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前記第1の共振器コイルが前記第2の共振器コイルに近接した場合の前記第2の共振器コイルのインダクタンスの変化を、前記複数の導電材料片のサイズ、形状、及び幾何学的位置のうちの少なくとも1つによって小さくする、請求項1に記載のシステム。
前記導電材料の前記複数片の少なくとも第1の部分が第1の形状であり、前記導電材料の前記複数片の少なくとも第2の部分が第2の形状である、請求項2に記載のシステム。
前記導電材料の前記複数片の少なくとも第1の部分が第1の形状であり、前記導電材料の前記複数片の少なくとも第2の部分が第2の形状である、請求項17に記載のシステム。
【図面の簡単な説明】
【0018】
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図1】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
【
図2A】
図2Aは、本開示の1つ以上の例示的実施態様による装置側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図2B】
図2Bは、本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
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図3】本開示の1つ以上の例示的実施態様による装置側共振器の一例を示す図である。
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図4】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の一例を示す図である。
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図5】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
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図6】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の一例を示す図である。
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図7】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
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図8】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
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図9】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の一例を示す図である。
【
図10】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の一例を示す図である。
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図11A】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
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図11B】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
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図12A】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
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図12B】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
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図12C】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
【
図12D】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
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図12E】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
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図12F】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
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図12G】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
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図12H】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の各層の一例を示す図である。
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図13】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
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図14A】
図14Aは、本開示の1つ以上の例示的実施態様による1つ以上の供給側共振器コイルの一例を示す図である。
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図14B】
図14B〜14Cは、本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
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図14C】
図14B〜14Cは、本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの一例を示す図である。
【
図14D】
図14Dは、本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの各層の一例を示す図である。
【
図15】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図16】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図17】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図18】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図19A】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図19B】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図20】本開示の1つ以上の例示的実施態様による供給側共振器コイルの一例を示す図である。
【
図21】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの電流センサの一例を示す図である。
【
図22】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの電流センサの一例を示す図である。
【
図23】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの電流センサの一例の出力測定値のグラフ例である。
【
図24】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の電流センサの一例の回路図である。
【
図25】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ供給源の電流センサの一例の回路図である。
【
図26】本開示の1つ以上の例示的実施態様による無線エネルギ伝送システムの電流センサの一例の出力測定値のグラフ例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
無線電力伝送システムの様々な態様が、例えば、共同所有された米国特許出願公開第2010/0141042(A1)号、米国特許出願公開第2014/0049118(A1)号、米国特許出願第2012/0119569(A1)号、及び米国特許出願第2013/0069753(A1)号において開示されており、これらの全内容が参照によって本明細書に組み込まれている。
【0020】
上述のように、エネルギ又は電力を無線で伝送することは、様々な既知の技術によって可能であり、その目的は、例えば、電気機器の給電や充電のような仕事をすることである。例えば、無線電力伝送システム(例えば、高共振型無線電力伝送システム)は高Q値共振器を含んでよく、この高Q値共振器は、振動電磁場を発生させるように駆動されることが可能であり、振動磁場との相互作用により電子回路内に電流及び/又は電圧を発生させることが可能である。即ち、エネルギの無線伝送は、振動磁場を用いて行うことが可能である。例えば、(例えば、交流主電源、バッテリ、太陽電池パネル等の電源と結合された)供給側共振器と(例えば、電子モバイル装置、エンクロージャ、スリーブ、ケース、カバー、充電器等と一体化された)リモート(装置側)共振器との間での無線エネルギ交換では、上述のように、関連付けられたモバイル装置の給電又は充電に使用可能な無線エネルギが交換されてよい。電磁共振器などの共振器は、インダクタンスLを有する誘導素子(例えば、銅などの導電材料のループ)又は分散インダクタンス又はインダクタンスの組み合わせと、キャパシタンスCを有する容量素子又は分散キャパシタンス又はキャパシタンスの組み合わせと、を含んでよい。キャパシタに蓄積された電場エネルギなどの初期エネルギが与えられた状態で、システムは、キャパシタが放電して、エネルギが、インダクタに蓄積される磁場エネルギに変換されるにつれて振動することが可能であり、これによって、エネルギが、キャパシタ104に蓄積される電場エネルギに戻ることが可能である。「ループ」や「コイル」という用語は、一般に、任意の形状及び寸法の面を任意の巻数で囲むか取り巻くことが可能な導電構造(例えば、ワイヤ、チューブ、ストリップ/パターン等)を意味するものであってよい。無線エネルギ伝送用共振器についてのより踏み込んだ説明及び実施例が、上述の共同所有された特許出願のうちの1つ以上において見られるであろう。
