(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0008】
一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有される。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。各図において、連続して配置される同一又は類似の要素については符号を省略することがある。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を省略することがある。
【0009】
本実施形態においては、表示装置の一例として、上述のデジタルモードの機能を備えた液晶表示装置を開示する。ただし、本実施形態は、他種の表示装置に対する、本実施形態にて開示される個々の技術的思想の適用を妨げるものではない。他種の表示装置としては、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)表示装置などの自発光型の表示装置、或いは電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置などが想定される。
【0010】
先ず、
図1乃至
図5を用いて、表示装置の基本的な構成及び動作について述べる。
図1は、表示装置1の概略構成の一例を示す平面図である。表示装置1は、第1基板SUB1と、第2基板SUB2とを備えている。第1基板SUB1及び第2基板SUB2は、互いに対向した状態で貼り合わされている。第1基板SUB1と第2基板SUB2の間には、液晶層(後述する液晶層LC)が封入されている。この液晶層は、光学素子層の一例である。その他の光学素子層としては、上述のような有機EL素子、電気泳動素子、及び、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッタ素子が挙げられる。
【0011】
表示装置1は、表示領域DAと、表示領域DAを囲う周辺領域SAとを有している。表示領域DAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する領域のうち、画像が表示される領域に相当する。表示領域DAには画素PXが配置されている。具体的には、表示領域DAには、多数の画素PXが第1方向X及び第2方向Yに沿ってマトリクス状に配列されている。第1方向X及び第2方向Yは、例えば互いに直交する。周辺領域SAは、第1基板SUB1と第2基板SUB2とが重畳する領域のうち、表示領域DAの外側の領域に相当する。
【0012】
図1の例において、表示領域DAは正円形状である。但し、表示領域DAは、楕円形状、多角形状、或いは少なくとも一部に曲線状の輪郭を含む形状など、他の形状であっても良い。また、
図1の例においては、第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び周辺領域SAも正円形である。但し、これら第1基板SUB1、第2基板SUB2、及び周辺領域SAに関しても、表示領域DAと同様に他の形状であっても良い。
【0013】
表示装置1は、制御装置2と、第1ドライバユニット3と、第2ドライバユニット4とをさらに備えている。制御装置2は、例えば第1基板SUB1に実装された集積回路であり、外部から入力される画像データに基づき画像表示に必要な各種の信号を出力する信号供給源として機能する。なお、制御装置2は、第1基板SUB1や第2基板SUB2に実装されずに、フレキシブル配線基板などを介してこれら基板に接続されても良い。
【0014】
第1ドライバユニット3及び第2ドライバユニット4は、周辺領域SAにおいて、例えば第1基板SUB1に形成されている。
図1の例において、第1ドライバユニット3は、表示領域DAの下方の縁部(制御装置2側の縁部)に沿う円弧形状を有している。また、第2ドライバユニット4は、表示領域DAの左方の縁部に沿う円弧形状を有している。第1ドライバユニット3は、水平ドライバ、信号線駆動回路、或いはソースドライバなどと言い換えることもできる。第2ドライバユニット4は、垂直ドライバ、走査線駆動回路、或いはゲートドライバなどと言い換えることもできる。
【0015】
周辺領域SAは、例えば第2基板SUB2に形成された遮光層により遮光されている。このような遮光層を設けることで、周辺領域SAからの光漏れや、周辺領域SAに形成された回路及び配線による光の反射を防ぐことができる。
【0016】
第1ドライバユニット3は、複数の第1回路ユニット30を備えている。第2ドライバユニット4は、複数の第2回路ユニット40を備えている。
周辺領域SAは、第1領域A1と、第2領域A2とを有している。第1領域A1においては、第2ドライバユニット4と表示領域DAの間に第1ドライバユニット3の一部(少なくとも1つの第1回路ユニット30)が位置している。一方で、第2領域A2においては、第2ドライバユニット4と表示領域DAの間に第1ドライバユニット3が位置していない。他の観点から言えば、第1領域A1には第1回路ユニット30と第2回路ユニット40の双方が形成されており、第2領域A2には第2回路ユニット40が形成され、第1回路ユニット30が形成されていない。
【0017】
図2は、表示装置1の概略的な回路構成を示す図である。ここでは、図示の簡略化のために、表示領域DAを矩形状とし、各ドライバユニット3,4を直線状としている。本実施形態において、画素PXは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の副画素SPを含む。以下、赤色、緑色、青色の副画素SPを、それぞれ副画素SPR,SPG,SPBと呼ぶ。なお、本開示においては、副画素SPを単に“画素”と呼ぶこともある。
