特許第6607932号(P6607932)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特許6607932リンギング補償を備えるレンズドライバ回路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607932
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】リンギング補償を備えるレンズドライバ回路
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/08 20060101AFI20191111BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20191111BHJP
   G03B 5/00 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   G02B7/08 C
   G02B7/04 E
   G03B5/00 J
【請求項の数】20
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2017-519471(P2017-519471)
(86)(22)【出願日】2015年6月22日
(65)【公表番号】特表2017-522612(P2017-522612A)
(43)【公表日】2017年8月10日
(86)【国際出願番号】US2015037037
(87)【国際公開番号】WO2015196215
(87)【国際公開日】20151223
【審査請求日】2018年5月24日
(31)【優先権主張番号】14/310,605
(32)【優先日】2014年6月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ合同会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【上記1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ユッシ ペッテリ ティッカネン
(72)【発明者】
【氏名】ユハ ヨルマ サカリ カルツネン
【審査官】 井亀 諭
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0156763(US,A1)
【文献】 特開2007−017706(JP,A)
【文献】 特開2013−226010(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0169857(US,A1)
【文献】 米国特許第08724016(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02−7/16
G03B 5/00−5/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラレンズの焦点位置を制御するために適したシステムであって、
コイル・レンズ・ボディ構造と、前記コイル・レンズ・ボディ構造に取り付けられる第1のスプリングとを含むボイスコイルモータ(VCM)と、
レンズドライバ回路と、
を含み、
前記レンズドライバ回路が、
前記コイル・レン・ボディ構造のコイルに結合される第1の電流ドライバであって、
前記コイル・レンズ・ボディ構造を第1の旧ポジションから第1の新ポジションに向けて移動させる磁場を生成するために、前記コイルを介する第1の電流量と、
前記コイル・レンズ・ボディ構造を前記第1の新ポジションに移動させて前記第1の新ポジション付近での前記コイル・レンズ・ボディ構造の振動を実質的に低減させるために、前記第1の電流量が駆動されてから或る遅延時間後に、前記コイルを介する第2の電流量と、
を駆動する、前記第1の電流ドライバ回路と、
前記第1の電流ドライバに結合されるコントローラであって、
第1の較正ポジションでの第1の共振周波数を決定し、
第2の較正ポジションでの第2の共振周波数を決定し、
前記第1の新ポジションと前記第1の較正ポジションでの前記第1の共振周波数と前記第2の較正ポジションでの前記第2の共振周波数とから前記遅延時間を決定する、前記コントローラと、
を含む、システム。
【請求項2】
請求項に記載のシステムであって、
前記コントローラが、
前記第1の較正ポジション付近での前記コイル・レンズ・ボディ構造の振動に対応する第1の正弦波電圧を形成
前記第1の共振周波数を決定するため前記第1の正弦波電圧の周波数を決定する、
ことによって前記第1の較正ポジションでの前記第1の共振周波数を決定する、システム
【請求項3】
請求項に記載のシステムであって、
前記レンズドライバ回路が、前記コイル・レンズ・ボディ構造が中立のポジションに停止して存在するとき前記コイルを横切るDC電圧を測定し、前記コイル・レンズ・ボディ構造が前記第1の較正ポジション付近で振動するとき前記コイルを横切るDCバイアス正弦波電圧を測定する増幅・デジタル化回路を更に含む、システム
【請求項4】
請求項3に記載のシステムであって、
前記コントローラが、前記第1の正弦波電圧を形成するために前記DCバイアス正弦波電圧からDCバイアス電圧を除去する、システム。
【請求項5】
請求項に記載のシステムであって、
前記レンズドライバ回路が、前記コイル・レンズ・ボディ構造が中立のポジションに停止して存在するとき前記第1の電流ドライバを横切るDC電圧を測定し、前記コイル・レンズ・ボディ構造が前記第1の較正ポジション付近で振動するとき前記第1の電流ドライバを横切るDCバイアス正弦波電圧を測定する増幅・デジタル化回路を更に含む、システム
【請求項6】
請求項に記載のシステムであって、
前記コントローラが、前記第1の正弦波電圧を形成するために前記DCバイアス正弦波電圧から前記DCバイアス電圧を除去する、システム
【請求項7】
請求項に記載のシステムであって、
前記コントローラが、
前記第2の較正ポジション付近での前記コイル・レンズ・ボディ構造の振動に対応する第2の正弦波電圧を形成
前記第2の共振周波数を決定するため前記第2の正弦波電圧の周波数を決定する、
ことによって前記第2の較正ポジションでの前記第2の共振周波数を決定する、システム
【請求項8】
請求項に記載のシステムであって、
前記コントローラが、
前記第1の較正ポジションでの前記第1の共振周波数前記第2の較正ポジションでの前記第2の共振周波数を用いてラインを定義
前記ライン前記第1の新ポジションから前記遅延時間を決定する、
ことによって前記遅延時間を決定する、システム
【請求項9】
請求項に記載のシステムであって、
前記遅延時間が前記第1の新ポジションでの新共振周波数の半周期に等しい、システム
【請求項10】
請求項1に記載のシステムであって、
前記レンズドライバ回路前記VCMに接続される電力回路を更に含み、
前記電力回路が、
第1のモードで実質的に一定の大きさ有し、第2のモードで可変の大きさを有する出力電圧を生成するバックコンバータ回路であって、前記第2のモードでの前記出力電圧の前記大きさが順方向電圧制御信号に応答して変化する、前記バックコンバータ回路と、
前記バックコンバータ回路に接続される適応電圧制御回路であって、参照順方向電圧と前記第1の電流ドライバを横切る順方向電圧との間の差に応答して前記順方向電圧制御信号を出力する、前記適応電圧制御回路と、
を含む、システム
【請求項11】
請求項1に記載のシステムであって、
前記レンズドライバ回路前記VCMに接続される電力回路を更に含み、
前記電力回路が、
第1のモードで実質的に一定の大きさ有し、第2のモードで可変の大きさを有する出力電圧を生成するバックコンバータ回路であって、前記第2のモードでの前記出力電圧の前記大きさが順方向電圧制御信号に応答して変化する、前記バックコンバータ回路と、
前記バックコンバータ回路に接続される適応電圧制御回路であって、前記適応電圧制御回路が、参照順方向電圧と最小順方向電圧との間の差に応答して前記順方向電圧制御信号を出力し、前記最小順方向電圧が、複数の電流ドライバを横切る最も低い順方向電圧である、前記適応電圧制御回路と、
を含む、システム
【請求項12】
請求項1に記載のシステムであって、
前記コイルが、電源と前記第1の電流ドライバとの間に存在し、前記電源と前記第1の電流ドライバとに接続される、システム
【請求項13】
請求項1に記載のシステムであって、
前記第1の電流ドライバが、電源と前記コイルとの間に存在し、前記電源と前記コイルとに接続される、システム
【請求項14】
請求項1に記載のシステムであって、
前記レンズドライバ回路
前記コントローラに接続されるジャイロスコープであって、地球の中心に向かう方向に基づいて前記コイル・レンズ・ボディ構造のレンズの角運動を測定、前記測定された角運動を表すジャイロワードを前記コントローラに出力する、前記ジャイロスコープと、
前記コントローラに接続される加速度計であって、非重力的線形加速を測定、前記レンズがカメラモーションを補償するために軸に沿って移動され得る平面に存在し、測定された線形モーションを表すアクセルワードを前記コントローラに出力する、前記加速度計と、
を更に含む、システム
【請求項15】
請求項14に記載のシステムであって、
前記VCMが、前記コイル・レンズ・ボディ構造に取り付けられるX調整VCMと、前記コイル・レンズ・ボディ構造に取り付けられるY調整VCMとを更に含み、
前記コントローラが、前記新ポジションと前記ジャイロワードと前記アクセルワードとに応答して、前記コイル・レンズ・ボディ構造のxyポジションを制御するように、前記X調整VCMと前記Y調整VCMとを制御する、システム。
【請求項16】
請求項1に記載のシステムであって、
前記VCMが前記コイル・レンズ・ボディ構造に取り付けられる第2のスプリングを更に含み
