果から、(A)成分及び(C)成分を含有する実施例1〜12の液体洗浄剤は、インク汚れに対して優れた洗浄力を有することが明らかである。前記式(III)で表されるPPGを(A)成分として含有する実施例1〜5の液体洗浄剤は、洗浄力と液体安定性のバランスが良好であり、特にPPGの分子量が4000〜5000の実施例3〜5の液体洗浄剤のインク汚れに対する洗浄力は秀逸である。
【0125】
また、インク汚れが付着する前に事前に洗浄した回数が異なる評価用綿布におけるインク汚れ洗浄力を比較すると、事前に2回洗浄した場合よりも事前に5回洗浄した場合の洗浄力の方が優れている。このことから、本発明の液体洗浄剤を使用して衣料を日常的に繰り返し洗浄することによって、その後に付着したインク等の油性汚れに対する洗浄力が向上することが理解される。
【0126】
一方、(C)成分を含まない比較例1〜5、及び(A)成分を含まない比較例6は、何れもインク汚れに対する洗浄力が低いことが明らかである。
以上の結果から、(A)〜(C)成分を含有する本発明の液体洗浄剤は、インク汚れ等の油性汚れに対する優れた洗浄力と液安定性を兼ね備えていることが確認できた。