【0018】
図2の例においては、1つの画素PXに含まれる副画素SPR,SPG,SPBが第1方向Xに並んでいる。但し、画素PXのレイアウトは
図2の例に限定されない。例えば、画素PXは、白色(W)などの他の色の副画素SPをさらに含んでも良い。また、1つの画素PXに含まれる副画素SPのうちの少なくとも一部が第2方向Yに並んでも良い。また、画素PXは、同一の色に対応する複数の副画素SPを含んでも良い。
【0019】
表示装置1は、複数の信号線Sと、複数の走査線GDとを備えている。各信号線S及び各走査線GDは、第1基板SUB1に形成されている。各信号線Sは、それぞれ対応する第1回路ユニット30に接続されている。各走査線GDは、それぞれ対応する第2回路ユニット40に接続されている。各信号線Sは、第2方向Yに沿って表示領域DAに延出し、第1方向Xに並んでいる。各走査線GDは、第1方向Xに沿って表示領域DAに延出し、第2方向Yに並んでいる。
【0020】
副画素SPの各々は、第1基板SUB1に形成されたメモリ10及び画素電極PEを備えている。メモリ10は、信号線Sを介して供給されるデジタル信号を記憶する。画素電極PEは、第2基板SUB2に形成された共通電極CEと対向している。共通電極CEは、第1基板SUB1に形成されても良い。画素電極PE及び共通電極CEは、例えばインジウム・ティン・オキサイド(ITO)などの透明導電材料で形成することができる。共通電極CEは、複数の副画素SPに亘って形成されており、共通電極線LCMを介して制御装置2が備える交流駆動回路20に接続されている。
【0021】
表示装置1は、各副画素SPに対向するカラーフィルタを備えている。これらのカラーフィルタは、対向する副画素SPの表示色に対応する色を有しており、例えば第2基板SUB2に形成されている。
【0022】
表示装置1は、例えば反射型の表示装置とすることができる。この場合においては、表示領域DAに外光を反射する反射層を形成し、この反射層により反射された光を利用して画像を表示する。第2基板SUB2の外面側にフロントライトを設け、このフロントライトからの光を利用して画像を表示しても良い。
【0023】
また、表示装置1は、透過型の表示装置とすることができる。この場合においては、第1基板SUB1の裏面側にバックライトを設け、このバックライトからの光を利用して画像を表示する。表示装置1は、反射型と透過型の双方の機能を有しても良い。
【0024】
図3は、副画素SPの等価回路の一例を示す図である。各副画素SPの各々には、上記画素電極PEと、上記メモリ10と、選択制御回路11と、記憶制御回路12とが配置されている。
【0025】
選択制御回路11は、入力端が第1駆動線DL1に接続されたスイッチング素子Q1と、入力端が第2駆動線DL2に接続されたスイッチング素子Q2とを備えている。第1駆動線DL1には、例えば制御装置2から画像の表示信号である第1駆動信号xFRPが供給される。第2駆動線DL2には、交流駆動回路20から画像の非表示信号である第2駆動信号FRPが供給される。
【0026】
さらに、選択制御回路11は、スイッチング素子Q1,Q2の出力端と画素電極PEとを接続する選択信号線12aを備えている。
【0027】
図3においては、交流駆動回路20から延出した配線が第2駆動線DL2及び共通電極線LCMに分岐している。すなわち、この例では、各信号FRP,VCOMが同電位である。
【0028】
メモリ10は、スイッチング素子Q3〜Q6を備えている。スイッチング素子Q3,Q5の入力端には、第1電源線LP1が接続されている。第1電源線LP1には、第2回路ユニット40から電源電圧VRAMが供給される。スイッチング素子Q4,Q6の入力端には、電圧VSSが供給される第2電源線LP2が接続されている。スイッチング素子Q3,Q4は出力端がスイッチング素子Q2の制御端に接続された第1インバータを構成し、スイッチング素子Q5,Q6は出力端がスイッチング素子Q1の制御端に接続された第2インバータを構成する。これらインバータは逆方向に並列接続されており、スイッチング素子Q1,Q2のいずれか一方を選択的にオンする。
【0029】
第1回路ユニット30は、信号線Sにデジタル信号SIGを供給する。記憶制御回路12は、信号線Sに供給されるデジタル信号SIGをメモリ10に記憶させる回路であって、スイッチング素子Q7を備えている。スイッチング素子Q7の入力端は信号線Sに接続され、出力端はスイッチング素子Q3,Q4の制御端に接続されている。スイッチング素子Q7の制御端には、走査線GDが接続されている。走査線GDには、第2回路ユニット40から走査信号GATEDが供給される。
【0030】
スイッチング素子Q1〜Q7は、例えばいずれも薄膜トランジスタであって、第1基板SUB1に形成されている。第1駆動線DL1、第2駆動線DL2、第1電源線LP1、第2電源線LP2、走査線GDも第1基板SUB1に形成されており、第1方向Xに並ぶ複数の副画素SPに接続されている。
【0031】
以上のような構成の表示装置1は、デジタルモードで各副画素SPを駆動することができる。デジタルモードは、メモリ10が記憶するデジタル信号に基づき副画素SPの輝度を単純にオンオフのモノクロで制御する方式である。以下の説明では、表示装置1がノーマリブラックモードであって、メモリ10がHレベル(高電位レベル)に設定されているときに副画素SPがオン(白表示)され、メモリ10がLレベル(低電位レベル)に設定されているときに副画素SPがオフ(黒表示)される場合を想定する。
