(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6608180
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】電源装置
(51)【国際特許分類】
F21S 9/03 20060101AFI20191111BHJP
H05B 37/02 20060101ALI20191111BHJP
F21S 9/02 20060101ALI20191111BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20191111BHJP
F21V 23/04 20060101ALI20191111BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20191111BHJP
【FI】
F21S9/03
H05B37/02 Z
F21S9/02 200
F21V23/00 120
F21V23/04
F21Y115:10
【請求項の数】3
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-116258(P2015-116258)
(22)【出願日】2015年6月9日
(65)【公開番号】特開2016-164863(P2016-164863A)
(43)【公開日】2016年9月8日
【審査請求日】2018年6月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-38708(P2015-38708)
(32)【優先日】2015年2月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】509185099
【氏名又は名称】株式会社日本エナジー研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100091465
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 久夫
(72)【発明者】
【氏名】堀田 繁美
(72)【発明者】
【氏名】広沢 勝
【審査官】
山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−076616(JP,A)
【文献】
特開2014−078440(JP,A)
【文献】
特開2013−048222(JP,A)
【文献】
特開2003−303501(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 9/02 − 19/00
H05B 37/02 − 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明器具のランプ管(12)の光をソーラパネル(11)で受けて発電する発電ランプ装置と、
該発電ランプ装置の出力を電源として充電される第1の充電池類(18)と、
太陽光をソーラパネル(10)で受けて発電する太陽光発電装置と、
該太陽光発電装置の出力を電源として充電される第2の充電池類(17)と、
商用電源(13)を電源として充電される第3の充電池類(19)と、
上記第1、第2、第3の充電池類(18、17、19)の出力に第1、第2、第3の開閉スイッチ(25、24、26)を介して接続された出力回路(27)と、
上記第1、第2、第3の充電池類(18、17、19)の充電電圧を各々の基準電圧と比較する第1、第2、第3の比較回路(21、20、22)と、
マニュアル運転と自動運転とを切り換える盤面を備え、マニュアル運転時には上記第1、第2、第3の開閉スイッチ(25、24、26)の1つを選択的に閉成させ他を開成させる一方、自動運転時には上記第1、第2、第3の比較回路(21、20、22)の出力を受け、第1、第2、第3の充電池類(18、17、19)の充電電圧のうち、充電電圧の高い充電池類の開閉スイッチ(25、24、26)を閉成して他の開閉スイッチを開成させる制御装置(23)と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
上記太陽光発電装置のソーラパネル(10)が窓ガラスに貼り付けられている請求項1記載の電源装置。
【請求項3】
上記出力回路(27)の出力電圧が非常灯(31)に供給されている請求項1記載の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電源装置に関し、特に照明器具を利用して発電するようにした電源の電力不足を補うことができるようにした装置に関する。
【背景技術】
【0002】
蛍光灯のランプ管背後のリフレクタにソーラパネルを取付け、蛍光灯からの光をソーラパネルで受け、ソーラパネルの起電力でコンデンサや充電池を充電し、蛍光灯器具のスイッチがOFFされたとき、あるいは蛍光灯器具が消灯したときにコンデンサや充電池から非常灯や誘導灯に通電して点灯させ、電気エネルギーの有効利用を図ることが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
