【課題を解決するための手段】
【0026】
したがって、本発明は、本発明の特定の態様により、顔を化粧するのをより容易にしようとし、特には、顔の様々な領域に最も適合された製品を見出すのをより容易にしようとする。
【0027】
特には、化粧品を使用することおよび化粧の品質を向上することをより容易にするために、可変の着色製品を送ることができる分配システムを向上させることが依然として求められている。
【0028】
本発明の特定の態様は、混合物をベース製品から生成させることができる分配システムに依存する。これらのベース製品は異なる色のものであり得、そのため混合物の色は変化させ得る。ベース製品は、混合物を人のケラチン物質に塗布することで生じる色が上記物質の色にかなり近くなるように変化するよう混合物の範囲を変化させることをさらに可能にし得る。したがって、色の考えは、幅広い意味において理解されるものであり、それらの範囲の度合いにおける変化と下にある皮膚の色との結果として塗布の後に色が変化する混合物を、包含する。
【0029】
本発明は、顔の1以上の領域を処置させることができる。以後において、「領域」は、1cm
2と100cm
2との間で網羅し、より良くは、2cm
2から50cm
2までの範囲である、表面積におけるかなり小さい顔の定められた部分を示すために用いられる用語である。
【0030】
分配システム
分配システムは、好ましくは片手で操作し得、自律して動作する単一の装置、または、他の構成要素もしくは装置と相互作用して動作する装置から成り得る。分配システムは、例えば、後述するように、作り出される化粧品の種類に応じて分配装置に搭載される様々な出口インターフェースを必然的に伴い得る。分配システムは、分配装置を動作させるために分配装置と情報を交換するコンピュータシステムも必然的に伴い、このコンピュータシステムは、例えば、スマートフォン、カメラ付携帯電話、タブレット、ラップトップコンピュータ、または専用の端末などの携帯端末を備え得る。
【0031】
好ましくは、分配装置は、好ましくは対応する区画においてピストンを移動させるモータといった容積計量装置を介して、1以上のベース製品を収容する1以上の区画を加圧するように設計される。
【0032】
分配装置は、筐体と、少なくとも2つまたは3つの区画と、好ましくは区画と同じ数のモータと、から形成され得る。例えば、モータの回転は、各々の区画のピストンを押すウォームネジを駆動する。ピストンの前進移動は、例えば、モータに送信される命令パルスの数によって、および/または、これらが動作している時間の長さによって、制御される。これらのモータは、連続して、または、好ましくは同時に、電力供給され得る。
【0033】
例えば、これらのモータは、対応する微小投与量を分配するように、次々に、または、互いと同時に、短い持続時間にわたる基本動作周期の間に電力供給される。
【0034】
基本周期同士は、場合によりそれらの間に休止を伴って繰り返され、ベース製品に、区画から流れ出る時間を与える。
【0035】
区画は、空になったときに取り外されるカートリッジによって画定され得る。代替として、区画は、永久的に存在し、空になったときに再充填される。
【0036】
各々のカートリッジは、カートリッジを清浄させるために取り外し得る停止部によって閉じられ得る。
【0037】
好ましくは、分配装置の筐体は、長手方向軸に沿う細長い形のものであり、分配装置を取り扱うのをより容易にし、カートリッジは、この軸の周りで筐体内部に配置される。
【0038】
好ましくは、カートリッジは後方から挿入され、混合物は前方から送られる。カートリッジは個別に挿入され得る、または代替として、カートリッジは、それらが挿入されるときに一体部品の組立体を構成する。
【0039】
カートリッジは、容積計量機構を各々備え得、この容量計量機構は、ベース製品を収容する内部容積が低減することおよび一部の製品が排除されることを伴って起こる方向において、分配装置の駆動機構によって、移動されるピストンを備える。カートリッジに収容される製品の色が見え得るように、少なくともカートリッジの壁の領域を透明にすることは、カートリッジにとって有利であり得る。
【0040】
駆動機構は、分配装置の長手方向軸と平行な細長い形の、変速装置に結合され、カートリッジの間に位置決めされるモータから形成される動力化システムを備え得る。この方法でモータおよびカートリッジを位置決めすることで、分配装置を特に小型にさせる。
【0041】
ベース製品は、対応するカートリッジを封止された様態のままにし得、そのため、分配装置を出ていく前に、分配装置の筐体におけるこの目的のために提供される通路に沿って流れることができる。
【0042】
カートリッジは、有利には、端部品で終端されており、端部品は、このカートリッジを分配装置の筐体に挿入すると端部品の端が筐体と面一で開口するような方法で製作される。代替として、端部品は、筐体を超えて突出するだけの長さであり、それによって、分配装置の筐体に取り付けられ得る様々な出口インターフェースに連結する。
【0043】
ピストンを前進させるためのモータを備える駆動機構のおかげで、正確に非常に少量の混合物を送ることが可能である。したがって、ベース製品は、10μl/sもの少ない流量で、好ましくは、20μl/sから100μl/sの範囲の流量で、送られ得る。そのため、約10mgの混合物が容易に製作され得る。そのため、このような分配システムは、例えば1cm
2以下の大きさである小さい領域を覆うために、ちょっとの化粧を達成するのに理想的である。
【0044】
頬または顔を化粧するのに必要な量など、より多くの量の混合物を作り出すことも可能である。これらの量は、例えば100mgから500mgなど、依然として比較的少ないままである。
【0045】
したがって、本発明の一態様による本発明の1つの主題は、筐体を有する分配装置と、分配装置の筐体に収められる少なくとも1つのカートリッジと、を備える分配システムであり、このカートリッジは、本体と、本体において移動することできるピストンと、を備え、筐体は、カートリッジのピストンを移動するための動力化された駆動機構を備える。
【0046】
好ましくは、カートリッジは、分配端部品であってこの分配端部品を介して製品が出る分配端部品を備え、この分配端部品は、ピストンを移動するための駆動機構によって回転駆動される。端部品は、少なくとも1つの回転防止凸部、または、さらに良いのは、直径方向で反対側にある2つの回転防止スタッドを備え得る。
【0047】
端部品は、特にはOリングシールであるシールを担持し得る。したがって、カートリッジを交換するとき、シールも交換され、シールの摩耗の問題を回避することを可能にしている。
【0048】
分配装置は、動力化された駆動機構を制御するための電子基板を備え得、この電子基板は、それを通過する1以上の端部品を有する。これによって、分配装置のすべての電子部品が単一の基板において一体にグループ化され得、それによって小型化と信頼性とを向上するように、分配装置の実質的に全体の断面にわたって延びている基板を製作することを可能にでき得る。基板は、筐体の長手方向軸に対して実質的に直交して延び得る。基板は、分配装置の動作を制御するためのスイッチを担持し得る。
