特許第6607966号(P6607966)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6607966オンチップ光学相互接続構造およびネットワーク
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6607966
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】オンチップ光学相互接続構造およびネットワーク
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/31 20060101AFI20191111BHJP
   G02B 6/26 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   G02F1/31
   G02B6/26
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-564444(P2017-564444)
(86)(22)【出願日】2015年6月12日
(65)【公表番号】特表2018-528600(P2018-528600A)
(43)【公表日】2018年9月27日
(86)【国際出願番号】CN2015081344
(87)【国際公開番号】WO2016197388
(87)【国際公開日】20161215
【審査請求日】2018年1月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】皇甫 幼睿
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 少▲卿▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼ 迎春
(72)【発明者】
【氏名】邱 晨
【審査官】 佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−177515(JP,A)
【文献】 特開2014−175917(JP,A)
【文献】 特開2006−295772(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0161447(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0308944(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第103308988(CN,A)
【文献】 特表2011−518344(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00− 7/00
G02B 6/12− 6/14
6/26− 6/35
6/42− 6/43
H04B 10/00−10/90
H04J 14/00−14/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンチップ光学相互接続構造であって、M個のレベルの光学スイッチングデバイスを備え、前記M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうちの第mレベルの光学スイッチングデバイスは、2m-1個の光学スイッチングデバイスを備え、前記M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうち第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの各光学スイッチングデバイスは、第iレベルの光学スイッチングデバイスのうちの2つの光学スイッチングデバイスに接続され、前記第iレベルの光学スイッチングデバイスにあり、かつ前記第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの同じ光学スイッチングデバイスに接続された2つの光学スイッチングデバイスが前記2つの光学スイッチングデバイスの送信ポートによって接続され、ここで、M、m、およびiは整数であり、M≧3、1≦m≦M、および3≦i≦Mである、オンチップ光学相互接続構造。
【請求項2】
前記M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうち少なくとも1つの光学スイッチングデバイスが、送信ポートを使用することによってコンピュータ構成要素に接続される、請求項1に記載のオンチップ光学相互接続構造。
【請求項3】
前記オンチップ光学相互接続構造はさらに制御モジュールを備え、前記制御モジュールは、コンピュータ構成要素から取得される情報に従って、前記オンチップ光学相互接続構造内の各光学スイッチングデバイスのステータスを制御するように構成された、請求項1または2に記載のオンチップ光学相互接続構造。
【請求項4】
前記オンチップ光学相互接続構造内の各光学スイッチングデバイスの構造は、マイクロリング共鳴キャビティ構造またはマッハツェンダ干渉計(MZI)構造である、請求項1から3のいずれか一項に記載のオンチップ光学相互接続構造。
【請求項5】
M=3であり、前記オンチップ光学相互接続構造内の各光学スイッチングデバイスは、4つの送信ポートを備え、各光学スイッチングデバイスの前記4つの送信ポートの少なくとも1つは、コンピュータ構成要素または前記光学スイッチングデバイスに接続されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のオンチップ光学相互接続構造。
【請求項6】
オンチップ光学相互接続ネットワークであって、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造を備え、前記少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造の各々は、請求項1から5のいずれか一項に記載のオンチップ光学相互接続構造である、オンチップ光学相互接続ネットワーク。
【請求項7】
