(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
底面視において、前記第1リード端子部と前記樹脂パッケージの前記第2の辺および前記第4の辺との間、前記第2リード端子部と前記樹脂パッケージの前記第2の辺および前記第4の辺との間、前記第3リード端子部と前記樹脂パッケージの前記第2の辺および前記第4の辺との間、前記第4リード端子部と前記樹脂パッケージの前記第2の辺および前記第4の辺との間のいずれにも、前記樹脂パッケージの一部が存在している、請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
前記第1リード端子部、前記第2リード端子部、前記第3リード端子部および前記第4リード端子部の各前記凹部は、底面視において半円形状に形成されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1,2は、本発明の一実施形態に係る半導体装置の平面図である。
図1では、樹脂パッケージに封止されている各部材が透過して実線で示されている。また、
図1では、リードフレームにおける樹脂パッケージの底面から露出する部分が透過して破線で示されている。
図2では、リードフレームにおける樹脂パッケージの底面から露出する部分のみが透過して実線で示されている。
図3は、
図1に示す矢印A方向から見たときの半導体装置の側面図である。
図4は、
図1に示す矢印B方向から見たときの半導体装置の側面図である。
図5は、
図1に示す半導体装置の切断線V−Vにおける断面図である。
図6は、
図1に示す半導体装置の切断線VI−VIにおける断面図である。
【0012】
半導体装置1は、リードフレーム2に半導体チップ3を接合し、これらを樹脂パッケージ4で封止した構造を有している。半導体装置1(樹脂パッケージ4)の外形は、扁平な直方体形状(この実施形態では、平面視正方形状の6面体)をなしている。
リードフレーム2は、金属薄板(たとえば、銅薄板)を打ち抜くことにより形成され、リード一体型アイランド5と、リード一体型アイランド5の周囲に配置される3つのリード6とを備えている。
【0013】
リード一体型アイランド5は、平面視で樹脂パッケージ4の各辺に対して45°傾斜する4辺を有する四角形状のアイランド部分7の1辺に、平面視略三角形状のリード部分8を結合した形状を有している。
アイランド部分7は、平面視で樹脂パッケージ4の中央部に配置されている。アイランド部分7の各角部から当該角部が対向する樹脂パッケージ4の側面に向けて、平面視四角形状の吊り部9が延びている。各吊り部9の端面は、樹脂パッケージ4の側面において、その側面と面一をなして露出している。
【0014】
リード部分8は、平面視で樹脂パッケージ4の1つの角部に配置されている。リード部分8は、樹脂パッケージ4の1つの側面(以下、この側面を「第1側面10」という。)において、その第1側面10と面一をなして露出する側面と、第1側面10に直交する樹脂パッケージ4の他の1つの側面(以下、この側面を「第2側面11」という。)と間隔を空けて平行をなす側面とを有している。リード部分8には、第1側面10において露出する側面から四角形状に切り欠くことにより、第1側面10において端面が露出する吊り部9に隣接して、第1側面10と平行な直線部分12を有する第1の切欠部13が形成されている。また、リード部分8には、第2側面11と平行な側面から四角形状に切り欠くことにより、第2側面11において端面が露出する吊り部9に隣接して、第2側面11と平行な直線部分14を有する第2の切欠部15が形成されている。さらに、リード部分8の第2側面11と平行な側面から第2側面11に向けて、平面視四角形状の吊り部16が延びている。吊り部16の端面は、第2側面11において、第2側面11と面一をなして露出している。
【0015】
なお、以下では、樹脂パッケージ4の4つの側面のうち、第1側面10と平行かつ第2側面に直交する側面を「第3側面17」といい、第2側面11と平行かつ第1側面10および第3側面17に直交する側面を「第4側面18」という。