【0049】
分配システムは、少なくとも2つの分配モードにおいて動作するように設計され得る。
【0050】
「連続的」と称される第1のモードでは、混合物は、圧力が制御スイッチに加えられる限り分配される。
【0051】
「投与量」と称される第2のモードでは、所定の量の混合物が、スイッチを押すたびに分配される。
【0052】
1以上の端部品は、筐体の一端において開口し得る。これは、後で詳述されるように、死容積を小さくすることを可能にし得る。
【0053】
1以上の端部品は、それらの端において、例えば自己回復膜といった、製品がダクトにおいて乾燥するのを防止するための閉止システムを有し得る。
【0054】
カートリッジは、ピストンが捩じ込まれる中空ネジを備え得、ピストンは、ネジが回るにつれてネジに沿って軸方向に移動することができ、ピストンは、カートリッジの本体において回るのが防止される。例えば、カートリッジの本体に対するピストンの摩擦は、ネジが回るときにピストンが回るのを防止するのに十分であり得る。好ましくは、円形でない断面のカートリッジ本体と変形不可能であるピストンとを用いては回るのが不可能とされる。
【0055】
モータのトルクは、電流の流れに応じて電子的に決定され、例えば、ピストンがその行程の端に到達したことを検出するために使用され得る。トルクに関する情報は、マンマシンインターフェースを有するコンピュータシステムへと遠隔に送信され得、それによって分配装置の正確な動作が監視され得る。
【0056】
色合いを調節するために、本発明による分配システムは、使用者が各々の区画から送られる体積を変化させることができなければならない。
【0057】
好ましくは、分配装置は、分配装置に組み込まれるコンピュータシステム、または、分配装置の外部のコンピュータシステムによって動作させられ、分配装置は、無線または有線のプロトコルを使用して、コンピュータシステムと情報を交換することができる。
【0058】
したがって、分配装置は、異なる色のいくつかのベース製品の制御された同時または連続の分配によって、色合いを調節することができるように動作させられ得る。
【0059】
ベース製品の分配は連続的であり得、このような場合、ベース製品の各々の体積は、同時にまたは連続で、単一の発射で分配される。
【0060】
同時に分配する場合、分配される混合物が、要求される混合物にいつでも対応するために、様々なベース製品のそれぞれの流量を調節することができることは、有益である。このような分配モードは、エアブラシを用いて、噴霧を行うことで混合物を分配するときに特に、適切であり得る。流量を調節するために、例えば、ピストンが、ウォームネジによって、ネジを駆動するモータの回転速度を変化させることで駆動される場合、例えば、ピストンが移動する速度を変えることが可能である。製品も、各々の周期における分配時間および休止を有するパルスの手法で分配され得る。デューティ周期を変えることで、流量を変えることが可能である。
【0061】
すべての製品は、分配時間の間に同時に送られ得る、または代替として、様々な製品の周期は、ある製品が分配される間に他の製品が休止されるように、互いから時期がずらされ得る。
【0062】
ある具体的な実施形態では、混合物は、容器の空洞へ送られ、この空洞は、例えば、具体的にはスタイラスまたはブラシといった塗布器具を滑動させ得るカップの形態における、密閉するように閉じ得る、または、閉じ得ない。このような分配システムは、ライナ、グロス、および、手と直接的に接触せずに塗布される他の処方に、特に適合される。この容器は取り外し可能であり得る。例えば、分配システムは、唇の色の分配装置として使用され、例えばネジを使用する分配システムを有する。取り外し可能でないとき、容器は分配装置の本体と共に製作され得る。取り外し可能であるとき、容器は、分配装置に搭載し得る出力インターフェースを中でも構成し得る。
【0063】
具体的にはカートリッジといった区画は、例えば、動力化システム、またはなお良くは、動力化システムの一部といった、駆動機構の全部または一部を収容し得、これの目的は、カートリッジの外部での分配装置の本体において、動く部品の数を少なくすることである。例えば、カートリッジはモータの回転子を収容する。カートリッジが分配装置の本体に設置されると、回転子は固定子と相互作用するように作られる。
【0064】
分配システムは、システムによって送られる混合物が、連続的または不連続的に変更されるあらかじめプログラムされた流れの作動を許容するような方法で、有利に構成される。「段階的」モードは、例えば、混合物Aから混合物Bへと漸次的に進むことを可能にする。塗布が特にはエアブラシを使用する噴霧による場合、これは、滑らかにすることを簡単に達成させることができる。「交互」モードは、例えば、混合物Aから混合物Bへと連続して数回素早く切り替えることを可能にする。したがって、噴霧することによる塗布の場合、2つの重ねられる隣接する被覆について異なる処方を伴う、多層の塗布が達成され得る。別のモードは、例えば、いくつかのあらかじめプログラムされた連続する混合物を提供することを可能にし、コンピュータシステムは、例えばスクリーンにおける表示によって、これらがどのように使用されるべきかを使用者に毎回指示する。
【0065】
手動の塗布の場合、混合物は、例えばカップへと分配される。人は、カップから取り出された対応する混合物で、推奨される場所に化粧品を塗布し、次に、適切な場合、カップを清浄し、新たな混合物を送る命令をし、人が完全に化粧されるまで、作業が必要とされる回数繰り返される。
【0066】
分配される混合物は、使用の種類に依存して、様々な方法で均質化され得る。手動の塗布の場合、均質化は、塗布の時に塗布領域において直接的に、または、混合物がピックアップされる前にカップにおいて、行い得、エアブラシ塗布の場合、エアブラシの管が混合チャンバとして使用され、混合物が後の使用のために容器へと分配される場合、均質化は、手によって、または、分配された製品を、後で詳述するように、分配装置と容器との間に据え付けられた混合チャンバ、または、容器へと直接的に組み込まれた混合チャンバを通過させることで、実施され得る。
【0067】
製品は、分配システムによって送られ、即座に使用され得る。代替として、分配システムによって送られる製品は、包装され、例えば2回の使用の間に少なくとも1日の合間を伴って、例えば数回の機会において、後で使用される。
【0068】
皮膚の1以上の正確な領域を化粧するための使用
分配システムは、毎日、化粧品を塗布させることができ、隠される必要がある領域だけを処置する。これを行うために、少ない投与量の化粧品が、送られ、対応する領域へと具体的に連続して塗布される。各々の少ない投与量が、領域に適合される混合物を使用して製作される。
【0069】
本発明のある好ましい実施形態では、分配システムは、どの領域が処置されるかに関する情報を待ち、次に、対応する混合物を送る。この実施形態は、その目的のために、あらかじめプログラムされたルックアップテーブルを使用し得、このテーブルは、例えば、後述するような学習過程の結果である。代替として、分配システムは、混合物を送るとき、人に、自身が混合物を塗布する領域を通知する。したがって、分配システムは、塗布される様々な混合物を所定の順番で送るアプリケーションプログラムに従い得る。