前記オンチップ光学相互接続ネットワークが、少なくとも2つのオンチップ光学相互接続構造を備えている場合、前記少なくとも2つのオンチップ光学相互接続構造は、前記少なくとも2つのオンチップ光学相互接続構造の各々における第1レベルの光学スイッチングデバイスを使用することによって互いに接続される、請求項6に記載のオンチップ光学相互接続ネットワーク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信分野に関し、特に、オンチップ光学相互接続構造およびネットワークに関する。
【背景技術】
【0002】
増大している通信帯域幅の要件を満たし、データセンタの電力消費量を低減させるために、より高いスループット、より低い遅延、およびより低い電力消費量を有する新たな相互接続モードが開発される必要がある。光は、より高い帯域幅密度およびより低い電力消費量を提供する。それに加えて、シリコン光子技術は、従来の相補性金属酸化膜半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、略してCMOS)技術との互換性を有し得、これによって、光の入力および出力が、光学接続メモリのような様々なコンピュータ構成要素のインターフェースになり得る。いくつかの既存の光学相互接続技術では、コンピュータ構成要素は、ポイントツーポイントの光ファイバまたは導波管の形態で相互接続される。データ交換は電気領域で完了するが、これは、電気から光、および、光から電気への変換を必要とする。この変換処理の結果、エネルギー消費量が多くなり、スループットへの悪影響およびネットワークの遅延をもたらす。
【0003】
それに加えて、先行技術におけるオンチップ相互接続アーキテクチャでは、プロセッサ間の通信は一般に、マルチレベルのスイッチングデバイスによって協調的に達成される。この結果、比較的遅い速度となり、通信における遅延を増加させる。それに加えて、任意のレベルにおけるスイッチングデバイスが、オンチップ相互接続アーキテクチャ全体の通信処理に影響を与え得、通信における競合および遅延が容易に発生し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、通信における電力消費量、競合、および遅延を低減させるような、オンチップ光学相互接続構造およびネットワークを提供する。
【0005】
第1の態様に従って、オンチップ光学相互接続構造が提供され、ここで、オンチップ光学相互接続構造は、M個のレベルの光学スイッチングデバイスを含み、M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうちの第mレベルの光学スイッチングデバイスが、2m-1個の光学スイッチングデバイスを含み、M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうち第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの各光学スイッチングデバイスは、第iレベルの光学スイッチングデバイスのうちの2つの光学スイッチングデバイスに接続され、第iレベルの光学スイッチングデバイスにあり、かつ第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの同じ光学スイッチングデバイスに接続された2つの光学スイッチングデバイスが接続され、ここで、M、m、およびiは整数であり、M≧3、1≦m≦M、および3≦i≦Mである。
【0006】
第1の態様に関して、第1の態様の実施方式では、M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうちの少なくとも1つの光学スイッチングデバイスが、送信ポートを使用することによってコンピュータ構成要素に接続される。
【0007】
第1の態様および先述した実施方式に関して、第1の態様の別の実施方式では、オンチップ光学相互接続構造はさらに制御モジュールを含み、制御モジュールは、コンピュータ構成要素から取得される情報に従って、オンチップ光学相互接続構造内の各光学スイッチングデバイスのステータスを制御するように構成される。
【0008】
第1の態様および先述したその実施方式に関して、第1の態様の別の実施方式では、オンチップ光学相互接続構造内の各光学スイッチングデバイスの構造は、マイクロリング共鳴キャビティ構造またはマッハツェンダ干渉計MZI構造である。
【0009】
第1の態様および先述したその実施方式に関して、第1の態様の別の実施方法では、M=3であり、オンチップ光学相互接続構造内の各光学スイッチングデバイスは、4つの送信ポートを含み、各光学スイッチングデバイスの4つの送信ポートの少なくとも1つは、コンピュータ構成要素または光学スイッチングデバイスに接続されている。
【0010】
第2の態様に従って、オンチップ光学相互接続ネットワークが提供される。オンチップ光学相互接続ネットワークは、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造を含み、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造の各々は、請求項1から5のいずれか一項に記載のオンチップ光学相互接続構造である。
【0011】
第2の態様に関して、第2の態様の実施方式では、オンチップ光学相互接続ネットワークが、少なくとも2つのオンチップ光学相互接続構造を含んでいる場合、それら少なくとも2つのオンチップ光学相互接続構造は、少なくとも2つのオンチップ光学相互接続構造の各々における第1レベルの光学スイッチングデバイスを使用することによって互いに接続される。
【0012】