前記レンズドライバ回路が、
前記コイル・レンズ・ボディ構造の前記コイルに接続される第2の電流ドライバであって
前記コイル・レンズ・ボディ構造を第2の旧ポジションから第2の新ポジションに向て移動させる磁場を生成するために、前記コイルを介する第2の電流量と
前記第2の新ポジション付近での前記コイル・レンズ・ボディ構造の振動を実質的に低減するために、或る遅延時間後に前記コイルを介する第2の電流量と、
駆動する、前記第2の電流ドライバを更に含む、システム
【請求項17】
コイル・レンズ・ボディ構造を有するボイスコイルモータ(VCM)を備えるカメラレンズの焦点位置を制御する方法であって、
旧ポジションに関連するコイル・レンズ・ボディ構造に対する新ポジションを受信することと、
遅延時間を決定することであって
第1の較正ポジションでの第1の共振周波数を決定することと、
第2の較正ポジションでの第2の共振周波数を決定することと、
前記新ポジションと前記第1の較正ポジションでの前記第1の共振周波数と前記第2の較正ポジションでの前記第2の共振周波数とから前記遅延時間を決定することと、
を含む、前記遅延時間を決定することと、
前記コイル・レンズ・ボディ構造のコイルを介して第1の電流量を駆動て、前記コイル・レンズ・ボディ構造を旧ポジションから前記新ポジションへ向けて移動させる磁場を生成すること
前記新ポジション付近での前記コイル・レンズ・ボディ構造の振動を実質的に低減するために、前記第1の電流量が駆動されてから前記遅延時間後に、前記コイルを介して第2の電流量を駆動すること
を含む方法。
【請求項18】
請求項17に記載の方法であって、
前記遅延時間が前記新ポジションでの共振周波数の半周期時間に等しい、方法。
【請求項19】
コイル・レンズ構造の位置を制御するために前記コイル・レンズ構造のコイルに駆動電流を提供するレンズドライバ回路であって、
前記コイルに結合される第1の電流ドライバであって、前記コイル・レンズ構造を第1の位置から第2の位置に向けて移動させる磁界を生成する第1の駆動電流と、前記第1の駆動電流の供給から所定の時間後に前記第2の位置付近での前記コイル・レンズ構造の振動を実質的に低減する第2の駆動電流とを前記コイルに提供する、前記第1の電流ドライバと、
前記第1の電流ドライバに結合されるコントローラであって、第1の較正位置での第1の共振周波数と第2の較正位置での第2の共振周波数を決定し、前記第2の位置と前記第1の共振周波数と前記第2の共振周波数とに基づいて前記所定の時間を決定する、前記コントローラと、
を含む、レンズドライバ回路。
【請求項20】
請求項19に記載のレンズドライバ回路であって、
前記所定の時間が前記第2の位置における共振周波数の半周期に対応する、レンズドライバ回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的にレンズドライバ回路に関し、特に、リンギング補償を備えるレンズドライバ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
ボイスコイルモータ(VCM)は、ボディ、ボディに取り付けられたコイル、及びコイルを囲む永久磁石を含む、周知の構造である。VCMは、コイルを介して電流を送ることによって動作される。コイルを通過する電流は磁場を生成し、磁場は、永久磁石からの磁場と反応してコイル及びボディを動かす。
【0003】
VCMは元来、VCMのボディとして機能する拡声器コーンを駆動する手段として開発された。音声波形を表す電流がコイルを介して送られると、その結果の電流が生成した磁場が永久磁石からの磁場と反応して拡声器コーンを動かし、元の音を再生する音圧波を生成する。
【0004】
元のVCMの周知の変形の1つは、ボディに取り付けられたスプリングを含むものである。スプリングが用いられる場合、電流がコイルを介して送られ得、それによって、反応する磁場がコイルとボディを動かしてスプリングを圧縮する。その際、磁気とスプリングの力をバランスさせることによって、コイル及びボディのポジションが決定される。圧縮されたスプリングに保存されたエネルギーは、コイル及びボディを前のポジションに戻すために用いられ得、それによりエネルギーを節約する。
【0005】
スプリングベースのVCMは低電力電子用途に用いられることが多い。例えば、スマートフォンに用いられるコンパクトカメラモジュール等のコンパクトカメラ用途において、コイルを通過する電流の規模は漸増的に増加され得る。電流における漸増的増加は、コイル及びボディを漸進的に移動させ、VCMのボディに取り付けられているレンズを、多数の焦点ポジションを通してステップさせ、レンズに対する焦点合致(in-focus)ポジションを見出す。コイル・レンズ・ボディを含む結合された構造の移動はスプリングを圧縮し、スプリングはその後、結合されたコイル・レンズ・ボディ構造を前のポジションに戻すために用いられ得る。
【0006】
多数の焦点ポジションを通してレンズを移動させるためにスプリングベースのカメラVCMを用いることに関する問題の1つは、コイル・レンズ・ボディ構造が所望のポジションに到達すると、移動する構造のモーメンタムが、スプリングを及びそれのためスプリングに接続されたコイル・レンズ・ボディ構造を、所望のポジションで停止する前に或る時間の間、所望のポジション付近で振動させることである。所望のポジション付近でのこの振動は、一般にリンギングとして知られている。
【0007】
極めて短い時間にレンズが多数のポジションを通してステップする必要がある場合、振動又はリンギングを停止させるために必要な時間は、レンズの焦点合致ポジションを見出すために必要とされる時間を著しく増加し得る。
【発明の概要】
【0008】
説明される例において、リンギング補償を備えるレンズドライバ回路がボイスコイルモータ(VCM)を含む。VCMは、コイル・レンズ・ボディ構造、及びコイル・レンズ・ボディ構造に取り付けられるスプリングを有する。またVCMは、コイル・レンズ・ボディ構造のコイルに接続される電流ドライバを有する。電流ドライバはコイルを介して第1の電流量を駆動する。コイルを介して流れる第1の電流量は磁場を生成し、その磁場は、コイル・レンズ・ボディ構造を、旧ポジションから新ポジションに向けて移動させる。電流ドライバは更に、コイル・レンズ・ボディ構造を新ポジションを中心として位置したままにするように、及び第1の新ポジション付近でのコイル・レンズ・ボディ構造の振動を実質的に低減するように、第1の電流量が駆動されてから或る遅延時間後に、コイルを介して第2の電流量を駆動する。
【0009】
或る構造を旧ポジションから新ポジションに移動させる方法において、この方法は、遅延時間を決定すること、及びコイルを介して第1の電流量を駆動することを含む。コイルは構造に取り付けられ、そのため、コイルが移動すると構造が等距離移動する。コイルを介して流れる第1の電流量は磁場を生成し、その磁場は、コイル及び構造を旧ポジションから新ポジションに向けて移動させる。この方法はまた、新ポジション付近での構造の振動を実質的に低減させるために、第1の電流量が駆動されてから或る遅延時間後に、コイルを介して第2の電流量を駆動することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示の実施形態に従ったレンズドライバ回路100のブロック図である。
【0011】
図2】代替の実施形態に従ったレンズドライバ回路200の例のブロック図である。
【0012】
図3】代替の実施形態に従ったレンズドライバ回路300の例のブロック図である。
【0013】
図4】代替の実施形態に従ったレンズドライバ回路400の例のブロック図である。
【0014】
図5】代替の実施形態に従ったレンズドライバ回路500の例のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は例示の実施形態に従ったレンズドライバ回路100の例のブロック図を示す。下記に詳しく説明されるように、レンズドライバ回路100は、レンズを任意の旧ポジションから任意の新ポジションに2つのステップで移動させ、第2のステップは、第1のステップから或る遅延時間後に起こる。この例において、遅延時間は新ポジションでの共振周波数の周期の2分の1に等しい。レンズドライバ回路100はまた、各ポジションに対して共振周波数が決定され得るように、複数の較正ポジションで共振周波数を決定する。
【0016】
図1に示されるように、レンズドライバ回路100は、従来のカメラボイスコイルモータ(VCM)110を含む。カメラVCM110は、コイル112、レンズ114、及びボディ116を含む。ボディ116は、コイル112及びレンズ114に取り付けられて、コイル・レンズ・ボディ構造118を形成する。コイル112の移動は、レンズ114及びボディ116を等距離移動させる。
【0017】
カメラVCM110はまた、ボディ116に取り付けられるスプリング120、及びコイル112を囲む永久磁石122を含む。また、カメラVCM110は、コイル112に接続される電流ドライバ124を含む。電流ドライバ124は、デジタル制御ワードをアナログ電圧に変換するデジタルアナログ(D/A)コンバータを含む。
【0018】
動作において、電流ドライバ124は、シンクされるべき電流の規模を定める電流制御ワードCCWに応答して電流をシンクする。コイル112を介して通過する電流は磁場を生成し、その磁場が永久磁石122からの磁場に反応してコイル・レンズ・ボディ構造118を移動させる。コイル・レンズ・ボディ構造118の移動は、スプリング120を圧縮し、その際、コイル・レンズ・ボディ構造118のポジションは、磁気とスプリングの力をバランスさせることによって決定される。
【0019】
