(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607923
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】注入マスク及びアライメント
(51)【国際特許分類】
H01L 21/68 20060101AFI20191111BHJP
C23C 14/04 20060101ALI20191111BHJP
H01L 21/677 20060101ALI20191111BHJP
H01J 37/317 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
H01L21/68 K
C23C14/04 A
H01L21/68 A
H01L21/68 G
H01J37/317 B
【請求項の数】20
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-506689(P2017-506689)
(86)(22)【出願日】2015年8月5日
(65)【公表番号】特表2017-532759(P2017-532759A)
(43)【公表日】2017年11月2日
(86)【国際出願番号】US2015043884
(87)【国際公開番号】WO2016022728
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2018年7月27日
(31)【優先権主張番号】62/033,104
(32)【優先日】2014年8月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507310307
【氏名又は名称】インテヴァック インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】アディビ,ババク
(72)【発明者】
【氏名】プラバカール, ヴィネイ
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,テリー
【審査官】
山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−175026(JP,A)
【文献】
特開昭64−033927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/68
C23C 14/04
H01J 37/317
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を静的処理マスクにアライメントするためのシステムであって、
前記基板がアライメントされるホルダーアライメント機構を有する基板ホルダーと、
前記ホルダーアライメント機構に当接又は押圧されて、前記基板をシステムガイドに適応させて配置するように構成されたシステムガイドと、
前記システムガイドにアライメントされ、処理チャンバに取り付けられ、且つ、処理マスクをマスクアライメント機構に精密アライメントで取り付けるためのマスク取付け機構を備えたマスクアライメント機構と、
前記処理マスクの下方に配置され、且つ、前記ホルダーアライメント機構が前記システムガイドに当接又は押圧するときに前記基板ホルダーが基板を前記処理マスクの下方に配置可能であるように構成されたトラックとを含み、
前記基板は前記システムガイドにアライメントされ、前記処理マスクのパターンは前記システムガイドにアライメントされて、前記処理マスクのパターンは前記基板にアライメントされる、システム。
【請求項2】
前記ホルダーアライメント機構は少なくとも2つのローラーを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記システムガイドは、前記ローラーが当接又は押圧するように構成された直線エッジを含む、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記マスクアライメント機構は、前記ローラーによって当接又は押圧されるように構成された直線バーを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記トラック上を移動し、且つ前記基板ホルダーを支持するように構成されたキャリアをさらに含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記基板ホルダーは前記キャリア上を2自由度で動くように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記キャリアはシート部を含み、前記基板ホルダーは、前記基板ホルダーが2自由度で動くことが可能であるために十分なすきまを備えて前記シート部の中に延びるように構成された延長部を含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記キャリアは複数の前記基板ホルダーを共に保持するように構成される、請求項5に記載のシステム。