リード一体型アイランド5において、アイランド部分7の中央部およびリード部分8の角部は、それら以外の残余の部分よりも厚く形成されている。そして、その厚く形成されたアイランド部分7の中央部の下面は、樹脂パッケージ4の各辺に対して45°傾斜する4辺を有する四角形状をなし、樹脂パッケージ4の裏面において、裏面接続端子19として露出している。厚く形成されたリード部分8の角部の下面は、平面視で、アイランド部分7の中央部の下面の1辺とほぼ平行に延びる辺20と、辺20の両端部からそれぞれ第1側面10および第2側面11と平行に延びる辺21,22と、辺21の端部から第2側面11と平行に延びる辺23と、第1側面10上を延びる辺24とを有する形状から、辺20において開放される半円形状を切り欠いた形状を有している。半円形状を切り欠いた部分は、リード部分8の角部の下面から窪む凹部26として形成されている。凹部26には、樹脂パッケージ4が入り込んでいる。そして、リード部分8の角部の下面は、樹脂パッケージ4の裏面において、パッド接続端子27として露出している。
【0016】
3つのリード6は、平面視で、樹脂パッケージ4の4つの角部のうちのリード部分8が配置されている角部を除いた3つの角部に配置されている。
樹脂パッケージ4の第1側面10と第4側面18とがなす角部に配置されているリード6(以下、3つのリード6を総称する場合を除いて「第1リード6」という。)は、平面視で、アイランド部分7の中央部の下面の1辺とほぼ平行に延びる辺28と、辺28の両端部からそれぞれ第1側面10および第4側面18と平行に延びる辺29,30と、辺29の端部から第4側面18と平行に延びる辺31と、第1側面10上を延びる辺32と、辺30の途中部から辺28とほぼ平行な方向に延びる辺33と、辺33の端部から第4側面18と平行に延びる辺34とを有する形状をなしている。
【0017】
第1リード6の辺32をなす側面は、樹脂パッケージ4の第1側面10において、第1側面10と面一をなして露出している。また、第1リード6の辺31をなす側面は、樹脂パッケージ4の第4側面18に対して間隔を空けて平行に延びている。この側面から第4側面18に向けて、平面視四角形状の吊り部35が延びている。吊り部35の端面は、第4側面18において、第4側面18と面一をなして露出している。
【0018】
第1リード6において、辺30,32〜34により囲まれる台形状部分36および辺28に沿った所定幅の部分37は、それら以外の残余の部分38よりも薄く形成されている。また、台形状部分36の上面は、部分37,38の上面よりも一段低く(たとえば、0.03〜0.05mm低く)形成されている。これにより、台形状部分36は、第1リード6において最も薄く形成されている。最も厚く形成された部分38は、辺33と同一直線上に配置される側面39を有しており、その部分38の下面には、側面39において開放される半円形状の凹部40が形成されている。凹部40には、樹脂パッケージ4が入り込んでいる。そして、部分38の下面は、樹脂パッケージ4の裏面において、パッド接続端子41として露出している。
【0019】
樹脂パッケージ4の第2側面11と第3側面17とがなす角部に配置されているリード6(以下、3つのリード6を総称する場合を除いて「第2リード6」という。)は、平面視で、アイランド部分7の中央部の下面の1辺とほぼ平行に延びる辺42と、辺42の両端部からそれぞれ第2側面11および第3側面17と平行に延びる辺43,44と、辺44の端部から第2側面11と平行に延びる辺45と、第3側面17上を延びる辺46とを有する形状をなしている。
【0020】
第2リード6の辺46をなす側面は、樹脂パッケージ4の第3側面17において、第3側面17と面一をなして露出している。また、第2リード6の辺45をなす側面は、樹脂パッケージ4の第2側面11に対して間隔を空けて平行に延びている。この側面から第2側面11に向けて、平面視四角形状の吊り部47が延びている。吊り部47の端面は、第2側面11において、第2側面11と面一をなして露出している。
【0021】
第2リード6において、辺42,43に沿った所定幅の部分48は、それ以外の残余の部分49よりも薄く形成されている。相対的に厚く形成された部分49は、辺42とほぼ平行な直線上に配置される側面50を有しており、その部分49の下面には、側面50において開放される半円形状の凹部51が形成されている。凹部51には、樹脂パッケージ4が入り込んでいる。そして、部分49の下面は、樹脂パッケージ4の裏面において、パッド接続端子52として露出している。
【0022】
