特許第6608521号(P6608521)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジーの特許一覧

特許6608521結合装置を備えた無人船及びその回収方法
<>
  • 特許6608521-結合装置を備えた無人船及びその回収方法 図000002
  • 特許6608521-結合装置を備えた無人船及びその回収方法 図000003
  • 特許6608521-結合装置を備えた無人船及びその回収方法 図000004
  • 特許6608521-結合装置を備えた無人船及びその回収方法 図000005
  • 特許6608521-結合装置を備えた無人船及びその回収方法 図000006
  • 特許6608521-結合装置を備えた無人船及びその回収方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6608521
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】結合装置を備えた無人船及びその回収方法
(51)【国際特許分類】
   B63G 8/00 20060101AFI20191111BHJP
   B63C 11/00 20060101ALI20191111BHJP
   B63B 27/10 20060101ALI20191111BHJP
   B63B 21/66 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   B63G8/00 L
   B63C11/00 C
   B63B27/10 A
   B63B21/66
【請求項の数】13
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-500680(P2018-500680)
(86)(22)【出願日】2016年6月27日
(65)【公表番号】特表2019-511973(P2019-511973A)
(43)【公表日】2019年5月9日
(86)【国際出願番号】KR2016006830
(87)【国際公開番号】WO2017007158
(87)【国際公開日】20170112
【審査請求日】2018年1月5日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0096076
(32)【優先日】2015年7月6日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513107735
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ オーシャン サイエンス アンド テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ナム ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ソン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨン ギュ
【審査官】 畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0047186(KR,A)
【文献】 特開2005−069660(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2013−0088404(KR,A)
【文献】 特開平08−282578(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63G 8/00
B63B 21/66
B63B 27/10
B63C 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人船の船首の一側に備えられるヒービングライン発射装置;
上記無人船の重心に備えられて母船に備えられたクレーンの結合部材と結合される結合装置;
上記無人船の船首又は船尾のうち少なくともいずれか一側に備えられて第1牽引縄が巻き取られる第1ウインチ;及び
上記結合装置の一側を通過する第2牽引縄が巻き取られる第2ウインチ;
を含む無人船。
【請求項2】
上記ヒービングライン発射装置は、上記第1牽引縄及び第2牽引縄の一側が同時に連結されたヒービングラインを発射する、請求項1に記載の無人船。
【請求項3】
上記結合装置は、
上記無人船の甲板の一側に上部に突出する支持部;
上記支持部の上面に備えられ、第2牽引縄が貫通される貫通孔が形成される支持板;及び
上記支持部又は上記支持板の一側に備えられるドッキング装置;
を含む、請求項1に記載の無人船。
【請求項4】
上記ドッキング装置は、上記支持部又は上記支持板の一側に回転可能に備えられるドッキングリングである、請求項3に記載の無人船。