【0032】
デジタルモードにおいては、信号線Sに供給されたデジタル信号SIGをメモリ10に記憶させる記憶期間と、第1駆動信号xFRP及び第2駆動信号FRPのうちメモリ10に記憶されたデジタル信号(Hレベル又はLレベル)に対応する一方を選択的に画素電極PEに供給する表示期間とが繰り返される。
【0033】
以下の説明においては、表示領域DAにおいて第1方向Xに並ぶ一群の副画素SPを、水平ラインと呼ぶ。記憶期間においては、走査線GDに走査パルスが順次供給されるとともに、走査パルスが供給された走査線GDに対応する水平ラインのデジタル信号SIGが各信号線Sに順次供給される。これにより、水平ラインごとに、画像データに応じたデジタル信号SIGがメモリ10に順次書き込まれていく。
【0034】
図4は、表示装置1の記憶期間における動作の一例を示すタイミングチャートである。このタイミングチャートにおいては、
図3に示した1つの副画素SPに着目して、デジタル信号SIG、画素電極PEの画素電位PIX、共通信号VCOM、走査信号GATED、電源電圧VRAM、メモリ10に記憶されるメモリ電位RAMの変化を示している。
【0035】
以下の説明においては、一水平ラインに対してデジタル信号SIGを書き込むための期間を、水平期間THと定義する。水平期間THにおいて、信号線Sのデジタル信号SIGは、メモリ10に書き込むべき電位に設定される。ここでは、Hレベルである電圧VDDが白表示に対応し、Lレベルである電圧VSSが黒表示に対応するものとする。第1電源線LP1の電源電圧VRAMは、VDD2からVDD1に立ち下げられる。その後、走査線GDの走査信号GATEDがVSS2からVDD2に立ち上げられると、スイッチング素子Q7がオンし、メモリ10が信号線Sに接続される。このとき、図中に矢印で示したように、信号線Sに供給されたデジタル信号SIGのレベルがメモリ10に書き込まれる。
図4においては、Hレベルがメモリ10に書き込まれる場合を例示している。
【0036】
その後、走査信号GATEDをVSS2に立ち下げることでスイッチング素子Q7がオフされ、電源電圧VRAMがスイッチング素子Q1,Q2をオンにする電圧であるVDD2に立ち上げられる。この際、メモリ10の電圧もVDD1からVDD2に立ち上げられる。これにより、メモリ10は第1電源線LP1とスイッチング素子Q1を接続し、電源電圧VRAMによりスイッチング素子Q1をオンにする。一方で、メモリ10は第2電源線LP2とスイッチング素子Q2を接続し、電圧VSSによりスイッチング素子Q2をオフにする。スイッチング素子Q1がオンになったことで、選択信号線12aに第1駆動線DL1の第1駆動信号xFRPが供給される。
【0037】
仮に、メモリ10に供給される電位が黒表示に相当するLレベルであれば、メモリ10は第2電源線LP2とスイッチング素子Q1を接続し、電圧VSSによりスイッチング素子Q1をオフにする。一方で、メモリ10は第1電源線LP1とスイッチング素子Q2を接続し、電源電圧VRAMによりスイッチング素子Q2をオンにする。スイッチング素子Q2がオンになったことで、選択信号線12aに第2駆動線DL2の第2駆動信号FRPが供給される。つまり、メモリ10は、記憶した電圧によって、スイッチング素子Q1,Q2のいずれかを排他的にオンにし、第1駆動線DL1及び第2駆動線DL2のいずれか一方を選択信号線12aの接続先として選択する。
【0038】
図5は、表示装置1の表示期間における動作の一例を示すタイミングチャートである。このタイミングチャートにおいては、
図4の場合と同じく1つの副画素SPに着目している。なお、
図4及び
図5の例では、画素電極PE及び共通電極CEの間の電位の極性を、表示領域DAに配置された全ての副画素SPでフレーム期間TFごとに周期的に反転させるフレーム反転制御を用いたケースを示している。1フレームを構成する各水平ラインのメモリ10の書き換えは、例えば1つのフレーム期間TFの間に実行される。すなわち、
図4に示した一連の水平期間THは、1つのフレーム期間TFに含まれるもので、信号VCOMが一定である。一方で、
図5に示すように、表示期間は複数のフレーム期間TFで構成されており、フレーム期間TFごとに各信号VCOM,FRPの電位がVSSとVDDの間で変化している。第1駆動信号xFRPは第2駆動信号FRPと逆相の交流信号であり、フレーム期間TFごとに電圧VDD,VSSの間で変化する。
【0039】
表示期間においては、メモリ10によりスイッチング素子Q1がオンされている場合には第1駆動線DL1が画素電極PEに接続され、メモリ10によりスイッチング素子Q2がオンされている場合には第2駆動線DL2が画素電極PEに接続される。
図5においては、第1駆動線DL1が画素電極PEに接続されたことにより、画素電位PIXが第1駆動信号xFRPに設定される場合を例示している。この場合には、画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が生じ、副画素SPが白表示となる。一方で、第2駆動線DL2が画素電極PEに接続された場合には、画素電極PEと共通電極CEとの間に電位差が生じず、副画素SPが黒表示となる。
以上の動作により、各副画素SPが白表示又は黒表示となり、表示領域DAに画像が表示される。
【0040】
続いて、
図6及び
図7を用いて、第1回路ユニット30及び第2回路ユニット40について説明する。