ボディ116に接続されたスプリング120の端部は、中立の(圧縮されず延伸されない)ポジションから完全に圧縮されたポジションまで最大距離を移動し得る。スプリング120はまた、中立のポジションから、完全に圧縮されたポジションへ向かい端部ポジションまでの距離である、使用可能距離を有する。使用可能距離は最大距離より短く、従って、完全に圧縮されたポジションにボディ116が当たることなく端部ポジションでの振動が可能となる。この例において、300μmの使用可能距離が用いられる。
【0020】
使用可能距離は複数のサーチポジションを含む複数のポジションに分割される。カメラ製造業者は典型的に、サーチポジションの隣接するペア間でどのくらいの距離をレンズが移動する必要があるかを指定する。例えば、カメラ製造業者は、レンズ114が1つのサーチポジションから次のサーチポジションに30μmの増分で移動可能でなければならないと指定することが多い。
【0021】
この例において、使用可能距離は、30μm離間して配置される10個のサーチポジションを含む1000個のポジションに分割される。この例における使用可能範囲は300μmであるので、レンズ114は、中立のポジション(0μm)から、10個の異なるサーチポジション(例えば、30、60、90、120、150、180、210、240、270、及び300μm)を有する。
【0022】
また、電流ドライバ124は、コイル・レンズ・ボディ構造118を中立のポジションから端部ポジションまで使用可能距離を移動させるために必要とされる最大電流を有する。この例において、コイル・レンズ・ボディ構造118を300μmの使用可能距離移動させるために100mAの最大電流が用いられる。
【0023】
また、多くの従来のカメラVCMは開始電流要件を有する。開始電流要件は、コイル・レンズ・ボディ構造が如何なる距離をも移動する前に必要とされる最小電流である。この例において、カメラVCM110は25mAの開始電流要件を有する。これは、コイル・レンズ・ボディ構造118は、25mAに応答して移動しないが、25.1mAに応答して移動することを意味する。この例において、最大電流が100mAであり、開始電流要件が25mAであるので、この例は、コイル・レンズ・ボディ構造118を移動させるために、75mAの利用可能な電流を有する。
【0024】
また、電流が線形に増加すると、その結果、コイル・レンズ・ボディ構造118は実質的に線形に移動する。従って、コイル・レンズ・ボディ構造118を1つのポジションから次のポジションに移動させるために必要とされる電流の増加は、各隣接ポジションペアに対して実質的に同じである。
【0025】
この例において、コイル・レンズ・ボディ構造118が0(中立のポジション)から10個の異なるサーチポジションへ移動するので、また、コイル・レンズ・ボディ構造118を移動させるために75mAの電流が利用可能であるので、コイル・レンズ・ボディ構造118は、コイル・レンズ・ボディ構造118のレンズ114を1つのサーチポジションから次のサーチポジションまで移動させるために7.5mAの電流の増加を必要とする。
【0026】
レンズドライバ回路100は、CMOSセンサー又は電荷結合デバイス(CCD)等の画像センサー130、及びホスト132を付加的に含む。画像センサー130は、レンズ114を通過する画像からの光を電子信号に変換する。コイル・レンズ・ボディ構造118のレンズ114の、ポジションを通す移動は、画像センサー130上の画像の焦点を変化させる。ホスト132は、画像に対し最適な焦点を提供するポジションをサーチするため、複数の異なるポジションで画像からの電子信号を比較する。
【0027】
レンズドライバ回路100は、コイル112の端部に接続される差動増幅器140、差動増幅器140に接続される差動アナログデジタル(A/D)コンバータ142、及び差動A/Dコンバータ142に接続されるサンプルクロック回路144を付加的に含む。差動増幅器140はコイル112を横切る電圧を増幅し、差動A/Dコンバータ142は、増幅された電圧を、サンプルクロック回路144によって出力されるサンプルクロック信号VSAMによって定められるレートでデジタル化する。
【0028】
図1に更に示されるように、レンズドライバ回路100は、メモリ150及びコントローラ152を含み、コントローラ152は、電流ドライバ124、ホスト132、及びメモリ150に接続される。コントローラ152は、ホスト132からホスト制御ワードHCWを受け取り、それに応答して、コイル・レンズ・ボディ構造118の移動を制御するための電流制御ワードCCWを電流ドライバ124に出力する。ホスト制御ワードHCWは、複数の異なるホスト制御ワードHCWを定める複数のビットを有する。例えば、ホスト制御ワードHCWは、較正ルーチンを開始する較正ワード、及び特定のポジションを識別するポジションワードを含み得る。
【0029】
電流制御ワードCCWは、異なる複数の電流制御ワードCCWを定める複数のビットを有する。(各電流制御ワードCCWは、電流ドライバ124によってシンクされるべき電流の規模を定める。)この例において、電流制御ワードCCWは10ビットを有し、これが1024個の異なる電流制御ワードを定義し、そのうち1000個の電流制御ワードが、この例において、1000個のポジションを表すために用いられる。
【0030】
この例において、100mAの電流を指定するために1000個の電流制御ワードCCW及び1000個のポジションが用いられるので、連続する電流制御ワードCCWの各々は、前の電流制御ワードCCWからポジションを1だけ及び電流を0.1mAだけ増加させる。このように、電流を開始電流より0.1mAだけ増加させることが、コイル・レンズ・ボディ構造118を1つのポジションから次のポジションに移動させる。
【0031】
動作において、コイル・レンズ・ボディ構造118は、レンズ114を旧ポジションから新ポジションに移動させるために必要な電流を2つの部分に分けることによって、旧ポジションから新ポジションに2つのステップで移動する。即ち、電流ドライバ124によってコイル112を介してシンクされる電流は、第1の電流量増加される。コイル112を介して流れる第1の電流量は磁場を生成し、その磁場は、永久磁石122からの磁場と反応して、コイル・レンズ・ボディ構造118を旧ポジションから新ポジションに向けて移動させる。或る時間期間の後、電流は第2の電流量増加され、コイル・レンズ・ボディ構造118を新ポジションを中心として位置させたままにして、新ポジション付近でのコイル・レンズ・ボディ構造118の振動を実質的に低減させる。
【0032】
振動が10msにおいて≦3μmであるとき、新ポジション付近でのコイル・レンズ・ボディ構造118の振動は実質的に低減されていると定義される。カメラ製造業者は、レンズ114が旧サーチポジションから新サーチポジションに30μmの増分で移動可能でなければならないこと、及び新サーチポジション付近での振動が10msにおいて≦3μmでなければならないことを指定することが多い。
【0033】
第1の電流量と第2の電流量との和は、コイル・レンズ・ボディ構造118を、旧ポジションから新ポジションに1つのステップで移動させるために必要とされる総電流に等しい。しかしながら、必要な電流を2つの部分に分けることによって、スプリング120の作用に起因するコイル・レンズ・ボディ構造118の震動又はリンギングが実質的に低減され得る。
【0034】
第1の電流量及び第2の電流量の最適な規模は、スプリング構造、コイル・レンズ・ボディ構造118の重量、及びコイル・レンズ・ボディ構造118の移動を案内する構造を含む、複数のファクタに依存する。第2の電流量のタイミングと共にこれらのファクタを適切に設定して、第1及び第2の電流量の異なる組み合わせに関連するリンギングを測定することにより、第1の電流量及び第2の電流量の最適な規模が実験的に決定され得る。
【0035】
この例において、コイル・レンズ・ボディ構造118は、7.5mAに応答して、1つのサーチポジションから次のサーチポジションまで30μmの距離を移動する。結果として、各0.25mAが、コイル・レンズ・ボディ構造118を1μmの距離移動させる。更にこの例において、1つのサーチポジションから次のサーチポジションに移動するために、第1の電流量として6.5mAが用いられ、これが、コイル・レンズ・ボディ構造118を26μm(リンギングを除く)の距離移動させ、第2の電流量として1.0mAが用いられ、これが、コイル・レンズ・ボディ構造118を1μmの距離移動させ、30μmの距離を移動させるために合計7.5mAが用いられる。
【0036】
次の表1は、この例において、サーチポジションの各々を通してステップするために用いられる値をまとめたものである。
【表1】
【0037】
コイル・レンズ・ボディ構造118が旧ポジションから新ポジションに移動されると、第1の電流量の或る遅延時間後に第2の電流量が印加される。この例において、遅延時間は、コイル・レンズ・ボディ構造118が旧ポジションから新ポジションまで1つのステップで移動するとき、新ポジションに存在する共振周波数の周期の2分の1に等しい。
【0038】
遅延時間後に第2の電流量を印加することは、新ポジションでのリンギングの量を実質的に低減させる。その理由は、スプリング120の作用と、旧ポジションから移動するコイル・レンズ・ボディ構造118のモーメンタムとが、コイル・レンズ・ボディ構造118を新ポジションを超えて、コイル・レンズ・ボディ構造118がスローダウンししばらく停止する、外側のポジションまで移動させるからである。コイル・レンズ・ボディ構造118が新ポジションを超えて外側ポジションまで移動するにつれて、スプリング120はエネルギーを保存する。
【0039】