また、最近の電子技術の飛躍的な発展に伴い、省電力・高輝度のLEDが実用化され、蛍光灯に置き換えてLED灯ランプを採用することが行われている(特許文献3、特許文献4)。
【0004】
他方、通電によって光を発するランプ管に、帯状のソーラパネルを貼り付け又は10mm以下の間隔になるように配置し、照明の電気エネルギーを有効利用して十分な起電力を発生させ、蓄電池やコンデンサに充電して利用することができるようにした電源装置が提案されている(特許文献5、特許文献6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−135206号公報
【特許文献2】実用新案登録第3146894号公報
【特許文献3】特開2007−257928号公報
【特許文献4】特開2010−27212号公報
【特許文献5】特開2013−164908号公報
【特許文献6】WO2012/153550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献5、6記載の電源装置ではランプ管のエネルギーを有効利用できるものの、例えば蓄電池やコンデンサを満充電するのに時間がかかり、満充電に達する前に使用を開始する必要がある場合があって、十分な使用時間を確保できないことがあった。
【0007】
本発明はかかる点に鑑み、照明器具を利用して発電するようにした電源の電力不足を補うことができるようにした電源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、本発明に係る電源装置は、照明器具(蛍光灯やLED灯)のランプ管の光をソーラパネルで受けて発電する発電ランプ装置と、該発電ランプ装置の出力を電源として充電する第1の充電池類と、太陽光をソーラパネルで受けて発電する太陽光発電装置と、該太陽光発電装置の出力を電源として充電する第2の充電池類と、商用電源を電源として充電する第3の充電池類と、上記第1、第2、第3の充電池類の出力に第1、第2、第3の開閉スイッチを介して接続された出力回路と、上記第1、第2、第3の開閉スイッチの1つを選択的に閉成させ他を開成させる制御装置と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
本発明の特徴は発電ランプ装置の他に、太陽光発電装置及び商用電源を設け、各々によって蓄電池類を充電し、3つのうちから出力を選択できるようにした点にある。これにより、発電ランプ装置の蓄電池類が満充電に達する前に使用を開始する必要がある場合があっても、太陽光発電装置又は商用電源を電源として選択して使用することができ、十分な使用時間を確保できることとなる。
【0010】
上記では外部指令によって発電ランプ装置、太陽光発電装置及び商用電源の1つを選択できるようにしたが、非常灯装置などの電源として使用する場合など、夜間における切り換え操作を考慮すると、自動的に選択できるのがよい。
【0011】
そこで、第1、第2、第3の充電池類の充電電圧を各々の基準電圧と比較する第1、第2、第3の比較回路をさらに備え、制御装置に、第1、第2、第3の比較回路の出力を受け、第1、第2、第3の充電池類の充電電圧のうち、充電電圧の高い充電池類の開閉スイッチを閉成して他の開閉スイッチを開成させる機能を設けるのが好ましい。
【0012】
商用電源を使用する場合、交流を直流に変換する変換回路を設ける必要がある。また、第1、第2、第3の充電池類の過充電を防止する機能を設けるのが望ましい。例えば、上述の変換回路には過充電防止用の開閉回路を設けるのがよい。
【0013】
太陽光発電装置は架台にソーラパネルを搭載して構成するようにしてもよいが、最近、透明基板に透明発電モジュールを設けて構成したソーラーパネルで実用化されている。そこで、このように全体が透明なソーラパネルの場合には住宅などの窓ガラスに貼り付けて発電を行うようにすることもできる。なお、窓ガラスに貼り付ける場合には不透明なソーラパネルを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る電源装置の好ましい実施形態を示す機能ブロック図である。
【
図2】第2の実施形態を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る電源装置の好ましい実施形態を示す。図において、発電ランプ装置、太陽光発電装置及び商用電源の3電源から構成されている。発電ランプ装置は蛍光灯(又はLED灯)12の光をソーラパネル11で受けて発電して第1の充電池18を充電する発電ランプと、第1の充電池18の充電電圧が満充電に達したときに発電ランプの出力を停止する保護回路15とから構成されている。
【0016】
太陽光発電装置は太陽光をソーラパネル10で受けて発電して第2の充電池17を充電する一方、第2の充電池17の充電電圧が満充電に達したときにソーラパネル10の出力を停止する保護回路14とから構成されている。
