【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るコンシーラパッチは、透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムの表面に肌色の着色を有し、粘着剤層を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明に係るコンシーラパッチは、透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に積層された粘着剤層とを備え、前記支持体フィルムの少なくとも一方側の表面に肌色の着色を有することを特徴とする。
【0008】
本発明において、コンシーラ効果を有する美容用貼付剤をコンシーラパッチといい、また肌色とは濃い肌色から薄い肌色、さらに白色に近い肌色から白色までをも含むものとする。
【0009】
本発明の特徴は、コンシーラパッチの支持体フィルム表面に、印刷技術を用いて着色を施す点にある。
【0010】
コンシーラパッチは、その色が一様でよければ、支持体フィルム原料に色素か顔料を混和してフィルム化すれば製造できる。しかし、部分的に肌色を変化させたいときは、この方法では製造できない。例えば、中央部を濃い肌色、周辺部を薄い肌色とし、中央部から周辺部に向かって次第に肌色が薄くなるように、すなわちグラデーションを付して着色したコンシーラパッチはこの方法では製造できない。部分的に肌色を変化させたコンシーラパッチは、本発明のように、支持体フィルム上に着色を印刷して初めて製造可能となる。
従って、本発明に係るコンシーラパッチの製造方法は、透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムの表面を、印刷技術を用いて肌色に着色する工程と、前記支持体フィルム上に粘着剤層を形成する工程とを備える。
【0011】
コンシーラパッチは着色により顔面のシミやニキビ等を隠ぺいするものであるが、一様に着色しない方が望ましい。顔面のシミ、ソバカス、ニキビ跡やクマは局部的であるため、ある程度濃い色でないと隠すことができない反面、一様な濃い色だとコンシーラパッチの存在自体が不自然な印象を与えるためである。そのため、中央部分をやや濃い肌色とし、周辺部をより薄い自然な風合いとすることが望ましい。
【0012】
支持体フィルム表面の着色を一様としないため、あるいは着色にグラデーションを付すための印刷方法はいろいろ考えられる。本発明では3つの方法を試みた。
(1)平面的に着色する。平面的な肌色着色とは、支持体フィルムの表面に、少なくとも1つの肌色に着色された領域が設けられていることをいう。ほぼ平面的に一様な着色面を有する構成であってもよく、色の濃さが場所により変化してもよい。
(2)直線状、曲線状、波線状若しくは折れ線状の肌色線を用いる。
(3)多数のドットを用い、ドットの大きさや密度を変化させる。
当然ながら、この3方法のうち2つあるいは3つを組み合わせてもよい。
【0013】
平面的な肌色着色を用いる場合、場所により着色の濃さを変化させることが好ましい。特に中心部の着色を濃く、周辺部の着色を薄くし、グラデーションを付すことが好ましい。
コンシーラパッチの周辺部を無色とし、地肌を透けて見えるようにすればより一層コンシーラパッチの存在が目立たなくすることができる。
【0014】
肌色の線を用いる場合、2本の肌色線を直角に交差させることができる。あるいは3本の肌色線を互いに60°ずらして交差させてもよい。肌色線の方向数をより増やしてもよい。このように、肌色線が複数設けられていてもよく、その場合には、複数の肌色の線のうち少なくとも2本の線が、交差していることが好ましい。
ここで線の形状は直線、曲線、波線、折れ線などを選ぶことができ、またこれらに限定されない。なお、単に肌色の線若しくは肌色線というときは、直線、曲線、波線、折れ線などを含む。
【0015】
また、円形や楕円形などの閉鎖曲線を組み合わせてもよい。中心を合わせて同心円状としても、閉鎖曲線を互いに交差させてもよい。
【0016】
肌色線の間隔や太さは、一様でなくてもよい。また、グラデーションを付すには、肌色線の着色を中心部で濃く、周辺部で薄くすればよい。
【0017】
線の組み合わせを用いれば無色の部分を設けることができ、これにより地肌が透けて見え、コンシーラパッチの存在をより目立たなくすることができる。
【0018】
多数のドットを用いる場合、ドットの大きさや密度を変化させ、あるいは肌色の濃さを変化させることによりグラデーションの効果を得ることができる。例えば、多数の肌色のドットのうち少なくとも1つのドットの大きさ若しくは肌色の濃さが、他のドットと異なっていてもよい。また、多数の肌色のドットが、密度が相対的に高い領域と、密度が相対的に低い領域とを有するように配置されていてもよい。