【請求項9】
前記キャリアは1×n基板ホルダーの線状アレイを保持するように構成され、nは2以上の自然数である、請求項5に記載のシステム。
【請求項10】
前記マスクアライメント機構は複数の前記直線バーを含み、複数の前記直線バーのそれぞれは、前記基板ホルダーの1つが当接又は押圧するように構成され、かつ1つのマスクが取り付けられる、請求項5に記載のシステム。
【請求項11】
前記ローラーは磁化され、前記直線エッジと前記直線バーとは常磁性又は強磁性材料製である、請求項4に記載のシステム。
【請求項12】
トラックとホルダーアライメント機構とを含む大気アライメントチャンバと、
イオン源、トラック、前記ホルダーアライメント機構にアライメントされたマスクアライメント機構、及び前記マスクアライメント機構に静的に取り付けられたマスクを含む真空イオン注入チャンバと、
前記マスクの下で基板を搬送し、基板を前記ホルダーアライメント機構にチャックするように構成され、前記マスクのパターンが前記基板にアライメントされるように、前記ホルダーアライメント機構に当接又は押圧する間と前記マスクアライメント機構に当接又は押圧するときに基板ホルダーを配置するための当接又は押圧機構を有する基板ホルダーと、を含むイオン注入システム。
【請求項13】
前記ホルダーアライメント機構は直線エッジを含み、前記マスクアライメント機構は、前記ホルダーアライメント機構に対応してアライメントされた直線エッジを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記当接又は押圧機構は、前記ホルダーアライメント機構と前記マスクアライメント機構とに当接又は押圧するように構成された複数の車輪を含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記車輪の少なくとも1つと前記直線エッジとは磁化される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記トラックに乗り、且つ前記基板ホルダーを支持するように構成されたキャリアをさらに含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記キャリアは、前記基板ホルダーが2自由度で自由に動作可能であるように構成される、請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
基板を静的シャドウマスクにアライメントするための方法であって、
基板を基板ホルダー上部に配置するステップと、
前記基板ホルダーをアライメント直線エッジに当接させて、前記基板を前記アライメント直線エッジにアライメントされた所望の配置に配置するステップと、
前記基板ホルダーを前記アライメント直線エッジに当接させながら、前記基板を前記所望の配置で前記基板ホルダーにチャックするステップと、
前記基板ホルダーを、マスク直線エッジに静的に取り付けられたシャドウマスクを備えた真空チャンバに移動させるステップと、
前記シャドウマスクのパターンは前記基板にアライメントされるように、前記基板が前記シャドウマスクの下方に配置される位置で、前記基板ホルダーを前記マスク直線エッジに当接させるステップと、
前記基板に前記シャドウマスクを介して処理を行なうステップと、
前記基板ホルダーを前記真空チャンバから移動させるステップとを含む、方法。
【請求項19】
前記基板ホルダーを前記アライメント直線エッジに当接させることは、前記基板ホルダーに取り付けられたローラーを前記アライメント直線エッジに押圧するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記基板を前記所望の配置に配置することは、前記アライメント直線エッジ上の基準マークに従って前記基板を配置するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本願は、2014年8月5日出願の米国仮特許出願第62/033,104号の優先権を主張し、その開示全体が言及によって本願明細書に組み込まれる。
【0002】
[技術分野]
本開示は、半導体デバイス製造、より具体的にはマスクを用いたイオン注入工程など製造工程時のマスク使用に関する。
【背景技術】
【0003】