樹脂パッケージ4の第3側面17と第4側面18とがなす角部に配置されているリード6(以下、3つのリード6を総称する場合を除いて「第3リード6」という。)は、平面視で、アイランド部分7の中央部の下面の1辺とほぼ平行な辺53と、辺53の両端部からそれぞれ第3側面17および第4側面18と平行に延びる辺54,55と、辺54の端部から第4側面18と平行に延びる辺56と、第3側面17上を延びる辺57とを有する形状をなしている。
【0023】
第3リード6の辺57をなす側面は、樹脂パッケージ4の第3側面17において、第3側面17と面一をなして露出している。また、第3リード6の辺45をなす側面は、樹脂パッケージ4の第4側面18に対して間隔を空けて平行に延びている。この側面から第4側面18に向けて、平面視四角形状の吊り部58が延びている。吊り部58の端面は、第4側面18において、第4側面18と面一をなして露出している。
【0024】
第3リード6において、辺53〜55に沿った所定幅の部分59は、それ以外の残余の部分60よりも薄く形成されている。相対的に厚く形成された部分60は、辺53とほぼ平行な直線上に配置される側面61を有しており、その部分60の下面には、側面61において開放される半円形状の凹部62が形成されている。そして、部分60の下面は、樹脂パッケージ4の裏面において、パッド接続端子63として露出している。
【0025】
なお、リード一体型アイランド5および各リード6における厚さの大小は、ケミカルエッチングまたは潰し加工により形成することができる。
半導体チップ3は、機能素子が形成されている側の表面(デバイス形成面)を上方に向けた状態で、その裏面がペースト状の導電性接合剤を介してリード一体型アイランド5の上面に接合(ダイボンディング)されている。半導体チップ3は、扁平な直方体形状(この実施形態では、平面視正方形状の6面体)に形成され、平面視で、その直交する2辺が第1の切欠部13の直線部分12および第2の切欠部15の直線部分14に沿うような状態で、リード一体型アイランド5の上面において、パッド接続端子27側に片寄った位置に配置されている。半導体チップ3は、第2リード6および第3リード6とそれぞれ最も近接する2つの角部64A,64Bがリード一体型アイランド5からはみ出している。
【0026】
半導体チップ3の表面には、第3リード6側に片寄った位置に、配線層の一部を表面保護膜から露出させることにより、4つの第1〜第4パッド65〜68が形成されている。この実施形態では、第1パッド65は、半導体チップ3の表面の第3リード6に最も近い角部に配置されている。第2パッド66は、第1パッド65に対して第4側面18と平行をなす方向に間隔を空けた位置に配置されている。第3パッド67は、第1パッド65に対して第3側面17と平行をなす方向に間隔を空けた位置に配置されている。第4パッド68は、第1パッド65と第2パッド66との間に、それらとの間に間隔を空けて配置されている。
【0027】
第1パッド65と第2リード6および第3リード6間に配置されるリード一体型アイランド5の吊り部9の上面との間には、金細線からなるワイヤ69が架設されている。これにより、第1パッド65は、リード一体型アイランド5と電気的に接続され、その下面がなすパッド接続端子27と電気的に接続されている。
第2パッド66と第1リード6の部分38の上面との間には、金細線からなるワイヤ70が架設されている。これにより、第2パッド66は、第1リード6と電気的に接続され、その下面がなすパッド接続端子41と電気的に接続されている。
【0028】
第3パッド67と第2リード6の部分49の上面との間には、金細線からなるワイヤ71が架設されている。これにより、第3パッド67は、第2リード6と電気的に接続され、その下面がなすパッド接続端子52と電気的に接続されている。
第4パッド68と第3リード6の部分60の上面との間には、金細線からなるワイヤ72が架設されている。これにより、第4パッド68は、第3リード6と電気的に接続され、その下面がなすパッド接続端子63と電気的に接続されている。
【0029】
この実施形態では
図1に示すように、3つのリード6が、平面視で、樹脂パッケージ4の4つの角部のうちのリード部分8が配置されている角部を除いた3つの角部に配置されている。そして、樹脂パッケージ4の残りの角部に片寄って配置された半導体チップ3の第1〜第4パッド65〜68から、これら3つのリード6および、第2および第3リード6間の吊り部9に対して、ワイヤ69〜72が延びている。これにより、樹脂パッケージ4内では、第1リード6と第2リード6との対向方向に延びる対角線により樹脂パッケージ4を2つの二等辺三角形に分けた場合、第3リード6が配置される側(リード部分8が配置される側の反対側)に片寄ってボンディングが施されている。
