特許第6608704号(P6608704)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6608704コンシーラパッチ及びその製造方法、皮膚の美白ケア化粧方法並びに皮膚のにきびケア化粧方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6608704
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】コンシーラパッチ及びその製造方法、皮膚の美白ケア化粧方法並びに皮膚のにきびケア化粧方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20191111BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20191111BHJP
   A61K 8/87 20060101ALI20191111BHJP
   A61K 8/88 20060101ALI20191111BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20191111BHJP
   A61Q 19/02 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   A61K8/02
   A61K8/81
   A61K8/87
   A61K8/88
   A61Q19/00
   A61Q19/02
【請求項の数】10
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-558802(P2015-558802)
(86)(22)【出願日】2015年1月13日
(86)【国際出願番号】JP2015050640
(87)【国際公開番号】WO2015111461
(87)【国際公開日】20150730
【審査請求日】2017年12月20日
(31)【優先権主張番号】特願2014-24852(P2014-24852)
(32)【優先日】2014年1月27日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】501296380
【氏名又は名称】コスメディ製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001232
【氏名又は名称】特許業務法人 宮▲崎▼・目次特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 純也
(72)【発明者】
【氏名】近藤 奈穂子
(72)【発明者】
【氏名】権 英淑
(72)【発明者】
【氏名】神山 文男
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−252400(JP,A)
【文献】 特開2001−278739(JP,A)
【文献】 特開平10−023923(JP,A)
【文献】 国際公開第2009/041121(WO,A1)
【文献】 特開2009−100851(JP,A)
【文献】 特表2008−543450(JP,A)
【文献】 特表2012−516284(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3116047(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0110672(US,A1)
【文献】 米国特許第05942065(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0010776(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
A45D 44/00−44/22
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムと、
前記支持体フィルム上に積層された粘着剤層とを備え、
前記支持体フィルムの少なくとも一方側の表面に肌色の着色を有するコンシーラパッチであって、
前記肌色の着色は中央部から周辺部に向かって色が薄くなっており、かつ前記肌色の着色は、肌色の線を用いた肌色着色であるか、又は、
前記肌色の着色は、多数の肌色のドットであり、前記多数の肌色のドットのうち少なくとも1つのドットの大きさ若しくは肌色の濃さが、他のドットと異なっていることにより、又は、前記多数の肌色のドットが、密度が相対的に高い領域と、密度が相対的に低い領域とを有するように配置されていることにより、中央部から周辺部に向かって色が薄くなっていることを特徴とするコンシーラパッチ。
【請求項2】
前記肌色の線が複数設けられており、前記複数の肌色の線のうち少なくとも2本の線が、交差していることを特徴とする請求項1に記載のコンシーラパッチ。
【請求項3】
前記肌色の着色が、少なくとも1つの肌色に着色された領域であることを特徴とする請求項1に記載のコンシーラパッチ。
【請求項4】
前記肌色の着色が、中央部から周辺部に向かって色が薄くなる肌色の領域と、互いに交差した肌色の線若しくは肌色のドットとの重ね合わせにより構成されることを特徴とする請求項1に記載のコンシーラパッチ。
【請求項5】
周辺部には着色がないことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のコンシーラパッチ。
【請求項6】
前記透明もしくは半透明の柔軟な支持体フィルムの素材が、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢ビ共重合体、ポリウレタン、ナイロンからなる群より選ばれた少なくとも1種の素材であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンシーラパッチ。
【請求項7】