先述の技術的解決策に基づいて、本発明の実施形態は、オンチップ光学相互接続構造およびネットワークを提供する。オンチップ光学相互接続ネットワークは、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造を含む。オンチップ光学相互接続構造は、メッシュツリー(mesh-tree)構造であり得る。各mesh-tree構造は、マルチレベルの光学スイッチングデバイスを含み、同じ上位レベルの光学スイッチングデバイスに接続された2つの下位レベルの光学スイッチングデバイスもまた接続される。従来のオプトエレクトロニクススイッチングと比較して、オンチップ光学相互接続ネットワークのすべての光学スイッチングは、電力消費量を低減し得る。オンチップ光学相互接続ネットワークは、複数のレベルへ分割され、階層的なスイッチングが実行され得るように、グリッド方式で接続された光学スイッチングデバイスが形成され、通信における競合および遅延が低減する。それに加えて、mesh-tree構造の最下位レイヤの光学スイッチングデバイスによって、より高いレイヤの光学スイッチングデバイスにアクセスすることなく、コンピュータ構成要素間のより高速かつより効率的な通信が可能となる。mesh-tree構造の最上位レイヤの光学スイッチングデバイスは、異なるタイプのオフチップメモリ素子が、他のレイヤ間のデータ送信を中断することなく、より柔軟な方式で、より多くのモジュールに接続することを可能にし得る。
【0013】
本発明の実施態様における技術的解決策をより明確に説明するために、以下では、本発明の実施態様を説明するために必要とされる添付図面を簡潔に説明する。明らかに、以下の説明における添付図面は、本発明のいくつかの実施態様を図示するに過ぎず、当業者であればさらに、創造的な努力なしで、これら添付図面から、他の図面を導出し得る。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に従うオンチップ光学相互接続ネットワークの概要図である。
図2】本発明の実施形態に従う光学スイッチングデバイスの概要図である。
図3】本発明の実施形態に従うオンチップ光学相互接続ネットワークの別の概要図である。
図4】本発明の実施形態に従うオンチップ光学相互接続ネットワークの別の概要図である。
図5】本発明の実施形態に従うオンチップ光学相互接続ネットワークの送信方法の概要フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、本発明の実施形態における添付図面を参照して本発明の実施形態における技術的解決策を明確かつ完全に説明する。明らかに、説明される実施形態は、本発明の実施形態のすべてではなく、一部である。創造的な努力なしで本発明の実施形態に基づいて当業者によって取得される他のすべての実施形態は、本発明の保護範囲内にあるものとする。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に従うオンチップ光学相互接続ネットワーク100の概要図である。オンチップ光学相互接続ネットワーク100は、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造を含み得る。図1における破線ブロックは、任意の1つのオンチップ光学相互接続構造の概要図を図示する。
【0017】
オンチップ光学相互接続ネットワークにおける各オンチップ光学相互接続構造に関し、各オンチップ光学相互接続構造は、M個のレベルの光学スイッチングデバイスを含み得、ここで、M≧3であり、M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうち第mレベルの光学スイッチングデバイスは、最大で2m-1個の光学スイッチングデバイスを含み、ここで、1≦m≦Mである。M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうち第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの各光学スイッチングデバイスが、第iレベルの光学スイッチングデバイスのうちの最大で2つの光学スイッチングデバイスに接続される。第iレベルの光学スイッチングデバイスにあり、かつ第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの同じ光学スイッチングデバイスに接続されている2つの光学スイッチングデバイスが接続され、ここで、3≦i≦Mであり、M、m、およびiは整数である。
【0018】
本発明のこの実施形態では、各光学スイッチングデバイスは、n個の送信ポートを含み得る。送信ポートは、入力および出力を実行するために使用され得る。オプションで、送信ポートの各々は、1つの入力端と1つの出力端を含み得、ここで、nは正の整数であり、n≧2である。図1に図示されるように、各光学スイッチングデバイスは、4つの送信ポートを含み、すなわち、n=4であり、各光学スイッチングデバイスと別の光学スイッチングデバイスとの間の接続は、当該光学スイッチングデバイスの少なくとも1つの送信ポートが、当該別の光学スイッチングデバイスの送信ポートに接続されることを意味する。
【0019】
オプションで、別の光学スイッチングデバイスに接続されていることに加えて、オンチップ光学相互接続構造内の各光学スイッチングデバイスは、コンピュータ構成要素にも接続され得る。オンチップ光学相互接続構造内の少なくとも1つの光学スイッチングデバイスの少なくとも1つの送信ポートが、コンピュータ構成要素に接続され得る。
【0020】
したがって、本発明のこの実施形態は、オンチップ光学相互接続構造およびネットワークを提供する。オンチップ光学相互接続ネットワークは、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造を含む。オンチップ光学相互接続構造は、メッシュツリー(mesh-tree)構造であり得る。各mesh-tree構造は、マルチレベルの光学スイッチングデバイスを含み、同じ上位レベルの光学スイッチングデバイスに接続された2つの下位レベルの光学スイッチングデバイスもまた接続される。従来のオプトエレクトロニクススイッチングと比較して、オンチップ光学相互接続ネットワークの全光学スイッチングは、電力消費量を低減し得る。オンチップ光学相互接続ネットワークは複数のレベルに分割され、階層的なスイッチングが実行され得るように、グリッド方式で接続された光学スイッチングデバイスが形成され、通信における競合および遅延が低減する。それに加えて、mesh-tree構造の最下位レイヤの光学スイッチングデバイスによって、より高いレイヤの光学スイッチングデバイスにアクセスすることなく、コンピュータ構成要素間のより高速かつより効率的な通信が可能となる。mesh-tree構造の最上位レイヤの光学スイッチングデバイスは、異なるタイプのコンピュータ構成要素が、他のレイヤ間のデータ送信を中断することなく、より柔軟な方式で、より多くのモジュールに接続することを可能にし得る。