【0070】
本発明のある具体的な実施形態では、分配システムは、送られる量に関して通知される。そのために、分配システムは、色と、顔の領域と、必要とされる量と、の間の関係を記憶し、それによって、製品の費用および廃棄を低減することと、皮膚を軽く覆うだけにすることで、閉塞の影響を回避することとを可能にする。その際、大きな被覆能力を伴い、顔の全体に塗布される十分すぎるほどの被覆を提供する製品を使用することが可能である。したがって、自然な化粧、または、わからないほどの外見を得ることが可能である。
【0071】
分配システムは、少量の分配およびその素早い使用を容易にすることで、製品が保持される時間を短縮し、それによって製品が変化する危険性を低減すること、および/または、使用される防腐剤の量を低減することを可能にし得る。
【0072】
分配システムは、顔全体を隠す必要なく、隠したい領域を処置するのに適している。
【0073】
使用者が顔の領域に塗布するための色を探すとき、各々の領域に最も合う色を記憶しておくことは有利であり、そのため、分配システムは、この色と、対応する領域と、を記憶するように有利に設計されている。したがって、使用のたびに、記憶された情報を使用することで、同じ混合物が各々の領域に対して送られ得る、または、いくつかの領域が処置される場合、同じ一連の混合物が、同じ一連の領域に向けて送られ得る。
【0074】
分配システムは、同様に、塗布の後、色の塗布を変化させることで領域を処置させるように設計され得る。したがって、人は、自身の好みに合うように、日々において自身が選択する異なる色を用いて、自身の唇を化粧し得る。この手法は、瞼または睫毛についても適しており、また、人はファンデーションの色を変えることを思いつくこともあり得るため、顔についても適している。例えば、平日では、人は薄い色のファンデーションを塗布し、週末にはより濃いファンデーションの色とし、または、目の化粧を、ある日はある色で、別の日には別の色とし得る。
【0075】
分配システムは、日、時間、人が着用するもの、および天気に応じて、使用者が自身の好みに合うように色を変えることができるように設計され得る。したがって、決定を行うことを支援するためのシステムが、自身の色の選択において使用者を案内するために有利に提供される。
【0076】
支援システムは、同じ顔において色をバランスさせるために提供され得、うまい全体の化粧の見栄えに向けて寄与できる。
【0077】
望ましいことは、例えば家族といった同じグループにおける数人が、分配システムを使用することができ、このため、費用を低減し、占有する空間を最小限にすること、であり得る。この解決策は、旅行またはホテル、キャンプ地、飛行機、キャンピングカー、ブティック、学校などに特に適している。そのために、分配システムが、あらかじめ保存された人のデータにアクセスするために、どの人が分配システムを使用しているかに関して通知を受けることができるようにするための備えがなされ得る。
【0078】
段階的な化粧のための連続的使用
この塗布では、分配システムは、製品を送っている間に混合物の処方を変化させる。また、ベース製品または混合物のための出口は、塗布表面を定める容器または支持体に対して移動される。本発明のある具体的な実施形態では、分配システムは、処置されるある領域の色C1と処置される別の領域の色C2との関数として混合物が展開する方法を計算するように設計される。例えば、顎が色C1を必要とすることと、頬が色C2を必要とすることと、がわかっている場合、分配システムは、これらの2つの色の間の色を段階的にするために、送っている間に混合物の処方を変化させ得る。これは、例えば、顔の欠点をより良く隠すことを可能にする一方、最終結果が、写実的であること、または、美しくする目的のための色を段階的とさせることを確保する。分配システムは、同様に、開始および/または終了の色が前もって設定されることなく、使用者が分配される混合物の色における変化を命令し得るように、設計され得る。それをするために、分配システムは、位置システムまたは自動位置システムを所有し得、ルックアップテーブルから、分配システムが作り出す色C1およびC2、したがって達成することになる混合物の展開を推論し得る。
【0079】
分配システムは、特にはエアブラシの場合、携帯式で操作できる出口ヘッドを備え得る。したがって、この選択肢は、分配システムの残りの部分を移動することなく、段階的な効果を達成することを可能にする。例えば、分配システムは頬の近くに位置付けられると、例えば、頬の周辺よりも頬の中心をそれらの間で段階的に赤くするように、混合物の処方における変化と出口ヘッドの移動とを自動的に操作する制御システムが動作開始される。
【0080】
分配システムは、いくつかの塗布のために保持されるオーダーメードの製品を作り出すために使用され得る。
【0081】
固体または半固体の製品を製作することも可能である。
【0082】
「オーダーメード」の成形体または他の固体もしくは半固体の製品の製造
分配システムは、混合物を選択させ、カップなどの容器に送らせることができるように設計され得る。混合物は、好ましくは、混合物が固体に設定し得るような調合物を含む。
【0083】
より好ましくは、使用は、設定を特に素早くする調合物から行われる。これらの混合物は、容器において、容器が他の成分で充填される前もしくは後に堆積されるか、分配装置の区画においてベース製品の他の成分と共に提供されるか、または、分配装置において、ベース製品の他の成分を含むように特に設計された区画に収容されるかのいずれかである。
【0084】
したがって、化学反応、生化学反応、または物理化学反応によって、排出の後に素早く硬化し得る特定の組成物が、分配され得る。これらの組成物は、成形体の作成のために特に設計されており、すなわち、成形体は、
・固体を設定し、
・擦られると粉になり得る材料を産出し、
・好ましくは色付きとされる。
【0085】
好ましくは、これらの組成物は、固体粒子が非常に豊富であり、例えば、組成物の全重量に対して30wt%超の固体粒子を含む。
【0086】
これらの組成物は、例えばシアノアクリル酸、アルファシラン、または、特には紫外線である光に反応するものといった、空気との接触で反応するものなど、吸着剤粒子または反応性組成物を含み得る。
【0087】
混合物が分配される容器は調合物Aを収容し得、分配される調合物は調合物Bを含み得、AおよびBは、互いに反応し、混合物を硬化するように選択される。
【0088】
本発明のある具体的な実施形態では、分配システムは、リップスティックまたは他の蝋状製品を作り出すために、例えば電気抵抗を伴った加熱手段を組み込む。その場合、ベース製品は、送られる前に加熱される。
【0089】
分配システムは、例えば、電気抵抗、または、特には紫外線のLEDといった、混合物が容器へと分配された後に熱エネルギーおよび/または光エネルギーを供給するための手段を備え得る。このエネルギーは、分配された混合物の硬化するのを加速させ得る。
【0090】