注入パターンには、通常、注入ラインの位置や間隔などの要素の精密性における厳しい要件がある。そのラインは、例として、太陽電池から電流を引きだすのに用いられる金属フィンガーのコンダクタンスを増大させるための注入工程であり得る。これらのラインは、非常に細くて密なもの(つまりピッチが狭い)であり得り、高い注入精密性が要求される。多くの場合、同じ基板に1を超える注入パターンが必要とされる。その場合、1回の注入ステップだけでなく複数回の注入ステップで、しばしば複数の処理具にわたって、高い精密レベルが保たれる必要がある。このため、基板とパターンマスクとの高精密アライメントが求められる。通常の手法では、マスクと基板とを共に真空中で精密にアライメントして、マスクを介して注入が行われる。しかしながら、こうした手法は以下のものを含むいくつかの問題がある。光学的又はその他の手段による、真空環境における精密アライメントは、難しく且つ非常に高価である。複数回注入するため、精密アライメントが複数回繰り返されて、種々のパターン用の各マスク変更に対応する必要がある。真空環境でのマスク交換により、さらに、アライメントが不正確になり、コストがかかり、そして複雑になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ゆえに、当該技術において、基板をマスクにアライメントするためのより簡易なシステムが必要とされている。一般に、大気環境において行われることができる任意のアライメントステップでは、システムの複雑性やコストが軽減される。さらに、システムにわたり基板ホルダーを搬送する時の精密な配置の必要性がなくなることで、システムの複雑性やコストがさらに軽減される。
【0005】
以下の本発明の概要は、本発明の一部の態様や特性の基本的に理解を得ることを目的とする。この概要は、本発明の広範な概説ではなく、またこれ自体が本発明の要所若しくは重要な要素を具体的に特定したり、又は本発明の範囲を明確化したりすることを意図するものではない。その唯一の目的は、後述されるより詳細な説明の前置きとして、本発明のいくつかの概念を単純な形で提示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の実施形態により、すべて基板に精密にアライメントされた1つ以上のマスクを用いて基板を処理することが可能になる。これにより、すべて相互にアライメントされた、基板上の複数のパターンを生成可能である。最初のアライメントステップは大気環境中で行われ、その後基板が真空内に導入されて、処理の間真空中に保持され得る。さらに、基板ホルダーは、システムにわたる搬送において精密に配置される必要はない。具体的には、各ステーションにおいて、基板がマスクに精密にアライメントされるようにホルダーの精密配置を確実にするアライメント機構が提供される。本文脈における「マスク」への論及は、しばしばシャドウマスクとして言及される、例えば金属薄板など薄板製マスクに対するものであるということ理解する必要がある。
【0007】
開示される実施形態では、基板は、大気中で基準エッジに(光学的又はその他の手段により)精密アライメントされ、各マスクの下方を移動するときに、内蔵型ガイドバーを備えた複数のマスクに自己アライメントする。この手法には種々の有利性がある。例として、精密アライメントは、より多くの選択肢とよりコストの低い解決策とが利用可能な大気中で行なうことができる。マスクは固定することができ、続く各マスクをアライメントするために真空から出る必要はない。また、マスクはそのそれぞれのステーションで停止可能ことから、熱的均衡を得られるので、熱影響による寸法の変化を最小化することができる。マスクは真空に留まるため、熱サイクルを受けず、ゆえにフレーキングが最小化される。また、マスクは静止しているため機械的取り扱いが少ない。通常マスクはもろく、機械的取り扱いにより壊れ得るため、これは有益である。また、各マスク変更において精密アライメントの必要なく、種々のマスクを介して複数の注入が行われ得る。
【0008】
開示の態様では、基板を処理マスクにアライメントするためのシステムが提供され、該システムは、ホルダーアライメント機構を備えた基板ホルダーと、ホルダーアライメント機構に係合され、基板ホルダーをシステムガイドに適応させて配置するように構成されたシステムガイドと、システムガイドにアライメントされ、処理マスクをマスクアライメント機構に精密アライメントで取り付けるためのマスク取付け機構を備え、処理チャンバに取り付けられたマスクアライメント機構と、処理マスクの下方に配置され、ホルダーアライメント機構がマスクアライメント機構に係合するときに基板ホルダーが基板をマスク下方に配置することを可能にするように構成されたトラックとを含む。ホルダーアライメント機構は少なくとも2つのローラーを含むとよい。システムガイドは、ローラーが係合するように構成された直線エッジを含むとよい。マスクアライメント機構は、ローラーが係合するように構成された直線バーを含むとよい。システムは、トラック上を移動し、且つ基板ホルダーを支持するように構成されたキャリアをさらに含むとよい。