【0021】
少なくとも
図1を参照すると、無線エネルギ伝送システムの一例100が示されている。実施態様によっては、無線エネルギ伝送システム100は、モバイル装置用途向けであってよく、例えば、1つ以上の供給源(例えば、供給源104)と1つ以上の装置(例えば、装置102)とを含んでよい。実施態様によっては、供給源と結合される電源は、直流(DC)電源(例えば、バッテリなどのDC電源)又は交流(AC)電源(例えば、壁コンセントなどのAC電源)であってよい。実施態様によっては、マイクロコントローラ(例えば、マイクロコントローラ106)が電力増幅器(例えば、電力増幅器108)を動作周波数で駆動してよい。実施態様によっては、マイクロコントローラ106は、電力増幅器108を、帯域内通信の手段として駆動することに使用されてよい。供給側共振器(例えば、供給側共振器110)の共振周波数は、動作周波数と同じであってよい。実施態様によっては、動作周波数は、いわゆる「高周波数」を含んでよく、これは、85KHz以上、又は200KHz超、又は1MHz超であってよい。実施態様によっては、動作周波数は、6.78MHz又は13.56MHzなどの高周波数を含んでよい。当然のことながら、 本開示の範囲から逸脱しない限り、上述の周波数より低い周波数を含む他の様々な周波数が使用されてもよい。実施態様によっては、電力増幅器108は、例えば、D級又はE級の増幅器であってよい。但し、当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、他の級の増幅器が使用されてもよい。供給源104は、Bluetooth(登録商標)やWiFiなどの、装置102との帯域外無線通信の手段を有してよい。
【0022】
実施態様によっては、無線エネルギ装置(例えば、装置102)は、無線エネルギ供給源(例えば、供給側共振器110経由の供給源104)が発生させた振動磁場を取り込むように設計された装置側共振器(例えば、装置側共振器112)を含んでよい。装置102も、供給源104との帯域外無線通信の手段を有してよい。装置102は、電力を管理するコントローラ(例えば、埋め込みコントローラ114)を含んでよい。装置102の出力は、バッテリ、電気器具、モバイル電子装置等のような負荷であってよい。当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、装置102及び供給源104の他の様々な態様(例えば、インピーダンスマッチングネットワーク等)が含まれてよい。無線エネルギ伝送の供給源、装置、及びこれらに関連する相互作用/使用法についてのより踏み込んだ説明及び実施例が、上述の共同所有された特許出願のうちの1つ以上において見られるであろう。従って、本開示のどの特定の実施態様(例えば、構成、構成要素、電子装置)の実施例及び説明も、例としてのみ理解されるべきであり、そうではない、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0023】
実施態様によっては、1つ以上の装置側共振器及びそれらに関連する電子回路が、モバイル装置のエンクロージャと一体化されてよい。例えば、後で詳述するように、この共振器及び電子回路は、例えば携帯電話のエンクロージャの背面に収まるように、外形が十分薄くなるよう設計されてよい。別の例として、この共振器及び電子回路は、例えば、モバイル装置用スリーブ又はアタッチメント、並びにモバイル装置を載せておく充電パッドと一体化されるように、外形が十分薄くなるよう設計されてよい。スリーブ又はアタッチメントは、モバイル装置のポートを介してモバイル装置に取り付けられてよい。装置側共振器及び電子回路によって取り込まれたエネルギは、(例えば、有線接続により、又はモバイル装置の充電ポートを介して)モバイル装置のバッテリを直接充電することに使用可能である。実施態様によっては、モバイル装置のスリーブ又はアタッチメントは、(例えば、銅、磁気材料、アルミニウムなどで作られた)1つ以上のシールドを含んでよい。実施態様によっては、シールドは、スリーブの環境内の磁場損失を減らすことや、モバイル装置内の磁場損失を減らすことの為に使用されてよく、且つ/又は、磁場のガイドとして使用されてよい。スリーブは、実施態様によっては、モバイル装置のポート、スピーカ、ランプ、カメラなどの邪魔にならないように設計されてよい。無線エネルギ伝送のシールドについてのより踏み込んだ説明及び実施例が、上述の共同所有された特許出願のうちの1つ以上において見られるであろう。
【0024】
実施態様によっては、少なくとも
図2Aを参照すると、装置側共振器コイルの一例112aが示されている。上述のように、共振器コイルは、例えば、モバイル電子装置、スリーブ、又は、携帯電話、スマートフォン、タブレットなどのようなモバイル電子装置のケースに組み込まれてよい。実施態様によっては、共振器コイル112aは、モバイル電子装置が、例えば、少なくとも3Wの電力、少なくとも5Wの電力、又はそれ以上の電力を効率よく受信するように最適化されてよく、電力伝送効率は、例えば、30%超、50%超、70%超、又はそれ以上であってよい。
図2Bは、パッド、平面、卓上などに組み込むことが可能な供給側共振器コイルの一実施例112bを示す。
【0025】
実施態様によっては、少なくとも
図3を参照すると、装置側共振器コイルの別の例112cが示されている。上述のように、共振器コイルは、Bluetoothヘッドセット、センサ、ウェアラブル等のようなモバイル電子装置に組み込まれてよい。実施態様によっては、共振器コイル112cは、電子装置が、例えば、少なくとも0.5Wの電力、少なくとも1Wの電力、又はそれ以上の電力を効率よく受信するように最適化されてよく、電力伝送効率は、例えば、10%超、20%超、30%超、又はそれ以上であってよい。無線エネルギ伝送の電力伝送の最適化についてのより踏み込んだ説明及び実施例が、上述の共同所有された特許出願のうちの1つ以上において見られるであろう。
【0026】
上述のように、供給側共振器と装置側共振器との間の無線エネルギ交換は、共振器同士がほぼ同じ周波数に同調された場合、且つ、システム内の損失が最小の場合に、最適化されたと言える。非限定的な例として、スマートフォンなどの装置は、無線供給される電力又はエネルギを使用して直接給電されてよく、或いは、装置は、バッテリ、スーパキャパシタ、ウルトラキャパシタ等(又は他の種類の電力ドレイン)のようなエネルギ蓄積装置と結合されてよい。エネルギ蓄積装置は、無線で充電又は再充電されてよく、且つ/又は、無線電力伝送メカニズムは、装置の主電源を補うものであってよい。
【0027】
しかしながら、既知の共振器設計同士は、供給源が装置から距離を置いていれば最適化が可能であるが、これらの共振器同士は、近接した場合には、最適から外れる可能性がある。例えば、供給側共振器と装置側共振器とが互いに近づくように動くと、供給側共振器が装置側共振器を離調させる可能性がある。より具体的には、磁気材料を有する無線エネルギ供給源の場合、装置側共振器のインダクタンスは、装置が供給源に近づくにつれて変化する可能性があり、これによって効率が低下する可能性がある。供給側共振器と結合された環境又は電子回路において損失の大きな材料に起因する磁場内の損失を減らすために磁気材料が使用されてよいが、それでも装置側共振器内のインダクタンスの変化によって、予想より大きな、又は予想より小さな出力電圧が引き起こされる可能性がある。例えば、予想より大きな出力電圧のシナリオ例では、装置側共振器は、その電子回路及び/又は負荷(例えば、スマートフォン)に対するダメージを維持する場合がある。予想より小さな出力電圧のシナリオ例では、装置側共振器は、効率的な動作の為の十分な電力を取り込むことができない場合がある。
【0028】
複数の磁気材料片を有する無線エネルギ伝送システム:
実施態様によっては、エネルギを無線伝送する為の供給源が、複数の層を含んでよい。例えば、これらの層のうちの1つが、導電材料(例えば、銅)を含んでよく、これは電源と結合されてよい。別の層は磁気材料を含んでよく、更に別の層は共振器を含んでよく、この共振器は、別の共振器と互いに十分近接した場合に、その別の共振器と無線エネルギを交換するように構成されている。当然のことながら、他の層も含まれてよい。上述のように、供給側共振器と結合された環境又は電子回路において、例えば、損失の大きな材料に起因する磁場内の損失を減らすために磁気材料が使用されてよいが、それでも装置側共振器内のインダクタンスの変化によって、予想より大きな、又は予想より小さな出力電圧が引き起こされる可能性がある。例えば、装置側共振器のインダクタンスは、(例えば、装置が無線充電の為に供給源に近づいた場合などに)磁気材料の近接に対する応答として増加する場合がある。実施態様によっては、この増加を打ち消すように、供給源で使用されている磁気材料の一部を除去したり、配置したりする場合がある。例えば、上述のように、且つ、少なくとも
図4〜5も参照すると、供給源の一例(例えば、供給源402)の磁気材料408内にある、中央穴410を有する供給側共振器コイル406が、装置側共振器のインダクタンスをその、ほぼ元の値まで戻すことが可能である。言い換えれば、この、装置側インダクタンスの「元の値」は、大まかには、自由空間における装置側共振器の自己インダクタンスであると言ってよい。実施態様によっては、少なくとも
図5を参照すると、装置の一例(例えば、装置404)が供給源402に対してオフセットしている場合、インダクタンスは更に変化する可能性があり、これは、例えば、装置404が磁気材料408の直接上方にあることによって引き起こされうる。例えば、あくまで例として、供給側共振器406の中心に対する位置平行移動が20mm×40mmの場合を仮定すると、インダクタンスはやはり(例えば、約17%)変化する可能性がある。別の例として、供給側共振器406の中心に対する位置平行移動が10mm×20mmの場合は、インダクタンスはやはり(例えば、約5.6%)変化する可能性がある。
【0029】
実施態様によっては、供給源が装置側共振器に近接した場合の装置側共振器におけるインダクタンスの変化を、供給源における複数の磁気材料片のサイズ、形状、幾何学的位置、又はこれらの組み合わせによって小さくすることが可能である。例えば、少なくとも
図6〜7を参照すると、インダクタンスの変化を防ぐ為に、磁気材料を、供給側共振器コイル602に近接する複数の水平バー608として配置してよい。例えば、供給側共振器コイル602の中心に対する装置側共振器コイル604の位置平行移動が20mm×40mmの場合は、インダクタンスが約15%変化する可能性がある。例えば、供給側共振器コイル602の中心に対する位置平行移動が10mm×20mmの場合は、インダクタンスが約4.3%変化する可能性がある。
【0030】
別の例として、少なくとも
図8を参照すると、実施態様によっては、インダクタンスの変化を防ぐ為に、磁気材料が供給側共振器コイル606に対して垂直なバー610となるように、磁気材料の形状及び配置を決定してよい。例えば、供給側共振器コイル606の中心に対する装置側共振器コイル604の位置平行移動が20mm×40mmの場合は、インダクタンスが約17%変化する可能性がある。例えば、供給側共振器コイル606の中心に対する位置平行移動が10mm×20mmの場合は、インダクタンスが約7.2%変化する可能性がある。