好ましくは、混合物は、硬化する前に均質化される。
【0091】
色パレットの作成
分配システムは、いくつかの領域を有する支持体を備え得、例えば顔の様々な部分に合わせた一連の色といった、上記領域において設定された、いくつかの混合物を、自動的に生成させるように設計され得る。
【0092】
支持体は、混合物を受け入れるためのいくつかの空洞を定め得る、または、例えば、カップの形態であって、潜在的には支持体から取り外し得るカップの形態で、いくつかの容器を担持し得る。
【0093】
ある具体的な場合では、支持体は、目標塗布領域のために混合物を受け入れるために、領域を伴う顔の形を採用する。
【0094】
支持体は、分配装置の本体に対して、特には回転である移動をすることができ得、例えば、様々な空間または容器が連続して充填され得るように、その移動において、分配装置によって駆動され得る。
【0095】
カップ式分配装置
使用者が簡単にピックアップし得る、混合物を送ることができる分配システムを有することには、便益がある。さらに、ベース製品が分配システムによって送られ、まだ混ぜ合わされていない場合、使用者が混合を簡単に実施できるようにする必要がある。
【0096】
本発明の態様のうちの1つでは、特には上述した態様である本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、カップと、カップを少なくとも1つの製品で充填するための分配装置とを備える、少なくとも1つの化粧製品を分配するためのシステムであって、カップは、少なくとも充填される間、分配装置に固定される、システムである。
【0097】
カップは、「坩堝」としても知られており、この用語は、その幅広い意味において理解されるものである。
【0098】
「分配装置に固定されるカップ」は、カップが分配装置において少なくとも一時的に保持され、特には不動とされることを意味するように理解され、例えば、ネジ、磁気引力、クリップ留め、バヨネット固定、留め付けによって分配装置に固定される、または、材料成型によって分配装置本体の一部と製作される。カップは、分配装置に固定されるとき、分配装置を片手で操作させることができ、カップは、分配装置を移動させている間、分配装置において所定位置に留まる。
【0099】
分配装置は、カップがすでに所定位置にある状態で使用者に提供され得る。代替として、カップは、分配システムが最初に使用されるとき、使用者によって設置される。
【0100】
カップは、好ましくは、深さよりも幅が広くなっており、カップへのアクセスをより容易にし、特には混合物である製品を、塗布器具または指でピックアップすることを可能にする。
【0101】
好ましくは、カップは、分配装置から取り外し得、後で詳述されているように、使用者の選択で、実施される化粧に応じて、分配装置に搭載され得る出口インターフェースの集合から選択され得る1つの出口インターフェースを構成する。
【0102】
好ましくは、分配システムは、異なるベース製品で充填するためのいくつかの充填オリフィスを備え、これらオリフィスは、カップへと開口する。したがって、これらの製品の混合はカップにおいて行われ得る。
【0103】
カップは、好ましくは、外方へ凹状の形の底を有し、使用者が2回の使用の間にカップを清浄するのを容易にする。
【0104】
また、これは、製品を使用者がピックアップするのをより容易にし、ベース製品を混合するのをより容易にし得る。
【0105】
好ましくは、分配装置は、調節可能な割合で少なくとも2つのベース製品をカップへと送ることができ、さらにより良くは、少なくとも3つの製品をカップへと送ることができる。
【0106】
ある例示の実施形態では、分配システムは、分配装置によって選択的に送り込まれ得る少なくとも2つのカップを備える。これは、使用者が、これら2つのカップを、異なる特性を持つ混合物で素早く充填することを可能にし得る。これは、着色物質の試験を容易にし得る、および/または、顔のそれぞれの領域を化粧するように意図された、いくつかの異なる色混合物の準備を可能にし得る。カップは、所定のカップに収容された混合物が意図されている顔の領域を使用者に思い出させる識別子と関係付けられ得る。
【0107】
カップは、分配装置に対して移動することができ得、例えば、分配装置に対して回転し得るタレットなどの携帯式の支持体によって、または、分配装置に対して並進移動できるスライドによって、担持される。
【0108】
分配システムは、カップを閉じるための蓋を備え得る。この閉止蓋は、使用者が内部に収容される混合物の色を見得るように、好ましくは透明である。
【0109】
カップは、分配装置から取り外し可能である場合、適切なとき、筐体へと滑り込ませ得、これは、カップをより容易に持ち運ばせることができ、この筐体は、適切な場合、鏡および/または塗布器具を潜在的に含む。筐体の蓋は、この場合、カップのための蓋として作用し得る。
【0110】
カップの容積は、2mm
3から1000mm
3までの間であり得る。
【0111】
カップへと送られる1以上のベース製品は、好ましくはファンデーションであるが、代替として、唇または目の化粧製品であり得る。
【0112】
カップは、好ましくは、回転対称を示す形である。代替として、カップは多角形または何らかの他の輪郭を有する。カップの最大内径、または、円形でない輪郭の場合における内接円の直径は、好ましくは2mmから100mmまでの間であり、優先的には5mmから40mmである。カップの深さは、好ましくは1mmから10mmまでの間である。好ましくは、カップの大きさおよび形は、皮膚への混合物の直接的な塗布を可能にする、または、混合物を指または塗布器具においてピックアップすることを可能にする。カップは、弾性的に変形可能な材料から作られ得、例えば、カップの底の空洞を裏返し、カップをより簡単に空にする、または、製品を塗布するためにカップを使用することを可能にする。
【0113】
カップは混合器具を有さなくてもよく、その場合、ベース製品は、個別のそれぞれの分配オリフィスを介して、混合されていない状態で分配装置からカップに到着し得る。代替として、分配装置は混合器具を組み込んでおり、ベース製品は、すでに混ぜ合わされてカップに到着する。
【0114】
カップは、後で詳述するように、静的な混合器具を組み込み得、静的な混合器具は、分配装置の個別の充填オリフィスを介して送り込まれ、好ましくは、混合器具の上方に据え付けられたカップの空洞へと混合物を送る。
【0115】
本発明のさらなる主題は、分配装置からの少なくとも1つのベース製品で、上述した分配システムのカップを充填するステップを含む、化粧製品を準備するための方法である。
【0116】
いくつかの製品は、指、塗布器具、または、カップへと組み込まれた静的な混合器具を用いて、混ぜ合わされてカップの底へと送られ得る。
【0117】
カップは、好ましくは下から充填される。
【0118】
ソノトロードを用いる分配システムが過去に提案されている。
【0119】
本発明によるカップは、1以上の製品を供給する1以上の給送ダクトによって運ばれた1以上の製品を分配するために、振動するように意図されてはいない。これはソノトロードとは異なる。好ましくは、カップはプラスチックから作られる。