【請求項5】
上記ドッキングリングの回転中心には、上記ドッキングリングを回転させるアクチュエータが備えられる、請求項4に記載の無人船。
【請求項6】
上記支持板及び上記結合部材のうち少なくともいずれか一つには、相互接触する接触部の一側に上記支持板及び上記結合部材の結合をセンシングするセンサが更に備えられ、
上記アクチュエータは、上記センサの信号により上記ドッキングリングを駆動させる、請求項に記載の無人船。
【請求項7】
上記結合部材は、
上記支持板と対応する結合板;及び
上記結合板の上面の一側に備えられて上記ドッキング装置が締結されることができるように上記ドッキング装置と対応する形状からなり、上部の一側がクレーンと連結される締結部;
を含む、請求項3に記載の無人船。
【請求項8】
上記第1ウインチ及び第2ウインチのうちいずれか一つはモータにより直接駆動され、他の一つは間接的に上記モータの回転力が伝達されて回転可能される、請求項1に記載の無人船。
【請求項9】
無人船に備えられた発射装置を通じて第1牽引縄及び第2牽引縄を発射する牽引縄の発射段階;
上記第1牽引縄を母船の一側に連結し、上記第2牽引縄を上記母船に備えられたクレーンの結合部材に連結する牽引縄の連結段階;
上記第1牽引縄及び第2牽引縄を利用して上記無人船の結合装置と上記クレーンの上記結合部材が対応する位置に上記無人船を牽引する無人船の牽引段階;
上記無人船の上記結合装置と上記クレーンの上記結合部材を結合する結合部の結合段階;及び
上記クレーンを利用して上記無人船を浮揚して上記母船に回収する無人船の回収段階;
を含む、無人船の回収方法。
【請求項10】
上記牽引縄の発射段階は、上記第1牽引縄及び第2牽引縄の一側が同時に連結されたヒービングラインを発射する、請求項9に記載の無人船の回収方法。
【請求項11】
上記無人船の牽引段階は、
上記第1牽引縄を巻き取る第1ウインチ及び上記第2牽引縄を巻き取る第2ウインチを駆動して上記第1牽引縄及び第2牽引縄を巻き取らせ、上記クレーンを下降させて上記結合装置及び上記結合部材を結合させる、請求項9に記載の無人船の回収方法。
【請求項12】
上記無人船の牽引段階において、上記第2牽引縄は上記結合装置の一側を貫通して上記クレーンの上記結合部材に締結されて上記無人船が牽引されることによって、上記クレーンの上記結合部材及び上記結合装置が相互対応する位置に誘導される、請求項9に記載の無人船の回収方法。
【請求項13】
上記結合部の結合段階は、
上記結合装置と上記結合部材の結合状態を確認する結合状態の確認段階;及び
上記結合状態の確認段階において、上記結合装置及び上記結合部材の結合が確認されると上記結合装置のドッキング装置を駆動させて上記結合装置及び上記結合部材をドッキングするドッキング段階;
を含む、請求項9に記載の無人船の回収方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、結合装置を備えた無人船及びその回収方法に関するもので、より詳しくは、母船又は埠頭に備えられたクレーンの結合部材と容易に結合して進水及び回収が容易であり、第1牽引縄及び第2牽引縄を通じて無人船を迅速且つ安定的に回収に最適化された位置に配置及び回収することができる結合装置を備えた無人船及びその回収方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、我が国は、高度の経済成長と共に海上を利用した輸出入物動量の増加で海運、港湾等の産業が急激に増加及び発展している。これにより、船舶は経済規模に合う物動量に耐えるために大型化及び高速化されながら海上での事故も増えている。
【0003】
このような事故による、海上での遭難は、旅客又は物資を積んだ船舶の安全な運航を阻害する各種の事故を通称する。
【0004】
一般的に、近くの海域の場合、遭難発生時、人命被害を防ぐために多くの方案が模索されているが、近くの海域ではなく遠い海の場合、人命被害を防ぐために多くの時間がかかり、これにより、犠牲者が増える可能性がある。また、事故海域の人命被害だけでなく、遭難船舶の事故原因究明のための引き揚げ作業時、事故地域を正確に知らなければ、多くの費用と時間がかかる。
【0005】
また、暗礁等により、大型船舶の進入が容易でない場合には、このような定着及び救助作業が更に遅延される問題点がある。
【0006】
このような問題点を解決するために、大型船舶等の母船に相対的に規模が小さい無人船を配置してこれを作業遂行地域に移動後、迅速且つ安全な作業を行うために、無人船を使用するための方法等が開発されている。
【0007】
このような無人船は作業を完了後、母船に回収するために、母船で乗務員が手かぎ等の装備を利用して無人潜水艇にチェーンを締結したり、無人船でヒービングラインを母船に発射して乗務員がこれを電動ウィンチ等にかけて無人船を回収することになる。
【0008】
