(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記工程Bにおける前記レーザビームの強度よりも低い強度を持つ検出用レーザ光で、前記工程Bの前に、前記基板の前記第1面に平行な面を走査して、前記基板の前記第1面上における前記凸部または前記コンタミネーションの各位置を検出する工程Dを含み、
前記工程Bにおける前記レーザビームは、前記凸部または前記コンタミネーションの各位置に向けて順次出射される、請求項1に記載の製造方法。
前記工程Bにおいて除去された前記凸部または前記コンタミネーションの前記少なくとも一部を、気流により、前記基板の前記第1面から離れる方向に移動させる工程Eを含む、請求項1または2に記載の製造方法。
前記工程Aは、ステージの上面に前記基板を載せる工程を含み、前記基板の前記第2面は前記ステージの前記上面に支持される、請求項1から4のいずれかに記載の製造方法。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示によるレーザクリーニング装置の第1実施形態の構成例を示す上面図である。
【
図1B】本開示によるレーザクリーニング装置の第1実施形態の構成例を示す斜視図である。
【
図2】レーザビームと基板の第1面との関係の一例を模式的に示す断面図である。
【
図3】レーザビームと基板の第1面との関係の他の一例を模式的に示す断面図である。
【
図4】屈折率N=1.5の基板に空気中から光線が入射する場合における入射角と反射率との関係を示すグラフである。
【
図6】レーザビームの断面(YZ面に平行な平面)を示す図である。
【
図7】レーザビームにおける強度Iの半径位置依存性を示す図である。
【
図8】レーザビームの伝搬方向(X軸)におけるビーム半径R(x)を模式的に示す図である。
【
図9】レーザビームと基板の第1面との関係の更に他の一例を模式的に示す断面図である。
【
図10】レーザビームと基板の第1面との関係の更に他の一例を模式的に示す断面図である。
【
図11】パーティクル形状のコンタミネーションがレーザビームで照射されている状態を模式的に示す斜視図である。
【
図12】基板の第1面に対向する位置に設けられた撮像装置が、レーザビームの照射によって輝く照射対象の像を取得する例を示す斜視図である。
【
図13】本開示による実施形態の他の構成例を示す斜視図である。
【
図14】本開示による実施形態の更に他の構成例を示す斜視図である。
【
図15】本開示による実施形態の更に他の構成例を示す斜視図である。
【
図16】本開示による実施形態の更に他の構成例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
まず、
図1Aおよび
図1Bを参照しながら、本開示によるレーザクリーニング装置の実施形態の基本的な構成例を説明する。
図1Aおよび
図1Bは、それぞれ、本実施形態の構成例を示す上面図および斜視図である。添付の図面には、参考のため、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸が記載されている。
【0012】
本実施形態におけるレーザクリーニング装置(以下、「LC装置」と称する)100は、基板10を支持するステージ20を備えている。基板10は、第1面(上面)11と、第1面11に平行な第2面(下面)12とを有する。基板10の例は、プラスチック基板、ガラス基板、半導体基板、および、表面に樹脂層、絶縁層または半導体層などの機能層が形成されたガラス基板を含む。本願における「平行」の用語の意義は、数学的に厳密な「平行」に限定されない。
【0013】
ステージ20は、基板10の第2面12の側から基板10を支持する。ステージ20の上面は、典型的には平坦であるが、真空吸着のための溝または孔などの凹部を有していてもよい。ステージ20に支持された状態の基板10の第1面11は、図示される例において、XY平面に平行である。XY平面は、典型的には水平であるが、ステージ20が基板10をしっかりと支持していれば、任意の方向を向いていてもよい。
【0014】