【0120】
出口インターフェースに組み込まれる混合器具
使用者の一部への追加の混合動作を必要とすることなく、特には使用者によってピックアップされ得るといった容易に使用され得る混合物を送ることができる分配システムを有することには、便益がある。
【0121】
本発明の態様のうちの1つでは、特には上述した態様である本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、ベース製品出口通路と、分配装置から取り外し可能な出口インターフェースとを有する分配装置を備える分配システムであって、このインターフェースは、混合物がピックアップされ得る空洞まで混合物を好ましくは送る静的な混合器具を有する、分配システムである。
【0122】
静的な混合器具は、上記空洞の下に据え付けられ得る。そのため、分配システムは、出口インターフェースとして内蔵型の静的な混合器具を伴うカップを用いて、成形体の作成に特に適合される。その場合、カップの空洞は、下からの製品で充填される。静的な混合器具を通過した後、混ぜ合わされたベース製品は混合器具を覆う。
【0123】
本発明のこの態様によれば、いくつかの出口インターフェースを使用することと、混合器具を浄化する必要なく、それら出口インターフェースを異なるそれぞれの混合物で充填することとが可能であり、それによって製品の無駄を低減する。出口インターフェースは、適切な場合、1回の使用のインターフェースであり得る。
【0124】
好ましくは、静的な混合器具は、ベース製品取入通路と連通している中央チャンバを備える。この中央チャンバは、混合物のための偏向部として作用し、混合物の剪断を作り出す一連の隔壁を備える周辺チャンバと連通し得る。
【0125】
周辺チャンバは、混合物が周辺チャンバにおいて循環するときに混合物が通過する穿孔を定める穿孔環状隔壁を備え得る。中央チャンバおよび周辺チャンバは、混合物を受け入れる空洞の端壁を定める壁によって、上部において閉じられ得る。
【0126】
周辺チャンバの端壁は、カップの軸回りの螺旋形状のもので、出口に向かう方向で小さくなる高さのものであり得る。出口は、周辺チャンバの端壁と混合器具の上壁とを連結する連結傾斜部の前で開口し得、この連結傾斜部は、好ましくは、周辺チャンバの端壁によって形成される螺旋に延びる螺旋の一部である。
【0127】
好ましくは、周辺チャンバは、上記環状隔壁と、混合物を周辺チャンバの上方領域と下方領域との間と径方向内側領域と径方向外側領域との間とで交互に循環させる径方向隔壁と、を備え、混合物は、例えば、上記環状隔壁を通過することで、上方の径方向外側の領域から下方の径方向外側の領域へと循環する。
【0128】
混合器具は、混合器具の中心を形成する構成要素が収められる外側本体を備え得、外側本体は、外側において周辺チャンバを径方向で閉じ、中央チャンバと周辺チャンバとを分ける直立部を備える。
【0129】
混合部の外側本体と混合部の芯部とは、射出成型によって単一の部品として各々製作され得る。
【0130】
低減した死容積
混合物の処方を変えるときに製品の無駄を低減することにおいて、および、特に分配装置をエアブラシに結合するときに塗布の間に混合物の色をできるだけ素早く変化させることができることにおいて、得られる便益がある。
【0131】
本発明の態様のうちの1つでは、特には上記態様である本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、ベース製品を収容する貯留体を各々が有する少なくとも2つのカートリッジを受け入れる分配装置を備える、化粧製品を分配するためのシステムであって、ベース製品はカートリッジの出口通路を介してカートリッジを出ていき、この出口通路は、分配装置の外側へ開口する、または、分配装置の外面の近くで開口する、システムである。
【0132】
出口通路は、特には、混合物がピックアップされる領域へと開口する、または、特には5mm未満で離れて、なおもより良くは3mm未満で離れて、なおもより良くは1mm未満で離れて、もしくは、なおもより良くはこの領域と面一で、この領域の近くで開口し得る。
【0133】
出口通路の断面は、例えば、1mm
2から3mm
2までの間である。
【0134】
したがって、カートリッジから到来する各々のベース製品は、他のカートリッジからのベース製品と混合することなく分配装置を出ていき得、ピックアップされ得ず、システムの惰性を増加させやすい死容積が最小にされる。製品は、分配装置の筐体における特別な通路を通って循環する必要なく、より素早く利用可能であり、それによって、カートリッジ交換の事象において手間の掛かる浄化ステップを回避する。
【0135】
分配装置の外側は、特には、取り外せるように設計されていない、混合物が分配されるカップと共に分配装置が製作されるとき、製品ピックアップ領域とし得る、または、ピックアップ領域を定める取り外し可能な出口インターフェースの搭載が意図される分配領域とし得る。この出口インターフェースは、上述したようなカップを備え得る。この搭載領域は、例えば、出口インターフェースのないときに分配装置の筐体の外側に対応する。搭載領域は、実質的に平面であり得、分配装置の筐体の長手方向軸に対して直交し得る。
【0136】
分配装置は、ベース製品の3つのカートリッジを備え得る。
【0137】
分配装置は、カートリッジを受け入れるために筐体を有し得、カートリッジは、好ましくは、分配装置において取り外し可能に受け入れられる。分配装置は、出口通路を定めるカートリッジのためのダクトのための通路を備え得る。
【0138】
これらのダクトの長さは、好ましくは、ダクトが、端から若干後退して設定される、もしくは、製品をピックアップするために使用される空洞と面一で位置する、または代替で、搭載領域を定める分配装置の筐体の端面から若干後退して設定される、もしくは、その端面と面一で設定されるようになっている。
【0139】
カートリッジのこれらのダクトは、先に詳述したように、ピストンをカートリッジ内で移動させるために使用される端部品であり得る。
【0140】
複数の出口インターフェース
同じ分配システムを用いて、異なる化粧の見た目を達成することができ、望まれる場合には、皮膚、唇、睫毛、または眉毛と異なる領域を化粧することができる必要性がある。
【0141】
本発明の態様のうちの1つでは、特には上述した態様である、本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、特には化粧製品である少なくとも1つの化粧製品の分配装置と、分配装置に取り外し可能に各々搭載され得る少なくとも2つの出口インターフェースと、を備える組立体を備える分配システムであって、分配装置によって送られる1以上の製品を受け入れることができるこれらの出口インターフェースは、好ましくは、以下の中から選択される、分配システムである。
−指を用いて、または、塗布器具を用いて、製品を取り出すことができる、特にはカップである容器を備える出口インターフェース。
−特にはエアブラシである噴霧システムへと製品を送ることができる出口インターフェース。
−分配装置に対して移動し得、製品を受け入れるためのいくつかの領域を備える出口インターフェース。