【0017】
商用電源13の出力は変換回路16で直流に変換されて第3の充電池19に充電される一方、変換回路16には第3の充電池19の充電電圧が満充電に達したときに第3の充電池19への充電を停止する保護回路14が内蔵されている。
【0018】
第1、第2、第3の充電池18、17、19の出力は第1、第2、第3の開閉スイッチ、例えばリレー接点25、24、26を介して出力回路27に与えられ、所定の電圧に調整されて出力端子28から出力されるようになっている。
【0019】
また、第1、第2、第3の充電池18、17、19の出力は第1、第2、第3の比較回路21、20、22で基準電圧と比較され、比較回路21、20、22の出力は制御装置23に入力されている。
【0020】
制御装置23は盤面のスイッチ操作によってマニュアル運転に設定されたときには外部の指令、例えば盤面の切換スイッチの信号Sに応じて第1〜第3の開閉スイッチ25、24、26のうちの1つを閉成し、他の2つを開成するようになっている。また、制御装置23は自動運転に設定されたときには第1〜第3の比較回路21、20、22の信号を受け、第1、第2、第3の充電池18、17、19の充電電圧のうち、充電電圧の高い充電池の開閉スイッチ25、24、26を閉成して他の開閉スイッチを開成させるようになっている。
【0021】
例えば、制御装置23をマニュアル操作に設定した場合、作業者が所望の電源、例えば発電ランプ装置を選択すると、制御装置23が第1の開閉スイッチ25を閉成し、他の開閉スイッチ24、26を開成し、これによって発電ランプ装置の出力電圧を出力端子28に出力することができる。
【0022】
このとき、ソーラパネル10が太陽光を受けて発電し、第2の充電池17を充電し、又商用電源13の電圧が変換回路16で直流に変換されて第3の充電池19を充電する。
【0023】
また、発電ランプ装置を電源とする出力電圧が低下してくると、作業者は制御装置23の盤面の切換スイッチを操作して例えば太陽光発電装置の第2の開閉スイッチ24を閉成し、他の開閉スイッチ24、26を開成し、これによって太陽光発電装置の出力電圧を出力端子28に出力することができる。このとき、第1、第3の充電池18、19が充電される。
【0024】
また、第1の充電池18の充電中に、第2の充電池17の出力電圧が低下してくると、作業者は制御装置23の盤面の切換スイッチを操作して第3の開閉スイッチ26を閉成し、他の開閉スイッチ24、25を開成し、これによって商用電源の電圧を出力端子28に出力することができる。このとき、第1、第2の充電池17、18が充電される。
【0025】
他方、制御装置23のスイッチ操作によって自動運転に設定すると、第1、第2、第3の充電池18、17、19の充電電圧が第1、第2、第3の比較回路21、20、22で基準電圧と比較され、第1、第2、第3の比較回路21、20、22の信号が制御装置23に与えられており、制御装置23では第1、第2、第3の充電池18、17、19の充電電圧のうち、充電電圧の高い充電池の開閉スイッチ25、24、26を閉成して他の開閉スイッチを開成させ、これによって充電電圧の高い充電池17、18、19の電圧が自動的に選択されて出力端子28に出力される。
【0026】
図2は第2の実施形態を示し、
図1と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では太陽光を受けて発電するソーラパネル10には透明基板に透明な発電モジュールを積載して製作されたソーラパネルが用いられ、ソーラパネル10は窓ガラス30に貼り付けられている。
【0027】
また、出力端子28には非常灯装置が接続され、非常灯装置は非常灯31と非常灯31が着脱可能にセットされるベース32とから構成され、ベース32は例えば室内の壁面に取付けられている。
【0028】
さらに、非常灯31は持ち運び可能な形状に製作され、非常灯31内には非常灯31をベース32から取り外したときに閉成されて非常灯31内のLEDなどを点灯又は点滅させる一方、ベース32にセットされたときに開成されてLEDへの通電をOFFとするスイッチ31Aと、出力端子28からの電圧によって充電されるバッテリー31Bが内蔵されている。
【0029】
なお、上記の例ではソーラパネル10に透明なソーラパネルを用いたが、不透明なソーラパネルを用いることもできる。また、非常灯31をベース32から外したときにスィッチ31Aaが閉成して非常灯31が点灯するようにしたが、夜間には非常灯をほの暗く点灯させておき、非常灯31をベース32から外したときに明るく点灯又は点滅させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
10、11 ソーラパネル
12 ランプ管
13 商用電源
18、17、19 第1、第2、第3の充電池
21、20、22 第1、第2、第3の比較回路
25、24、26 第1、第2、第3の開閉スイッチ
30 窓ガラス 31 非常灯