【0030】
また、リード一体型アイランド5のアイランド部分7の上面には、半導体チップ3の接合位置とワイヤ69の接続位置との間に、樹脂パッケージ4の第1側面10と平行に延びる直線状の溝73が形成されている。
以上のように、樹脂パッケージ4の裏面において、裏面接続端子19およびパッド接続端子27,41,52,63が露出している。そのため、半導体装置1は、配線基板への表面実装が可能である。
【0031】
リード一体型アイランド5の上面において、半導体チップ3がパッド接続端子27側に片寄った位置に配置されることにより、半導体チップ3の表面の第1パッド65とリード一体型アイランド5の吊り部9の上面との間に、ワイヤ69を良好に架設可能な間隔(ワイヤループを正常に描くことが可能な間隔)が確保される。そのため、第1パッド65と吊り部9との間にワイヤ69を良好に架設することができる。第1パッド65とリード一体型アイランド5の上面とがワイヤ69で接続されることにより、第1パッド65とパッド接続端子27との電気接続を達成することができる。
【0032】
また、リード一体型アイランド5の一方面上において、半導体チップ3がパッド接続端子27側に片寄った位置に配置されているので、リード6がリード一体型アイランド5に近づけて配置されても、半導体チップの表面の第2〜第4パッド66〜68とリード6との各間に、ワイヤ70〜72を良好に架設可能な間隔が確保される。そのため、第2〜第4パッド66〜68とリード6との各間に、ワイヤ70〜72を良好に架設することができる。第2〜第4パッド66〜68とリード6とがそれぞれワイヤ70〜72で接続されることにより、第2〜第4パッド66〜68とリード6の下面のパッド接続端子41,52,63との電気接続を達成することができる。
【0033】
よって、第1〜第4パッド65〜68とパッド接続端子27,41,52,63との電気接続を達成することができながら、リード6がリード一体型アイランド5に近づけて配置されることにより、樹脂パッケージ4の平面積(実装面積)の低減を図ることができる。
また、リード一体型アイランド5の上面において、半導体チップ3の接合位置とワイヤ69の接続位置との間に、溝73が形成されているので、半導体チップ3の裏面とリード一体型アイランド5の上面との間から導電性接合剤がはみ出しても、その接合剤のはみ出しを溝73で食い止めることができる。よって、導電性接合剤がリード一体型アイランド5の上面におけるワイヤ69の接続位置に達するのを防止することができ、導電性接合剤とワイヤ69との接触による短絡を防止することができる。
【0034】
また、第1〜第4パッド65〜68は、半導体チップ3の表面において、パッド接続端子27側と反対側、つまりパッド接続端子63側に片寄った位置に配置されている。これにより、半導体チップ3がリード一体型アイランド5の上面においてパッド接続端子27側に片寄った位置に配置されていても、第2〜第4パッド66〜68とリード6との各間の間隔が大きくなりすぎるのを防止することができる。したがって、それらの間に架設されるワイヤ70〜72が長くなりすぎるのを防止することができる。その結果、ワイヤ70〜72を良好に架設することができ、また、ワイヤ70〜72にかかるコスト(材料費)の増大を抑制することができる。
【0035】
図1に示すように、半導体チップ3は、平面視でその一部がパッド接続端子27と重なるように配置されている。これにより、半導体チップ3のサイズをパッド接続端子27側に大きくすることができる。半導体チップ3のサイズがパッド接続端子27側に大きくされても、半導体チップ3と各リード6との間隔は不変であるので、リード一体型アイランド5からリード6を遠ざける必要がない。そのため、樹脂パッケージ4の平面積を増大させることなく、半導体チップ3のサイズを大型化することができ、また、第2〜4パッド66〜68とリード6との各間にワイヤ70〜72を良好に架設することができる。
【0036】
また、半導体チップ3は、平面視でリード一体型アイランド5からはみ出している部分64A,64Bを有している。そして、第1リード6において、そのはみ出し部分64Aと対向する台形状部分36の上面は、他の部分37,38の上面よりも一段低く形成されている。これにより、はみ出し部分64Aが第1リード6の上面と接触するのを確実に防止することができる。