−分配端部品へと製品を送ることができる出口インターフェース。
【0142】
好ましくは、組立体は、上記出口インターフェースのうちの少なくとも3つを備える、またはさらにより良くは、4つの出口インターフェースを備える。
【0143】
分配装置は、少なくとも2つの異なるベース製品を備え得、これらを可変の割合で送ることができ、好ましくは、分配装置は、3つの異なるベース製品を備え、これらを可変の割合で送ることができる。
【0144】
各々の出口インターフェースは、分配装置に固定させることができる基部を備え得る。この固定は、例えばネジを用いて行われ得るが、好ましくは、基部は、出口インターフェースを、工具を必要とせずに取り外して交換できるように設計される。固定は、例えば、4分の1回転の固定、または、外部固定リングを用いた固定である。
【0145】
出口インターフェースおよび/または分配装置の筐体は、分配装置の筐体と出口インターフェースとの間の封止された連通を許容するシールを備え得る。適切な場合、分配装置は、例えば、分配装置によって検出される特定の凸部の形態、または、分配装置が認識する電子チップの形態で識別子を有する出口インターフェースのおかげで、上方に搭載される出口インターフェースを認識するように設計される。これは、分配装置の動作を、上方に搭載される出口インターフェースに合わせて適合させることを可能とし得る。分配装置は、分配装置が持っている出口インターフェースについての情報をコンピュータシステムに通信し得、コンピュータシステムは、この情報に基づいて、特定のスクリーンを表示し得る、および/または、例えば、分配される投与量および/または流量を出口インターフェースの種類に適合させるために、分配装置の動作パラメータを制御するための特定のプログラムを作動させることができる。
【0146】
使用者には、最初に、例えばケースまたは段ボール箱といった1つの同じ包装内で、共通の分配装置と共にいくつかの出口インターフェースが提供され得る。
【0147】
本発明のさらなる主題は、出口インターフェースを選択するステップと、出口インターフェースを分配装置に搭載するステップと、分配装置に収容される1以上の製品をインターフェースへと送るステップと、を含む化粧方法である。
【0148】
マッピングおよび学習
「マッピング」という用語は、ここでは、色を領域で指示付けし、記録する過程を意味すると理解されるものである。
【0149】
マッピングは、1cm
2より小さい領域への塗布に関連し得る。しかしながら、裸眼では、得られた結果が適切である可動を見分けることは困難であり、裸眼による評価に代わって、拡大による機器での評価を代用することが好ましい。少量の着色物質が、ブラシなどの従来の道具を用いて、または、専門家の塗布器具を用いて、指で塗布され得る。
【0150】
マップは、使用者が混合物を用いて顔の異なる領域に試験を実行する学習期間の間に生成され得、ひとたび埋められると、マップは毎日の化粧のために使用され得る。
【0151】
特定のグラフィックインターフェースが、学習期間の間に、および、マップの使用の期間の間に、使用され得る。
【0152】
具体的には、分配システムは、操作者が顔を見るグラフィックインターフェースで使用され得、その顔は、例えば、写真または三次元シミュレーションなど、概略的、比喩的、または正確な描写である。その場合、操作者は、適切な色を示すおよび/または送るために、スクリーンにおける顔の一部を指し得る。グラフィックインターフェースは、その同じ色の使用が適切である顔の他の領域を示し得る。
【0153】
マップを作成するために、操作者は、色を塗布し、次に評価する。
【0154】
顔の領域を次々に処置し得、例えば、実習が、頬の部分で実施され、次に鼻においてなどで実施される。
【0155】
別の選択肢は、所定の混合物を作り出し、この同じ混合物をいくつかの領域に塗布することである。次に、操作者は、色が合う顔の領域を探す必要がある。次に、混合物はコンピュータシステムで指示付けされ、これは、混合物が適する顔の1以上の領域に、混合物を帰属させる。
【0156】
本発明の態様のうちの1つでは、特には上記態様である本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、色の可変混合物を分配させることができる分配装置と、色を選択させ、データを保存させることができるコンピュータシステムと、を備える分配システムのための学習過程であって、
a)コンピュータシステムのインターフェースを使用して少なくとも1つの色を選択するステップと、
b)選択された色の少なくとも1つの混合物を送るために分配装置を使用するステップと、
c)分配される1以上の混合物が顔の少なくとも1つの領域に塗布された後にその混合物を評価するステップと、
d)少なくとも1つの混合物であって、特には、呼び出しができるように使用者が望む混合物の特性、および、その混合物が試験された少なくとも1つの領域の特性を記憶するステップと、
を含む学習過程である。
【0157】
この記憶するステップは、特には、上記領域を化粧するために、この混合物の後での分配を目指して、実施され得る。
【0158】
好ましくは、コンピュータシステムは、試験の結果が満足できるかどうかを使用者に指示させることができるように、または、前もって実行された試験との比較を使用者に通知するように、設計される。
【0159】
所定の混合物を作り出すことと、その混合物が適切である顔の領域を探すこととが、可能でもある。次に、混合物を記録し、混合物をそれが適切である顔の1以上の領域に帰属させており、これは、ルックアップテーブルにおいて、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用するかを推論するために、後で使用されることになる。
【0160】
同じ手順が、顔全体のマップを作り出すことで顔のための完全なルックアップテーブルを有するために、他の混合物で採用され得る。
【0161】
所定の混合物を作り出し、それを所定の領域に塗布し、最も適した混合物が得られるまで混合物を変化させることができる。次に、混合物は記録され、混合物を、それが適切である顔の1以上の領域に帰属させ、これは、ルックアップテーブルにおいて、皮膚の領域に基づいて、どの混合物を使用するかを推論するために、後で使用されることになる。
【0162】
好ましくは、コンピュータシステムは領域ごとで使用される量を評価および記憶する。
【0163】
「試験パッチ」を使用するこのような方法は、人が化粧品を塗布しようとするどの1以上の製品が必要かを特定することを可能にする。したがって、分配システムは、化粧品を塗布しようとする人々に助言するために販売所で使用され得る、または、どの製品を注文するかを正確に定めるために、家庭において使用され得る。
【0164】
コンピュータシステムのインターフェースは、好ましくは、混合物が選択されるときに混合物の色を表示するタッチスクリーンを備える。
【0165】
インターフェースは、顔を表示し、表示された顔において領域を選択することでコンピュータシステムに知らせることを可能とし得る。
【0166】