【0021】
具体的には、本発明の実施形態において、オンチップ光学相互接続ネットワークは、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造を含み得る。各オンチップ光学相互接続構造は、メッシュツリー(mesh-tree)構造として考慮され得る。各オンチップ光学相互接続構造、すなわち各mesh-tree構造は、M個のレベルの光学スイッチングデバイスを含み得る。ここで、M≧3であり、M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうちの第mレベルの光学スイッチングデバイスは、最大で2m-1個の光学スイッチングデバイスを含み、ここで、1≦m≦Mである。M個のレベルの光学スイッチングデバイスのうち第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの各光学スイッチングデバイスは、第iレベルの光学スイッチングデバイスのうち最大で2つの光学スイッチングデバイスに接続され、第iレベルの光学スイッチングデバイスにあり、第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうち同じ光学スイッチングデバイスに接続された2つの光学スイッチングデバイスが接続され、ここで、3≦i≦Mであり、M、m、およびiは、整数である。
【0022】
オプションで、一実施形態では、図1に図示されるように、オンチップ光学相互接続構造、すなわち、mesh-tree構造が、3つのレベルの光学スイッチングデバイスを含む、すなわち、M=3である場合、3つのレベルの光学スイッチングデバイスのうち第mレベルの光学スイッチングデバイスは、2m-1個の光学スイッチングデバイスを含み、ここで、1≦m≦3である。すなわち、第1レベルの光学スイッチングデバイスは、1つの光学スイッチングデバイス(101)を含み、第2レベルの光学スイッチングデバイスは、2つの光学スイッチングデバイス(102および105)を含み、第3レベルの光学スイッチングデバイスは、4つの光学スイッチングデバイス(103、104、106、および107)を含む。それに加えて、第(i-1)レベルの光学スイッチングデバイスのうちの各光学スイッチングデバイスは、第iレベルの光学スイッチングデバイスのうちの2つの光学スイッチングデバイスに接続され、ここで、2≦i≦3である。すなわち、第2レベルの光学スイッチングデバイス102は、第3レベルの光学スイッチングデバイス103および104に個別に接続され、第2レベルの光学スイッチングデバイス105もまた、光学スイッチングデバイス106および107へ個別に接続される。それに加えて、同じ第2レベルの光学スイッチングデバイスに接続された2つの第3レベルの光学スイッチングデバイスもまた接続される。すなわち、光学スイッチングデバイス103および104が接続され、光学スイッチングデバイス106および107が接続される。
【0023】
本発明のこの実施形態では、オプションで、第mレベルは、最大で2m-1個の光学スイッチングデバイスを含む。たとえば、第3レベルは、最大で4つの光学スイッチングデバイス(103、104、106、および107)を含む。すなわち、第3レベルは、4つ以下の光学スイッチングデバイスを含み得る。たとえば、光学スイッチングデバイス103が存在しないこともあり、光学スイッチングデバイス102のみが光学スイッチングデバイス104に接続される。本発明はそれに限定されない。オプションで、mesh-tree構造が、3つよりも多くのレベルの光学スイッチングデバイスを含む場合、たとえば、mesh-tree構造がさらに第4レベルの光学スイッチングデバイスを含む場合、各レベルの光学スイッチングデバイスは、最大で2m-1個の光学スイッチングデバイスを含む。たとえば、第4レベルは、最大で8つの光学スイッチングデバイスを含む。本発明はそれに限定されない。
【0024】
本発明のこの実施形態では、図1における3つのレベルの光学スイッチングデバイスを含むオンチップ光学相互接続構造は、3レベルオンチップ光学相互接続構造、すなわち3レベルmesh-tree構造と称され得る。オプションで、3つよりも多くのレベルの光学スイッチングデバイスを含むmesh-tree構造は、マルチレベルmesh-tree構造と称される。たとえば、4つのレベルの光学スイッチングデバイスを含むmesh-tree構造、または、5つのレベルの光学スイッチングデバイスを含むmesh-tree構造は、マルチレベルmesh-tree構造に属する。本発明はそれに限定されない。マルチレベルmesh-tree構造に関して、最下位の3つのレベルにあり、接続されている光学スイッチングデバイスは、多数のmesh-tree構造と考えることができる。たとえば、5レベルmesh-tree構造は、5つのレベルの光学スイッチングデバイスを含み、5レベルmesh-tree構造では、第3、第4、および第5レベルの光学スイッチングデバイスが、4つの3レベルmesh-tree構造からなると考えることができる。このケースでは、1つのマルチレベルmesh-tree構造は、多数の3レベルmesh-tree構造と多数の追加の光学スイッチングデバイスとからなるオンチップ光学相互接続ネットワークと考えることができる。本明細書における追加の光学スイッチングデバイスは、マルチレベルmesh-tree構造における3レベルmesh-tree構造を除く他の光学スイッチングデバイスである。たとえば、5レベルmesh-tree構造に関し、第3、第4、および第5レベルの光学スイッチングデバイスは、4つの3レベルmesh-tree構造からなると考えることができる。5レベルmesh-tree構造における第1および第2レベルにおける3つの光学スイッチングデバイスは、追加の光学スイッチングデバイスである。5レベルmesh-tree構造は、追加の3つの光学スイッチングデバイスと4つの3レベルmesh-tree構造とを接続することによって形成されるオンチップ光学相互接続ネットワークと考えることができる。