基板10の第1面11には、不要な凸部61および/またはコンタミネーション62が存在し得る。凸部61は基板10の一部であるが、コンタミネーション62は、基板10に付着した異物である。コンタミネーション62の典型例は、「パーティクル」と呼ばれる異物であり、その材料は様々(有機物および/または無機物)である。パーティクルは、薄膜堆積装置、搬送装置などに付着していた物質、または空中を浮遊する物質に由来することが多い。また、基板10の搬送中に基板10そのものから削り出された物質に由来することもあり得る。このようなパーティクルの幾つかは、基板に強く付着し、洗浄工程によっても基板10の表面から除去されないことがある。また、パーティクルなどのコンタミネーションは、洗浄工程の後に基板10の表面に付着することもある。本願では、このような凸部61およびコンタミネーション62を総称してレーザビームの照射対象(ターゲット)60と称することがある。
【0015】
図1Aおよび
図1Bには、例示的に1個の凸部61および1個のコンタミネーション62が記載されている。1枚の基板10における凸部61およびコンタミネーション62の個数は、この例に限定されない。例えば、基板10の第1面11には、単位面積(1m
2)あたり、数個から100個のパーティクルが付着することがある。個々のパーティクルのサイズ(直径または高さ)は例えば1〜5μmであり得る。LC装置100は、このような大きさおよび個数密度で基板10の第1面11に存在する凸部61および/またはコンタミネーション62を検知すると、レーザビームで照射して個々のサイズを縮小したり、基板10から完全に除去したりする。本実施形態における凸部61および/またはコンタミネーション62の検知は、後述するようにレーザビームを利用して行う。このような検知そのものは、イメージセンサおよび画像処理技術を用いる公知の方法によって行ってもよい。
【0016】
図1Aおよび
図1Bには、凸部61および/またはコンタミネーション62の照射に用いられるレーザビーム3が2本の破線によって模式的に記載されている。本実施形態の特徴点のひとつは、レーザビーム3の出射方向が基板10の第1面11に「平行」なことにある。本願における「平行」の用語の意義は、前述したように、数学的に厳密な「平行」に限定されない。レーザビーム3と基板10の第1面11との関係については後述する。
【0017】
LC装置100は、レーザビーム3を出射する光源ユニット30と、ステージ20に対する光源ユニット30の位置および向きの少なくとも一方を変化させる位置決め装置40と、光源ユニット30および位置決め装置40を制御する制御装置50とを備えている。
【0018】
光源ユニット30の典型例は、半導体レーザ素子を備えるレーザヘッド、または、他の固体レーザまたはガスレーザの出力ヘッドであり得る。位置決め装置40は、典型的には、電気モータなどのアクチュエータによって駆動される機械的駆動装置である。図示されている例において、位置決め装置40は、ガイドレールに沿って光源ユニット30をY軸方向に移動させ、任意の位置で停止させることができる。ステージ20に対する光源ユニット30の位置および向きは、光源ユニット30を固定した状態で、あるいは移動させながら、ステージ20の位置および向きを調整して変化させてもよい。
【0019】
制御装置50は、有線または無線により、光源ユニット30および位置決め装置40に電気的に接続されている。制御装置50は、典型的には、通信バスによって相互に接続された、マイクロコントーラ、メモリ、および通信インタフェースを有している。メモリには、マイクロコントローラおよび通信インタフェースの動作を規定するソフトウェアプログラムが格納されている。制御装置50は、レーザクリーニングの処理動作を実行するためのプログラムがインストールされた汎用的なコンピュータであり得る。
【0020】
クリーニング動作を行うとき、制御装置50は、光源ユニット30から基板10の第1面11に平行な第1の方向(X軸方向)にレーザビーム3を出射させる。また、制御装置50は、位置決め装置40により、基板10の第1面11に平行な第2の方向(Y軸方向)にレーザビーム3を並進させ、基板10の第1面11上における照射対象60のそれぞれの少なくとも一部を除去する。レーザビーム3の「並進」は、常にレーザビーム3が出射された状態で行う必要はない。照射対象60が存在しない領域をレーザビーム3が横切るとき、レーザビーム3の強度はゼロであってもよい。