基板ホルダーは、キャリア上を2自由度で自由に動くように構成可能である。キャリアはシート部を含み得り、基板ホルダーは、基板ホルダーが2自由度で動作可能であるために十分なゆとり(すきま)をもってシート部の中に延びるように構成された延長部を含み得る。キャリアは同時に複数の基板ホルダーを保持するように構成可能である。キャリアは、1×n基板ホルダーの線状アレイを保持するように構成されるとよく、nは2以上の自然数である。マスクアライメント機構は複数の直線バーを含み得り、それぞれの直線バーは、基板ホルダーの1つを係合するように構成され、かつ1つのマスクが取り付けられる。ローラーは磁化されることができ、直線エッジと直線バーとは常磁性又は強磁性材料製である。代替的又は追加的に、基板ホルダーを直線バーに押圧するために反射性を有するガイドが提供されてもよい。
【0009】
さらなる態様では、イオン注入システムが提供され、該システムは、トラックとホルダーアライメント機構とを含む大気アライメントチャンバと、大気アライメントチャンバに連結されて、イオン源、トラック、ホルダーアライメント機構にアライメントされたマスクアライメント機構、及びマスクアライメント機構に取り付けられたマスクを含む真空イオン注入チャンバと、基板をチャックし、またホルダーアライメント機構を係合する間とマスクアライメント機構を係合するときに基板ホルダーを配置するための係合機構を有するように構成された基板ホルダーと、を含む。ホルダーアライメント機構は直線エッジを含むとよく、またマスクアライメント機構はホルダーアライメント機構に並行配置でアライメントされた直線エッジを含むとよい。係合機構は、ホルダーアライメント機構とマスクアライメント機構とに係合するように構成された複数の車輪を含むとよく、基板ホルダーを直線エッジに押圧するように構成された弾力性ガイドをさらに含むとよい。車輪又は直線エッジの少なくとも1つが磁化されるとよい。システムは、トラックに乗り、且つ基板ホルダーを支持するように構成されたキャリアをさらに含むとよい。キャリアは、基板ホルダーが2自由度で自由に動作可能であるように構成されることができる。
【0010】
さらなる態様では、基板をシャドウマスクにアライメントする方法が提供され、該方法は、基板を基板ホルダー上部に配置するステップと、基板ホルダーをアライメント直線エッジに当接し、基板を所望の配置に配置するステップと、基板ホルダーをアライメント直線エッジに当接させながら、所望の配置で基板を基板ホルダーにチャックするステップと、基板ホルダーを、マスク直線エッジに取り付けられたシャドウマスクを備えた真空チャンバに移動させるステップと、基板をシャドウマスクの下方に配置する位置で、基板ホルダーをマスク直線エッジに当接するステップと、マスクを介して基板に処理を行なうステップと、基板ホルダーを真空チャンバから移動させるステップとを含む。ホルダーをアライメント直線エッジに当接することは、基板ホルダーに取り付けられたローラーをアライメント直線エッジに押圧するステップを含むとよい。基板を所望の配置に配置することは、アライメント直線エッジ上の基準マークに従って基板を配置するステップを含むとよい。
【0011】
本明細書に組み込まれてその一部を構成する添付の図面は、本発明の実施形態を例示し、明細書とともに本発明の原理を説明し図示する役割を担う。図面は、例示的な実施形態の主要な構成要素を図式で示すことを意図したものである。図面は、実際の実施形態のすべての構成要素や図示された要素の相対的な寸法を描くことを意図せず、正確な縮尺で描かれない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は基板ホルダー上の基板を示し、一実施形態において、基板ホルダーは外部精密エッジにアライメントされる。
【
図2】
図2は基板ホルダー上の基板を示し、一実施形態において、基板ホルダーは外部精密エッジにアライメントするためのアライメントローラーを有する。
【
図3】
図3は、マスクホルダーに取り付けられたマスクを示し、一実施形態において、マスクはガイドバーとしての精密エッジにアライメント及び連結される。
【
図4】
図4は、基板ホルダー上の基板の上面図を示し、一実施形態において、基板ホルダーはキャリアの上部に配置される。
【
図5】
図5は、基板ホルダー上の基板の底面図を示し、一実施形態において、基板ホルダーはマスクを支持する精密ガイドバーにアライメントされる。
【
図6】
図6は、一実施形態における、キャリア上に配置された基板ホルダーと、基板の一部をマスクするため設けられた被覆機構とを示す。
【
図7】
図7は、対応する基板ホルダー上の一基板の拡大図を示し、一実施形態において、基板ホルダーは浮揚配置で配置される、つまり、キャリア平面において自由に動作して、基板ホルダーを外部精密エッジとマスクガイドバーとにアライメント可能にする。
【