【0025】
オプションで、オンチップ光学相互接続ネットワークが多数のオンチップ光学相互接続構造を含む場合、オンチップ光学相互接続構造は、ルートノードにおいて光学スイッチングデバイスを使用することによって、互いに接続され得る。すなわち、オンチップ光学相互接続構造内の第1レベルの光学スイッチングデバイスが互いに接続される。本明細書におけるオンチップ光学相互接続構造は、3レベルmesh-tree構造であり得るか、または、3つより多くのレベルを有するmesh-tree構造であり得る。本発明はそれに限定されない。
【0026】
本発明のこの実施形態では、オンチップ光学相互接続構造は、全光学スイッチングを使用する。全光学スイッチングは、データ交換処理において光が媒体として使用される処理であり、光の特性は、光-電気-光変換なしで、全処理において維持される。光-電気-光変換を必要とする電気的なスイッチングと比較して、光学的スイッチングは、高い帯域幅を提供し、エネルギーを節約し、遅延を低減させ得る。光学的スイッチングの基本ユニットは、光学スイッチングデバイス、すなわち、光学的スイッチである。すなわち、本発明のこの実施形態では、光学スイッチングデバイスは、光学的スイッチであり得る。電気的な制御によって、図2に図示されるように、例として、基本ユニット2x2の空間光学的スイッチを使用することによって、光が入力端から入力され、(図2(a)に図示されるような)バー(bar)方式で、または、(図2(b)に図示されるような)クロス(cross)方式で、異なる出力ポートへ送信され得る。より多くのポートを備えた光学スイッチングデバイスは、4x4、8x8、および32x32のような多数の2x2スイッチを統合することによって実装される。残りは、類推によって取得され得る。しかしながら、より多くのポートは、実装における複雑さを増加させる。コンピュータ構成要素間の光学的な相互接続に適したアーキテクチャを実装する際の複雑さを低減させることなく、拡張性をどのようにして増加させるかということが本発明の技術的解決策の背景である。比較して言えば、4x4のスイッチは、現在実装することが困難ではなく、十分な数の拡張ポートを維持するトポロジである。したがって、本発明では、4x4のスイッチが基本ユニットとして使用される場合、結果は比較的良好である。オプションで、4x4の光学スイッチングデバイスにおける構成ユニットをどのように実装するかに関して、シリコン光子MZI(マッハツェンダ干渉計、Mach-Zehnder interferometer)またはシリコン光子マイクロリング技術が使用され得る。すなわち、光学スイッチングデバイスは、マイクロリング共鳴キャビティ構造またはMZI構造であり得る。本発明はそれに限定されない。しかしながら、マイクロリングベースの光学スイッチングデバイスの電力消費量は低いが、帯域幅は現在高くなく、温度感度は比較的高く、MZ
I光学スイッチングデバイスは、比較的高い帯域幅を有するが、マイクロリングベースの光学スイッチングデバイスと比較して、サイズは比較的大きく、電力消費量は比較的高い。したがって、具体的な設計は最終的な用途に依存する。本発明は、任意のタイプの光学スイッチングデバイスを使用することによって実装され得る。
【0027】
本発明のこの実施形態では、たとえば、図1において、4x4の光学スイッチングデバイスである各光学スイッチングデバイスが例として使用される。すなわち、各光学スイッチングデバイスは、4つの入力端と4つの出力端とを含む4つの送信ポートを有する。mesh-tree構造では、第1レベルの光学スイッチングデバイス101が、第2レベルの光学スイッチングデバイス102および105に個別に接続され、第2レベルの光学スイッチングデバイス102が、第3レベルの2つの光学スイッチングデバイス103および104に接続され、第3レベルの2つの光学スイッチングデバイス103および104も互いに接続される。同様に、第2レベルの光学スイッチングデバイス105は、第3レベルの2つの光学スイッチングデバイス106および107に接続され、第3レベルの2つの光学スイッチングデバイス106および107も互いに接続される。すなわち、光学スイッチングデバイス102、103、および104がfull-mesh構造を形成し、光学スイッチングデバイス105、106、および107もまたfull-mesh構造を形成する。mesh-tree構造における光学スイッチングデバイスに関し、光学スイッチングデバイス間の接続に加えて、光学スイッチングデバイスの他のポートが、多数のコンピュータ構成要素に接続され得る。オプションで、図1では、他のポートは、12個のコンピュータ構成要素(108〜119)に接続され得る。12個のコンピュータ構成要素はすべて、mesh-tree構造を有する同じオンチップ光学相互接続ネットワークにあり得るか、または、一部分が、mesh-tree構造を有する同じオンチップ光学相互接続ネットワークに存在し得、その他の部分は別のチップ上の構造に属する。本発明はそれに限定されない。
【0028】
本発明のこの実施形態では、各光学スイッチングデバイスは多数の送信ポートを含むことが認識されるべきである。たとえば、4x4の光学スイッチングデバイスは、4つの送信ポートを含み、送信ポートは、入力および出力を実行するために使用され得る。オプションで、各送信ポートは、個別に1つの出力端および1つの出力端を含み得る。1つの光学スイッチングデバイスと別の光学スイッチングデバイスとの間の接続は、それら2つの光学スイッチングデバイスの送信ポートが接続されることを意味し、これによって、入力および出力が実行されるようになり得る。すなわち、入力端および出力端を使用することによって、2つの光学スイッチングデバイスが接続される。たとえば、図1に図示されるように、光学スイッチングデバイス102が、光学スイッチングデバイス103に接続され、光学スイッチングデバイス102および103の各々が、4つの出力端と4つの入力端とを含む。すなわち、光学スイッチングデバイス102の出力端が、光学スイッチングデバイス103の入力端に接続され、光学スイッチングデバイス102の入力端が、光学スイッチングデバイス103の出力端に接続され、これによって、光学スイッチングデバイス102と光学スイッチングデバイス103との間での相互送信が実行できるようになる。同様に、光学スイッチングデバイスとコンピュータ構成要素との間の接続も、それら光学スイッチングデバイスとコンピュータ構成要素との送信ポートが接続されることを意味する。具体的には、光学スイッチングデバイスとコンピュータ構成要素とが、入力端と出力端とを使用することによって接続され得る。たとえば、図1に図示されるように、光学スイッチングデバイス102は、コンピュータ構成要素110に接続される。すなわち、光学スイッチングデバイス102の出力端が、コンピュータ構成要素110の入力端に接続され、光学スイッチングデバイス102の入力端が、コンピュータ構成要素110の出力端に接続され、これによって、光学スイッチングデバイス102とコンピュータ構成要素110との間の相互送信が実行できるようになる。