しばらく停止した後、コイル・レンズ・ボディ構造118は、保存されたエネルギーを放出しながら新ポジションに向かって戻る。コイル・レンズ・ボディ構造118が新ポジションに到達する直前に第2の電流量が印加される。それは、この例において新ポジションでの共振周波数の周期の2分の1後である。第2の電流量におけるエネルギーは、残りのスプリング120に保存されたエネルギーを実質的に取り消し、コイル・レンズ・ボディ構造118を、新ポジションを中心として位置させたままにし、その際の新ポジション付近での振動は非常に小さい。
【0040】
コントローラ152は、新ポジション、第1の較正ポジションでの第1の共振周波数、及び第2の較正ポジションでの第2の共振周波数から遅延時間を決定する。コントローラ152は、較正ルーチンの間に収集した情報を用いて、第1及び第2の較正ポジションに対する共振周波数を決定する。コントローラ152は、ホスト132からの較正ワードに応答して較正ルーチンを開始する。
【0041】
較正ルーチンにおいて、コントローラ152は、最初に、使用可能範囲のおよそ25%、及び75%に存在する2つの較正ポジションに対する共振周波数を決定する。この例において、60μm又は使用可能範囲の20%であるポジション2が、第1の較正ポジションとして用いられ、210μm又は使用可能範囲の70%であるポジション7が第2の較正ポジションとして用いられる。
【0042】
較正ポジションに対する共振周波数は、スプリング120が中立のポジションにありコイル・レンズ・ボディ構造118が移動していないとき、コイル112を横切って存在する固定の電圧を最初に測定することによって決定される。コイル112を横切る電圧は、差動増幅器140によって増幅され、差動A/Dコンバータ142によってデジタル化され、コントローラ152に提供される。コントローラ152は固定の電圧の値をメモリ150にストアする。
【0043】
固定の電圧が決定された後、コントローラ152は、電流制御ワードCCWを電流ドライバ124に出力し、電流ドライバ124は、コイル・レンズ・ボディ構造118を中立のポジションから第1の較正ポジションに単一ステップで移動させる。この例において、コントローラ152は電流制御ワードCCWを電流ドライバ124に出力し、電流ドライバ124は、コイル・レンズ・ボディ構造118をポジション0(中立のポジション)からサーチポジション2(第1の較正ポジション)に単一ステップで移動させる。この例において、電流制御ワードCCWは、電流ドライバ124に40mAをシンクするように指令して、コイル・レンズ・ボディ構造118を、ポジション0から、使用可能距離の60μmでのポジション400(サーチポジション2/第1の較正ポジション)まで移動させる。
【0044】
第1の較正ポジションにおいて、増幅器140は、コイル112を横切って存在するDCバイアス正弦波電圧を増幅する。コイル112が第1の較正ポジションに単一ステップで移動するとき、スプリング120の機械的動作、及びコイル・レンズ・ボディ構造118のモーメンタムに起因して、コイル・レンズ・ボディ構造118は第1の較正ポジション付近で振動する。コイル・レンズ・ボディ構造118が振動するので、コイル112は永久磁石122の磁場内で前後に動く。
【0045】
コイルが磁場に入るとコイルを横切る電圧が誘導され、コイルが磁場に出入りして振動するとコイルの動きに合致する正弦波電圧が誘導される。スプリングの動きが減衰される(スプリングは最終的に動きを停止する)ので、コイルを横切って誘導された正弦波電圧の正弦波形は減衰される。固定の電圧が存在するので、結果として、正弦波電圧が固定の電圧の上に重畳(ride)する、DCバイアス正弦波電圧となる。
【0046】
増幅器140によって増幅されたコイル112を横切るDCバイアス正弦波電圧は、次に、サンプリング周波数で差動A/Dコンバータ142によって一連のデジタル値に変換され、その後、コントローラ152に提供される。サンプリング周波数は、サンプルクロック回路144によって出力されたサンプルクロック信号VSAMの周波数によって定められる。この例において、40KHzのサンプリング周波数が用いられ、それは25μS周期を生成する。
【0047】
コイル112を横切るDCバイアス正弦波電圧を表す一連のデジタル値を受け取った後、コントローラ152は、DCバイアス正弦波電圧から固定の電圧成分を除去し、第1の較正ポジション付近でのコイル・レンズ・ボディ構造118の振動に対応するデジタル化された正弦波電圧を形成する。
【0048】
デジタル化された正弦波電圧が形成されると、コントローラ152は、第1の較正ポジションの共振周波数を決定するために、デジタル化された正弦波電圧の周波数を決定する。コイル・レンズ・ボディ構造118が第1の較正ポジション付近で振動するので、デジタル化された正弦波電圧の周波数は、コイル・レンズ・ボディ構造118の共振周波数と同じである。デジタル化された正弦波電圧の周波数は、デジタル化された正弦波電圧のゼロ交差点を検出することによって決定され得る。
【0049】
2つの連続するゼロ交差間のサンプリングは、波長の2分の1にわたるサンプリングであり、3つの連続するゼロ交差又は2つの連続するピーク間のサンプリングは、1波長にわたるサンプリングである。或いは、時間ドメインサンプルから周期的信号を識別する方法である従来の自己相関アルゴリズムが、デジタル化された正弦波電圧から共振周波数を抽出するために用いられ得る。第1の較正ポジションに対して、デジタル化された正弦波電圧の共振周波数が決定された後、共振周波数はメモリ150にストアされる。
【0050】
第1の較正ポジションがサーチポジション2(60μm)にあるこの例において、デジタル化された正弦波電圧の1周期内に、800個のサンプリングクロックパルス(各パルスが25μS周期を有する)が発生する場合、デジタル化された正弦波電圧は800×25μS=20msに等しい周期を有する。20msの逆数は、50Hzに等しい共振周波数を生成する。
【0051】
コイル・レンズ・ボディ構造118は、次に中立のポジションに戻され、その後再び第1の較正ポジションに移動され、そのため、第1の較正ポジションでの共振周波数の第2の測定値が決定され得る。このプロセスが更に数回繰り返され、第1の較正ポジションに対して、共振周波数の平均測定値が計算される。この例において、第1の較正ポジションでの共振周波数は5回決定され、その平均値がサーチポジション2での第1の較正ポジションに対して用いられる。
【0052】
第1の較正ポジションに対する平均共振周波数値が決定された後、コントローラ152は、電流制御ワードCCWを電流ドライバ124に出力し、電流ドライバ124はコイル・レンズ・ボディ構造118を中立のポジションから第2の較正ポジションに単一ステップで移動させる。
【0053】
この例において、コントローラ152は、電流制御ワードCCWを電流ドライバ124に出力し、電流ドライバ124は、コイル・レンズ・ボディ構造118を、ポジション0(中立のポジション)からサーチポジション7(第2の較正ポジション)に単一ステップで移動させる。この例において、電流制御ワードCCWは、電流ドライバ124に77.5mAシンクさせるように指令して、コイル・レンズ・ボディ構造118をポジション0から、使用可能距離の210μmでのポジション775(サーチポジション7/第2の較正ポジション)に移動させる。
【0054】
第2の較正ポジションでのDCバイアス正弦波電圧は、その後、第1の較正ポジションに用いるのと同様の様式で増幅されデジタル化される。コントローラ152は、DCバイアス正弦波電圧から固定の電圧成分を除去し、第2の較正ポジション付近でのコイル・レンズ・ボディ構造118の振動に対応するデジタル化された正弦波電圧を形成する。デジタル化された正弦波電圧が形成された後、コントローラ152は、第2の較正ポジションでの共振周波数を決定するために、デジタル化された正弦波電圧の周波数を決定する。
【0055】
デジタル化された正弦波電圧の周波数は、コイル・レンズ・ボディ構造118が第2の較正ポジション付近で振動するので、コイル・レンズ・ボディ構造118の共振周波数と同じである。デジタル化された正弦波電圧の周波数は、デジタル化された正弦波電圧のゼロ交差を検出すること、又は自己相関を用いること等、第1の較正ポジションに対する周波数が決定されたのと同じ様式で決定され得る。
【0056】
第2の較正ポジションがサーチポジション7(210μm)にあるこの例において、667個のサンプリングクロックパルス(各パルスが25μS周期を有する)が正弦波電圧の1周期(ピークツーピーク又は3連続ゼロ交差)内で発生する場合、その正弦波電圧は667×25μS=16.675msに等しい周期を有している。16.67msの逆数は60Hzに等しい共振周波数を生成する。
【0057】
2つの較正ポジションに対する共振周波数が決定された後、コントローラ152は、残りの各ポジションに対する共振周波数を決定することができる。これにより、その後、コントローラ152が各ポジションに対する半周期時間を決定することが可能となる。半周期時間は、この例において、第2の電流量が印加される時間である。
【0058】
コイル112、レンズ114、及びボディ116の機械的振動の共振周波数は、中立のポジションから端部ポジションまでほぼ線形である。従って、第1の較正ポジションでの共振周波数及び第2の較正ポジションでの共振周波数が、ラインを定義するために用いられ得る。
【0059】
共振周波数の周期及び半周期は共振周波数の固有の特性である。その結果、較正ポジションで共振周波数を用いてラインを定義することは、較正ポジションでの共振周波数の周期又は半周期を用いてラインを定義することも意味する。
【0060】
ラインが形成された後、コントローラ152は、ライン及び新ポジションから遅延時間を決定する。グラフ上では、ポジションをx軸、共振周波数をy軸として、新ポジションがラインと交差する箇所を決定することによって、新ポジションでの共振周波数が識別され得る。
【0061】
ラインを定義するために、式1を用いてラインの傾斜mをまず決定する。
m=Ya−Yb/Xa−Xb (式1)