【0021】
図1Aおよび
図1Bに示す例において、第2の方向(Y軸方向)は、基板10の第1面11に平行であり、かつ、第1の方向(X軸方向)に直交している。第2の方向は、基板10の第1面11に平行であり、かつ、第1の方向に交差していればよく、必ずしも第1の方向に直交している必要はない。
【0022】
図示されている例において、LC装置100は、光源ユニット30から出射されたレーザビーム3を受ける終端装置(ビームダンパ)70を備える。終端装置70は、レーザビーム3を吸収し、迷光の発生を防止する。終端装置70に入射したレーザビーム3は、終端装置70の内部において例えばディフューザなどによって吸収される。終端装置70は、ビームアブソーバまたはビームトラップとも称され得る。
【0023】
本実施形態において、光源ユニット30および終端装置70は、ステージ20の両側に位置している。位置決め装置40は、レーザビーム3の並進(Y軸方向への平行移動)に応じて終端装置70の位置および向きの少なくとも一方を変化させることができる。より具体的には、制御装置50が、位置決め装置40により、光源ユニット30および終端装置70を、基板10の第1面11に平行な方向(Y軸方向)に移動させることができる。
【0024】
次に、
図2から
図10を参照して、レーザビーム3と基板10との配置関係を詳細に説明する。
【0025】
図2に示される例において、レーザビーム3は、半導体レーザ素子などの光源32と、レンズ34、36、38とを有する光源ユニット30から出射される。レンズ34、36、38は、コリメート光学系を形成している。コリメートされたレーザビーム3は、近似的には平行な光線の束であるが、発散度を零にすることはできない。このため、ビーム径が最も細い部分(ビームウエスト)から光軸に沿って離れるほど、ビーム径は増大する。
【0026】
光源ユニット30の構成は、図示されている例に限定されない。光源32は、出射すべきレーザビーム3の波長に応じて切換えられてもよい。レーザビーム3の波長は、照射対象60の分光吸収率に応じて適切に選択され得る。例えば、照射対象60が石英ガラスを主成分とする場合、波長10.6μmで発振する炭酸ガスレーザ装置、または他のガスダイナミックレーザ装置から出射されたレーザ光を用いることができる。このようなレーザ装置から出射されたレーザ光は、例えば光ファイバを通って光源ユニット30に導かれ得る。照射対象60が有機物を主成分とする場合は、波長が400nm以下のレーザ光が好適に使用され得る。レーザビーム3は、パルス状であってもよいし、連続波(CW)であってもよい。
【0027】
図2の例において、レーザビーム3は、基板10の第1面11から離間している。第1面11からレーザビーム3までの距離は、照射対象60の高さよりも小さく設定される。このため、照射対象60の少なくとも上部はレーザビーム3で照射される。照射対象60であるパーティクルの高さが例えば1μmを超えるとき、レーザビーム3の照射により、このパーティクルの高さが例えば0.5μm以下になれば、パーティクルの無害化(クリーニング)を達成したとしてもよい。照射対象60の全体が完全に除去される必要はない。基板10の第1面11に残存してもよい照射対象60の高さ(上限高さ)は、基板10上に形成される薄膜の種類またはデバイスの構造に応じて異なる。基板10の第1面11からレーザビーム3までの距離は、この上限高さよりも小さいことが好ましく、例えば1μm以下に設定され得る。この距離は、レーザビーム3の照射中に一定値に保たれている必要はない。例えば超音波振動を基板10に与えることにより、この距離を変動させてもよい。また、この距離は、基板10の第1面11における位置によって変化していてもよい。
【0028】
図3に示されるように、レーザビーム3と基板10の第1面11との距離が短くなっていくと、レーザビーム3の一部が基板10の第1面11に入射し得る。この場合、第1面11はレーザビーム3を反射する。以下、この点を説明する。
【0029】