【0029】
オプションで、本発明のこの実施形態では、本明細書における光学スイッチングデバイスは、光学スイッチングデバイスであり得、各光学スイッチングデバイスは、nxnであり、すなわち、n個の送信ポートを含み得る。具体的には、n個の入力端およびn個の出力端が含まれ得る。たとえば、光学スイッチングデバイスは4x4であり得るか、または8x8であり得、すなわち、光学スイッチングデバイスは、8つの入力端および8つの出力端を有する。このケースでは、図1に図示される接続方式が依然として使用される。各光学スイッチングデバイスの入力端および出力端の数が増加するので、mesh-tree構造が、より多くのコンピュータ構成要素に接続され得る。オプションで、図1に図示される接続方式は使用されないことがあり得る。たとえば、2つの光学スイッチングデバイスが接続された場合、それは、2つの入力端および2つの出力端が接続されていることを示し得る。たとえば、2つの8x8の光学スイッチングデバイス102および103が接続される。すなわち、光学スイッチングデバイス102の2つの出力端が、光学スイッチングデバイス103の2つの入力端に個別に接続され、光学スイッチングデバイス102の2つの入力端が、光学スイッチングデバイス103の2つの出力端に接続され、これによって、光学スイッチングデバイス102と光学スイッチングデバイス103と間の相互送信が実行できるようになる。同様に、この方式はまた、光学スイッチングデバイスとコンピュータ構成要素との間の接続のために使用される。このケースでは、各光学スイッチングデバイスの入力端/出力端の数は、図1と比較して増加するにもかかわらず、mesh-tree構造が接続されるコンピュータ構成要素の数は不変であるが、光学スイッチングデバイス間の送信の速度と、光学スイッチングデバイスとコンピュータ構成要素との間の送信の速度とが増加する。
【0030】
本発明のこの実施形態では、コンピュータ構成要素108〜119に関して、いくつかの構成要素は空きであり得る。具体的には、mesh-tree構造における多数の送信ポートが、コンピュータ構成要素に接続され得る。1つの送信ポートは、1つの入力端および1つの出力端を含み得る。mesh-tree構造の多数の送信ポートが、多数のコンピュータ構成要素に接続され得る。しかしながら、mesh-tree構造が接続される必要のあるコンピュータ構成要素の数が比較的少ない場合、mesh-tree構造におけるいくつかの送信ポートは空きとなり得る。たとえば、図1に図示されるように、mesh-tree構造が2つのみのプロセッサに接続される必要がある場合、対応するコンピュータ構成要素110が、光学スイッチングデバイス102の1つの送信ポートに接続され得、対応するコンピュータ構成要素111が、光学スイッチングデバイス105の1つの送信ポートに接続され得る。すなわち、110および111は、プロセッサを表し、残りの108、109、および112〜119は、空きであり、どの要素にも接続されない。
【0031】
本発明のこの実施形態では、コンピュータ構成要素におけるコアの数は将来徐々に増加するので、コアは、大きなコアと小さなコアへ分類され、大きなコアと小さなコアとが共に存在し得る。大きなコアは、比較的高い計算能力を有するが、小さなコアは、高速の並列アクセス速度を有する。種々のシナリオに関し、大きなコアおよび小さなコアは、協調的な演算を実行するために適切に使用される。本発明のmesh-tree構造に関し、大きなコアのCPUは、光学スイッチングデバイス101に接続され得る。すなわち、大きなコアのCPUは、mesh-tree構造のルートノードに接続され、高速計算およびタスク分散に対応する。しかしながら、小さなコアは、計算速度を増加させるように、ルートノードではなくリーフノードに接続される。しかしながら、本発明はそれに限定されない。
【0032】
本発明のこの実施形態では、例として図3を使用すると、オンチップ光学相互接続ネットワークがマルチmesh-tree構造を含むのであれば、mesh-tree構造は、各mesh-tree構造のルートノード、すなわち、光学スイッチングデバイス101を使用することによって、互いに接続され得る。すなわち、図3における光学スイッチングデバイスは、N1に接続される。N1は、別のmesh-tree構造のルートノードの光学スイッチングデバイスを表す。mesh-tree構造の光学スイッチングデバイスは、デージーチェーンを形成するように接続され得る。本発明はそれに限定されない。しかしながら、各mesh-tree構造に関し、図3に図示されるように、光学スイッチングデバイス103、104、106、および107は、8つのコンピュータ構成要素(P1〜P8)へ個別に接続され得る。8つのコンピュータ構成要素は、プロセッサノードであり得る。すなわち、P1〜P8は、8つのプロセッサである。各プロセッサノードの構造は、P4近傍の円に図示され得る。各プロセッサは、1つのIPコアを含み得、L1およびL2によって表されるキャッシュ(cache)を含み得る。mesh-tree構造は、ミラー光学相互接続構造であり得る。すなわち、ポートP5〜P8の接続は、P1〜P4の接続形態を完全に複製している。本発明はそれに限定されない。
【0033】