上述の例から数字を代入すると、Ya=60Hz、Yb=50Hz、Xa=210μm、及びXb=60μmであり、(60−50)/210−60、又はm=0.067(傾斜は無次元である)が得られる。
【0062】
傾斜が決定された後、式2を用いてラインを決定する。
Y−Ya=m(X−Xa) (式2)
上述の例から数字を代入すると、Y−60=−0.067(X−210μm)、又はY=−0.067(X)+46、又は135μmで55Hzとなる。
【0063】
その後、ライン(式)及び新ポジションから遅延時間が決定される。例えば、残りの998個のポジションに対する共振周波数を決定するために、残りの998個のポジションがラインの式2に代入され得る。各ポジションに対する共振周波数が決定された後、各ポジションに対する周期及び半周期時間が決定され得る。(周期は周波数の逆数であり、半周期は周期の半分である。)これに続き、各ポジションに対する半周期時間(これは、この例において、第2の電流量が印加される前の遅延時間である)はその後、ルックアップテーブル(LUT)において、メモリ150にストアされ得る。
【0064】
下記の表2は、サーチポジションの各々に対する共振周波数、周期、及び半周期時間を示す。
【表2】
【0065】
式2を用いてポジションの共振周波数を直接計算し、続いてポジションの周期及び半周期時間を決定するために微細な計算を行い、その後、各ポジションに対する半周期時間をLUTにおいてメモリ150にストアするのではなく、その代わりに、コントローラ152は、半周期時間が必要とされる各時間にライン及び新ポジションから半周期時間を計算し得る。
【0066】
式3、式4、式5、及び式6は、ポジションに対して半周期時間T/2が必要とされる各時間に、ライン及び新ポジションからポジションの半周期時間T/2を計算する際に用いられ得る。
f_CAL2=40,000(f2-f1)(256)/(f1)(f2)(val2-val1) (式3)
f_CAL1=(10,000/f1)+(val1×f_CAL2/1024) (式4)
P=(f_CAL1-((X/4)×f_CAL2/256))×2 (式5)
T/2=P×T_SAM (式6)
ここで、val1及びval2は2つの較正ポジションであり、f1及びf2は2つの較正ポジションの共振周波数であり、T_SAMは、サンプリング周波数の周期(例えば、40kHzサンプリング周波数に対して25μs)であり、Xは、半周期時間T/2が決定されるべき新ポジションである。
【0067】
浮動小数点演算ユニットを用いずに、マイクロコントローラによって除算を行う最も効率的な手法は、2の累乗(2、4、8、16、32...)である除数を用いることである。理由は、除算を行うための長いコードの代わりに、値を右にシフトすることによって行われ得るからである。式3、式4、及び式5における定数256、10000、及び40000は、シフトを行うために必要とされる。式3、式4、及び式5は、コードにおける非常に効率的な計算を提供する。
【0068】
この例において、半周期時間は、第1の電流量が印加された後に第2の電流量が印加される時間を識別する。LUTが用いられる場合、各ポジションに対する半周期時間の決定は較正ルーチンを終了させる。代わりに式3、式4、及び式5が用いられる場合、較正ルーチンは、式5を解くために必要な情報である2つの較正ポジションでの共振周波数の決定と共に終了する。較正ルーチンは、年数又は温度等の変化するファクタを補償するために所望されるとおりに高頻度又は低頻度で実施され得る。
【0069】
較正ルーチンが完了された後、レンズドライバ回路100は焦点合致ポジションを決定する準備が整っている。焦点合致ポジションを決定するために、従来の多数の焦点ルーチンの任意のものが用いられ得る。例えば、ホスト132は、2つのサーチポジション間で焦点合致ポジションが識別されるまで、各サーチポジションを通してコイル・レンズ・ボディ構造118を漸増的にステップさせるように、一連のポジションワードによって、コントローラ152に指令し得る。
【0070】
コイル・レンズ・ボディ構造118がサーチポジションを通して漸増的にステップされるにつれて、画像焦点は漸進的に改善し、その後、漸進的に悪化する。その結果、画像焦点が改善から悪化に転じる2つのサーチポジションを識別することによって、焦点合致ポジションが検出され得る。
【0071】
2つのサーチポジション間で焦点合致ポジションが識別された後、コイル・レンズ・ボディ構造118は、その2つのサーチポジション間に存在する複数の中間ポジションを通して、3μm等の一層小さいステップを用いて、画像焦点が改善から悪化に転じるまで後方にステップされ得る。
【0072】
2つの中間ポジション間で焦点合致ポジションが識別された後、コイル・レンズ・ボディ構造118は、複数の焦点ポジションを通して、1μm等の一層小さなステップを用いて、最適な焦点合致ポジションが識別されるまで、前方にステップされ得る。コイル・レンズ・ボディ構造118は、その後、最適な焦点合致ポジションにステップされ得る。
【0073】
コイル・レンズ・ボディ構造118が、任意のポジションから他の任意のポジションに移動される度に、第1の電流量を用い、或る遅延時間後に第2の電流量を用いて、2つのステップで移動が成される。この例において、遅延時間は共振周波数の周期の2分の1に等しい。
【0074】
ホスト132が、新ポジションを識別するポジションワードをコントローラ152に出力すると、コントローラ152は、出力されるべき第1の電流量、出力されるべき第2の電流量、及び半周期時間を識別する電流制御ワードCCWを決定する。この例において、半周期時間は、第1の電流量が印加されるときと第2の電流量が印加されるときの間の遅延である。
【0075】
この例において、ホスト132がコントローラ152に、コイル・レンズ・ボディ構造118をポジション550(サーチポジション4)からポジション625(サーチポジション5)に移動させるように指令する場合、コントローラ152は、電流制御ワード615(電流制御ワード615は第1の電流量を識別する)がまず出力され、9.3msの遅延後、電流制御ワード625(電流制御ワード625は第2の電流量を識別する)が出力されることを決定する。
【0076】
ポジションワードをコントローラ152に出力した後、ホスト132は、所定の時間期間待機する。所定の時間期間後、ホスト132は、画像センサー130から電子信号を捕捉し分析して、ポジションワードに対応するポジションにおいて捕捉された画像に対する焦点品質を決定する。
【0077】
図1に付加的に示されるように、レンズドライバ回路100はまた電源160を含み、電源160は、コイル112が、電源160と電流ドライバ124との間に位置し、電源160及び電流ドライバ124に接続されるように、コイル112に接続される。電源160は出力電圧VOUTを生成する。この例において、電源160はバックコンバータ回路162、及びバックコンバータ回路162に接続される適応電源制御回路164を含む。
【0078】
バックコンバータ回路162は多くの異なる様式で実装され得る。この例において、バックコンバータ回路162は、ドレイン、ソース、及びゲートを有するNMOSトランジスタ170を含む。NMOSトランジスタ170のドレインは、レギュレートされていない電源172に接続される。
【0079】
バックコンバータ回路162はまた、出力ノードOUT及びNMOSトランジスタ170のソースに接続されるインダクタ174、並びに、インダクタ174及び出力ノードOUTに接続されるキャパシタ176を含む。また、バックコンバータ162はパルス幅変調器(PWM)回路178を含み、PWM回路178は、NMOSトランジスタ170のゲート、出力ノードOUT、及び基準電圧ソース180に接続される。この例において、適応電源制御回路164は、順方向電圧デジタルアナログコンバータ(VDAC)182、並びに、VDAC182及びPWM回路178に接続される順方向電圧回路184を含む。
【0080】
コントローラ152は、バックコンバータ回路162及び適応電源制御回路164を、定電圧モード及び適応電圧モードの2つのモードの一方において動作させることを可能にする。この例において、コントローラ152は、較正ルーチンの間、バックコンバータ回路162及び適応電源制御回路164を定電圧モードに設定し、ホスト132が焦点合致ポジションをサーチしているときは、バックコンバータ回路162及び適応電源制御回路164を適応電圧モードに設定する。
【0081】
定電圧モードで動作しているとき、バックコンバータ回路162は実質的に一定の規模を備える出力電圧VOUTを生成する。PWM回路178は、NMOSトランジスタ170をオン及びオフにするために、オン・オフ信号VSIGをNMOSトランジスタ170のゲートに出力する。PWM回路178はまた、出力ノードOUTでの出力電圧VOUTを、基準電圧ソース180からの基準電圧VREFと比較する。PWM回路178はその後、比較に応答して、出力電圧VOUTが基準電圧VREFに合致するようにオン・オフ信号VSIGのデューティサイクルを調整する。
【0082】
適応電圧モードで動作しているとき、バックコンバータ回路162は、順方向電圧制御信号VSFに応答して変動する可変規模を備える出力電圧VOUTを生成する。適応電源制御回路164は、基準順方向電圧VSと、電流ドライバ124を横切る順方向電圧VFとの間の差に応答して、順方向電圧制御信号VSFを生成する。
【0083】
電流ドライバ(シンク又はソース)は、定電流を制御可能であるために、駆動トランジスタを上回る順方向電圧を必要とする。順方向電圧は、設計、及び設定電流(NMOS/PMOS)に依存するが、典型的に、<0.1Vである。この例において、コントローラ152は、順方向電圧ワードをVDAC182に出力し、VDAC182は基準順方向電圧VS(例えば、0.1V)を出力する。