しかし、風速又は波高が高かったり、該当地域の海の流速が速い場合には、手かぎ投擲又は無人船から発射するヒービングラインの正確度が減少して母船と無人船の連結が円滑でない場合がある。
【0009】
また、無人船を母船等に備えられたクレーンを通じて回収するために、クレーンに連結されたワイヤを無人船に連結しなければならないが、無人船には乗務員が搭乗していないため、母船から乗務員が無人船に移って行ってワイヤを連結したり、手かぎ等を通じて無人船に連結しなければならないが、海での作業が容易でない問題がある。すなわち、クレーンのワイヤを連結することが容易ではない問題点があり、乗務員が無人船に渡って行ってワイヤを連結する場合には事故が発生する可能性がある問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、従来の問題を解決するためのもので、母船又は埠頭に備えられたクレーンの結合部材と容易に結合して進水及び回収が容易であり、第1牽引縄及び第2牽引縄を通じて無人船を迅速且つ安定的に回収に最適化された位置に配置及び回収することができる結合装置を備えた無人船及びその回収方法を提供することにその目的がある。
【0011】
本発明の目的はこれに制限されず、言及されていない他の目的は下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記のような本発明の目的を達成するための結合装置を備えた無人船は、無人船の船首一側に備えられるヒービングライン発射装置、上記無人船の重心に備えられて母船に備えられたクレーンの結合部材と結合される結合装置、上記無人船の船首又は船尾のうち少なくともいずれか一側に備えられて第1牽引縄が巻き取られる第1ウインチ及び上記結合装置の一側を通過する第2牽引縄が巻き取られる第2ウインチを含む。
【0013】
このとき、上記ヒービングライン発射装置は、上記第1牽引縄及び第2牽引縄の一側が同時に連結されたヒービングラインを発射することができる。
【0014】
また、上記結合装置は、上記無人船の甲板の一側に上部に突出する支持部、上記支持部の上面に備えられ、第2牽引縄が貫通される貫通孔が形成される支持板及び上記支持部又は上記支持板の一側に備えられるドッキング装置を含むことができる。
【0015】
また、上記ドッキング装置は、上記支持部又は上記支持板の一側に回転可能に備えられるドッキングリングであり得る。
【0016】
また、上記ドッキングリングの回転中心には、上記ドッキングリングを回転させるアクチュエータが備えられることができる。
【0017】
また、上記支持板及び上記結合部材のうち少なくともいずれか一つには、相互接触する接触部の一側に上記支持板及び上記結合部材の結合をセンシングするセンサが更に備えられ、上記アクチュエータは、上記センサの信号により上記ドッキングリングを駆動させることができる。
【0018】
また、上記結合部材は、上記支持板と対応する結合板及び上記結合板の上面の一側に備えられて上記ドッキング装置が締結されることができるように上記ドッキング装置と対応する形状からなり、上部の一側がクレーンと連結される締結部を含むことができる。
【0019】
また、上記第1ウインチ及び第2ウインチのうちいずれか一つはモータにより直接駆動され、他の一つは間接的に上記モータの回転力が伝達されて回転可能に備えられることができる。
【0020】
他のカテゴリーとして、本発明の目的を達成するための結合装置を備えた無人船の回収方法は、無人船に備えられた発射装置を通じて第1牽引縄及び第2牽引縄を発射する牽引縄の発射段階、上記第1牽引縄を上記母船の一側に連結し、上記第2牽引縄を母船に備えられたクレーンの結合部材に連結する牽引縄の連結段階、上記第1牽引縄及び第2牽引縄を利用して上記無人船の結合装置と上記クレーンの上記結合部材が対応する位置に上記無人船を牽引する無人船の牽引段階、上記無人船の上記結合装置と上記クレーンの上記結合部材を結合する結合部の結合段階及び上記クレーンを利用して上記無人船を浮揚して上記母船に回収する無人船の回収段階を含む。
【0021】
このとき、上記牽引縄の発射段階は、上記第1牽引縄及び第2牽引縄の一側が同時に連結されたヒービングラインを発射することができる。
【0022】
また、上記無人船の牽引段階は、上記第1牽引縄を巻き取る第1ウインチ及び上記第2牽引縄を巻き取る第2ウインチを駆動して上記第1牽引縄及び第2牽引縄を巻き取らせ、クレーンを下降させて上記結合装置及び上記結合部材を結合させることができる。
【0023】
また、上記無人船の牽引段階において、上記第2牽引縄は上記結合装置の一側を貫通して上記クレーンの結合部材に締結されて上記無人船が牽引されることによって、上記クレーンの上記結合部材及び上記結合装置が相互対応する位置に誘導されることができる。
【0024】