図4は、屈折率N=1.5の基板10の第1面11に空気(屈折率は1.0)中から光線が入射する場合における、入射角と反射率との関係を示すグラフである。実線は光線がS波偏光(偏光軸が入射面に垂直)、破線は光線がP波偏光(偏光軸が入射面に平行)である場合を示す。
図4のグラフは、フレネルの式から算出される。ここで「入射角」は、基板10の第1面11の法線と入射光線との間の角度である。
【0030】
本開示の実施形態では、レーザビーム3が基板10の第1面11に平行に出射されるため、レーザビーム3の一部が基板10の第1面11に入射したとしても、入射角は約85〜90°の範囲にある。このため、レーザビーム3の一部が基板10の第1面11に入射したとしても、入射光のほとんどは基板10に吸収されずに反射される。反射率を100%に近づけるという観点からは、S波偏光のレーザビームを利用することが好ましい。
【0031】
基板10は、1枚のガラス基板のように単一の材料から形成されている必要はなく、積層構造を有していてもよい。積層構造を有する基板10の一例は、表面に樹脂(プラスチック)層またはシリコン層などの半導体層を有するガラス基板である。
図5は、基板10の断面構成例を示す図である。図示されている基板10は、第1の材料から形成されたベース10Aと、ベース10Aに支持され、第2の材料から形成されたフレキシブルフィルム10Bとを有している。ベース10Aは例えばガラス基板であり得る。フレキシブルフィルム10Bは、例えば厚さが5〜20μmのポリイミド樹脂層であり得る。基板10の断面構成は、このような例に限定されない。この例の基板10によれば、フレキシブルフィルム10Bの屈折率をベース10Aの屈折率よりも高くしたり、低くしたりすることができる。なお、基板10の表面における屈折率が高いほど、S波偏光の反射率を高くすることができる。フレキシブルフィルム10Bそのものが多層構造を有していてもよい。
【0032】
フレキシブルフィルム10Bの上に各種の膜またはデバイスが形成された後、ベース10Aからフレキシブルフィルム10Bを剥がすことにより、フレキシブルデバイスを製造することが可能になる。ベース10Aから分離された後、フレキシブルフィルム10Bは、フレキシブルデバイスの「フレキシブル基板」として機能する。本願では、デバイスを支持した状態にある基板を「素子基板」と称する。素子基板に支持されているデバイスの典型例は、有機EL素子、薄膜トランジスタ素子、または、これらの素子のアレイである。
【0033】
図6は、レーザビーム3の断面(YZ面に平行な平面)を模式的に示す図であり、
図7は、強度Iの半径位置依存性(光強度分布)を示すグラフである。レーザビーム3の強度Iは、ビーム中心(光軸)からの距離(半径位置)に応じて変化する。
図7に示されるように、強度Iの分布は、例えばガウス分布で近似され得る。中心軸上の強度を1.0とするとき、レーザビーム3の断面は、強度が例えばe
-2以上の領域によって構成される。ここで、eは自然対数の底である。レーザビーム3の断面は、他の基準によって定義されてもよい。レーザビーム3がX軸方向に伝搬するとき、レーザビーム3のビーム半径はx座標の関数であるR(x)で表され得る。
【0034】
図8は、レーザビーム3の伝搬方向(X軸)におけるビーム半径R(x)を模式的に示す図である。2本の破線はビーム輪郭を示し、R0はビーム半径R(x)の最小値である。ビーム半径R(x)はビームウエストで最小になる。
図8において、2本の点線(直線)に挟まれた角度は、ビームの発散角θを規定している。レーザビーム3の平行度を高めるためには、発散角θを小さくすることが好ましい。
【0035】
レーザビーム3の品質は、M
2ファクタによって評価され得る。レーザビーム3の波長をλとするとき、M
2ファクタは、(λ/π)・R0・θで表される。ビーム半径の最小値R0と発散角θとは反比例の関係にある。このため、ビーム半径の最小値R0を小さくするほど、発散角θが増加する。
【0036】
レーザビーム3のM
2ファクタは、例えば1.0から約3.0、典型的には1.1〜1.7程度の範囲内の値に設定され得る。発散角θが0.1ミリラジアンの場合、R0は3λ程度であり、ビームウエストからの距離が1mの位置でビーム半径R(x)は0.1mm(100μm)程度になる。
【0037】