【0037】
なお、第2リード6において、半導体チップ3のリード一体型アイランド5からはみ出している部分64Bと対向する部分の上面が他の部分の上面よりも低く形成されてもよい。この場合、そのはみ出し部分64Bが第2リード6の上面と接触するのを確実に防止することができる。
また、半導体チップ3は、平面視四角形状に形成され、その側面が樹脂パッケージ4の側面と平行をなすように配置されている。これにより、リード一体型アイランド5上での半導体チップ3のパッド65〜68の位置を認識するための2つのアライメントマーク(図示せず)を、半導体チップ3の表面における対角線上に形成することができる。そのため、2つのアライメントマークの間の間隔を大きくとることができ、半導体チップ3のパッド65〜68の位置を高精度で認識することができる。その結果、リード一体型アイランド5上での半導体チップのパッド65〜68の位置を高精度で位置決めすることができる。
【0038】
また、リード一体型アイランド5には、直線部分12を有する切欠部13と、直線部分12と直交する方向に延びる直線部分14を有する切欠部15とが形成されている。そのため、2つの直線部分12,14を基準として、半導体チップ3の端縁が直線部分12,14と重なるように、半導体チップ3がリード一体型アイランド5の上面に配置されることにより、そのリード一体型アイランド5上において、半導体チップ3を各直線部分12,14と直交する2方向に容易に位置決めすることができる。
【0039】
また、3つのリード6にそれぞれ凹部40,51,62が形成され、それらの凹部40,51,62に樹脂パッケージ4が入り込んでいる。そのため、リード6の凹部40,51,62が形成されている部分は、その厚さ方向の両側から樹脂パッケージ4に挟持される。そのため、樹脂パッケージ4からのリード6の脱落を防止することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、他の形態で実施することもできる。
【0040】
たとえば、第1パッド65とリード一体型アイランド5との間に、ワイヤ69が必ずしも架設されなくてもよい。この場合、第1パッド65とパッド接続端子27との電気接続が達成されないので、パッド接続端子27は、第1パッド65との電気接続に寄与しないダミー端子となる。
また、凹部40,51,62の形状は、平面視半円形状に限らず、たとえば、平面視N角形状(N≧3)であってもよい。
【0041】
本発明の実施形態について詳細に説明してきたが、これらは本発明の技術的内容を明らかにするために用いられた具体例に過ぎず、本発明はこれらの具体例に限定して解釈されるべきではなく、本発明の精神および範囲は添付の請求の範囲によってのみ限定される。
また、本発明の各実施形態において表した構成要素は、本発明の範囲で組み合わせることができる。
【0042】
なお、前述の実施形態の内容から、特許請求の範囲に記載した発明以外にも、以下のような特徴が抽出され得る。
たとえば、一の局面にかかる半導体装置は、樹脂パッケージと、前記樹脂パッケージに封止され、第1および第2のパッドを表面に有する半導体チップと、前記樹脂パッケージに封止され、一方面に前記半導体チップの裏面が接合され、その一方面とは反対側の他方面が、第1のパッド接続端子として、前記樹脂パッケージの底面の中央部から部分的に露出するリード一体型アイランドと、前記リード一体型アイランドと分離して形成されており、前記樹脂パッケージに封止され、一方面が、前記第2のパッドと電気的に接続され、その一方面と反対側の他方面が、前記第2のパッドと外部とを電気接続できる第2のパッド接続端子として、前記樹脂パッケージの底面から露出するリードとを含み、前記半導体チップの重心が、前記樹脂パッケージの重心からずれている。
【0043】
また、前記半導体チップは、前記リード一体型アイランドの前記一方面上において、前記第1のパッド接続端子側に片寄った位置に配置され、前記第1のパッドと前記リード一体型アイランドの前記一方面とがワイヤにより接続されていてもよい。