また、上記結合部の結合段階は、上記結合装置と上記結合部材の結合状態を確認する結合状態の確認段階及び上記結合状態の確認段階において上記結合装置及び上記結合部材の結合が確認されると上記結合装置のドッキング装置を駆動させて上記結合装置及び上記結合部材をドッキングするドッキング段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の結合装置を備えた無人船及びその回収方法は、次のような効果がある。
【0026】
第一に、第1牽引縄及び第2牽引縄二つの牽引縄を使用して無人船を牽引することによって、無人船を回収するのに最適化された位置に迅速且つ容易に配置することができる効果がある。
【0027】
第二に、第2牽引縄が無人船の結合装置及び無人船を回収するためのクレーンの結合部材を連結するように備えられているため、別途の誘導装置なくクレーンの結合部材が無人船の結合装置と結合されることができる効果がある。
【0028】
第三に、第2牽引縄を巻き取る第2ウインチの回転力及び結合装置のドッキング装置の二重ドッキング工程を通じて、無人船をより安定的に回収することができる効果がある。
【0029】
第四に、無人船の回収中、波、風等により無人船が揺れる場合、第1牽引縄を巻き取る第1ウインチを操作して第1牽引縄の張力を制御して無人船の揺れを抑制して安定的に無人船を回収することができる効果がある。
【0030】
第五に、クレーン及び無人船が自動的に締結されることによって、乗務員が直接クレーンのワイヤを無人船に結合しなくてもよいため、事故を未然に防止することができる効果がある。
【0031】
本発明の効果は上記言及した効果に制限されず、言及されていない他の効果は請求の範囲の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
本明細書に添付する次の図面は、本発明の好ましい実施例を例示するものであり、発明の詳細な説明と共に本発明の技術思想を更に理解させる役割を果たすものであるので、本発明は、そのような図面に記載された事項に限定されて解釈されてはならない。
図1】本発明に係る結合装置を備えた無人船の斜視図。
図2】本発明に係る結合装置を備えた無人船を母船に回収するための構成を示す側面図。
図3】本発明に係る結合装置及びクレーンの結合部材の結合状態を示す斜視図。
図4】本発明に係る結合装置及びクレーンの結合部材が結合された状態を示す斜視図。
図5】本発明に係る結合装置を備えた無人船の回収方法を順次示す斜視図。
図6】本発明に係る結合部の結合段階をより詳しく示す順序図。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、添付の図面を参照して、本発明の好ましい実施例を詳しく説明する。
【0034】
<結合装置を備えた無人船構成>
図1は本発明に係る結合装置を備えた無人船の斜視図であり、図2は本発明に係る結合装置を備えた無人船を母船600に回収するための構成を示す側面図である。本発明に係る結合装置を備えた無人船100は図1に示すように、結合装置を備えた無人船100を図2に示すように、容易に回収するためのもので、大きくヒービングライン発射装置300、結合装置200、第1ウインチ400及び第2ウインチ500を含む無人船100で構成される。このようなそれぞれの構成をより詳しく説明すると、次の通りである。本明細書では、説明の便宜のために、一実施例として無人船100を母船600に回収するためのことを基準として説明しているが、本発明に係る構成からなる無人船100は、母船600だけでなく埠頭等のように無人船100を回収して保管するための場所であればどこにも適用可能である。
【0035】
ヒービングライン発射装置300は、無人船100の一側に備えられて無人船100を牽引するための牽引縄を母船600と容易に連結するためのヒービングラインを発射する装置である。一般的に、無人船100を牽引するための牽引縄は、無人船100の牽引中に切れる等の破損を防止するために、堅固に製造されて相当な重量を有する。このような高重量の牽引船を直接母船600と連結するには困難が多いため、一般的に、牽引縄の一端と連結されたヒービングラインを伝達し、ヒービングラインと連結された牽引縄をヒービングラインを通じて伝達される。
【0036】
このように、ヒービングライン発射装置300は、牽引弾等の発射体にヒービングラインを連結して母船600等の目標地点に発射する装置である。
【0037】
このようなヒービングライン発射装置300は、無人船100の一側、好ましくは甲板の一側、より好ましくは甲板船首の一側に備えられた砲(Cannon)形状の構造物である。このようなヒービングライン発射装置300は、その内部にヒービングラインを直接挿入して発射することもできるが、ヒービングラインの伝達正確度を向上させるために、ヒービングラインの一端が結合された牽引弾等の砲弾を発射することが好ましい。
【0038】