図6は、第1回路ユニット30の概略的な構成を示す図である。この図に示す第1回路ユニット30は、赤色に対応する2つの副画素SPR1,SPR2、緑色に対応する2つの副画素SPG1,SPG2、青色に対応する2つの副画素SPB1,SPB2の各々にデジタル信号SIGを供給するものである。例えば、副画素SPR1,SPG1,SPB1は1つの画素PXに含まれ、副画素SPR2,SPG2,SPB2はこの画素PXと第1方向Xに隣り合う他の画素PXに含まれる。
【0041】
第1回路ユニット30は、第1シフトレジスタ31と、第1ラッチ回路32と、第2ラッチ回路33と、第1バッファ回路34とを備えている。第1ラッチ回路32は、メモリ素子MA1〜MA6を備えている。第2ラッチ回路33は、メモリ素子MB1〜MB6を備えている。第1バッファ回路34は、バッファ素子BA1〜BA6を備えている。
【0042】
第1シフトレジスタ31と第1ラッチ回路32は、2本の第1接続線CL1によって接続されている。メモリ素子MA1〜MA6は、それぞれ第2接続線CL2を介してメモリ素子MB1〜MB6に接続されている。メモリ素子MB1〜MB6は、それぞれ第3接続線CL3を介してバッファ素子BA1〜BA6に接続されている。各バッファ素子BA1〜BA6には、それぞれ副画素SPR1,SPG1,SPB1,SPR2,SPG2,SPB2に延びる信号線Sが接続されている。
【0043】
第1シフトレジスタ31、第1ラッチ回路32、第2ラッチ回路33、及び第1バッファ回路34は、電圧VDD1,VSSを駆動電源として動作する。第1シフトレジスタ31は、リセット信号xRSTが入力すると、出力OUT,xOUTをオフ電位にクリアする。第1シフトレジスタ31は、クロックHCKが入力すると、前段の第1回路ユニット30の第1シフトレジスタ31(以下、前段レジスタと呼ぶ)の出力データDIを取り込み、この出力データDIをラッチする。このとき、前段レジスタの出力データDIがHレベルであれば、第1シフトレジスタ31の出力OUTはHレベルとなり、出力xOUTはLレベルとなる。逆に、前段レジスタの出力データがLレベルであれば、第1シフトレジスタ31の出力OUTはLレベルとなり、出力xOUTはHレベルとなる。
【0044】
第1シフトレジスタ31の出力OUTは、次段の第1回路ユニット30の第1シフトレジスタ31に出力される。さらに、第1シフトレジスタ31の出力OUTとxOUTは、ラッチパルスとして、メモリ素子MA1〜MA6に供給される。
【0045】
図6の例においては、第1シフトレジスタ31と第1ラッチ回路32の間にデータバスDBLが延在している。データバスDBLは、第1ラッチ回路32と第2ラッチ回路33の間に延びても良い。データバスDBLは、映像データR1,G1,B1,R2,G2,B2が供給される6本の配線を含む。映像データR1,G1,B1,R2,G2,B2は、それぞれ副画素SPR1,SPG1,SPB1,SPR2,SPG2,SPB2に供給するデジタル信号SIGを表すデータである。
【0046】
第1シフトレジスタ31にHレベルの出力データDIが入力したとき、例えばデータバスDBLに供給された映像データR1,G1,B1,R2,G2,B2がメモリ素子MA1〜MA6にラッチされる。
【0047】
メモリ素子MB1〜MB6には、タイミングパルスDs,xDsが入力される。タイミングパルスDs,xDsにより、メモリ素子MB1〜MB6は、メモリ素子MA1〜MA6にラッチされた映像データを同時にラッチする。このようにして第1ラッチ回路32から第2ラッチ回路33に映像データが転送されるタイミングは、例えば全ての第1回路ユニット30で同じである。これにより、第1方向Xに並ぶ各副画素SP(水平ライン)の映像データが各第1回路ユニット30の第2ラッチ回路33に揃う。
【0048】
バッファ素子BA1〜BA6は、それぞれメモリ素子MB1〜MB6がラッチした映像データに対応するデジタル信号SIGを信号線Sに出力する。これにより、各第1回路ユニット30の第2ラッチ回路33でラッチされた映像データに応じたデジタル信号SIGが各信号線Sに一斉に供給され、各副画素SPのメモリ10へのデータ書き込みが行われる。このようにデジタル信号SIGが供給されている間に、第1ラッチ回路32では次の水平ラインの映像データR1,G1,B1,R2,G2,B2がラッチされる。
【0049】
以上の構成によると、1つの第1回路ユニット30により2つの画素PXの映像データを処理することができる。そのため、第1ドライバユニット3の駆動周波数を低減することができる。また、第2ラッチ回路33の映像データが信号線Sに供給されている間に第1ラッチ回路32にて次の水平ラインの映像データをラッチできるので、処理効率を高めることができる。
【0050】
なお、第1回路ユニット30は、ラッチ回路を1つのみ含む構成であっても良い。また、第1回路ユニット30は、1つの画素PXに含まれる副画素SPに対してのみデジタル信号SIGを供給する構成であっても良いし、3つ以上の画素PXに含まれる副画素SPに対してデジタル信号SIGを供給する構成であっても良い。
【0051】
図7は、第2回路ユニット40の概略的な構成を示す図である。第2回路ユニット40は、第2シフトレジスタ41と、2つの第2バッファ回路42A,42Bと、電源回路43とを備えている。第2シフトレジスタ41と、第2バッファ回路42A,42B及び電源回路43とは、第4接続線CL4で接続されている。
【0052】