このようなレーザビーム3を光源ユニット30から基板10の第1面11に対して平行に出射しながら、レーザビーム3を並進または回転させると、基板10の第1面11に位置する照射対象60をレーザビーム3で照射することが可能である。レーザビーム3の照射を受けた照射対象60は、レーザビーム3のエネルギを吸収して急激に昇温し、蒸発、気化、または分解する。前述したように、レーザビーム3の一部が基板10の第1面11に入射しても、入射角がほぼ90°であるため、大部分が反射されて基板10にはほとんど吸収されない。しかし、レーザビーム3の光路上に位置する照射対象物60、すなわち凸部61またはコンタミネーション(典型的にはパーティクル)62の表面では、入射角が小さく、透過率は高い。照射対象60の材料がレーザビーム3にとって透明ではなく、光吸収が生じれば、基板10に損傷を与えることなく、照射対象60を選択的に除去(クリーニング)できる。
【0038】
図9は、レーザビーム3の光軸と基板10の第1面11の法線Nとの間の角度(入射角)が85〜90°でレーザビーム3が第1面11に入射し、反射される状態を模式的に示している。この例では、照射対象60が入射点の近傍に存在するとき、レーザビーム3のエネルギを照射対象60に与えることができる。入射点にフォーカスさせれば、照射対象60には高い密度でエネルギを与えられる。
図9の矢印で示すように光源ユニット30の向きを調整することにより、基板10の第1面11に沿って入射点を移動(走査)させることもできる。また、照射対象60の位置が特定されている場合は、その位置にレーザビーム3をフォーカスさせてもよい。
【0039】
図10に示される例では、レーザビーム3の一部が基板10の第1面11と第2面12との間を伝搬している。照射対象60の少なくとも下部がレーザビーム3で照射される。基板10の材料がレーザビーム3にとって透明であれば、基板10はレーザビーム3を吸収せず、昇温も生じない。この例では、レーザビーム3の一部が基板10の端面に入射する。この端面には反射防止膜が形成されていても良い。また、基板10がレーザビーム3を吸収する材料から形成されている場合は、この端面に反射膜が形成されていても良い。反射膜によって反射されたレーザビーム3は、基板10には吸収されない。反射光が迷光として光源32に帰還しないように光学系を設計し、光源ユニット30の内部また周辺に終端装置70と同様の構成を設けることが好ましい。
【0040】
このように本開示の実施形態においては、レーザビーム3の出射方向と基板10の第1面11とが「平行」であることは、広義に解釈される。具体的には、基板10の第1面11の法線とレーザビーム3の中心軸(光軸)との間に形成される角度が90°±5°の範囲内にあれば、レーザビーム3は基板10の第1面11に平行な方向に出射されているとする。
【0041】
図11は、パーティクル形状の照射対象60がレーザビーム3で照射されている状態を模式的に示す斜視図である。レーザビーム3の一部は照射対象60によって反射または散乱され得る。
【0042】
照射対象60を検出することにレーザビーム3の照射を利用してもよい。相対的に強度の弱いレーザビーム3を出射しながら、光源ユニット30および終端装置70を、例えば
図11のX軸方向に移動させる。移動の速度は例えば1〜100mm/秒である。光源ユニット30および終端装置70の移動距離は、移動方向における基板10のサイズに依存する。このサイズが例えば1メール以上である場合、処理時間(タクト)を短縮するという観点から、移動の速度を例えば5mm/秒以上にすることが望ましい。終端装置70がフォトダイオードなどの光検知器(強度センサ)を有していれば、この強度センサの出力変化に基づいて、レーザビーム3の光路上に照射対象60が位置していることを検知できる。このような検知が行われたとき、レーザビーム3の位置を変えずに強度を高めると、照射対象60を昇温して除去することができる。
【0043】
図12は、基板10の第1面11に対向する位置に設けられた撮像装置80が、レーザビーム3の照射によって輝く照射対象60の像を取得する例を示す斜視図である。撮像装置80は、典型的には、イメージセンサおよび結像レンズを有している。イメージセンサの撮像面にはレーザビーム3が照射されて輝く照射対象60の像が形成される。撮像装置80から出力される画像データを制御装置50が処理することにより、照射対象60の位置座標を検出することができる。