粘着剤層及び支持体フィルムの少なくとも一方に、美容成分、皮膚用薬物、紫外線吸収剤及び紫外線散乱剤からなる群から選択された少なくとも1種が含有されている請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンシーラパッチ。
【請求項8】
透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムの表面を、印刷技術を用いて肌色に着色する工程と、
前記支持体フィルム上に粘着剤層を形成する工程とを備え、
前記肌色の着色は中央部から周辺部に向かって色が薄くなっており、かつ前記肌色の着色は、肌色の線を用いた肌色着色であるか、又は、
前記肌色の着色は、多数の肌色のドットであり、前記多数の肌色のドットのうち少なくとも1つのドットの大きさ若しくは肌色の濃さが、他のドットと異なっていることにより、又は、前記多数の肌色のドットが、密度が相対的に高い領域と、密度が相対的に低い領域とを有するように配置されていることにより、中央部から周辺部に向かって色が薄くなっていることを特徴とするコンシーラパッチの製造方法。
【請求項9】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンシーラパッチを用いた皮膚の美白ケア化粧方法であって、
前記粘着剤層が、美容成分及び/又は皮膚用薬物を含有していることを特徴とする皮膚の美白ケア化粧方法(但し、当該化粧方法は非治療目的の方法である)。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンシーラパッチを用いた皮膚のにきびケア化粧方法であって、
前記粘着剤層が、美容成分を含有していることを特徴とする皮膚のにきびケア化粧方法(但し、当該化粧方法は非治療目的の方法である)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌の欠点を隠し、肌を白く美しく見せるためのコンシーラパッチに関する。さらに、紫外線吸収剤、美容成分を配合し肌自身の美白を実現するコンシーラパッチに関する。
【背景技術】
【0002】
コンシーラとは、肌トラブルのカバー用ファンデーションであり、シミ、ソバカス、ほくろ、にきび跡や不健康な印象を与える目の下のクマなどをスポット的に修正する化粧品である。スティックタイプ、クリームタイプ及びリキッドタイプのコンシーラがよく用いられている。
【0003】
コンシーラは、カバー力を出すために、通常のファンデーションよりも密着性・エモリエント性に加え、顔料が多めに含まれている。コンシーラを用いる際は、ファンデーションと同様に下地・乳液などをたっぷりぬり、ベースを整えておく必要がある。下地を塗った後、絵の具をポツポツと置くように塗り、指の腹または化粧用コットンや綿棒など繊維残りが出ない素材で、軽く叩いてぼかしながらのばす。このコンシーラ使用法は一見簡単ではあるが、実際にやってみると自然な肌の風合いを出すのが難しく、素人が自宅でやってもうまくいかない場合が多い。また従来のコンシーラはシミ、ソバカスを隠すことのみを機能としおり、製品中に美容成分をも配合し積極的にシミなどの美白をもその機能としている製品はない。
【0004】
コンシーラ効果を有する素材として、これまで、ワックス、揮発性油分及び非揮発性油分(特許文献1)、チタンコート顔料、金属石鹸コート顔料及び高被覆顔料(特許文献2)、揮発性シリコーン油、水性成分、白色顔料、光輝性粉体など(特許文献3)、タルク、隠蔽性粉体、チタンマイカ、液体脂及び固形脂(特許文献4)など、が報告されている。また、ある種のペプチド(特許文献5)、ポリアルケンベ−スの超分子ポリマーや(特許文献6)やフィルム形成性のポリヒドロキシスチレンポリマー(特許文献7)などが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−162463号公報
【特許文献2】特表2010−503725号公報
【特許文献3】特開2005−298482号公報
【特許文献4】特開2000−327532号公報
【特許文献5】特表2013−508322号公報
【特許文献6】特開2010−120940号公報
【特許文献7】特開2000−229813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、現在市販されているスティックタイプ、クリームタイプやリキッドタイプのコンシーラの使いにくさを解消し、誰でも簡単にシミ、ソバカス、ニキビ跡やクマなどを簡単に隠せる新しいパッチタイプのコンシーラ化粧品を提供することである。さらにパッチの支持体フィルムや粘着剤に紫外線吸収剤、美容成分を配合し肌の美白をも実現する化粧品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためになされた本発明に係るコンシーラパッチは、透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムの表面に肌色の着色を有し、粘着剤層を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明に係るコンシーラパッチは、透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムと、前記支持体フィルム上に積層された粘着剤層とを備え、前記支持体フィルムの少なくとも一方側の表面に肌色の着色を有することを特徴とする。
【0008】
本発明において、コンシーラ効果を有する美容用貼付剤をコンシーラパッチといい、また肌色とは濃い肌色から薄い肌色、さらに白色に近い肌色から白色までをも含むものとする。
【0009】
本発明の特徴は、コンシーラパッチの支持体フィルム表面に、印刷技術を用いて着色を施す点にある。
【0010】