第2シフトレジスタ41及び第2バッファ回路42A,42Bは、電圧VDD2,VSSを駆動電源として動作する。電源回路43は、電圧VDD1,VDD2を駆動電源として動作する。第2シフトレジスタ41は、リセット信号xRSTが入力すると出力OUT,xOUTを例えばオフ電位にクリアする。第2シフトレジスタ41は、クロックVCKが入力すると、前段の第2回路ユニット40の第2シフトレジスタ41(以下、前段レジスタと呼ぶ)の出力データDIを取り込み、この出力データDIをラッチする。例えば、前段レジスタの出力データDIがHレベルであれば、第2シフトレジスタ41の出力OUTはHレベルとなり、出力xOUTはLレベルとなる。一方、前段レジスタの出力データDIがLレベルであれば、第2シフトレジスタ41の出力OUTはLレベルとなり、出力xOUTはHレベルとなる。
【0053】
第2シフトレジスタ41の出力OUT,xOUTは、第2バッファ回路42A,42Bに供給されるとともに、次段の第2回路ユニット40の第2シフトレジスタ41に出力される。また、出力OUT,xOUTは、電源回路43に供給される。電源回路43は、出力OUT,xOUTの状態に応じて、上述の電源電圧VRAMをHレベル又はLレベルに設定する。
【0054】
第2バッファ回路42Aには、イネーブル信号xENB1が供給される。第2バッファ回路42Bには、イネーブル信号xENB2が供給される。第2バッファ回路42Aは、例えば出力OUTがHレベルで出力xOUTがLレベルであり、かつイネーブル信号xENB1が入力されたことに応じて、第2バッファ回路42Aに接続された走査線GDにHレベルの走査信号GATEDを供給する。第2バッファ回路42Bは、例えば出力OUTがHレベルで出力xOUTがLレベルであり、かつイネーブル信号xENB2が供給されたことに応じて、第2バッファ回路42Bに接続された走査線GDにHレベルの走査信号GATEDを供給する。Hレベルの走査信号GATEDが供給された走査線GDに接続された副画素SPにおいては、スイッチング素子Q7がオンされる。したがって、これら副画素SPでは、信号線Sに供給されたデジタル信号SIGをメモリ10に書き込むことができる。
【0055】
以上のような構成の第2回路ユニット40では、1段の第2シフトレジスタ41が駆動用のデータをラッチした場合、2本の走査線GDをイネーブル信号xENB1,xENB2により順番に駆動することができる。つまり、それぞれの走査線GDごとに第2シフトレジスタ41を用意する必要がなく、第2シフトレジスタ41の駆動周波数を緩和することができる。
【0056】
一般的な表示装置においては、表示領域DAが第1方向Xに沿う辺部と、第2方向Yに沿う辺部とを有する矩形状である。この場合、第1ドライバユニット3を第1方向Xに沿って直線状に配置し、第2ドライバユニット4を第2方向Yに沿って直線状に配置することが通常である。各ドライバユニット3,4が表示領域DAに沿っているので、全長に亘って各ドライバユニット3,4と表示領域DAとを近接させることができる。
【0057】
これに対し、
図1のように表示領域DAが円形である場合において、各ドライバユニット3,4を直線状に配置すると、表示領域DAと各ドライバユニット3,4との間に無駄なスペースが生じる。そこで、本実施形態では、
図1に示すように各ドライバユニット3,4を表示領域DAに沿う円弧状としている。さらに、第1領域A1のように、第1ドライバユニット3の少なくとも一部を第2ドライバユニット4と表示領域DAの間に配置することで、周辺領域SAにおける無駄なスペースの発生を防ぎ、狭額縁化を図っている。
【0058】
但し、第1領域A1においては、第2ドライバユニット4から表示領域DAに延出する走査線GDなどの配線を、第1ドライバユニット3の領域に通す必要がある。また、各ドライバユニット3,4を円弧状にすると、これらドライバユニット内の配線を適宜に曲げる必要がある。これらに鑑み、各ドライバユニット3,4の回路レイアウトを効率化する必要がある。
【0059】
図8は、各ドライバユニット3,4に適用し得る回路レイアウトの一例を示す図である。この図においては、第1領域A1の近傍における周辺領域SA及び表示領域DAの概略的な構成を示している。
【0060】
第1ドライバユニット3は、表示領域DAに沿って円弧状に並ぶ複数の第1回路ユニット30を備えている。
図8においては、1つの第1回路ユニット30に1本の信号線Sが接続されているが、より多くの信号線S(例えば
図6のように6本の信号線S)が接続されても良い。
【0061】
第2ドライバユニット4は、第1ドライバユニット3及び表示領域DAに沿って円弧状に並ぶ複数の第2回路ユニット40を備えている。
図8においては、1つの第2回路ユニット40に1本の走査線GDが接続されているが、より多くの走査線GD(例えば
図7のように2本の走査線GD)が接続されても良い。
【0062】
第1回路ユニット30は、2つの回路に分けられている。以下の説明においては、これら2つの回路のうちの一方を水平回路H1と呼び、他方を水平回路H2と呼ぶ。例えば、
図6に示した第1シフトレジスタ31、第1ラッチ回路32、第2ラッチ回路33、及び第1バッファ回路34のうちの少なくとも1つを水平回路H1が含み、水平回路H2が残りを含む。また、例えば水平回路H1がメモリ素子MA1〜MA3を含み、水平回路H2がメモリ素子MA4〜MA6を含むなど、より細分化された単位の回路素子で水平回路H1,H2が定義されても良い。その他、第1回路ユニット30の分け方は任意であり、第1回路ユニット30の構成に応じて種々の態様を適用できる。さらに、第1回路ユニット30は、3つ以上の水平回路に分けられても良い。
【0063】