【0031】
更に別の例として、少なくとも
図9〜10を参照すると、実施態様によっては、インダクタンスの変化を防ぐ為に、磁気材料を、供給側共振器コイル902に対して市松模様に配置してよい。例えば、磁気材料の市松模様は、
図9の例に示されるように粗くしたり、
図10の例に示されるように細かくしたりしてよい。粗い構成の磁気材料904を有する、
図9に示された例では、例えば、供給側共振器コイル902の中心に対する位置平行移動が20mm×40mmの場合は、インダクタンスが約11%変化する可能性がある。例えば、供給側共振器コイル902の中心に対する位置平行移動が10mm×20mmの場合は、インダクタンスが約2.2%変化する可能性がある。細かい構成の磁気材料906を有する、
図10に示された例では、例えば、供給側共振器コイル902の中心に対する位置平行移動が20mm×40mmの場合は、インダクタンスが約12%変化する可能性がある。例えば、供給側共振器コイル902の中心に対する位置平行移動が10mm×20mmの場合は、インダクタンスが約1.4%変化する可能性がある。
【0032】
従って、供給源の磁気材料の形状、サイズ、及び幾何学的パターンを様々にすることにより、装置側共振器のインダクタンスの変化量を小さくすることが可能である。当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、磁気材料の形状、サイズ、幾何学的パターン、及びこれらの組み合わせは様々であってよい。例えば、複数の磁気材料片の少なくとも第1の部分が第1の形状(例えば、正方形)であってよく、複数の磁気材料片の少なくとも第2の部分が第2の形状(例えば、長方形)であってよい。別の例として、複数の磁気材料片の少なくとも第1の部分が第1のサイズ(例えば、10mm×20mm)であってよく、複数の磁気材料片の少なくとも第2の部分が第2のサイズ(例えば、20mm×40mm)であってよい。更に別の例として、複数の磁気材料片の少なくとも第1の部分が第1のパターン(例えば、市松模様)であってよく、複数の磁気材料片の少なくとも第2の部分が第2のパターン(例えば、水平バー)であってよい。従って、磁気材料の特定のサイズ、形状、及び幾何学的パターンについての説明は、例としてのみ理解されるべきであり、そうではない、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。後で詳述するように、導電材料の形状、サイズ、幾何学的パターン、及びこれらの組み合わせも同様に様々であってよく、同様に、導電材料及び磁気材料の形状、サイズ、幾何学的パターン、及びこれらの組み合わせが様々に混成されてよい。
【0033】
複数の導電材料片を有する無線エネルギ伝送システム:
上述のように、供給側共振器と結合されてよい環境又は電子回路において損失の大きな材料に起因する磁場内の損失を減らすために磁気材料が使用されてよいが、それでも装置側共振器内のインダクタンスの変化によって、予想より大きな、又は予想より小さな出力電圧が引き起こされる可能性がある。実施態様によっては、装置側共振器のインダクタンスの変化を防ぐ為に、供給源の磁気材料及び/又は供給側共振器コイルの一部を導電材料で覆ってよい。
【0034】
上述のように、又、少なくとも
図11Aを参照すると、供給源の一例1104と装置の一例1102とが示されている(縮尺は正確ではない)。この例では、装置1102は、装置側共振器コイル1110と、(例えば、モバイル電子装置1106の一部として示される)負荷と、を含んでよい。実施態様によっては、無線エネルギ伝送システムは、導電材料からなる第1の層(例えば、導電材料1114)を含んでよく、導電材料1114は、電源1112の表面の一部又は全てを覆うように構成されてよい。実施態様によっては、導電材料1114からなる第1の層は、銅であってよい。但し、当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、他の導電材料の例、例えば、アルミニウムが使用されてもよい。実施態様によっては、電源はバッテリであってよい。但し、当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、他の電源の例が使用されてもよい。
【0035】
実施態様によっては、磁気材料からなる第2の層(例えば、磁気材料1116)が、導電材料からなる第1の層と、第3の層とに近接して(例えば、それらの間に)配置されてよい。実施態様によっては、磁気材料1116はフェライトを含んでよい。当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、他の磁気材料が使用されてもよい。上述のように、磁気材料1116は、装置側共振器コイル1110をモバイル電子装置1106からシールドする為に使用されてよい。実施態様によっては、磁気材料1116は、厚さが1mm未満であってよい。実施態様によっては、磁気材料1116は、厚さが0.5mm未満であってよい。但し、当然のことながら、磁気材料1116は、供給源1104の所望の特性に応じて他の様々な厚さを有してよい。実施態様によっては、磁気材料の厚さは、予想される伝送電力レベルに依存してよい。磁気材料は、高い電力レベルにおいて、高い磁場にさらされると、飽和する可能性がある。従って、磁気材料が厚いほど、飽和点が高くなる可能性がある。例えば、約10Wの電力を伝送する供給源の場合、磁気材料は0.3mmであれば十分であろう。実施態様によっては、磁気材料の厚さは更に、例えば、0.3mmから0.7mm、1mm+などの範囲であってよい。
【0036】
実施態様によっては、第3の層は、第2の層と第4の層とに近接して(例えば、それらの間に)配置されてよく、第3の層は複数の導電材料片(例えば、導電材料片1118)を含んでよい。後で詳述するように、実施態様によっては、供給側共振器コイル1120と磁気材料1116との間に配置された導電材料片1118は、形状、サイズ、及びパターン化された配置が様々であってよい(少なくとも
図6〜10にも示されている磁気材料片の上述の説明と同様である)。
【0037】
実施態様によっては、第4の層は、第3の層に近接して配置されてよく、第4の層は第1の共振器コイル(例えば、供給側共振器コイル1120)を含んでよく、供給側共振器コイル1120は、(例えば、充電領域内にある)第2の共振器コイル(例えば、装置側共振器コイル1110)に近接した場合に、装置側共振器コイル1110とともに無線エネルギ伝送を行うように構成されてよい。例えば、上述のように、(例えば、AC主電源、バッテリ、太陽電池パネル等の電源と結合されてよい)供給側共振器と、(例えば、モバイル装置、エンクロージャ、スリーブ、ケース、カバー、充電器等と一体化された)装置側共振器との間の無線エネルギ伝送は、これも上述のように、関連付けられた(モバイル)電子装置の給電又は充電に使用されてよい。
【0038】
実施態様によっては、供給側共振器コイル1120は銅パターンを含んでよい。例えば、供給側共振器コイル1120は、既知の手法により、プリント回路基板(PCB)内に設計されてよい。当然のことながら、必要に応じて、PCBは様々な変形形態を包含してよく、例えば、プリント配線基板(PWB)、プリント回路アセンブリ(PCA)、プリント回路基板アセンブリ(PCBA)等、又はこれらの組み合わせを包含してよい。従って、全体を通して使用されている「プリント回路基板」又は「PCB」という用語は、必要に応じて、上述の変形形態のうちの1つ以上を包含するものとして解釈されてよい。実施態様によっては、第1、第2、第3、及び第4の層のうちの少なくとも1つが、PCBの別々の面上にあってよい。例えば、この例では、少なくとも2層(面)PCBが使用されているとする。この例では、PCBは、PCBの第2層(例えば、第2面)に供給側共振器コイル1120を含んでよく、複数の導電材料片1118は、PCBの1つ以上の別の層(例えば、第1面)にあってよい。実施態様によっては、本開示の範囲から逸脱しない限り、様々な面配置の組み合わせが用いられてよい。例えば、複数の導電材料片1118のある部分が1つのPCB面に配置されてよく、複数の導電材料片1118の別の部分が別のPCB面に配置されてよい。実施態様によっては、面のうちの2つが同じ面であってよい。実施態様によっては、少なくとも幾つかの層が、PCBの一部でなくてよい。例えば、実施態様によっては、導電材料1114は、PCBの上面(又は下面)と結合された、独立した材料片であってよい。実施態様によっては、導電材料の2つの層だけがPCB内にあってよく、残りの層は、PCBの外にあってよい。従って、PCB内に層が幾つある、という説明は、例としてのみ理解されるべきであり、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0039】
実施態様によっては、供給側共振器コイル1120のパターンを増やすことによって、そのQ値を高めることが可能である。例えば、パターン等を作成する為に、より多くのループ、より大量の導電材料が使用されてよい。無線エネルギ伝送の共振器の品質係数(即ち、Q値)についてのより踏み込んだ説明及び実施例が、上述の共同所有された特許出願のうちの1つ以上において見られるであろう。一方、供給側共振器コイル1120の下の導電材料片を減らすことにより、装置側共振器コイル1110が直面する(即ち、影響を受ける)可能性がある導電材料の増えた分を補償することが可能である。
【0040】
当然のことながら、上述の供給源の各層の順序は、別の順序で構成されてもよい。例えば、少なくとも
図11Bを参照すると、供給源1104は、導電材料1114からなる第1の層と、磁気材料1116からなる第2の層と、1つ以上の供給側共振器コイル1120からなる第3の層と、複数の導電材料片1118からなる第4の層と、を有してよい。言い換えると、実施態様によっては、複数の導電材料片1118からなる第4の層は、装置1102に面する外層であってよい。従って、各「層」の記載された順序は、例としてのみ理解されるべきであり、そうではない、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。同様に、「第1の層」、「第2の層」などの用語の使用は、特定の層順を意味するものでなくてよい。
【0041】
実施態様によっては、第1の層は、モバイルバッテリ装置1112の表面と結合されるように構成されてよい。例えば、上述のように、上述の構成例は、モバイルバッテリ装置自体のフットプリントを必ずしも変更することなく、モバイルバッテリ装置の一部として組み込まれるほどの小さなサイズで無線エネルギを交換することを十分に実施することが可能である。実施態様によっては、モバイルバッテリ装置1112との「接続」は、直接の電気的接続とは異なる物理的機械的接続であってよい(或いは、物理的機械的接続とは異なる直接の電気的接続であってよい)。この例では、共振器は、例えば、モバイルバッテリ装置1112との磁場相互作用を防ぐ為のシールドを行うフェライト及び金属を含んでよい。
【0042】