それに加えて、本発明のこの実施形態では、例として図3を使用すると、各mesh-tree構造のルートノード、すなわち、光学スイッチングデバイス101はさらに、外部メモリDRAM(ダイナミックランダムアクセスメモリ、dynamic random access memory)に接続され得る。オンチップ光学相互接続ネットワークが1つのmesh-tree構造しか含んでいない場合、ルートノード、すなわち、光学スイッチングデバイス101は、2つのメモリに接続され得る。メモリは、内部メモリであり得るか、または、外部メモリであり得る。本発明はそれに限定されない。
【0034】
本発明のこの実施形態では、例として図3を使用すると、各mesh-tree構造の第2レベルの光学スイッチングデバイス、すなわち、光学スイッチングデバイス102および105は、L3 cacheに接続され得る。すなわち、第2レベルの光学スイッチングデバイスは、同じコンピュータ構成要素に接続される。しかしながら、本発明はそれに限定されない。
【0035】
本発明のこの実施形態では、図4に図示されるように、オンチップ光学相互接続ネットワークはさらに、制御モジュールを含み得る。各光学スイッチングデバイスは、制御信号を使用することによって制御される必要があるので、制御信号は、制御モジュールからであり得る。オプションで、制御モジュールは、ルーティングチップであり得る。ルーティングチップは、各光学スイッチングデバイスのルーティングステータスのアービトレーションを実施するために、すべてのコンピュータ構成要素および光学スイッチングデバイスに接続される。これは、従来の通信シナリオにおける交換とは非常に異なる。従来の通信では、各スイッチは、独立したアービトレーション能力を有する。本発明では、光学スイッチングデバイスは、独立した判定能力を有していない。すべてのコンピュータ構成要素と光学スイッチングデバイスとがルーティングチップに接続され、ルーティングチップは、コンピュータ構成要素から取得される情報に従って、アービトレーションによって、光学スイッチングデバイスのステータスを判定することが理解され得る。
【0036】
オプションで、オンチップ光学相互接続ネットワークにおける各光学スイッチングデバイスはまた、ルーティングチップの機能を含み得る。すなわち、オンチップ光学相互接続ネットワークは、個別のルーティングチップを含んでおらず、代わりに、各光学スイッチングデバイスが、制御モジュールを有し、ルーティング機能を有し、コンピュータ構成要素から取得される情報に従って光学スイッチングデバイスのオン-オフステータスを制御し得る。本発明はそれに限定されない。
【0037】
本発明の実施形態では、図5は、本発明のこの実施形態に従うオンチップ光学相互接続ネットワークの送信処理の概要フローチャートである。図5に図示されるように、図4に図示されるオンチップ光学相互接続ネットワークに関し、コンピュータ構成要素がデータを送信する準備ができている場合、コンピュータ構成要素は、制御モジュールへ要求メッセージを送信し得る。制御モジュールは、ルーティングチップであり得る。ルーティングチップは、要求メッセージに従って、データ送信のためのリンクを判定し得、各光学スイッチングデバイスのステータスを制御し得、これによって送信リンクが利用可能になる。ルーティングチップの制御信号に従って、各光学スイッチングデバイスは、各自のステータスを変更し得、データの送信を開始する。データ送信が完了した後、ルーティングチップは、新たなリンクステータスを記憶し得る。
【0038】
具体的には、本発明のこの実施形態において、たとえば、図4に図示されるように、例としてルーティングチップを含むオンチップ光学相互接続ネットワークを使用すると、光学信号がプロセッサP3とP6との間で送信される必要がある場合、ルーティングチップは、プロセッサP3およびP6から受信した情報に従って、光学スイッチングデバイス104、102、101、105、および106を使用することによって光学信号が送信されことを判定し得る。具体的には、光学信号は、プロセッサP4から光学スイッチングデバイス104へ送信され得、光学スイッチングデバイス104は、光学スイッチングデバイス102、101、および105を使用することによって、最終的に光学信号を光学スイッチングデバイス106へ送信し得、光学スイッチングデバイス106は、光学信号をプロセッサP6へ送信する。オプションで、オンチップ光学相互接続ネットワークにおける各光学スイッチングデバイスがルーティング機能を有している場合、オンチップ光学相互接続ネットワークは、個別のルーティングチップを有しないことがあり、各光学スイッチングデバイスが、判定を行い得、先述した処理を実行する。したがって、通信における競合および遅延を低減させるように、本発明のこの実施形態において提供されるオンチップ光学相互接続ネットワークにおける各mesh-tree構造の光学スイッチングデバイス間で、階層的なスイッチングが実行され得る。
【0039】
本発明のこの実施形態では、別の例に関し、図4に図示されるように、光学信号がプロセッサP2とP3との間で送信される必要がある場合、ルーティングチップは、プロセッサP2およびP3から受信した情報に従って、光学スイッチングデバイス103および104を使用することによって光学信号が送信されたことを判定し得る。具体的には、光学信号は、プロセッサP2から光学スイッチングデバイス103へ送信され得、さらに、103によって、光学スイッチングデバイス104へ送信される。オプションで、オンチップ光学相互接続ネットワークにおける各光学スイッチングデバイスがルーティング機能を有している場合、オンチップ光学相互接続ネットワークは、個別のルーティングチップを含んでいないことがあり、各光学スイッチングデバイスが、判定を行い得、先述した処理を実行する。したがって、グリッド接続は、本発明のこの実施形態において提供されるオンチップ光学相互接続ネットワークにおける各mesh-tree構造の各レベルの光学スイッチングデバイス(たとえば、光学スイッチングデバイス103および104)間で形成され得る。信号が送信される場合、光学信号は、上位レベルの光学スイッチングデバイス(たとえば、光学スイッチングデバイス102)を使用することなく送信され得、これによって、プロセッサ間のより高速かつより効率的な通信が実施され得る。