【0084】
順方向電圧回路184は、VDAC182によって出力された基準順方向電圧VSを、電流ドライバ124によって出力された実際のドライバ順方向電圧VFと比較し、順方向電圧制御信号VSFをPWM回路178に出力する。順方向電圧制御信号VSFは、PWM回路178のバックフィードバックループ(フィードバックピンではなく)に供給される。
【0085】
PWM回路178は、順方向電圧制御信号VSFに応答して、オン/オフ信号VSIGのタイミングを調整する。なお、電流ドライバ124によってシンクされる電流が変化すると、それがドライバの順方向電圧を変化させて、フィードバックループを変化させ、バックコンバータ回路162からの出力電圧VOUTを変化させる。このように、出力電圧VOUTは電流ドライバ124によって制御され、電流ドライバ124は、コントローラ152によって出力された電流制御ワードCCWによって制御される。
【0086】
VCMは負荷抵抗として考えられ得る。従って、例えば、電流ドライバが50mAシンクするとき、10オームVCMは0.5Vの出力電圧を必要とする。ドライバにおいて、大きな電圧降下(150mAで2.2V)が存在するので、バッテリー(〜3.7V)からこれを駆動することは極めて非効率的(〜40%)である。
【0087】
適応電源制御回路164はドライバヘッドルーム電圧を追従し、従って、必要とされる出力電圧を最適な値に自動的に制御する。例えば、10オームVCMを用いると、電流ドライバが50mAシンクするとき、わずか0.6V(0.1V+0.5V)の出力電圧VOUTが必要とされ、電流が75mAに上昇すると、出力電圧VOUTは0.85Vに上昇する。
【0088】
この制御が、PWM回路178に対するアナログ電圧フィードバックであり、電流ドライバ124に出力される電流制御ワードCCWによって直接的に影響を受けない。これにより、PWM回路178がドライバの最小順方向電圧要件を追跡することが可能になり、従って、負荷を駆動するための最大必要電圧を追跡することが可能になり、電力効率が最適化される。制御ループは自動的である。従って、イネーブルにされると、制御ループはドライバ電圧を追跡し、コントローラ/ユーザの介入は不要である。電流制御ワードCCWが変化すると、電流が変化し、それがVCMを横切る電圧及びドライバの順方向電圧を変化させ、電源回路160から出力される出力電圧VOUTを変化させる。適応電源制御回路164の使用は電力効率を実質的に改善させる。
【0089】
図2は、代替の実施形態に従った、レンズドライバ回路200の例のブロック図を示す。レンズドライバ回路200は、レンズドライバ回路100に類似し、その結果、両回路に共通の構造を示すために同じ参照番号を用いる。
【0090】
図2に示されるように、レンズドライバ回路200は、レンズドライバ回路200が、電流ドライバ124を横切る電圧を測定するために、それぞれ、差動増幅器140及び差動A/Dコンバータ142の代わりに、増幅器210及びA/Dコンバータ212を用いるのでレンズドライバ回路100とは異なる。
【0091】
コイル112を横切って存在するDCバイアス正弦波電圧はまた、電流ドライバ124を横切って存在する。従って、コイル112を横切るDCバイアス正弦波電圧を測定するのではなく、DCバイアス正弦波電圧は随意的に電流ドライバ124を横切って測定され得る。A/Dコンバータ212により出力されるデジタル化されたDCバイアス正弦波電圧は、差動A/Dコンバータ142によって出力されるデジタル化されたDCバイアス正弦波電圧と同様の方式で共振周波数を決定するためにコントローラ152によって処理される。その他の点では、レンズドライバ回路200はレンズドライバ回路100と同様に動作する。
【0092】
図3は、代替の実施形態に従ったレンズドライバ回路300の例のブロック図を示す。レンズドライバ回路300はレンズドライバ回路100に類似し、その結果、両回路に共通の構造を示すために同じ参照番号を用いる。
【0093】
図3に示されるように、レンズドライバ回路300は、レンズドライバ回路300が電流ドライバ124の代わりに電流ドライバ310を用いるのでレンズドライバ回路100とは異なる。電流ドライバ310は、電流ドライバ310が、電流をソースすること、及びコイル112と電源160との間に存在し、コイル112及び電源160に取り付けられていること以外は、電流ドライバ124と同じである。
【0094】
レンズドライバ回路300はまた、レンズドライバ回路300の差動増幅器140が電流ドライバ310を横切って接続されているので、レンズドライバ回路100とは異なる。或いは、レンズドライバ回路300の差動増幅器140は、図1に示されるのと同様の様式で、コイル112を横切って接続され得る。その他の点では、レンズドライバ回路300はレンズドライバ回路100と同様に動作する。
【0095】
図4は、代替の実施形態に従ったレンズドライバ回路400の例のブロック図を示す。レンズドライバ回路400はレンズドライバ回路100に類似し、その結果、両回路に共通の構造を示すために同じ参照番号を用いる。
【0096】
図4に示されるように、レンズドライバ回路400は、レンズドライバ回路400がVCM110の代わりにVCM410を用いるのでレンズドライバ回路100とは異なる。VCM410は、VCM410が更に、コイル・レンズ・ボディ118及びコントローラ152に接続されるX調整VCM414及びY調整VCM416を含むということ以外はVCM110と同じである。X調整VCM414及びY調整VCM416は各々、従来のVCMで実装され得る。
【0097】
X調整VCM414及びY調整VCM416Xは、ピッチ、ヨー、及び/又はロールに起因するカメラモーションを補償するために、レンズ114が存在する平面が2つの軸に沿って傾斜され得るように、レンズ114を傾斜させ得る。或いは、X調整VCM414及びY調整VCM416は、ピッチ、ヨー、及び/又はロールに起因するカメラモーションを補償するために、レンズ114が存在する平面が2つの軸に沿ってシフトされ得るように、レンズ114をシフトし得る(レンズの傾斜は、レンズのシフト(X/Y)より一層高いZ高さを必要とする)。
【0098】
更に図4に示されるように、レンズドライバ回路400はまた、コントローラ152に接続されるジャイロスコープ410、及びコントローラ152に接続される加速度計418を含むので、レンズドライバ回路400はレンズドライバ回路100とは異なる。従来の微小電気機械システム(MEMS)チップを用いて実装され得るジャイロスコープ410は、地球の中心に向かう方向に基づいて、レンズ114の角運動を測定する。従来のMEMSチップを用いて実装され得る加速度計418は、非重力的な線形加速を測定する。ジャイロスコープ410はジャイロワードGWをコントローラ152に出力し、加速度計418はアクセルワードAWをコントローラ152に出力し、ジャイロスコープ410及び加速度計418はいずれも、レンズ114のxy動きを制御するコントローラ152にモーション情報を提供する。
【0099】
スプリング120の中立のポジションにおいて、レンズ114の焦点で形成された画像は長距離離れて位置する。長距離離れた画像を捕捉するとき、角運動が画像ぶれ(blur)において支配的であり、線形運動はほとんど影響を持たない。スプリング120の端部ポジションにおいて、レンズ114の焦点で形成された画像は極めて近くに位置する。極めて近い画像を捕捉するとき、線形運動が、ジャイロスコープ410が検出しない画像ぶれを引き起こす。
【0100】
動作において、ホスト132は焦点合致ポジションをコントローラ152に出力し、コントローラ152は、ジャイロスコープ410からジャイロワードGWを、及び加速度計418からアクセルワードAWを検出する。焦点合致ポジションを用いて、コントローラ152はX軸制御信号及びY軸制御信号を含むXY制御信号VCSを生成し、X調整VCM414及びY調整VCM416に出力する。
【0101】
XY制御信号VCSは、角度及び線形動きを補償するために、(レンズ114を傾斜させるか又はシフトさせることによって)レンズ114のXYポジションを変化させる。XY制御信号VCSは次に、ジャイロワードGWから角運動の、及びアクセルワードAWから線形運動の加重値を表す。その加重は焦点合致ポジションに依存する。
【0102】
例えば、焦点合致ポジションがスプリング120の中立のポジション(無限遠(infinity))に対応するとき、コントローラ152は、ジャイロワードGWにおける角運動情報のみを用いて、XY制御信号VCSを生成し、レンズ114のXYポジションを調整する。焦点合致ポジションがスプリング120の端部ポジション(間近(up close))に対応するとき、コントローラ152は、アクセルワードAWにおける線形運動情報のみを用いて、XY制御信号VCSを生成し、レンズ114のXYポジションを調整する。
【0103】
焦点合致ポジションがスプリング120の中立のポジションと端部ポジションとの間に存在するとき、コントローラ152は、ジャイロワードGWにおける角運動情報とアクセルワードAWにおける線形運動情報との加重組み合わせを用いて、XY制御信号VCSを生成し、レンズ114のXYポジションを調整する。
【0104】
ジャイロスコープ410からの角運動情報と、加速度計412からの線形運動情報との適切な加重バランスは、実験的に決定され得る。随意的に、レンズ114のみを傾斜又はシフトさせるのではなく、その代わりに、同じ結果を達成するためにコイル・レンズ・ボディ構造118全体が傾斜又はシフトされ得る。
【0105】