図8】
図8は、一実施形態において、基板ホルダーが浮揚配置で配置される、つまり、キャリア平面において自由に動作して、基板ホルダーを外部精密エッジとマスクガイドバーとにアライメント可能にする構成を示す。
【
図9】
図9は、一実施形態における、イオン注入システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
種々の実施形態では、基板は、静電チャック又は他のサセプタ若しくはホルダー(基板を支持及びチャックする任意の手段を含むため、以下、単にホルダーとして言及される)に載置され、ホルダーは、真空システム内外においてキャリアで移動する。基板ホルダーは、(大気又は真空において)精密基準エッジと接触する1又は複数のホルダー側部に、複数のアライメント要素及び/又はローラーを有する。アライメント要素は、磁気的、機械的又は非機械的に、精密アライメントで精密基準エッジに接触して、エッジに対して押圧される。一実施形態において、アライメント要素はローラーを含み、ローラーの接線はアライメントバーのアライメントエッジに合う。基板は、ホルダーの固定基準エッジに、つまり例えばローラーであるホルダーのアライメント要素の接線に(例えば光学的に)精密アライメントされる。光学又は機械的方法によるアライメントを向上するために、多くの要素がホルダー・キャリアに設けられ、参照又は基準マークとして使用可能である。
【0014】
基板がホルダーにアライメントされると、基板ホルダーに(例として、静電チャック、真空チャック、機械的チャックなどを用いて)クランプされて、その位置及び配置からの移動を防ぐ。これは、例えば容量性電荷法を用いて行なわれ、基板は精密配置にチャックされながら、ホルダーは取り外されてアライメント位置から自由に動く。ホルダーは基準エッジにアライメントされて、基板はホルダーにアライメントされるので、基板は基準エッジに精密アライメントされる。ローラーがアライメントに用いられる場合、基板は、ホルダのアライメントローラーの接線にアライメントされる。
【0015】
図1及び
図2は、ホルダーを精密エッジにアライメントするためにローラーが使用される実施形態を示す。図に示されるように、ウエハ105はウエハホルダー110の上部に配置される。これは、例えば大気中の装填モジュールにおいて、手動又はロボットアームを用いて行なわれ得る。ホルダー110のローラー120は精密直線エッジ115に接触させられる。ローラー120と直線エッジとは精密な機械であり、車輪120をエッジ115に反復係合して、ホルダー110をエッジ115に対して全く同じに配置し得る。係合位置を維持しながら、ウエハは直線エッジに対して事前選択された配置にアライメントされる。ウエハはアライメントされると、ホルダーにチャック又はクランプの少なくともどちらか一方が行なわれる。ホルダー110へのウエハの配置又はアライメントは重要ではなく、肝心なことは直線エッジ115に対するウエハ105のアライメントであるということが言及される。直線エッジ115に対する適切な配置においてウエハ105がホルダー110にチャックされると、ホルダー110が直線エッジ115に接触するときには、ウエハは常に直線エッジ115に対してアライメントされる。
【0016】
図3に示されるように、マスク130は直線エッジ117(最初の基板アライメントに用いられる直線エッジとの区別時に読み手の理解を助けるために、本明細書において、直線バー117としてしばしば言及される)に取り付けられる。直線エッジ117は、直線エッジ115に対応する精密アライメントで配置され、ホルダー110の車輪120が直線エッジ117に係合するときに、ウエハは直線エッジ117に対して、直線エッジ115に対するものと同じ配置でアライメントされる。マスク130は、パターン132が直線エッジ117にアライメントされるように直線エッジ117に取り付けられる。ウエハ105は直線エッジ117にアライメントされ、パターン132も直線エッジ117にアライメントされるので、パターン132はウエハ105にアライメントされる。
【0017】
システムは、複数のマスク130が対応する直線エッジ117に取り付けられたものを有し得、ホルダーは1つの位置から他の位置に搬送されることができ、各ステーションでは、ローラー120が直線エッジ117に係合するときにマスクがウエハにアライメントされることが確実である。これは、下方からホルダーとマスクとを見上げる図である
図5に示される。図に示されるように、車輪120は直線エッジ・バー117に係合する。マスク直線エッジ117に対するホルダー110の適切なアライメントを確実にするために、車輪120は直線エッジ117を適切に係合する必要がある。このため、車輪は磁化されて、直線エッジ117に当接するか又は直線エッジ117を押圧するように引き付けられるとよい。他の方法が用いられてもよい。例として、破線で示されるように、ばね式又は弾力性のガイドレール126が、車輪120を直線エッジ117に押し付けてもよい。適切なアライメントを確実にするために、車輪が直線エッジに当接か又は押圧の少なくとも1つを行なうように押し付けられることが確実であるならば、他の機構が用いられてもよい。