コンピュータシステムは、領域、混合物再構築パラメータ、および試験の日付、ならびに/または、混合物の任意の他の識別子を、互いと関連付けさせるように好ましくは設計される。
【0167】
コンピュータシステムは、以下のデータ、すなわち、領域の名前、時期、出来事の名前、使用者識別子、および使用者の年齢のうちの少なくとも1つを、加えて、上記領域、混合物再構築パラメータ、および混合物の日付または識別子に関連付けさせるように好ましくは設計され得る。
【0168】
ステップa)からステップc)は、混合物の特性がステップd)で記憶される前に少なくとも1回繰り返され得る。
【0169】
コンピュータシステムは、少なくとも1つの所定の領域に適しているとして特定される混合物の特性に基づいて、市販製品の基準についてのデータベースを探すように、および、この情報を使用者へと中継するように、設計され得る。
【0170】
ステップa)での選択は、コンピュータシステムの外部にあり得るまたは外部になくてもよいエキスパートシステムを用いて、実行され得る。
【0171】
エキスパートシステムは、分析された画像に少なくとも基づいて混合物の色を提案するために、使用者の画像を分析し得る。
【0172】
ステップa)は、使用者に、色と、この色の混合物で試験される領域とを提案するコンピュータシステムによって優先させられ得る。
【0173】
コンピュータシステムは、使用者が、ステップc)における試験の結果の評価を使用者がコンピュータシステムに通知できるように、および、ステップa)へと戻って選択される混合物を変更させるために提案を生成できるように、設計され得る。
【0174】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域に従って、ステップa)において、混合物の少なくとも1つの色を提案するように設計され得る。
【0175】
コンピュータシステムは、使用者によって通知された塗布領域の色に基づいて、ステップa)において、少なくとも1つの塗布領域を提案するように設計され得る。
【0176】
分配装置は、ステップb)において、好ましくは別々に、異なる色の少なくとも2つの混合物を、それらが試験領域へと同時に塗布され得るように送り得る。これは、時間を節約させることができ、結果を比較するのをより容易にし得る。
【0177】
本発明のさらなる主題は、本発明のこの態様による分配システムを用いる化粧の方法であって、
a)使用者は化粧の必要性に関する要求をコンピュータシステムに送信し、
b)コンピュータシステムは、返信で、以前に実施された学習に基づいて、関連する領域を化粧するための提案された色を生成し、
c)コンピュータシステムは、特にはこれが使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を製作するために分配装置を動作させる、
化粧の方法である。
【0178】
このような方法は、使用者によって以前に確立されたマップを使用し得る。
【0179】
本発明のさらなる主題は、コード指令を含むコンピュータプログラム製品であって、このコード指令は、コンピュータシステムにおいて実行されるとき、
−特にはタッチスクリーンなどのインターフェースを用いて、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を使用者に選択させるように、
−使用者によって選択された色の混合物を送るような方法で分配装置を動作させるように、
−特には同じ領域で、特には同じ混合物を後で分配することを目指して、混合物の色と、関連付けられた塗布領域とを記憶することを使用者に開始させるように、
コンピュータシステムにさせる。
【0180】
コンピュータプログラム製品は、コード指令を含み得、このコード指令は、コンピュータシステムにおいて作動されるとき、
−特にはタッチスクリーンなどのインターフェースを介して、化粧のための必要性に関して、使用者から要求を受信するように、
−上記で定めたような学習過程によって生成されたデータに少なくとも基づいて、少なくとも1つの色および/または1つの塗布領域を提案するように、
−特にはこれが使用者によって確認された場合、提案された色の混合物を製作するために分配装置を動作させるように、
コンピュータシステムにさせる。
【0181】
遠隔支援
特には正しい色付けを選択するときである、化粧品を塗布するとき、使用者を支援できることが望ましい。
【0182】
本発明の態様のうちの1つでは、特には上記態様である本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、
−第1の場所におけるカメラと第2の場所との間で、例えばインターネットを介して、ビデオリンクを確立させるステップと、
−第2の場所に、第1の場所に存在する分配装置を直接的にまたは間接的に動作させるステップであって、この分配装置は、分配される混合物の色を変化させることを可能にする、ステップと、
−第1の場所に存在する人に、分配される混合物を塗布させ、化粧の結果に関する情報を返信で受信するように、対応する画像を第2の場所へと送信させるステップと、
を含む、化粧品を塗布する方法である。
【0183】
第2の場所は表示スクリーンを備え得、この表示スクリーンは、このスクリーンにおいて座っている助言者に、分配装置によって分配された製品での化粧の結果を見させ、化粧品を塗布した人に助言させることができる。この助言者は、混合物の色を変更し、それを、第1の場所に存在する人の顔に最も合うように適合させるように、返信で分配装置に影響を与え得る。したがって、この人は、分配装置によって送られる混合物を制御する。第1の人は、自身を第2の人が見つめる状態で、自身を化粧し得る。第2の人は、スクリーンにおける試験の結果を見て、理想的な化粧が得られるまで、この第2の人が遠隔で制御することになる混合物を修正し得る。
【0184】
適切な場合、ビデオ取得は、試験パターンを用いて、または、分配装置によって基準表面へと分配される混合物で、較正され得る。したがって、これは、第1の場所において塗布される化粧品のより忠実な表示を可能にする。
【0185】
好ましくは、2つの場所の間でのビデオリンクは、双方向リンクである。
【0186】
第1の場所は、適切な場合、第2の場所から指導を受け得る。
【0187】
ベース製品の識別子は、ベース製品の各々の色を正確に決定することを可能にし得る第2の場所に通信され得る。
【0188】
方法は、所定の混合物が満足できるものとであると見なされると、分配装置設定パラメータを記憶することを伴い得る。好ましくは、この記憶保存は第2の場所から命令され得る。記憶保存は、第1の場所および/または外部サーバに存在するコンピュータシステムにあり得る。
【0189】
ある代替は、ある人に化粧品を塗布するのをいくらか助けるために仕事をさせ得る。この実施形態は、メーキャップアーティストとその人の仕事とを、機関内で、または、インターネットによってのいずれかで、展開させることを可能にする。弱視の人々、色を見分けるのが困難である人々、年配者、または、自信のない人々など、能力の限られている人々に、化粧品を塗布させることができる。
【0190】