図4に更に示されるように、レンズドライバ回路400はまた、レンズドライバ回路400が電源160の代わりに電源420を用いるので、レンズドライバ回路100とは異なる。電源420は、電源420が適応電源制御回路164の代わりに適応電源制御回路422を用いること以外、電源160と同じである。適応電源制御回路422は、適応電源制御回路422が順方向電圧回路184の代わりに順方向電圧回路424を用いること以外、適応電源制御回路164と同じである。
【0106】
順方向電圧回路424は、順方向電圧回路424が、電流ドライバ124から順方向電圧VFを受け取ることに加え、X調整VCM414における電流ドライバからx調整順方向電圧VXFを受け取り、Y調整VCM416における電流ドライバからy調整順方向電圧VYFを受け取ること以外、順方向電圧回路184と同じである。
【0107】
順方向電圧回路424は、順方向電圧VF、x調整順方向電圧VXF、及びy調整順方向電圧VYFの規模を比較し、最も低い値を最小順方向電圧であると選択する。順方向電圧回路424はまた、VDAC182によって出力された参照された順方向電圧VSを最小順方向電圧と比較し、比較に応答して、順方向電圧制御信号VSFをPWM回路178に出力する。
【0108】
PWM回路178は、順方向電圧制御信号VSFに応答して、オン/オフ信号VSIGのタイミングを調整する。これにより、PWM回路178が、ドライバの最小順方向電圧要件を追跡することが可能になり、従って、負荷を駆動するための最大必要電圧を追跡することが可能になり、電力効率が最適化される。
【0109】
制御ループはアナログ及び自動である。従って、制御ループは、イネーブルにされると、ドライバ電圧を追跡し、コントローラ/ユーザの介入は不要である。なお、電流ドライバ124によってシンクされる電流が変化すると、それがドライバの順方向電圧を変化させて、フィードバックループに影響を与え、バックコンバータ回路162からの出力電圧VOUTを変化させる。
【0110】
図5は、代替の実施形態に従った、レンズドライバ回路500の例のブロック図を示す。レンズドライバ回路500は、レンズドライバ回路100に類似し、その結果、両回路に共通の構造を示すために同じ参照番号を用いる。
【0111】
図5に示されるように、レンズドライバ回路500は、レンズドライバ回路500がVCM110の代わりに双方向VCM510を用いるので、レンズドライバ回路100とは異なる。双方向VCM510はVCM110に類似し、その結果、両VCMに共通の構造を示すために同じ参照番号を用いる。
【0112】
VCM510は、VCM510がコイル・レンズ・ボディ構造118のボディ116に取り付けられる第2のスプリング520を含むので、VCM110とは異なる。スプリング120及び520は、ボディ116の相対する端部に取り付けられ、スプリング120及び520両方が中立の(圧縮されず延伸されない)ポジションになるように配置される。この例において、スプリング120及び520は実質的に同一である。また、スプリング120及びスプリング520は各々150μmの使用可能距離を有する。スプリング120とスプリング520の組み合わせは300μmの使用可能距離を有し、それはVCM110におけるスプリング120と同じである。
【0113】
VCM110と同様に、レンズドライバ回路500の使用可能距離は、間隔が30μm離れた10個のサーチポジションを含む、1000個のポジションに分割される。しかしながら、VCM110とは異なり、VCM510は、中立のポジション(0μm)、5個の正のサーチポジション(例えば、+30、+60、+90、+120、及び+150μm)を含む500個の正のポジション、及び5個の負のサーチポジション(例えば、−30、−60、−90、−120、及び−150μm)を含む500個の負のポジションを有する。
【0114】
VCM510はまた、VCM510がHブリッジ回路530を用いるので、VCM110とは異なる。Hブリッジ回路530は、NMOSトランジスタ532及びNMOSトランジスタ534を含む。NMOSトランジスタ532は、コントローラ152に接続されるゲート、出力OUTに接続されるドレイン、及びコイル112の第1の端部に接続されるソースを有する。NMOSトランジスタ534は、コントローラ152に接続されるゲート、出力OUTに接続されるドレイン、及びコイル112の第2の端部に接続されるソースを有する。
【0115】
更に、VCM510は、VCM510が第2の電流ドライバ538を含むので、VCM110とは異なる。電流ドライバ124はコイル112の第2の端部に接続され、電流ドライバ538はコイル112の第1の端部に接続される。電流ドライバ538は、コントローラ152からのデジタル制御ワードをアナログ電圧に変換するデジタルアナログ(D/A)コンバータを含む。
【0116】
動作において、NMOSトランジスタ532がオンであり、NMOSトランジスタ534がオフのとき、電流ドライバ124は、コントローラ152からの電流制御ワードCCWに応答し、コイル112を介して電流を第1の方向にシンクさせる。コイル112を介して通過する電流は磁場を生成し、その磁場は永久磁石122からの磁場と反応して、コイル・レンズ・ボディ構造118を移動させる。
【0117】
スプリング120及び520の両方が中立のポジションにあるとき、コイル・レンズ・ボディ構造118は正方向に移動し、それがスプリング120を圧縮し、スプリング520を延伸させる。その際、コイル・レンズ・ボディ構造118のポジションは磁気とスプリングの力をバランスさせることによって決定される。
【0118】
NMOSトランジスタ532がオフであり、NMOSトランジスタ534がオンであるとき、電流ドライバ538は、コイル112を介して電流を第2の逆方向にシンクさせる。コイル112を介して通過する電流は磁場を生成し、その磁場は永久磁石122からの磁場と反応して、コイル・レンズ・ボディ構造118を移動させる。
【0119】
スプリング120及び520の両方が中立のポジションにあるとき、コイル・レンズ・ボディ構造118は負の方向に移動し、それがスプリング520を圧縮し、スプリング120を延伸させる。その際、コイル・レンズ・ボディ構造118のポジションは、磁気とスプリングの力をバランスさせることによって決定される。
【0120】
また、VCM510は、VCM510が開始電流を必要としないので、VCM110とは更に異なる。しかしながら、開始電流は必要とされないが、電流ドライバ124は、スプリング120の圧縮及びスプリング520の延伸の両方が可能である最大電流をシンクしなければならない。同様に、電流ドライバ538は、スプリング520の圧縮及びスプリング120の延伸の両方が可能である最大電流をシンクしなければならない。
【0121】
更に、電流の線形増加は、コイル・レンズ・ボディ構造118の実質的な線形運動となる。従って、コイル・レンズ・ボディ構造118を1つのポジションから次のポジションに移動させるために必要とされる電流の増加は、各隣接ポジションペアに対し実質的に同じである。
【0122】
動作において、レンズ114を旧ポジションから新ポジションに移動するために必要な電流を2つの部分に分けることによって、コイル・レンズ・ボディ構造118は、2ステップで、旧ポジションから新ポジションに移動する。即ち、ドライバ124又はドライバ538等の電流ドライバによってシンクされた電流は、第1の電流量だけ増加されて、コイル・レンズ・ボディ構造118を旧ポジションから新ポジションに向かって動かし、或る時間の後、第2の電流量だけ再び増加されて、コイル・レンズ・ボディ構造118を、新ポジションを中心として位置させたままにし、新ポジション付近でのコイル・レンズ・ボディ構造118の振動を実質的に低減する。
【0123】
第1の電流量と第2の電流量の合計は、コイル・レンズ・ボディ構造118を旧ポジションから新ポジションに1ステップで移動させるために必要とされる総電流に等しい。しかしながら、必要とされる電流を2つの部分に分けることによって、スプリング120及び520の作用に起因するコイル・レンズ・ボディ構造118の振動又はリンギングが実質的に低減され得る。
【0124】
第1の電流量及び第2の電流量の最適な規模は、スプリング構造、コイル・レンズ・ボディ構造118の重量、及びコイル・レンズ・ボディ構造118の移動を案内する構造を含む多くのファクタに依存する。第2の電流量のタイミングに加えこれらのファクタが適切であると、第1の電流量及び第2の電流量の最適な規模は、第1及び第2の電流量の異なる組み合わせに関連するリンギングを測定することによって実験的に決定され得る。
【0125】
コイル・レンズ・ボディ構造118が旧ポジションから新ポジションに移動されると、第1の電流量の、或る遅延時間後に第2の電流量が印加される。この例において、コイル・レンズ・ボディ構造118が旧ポジションから新ポジションに1ステップで移動する場合、遅延時間は、新ポジションに存在する共振周波数の周期の2分の1に等しい。この時点で第2の電流量を印加することが、新ポジションでのリンギングの量を実質的に低減させる。
【0126】
コントローラ152は、較正ルーチンの間に収集された情報を用いて、各ポジションに対する共振周波数を決定する。コントローラ152は、ホスト132からの較正ワードに応答して、較正ルーチンを開始する。較正ルーチンにおいて、コントローラ152は、まず、2つの較正ポジションに対する共振周波数を決定する。この例において、+60μmである正のポジション2が、第1の較正ポジションとして用いられ、−60μmである負のポジション2が、第2の較正ポジションとして用いられる。
【0127】
較正ポジションに対する共振周波数は、コイル・レンズ・ボディ構造118が中立のポジションにあって移動していないとき、コイル112を横切って存在する固定の電圧を最初に測定することによって決定される。コイル112を横切る電圧は、差動増幅器140によって増幅され、差動A/Dコンバータ142によってデジタル化され、コントローラ152に提供される。コントローラ152は固定の電圧の値をメモリ150にストアする。