【0040】
したがって、本発明のこの実施形態において提供されるオンチップ光学相互接続ネットワークは、少なくとも1つのオンチップ光学相互接続構造を含む。オンチップ光学相互接続構造は、メッシュツリー(mesh-tree)構造であり得る。各mesh-tree構造は、マルチレベルの光学スイッチングデバイスを含み、同じ上位レベルの光学スイッチングデバイスに接続された2つの下位レベルの光学スイッチングデバイスも接続される。従来のオプトエレクトロニクススイッチングと比較して、オンチップ光学相互接続ネットワークの全光学スイッチングは、電力消費量を低減させ得る。オンチップ光学相互接続ネットワークは、複数のレベルへ分割され、階層的なスイッチングが実行され得るように、グリッド方式で接続された光学スイッチングデバイスが形成され、通信における競合および遅延が低減する。それに加えて、mesh-tree構造の最下位レイヤにおける光学スイッチングデバイスによって、より高いレイヤにおいて光学スイッチングデバイスにアクセスすることなく、コンピュータ構成要素間のより高速かつより効率的な通信が可能となる。mesh-tree構造の最上位レイヤの光学スイッチングデバイスは、異なるタイプのコンピュータ構成要素が、他のレイヤ間のデータ送信を中断することなく、より柔軟な方式で、より多くのモジュールに接続することを可能にし得る。
【0041】
当業者であれば、この明細書において開示された実施形態を参照して説明された例におけるユニットおよびアルゴリズムステップは、電子ハードウェアによって、または、コンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組合せによって実施され得ることを認識するであろう。機能がハードウェアによって実行されるかそれともソフトウェアによって実行されるかは、特定の用途と、この技術的解決策の設計制約条件とに依存する。当業者は、各特定の用途に関して説明された機能を実施するために異なる方法を使用し得るが、この実施は、本発明の範囲を超えると考えられるべきではない。
【0042】
利便性および簡潔な説明の目的のために、先述したシステム、装置、およびユニットの詳細な動作処理に関し、先述した方法実施形態における対応する処理に対する参照がなされ得、詳細は説明されないことが当業者によって明確に理解され得る。
【0043】
この出願において提供されるいくつかの実施形態では、開示されたシステム、装置、および方法は、他の方式で実施され得ることが理解されるべきである。たとえば、説明された装置実施形態は単なる例である。たとえば、ユニット分割は、単なる論理的な機能分割であり、実際の実装では他の分割であり得る。たとえば、複数のユニットまたは構成要素が、別のシステムへ結合または統合され得るか、または、いくつかの特徴が、無視され得るか、または実行されないことがあり得る。それに加えて、表示されまたは論じられた相互結合または直接的結合または通信接続は、いくつかのインターフェース、装置、またはユニット間の間接的結合または通信接続、または電気的接続、機械的接続、または他の形態での接続によって実施され得る。
【0044】
個別の部品として説明されるユニットは、物理的に個別であることも、個別でないこともあり得、ユニットとして表示される部品は、物理的なユニットであることも、物理的なユニットでないこともあり得、1つの場所に配置され得るか、または、複数のネットワークユニットへ分散され得る。これらユニットのいくつかまたはすべては、実施形態の解決策の目的を達成するために、実際のニーズに従って選択され得る。
【0045】
それに加えて、本発明の実施形態における機能ユニットは、1つの処理ユニットへ統合され得るか、または、ユニットの各々は物理的に単独で存在し得るか、または、2つ以上のユニットが1つユニットへ統合される。
【0046】
機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実装され、独立した製品として販売または使用される場合、これら機能は、コンピュータ可読記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、実質的な本発明の技術的解決策、または先行技術に貢献する部分、または技術的解決策のいくつかは、ソフトウェア製品の形態で実装され得る。ソフトウェア製品は、記憶媒体に記憶され、本発明の実施形態において説明された方法のステップのすべてまたはいくつかを実行するように、(パーソナルコンピュータ、サーバ、またはネットワークデバイスであり得る)コンピュータデバイスに対して指示するためのいくつかの命令を含む。先述した記憶媒体は、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、読取専用メモリ(ROM、Read-Only Memory)、ランダムアクセスメモリ(RAM、Random Access Memory)、磁気ディスク、または光ディスクのようなプログラムコードを記憶し得る任意の媒体を含む。
【0047】
先述した説明は、単に、本発明の具体的な実施方式であり、本発明の保護範囲を限定することは意図されていない。本発明において開示された技術的範囲内の当業者によって容易に理解される任意のバリエーションまたは置き換えは、本発明の保護範囲内にあるものとする。したがって、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0048】
100 オンチップ光学相互接続ネットワーク
101 光学スイッチングデバイス
102 光学スイッチングデバイス
103 光学スイッチングデバイス
104 光学スイッチングデバイス
105 光学スイッチングデバイス
106 光学スイッチングデバイス
107 光学スイッチングデバイス
108 コンピュータ構成要素
109 コンピュータ構成要素
110 コンピュータ構成要素
111 コンピュータ構成要素
112 コンピュータ構成要素
113 コンピュータ構成要素
114 コンピュータ構成要素
115 コンピュータ構成要素
116 コンピュータ構成要素
117 コンピュータ構成要素
118 コンピュータ構成要素
119 コンピュータ構成要素
図1
図2
図3
図4
図5