このとき、 砲弾又はヒービングラインには、第1ウインチ400に巻き取られた第1牽引縄410及び第2ウインチ500に巻き取られた第2牽引縄510が同時に連結されることができるように備えられることが好ましい。第1牽引縄410及び第2牽引縄510をそれぞれ発射しても構わないが、迅速な無人船100の回収のために、砲弾又は砲弾に連結されたヒービングラインに第1牽引縄410及び第2牽引縄510が同時に結合されることができるように備えられることが好ましい。
【0039】
結合装置200は、無人船100の一側、好ましくは甲板の一側、より好ましくは無人船100の重心に対応する甲板の一側に備えられて母船600又は埠頭等に無人船100を回収するために備えられるクレーン700の結合部材710と対応する形状からなる。すなわち、結合装置200は、クレーン700を通じて無人船100を迅速且つ容易に回収することができるように無人船100とクレーン700を結合する装置である。このような結合装置200の構成をより詳しく説明すると、次の通りである。
【0040】
図3は本発明に係る結合装置及びクレーンの結合部材の結合状態を示す斜視図であり、図4は本発明に係る結合装置及びクレーンの結合部材が結合された状態を示す斜視図である。本発明に係る結合装置200は図1図4に示すように、大きく支持部210、支持板220及びドッキング装置230で構成される。
【0041】
支持部210は、クレーン700の結合部材710と実質的に結合する支持板220及びドッキング装置230を支持するためのものであって、支持板220及びドッキング装置230を所定の高さに安定的に固定することによって、クレーン700の結合部材710との結合をより容易にするためのものである。このような支持部210は、支持板220及びドッキング装置230を所定の高さに支持することができるものであればどのような形状からなっていても構わないが、好ましくは、柱状からなることがよい。より好ましくは、第2牽引縄510が巻き取られた第2ウインチ500がその内部に備えられることができるように中空からなることが良く、上面の一側には第2牽引縄510が貫通することができる貫通孔が形成される。
【0042】
支持板220は、支持部210の上面に備えられて結合部材710の結合板711と面結合を通じて結合装置200と結合部材710の結合を堅固にするためのものである。このような支持板220は、別途の部材からなり得るが、支持部210の上面がその役割を果たすこともある。また、支持板220の中心の一側には、第2牽引縄510が貫通される貫通孔221が形成され、結合部材710の結合板711と対面する一面には、結合部材710との結合をセンシングするセンサ(図示せず)がさらに備えられることができる。このような支持板220は、無人船100の大きさ及び重量を安定的に支持することができる大きさに使用様態に応じて選択的に決定されることができ、支持部210の大きさも、これと同様である。
【0043】
ドッキング装置230は、支持部210又は支持板220の一側に備えられてクレーン700の結合部材710を支持板220に密着させて安定的に固定させる装置である。すなわち、支持板220及び結合板711を圧着して支持板220及び結合板711の面接触を堅固に維持して支持板220及び結合板711が任意に分離されることを防止するための装置である。このような目的を達成することができるものであればドッキング装置230はどのような装置を使用しても構わないが、一例として、アクチュエータ232により駆動されるドッキングリング231を使用することができる。
【0044】
ドッキングリング231は、支持部210又は支持板220の一側に回転可能に備えられ、上部から下部に圧力を加えることができるように備えられる。このようなドッキングリング231は、ユーザの操作により駆動されることができるが、一般的に、無人船100には乗務員が搭乗していないため、アクチュエータ232により自動的に駆動されるように構成されることが好ましい。
【0045】
アクチュエータ232は、ドッキングリング231の一側に備えられてドッキングリング231を駆動させる動力を提供する装置である。このようなアクチュエータ232は、ドッキングリング231を必要に応じて回転させて支持板220及び結合板711を圧着することができるようにするものであればどのような装置を使用しても構わない。図面上では、ドッキングリング231の回転中心に備えられてドッキングリング231を回転させるモータ等の回転アクチュエータを表示しているが、使用様態によっては、ドッキングリング231の一側に備えられてドッキングリング231を押したり引いたりするリニアアクチュエータを使用することができることは自明である。このようなアクチュエータ232は、支持板220の一側に備えられるセンサ(図示せず)のセンシング結果に応じて自動的に駆動されるよう制御することが好ましい。すなわち、センサにおいて支持板220及び結合板711の結合を認知すると、自動的にドッキングリング231が支持板220及び結合板711を圧着することができるように駆動することが好ましい。