図11の例では、照射対象60のX座標を知ることができないが、
図12の例によれば、照射対象60のX座標およびY座標の両方を知ることができる。光源ユニット30が焦点距離を変化させることのできる光学系を備えている場合、照射対象60の位置にレーザビーム3の収束点(ビームウエスト)を一致させ、照射対象60に対するエネルギ照射密度を高めることが可能になる(
図9参照)。また、LC装置100が複数の光源ユニット30を備える場合、異なる位置にある複数の光源ユニット30から同時または逐次的に複数のレーザビーム3を出射し、同一の照射対象60を複数のレーザビーム3で照射してもよい。
【0044】
図13は、光源ユニット30が、照射対象60を除去するためのレーザビーム3を出射する第1光源部32Aと、照射対象60を検知するためのレーザビーム(以下、「検出用レーザ光」と称する)33を出射する第2光源部32Bとを備える例を示す斜視図である。相対的に強度の弱い検出用レーザ光33を出射しながら、光源ユニット30および終端装置70を、
図13のX軸方向に移動させる。終端装置70は、検出用レーザ光33が入射する位置に設けられたフォトダイオードなどの光検出器(強度センサ)を有している。光検知器の出力変化に基づいて、検出用レーザ光33の光路上に照射対象60が存在していることを検知したとき、第1光源部32Aからレーザビーム3を出射する。この状態のまま、光源ユニット30および終端装置70を、
図13のX軸方向に移動させることにより、照射対象60をレーザビーム3で照射し、照射対象60の少なくとも一部を昇温して除去することができる。検出用レーザ光33によって照射対象60を検知したとき、検出位置に誤差範囲が想定される場合は、第1光源部32Aからレーザビーム3を出射しながら、光源ユニット30および終端装置70をX軸方向に沿って往復運動させてもよい。往復運動の振幅は、上記の誤差範囲に応じて決定される。
【0045】
図14は、レーザビーム3の照射によって照射対象60から気化または分解した成分を気流によって基板10の第1面11から遠ざける気流装置90を備えている。気流は、大気ガスまたは不活性ガスの吹き出しおよび吸引の少なくとも一方を行う機構によって引き起すことができる。このような気流により、レーザビーム3の照射に起因して基板10の第1面11に異物が付着することを防止または抑制できる。ガスの吹き出しおよび吸引の両方を行う機構の例は、吹き出しノズルで基板10に吹き付けられたガスを吸引口から吸引する装置である。このような装置によれば、レーザビーム3の照射によって生じた物質を効果的に集めることができる。
【0046】
図15は、レーザビーム3を並進させる代わりに、回転させる構成例を示している。光源ユニット30は、基板10の第1面11に垂直な方向の軸周りに回動する。
図16は、レーザビーム3を並進させる代わりに、回転させる他の構成例を示している。光源32は固定されており、ミラー35の向きおよび位置の少なくとも一方が変化することにより、レーザビーム3を回転させることができる。このような構成を採用する場合、終端装置70の位置は、レーザビーム3の回転に応じて移動させられる。
【0047】
このように、本開示のレーザクリーニング装置によれば、基板10を用意する工程Aを行った後、基板10の第1面11に平行な第1の方向にレーザビーム3を出射する工程Bと、基板10の第1面11に平行な第2の方向であって第1の方向に交差する第2の方向に、レーザビーム3を並進または回転させることにより、基板10の第1面11上の凸部またはコンタミネーションの少なくとも一部を除去する工程Cとを実行することができる。このため、微小突起物による性能の劣化または不良化が生じにくい各種の素子基板を製造することができる。
【0048】
また、工程Bにおけるレーザビームの強度よりも低い強度を持つ検出用レーザ光で、工程Bの前に、基板10の第1面11に平行な面を走査して、基板10の第1面11上における凸部またはコンタミネーションの各位置を検出する工程Dを含む形態では、工程Bにおいて、凸部またはコンタミネーションの各位置に向けてレーザビームを順次出射する。