リード一体型アイランドの一方面上において、半導体チップが第1のパッド接続端子側に片寄った位置に配置されることにより、半導体チップの表面の第1のパッドとリード一体型アイランドの一方面上におけるワイヤの接合位置との間に、ワイヤを良好に架設可能な間隔(ワイヤループを正常に描くことが可能な間隔)が確保される。そのため、その接合位置と第1のパッドとの間にワイヤを良好に架設することができる。第1のパッドとリード一体型アイランドの一方面とがワイヤで接続されることにより、第1のパッドと第1のパッド接続端子との電気接続を達成することができる。
【0044】
また、リード一体型アイランドの一方面上において、半導体チップが第1のパッド接続端子側に片寄った位置に配置されているので、リードがリード一体型アイランドに近づけて配置されても、半導体チップの表面の第2のパッドとリードとの間に、ワイヤを良好に架設可能な間隔が確保される。そのため、第2のパッドとリードとの間にワイヤを良好に架設することができる。第2のパッドとリードとがワイヤで接続されることにより、第2のパッドと第2のパッド接続端子との電気接続を達成することができる。
【0045】
よって、第1および第2のパッドと第1および第2のパッド接続端子との各電気接続を達成することができながら、リードがリード一体型アイランドに近づけて配置されることにより、樹脂パッケージの平面積(実装面積)の低減を図ることができる。
通常、半導体チップをリード一体型アイランドに対して固定するために、半導体チップの裏面とリード一体型アイランドの一方面との間には、ペースト状の導電性接合剤が介在される。導電性接合剤がペースト状であるので、半導体チップの裏面をリード一体型アイランドの一方面に接合したときに、半導体チップの裏面とリード一体型アイランドの一方面との間から導電性接合剤がはみ出すおそれがある。
【0046】
そのため、リード一体型アイランドの一方面において、半導体チップの接合位置とワイヤの接続位置との間に、溝が形成されていることが好ましい。
これにより、半導体チップの裏面とリード一体型アイランドの一方面との間から導電性接合剤がはみ出しても、その接合剤のはみ出しを溝で食い止めることができる。よって、導電性接合剤がリード一体型アイランドの一方面上のワイヤの接続位置に達するのを防止することができ、導電性接合剤とワイヤとの接触による短絡を防止することができる。
【0047】
また、第1および第2のパッドは、半導体チップの表面において、第1のパッド接続端子側と反対側に片寄った位置に配置されていることが好ましい。
これにより、半導体チップがリード一体型アイランドの一方面上で第1のパッド接続端子側に片寄った位置に配置されていても、第1および第2のパッドとリードとの間の間隔が大きくなりすぎるのを防止することができる。したがって、それらの間に架設されるワイヤが長くなりすぎるのを防止することができる。その結果、ワイヤを良好に架設することができ、また、ワイヤにかかるコスト(材料費)の増大を抑制することができる。
【0048】
半導体チップは、平面視でその一部が第1のパッド接続端子と重なるように配置されていてもよい。言い換えれば、平面視で半導体チップの一部が第1のパッド接続端子と重なる程度にまで、半導体チップのサイズが第1のパッド接続端子側に大きくされてもよい。
半導体チップのサイズが第1のパッド接続端子側に大きくされても、半導体チップとリードとの間隔は不変であるので、リード一体型アイランドからリードを遠ざける必要がない。そのため、樹脂パッケージの平面積を増大させることなく、半導体チップのサイズを大型化することができ、また、第2のパッドとリードとの間にワイヤを良好に架設することができる。
【0049】
樹脂パッケージは、平面視四角形状に形成されていてもよい。そして、リードが3つ設けられてもよく、この場合、第1のパッド接続端子は、前記樹脂パッケージの底面の1つの角部に配置され、第2のパッド接続端子は、樹脂パッケージの底面の残りの各角部に1つずつ配置されてもよい。
また、半導体チップは、平面視でリード一体型アイランドからはみ出しているはみ出し部分を有していてもよい。この場合、はみ出し部分と最も近接したリードの一方面には、はみ出し部分と対向する部分が一段下がる段差が形成されていることが好ましい。
【0050】
これにより、はみ出し部分がリードの一方面と接触するのを確実に防止することができる。
また、樹脂パッケージが平面視四角形状に形成される場合、半導体チップは、平面視四角形状に形成され、その側面が樹脂パッケージの側面と平行をなすように配置されていることが好ましい。
【0051】