【0046】
前述の構成からなる結合装置200と対応する構成からなるクレーン700の結合部材710の構成をより詳しく説明すると、次の通りである。
【0047】
クレーン700の結合部材710は、クレーン700を通じて無人船100を回収するためにクレーン700のワイヤを無人船100の結合装置200と迅速且つ容易に結合するためのもので、無人船100の結合装置200と対応する形状からなる。このような結合部材710は、大きく結合板711及び締結部712で構成される。
【0048】
結合板711は、結合装置200の支持板220と対応する平板状の部材からなり、下面の一側、好ましくは下面中心の一側には、支持板220に形成された貫通孔221と対応する一側に第2牽引縄510が締結される締結リング(図示せず)が形成される。このように、第2牽引縄510が支持板220の貫通孔221を貫通して結合板711の下面に締結されるため、第2牽引縄510を巻き取ると、結合板711は容易に支持板220と結合が行われる。前述の構成において、センサは支持板220の一面に形成されるものとして説明したが、使用様態によっては、結合板711の下面の一側に備えられることができる。
【0049】
また、結合板711の一側には、ドッキングリング231の一端部が挿入されることができる挿入溝(図示せず)が形成される。このような挿入溝が形成される場合には、ドッキングリング231の一端部が挿入溝に挿入されることによって、ドッキングリング231が任意に離脱されることをより容易に防止することができる。
【0050】
締結部712は、結合板711の上部の一側に備えられてクレーン700のワイヤと連結されることができるようにし、ドッキングリング231が任意に分離されることを防止するための装置である。このような締結部712は、どのような形状からなっていても構わないが、好ましくは、クレーン700のワイヤが結合されなければならないため、閉ループを形成するリング状からなることがよい。また、リング状からなると、ドッキングリング231が締結部712を円滑に貫通して結合板711を支持板220に容易に圧着することができる。
【0051】
第1ウインチ400は、第1牽引縄410が巻き取られるもので、当業界において通常使用されるウインチを使用することが良い。このような第1ウインチ400は、無人船100の回収時、無人船100を容易に牽引することができるように、無人船100の船首又は船尾の一側に備えられることがよい。好ましくは、無人船100の船首の一側に備えられることがよい。
【0052】
第2ウインチ500は、第2牽引縄510が巻き取られるもので、第1ウインチ400と同様に、当業界において通常使用されるウインチを使用することが良い。このような第2ウインチ500は、無人船100の重心の一側、好ましくは結合装置200の支持部210の内部に挿入されるように備えられることがよい。
【0053】
第2ウインチ500及び第2ウインチ500はそれぞれウインチを正、逆回転させてそれぞれ第1牽引縄410及び第2牽引縄510を巻いたり、ほどいたりすることができる独立的な動力伝達手段を有するように備えられることができるが、使用様態によっては、第1ウインチ400及び第2ウインチ500のうちいずれか一つにのみ動力伝達手段を備え、他の一つはベルト等を通じて動力が伝達されて同時に駆動されるようにすることもできる。
【0054】
<結合装置を備えた無人船の回収方法>
前述の構成からなる結合装置を備えた無人船100を母船600又は埠頭等で回収するための方法を詳しく説明すると、次の通りである。本発明では、無人船100を母船600に回収することを中心に説明しているが、使用様態によっては、母船600ではなく埠頭等の陸地で無人船100を回収することができることは自明である。
【0055】
図5は、本発明に係る結合装置を備えた無人船の回収方法を順次示す斜視図である。まず、無人船100に備えられた発射装置300を通じて第1牽引縄410及び第2牽引縄510を発射して第1牽引縄410及び第2牽引縄510それぞれを母船600に伝達する(S100)。このとき、第1牽引縄410及び第2牽引縄510は発射装置300を通じて順次発射することができるが、より容易に第1牽引縄410及び第2牽引縄510を母船600に発射するために、発射装置300から発射される牽引弾等の発射体又は発射体に連結されたヒービングラインに第1牽引縄410及び第2牽引縄510の一端部を連結した状態で、第1牽引縄410及び第2牽引縄510が一度に母船600に伝達されるようにすることが良い。
【0056】