実施態様によっては、後で詳述するように、供給源1104は、複数の供給側共振器を含んでよい。例えば、実施態様によっては、装置側共振器1110と少なくとも1つの供給側共振器との間の結合を高める為に、2つ以上の供給側共振器が、それらのそれぞれの水平軸が揃った状態で(又は揃わない状態で)(例えば、水平方向に、又は互いに同じ面内で)隣り合って使用されてよく、同様に、それらのそれぞれの垂直軸が揃った状態で(又は揃わない状態で)別々の面内で互いに垂直に(例えば、上下に)隣り合って使用されてよい。実施態様によっては、この2つ以上の供給側共振器は、直列且つ/又は並列に接続されてよい。従って、単一の(例えば、供給側)共振器の記載は、例としてのみ理解されるべきであり、且つ、2つ以上の供給側共振器があるものと解釈されてよい。
【0043】
実施態様によっては、少なくとも
図12Aを参照すると、供給側共振器コイル1202が、軸1204に関して対称であってよい。実施態様によっては、供給側共振器コイル1202は、1つ以上のループ(例えば、
図12Aに示されるような、3つ以上のループ)又は(
図12Cに示されるような)4つ以上のループを有してよい。当然のことながら、供給側共振器コイル1202の所望の特性に応じて、任意の数のループが使用されてよい。例えば、供給側共振器コイル1202は、その表面から(Z方向、即ち、ページから出る方向に)距離にして約3mm離れている無線装置側共振器に電力を伝送することに対して最適化されてよい。実施態様によっては、供給側共振器コイル1202は、装置側共振器コイルのサイズに対して、且つ/又は、装置側共振器コイルまでの様々な距離に対して最適化されてよい。例えば、この距離は、3mm、5mm、10mm、又はそれ以上であってよい。
【0044】
実施態様によっては、上述のように、又、
図12A〜12Hを少なくとも参照すると、供給側共振器コイル1120と磁気材料1116との間に配置された導電材料片1118は、形状、サイズ、及びパターン化された(又はパターン化されていない)配置が様々であってよい(少なくとも
図6〜10の磁気材料片の上述の説明と同様である)。実施態様によっては、供給側共振器コイル1120が装置側共振器コイル1110に近接した場合の装置側共振器コイル1110のインダクタンスの変化を、複数の導電材料片1118のサイズ、形状、及び幾何学的配置のうちの少なくとも1つによって小さくすることが可能である。例えば、導電材料片1118は、装置側共振器コイル1110から見えるように、磁気材料に対して、より大きくさらされてよい場合には、より大きなサイズであってよく、供給側共振器コイル1120の中心において、より互いに近接して配置されてよい。例えば、
図12Bは、複数の導電材料片1118による一実施例を示しており、(例えば、
図12Aの軸1204と、
図12Bの軸1204とを揃えて)導電材料片1118を供給側共振器コイル1202の下に配置することにより、装置側共振器コイル1110のインダクタンスの変化を小さくすることが可能である。この例では、導電材料片1118の様々な形状、サイズ、及び幾何学的パターンが示されている。例えば、形状は長方形であってよい。更に別の例として、形状は正方形であってよい。更に別の例として、複数の導電材料片1118の少なくとも第1の部分が第1の形状であってよく、複数の導電材料片1118の少なくとも第2の部分が第2の形状であってよい。更に別の例として、複数の導電材料片1118の少なくとも一部分が、第1の共振器コイルの中心に対して水平であってよい。更に別の例として、複数の導電材料片1118の少なくとも一部分が、第1の共振器コイルの中心に対して垂直であってよい。更に別の例として、複数の導電材料片1118の少なくとも一部分が、第1の共振器コイルに対して市松模様に配置されてよい。
図12Bに見られるように、導電材料片1118は、供給側共振器コイル1202の中心に向かうほど密度が高く、且つ/又はサイズが大きくなってよい。実施態様によっては、上述のように、複数の導電材料片1118は、銅(又は他の導電材料)であってよい。
【0045】
別の例として、少なくとも
図12C〜12Dを参照すると、供給側共振器コイル1206は、導電パターンの巻数が4であってよく、供給側共振器コイル1206の表面から(例えば、Z方向、即ち、ページから出る方向に)距離にして約3mm以上離れている無線装置側共振器に電力を伝送することに対して最適化されてよい。
図12Bと同様に、
図12Dは、導電材料片1118の一実施例を示しており、導電材料片1118は、装置側共振器コイルのインダクタンスの変化を小さくする為に、(例えば、
図12Cの軸1208と、
図12Dの軸1208とを揃えて)供給側共振器コイル1206の下に配置されている。この実施例では、導電材料片は、供給側共振器コイル1206の中心に向かうほど密度が高く、且つ/又はサイズが大きくなってよい。
【0046】
別の例として、少なくとも
図12E〜12Fを参照すると、(
図12Aにも示されている)供給側共振器コイル1202は、その表面から(例えば、Z方向、即ち、ページから出る方向に)距離にして約3mm以上離れている無線装置側共振器に電力を伝送することに対して最適化されてよい。
図12Bと同様に、
図12Fは、導電材料片1118の一実施例を示しており、導電材料片1118は、装置側共振器コイルのインダクタンスの変化を小さくする為に、(例えば、
図12Eの軸1204と、
図12Fの軸1204とを揃えて)供給側共振器コイル1202の下に配置されている。この例では、導電材料片1118は、
図12Bと比較すると、供給側共振器コイル1202の中心での形状、サイズ、及びパターンがより若干均一であってよい。
【0047】
別の例として、少なくとも
図12G〜12Hを参照すると、(
図12Cにも示されている)供給側共振器コイル1206は、その表面から(例えば、Z方向、即ち、ページから出る方向に)距離にして約3mm以上離れている無線装置側共振器に電力を伝送することに対して最適化されてよい。
図12Bと同様に、
図12Hは、導電材料片1118の一実施例を示しており、導電材料片1118は、装置側共振器コイルのインダクタンスの変化を小さくする為に、(例えば、
図12Gの軸1208と、
図12Hの軸1208とを揃えて)供給側共振器コイル1206の下に配置されている。この例では、導電材料片1118は、
図12Bと比較すると、供給側共振器コイル1202の中心での形状、サイズ、及びパターンがより若干均一であってよい。
【0048】
当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、所望の特性に応じて、他の供給源及び共振器の設計も使用可能である。例えば、少なくとも
図13を参照すると、共振器コイルの一例1302が、供給側共振器コイル1302の表面から(例えば、Z方向、即ち、ページから出る方向に)距離にして最大約46mm離れている無線装置側共振器に電力を伝送することに対して最適化されてよい。この例では、共振器コイル1302は、約142mm×192mmであってよい。更に、この例では、供給側共振器コイル1302が伝送できる電力は、10W以上、又は15W超、又は30W超、又はそれ以上であってよい。
【0049】
実施態様によっては、上述のように、供給源1104は、複数の供給側共振器を含んでよい。例えば、少なくとも
図14Aを参照すると、無線エネルギ供給源の2層式共振器コイルの一例が示されている。即ち、層1404は、1つの供給側共振器コイルを含んでよく、層1404は、別の供給側共振器コイルを含んでよい。従って、単一の供給側共振器コイルの説明は、例としてのみ理解されるべきである。この例では、共振器コイルは、供給側共振器の表面から(例えば、Z方向、即ち、ページから出る方向に)距離にして、例えば、約6mm(±1mm)離れている無線装置側共振器に電力を伝送することに対して最適化されてよい。例えば、共振器コイルの2つの層1402及び1404は、PCBの2つの層に印刷されてよく、軸1406は軸1408と揃ってよい。この例の供給側共振器コイルが伝送できる電力は30W超であってよい。実施態様によっては、1つ以上の方向成分の強度変化が最小となる磁場を発生させる為に、2層以上の共振器コイルを有することが有用となりうる。例えば、2層共振器コイルは、磁場の垂直成分の強度変化を最小限に抑えることが可能である。共振器コイルの多層性により、アクティブ領域を十分大きくして、装置側共振器のXオフセット及びYオフセットの両方における、より大きな動きを可能にすることができる。実施態様によっては、アクティブ領域は、磁場の変化が最小限に抑えられる領域として定義されてよい。実施態様によっては、共振器コイルの各部分を含む、PCBの2つの層は、それらの層が互いに十分離れることによって、それら2つの層のパターン間で発生しうる寄生キャパシタンスが抑制又は除去されるように、PCB上に印刷されてよい。実施態様によっては、共振器コイルの各部分を含む層同士は、少なくとも0.5mm離れていてよく、或いは少なくとも1mm離れていてよく、或いは少なくとも2mm離れていてよく、或いは少なくとも4mm離れていてよく、或いはもっと離れていてよい。実施態様によっては、共振器コイルの各部分を含む、PCBの2つの層は、それらの層が互いに十分離れることによって、共振器の自己インダクタンスが抑制又は除去されるように、回路基板上に印刷されてよい。
【0050】
実施態様によっては、少なくとも
図14Bを参照すると、無線電力システムの一例が示されており、これは、2つ以上の供給側共振器(例えば、1410及び1412)と、装置側共振器(例えば、1414)とを有する。この例では、供給側共振器1410及び1412は、切り替え可能にコントローラと結合されてよく、コントローラは、供給側共振器1410及び1412を切り替えることにより、それぞれ、電力伝送の高さをZ
1及び/又はZ
2で切り替えることが可能である。実施態様によっては、少なくとも
図14Cを参照すると、無線電力システムの一例が示されており、これは、2つ以上の供給側共振器(例えば、1410及び1412)と、2つ以上の装置側共振器(例えば、1414及び1416)とを有する。実施態様によっては、コントローラが、異なる2つの供給側共振器1410及び1412を切り替えてよく、コントローラは、磁場均一性及び/又は共振器コイル間効率を最大化するように構成されてよい。例えば、一例では、コントローラは、近いほうの装置側共振器1416の低いZ高さZ1における磁場均一性を最大化する為に、供給側共振器1410、1412の一方に切り替えてよい。別の例では、コントローラは、遠いほうの装置側共振器1414の高いZ高さZ2における共振器コイル間効率を最大化する為に、供給側共振器1410、1412の他方に切り替えてよい。実施態様によっては、コントローラは、装置側共振器のサイズに応じて、異なる2つの供給側共振器1410及び1412を切り替えてよい。例えば、供給側共振器1410及び1412は、それぞれがサイズの異なる装置側共振器に電力を効率的に伝送できるように、それぞれが異なるサイズであってよい。それらの供給側共振器の一方は、他方より小さくてよく、従って、小さい装置側共振器に対応することが可能であってよい。それら2つの供給側共振器のうちの大きいほうは、エネルギを節約するためにオフにされてよく、小さいほうは、小さい装置側共振器にエネルギを効率的に伝送することが可能である。
【0051】
実施態様によっては、少なくとも