図8の例においては、水平回路H1,H2が第2方向Yに直線状に並んでいる。さらに、水平回路H1,H2の間に、第1方向Xに延びる走査線GDが延在している。水平回路H1,H2は、走査線GDとは異なる層に設けられた接続線によって、互いに電気的に接続されている。
【0064】
第1回路ユニット30を複数の水平回路に分けない場合には、第1回路ユニット30を回避するように走査線GDを屈曲させる必要がある。そのため、走査線GDを引き回すためのスペースが第1回路ユニット30の周囲に必要となる。これに対し、
図8の例では、第1回路ユニット30を屈曲させずに走査線GDを表示領域DAに向けて延ばすことができる。したがって、走査線GDのためのスペースを最小限に止めることができるので、周辺領域SAのレイアウトを効率化できる。
【0065】
図9は、各ドライバユニット3,4に適用し得る回路レイアウトの他の例を示す図である。この図の例においては、さらに、第2回路ユニット40が2つの回路に分けられている。以下の説明においては、これら2つの回路のうちの一方を垂直回路V1と呼び、他方を垂直回路V2と呼ぶ。垂直回路V1,V2は、1又は複数の接続線によって互いに電気的に接続されている。
【0066】
例えば、
図7に示した第2シフトレジスタ41、第2バッファ回路42A,42B、及び電源回路43のうちの少なくとも1つを垂直回路V1が含み、垂直回路V2が残りを含む。その他、第2回路ユニット40の分け方は任意であり、第2回路ユニット40の構成に応じて種々の態様を適用できる。第2回路ユニット40は、3つ以上の垂直回路に分けられても良い。
【0067】
図9の例において、水平回路H1,H2は、
図8の場合と同じく第2方向Yに並んでいる。但し、水平回路H1,H2は、第1方向Xにおいて、互いにずれて配置されている。具体的には、水平回路H2が水平回路H1よりも図中の左方向(表示領域DAから離れる方向)にずれている。ここで、2つの回路が「第1方向Xにおいて互いにずれる」とは、例えば、一方の回路の第1方向Xにおける中心と、他方の回路の第1方向Xにおける中心とを結ぶ線分が、第2方向Yと平行でないことを意味する。
【0068】
このように水平回路H1,H2をずらすことで、周辺領域SAのレイアウトをさらに効率化できる。例えば、
図8の例においては第1回路ユニット30の周囲に領域50のようなスペースが生じ得るが、
図9の例ではこの領域を有効に活用して第1回路ユニット30をレイアウトできる。
【0069】
垂直回路V1,V2は、第1方向Xに並んでいる。さらに、垂直回路V1,V2は、第2方向Yにおいて、互いにずれて配置されている。具体的には、垂直回路V1が垂直回路V2よりも図中の下方向にずれている。ここで、2つの回路が「第2方向Yにおいて互いにずれる」とは、例えば、一方の回路の第2方向Yにおける中心と、他方の回路の第2方向Yにおける中心とを結ぶ線分が、第1方向Xと平行でないことを意味する。
【0070】
続いて、第2領域A2における回路レイアウトについて説明する。
図10は、第2領域A2において、第2ドライバユニット4に適用し得る回路レイアウトの一例を示す図である。この第2ドライバユニット4は、
図8の第2ドライバユニット4に対応する。すなわち、第2回路ユニット40が複数の垂直回路に分かれていない。但し、第2回路ユニット40は、
図9と同様に複数の垂直回路に分かれていても良い。例えば、
図9のように第1領域A1においては第2回路ユニット40を垂直回路V1,V2に分けた場合であっても、第2領域A2においては第2回路ユニット40を分けないようにしても良い。
【0071】
第2領域A2では、第2ドライバユニット4と表示領域DAの間に第1ドライバユニット3が存在しない。そのため、
図1及び
図10より、第2ドライバユニット4を表示領域DAに近づけることができる。例えば、第1領域A1における第2回路ユニット40と表示領域DAの間の距離を第1距離とし、第2領域A2における第2回路ユニット40と表示領域DAの間の距離を第2距離とする。この場合、第2距離は、前記第1距離よりも小さくすることができる。
【0072】
ここで、第1領域A1に適用し得る回路レイアウトの具体例につき、
図11を用いて説明する。この図においては、第1領域A1(周辺領域SA)に加え、表示領域DAに配列された副画素SPの一部も示している。
【0073】
図11においては、4つの第1回路ユニット30と、3つの第2回路ユニット40とを示している。第1回路ユニット30と表示領域DAの間には、第1駆動信号xFRPが供給される第1配線WL1と、第2駆動信号FRPが供給される第2配線WL2とが延在している。第1配線WL1には、例えば
図3に示した第1駆動線DL1が接続される。第2配線WL2には、例えば
図3に示した第2駆動線DL2が接続される。
図11の例では、第1回路ユニット30と表示領域DAの間に、電圧VSSが供給される第3配線WL3と、電圧VDD1が供給される第4配線WL4とがさらに延在している。これら配線WL3,WL4の電圧VSS,VDD1も副画素SPに供給され、メモリ10の駆動に用いられる。配線WL1〜WL4は、表示領域DAに沿って屈曲している。
図11においては、配線WL1〜WL4は階段状に屈曲しており、1つの段に対応する第1回路ユニット30の数が同数ではない。具体的には、
図11の中央に位置する配線WL1〜WL4の段に、対応する第1回路ユニット30の数は2つである(HU1とHU2)。一方で、その段に隣り合う段に対応する第1回路ユニット30の数は、1つである。各段に対応する第1回路ユニット30の数を異ならせることで、スペースの効率化を実現している。
【0074】