タッチセンシティブインターフェースを介した動作
分配システムの制御を行い、特には、分配される混合物の色の選択をより容易にすることが必要である。
【0191】
本発明の態様のうちの1つでは、特には上述した態様である本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、分配装置と、分配装置を動作させるためのコンピュータシステムとを備える分配システムであって、このコンピュータシステムは、混合物の色が表示され得るタッチスクリーンと、分配される混合物の色を変化させるためにスクリーンにわたって移動され得る選択手段と、を備える。
【0192】
好ましくは、スクリーンは端の位置の色を表示でき、それらの端の位置の色同士の間で、混合物の色は、選択手段をこれらの端の位置の色の間で移動することで選択され得る。
【0193】
スクリーンは、少なくとも2つの色の間の色の目盛り、すなわち選択手段が中で移動され得る、特には三角の輪郭のものである面を表示し得る。この面は、例えば、純粋なベース製品を各々1つが具現化する頂点の各々からの距離に応じて、混合物の色を局所的に示し得る。
【0194】
コンピュータシステムは、所望の色の混合物をもたらすベース製品の各々の割合を決定するために必要な計算の一部を実施し得る。
【0195】
コンピュータシステムは、スマートフォン、カメラ付携帯電話、タブレット、またはパーソナルコンピュータであり得る。代替として、コンピュータシステムは分配装置の筐体に組み込まれる。
【0196】
コンピュータシステムはカメラを有し得る。カメラは、特には使用者および/または混合物の画像を捕らえるために、使用され得る。
【0197】
コンピュータシステムは、混合物が塗布される領域を特定するのをより容易にするために、顔の画像を表示するように設計され得る。
【0198】
噴霧手段への分配システムの結合
分配システムは、好ましくはエアブラシである混合物を噴霧する手段を備え得る、または、その手段に連結され得る。
【0199】
本発明の態様のうちの別のものは、好ましくはエアブラシである噴霧システムを備える分配システムをなおもさらに向上することであり、本発明の態様のうちの1つによれば、特には上記態様である本発明の他の態様と無関係にまたは組み合わせて、本発明の1つの主題は、
−好ましくは、取込空気の流れを受けるピックアップチャンバを備えるエアブラシといった、噴霧手段と、
−異なるベース製品を収容する少なくとも2つの区画を備える分配装置であって、製品は、好ましくは個別の分配オリフィスを介して、噴霧手段へと送られる、分配装置と、
を備える組立体である。
【0200】
分配装置は、異なる色の化粧製品を収容する3つのカートリッジを備え得る。
【0201】
エアブラシは、ピックアップチャンバを画定するスタイラスを備え得、スタイラスは、分配装置に、もしくは、分配装置に固定される出口インターフェースに、取り付けられる、または、この出口インターフェースの一体部品を形成する。
【0202】
分配システムは、分配装置の動作を制御し、エアブラシが動作している間、ピックアップチャンバへと送られるベース製品の割合を変化させることができる回路を備え得る。割合は、混合物が噴霧される表面に対するエアブラシの移動に応じて変更され得る。この移動は、適切な場合、機械化され得る。
【0203】
この制御回路は、上述したコンピュータシステムを備え得る、または、そのようなコンピュータシステムによって構成され得る。
【0204】
分配装置のケーシングは、組立体が混合物を送るために取り扱われるとき、把手部として作用し得る。
【0205】
分配装置は、混合物が塗布される領域を自動的に位置付けるために、および、適切である場合、位置に応じて自動的に色を調節できるようにするために、カメラ、および/または、加速度計などの1以上のセンサを備え得る。
【0206】
本発明のさらなる主題は、上記で定めたような組立体を用いて化粧品を塗布する方法であり、その方法では、混合物は、特にはエアブラシである噴霧手段を用いて、皮膚に噴霧される。
【0207】
混合物の組成は、エアブラシが皮膚に対して移動するとき、変更され得る。段階的な効果が得られる。
【0208】
本発明のこの態様は、分配装置が、特にはエアブラシである噴霧システムを供給するために使用され得るという意見に依拠している一方、同時に、分配システムを、特には化粧される領域が変化するにつれて、顔を化粧している間に分配される混合物の色における変化を許容するのに十分な応答性とすることを可能とする。
【0209】
特には様々な製品の間で時期がずらされない分配時間の場合、製品の分配が反復的に実施されることは、有利であり得る。
【0210】
これは、そのうちに分配される混合物の組成を変化させることをより容易にし得る。
【0211】
混合物は、実際には厄介な死容積なしで、エアブラシにおいて直接的に作り出し得、したがって、噴霧される混合物をリアルタイムで変化させることができる。ピックアップチャンバで作り出される減圧は、計量を妨げるような形を伴わずに、ベース製品を取り込むのに十分に強い。
【0212】
ピックアップチャンバにおける減圧は、例えば、10mbarから200mbarまでの間である。
【0213】
ベース製品の粘度は、1atmおよび25℃において、MS−r3またはMS−r4の測定棒に取り付けられたCONTRAVES TV回転粘度計を用いて、測定棒の10分間の回転の後に60Hzの周波数で測定されるとき、例えば、0.05Pa.sから50Pa.sまでの間である。
【0214】
ベース製品がチャンバにおいて到着するのに沿う通路の断面は、例えば、1m
2から3mm
2までの間である。
【0215】
製品は、好ましくは連続的に供給される。
【0216】
水性ゲルおよび油性ゲルなどの不混和性または反応性のベース製品を同時に塗布することも可能であり、これらは、ピクセル化されて(in pixelated fashion)皮膚に直接的に堆積され、互いに反応する反応性シリコンまたは着色料である一種のゲル/その場でのゲルを生成する。ベース製品の割合は、望まれる具体的な結果に応じて調節され得る。例えば、水性ゲルおよび油性ゲルの場合、割合は10/1から1/10で変化させられ得る。
【0217】
位置付けシステムまたは自動位置付けシステム
本発明による分配システムは、位置付けシステムまたは自動位置付けシステムを有し得る。
【0218】
位置付けシステムは、人が処置したい領域を入力するのに用いる手段に与えられる名前である。これは、特には少なくとも片手を自由なままにするシステムを用いて、実施され得る。したがって、タッチスクリーン、ジョイスティック、または音声認識システムなどのコンピュータシステムのインターフェースを使用し得る。
【0219】
自動位置付けシステムは、人の部分での介入なしで、処置される領域を入力するための手段に与えられる名前である。これは、移動から、人によって、または、カメラおよび画像認識システムによって目標とされる方向を推論する1以上の加速度計を使用して達成され得る。
【0220】
本発明は、その非限定的な実施の例の以下の詳細な記載を読むことから、および、添付の図面を精査することから、より良く理解され得る。