図14Dを参照すると、供給側共振器の一例の2つの面(前面1418及び背面1420)が示されており、これらはPCB上に形成されてよい。この例では、共振器が伝送できる電力は、例えば、5mmのZ高さにおいて約16Wであってよい。共振器は分布キャパシタンスを含んでよく、例えば、220pF±2%の分布キャパシタンスを含んでよい。この例では、結果として得られる、5mmのZ高さにおける充電面積は、例えば、160mm×150mmの面積であってよい。
【0052】
実施態様によっては、少なくとも
図15を参照すると、無線エネルギ供給源の共振器コイルの一例1502が示されている。この例では、供給側共振器コイル1502は、その表面から(例えば、Z方向、即ち、ページから出る方向に)距離にして約26mmから約46mm離れている無線装置側共振器に電力を伝送することに対して最適化されてよい。実施態様によっては、供給側共振器コイル1502が伝送できる電力は、例えば、約30W超であってよい。実施態様によっては、供給側共振器コイル1502は、並列又は直列に配置された2つの共振器コイルから作られてよい。
【0053】
交差パターンを有する無線エネルギ伝送システム:
実施態様によっては、均一な充電領域が達成されるように、供給側共振器コイルを(例えば、共振器コイルの巻線を使用して)整形してよい。例えば、充電領域が均一であれば、(供給側共振器により)充電領域全体を同等の電力レベルとして、(装置側共振器により)装置を充電できる可能性がある。別の例では、充電領域が均一であれば、充電領域全体の損失率を同等に低くして効率を高めることができる可能性がある。後で詳述するように、(例えば、平行巻線により)コイル全体で電流を均衡させることは、充電領域及び磁場を均一にすること、並びに共振器コイルを対称形にすることに役立ちうる。
【0054】
上述のように、且つ、少なくとも
図16〜20も参照すると、無線エネルギ伝送システムは、第1の共振器コイルを含んでよい。例えば、無線エネルギ伝送システムは、供給側共振器コイル1602を含んでよく、供給側共振器コイル1602は、(例えば、装置側共振器の)第2の/装置側共振器コイルに近接した場合に、装置側共振器コイルに無線エネルギを伝送するように構成されてよい。例えば、上述のように、(例えば、AC主電源、バッテリ、太陽電池パネル等の電源と結合された)供給側共振器、及び(例えば、モバイル装置、エンクロージャ、スリーブ、ケース、カバー、充電器等と一体化された)装置側共振器への無線エネルギ伝送により、関連付けられたモバイル電子装置の給電又は充電が行われてよい。実施態様によっては、
図11Aの説明と同様に、供給源は、電源と結合されるように構成されてよい導電材料からなる第1の層と、導電材料からなる第1の層と、第3の層と、に近接して配置された磁気材料からなる第2の層と、第2の層及び第4の層に近接して配置され、複数の導電材料片を含んでよい第3の層と、第3の層に近接して配置され、供給側共振器コイル1602を含んでよい第4の層と、を含んでよい。実施態様によっては、第3の層は、供給側共振器コイル1602を含んでよく、第4の層は、第3の層に近接して配置され、複数の導電材料片を含んでよい。実施態様によっては、供給源は、上述の、
図11A又は11Bの説明と同様に構成されてよい。但し、当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、他の、供給源構成の組み合わせが使用されてもよい。
【0055】
実施態様によっては、少なくとも
図16を参照すると、第1の巻線パターン(例えば、巻線1604)が供給側共振器コイル1602に含まれてよく、巻線1604は導電材料を含んでよい。第2の巻線パターン(巻線1606)が供給側共振器コイル1602に含まれてよく、巻線1606は導電材料を含んでよい。実施態様によっては、第1の巻線及び第2の巻線のうちの少なくとも一方のパターンは、導電材料の代わりに銅コイルを含んでよい。
【0056】
実施態様によっては、供給側共振器コイル1602の巻線1604及び1606は、交差点で交差してよく、或いは交互配置されてよく、或いは重なってよい。実施態様によっては、コイル巻線内に交差点があることは、平行巻線によりコイル全体で電流を均衡させることに役立ちうる。例えば、巻線1604のパターンの一部分が、交差点(例えば、交差点1608a、1608b、1608c、1608d、1608e、1608f、1608g、及び/又は1608h)で、巻線1606のパターンの一部分と交差してよい。実施態様によっては、巻線同士を交差させることは、(各巻線の)電流同士を互いに均衡させるか、ほぼ等しくさせることに役立ちうる。従って、実施態様によっては、コイル巻線を交差させることは、共振器コイルを対称形にすることに役立ちうるものであり、このことは、磁場及び充電領域をより均一にすることを可能にしうる。供給側共振器コイル1602などの実施態様によっては、コイルの巻線を均等な間隔で配置することが、充電領域を均一にすることに役立ちうる。実施態様によっては、交差点は、共振器コイルを平面内に収める上で有用となりうる。例えば、多くの供給源エンクロージャが、平面上で薄型であること、又はテーブルの下に取り付けられることが可能であるように、共振器コイルを、平坦で薄いパッド状メカニカルエンクロージャに押し込んでいる。
【0057】
例えば、供給側共振器コイル1602が伝送できる電力は、例えば46mmのZ高さにおいて、約16Wであってよい。この実施態様の高さが46mmの場合に得られるであろう充電領域の面積は、例えば、140mm×120mm前後となる可能性がある。実施態様によっては、巻線のうちの2つが並列接続されてよい。例えば、巻線1604及び1606は並列接続されてよい(例えば、巻線1604は1610と接続されてよく、巻線1606は1612と接続されてよい)。実施態様によっては、交差点によって、共振器コイルを対称形にすることが可能になり、これによって、磁場を均一にすること、並びに、並列駆動されるパターンの別々の経路に沿うインピーダンスを均衡させることが可能になる。実施態様によっては、供給側共振器コイル1602は、供給側共振器を形成する為に、1612及び1610において巻線に接続された1つ以上のキャパシタを含んでよい。実施態様では、
図16に示された供給側共振器コイルのような供給側共振器コイルは、使用される導電パターンが多いほど、共振器コイルのQ値が大きくなるように、巻線間隔が均一であってよい。
【0058】
実施態様によっては、巻線1604のパターンの第2の部分が、対称な交差点において、巻線1606のパターンの第2の部分と交差してよい。例えば、少なくとも
図16に見られるように、巻線1604及び1606は、複数の交差点(例えば、交差点1608a、1608b、1608c、1608d、1608e、1608f、1608g、及び/又は1608h)を形成するように構成されてよい。この例では、交差点1608dは、交差点1608eと対称であってよい。別の例として、交差点1608bは、交差点1608fと対称であってよい。当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、非対称の交差点が使用されてもよい。
【0059】
実施態様によっては、交差点は、共振器コイル1602の中央部で発生してよい。例えば、少なくとも
図16に見られるように、交差点は、共振器コイル1602の中央部に位置する。一方、交差点は、共振器コイル1602の端部で発生してもよい。例えば、少なくとも
図12Aを参照すると、2つの交差点が、軸1204上の共振器コイル1202の端部において示されている。即ち、これら2つの交差点は、共振器コイル1202の引き延ばされたような端部において示されている。実施態様によっては、交差点は、共振器コイルの中央部及び端部の組み合わせにおいて位置してよく、同様に、共振器の他の任意の部分に位置してもよい。従って、交差点の具体的な位置の説明は、例としてのみ理解されるべきであり、そうではない、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0060】
実施態様によっては、少なくとも
図17を参照すると、交差点を有する共振器コイルの別の例1702が示されている。例えば、供給側共振器コイル1702が伝送できる電力は、例えば、6mmのZ高さにおいて、例えば、約16〜33Wであってよい。この例では、結果として得られる充電領域の面積は、6mmのZ高さにおいては、例えば、300mm×140mmであってよい。実施態様によっては、共振器1702は、所与の充電領域に対して磁場/充電領域を均一にすることに役立つように、丸みが付いた形状及び四角に区切られた形状を含んでよい。この例では、共振器コイル1702は、並列接続された2つの巻線1704及び1706を含む(例えば、巻線1704は1708に接続されてよく、巻線1706は1710に接続されてよい)。更にこの例では、巻線1704及び1706は、交差点を発生させてよい(例えば、交差点1712a、1712b、1712c、並びに、
図17に示されている他の、参照符号がない交差点を発生させてよい)。実施態様によっては、供給側共振器コイル1702は、1710及び1708において巻線と接続された1つ以上のキャパシタを含んでよい。
【0061】
実施態様によっては、少なくとも
図18を参照すると、交差点を有する共振器コイルの別の例1802が示されている。例えば、供給側共振器コイル1802が伝送できる電力は、例えば、26mmから46mmのZ高さにおいて、例えば、約33Wであってよい。この例では、結果として得られる充電領域の面積は、26mmのZ高さにおいては、例えば、220mm×150mmであってよい。46mmのZ高さにおいては、結果として得られる充電領域の面積は、例えば、210mm×140mmであってよい。実施態様によっては、共振器コイル1802は、並列接続された2つの巻線1804及び1806を含んでよい(例えば、巻線1804は1808に接続されてよく、巻線1806は1810に接続されてよい)。更にこの例では、巻線1804及び1806は、交差点を発生させてよい(例えば、交差点1812a、1812b、1812c、並びに、
図18に示されている他の、参照符号がない交差点を発生させてよい)。実施態様によっては、供給側共振器コイル1802は、1810及び1808において巻線と接続された1つ以上のキャパシタを含んでよい。
【0062】
当然のことながら、他の共振器コイル設計において交差点が用いられてもよい。例えば、交差点が用いられてよい共振器コイル設計の例が、上述の
図12A、
図12C、
図12E、及び
図12Gにおいて同様に示されている。又、交差点が用いられてよい共振器コイル設計の更なる例が、
図19A及び
図19Bに示されており、これについては後述する。従って、交差点を用いるいかなる特定の共振器コイル設計の説明も、例としてのみ理解されるべきであり、そうではない、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0063】
実施態様によっては、第1の巻線のパターンのその部分と第2の巻線のパターンのその部分は、第1の巻線のパターンのその部分と第2の巻線のパターンのその部分との間が絶縁されている交差点において交差してよい。例えば、あくまで例として、上述の
図16の共振器コイル1602は、単層PCB上に作成されていると仮定する。この例では、交差点(例えば、1608a)において巻線1604と巻線1606との間が絶縁されていてよい。
【0064】