周辺領域SAには、共通信号VCOMが供給されたガードリング60が、例えば周辺領域SAの外周縁に沿って環状に配置されている。ガードリング60は、外部から供給される静電気などが周辺領域SAの各回路に影響することを防ぐ役割を担う。各回路ユニット30,40は、ガードリング60と表示領域DAの間に配置されている。
【0075】
第1配線WL1と表示領域DAの間には、表示領域DAの輪郭に沿って、ダミー画素DSPが配置されている。ダミー画素DSPは、例えば平面視において副画素SPと同じ形状であり、副画素SPと同じピッチで配列されている。例えば、ダミー画素DSPは、画素電極PEやゲート回路11を備えているが、少なくともメモリ10を備えていない。ダミー画素DSPの画素電極PEには常に非表示信号である第2駆動信号FRPが供給される。すなわち、ダミー画素DSPは、常に黒表示であって、画像を表示しない画素である。
【0076】
1つの第1回路ユニット30によって駆動される画素列(信号線)は複数存在し、
図11において6つである。この6本の信号線Sにおいて、各信号線Sに接続されたダミー画素DSPの数は異なっている。また隣り合う第1回路ユニット30を比較した場合、各信号線Sに接続される平均のダミー画素DSPの数は異なっている。具体的には、
図11において、第1回路ユニット30に相当するHU1に、対応する信号線Sに接続された、第1領域A1の平均ダミー画素DSPの数は1.6個(8/5)である。一方で、第1回路ユニット30に相当するHU2に、対応する信号線Sに接続された、第1領域A1の平均ダミー画素DSPの数は0.6個(3/5)である。表示領域DAの縁全体においては、ダミー画素DSPは、不規則に配置され、第1配線W1と表示領域DAの間のスペースを埋めている。
【0077】
図12は、
図11の第1回路ユニット30を拡大して示す図である。また、
図13は、
図11の第2回路ユニット40を拡大して示す図である。
図12に示す第1回路ユニット30は、水平回路H1(第1回路)と、水平回路H2(第2回路)と、水平回路H3(第3回路)とを備えている。水平回路H1は、第1シフトレジスタ31を含む。水平回路H2は、第1ラッチ回路32を含む。水平回路H3は、第2ラッチ回路33と第1バッファ回路34を含む。水平回路H1,H2は上述の第1接続線CL1で接続され、水平回路H2,H3は上述の第2接続線CL2で接続されている。また、水平回路H3において、第2ラッチ回路33と第1バッファ回路34は、上述の第3接続線CL3で接続されている。
【0078】
水平回路H1には、電圧VSS,VDD1、クロックHCK、及びリセット信号xRSTを第1シフトレジスタ31に供給する配線が接続されている。水平回路H2には、電圧VSS,VDD1を第1ラッチ回路32に供給する配線が接続されている。水平回路H3には、電圧VSS,VDD1及びタイミングパルスDs,xDsを第2ラッチ回路33及び第1バッファ回路34に供給する配線が接続されている。
図11及び
図12においては、簡略化のために、水平回路H1〜H3に接続される複数の配線を適宜1本の線分で表している。
【0079】
図13に示す第2回路ユニット40は、垂直回路V1(第4回路)と、垂直回路V2(第5回路)とを備えている。垂直回路V1は、第2シフトレジスタ41を含む。垂直回路V2は、第2バッファ回路42A,42Bと電源回路43を含む。垂直回路V1,V2は、上述の第4接続線CL4で接続されている。第2バッファ回路42A,42Bには、それぞれ走査線GDが接続され、電源回路43には、電源電圧VRAMを供給する第1電源線LP1が接続されている。
【0080】
垂直回路V1には、電圧VSS,VDD2、クロックVCK、及びリセット信号xRSTを第2シフトレジスタ41に供給する配線が接続されている。垂直回路V2には、電圧VSS,VDD1,VDD2及びイネーブル信号ENB1,ENB2を第2バッファ回路42A,42B及び電源回路43に供給する配線が接続されている。
図11及び
図13においては、簡略化のために、垂直回路V1,V2に接続される複数の配線を適宜1本の線分で表している。
【0081】
図12に示すように、水平回路H1,H2の間には、第2回路ユニット40に接続された2本の走査線GD(第1走査線)及び第1電源線LP1が第1方向Xに延在している。水平回路H2,H3の間には、他の第2回路ユニット40に接続された2本の走査線GD(第2走査線)及び第1電源線LP1が第1方向Xに延在している。水平回路H3と第4配線WL4の間には、さらに他の第2回路ユニット40に接続された2本の走査線GD及び第1電源線LP1が第1方向Xに延在している。さらに、水平回路H1,H2の間には、データバスDBLが第1方向Xに延在している。
【0082】
水平回路H1,H2の間に延在する走査線GD、第1電源線LP1、及びデータバスDBLは、平面視において、第1接続線CL1と交差している。水平回路H2,H3の間に延在する走査線GD及び第1電源線LP1は、平面視において、第2接続線CL2と交差している。
【0083】
図12の例において、信号線Sと第1バッファ回路34は、第1バッファ回路34に接続された引き出し線Saを介して接続されている。水平回路H3と第4配線WL4の間に延在する走査線GD及び第1電源線LP1は、平面視において、引き出し線Saと交差している。さらに、各配線WL1〜WL4も、平面視において、引き出し線Saと交差している。
【0084】
水平回路H1〜H3は、第2方向Yに並んでいる。さらに、水平回路H1〜H3は、第1方向Xにおいて、互いにずれている。具体的には、水平回路H2は水平回路H3より図中の左方向に位置し、水平回路H1は水平回路H2よりさらに左方向に位置している。このように水平回路H1〜H3をずらすことにより生じる領域で、各配線が第1方向Xから第2方向Yに屈曲している。