次に、第1牽引縄410及び第2牽引縄510をそれぞれ母船600及びクレーン700の一側に結合させる(S200)。第1牽引縄410は、無人船100を回収に最適化された位置、すなわち、クレーン700の滑車720から下降するワイヤと垂直な方向に位置するように牽引するもので、第1牽引縄410は、母船600の一側に備えられたトーイングブーム610等に連結する。
【0057】
また、第2牽引縄510は、クレーン700のワイヤと連結される結合部材710を無人船100の結合装置200と円滑に結合するためのもので、第2牽引縄510は、クレーン700の結合部材710の一側に連結する。
【0058】
次に、第1牽引縄410及び第2牽引縄510を利用して無人船100の結合装置200とクレーン700の結合部材710が対応する無人船100回収の最適位置に無人船100を牽引する(S300)。図2に示すように、母船600のトーイングブーム610に連結された第1牽引縄410を第1ウインチ400を駆動させて巻き取らせ、無人船100を牽引すると共に、図3及び図4に示すように、クレーン700の結合部材710と連結された第2牽引縄510を第2ウインチ500を駆動させて巻き取らせる。このとき、第2牽引縄510が巻き取られる長さ分クレーン700のワイヤを延長させ、第2牽引縄510は最大限ぴんと張った状態を維持する状態で巻き取られるようにクレーン700のワイヤを操作する。このように、第1牽引縄410を通じて無人船100を回収に最適化された位置に配置すると共に、第2牽引縄510を通じてクレーン700の結合部材710を誘導するため、別途の連結誘導装置等がなくてもクレーン700の結合部材710を結合装置200と対応する位置に迅速且つ安定的に誘導することができる。
【0059】
図6は、本発明に係る結合部の結合段階をより詳しく示す順序図である。次に、無人船100の結合装置200とクレーン700の結合部材710を結合する(S400)。このような結合部の結合段階(S400)をより詳しく説明すると、次の通りである。
【0060】
まず、結合装置200と結合部材710の結合状態を確認する(S410)。すなわち、支持板220又は結合板711の一側に備えられたセンサ(図示せず)を通じて支持板220及び結合板711が密着するように結合されているかを確認する。このとき、センサに信号が入力されない場合には、第2牽引縄510をより巻き取らせて支持板220及び結合板711を密着させて最大限支持板220及び結合板711が密着するようにする。
【0061】
次に、前述の段階において、センサ(図示せず)が支持板220及び結合板711が密着するように結合されたと判断すると、図4に示すように、ドッキング装置230を駆動させて結合装置200及び結合部材710を任意に分離されないようにドッキングする(S420)。すなわち、アクチュエータ232を駆動させてドッキングリング231が結合板711を上部から下方に圧着して結合板711が支持板220から離脱しないように支持する。
【0062】
最後に、クレーン700の結合部材710に連結されたワイヤを巻き取らせ、無人船100を回収する(S500)。このとき、第2ウインチ500では第2牽引縄510がほどけないように固定したり、第2牽引縄510が巻き取られる方向に所定の動力を提供して無人船100の回収時、結合部材710が結合装置200により安定的に結合され得るようにすることができる。また、結合装置200が無人船100の重心に位置しているとしても、風、波等の周辺環境により無人船100の揺れが発生した場合には、第1ウインチ400を通じて第1牽引縄410の引張力を制御して無人船100の中心を保ってより安定的に無人船100を回収することができる。
【0063】
以上で説明したように、本発明が属する技術分野の当業者は、本発明がその技術的思想や必須的特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施され得るということを理解することができる。そのため、前述の実施例はすべての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本発明の範囲は詳細な説明よりは後述する特許請求の範囲により示され、特許請求の範囲の意味及び範囲、そして等価概念から導出されるすべての変更又は変形された形態が本発明の範囲に含まれると解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0064】
100:無人船
200:結合装置
210:支持部
220:支持板
221:貫通孔
230:ドッキング装置
231:ドッキングリング
232:アクチュエータ
300:ヒービングライン発射装置
400:第1ウインチ
410:第1牽引縄
500:第2ウインチ
510:第2牽引縄
600:母船
610:トーイングブーム
700:クレーン
710:結合部材
711:結合板
712:締結部
720:クレーン滑車
図1
図2
図3
図4
図5
図6