【実施例1】
【0020】
図1は、本発明の装飾装置兼用包装容器1を開放した状態の斜視図を示している。該装飾装置兼用包装容器1は、第1収納部材2と第2収納部材3とが蝶番4により開閉自在に軸着され、該第1収納部材2の内側となる表面側には第1支持片5を着脱自在に設け、該第1支持片5には透明又は半透明の第1可撓性フィルム6を張設し、他方、該第2収納部材3の内側となる表面側にも第2支持片7を着脱自在に設け、第2支持片7にも透明又は半透明の第2可撓性フィルム8を張設している。上記装飾装置兼用包装容器1における第1、第2収納部材2、3及び第1、第2支持片5、7等の部材は、合成樹脂等の強度の有る部材で形成することになる。
【0021】
該第1可撓性フィルム6と第2可撓性フィルム8との間には適宜物品を配置させ、該第1、第2収納部材2、3を蝶番4を軸として回動して閉鎖固定することにより該物品は弾力性のある該第1、第2可撓性フィルム6、8間に挟持されて保持されることになる。
【0022】
該第1、第2収納部材2、3には両者を固定する係止手段が設けられ、本実施例では一方側の第2収納部材3の立設壁部となる外側縁にL字型の係止突起9を設け、他方側の第1収納部材2の立設壁部の外側縁に該L字型係止突起9が嵌合係止される溝を形成した係止部10が設けられている。該L字型係止突起9の先端に設けた係止片11を該係止部10の溝先端部に回し込み、該係止突起9の係止片11の内側基部の凹部12を該係止部10の溝先端部に係止することにより該係止突起9を固定することができる。
【0023】
図2は、第1収納部材2に第1支持片5を嵌合固定する状態を示すもので、該第1収納部材2に二重の周側壁となる立設壁部を形成し、該立設壁部は内側側壁を形成する傾斜壁部13、外側側壁を形成する垂直壁部14及びその間の空隙部15とよりなり、上面側を嵌合部としている。
図3、
図4に示すように、第1支持片5の外周部を形成する第1枠材16の裏面側に内側突起17、外側突起18及び内外側突起17、18間の嵌合凹部19を設け、該内側突起17を該傾斜壁部13の内側に位置させ、該外側突起18を該垂直壁部14の内側に位置させ、該嵌合凹部19を傾斜壁部13の頂部20に嵌合させ、必要に応じて該空隙部15の四隅等の適宜箇所に立設した立ち上げ筒状凹部21に、該第1支持片5の第1枠材16裏面側の該筒状凹部21に対応する箇所に設けた突起22を挿入係止させることにより、該第1支持片5を第1収納部材2に着脱自在に嵌合固定することができる。
【0024】
該第1収納部材2の立設壁部は、
図4で示すように、該傾斜壁部13と垂直壁部14との両先端の交差部側を略V字形の底となるように形成し、外側の立設壁部を垂直とした断面略直角三角形状とし、それにより底側の開口部S1を第1可撓性フィルム6を張設した側の開口部S2より広い開口部が生じるように形成している。
【0025】
該傾斜壁部13の頂部20は、該垂直壁部14の頂部23より立ち上がり高を嵌合凹部19位置の部材厚分だけ低く形成することにより第1支持片5が第1収納部材2に嵌合固定されたとき、該頂部23上面と該第1支持片5の上面とを面一にすることができる。
【0026】
該第1支持片5の第1枠材16で囲まれた空間には、第1可撓性フィルム6が張設されるが、その周縁端部は内側突起17の表面側に形成した係止溝部24に嵌め込んで接着、融着等の手段により固定される。該第1可撓性フィルム6の隅部は、湾曲状とすることにより該第1可撓性フィルム6に皺を生じさせることなく該第1枠材16に綺麗に張設させることができる。
【0027】
第2収納部材3側の第2支持片7における第2可撓性フィルム8、傾斜壁部13´、垂直壁部14´、空隙部15´、第2枠材16´、内側突起17´、外側突起18´、嵌合凹部19´、頂部20´、筒状凹部21´、突起22´、頂部23´、係止溝部24´等の構成を、上記した第1収納部材2側と同様に形成することにより、第2収納部材3に該第2支持片7を着脱自在に嵌合固定することができる。
【0028】
上記構成よりなる第1収納部材2と第2収納部材3の各々の第1可撓性フィルム6及び第2可撓性フィルム8との間に、
図5(a)に示すように、物品Wを当該図にあっては第1可撓性フィルム6の面上に配置し、蝶番4を軸として第2収納部材3を回動させることにより、
図5(b)に示すように、物品Wを挟持することができる。物品Wは第2可撓性フィルム8の面上に配置してもよい。
【0029】
第1可撓性フィルム6上に配置された物品Wは、該第2可撓性フィルム8に押圧され、
図5(a)の状態の該第1可撓性フィルム6を下方へ押圧し、同時に、物品Wの上面側は該第2可撓性フィルム8により被覆されることになる。
【0030】
この状態で第2収納部材3の立設壁部の外側縁より突出した係止突起9の先端に設けた係止片11を第1収納部材2の立設壁部の垂直壁部14の外側縁に形成した係止部10の溝先端部に回し込み、該係止突起9の係止片11の基部に設けた凹部12を該係止部10の溝先端部に係止することで、
図5(b)のように物品Wを強固に挟持固定することができる。
【0031】
該第1収納部材2及び第2収納部材3の立設壁部を構成する各々の垂直壁部14、14´の高さ寸法を加えた高さを超えた高さ寸法の物品Wであっても第1、第2可撓性フィルム6、8の弾力性により、包装容器1の拡開側開口部S1、S1´の位置を越えた立設壁部より外方へ突出した状態で物品Wを挟持することができる。
【0032】
上記のようにして物品を挟持固定した包装容器1は、物品Wに損傷を与えることなく安全に運搬する手段として使用することができ、且つ、物品Wを第1、第2可撓性フィルム6、8で挟持した状態で展示や飾り付け等の物品Wの展示や装飾手段として使用することができる。
【0033】
該第1収納部材2及び第2収納部材3を物品Wを挟持して両者の第1可撓性フィルム6及び第2可撓性フィルム8が対面するように閉鎖した状態では、各々の立設壁部の断面三角形状を構成する傾斜壁部13、13´の形成により外側の開口部S1、S1´が広く形成され、且つ、奥行が狭まるようにテーパ面が形成された傾斜壁部13、13´により、内側の開口部S2、S2´が狭くされ、その狭い開口部S2、S2´側で物品が挟持されることになるので透視図法と同様、物品Wに立体感を一層強く与えることができる。
【0034】
また、該第1可撓性フィルム6と第2可撓性フィルム8のいずれの前面にも閉鎖手段等の障害物がないので、利用者は両者間に挟持された物品Wを薄いフィルムを介して直接接触することができ、物品Wに損傷や汚れを付着させることなく表裏の区別なく全ての方向から物品Wの全体を可視することができ、また、本発明の装飾装置兼用包装容器1の大きさや物品Wの重さ等によっては、看者がそれらを持ち上げることができ、物品Wを中心としてその周囲を看者が回るのではなく、該装飾装置兼用包装容器1を回動させることで、浮かせた状態で全体を可視することが可能となるものである。
【0035】
また、装飾装置兼用包装容器1の大きさに限定されることなく、ボリュームのある物品Wをそのまま挟持することができ、且つ、物品Wの種類、形状、色彩等に合わせた各種形状や色彩等を有した枠材を持つ第1支持片5及び/又は第2支持片7へと替えることにより物品Wと枠材とのバランスを適宜選択できることが可能となった。