【0085】
図12の例において、信号線Sと、水平回路H3(第1バッファ回路34)の位置は、第1方向Xにおいてずれている。引き出し線Saは、第1方向X及び第2方向Yの双方と交わる方向に傾いて延びている。このように、信号線Sと、水平回路H3の位置とをずらすことで、周辺領域SAにおける回路レイアウトの自由度が一層高まる。すなわち、第1回路ユニット30は、必ずしも接続先の信号線Sの延長線上に配置する必要がない。また、
図12の例においては、第2接続線CL2も第1方向X及び第2方向Yの双方と交わる方向に傾いて延びている。引き出し線Saや第2接続線CL2のように配線を傾ければ、これら配線を第1方向X及び第2方向Yに沿って屈曲させる場合に比べ、これら配線の長さを短くすることができる。これにより、周辺領域SAのスペースを一層有効に活用することができる。
【0086】
図13の例において、垂直回路V1,V2は、第1方向Xに並ぶとともに、第2方向Yにおいて互いにずれている。このように垂直回路V1,V2をずらすことにより生じる領域で、各配線が第1方向Xから第2方向Yに屈曲している。
【0087】
なお、
図11乃至
図13に示した各配線は、例えば第1基板SUB1の第1層及び第2層に、金属材料やITOなどの導電材料で形成されている。第1層と第2層の間には、絶縁層が配置されている。
図11乃至
図13において交差している2本の配線は、一方が第1層に形成され、他方が第2層に形成されている。したがって、これら配線は電気的に接続されていない。
【0088】
例えば、走査線GD及び第1電源線LP1は、第1層に形成されている。また、信号線S、各配線WL1〜WL4、及びデータバスDBLなどの他の配線は、第2層に形成されている。例えば第1接続線CL1は、第1層に形成された走査線GD及び第1電源線LP1と、第2層に形成されたデータバスDBLとを回避する必要がある。このような場合、第1接続線CL1のうち、走査線GD及び第1電源線LP1と交差する部分は第2層に形成し、データバスDBLと交差する部分は第1層に形成し、これら2つの部分を絶縁層に設けたコンタクトホールにて接続すれば良い。
なお、第1層及び第2層の2層だけでなく、より多くの層を第1基板SUB1に設け、これらの層に分散して各配線を形成しても良い。
【0089】
引き出し線Saは、水平回路H3と第4配線WL4の間に延在する走査線GD及び第1電源線LP1と交差する第1部分Sa1と、各配線WL1〜WL4と交差する第2部分Sa2とを有している。第1部分Sa1は、水平回路H3から、走査線GD及び第4配線WL4の間のコンタクト位置まで延びている。第2部分Sa2は、上記コンタクト位置から信号線Sまで延びている。第1部分Sa1は、第1層に形成された走査線GD及び第1電源線LP1を回避すべく、第2層に形成されている。第2部分Sa2は、第2層に形成された各配線WL1〜WL4を回避すべく、第1層に形成されている。第1部分Sa1及び第2部分Sa2は、上記コンタクト位置にて接続されている。
【0090】
図12から分かるように、仮に引き出し線Saが第2方向Yと平行に延びてその先にある信号線Sと接続される構成を採用した場合、引き出し線Saは、走査線GD及び第1電源線LP1と各配線WL1〜WL4とが交差する領域を通ることになる。走査線GD及び第1電源線LP1と各配線WL1〜WL4とは、互いに電気的な接触を回避すべく、異なる層に形成されている。したがって、この領域にさらに引き出し線Saを通すためには、引き出し線Saを形成するための新たな層が必要となる。これに対し、
図12のように引き出し線Saを傾斜させて、走査線GD及び第1電源線LP1と各配線WL1〜WL4とが交差する領域を回避すれば、新たな層を設ける必要がない。
【0091】
以上説明した本実施形態のように、第1ドライバユニット3の少なくとも一部を第2ドライバユニット4と表示領域DAの間に配置することで、周辺領域SAにおける無駄なスペースの発生を防ぎ、狭額縁化を図ることができる。
【0092】
さらに、第1回路ユニット30を複数の水平回路に分け、各水平回路の間に走査線GDやデータバスDBLなどを通すことで、周辺領域SAの回路レイアウトを効率化することができる。
【0093】
また、各水平回路をずらして配置することで、周辺領域SAの回路レイアウトを一層効率化することができる。第2回路ユニット40を複数の垂直回路に分け、これら垂直回路をずらして配置することでも、同様の効果を得ることができる。
これらの他にも、本実施形態からは、既述の種々の効果を得ることができる。
【0094】
本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0095】
例えば、上記実施形態では、デジタルモードの表示装置を開示した。しかしながら、上記実施形態における周辺領域SAの回路レイアウトは、信号線Sを介して画素電極PEにアナログの映像信号を供給し、多諧調の表示画像を得るアナログモードの表示装置にも適用できる。さらに、上記実施形態における周辺領域SAの回路レイアウトは、デジタルモード及びアナログモードの双方の機能を備えた表示装置に適用することもできる。
【0096】
また、
図6及び
図7に開示した各回路ユニット30,40の構成や、
図11乃至
図13に開示した周辺領域SAの回路レイアウトは一例にすぎない。これらの図に示した回路素子や配線は適宜に減らすこともできるし、新たな回路素子や配線を加えることもできる。