【0018】
マスク130は、ウエハ105位置の上方で、直線エッジ117に取り付けられる。ホルダー110は、通過(pass−by)処理のために直線エッジに接触する車輪で移動するか、又は、静止処理のためにマスク下方の特定の位置で停止してもよい。処理のタイプに関わらず、1つ以上の直線エッジ117は、システム全体で直線エッジ115にすべてアライメントされる。つまり、直線エッジのアライメントに精密性が必要とされるのみであり、このことが、ホルダ搬送時には精密性が緩和可能でありながら、ウエハとマスクとが常にアライメントされることを確実にする。こうして、ウエハとマスクとのいずれもホルダーにアライメントされる必要がないので、ホルダー110は簡易で安価な設計を用いて製造され得る。
【0019】
図4は、ウエハホルダー110がシステム内においてキャリア125で搬送される実施形態を示す。矢印で示されるように、ホルダー110は、即ちキャリア上面の平面において、自由に動作し得るようにキャリア125に配置される。その動作は、所定の範囲に制限され得るが、ホルダー110がキャリア125に対して配置を自由に変更できるためには十分なものである。理想的には、ホルダーはその仰角の変更を制限される。そして、キャリアは、チャンバ内に配置された直線エッジを有するマスクを備えた処理チャンバに進入するときに、車輪120を直線エッジ117に係合させる位置に移動する。ホルダー110は、キャリア125の上部でその配置を変更するために自由に動作可能であるので、マスク下方の精密位置に、マスク下方で所定距離を隔てて、車輪120によりアライメントされることができる。
【0020】
開示の実施形態において、基板ホルダー110はキャリア125において「浮揚する」。キャリア125は、事前にローラー120に精密アライメントされた基板105を、必要とされる一連の注入に応じて1又は複数のマスクの下方に搬送する。ホルダー110及びキャリア125は基板保持具として機能し、ヒートシンクや電線管としての役割を担うことで、基板熱冷却及び放電経路を向上させるようにできる。しかしながら、ホルダー110又はキャリア125への基板105のアライメントを確実にするために精密性は必要ではない。本質的に、アライメントはウエハと、開示の実施形態においては車輪120であるアライメント保持具との間のものである。
【0021】
一部の実施形態において、ホルダー及び/又はキャリアは、注入や堆積から基板をさらに被覆可能な被覆機構を有し得る。例としてホルダー及び/又はキャリアは、例えば、端部シャントを防ぐためにウエハ端部を覆う組込みシャドウマスクなど、被覆機構を有し得る。
図6は、2つのバー133がウエハ105の2端部を覆う実施例を示す。バー133は、ホルダー110又はキャリア125に取り付け可能であり、マスクの下方を通る。こうして、実際のイオン注入パターンは、イオン注入源のシャドウマスクと、ホルダ又はキャリアに組み込まれたシャドウマスクとを通過するイオンによってもたらされるものとなる。
【0022】
図7は
図8のA−A線に沿う断面であり、ホルダー110が、アライメントを可能にするために2自由度で動作しながら、どのようにキャリア125上部で浮揚できるかの実施例を示す。この実施例では、キャリア125はシート部140を含み、この場合にはこれは円形孔のくぼみである。ホルダー110はシート部140へと延びる延長部117を有する。延長部117の外寸はシート部140の内寸より小さく構成され、延長部117とシート部140との間の空間又はすきまにより2自由度での「遊び」が設けられる。
図7の実施例において、シート部と延長部117とは円形であり、延長部117の外寸直径はシート部140の内寸直径より事前設計された分小さく、延長部117とシート部140との間の自由空間が設けられる。
【0023】
図8は、複数のシート部140が1つのキャリア125に含まれ、複数のホルダー110を同時に搬送可能な実施例を示す。
図8の実施例において、キャリア125は、1×n個のホルダー110の線状アレイを有し、nは2以上の自然数である。同様の数のマスクとその対応する直線エッジとが各処理チャンバに配置され、1×n個の基板アレイが共にアライメント及び処理されることが可能である。キャリア125は、複数のホルダー110が対応する直線エッジ117に係合してウエハをマスク130の下方に共に移動させるように、システムにわたり矢印で示される方向に移動する。
【0024】