実施態様によっては、第1の共振器コイルはPCB上に印刷されてよく、第1の巻線のパターンのその部分は、交差点で、プリント回路基板の第1の面において止まってよく、プリント回路基板の第2の面において再開されてよく、プリント回路基板の第2の面にある第2の巻線のパターンのその部分は、第2の面において止まってよく、交差点を過ぎてから、第1の面において再開されてよい。実施態様によっては、第1の巻線のパターンのその部分と第2の巻線のパターンのその部分は、交差点で、PCBの異なる複数の層を使用して交差してよい。例えば、第1の巻線のパターンのその部分は、交差点に達する前に、プリント回路基板の第1の層にある第2の巻線のパターンのその部分の第1の側において止まってよく、交差点に達してから、プリント回路基板の第2の層にある第2の巻線のパターンのその部分の第2の側において再開されてよい。
【0065】
例えば、少なくとも
図20を参照すると、共振器コイルの一例2002が示されている。あくまで例として、共振器コイル2002は、2層PCB上に作成され、巻線2004及び2006を有すると仮定する。この例では、巻線2004のパターンが、PCBの上層において点2008で止まり、その後、PCBの下層において点2010で再開されることにより(又はこれらの逆により)、巻線2004と巻線2006とが交差してよい。
【0066】
当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、他の手法によって交差点が形成されてもよい。従って、交差手法の例の説明は、例としてのみ理解されるべきであり、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0067】
電流検知が行われる無線エネルギ伝送システム:
無線エネルギ伝送に使用可能な既知の電流検知手法として、例えば、パターン又はワイヤを囲むピックアップループ、ホール効果センサ、電流検知トランス、電流検知抵抗等があってよい。これらの手法では、例えば、無線エネルギ伝送で使用される高電流及び高周波数において損失及び電力消失が過大である場合があり、無線エネルギ伝送に周波数制限がある場合があり、磁気妨害を受けやすい場合があり、高コストである場合があり、これらの手法が装置自体に組み込まれると仮定すると、電流を測定される装置の全体サイズが増える場合がある。
【0068】
更に、例えば高共振型無線電力伝送システムにおいて電流を測定する場合に、電流の高周波数及び高調波、並びに供給側共振器によって引き起こされる磁場が、上述の手法を用いる上で問題となる可能性がある。実施態様によっては、後で詳述するように、無線電力伝送システム用電流センサの一部として、ロゴスキーコイルが使用されてよい。ロゴスキーコイルは、例えば、再現性が高いことが可能であり、供給側共振器の磁場の影響を阻止することが可能であってよく、電圧レベル出力から二乗平均平方根(RMS)電流を算出することが可能であってよい。被測定コイル(並びにロゴスキーコイル)は、銅、銅被覆鋼、リッツなどの導体/導電材料又はパターンであってよく、被測定コイルは、電源(例えば、AC電源)で駆動されてよい。
【0069】
実施態様によっては、後で詳述するように、導電材料からなるコイルの内径D2内に導体を引き回すことにより、その導体の(差動)電流値を測定することが可能である。導体は、共振器コイルの一部であってよい。例えば、共振器の電流値が、例えば、電力を無線伝送する為の磁場レベルを設定することに使用されてよく、従って、電流値は、電力値を知る上で有用でありうる。実施態様によっては、電流測定値は、電流レベルの確認用として供給側共振器において測定されてよく、制御回路へのフィードバックとして使用されてよい。例えば、制御回路は、電流センサからのフィードバック信号に応じて、供給側共振器に供給される電力を上げたり下げたりすることが可能である。実施態様によっては、(例えば、AC)電流測定値の大きさ/振幅値と位相値との関係を使用して、例として開示された電流検知システムでインピーダンス変化を測定することが可能である。電流測定値は、他の用途でも同様に使用されてよい。
【0070】
電流センサとしてのロゴスキーコイルは、50〜60Hzなどの低周波数用途に使用されてよく、例えば、送電網用途に使用されてよい。同様に、上述の電流測定方法は、1MHzより高い信号に適用されると失敗する可能性がある。それらは又、磁気ノイズがある環境に置かれた場合も失敗する可能性があり、例えば、(高共振型)無線エネルギ伝送システム内に設けられると失敗する可能性がある。従って、実施態様によっては、この電流センサ例は、例えば、センサに対する磁気妨害を阻止しながら高周波電流を測定することを可能にしてよく、製造の観点からの再現性を有することが容易であって、製造精度に耐えることが可能であってよく、測定信号内の高調波成分及び/又はコモンモード電圧を除去する並列共振フィルタ又は平衡フィルタを含んでよい。後で詳述するように、実施態様によっては、そのフィルタを有する電流センサは、電流センサとして、(例えば、無線エネルギ伝送システム用の)プリント回路基板(PCB)上に製作されてよく、(1)無線エネルギ伝送の供給側共振器からの磁場作用を阻止することが可能であり、(2)測定された電流のDCオフセットに影響されないことが可能であり、(3)高周波電流を測定する機能を含むことが可能であり、(4)磁気材料コアがないことに起因するコア飽和の問題がないことが可能であり、(5)フィルタにより、電流信号内で高調波を減衰させることを可能にすることができ、(6)供給側共振器に対して顕著なインピーダンス変化又は挿入損失がないことが可能であり、(7)製造の見地からの再現性が高いことが可能であり、(8)ロゴスキーコイル自体など、多くの構成要素がPCBの各層のパターンにより作られてよいことから、小形で低コストの設計が可能であり、(9)機械的変化に起因する、センサの能力の顕著な変化をもたらさないことが可能であり、(10)スケーリングされた電圧であって容易に測定される出力を有効化することが可能である。
【0071】
上述のように、又、少なくとも
図21〜26を参照すると、無線エネルギ伝送用電流検知システムがプリント回路基板(PCB)を含んでよく、プリント回路基板は、少なくとも、第1の層、第2の層、及び第3の層を含んでよい。導電材料からなるループが含まれてよく、この、導電材料からなるループは、第2の層において直径D3を含んでよい。導電材料からなるコイルが含まれてよく、この、導電材料からなるコイルは、巻数が少なくとも2であってよく、導電材料からなるコイル(例えば、導電材料からなるコイルの大部分)が、第1、第2、及び第3の層のそれぞれを通して接続された、外径D1及び内径D2を有する第1の層及び第3の層を占有してよい。導電材料からなるループは、導電材料からなるコイルと結合されてよい。
【0072】
例えば、少なくとも
図21〜22を参照すると、電流センサのコイル(例えば、電流センサコイル2102)が、領域内の巻数が最大になるように、且つ、コイル自体の領域が最大になるように、設計されてよい。この非限定的な例では、電流センサコイル2102は、巻数が例えば17であってよく、外形D1が例えば400mmであってよく、内径D2が例えば200mmであってよい。実施態様によっては、導電材料からなるループが含まれてよく、この、導電材料からなるループは、第2の層において直径D3を含んでよい。例えば、電流センサコイル2102は、導電材料からなるループ(例えば、1つ以上の内部コイル2106及び2108)を含んでよい。内径D2は、被測定導体が利用可能な空間、例えば、穴2104の直径D4より大きくてよい。実施態様によっては、小さいサイズのPCB上で実用的なサイズのセンサであるように、「フットプリント」即ち外形面積が小さく保たれることが可能である。実施態様によっては、センサは、被測定導体(例えば、供給側共振器コイル)と同じPCB上で作成可能であるようにサイズ決定されてよい。実施態様によっては、導電材料からなるループと導電材料からなるコイルは、ロゴスキーコイルを形成してよい。例えば、ロゴスキーコイルは、導電材料からなるループと導電材料からなるコイルによって形成されてよく、ループは、(
図22には示されていない)エンドポイントビアにおいてコイルと接続されてよい。この例では、ロゴスキーコイルは、PCBの全ての層を占有してよい。
【0073】
実施態様によっては、電流センサコイル2102は、PCBの最上層2204及び最下層2210、並びに2つの内層2206及び2208を主に占有するように設計されてよく、これにより、電流センサコイル2102をそれ自体の周辺に閉じ込めることが可能になってよい。実施態様によっては、コイル巻線2110及び2112などの、導電材料からなるコイルが含まれてよく、これらの巻数は少なくとも2であってよい。実施態様によっては、導電材料からなるコイルの巻数は、少なくとも15であってよい。実施態様によっては、コイル巻線2110及び2112の大部分が、PCBの第1、第2、及び第3の層のそれぞれを通して接続された、外径D1及び内径D2を有する第1の層及び第3の層を占有してよい。例えば、この接続は、コイルの右下側につながっているだけのように見えるビアにおいて行われてよい。外側のコイルと内側のループは、つながっていてよく、実際には完全なループを完結させなくてよく、その代わりに、それらの開始点に戻ってよい。コイル2106及び2108の1つ以上の内部部分が、コイル巻線2110及び2112と結合されてよい。実施態様によっては、コイル巻線2110及び2112、並びに各層2204、2206、2208、2210に対してビアが関連付けられた結果は、実質的にトロイダル形状であってよい。電流センサコイル2102は、(例えば、導電材料からなる戻りループに対して)ストレート戻り及びバランス巻線のうちの少なくとも一方により構成されてよい。例えば、ストレート戻りの一例を
図21に示す。
図21の例に示されるように、内層のループは、2つの外層のコイルに対して巻かれたり交互に配置されたりせず、従って、ストレート戻りを示す(例えば、交互配置や巻きはなし)。ループは、開始点にストレートに戻り、そこで接続が行われてよい。一方、順方向経路と逆方向経路が互いに巻かれてバランスするバランス巻線が行われてよく、この場合、一方の経路が他方より短くなってはならない。バランス巻線は、元のコイルと織り交ぜられてよい。ループとコイルは、エンドポイントビアにおいて、完全に「つながった」ループにはならないように接続されてよい。コイルは、導電材料からなるバランス巻線戻りループにより構成されてよく、この導電材料は、同じ層の導電材料からなるコイルとの干渉を防ぐように第1及び第3の層を占有してよい。バランス巻線戻りループは、外径がD1、内径がD2であってよい。この例では、測定値は、(電流に直接比例するのではなく)電流の微分に比例してよい。
【0074】
実施態様によっては、コイル巻線の最上部パターン2110は第1の層2204を占有してよく、内部コイルの第2のパターン2106は第2の層2206を占有してよく、内部コイルの第3のパターン2108は第3の層2208を占有してよく、コイル巻線の最下部パターン2112は第4の層2210を占有してよい。実施態様によっては、本開示の範囲から逸脱しない限り、他の様々な層のPCBが使用されてよい。例えば、製造に関しては、4層PCBがより利用可能である為に、3層PCBよりも採用される場合がある。実施態様によっては、第4の層は、第2及び第3の層に近接して配置されてよく、第4の層は、導電材料からなる更なるループ(例えば、内部コイル2106及び2108のうちの1つ以上)を含んでよく、このループは、その1つ以上の内部コイル2106及び2108と、導電材料からなるコイル(例えば、コイル巻線2110及び2112)と、のうちの少なくとも一方と結合され、導電材料からなる更なる円形ループは、第4の層における直径がD3であってよい。