リード一体型アイランド上での半導体チップのパッドの位置を認識するための2つのアライメントマークを、半導体チップの表面における対角線上に形成することができる。そのため、2つのアライメントマークの間の間隔を大きくとることができ、半導体チップのパッドの位置を高精度で認識することができる。その結果、リード一体型アイランド上での半導体チップのパッドの位置を高精度で位置決めすることができる。
【0052】
また、半導体チップが平面視四角形状に形成される場合、リード一体型アイランドに、リード一体型アイランドをその側面から切り欠くことにより、半導体チップをリード一体型アイランドに対して位置決めする際の基準となる直線部分を有する切欠部が形成されていることが好ましい。
リード一体型アイランドに形成された直線部分を基準として、リード一体型アイランドの一方面上において、半導体チップを直線部分と直交する方向に容易に位置決めすることができる。
【0053】
さらに、前記半導体装置では、リード一体型アイランドに、2つの切欠部が形成され、各切欠部が有する直線部分が互いに直交する方向に延びていることがより好ましい。
互いに直交する方向に延びる2つの直線部分を基準として、リード一体型アイランドの一方面上において、半導体チップを各直線部分と直交する2方向に容易に位置決めすることができる。
【0054】
さらにまた、前記半導体装置では、半導体チップの端縁が直線部分と重なるように、半導体チップがリード一体型アイランドの一方面上に配置されることにより、半導体チップを一層容易に位置決めすることができる。
また、前記半導体装置では、リードに、他方面側から窪み、その側面において開放される凹部が形成され、凹部に、樹脂パッケージが入り込んでいることが好ましい。
【0055】
凹部に樹脂パッケージが入り込むことにより、リードの凹部が形成されている部分は、その厚さ方向の両側から樹脂パッケージに挟持される。そのため、樹脂パッケージからのリードの脱落を防止することができる。
また、前記樹脂パッケージの外形は、平面視正方形状の6面体であってよく、その場合、前記リード一体型アイランドは、平面視で前記樹脂パッケージの各辺のいずれかの辺に対して45°傾斜する辺を有するアイランド部分を含んでいることが好ましい。
【0056】
また、前記リード一体型アイランドは、前記アイランド部分から前記樹脂パッケージの側面に向けて延びる吊り部を有していてもよく、その場合、前記吊り部の端面は、前記樹脂パッケージの側面において、その側面と面一をなして露出していることが好ましい。
また、前記リード一体型アイランドは、前記アイランド部分の1辺に結合されたリード部分を含み、前記アイランド部分の中央部および前記リード部分の角部は、それら以外の残余の部分よりも厚く形成されていることが好ましい。
【0057】
前記裏面接続端子は、前記樹脂パッケージの各辺に対して45°傾斜する4辺を有する四角形状をなしていてもよい。
また、前記段差は、前記リードの前記一方面より0.03〜0.05mm低く形成されていてもよい。
他の局面にかかる半導体装置は、樹脂パッケージと、前記樹脂パッケージに封止され、パッドを表面に有する半導体チップと、前記樹脂パッケージに封止され、一方面に前記半導体チップの裏面が接合され、その一方面と反対側の他方面が、接続端子として、前記樹脂パッケージの底面から部分的に露出するリード一体型アイランドと、前記リード一体型アイランドと分離して形成されており、前記樹脂パッケージに封止され、一方面が、前記パッドと電気的に接続され、その一方面と反対側の他方面が、パッド接続端子として、前記樹脂パッケージの底面から露出するリードとを含み、前記半導体チップの重心が、前記樹脂パッケージの重心からずれていてもよい。
【0058】
また、前記半導体チップは、前記リード一体型アイランドの前記一方面上において、前記接続端子側に片寄った位置に配置されていてもよい。
リード一体型アイランドの一方面上において、半導体チップが接続端子側に片寄った位置に配置されているので、リードがリード一体型アイランドに近づけて配置されても、半導体チップの表面のパッドとリードとの間に、ワイヤを良好に架設可能な間隔(ワイヤループを正常に描くことが可能な間隔)が確保される。そのため、パッドとリードとの間にワイヤを良好に架設することができながら、リードがリード一体型アイランドに近づけて配置されることにより、樹脂パッケージの平面積(実装面積)の低減を図ることができる。