【0128】
固定の電圧が決定された後、コントローラ152は電流制御ワードCCWを電流ドライバ124に出力し、電流ドライバ124は、コイル・レンズ・ボディ構造118を中立のポジションから第1の較正ポジションに単一ステップで移動させる。この例において、コントローラ152は電流制御ワードCCWを電流ドライバ124に出力し、電流ドライバ124は、コイル・レンズ・ボディ構造118をポジション0(中立のポジション)から正のサーチポジション2(第1の較正ポジション)に単一ステップで移動させる。
【0129】
第1の較正ポジションにおいて、増幅器140は、コイル112を横切って存在するDCバイアス正弦波電圧を増幅する。コイル112を横切る増幅されたDCバイアス正弦波電圧は、差動A/Dコンバータ142によって、サンプリング周波数で一連のデジタル値に変換され、その後、コントローラ152に提供される。サンプリング周波数は、サンプルクロック回路144によって出力されたサンプルクロック信号VSAMの周波数によって定められる。
【0130】
コイル112を横切るDCバイアス正弦波電圧を表す一連のデジタル値を受け取った後、コントローラ152は、DCバイアス正弦波電圧から固定の電圧成分を除去し、デジタル化された正弦波電圧が形成される。デジタル化された正弦波電圧が形成されると、コントローラ152は、デジタル化された正弦波電圧の周波数を決定する。
【0131】
デジタル化された正弦波電圧の周波数は、コイル・レンズ・ボディ構造118が第1の較正ポジション付近で振動するので、コイル・レンズ・ボディ構造118の共振周波数と同じである。デジタル化された正弦波電圧の周波数は、デジタル化された正弦波電圧のゼロ交差ポイントを検出することによって決定され得る。或いは、デジタル化された正弦波電圧から周波数を抽出するために、従来の自己相関アルゴリズムが用いられ得る。第1の較正ポジションに対するデジタル化された正弦波電圧の周波数が決定された後、その周波数はメモリ150に共振周波数としてストアされる。
【0132】
コイル・レンズ・ボディ構造118は、次に、中立のポジションに戻され、その後、第1の較正ポジションでの共振周波数の第2の測定値が決定され得るように、再び第1の較正ポジションに移動される。このプロセスが更に数回繰り返され、第1の較正ポジションに対する共振周波数の平均測定値が計算される。この例において、第1の較正ポジションでの共振周波数が5回決定され、その平均値が、正のサーチポジション2での第1の較正ポジションに対して用いられる。
【0133】
第1の較正ポジションに対する平均の共振周波数値が決定された後、コントローラ152は、電流制御ワードCCWを電流ドライバ538に出力し、電流ドライバ538はコイル・レンズ・ボディ構造118を中立のポジションから第2の較正ポジションに単一ステップで移動させる。この例において、コントローラ152は電流制御ワードCCWを電流ドライバ538に出力し、電流ドライバ538はコイル・レンズ・ボディ構造118を、ポジション0(中立のポジション)から負のサーチポジション2(第2の較正ポジション)に単一ステップで移動させる。
【0134】
第2の較正ポジションでのDCバイアス正弦波電圧は、その後、第1の較正ポジションの場合と同様の方式で増幅されデジタル化される。第2の較正ポジションに対する共振周波数は、第1の較正ポジションに対する共振周波数が決定されたものと同様の様式で決定される。
【0135】
2つの較正ポジションに対する共振周波数が決定された後、コントローラ152は、各残りのポジションに対する共振周波数を決定し得る。コイル112、レンズ114、及びボディ116の機械的振動の共振周波数は、中立のポジションから正及び負の端部ポジション(例えば、+150μm及び−150μm)までほぼ線形である。従って、コントローラ152は、各ポジションに対する半周期時間を決定するために、これら2つの較正ポジションからの結果とともに、式E2又は式5を用い得る。半周期時間は、この例において第2の電流量が印加される時間である。
【0136】
較正ルーチンが完了した後、レンズドライバ回路500は、焦点合致ポジションを決定する準備が整っている。焦点合致ポジションを決定するために、多くの従来の焦点ルーチンの任意のものが用いられ得る。例えば、ホスト132は、焦点合致ポジションが2つの正のサーチポジションの間で識別されるか、又は焦点合致ポジションが無効にされるまで、コイル・レンズ・ボディ構造118を正のサーチポジションを通して漸増的にステップさせるように、一連のポジションワードを用いてコントローラ152に指令し得る。
【0137】
コイル・レンズ・ボディ構造118が正のサーチポジションを通して漸増的にステップされるにつれて、画像焦点が漸進的に改善し、その後、漸進的に悪化する場合、画像焦点が改善から悪化に転じる領域を含む2つの正のサーチポジション間に焦点合致ポジションが存在する。
【0138】
しかしながら、画像焦点が漸進的に悪化する場合、焦点合致ポジションが無効にされ得る。この場合、コイル・レンズ・ボディ構造118は中立のポジションに戻される。この後、コイル・レンズ・ボディ構造118は、画像焦点が改善から悪化に転じる領域を含む2つの負のサーチポジション間で焦点合致ポジションが識別されるまで、負のサーチポジションを通して漸増的にステップされる。
【0139】
焦点合致ポジションが2つのサーチポジション間で識別された後、コイル・レンズ・ボディ構造118は、画像焦点が改善から悪化に転じるまで、3μm等の一層小さなステップを用いて、2つのサーチポジション間に存在する複数の中間ポジションを通して後方にステップされる。
【0140】
焦点合致ポジションが2つの中間ポジション間で識別された後、コイル・レンズ・ボディ構造118は、最適な焦点合致ポジションが識別されるまで、1μm等の一層小さなステップを用いて複数の焦点ポジションを通して前方にステップされる。コイル・レンズ・ボディ構造118は、その後、最適な焦点合致ポジションまでステップされ得る。
【0141】
コイル・レンズ・ボディ構造118が任意のポジションから他の任意のポジションに移動される度に、第1の電流量、及び或る遅延時間後に第2の電流量を用いて2つのステップで移動が成される。遅延は、この例において、共振周波数の周期の2分の1に等しい。
【0142】
ホスト132が、新ポジションを識別するポジションワードをコントローラ152に出力すると、コントローラ152は、出力されるべき第1の電流量を識別する電流制御ワードCCW、出力されるべき第2の電流量を識別する電流制御ワードCCW、及び半周期時間を決定する。半周期時間は、この例において、第1の電流量が印加されるときと第2の電流量が印加されるときとの間の遅延である。
【0143】
ポジションワードをコントローラ152に出力した後、ホスト132は、所定の時間期間待機する。所定の時間期間後、ホスト132は、画像センサー130からの電子信号を捕捉及び分析する。焦点合致ポジションをサーチするとき、ホスト132は、ポジションワードに対応するポジションで捕捉された画像の焦点品質を決定する。焦点合致ポジションにあるときに、ホスト132は、ポジションワードに対応するポジションにおいて捕捉された画像をストアする。
【0144】
図5に更に示されるように、レンズドライバ回路500はまた、レンズドライバ回路500が電源160の代わりに電源540を用いるので、レンズドライバ回路100とは異なる。電源540は、電源540が適応電源制御回路164の代わりに適応電源制御回路542を用いること以外は電源160と同じである。適応電源制御回路542は、適応電源制御回路542が順方向電圧回路184の代わりに順方向電圧回路544を用いること以外は、適応電源制御回路164と同じである。
【0145】
順方向電圧回路544は、順方向電圧回路544が電流ドライバ536から順方向電圧VF1を受け取り、電流ドライバ538から順方向電圧VF2を受け取ること以外は、順方向電圧回路184と同じである。順方向電圧回路544は、順方向電圧VF1と順方向電圧VF2の規模を比較し、最も低い値を最小順方向電圧であると選択する。順方向電圧回路544はまた、VDAC182によって出力された参照された順方向電圧VSを最小順方向電圧と比較し、比較に応答して、順方向電圧制御信号VSFをPWM回路178に出力する。
【0146】
PWM回路178は、順方向電圧制御信号VSFに応答して、オン/オフ信号VSIGのタイミングを調整する。これによって、PWM回路178がドライバの最小順方向電圧要件を追跡することが可能になり、従って、負荷を駆動するための最大必要電圧を追跡することが可能になり、電力効率が最適化される。
【0147】
制御ループはアナログであり自動である。従って、イネーブルにされると、制御ループはドライバ電圧を追跡し、コントローラ/ユーザの介入は不要である。なお、電流ドライバ124又は538によってシンクされる電流が変化すると、それがドライバの順方向電圧を変化させて、フィードバックループに影響を与え、バックコンバータ回路162からの出力電圧VOUTを変化させる。
【0148】
このように、多くの実施例を用いてレンズドライバ回路が開示されている。各レンズドライバ回路は、各ポジションでの共振周波数を決定するために必要とされる情報を収集する。この後、コイル・レンズ・ボディ構造118が任意のポジションから別の任意のポジションに移動される度に、第1の電流量、及び或る遅延時間後に第2の電流量を用いて2つのステップで移動が成される。この例における遅延は、共振周波数の周期の2分の1に等しい。
【0149】
本発明の特許請求の範囲内で、説明された実施形態において変更が可能であり、また、他の実施形態が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5