なお、ドットの形状は円、楕円、四角、三角等いかなる形状をも用いることができる。また、ドットの形状は必ずしも同一である必要はなく、ドットの分布は必ずしも規則的である必要もない。なお、単に多数のドットというときは、円、楕円、四角、三角等いかなる形状のドットをも含むものとする。
【0019】
多数のドットを用いれば、当然無色の部分をも設けることができる。
【0020】
コンシーラパッチの肌色にグラデーションを付すには、平面的な肌色着色(肌色の領域)と交差する肌色線とを組み合わせてもよい。この際、平面的な肌色着色(肌色の領域)を、中央部を濃く周辺部を薄くするのが好ましい。また平面的着色(肌色の領域)における肌色を白に近い肌色とすれば、交差する肌色線とよく釣り合い全体としては目立たないようにできる。
【0021】
コンシーラパッチの肌色にグラデーションを付す際、平面的な肌色着色(肌色の領域)と多数のドットとを用いてもよい
【0022】
支持体フィルムの肌色を印刷する面と粘着剤層を備える面は、フィルムの同じ表面でも異なる表面でもよい。あるいは肌色をフィルムの両表面に印刷してもよい。
【0023】
柔軟な透明もしくは半透明の支持体フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、またはエチレン酢ビ共重合体、ポリウレタン若しくはナイロンのフィルムを用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0024】
ポリウレタンフィルムが通気性及び柔軟性の点から最も好ましい。厚さは3〜100μmがよい。3μmより小さいと機械的強度が不足することがあり製造や皮膚への貼り付けに不便となる場合があり、100μmより大きいと厚すぎて皮膚に違和感を生じることがあるからである。より好ましくは厚さ5〜20μmがよい。
【0025】
ポリウレタンフィルムは裏打ちすると、加工や使用の際取扱がより一層容易となる。裏打ちフィルムは、工程紙、キャリアーあるいは台紙などと呼ばれる。
【0026】
コンシーラパッチの粘着剤層には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤を使用できる。必要に応じて乳酸オクチルドデシル、グリセリン、のような可塑剤を添加してもよい。
【0027】
粘着剤層の厚さは5〜100μmが好ましい。5μmより薄いと粘着力が不足することがあり、100μmより厚いと通気性が低くなることがあり長時間貼付に不適当であることがある。より好ましい粘着剤層厚さは5〜30μmである。
【0028】
コンシーラパッチの支持体フィルム及び/又は粘着剤層中に紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、美容成分又は皮膚用薬物を含ませ、コンシーラパッチの適応性を拡大してもよい。なお、これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ4メトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸及びその誘導体、サリチルホモネンチルのような酸誘導体、等の有機物紫外線吸収剤、紫外線散乱剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、等の紫外線散乱剤が使用できる。
美容成分の例としてはビタミンCやその誘導体(例えば、リン酸L−アスコルビルマグネシウム、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)、コウジ酸、レチノイン酸、及びその誘導体、ハイドロキノン等の美白成分、ビタミンAやその誘導体、αリボ酸、アデノシン、α−ヒドロキシ酸等の抗シワ成分、を挙げることができる。また、サリチル酸、等のニキビ治療成分、グリチルレチン酸(塩)等の抗炎症成分を配合してもよい。さらに安定剤として、BHT,ビタミンE、及びその誘導体(例えば酢酸トコフェロール)、などを配合してもよい。
【0029】
コンシーラパッチは、円形ならば直径5mmより大きいほうが使いやすい。主に顔面、足、腕に貼るので、大きくても約100cm
2程度である。コンシーラパッチの形状は、円形、楕円形、角が丸い長方形、正方形、ダイヤ型、顔型、勾玉型、などいろいろな形を用いることができる。
本発明に係る皮膚の美白ケア化粧方法は、本発明に従って構成されるコンシーラパッチを用いた皮膚の美白ケア化粧方法であって、前記粘着剤層が、美容成分及び/又は皮膚用薬物を含有していることを特徴とする。
本発明に係る皮膚のにきびケア化粧方法は、本発明に従って構成されるコンシーラパッチを用いた皮膚のにきびケア化粧方法であって、前記粘着剤層が、美容成分及び/又は皮膚用薬物を含有していることを特徴とする。