【0075】
実施態様によっては、内部コイル2106及び2108の第2及び第3のパターンは、4層PCBの断面において等しい垂直方向空間を占有してよく、或いは、3層PCBの場合には1つのパターンにまとめられてよい。実施態様によっては、電流センサコイル2102は、PCBの3つの層だけを占有してよく、コイル巻線の最上部パターン2110は第1の層を占有してよく、内部コイルの第2のパターン2106は第2の層を占有してよく、コイル巻線の最下部パターン2112は第3の層を占有してよい。センサコイル2102によってカバーされるおおよその面積2212は、大きいほうの直径D1と小さいほうの直径D2との差を求め、これに高さ2202を乗ずることによって与えられることが可能である。高さ2202は、例ではPCBの厚さとして示されているが、誘電材料は透明にしてある。高さ2202は又、電流センサコイル2102がPCBスタックアップ全体を占有しない場合には、電流センサコイル2102の最上層と最下層との間の距離として示されてよい。一方、電流センサコイル2102がスタックアップ全体を占有する場合には、高さ2202は、PCBの厚さと等価であってよい。
【0076】
実施態様によっては、電流センサコイル2102は、概略で例えば85kHzから20MHzの範囲の周波数を有する電流を測定することが可能であってよい。実施態様によっては、例えば、周波数が低い場合には、電流センサコイル2102は、測定可能な出力電圧を達成する為に、より多くの巻数とより広い面積2212とを有するように設計されてよい。実施態様によっては、面積2212は、内部ストレート戻りに巻き付いた初期コイル巻線のループ面積であってよい。このループ面積は、例えば、PCBの厚さ(例えば、高さ2202)と内径及び外径(D1及びD2)とによって決定されてよい。実施態様によっては、電流センサコイル2102が測定できる周波数の上側範囲は、((ロゴスキー)センサの自己共振周波数をモデル化したものとして
図24に示され、L1及びC4で表されるような)電流センサの自己共振周波数によって決定されてよい。実施態様によっては、このタイプの電流センサを使用して、PCB上の電流キャリアが、例えば、PCBの層数を増やすことによって測定されてよい。例えば、6層PCBであれば、電流キャリアは、6層の全てを通って垂直に移動することにより、第1の層と最後の層とを占有してよく、一方、電流センサは、6層PCBの中心の4層を占有し、電流キャリアに巻き付いてよい。
【0077】
実施態様によっては、少なくとも
図23を参照すると、被測定コイルの電流出力の実験的測定結果例が示されている。この非限定的な例では、波形2304は、測定されたコイル電流であってよく、波形2302は、電流センサコイル2102の出力電圧であってよい。この測定結果例では、コイル電流のRMS値は998.8mAであり、電流センサコイル2102の出力電圧のRMS値は302.2mVである。これらの値は、磁場レベルの調整の為に使用されてよい(例えば、最良精度のために、又はそうでなければ相対的に、相互に関連付けられてよい)。受信装置群に基づいて電流を調整することにより、電圧の範囲がより小さくなるように結合の変動幅を大きくすることを可能にしてもよい。これは、電圧出力レベルが電流レベル(従って、磁場レベル)に比例してよい為である。これは一例である。他の使用例は、安全な磁場レベルを保証すること、コイル電流を変化させうるインピーダンス変化又は他の変化を検出すること等であってよい。コイルにおけるインピーダンスを検出する為に、複数の電流が関連付けられているマッチングネットワークにおいて、その複数の電流のコイル電流位相及び大きさが使用されてもよい。
【0078】
実施態様によっては、(共振タンク内のノード、又は共振器コイルのノードの1つに接続されてよい)ワイヤが、PCBに埋め込まれた電流センサコイル2102の中心にある穴を通り抜けてよい。実施態様によっては、並列共振回路が含まれてよく、これは高調波成分を除去することが可能である。例えば、電流センサコイル2102は、測定結果中の高調波成分を最小化することに特化された共振フィルタにより同調されてよく、センサコイルの出力は測定回路に接続されてよい。実施態様によっては、平衡フィルタ回路が含まれてよく、これは、高調波成分及び/又はコモンモード電圧を除去してよい。実施態様によっては、測定回路は、マイクロプロセッサによる信号の読み取りがより容易になるように、信号をフィルタリング及びスケーリングしてよく、マイクロプロセッサは電流センサコイル2102の測定値にアクセスすることが可能である。
【0079】
例えば、少なくとも
図24を参照すると、電流センサの一回路例、並びにこの電流センサとインタフェースする為に使用可能な回路が示されている。この例では、電流センサ2402は、センサコイルに固有であってよいインダクタンスL1及びキャパシタンスC4によってモデル化されてよい。R3、R4、L2、及びC1はディスクリート回路部品であってよく、L2及びC1は、被測定電流の同じ共振周波数を有してよい共振回路であってよい。この例では、電流センサ2402はパッシブであってよく、電圧源V1は、電流センサが位置する磁場のモデルであってよい。実施態様によっては、電圧出力を有する差動増幅器が含まれてよい。例えば、差動入力及びシングルエンデッド電圧出力を有する積分増幅器が含まれてよい。例えば、電流センサ2402は、単一電圧出力を有してよい差動増幅器2404に接続されてよい。部品R1及びR2は、差動増幅器2404の負荷になるように設計されてよい。実施態様によっては、ピーク検出回路が含まれてよく、これは、電圧出力のピークを追跡し、導体の測定された(微分)電流値を求める演算増幅器を含んでよい。例えば、回路2406は、ピーク検出器として使用可能な演算増幅器を含んでよく、この演算増幅器は、出力電圧のピークを追跡することが可能であり、測定されたコイル電流を求めることが可能である。
【0080】
実施態様によっては、少なくとも
図21から
図26を参照すると、電流センサの別の回路例、並びにこの電流センサとインタフェースする為に使用可能な回路が示されている。この例では、サイズ範囲は、例えば、D1=0.375〜0.8インチ、D2=0.19〜0.4インチを含んでよく、D3は、D1とD2の中間に中心があってよく、D4は、所望のワイヤゲージに依存してよく、動作には無関係であってよい。実施態様によっては、コイルの巻数は概ね16から36の範囲であってよい。但し、当然のことながら、これは、作成可能な物の小さなサブセットであってよい。これらの変数は、所望の周波数範囲、電流範囲等に依存してよい。
【0081】
図25の関連回路は、平衡型差動増幅器として構成されてよく、これは、積分構成であってよく、後段に(必要に応じて)二次利得段があってよく、ピーク入力電圧に対して相対的な電圧を出力できるRF電力測定チップによって終端されてよい。この例に見られるように、左側の2つの端子(2502及び2504)は、電流センサコイルから直接来るものであってよく、右側の端子は、マイクロプロセッサにおいて終端されてよい。
【0082】
実施態様によっては、少なくとも
図24及び
図26を参照すると、電流センサコイルの実験的な結果例2600が示されている。図示された測定結果は、測定された様々なAC電流レベルで、ピーク検出回路(例えば、回路2406)の出力において取得されたものであってよい。
【0083】
実施態様によっては、所与の設計の電流センサコイルの出力電圧を予測する関係が成立してよい。例えば、この関係は、次式で与えられてよい。
Vout=−C*u
0*u
r*N*A*(di/dt)
【0084】
但し、Cは、PCBに固有の定数であり、u
0*u
rは、電流センサコイルと被測定電流キャリアとの間の材料の透過度であり、Nは、電流センサコイルの巻線密度(例えば、メートル当たりの巻数)であり、Aは、(
図22において2212で与えられている)電流センサコイルの断面積であり、(di/dt)は、被測定電流の変化率である。実施態様によっては、例えば、電流が正弦波の場合には、変化率は正弦波であってよい。方形波など、他のタイプの波の場合は、積分電子回路が必要となる場合がある。
【0085】
実施態様によっては、被測定電流は、まず、導体の電流レベルと、対応する、電流センサの出力電圧とを実験的に測定して参照表を作成することにより、出力電圧から求められてよい。
【0086】
上述の開示ではモバイル電子装置の幾つかの例が使用されているが、当然のことながら、本開示の範囲から逸脱しない限り、任意のタイプの電子装置が使用されてよい。従って、モバイル電子装置のいかなる使用例も、例としてのみ理解されるべきであり、そうではない、本開示の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0087】
本明細書で使用されている術語は、特定の実施態様を説明することだけを目的としており、本開示の限定を意図するものではない。本明細書において使用される単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上明らかに矛盾する場合を除き、複数形も同様に包含するものとする。更に、当然のことながら、「comprises(備える)」及び/又は「comprising(備える)」という語は、本明細書で使用された際には、述べられた特徴、整数、(必ずしも特定の順序ではない)手順、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を明記するものであり、1つ以上の他の特徴、整数、(必ずしも特定の順序ではない)手順、操作、要素、構成要素、及び/又はこれらの集まりの存在又は追加を排除するものではない。
【0088】
以下の特許請求の範囲に収まりうる全てのミーンズ・オア・ステップ・プラス・ファンクション(means or step plus function)要素の対応する構造、材料、動作、および均等物は、他の特許請求された要素との組み合わせで、具体的に特許請求されたとおりに機能を実行する全ての構造、材料、または動作を包含するものとする。本開示の記載は、例示及び説明を目的として提示しており、網羅的であることも、開示された形態での本開示に限定されることも意図していない。当業者であれば、本開示の範囲及び趣旨から逸脱しない、様々な修正、変形、置換、及びこれらの任意の組み合わせが明らかであろう。本実施態様は、本開示の原理及び実際の適用を最もよく説明する為に、且つ、他の当業者が、想定される特定の使用に適した様々な修正を有する様々な実施態様及び/又は実施態様の任意の組み合わせに関して本開示を理解することを可能にするように、選択して説明されたものである。
【0089】
以上、本出願の開示を詳細に、且つ、本出願の各実施形態を参照することにより、説明してきたが、添付の特許請求の範囲で定義される本開示の範囲から逸脱することのない、(任意の修正、変形、置換、及びこれらの組み合わせを含む)実施形態の修正、変形、及び任意の組み合わせが可能であることは明らかであろう。