図9は、アライメントチャンバ905、第1注入チャンバ910、及び第2アライメントチャンバ915を有する注入システム900の実施例を示す。注入システム900において、各注入源920、925は、アライメントアセンブリとして精密アライメントされたガイドバー117、117’を備えた各マスク130、130’を有する。精密アライメントされたガイドバー117、117’は、基板アライメントチャンバ905の基準エッジ115に精密にアライメントされる。マスク部分は、システム900の据え付け前又は据え付け時にガイドバー117、117’に精密アライメントされる。
【0025】
キャリアはまずアライメントモジュール905に進入して、基板ホルダー110がアライメント直線エッジ115に係合し、ウエハが直線エッジに、又は直線エッジ若しくはホルダーに設けられた基準マークにアライメントされる。アライメントは、例えば、ホルダー110上の基板の適切な配置を印づけるレーザポインタ909も含み得る光学カメラ908などの補助により行われ得る。ウエハは、アライメントされると、ホルダー110にチャックされる。
【0026】
キャリア125が、基板をチャックするホルダー110と共にトラック955上を移動して、基板をマスク下方に配置するとき、(基板に予備アライメントされた)浮揚基板ホルダー110のアライメントローラーは、マスクガイドバー117、117’に(例えば、機械的に及び/又は磁気的に)取り付けられ、マスク130、130’の下方を自由に通過するか又は必要なら停止する。アライメントローラーの接線はマスクガイドバー117、117’にアライメントされる。これらのローラーに基板がアライメントされるので、基板はここでマスクガイドバーに、つまりマスクの要素・パターンにアライメントされる。イオンビーム922は必要に応じて連続的又はパルス状であり、ウエハはマスクの下方を通過するか又マスクの下方で静止して、必要な注入パターンを基板に生成し得る。
【0027】
一部の実施形態において、
図9で「d」として示される、基板とマスク130との垂直方向の間隙は、次のレベルの注入領域定義を提供するように調節され得る。
【0028】
代替的又は追加的に、ビーム光学操作が用いられて、所望の注入領域寸法を得るために直交方向のビーム広がりを調節することが可能である。基板ホルダー及び/又はマスクは、ローラーがマスク精密エッジにアライメント可能であるように、浮揚することができる。
【0029】
チャンバ910における注入処理の完了後、キャリアは次の注入チャンバ915に移動して、ホルダー110は次のマスク130’に自己アライメントする。
図9において、イオン注入源920及び925は、2つの個別のチャンバ910及び915内にあるように示されるが、実際には同じ真空チャンバ内にあってもよい、ということが言及される。
【0030】
開示の実施形態では、真空における複雑で高価なアライメント設定は避けられ、マスクと基板ホルダーとの構成に大きい自由度がある、ということが理解される必要がある。ホルダーとキャリアとを含む、システムの部品の多くは、安価に製造可能であり、基板をアライメントするためのアライメント機構を包含する必要はない。必要とされることのすべては、まず、すべてのマスクガイドバーを直線エッジ115にアライメントすることである。そして、各マスクは、そのガイドバーにアライメントされ、適切なアライメントで固定される。これはまた一回行われる必要があるのみである。そして、各ウエハは、システム内のすべてのマスクに自動的にアライメントさせる直線エッジに簡単にアライメントされる。
【0031】
終わりに、本明細書に記載される処理及び技術について、特定の装置には本質的に関連していないこと、そして構成部のあらゆる適切な組合せによって適用され得ることが理解されるべきである。さらに、本明細書に記載の教示に従って、様々なタイプの汎用デバイスが用いられ得る。また、本明細書に記載の方法を行なうために、特別な装置を構成することは有益である。本発明は、あらゆる点で限定的というより例示的であることが意図される特定の実施例について記載されている。当業者は、ハードウエア、ソフトウエア、及びファームウエアの多くの種々の組合せが、本発明の実施に適するであろうことを理解する。
【0032】
本発明は、あらゆる点で限定的というより例示的であることが意図される特定の実施例について記載されている。当業者は、ハードウエア、ソフトウエア、及びファームウエアの多くの種々の組合せが、本発明の実施に適するであろうことを理解する。さらに、本明細書及び本明細書に開示の実施形態を考慮することから、本発明の他の適用は当業者には明らかである。記載の実施形態の様々な態様及び/又は一部は、真空チャンバ分野において個別に又は任意の組合せで用いられ得る。本明細書と実施例とは、添付の特許請求の範囲により規定される本発明の本来の範囲や趣旨と共に、例示としてのみ考慮されるということが意図される。