〔付記1〕
第2の層に近接して配置された、導電材料からなる第1の層と、
導電材料からなる前記第1の層と、第3の層と、に近接して配置された、磁気材料からなる前記第2の層と、
前記第2の層と、第4の層と、に近接して配置された前記第3の層であって、前記第3の層は第1の共振器コイルを含み、前記第1の共振器コイルは、第2の共振器コイルが前記第1の共振器コイルに近接した場合に、無線エネルギを前記第2の共振器コイルに伝送するように構成されている、前記第3の層と、
前記第3の層に近接して配置された前記第4の層であって、複数の導電材料を含む前記第4の層と、
を備える無線エネルギ伝送システム。
〔付記2〕
前記第1の共振器コイルが前記第2の共振器コイルに近接した場合の前記第2の共振器コイルのインダクタンスの変化を、前記複数の導電材料片のサイズ、形状、及び幾何学的位置のうちの少なくとも1つによって小さくする、付記1に記載のシステム。
〔付記3〕
前記形状は長方形である、付記2に記載のシステム。
〔付記4〕
前記形状は正方形である、付記2に記載のシステム。
〔付記5〕
前記導電材料の前記複数片の少なくとも第1の部分が第1の形状であり、前記導電材料の前記複数片の少なくとも第2の部分が第2の形状である、付記2に記載のシステム。
〔付記6〕
前記導電材料の前記複数片の少なくとも一部分が、前記第1の共振器コイルに対して市松模様に配置される、付記2に記載のシステム。
〔付記7〕
前記第1の共振器コイルは銅パターンを含む、付記1に記載のシステム。
〔付記8〕
前記磁気材料はフェライトを含む、付記1に記載のシステム。
〔付記9〕
前記第4の層の前記複数の導電材料片は銅を含む、付記1に記載のシステム。
〔付記10〕
導電材料からなる前記第1の層は銅を含む、付記1に記載のシステム。
〔付記11〕
前記第1の層は、モバイルバッテリ装置の表面と結合されるように構成されている、付記1に記載のシステム。
〔付記12〕
前記磁気材料は、厚さが1mm未満である、付記1に記載のシステム。
〔付記13〕
前記磁気材料は、厚さが0.5mm未満である、付記1に記載のシステム。
〔付記14〕
前記第1の共振器コイルは、少なくとも5Wのエネルギを前記第2の共振器コイルに伝送するように構成されている、付記1に記載のシステム。
〔付記15〕
前記第1の共振器コイルは、少なくとも10Wのエネルギを前記第2の共振器コイルに伝送するように構成されている、付記1に記載のシステム。
〔付記16〕
第2の層に近接して配置された、導電材料からなる第1の層と、
導電材料からなる前記第1の層と、第3の層と、に近接して配置された、磁気材料からなる前記第2の層と、
前記第2の層と、第4の層と、に近接して配置された前記第3の層であって、複数の導電材料片を含む前記第3の層と、
前記第3の層に近接して配置された前記第4の層であって、前記第4の層は第1の共振器コイルを含み、前記第1の共振器コイルは、第2の共振器コイルが前記第1の共振器コイルに近接した場合に、無線エネルギを前記第2の共振器コイルに伝送するように構成されている、前記第4の層と、
を備える無線エネルギ伝送システム。
〔付記17〕
前記第1の共振器が前記第2の共振器に近接した場合の前記第2の共振器のインダクタンスの変化を、前記複数の導電材料片のサイズ、形状、及び幾何学的位置のうちの少なくとも1つによって小さくする、付記16に記載のシステム。
〔付記18〕
前記導電材料の前記複数片の少なくとも第1の部分が第1の形状であり、前記導電材料の前記複数片の少なくとも第2の部分が第2の形状である、付記17に記載のシステム。
〔付記19〕
前記導電材料の前記複数片の少なくとも一部分が、前記第1の共振器に対して市松模様に配置される、付記17に記載のシステム。
〔付記20〕
前記第4の層の前記複数の導電材料片は銅を含む、付記16に記載のシステム。
〔付記21〕
無線エネルギ伝送システム用共振器であって、
第1の共振器コイルであって、第2の共振器コイルに近接した場合に、前記第2の共振器コイルに無線エネルギを伝送するように構成された前記第1の共振器コイルと、
前記第1の共振器コイル内の第1の巻線パターンであって、導電材料を含む前記第1の巻線パターンと、
前記第1の共振器コイル内の第2の巻線パターンであって、導電材料を含む前記第2の巻線パターンと、を備え、
前記第1の巻線のパターンの一部分が、交差点で、前記第2の巻線のパターンの一部分と交差する、
共振器。
〔付記22〕
前記第1の巻線のパターンの前記部分と前記第2の巻線のパターンの前記部分とが前記交差点で交差する際に、前記第1の巻線のパターンの前記部分と前記第2の巻線のパターンの前記部分との物理的接触が発生しない、付記21に記載の共振器。
〔付記23〕
前記第1の共振器コイルはプリント回路基板上に印刷されており、前記第1の巻線のパターンの前記部分は、前記交差点で、前記プリント回路基板の第1の面において止まり、前記プリント回路基板の第2の面において再開され、前記プリント回路基板の前記第2の面にある前記第2の巻線のパターンの前記部分は、前記第2の面において止まり、前記交差点を過ぎてから、前記第1の面において再開される、付記22に記載の共振器。
〔付記24〕
前記第1の巻線のパターンの前記部分は、前記交差点に達する前に、前記プリント回路基板の第1の層にある前記第2の巻線のパターンの前記部分の第1の側において止まり、前記交差点に達してから、前記プリント回路基板の第2の層にある前記第2の巻線のパターンの前記部分の前記第2の側において再開される、付記23に記載の共振器。
〔付記25〕
前記第1の巻線のパターンの第2の部分が、対称な交差点において、前記第2の巻線のパターンの第2の部分と交差する、付記21に記載の共振器。
〔付記26〕
前記交差点は、前記第1の共振器コイルの中央部で発生する、付記21に記載の共振器。
〔付記27〕
前記交差点は、前記第1の共振器コイルの端部で発生する、付記21に記載の共振器。
〔付記28〕
前記第1の巻線及び前記第2の巻線のうちの少なくとも一方のパターンは銅コイルを含む、付記21に記載の共振器。
〔付記29〕
第2の層に近接して配置された、導電材料からなる第1の層と、
導電材料からなる前記第1の層と、第3の層と、に近接して配置された、磁気材料からなる前記第2の層と、
前記第2の層と、第4の層と、に近接して配置された前記第3の層であって、第1の共振器コイルを含む前記第3の層と、
前記第3の層に近接して配置された前記第4の層であって、複数の導電材料片を含む前記第4の層と、
を更に備える、付記21に記載の共振器。
〔付記30〕
第2の層に近接して配置された、導電材料からなる第1の層と、
導電材料からなる前記第1の層と、第3の層と、に近接して配置された、磁気材料からなる前記第2の層と、
前記第2の層と、第4の層と、に近接して配置された前記第3の層であって、前記第3の層は第1の共振器コイルを含み、前記第1の共振器コイルは、第2の共振器コイルに近接した場合に、無線エネルギを前記第2の共振器コイルに伝送するように構成されており、前記第1の共振器コイルは、
前記第1の共振器コイル内の第1の巻線パターンであって、導電材料を含む前記第1の巻線パターンと、
前記第1の共振器コイル内の第2の巻線パターンであって、導電材料を含む前記第2の巻線パターンと、を含み、
前記第1の巻線のパターンの一部分が、交差点で、前記第2の巻線のパターンの一部分と交差する、前記第3の層と、を備え、
前記第4の層は複数の導電材料片を含む、
無線エネルギ伝送システム。
〔付記31〕
前記第1の巻線のパターンの前記部分と前記第2の巻線のパターンの前記部分とが前記交差点で交差する際に、前記第1の巻線のパターンの前記部分と前記第2の巻線のパターンの前記部分との物理的接触が発生しない、付記30に記載のシステム。
〔付記32〕
前記第1の巻線のパターンの前記部分は、前記交差点に達する前に、プリント回路基板の第1の層にある前記第2の巻線のパターンの前記部分の前記第1の側において止まり、前記交差点に達してから、前記プリント回路基板の第2の層にある前記第2の巻線のパターンの前記部分の前記第2の側において再開される、付記31に記載のシステム。
〔付記33〕
前記第1の巻線のパターンの第2の部分が、対称な交差点において、前記第2の巻線のパターンの第2の部分と交差する、付記30に記載のシステム。
〔付記34〕
前記交差点は、前記第1の共振器コイルの中央部で発生する、付記30に記載のシステム。
〔付記35〕
前記交差点は、前記第1の共振器コイルの端部で発生する、付記30に記載のシステム。
〔付記36〕
前記第1の巻線及び前記第2の巻線のうちの少なくとも一方のパターンが銅である、付記30に記載のシステム。
〔付記37〕
前記第2の共振器コイルが前記第1の共振器コイルに近接した場合の前記第2の共振器のインダクタンスの変化を、前記複数の導電材料片のサイズ、形状、及び幾何学的位置のうちの少なくとも1つによって小さくする、付記30に記載のシステム。
〔付記38〕
プリント回路基板であって、少なくとも第1の層、第2の層、及び第3の層を含む前記プリント回路基板と、
導電材料からなるループであって、前記第2の層において直径D3を含む、導電材料からなる前記ループと、
導電材料からなるコイルであって、巻数が少なくとも2である、導電材料からなる前記コイルと、を備え、
導電材料からなる前記コイルは、前記第1、第2、及び第3の層のそれぞれを通して接続された、外径D1及び内径D2を有する前記第1の層及び前記第3の層を占有し、
導電材料からなる前記ループは、導電材料からなる前記コイルと結合されている、
電流検知システム。
〔付記39〕
導電材料からなる前記コイルの内径D2内に導体を引き回すことにより、前記導体の電流値が測定される、付記38に記載のシステム。
〔付記40〕
前記導体は共振器コイルの一部である、付記39に記載のシステム。
〔付記41〕
高調波成分を除去する並列共振回路を更に備える、付記38に記載のシステム。
〔付記42〕
電圧出力を有する差動増幅器を更に備える、付記38に記載のシステム。
〔付記43〕
ピーク検出回路を更に備え、前記ピーク検出回路は、前記電圧出力のピークを追跡し、導体の測定された電流値を求める演算増幅器を含む、付記42に記載のシステム。
〔付記44〕
前記第2及び第3の層に近接した第4の層を更に備え、前記第4の層は、導電材料からなる前記ループ及び導電材料からなる前記コイルのうちの少なくとも一方と結合された、導電材料からなる更なるループを含み、導電材料からなる前記更なる円形ループは、前記第4の層における直径がD3である、付記38に記載のシステム。
〔付記45〕
前記導電材料からなる前記コイルは銅パターンを含む、付記38に記載のシステム。
〔付記46〕
導電材料からなる前記コイルは、ストレート戻り及びバランス巻線のうちの少なくとも一方により構成されている、付記38に記載のシステム。
〔付記47〕
85kHzから20MHzの範囲の周波数を有する電流が測定されるように構成されている、付記38に記載のシステム。
〔付記48〕
導電材料からなる前記コイルは、巻数が少なくとも15である、付記38に記載のシステム。
〔付記49〕
導体を交流電流で駆動するステップと、
付記38に記載の電流検知システムを使用して前記交流電流の振幅値及び位相値を測定するステップと、
を含む電流検知方法。