コンシーラパッチは、その色が一様でよければ、支持体フィルム原料に色素か顔料を混和してフィルム化すれば製造できる。しかし、部分的に肌色を変化させたいときは、この方法では製造できない。例えば、中央部を濃い肌色、周辺部を薄い肌色とし、中央部から周辺部に向かって次第に肌色が薄くなるように、すなわちグラデーションを付して着色したコンシーラパッチはこの方法では製造できない。部分的に肌色を変化させたコンシーラパッチは、本発明のように、支持体フィルム上に着色を印刷して初めて製造可能となる。
従って、本発明に係るコンシーラパッチの製造方法は、透明若しくは半透明の柔軟な支持体フィルムの表面を、印刷技術を用いて肌色に着色する工程と、前記支持体フィルム上に粘着剤層を形成する工程とを備える。
【0011】
コンシーラパッチは着色により顔面のシミやニキビ等を隠ぺいするものであるが、一様に着色しない方が望ましい。顔面のシミ、ソバカス、ニキビ跡やクマは局部的であるため、ある程度濃い色でないと隠すことができない反面、一様な濃い色だとコンシーラパッチの存在自体が不自然な印象を与えるためである。そのため、中央部分をやや濃い肌色とし、周辺部をより薄い自然な風合いとすることが望ましい。
【0012】
支持体フィルム表面の着色を一様としないため、あるいは着色にグラデーションを付すための印刷方法はいろいろ考えられる。本発明では3つの方法を試みた。
(1)平面的に着色する。平面的な肌色着色とは、支持体フィルムの表面に、少なくとも1つの肌色に着色された領域が設けられていることをいう。ほぼ平面的に一様な着色面を有する構成であってもよく、色の濃さが場所により変化してもよい。
(2)直線状、曲線状、波線状若しくは折れ線状の肌色線を用いる。
(3)多数のドットを用い、ドットの大きさや密度を変化させる。
当然ながら、この3方法のうち2つあるいは3つを組み合わせてもよい。
【0013】
平面的な肌色着色を用いる場合、場所により着色の濃さを変化させることが好ましい。特に中心部の着色を濃く、周辺部の着色を薄くし、グラデーションを付すことが好ましい。
コンシーラパッチの周辺部を無色とし、地肌を透けて見えるようにすればより一層コンシーラパッチの存在が目立たなくすることができる。
【0014】
肌色の線を用いる場合、2本の肌色線を直角に交差させることができる。あるいは3本の肌色線を互いに60°ずらして交差させてもよい。肌色線の方向数をより増やしてもよい。このように、肌色線が複数設けられていてもよく、その場合には、複数の肌色の線のうち少なくとも2本の線が、交差していることが好ましい。
ここで線の形状は直線、曲線、波線、折れ線などを選ぶことができ、またこれらに限定されない。なお、単に肌色の線若しくは肌色線というときは、直線、曲線、波線、折れ線などを含む。
【0015】
また、円形や楕円形などの閉鎖曲線を組み合わせてもよい。中心を合わせて同心円状としても、閉鎖曲線を互いに交差させてもよい。
【0016】
肌色線の間隔や太さは、一様でなくてもよい。また、グラデーションを付すには、肌色線の着色を中心部で濃く、周辺部で薄くすればよい。
【0017】
線の組み合わせを用いれば無色の部分を設けることができ、これにより地肌が透けて見え、コンシーラパッチの存在をより目立たなくすることができる。
【0018】
多数のドットを用いる場合、ドットの大きさや密度を変化させ、あるいは肌色の濃さを変化させることによりグラデーションの効果を得ることができる。例えば、多数の肌色のドットのうち少なくとも1つのドットの大きさ若しくは肌色の濃さが、他のドットと異なっていてもよい。また、多数の肌色のドットが、密度が相対的に高い領域と、密度が相対的に低い領域とを有するように配置されていてもよい。
なお、ドットの形状は円、楕円、四角、三角等いかなる形状をも用いることができる。また、ドットの形状は必ずしも同一である必要はなく、ドットの分布は必ずしも規則的である必要もない。なお、単に多数のドットというときは、円、楕円、四角、三角等いかなる形状のドットをも含むものとする。
【0019】
多数のドットを用いれば、当然無色の部分をも設けることができる。
【0020】
コンシーラパッチの肌色にグラデーションを付すには、平面的な肌色着色(肌色の領域)と交差する肌色線とを組み合わせてもよい。この際、平面的な肌色着色(肌色の領域)を、中央部を濃く周辺部を薄くするのが好ましい。また平面的着色(肌色の領域)における肌色を白に近い肌色とすれば、交差する肌色線とよく釣り合い全体としては目立たないようにできる。
【0021】
コンシーラパッチの肌色にグラデーションを付す際、平面的な肌色着色(肌色の領域)と多数のドットとを用いてもよい
【0022】
支持体フィルムの肌色を印刷する面と粘着剤層を備える面は、フィルムの同じ表面でも異なる表面でもよい。あるいは肌色をフィルムの両表面に印刷してもよい。
【0023】
柔軟な透明もしくは半透明の支持体フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンフィルム、またはエチレン酢ビ共重合体、ポリウレタン若しくはナイロンのフィルムを用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
【0024】
ポリウレタンフィルムが通気性及び柔軟性の点から最も好ましい。厚さは3〜100μmがよい。3μmより小さいと機械的強度が不足することがあり製造や皮膚への貼り付けに不便となる場合があり、100μmより大きいと厚すぎて皮膚に違和感を生じることがあるからである。より好ましくは厚さ5〜20μmがよい。
【0025】
ポリウレタンフィルムは裏打ちすると、加工や使用の際取扱がより一層容易となる。裏打ちフィルムは、工程紙、キャリアーあるいは台紙などと呼ばれる。
【0026】
コンシーラパッチの粘着剤層には、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコン系粘着剤を使用できる。必要に応じて乳酸オクチルドデシル、グリセリン、のような可塑剤を添加してもよい。
【0027】
粘着剤層の厚さは5〜100μmが好ましい。5μmより薄いと粘着力が不足することがあり、100μmより厚いと通気性が低くなることがあり長時間貼付に不適当であることがある。より好ましい粘着剤層厚さは5〜30μmである。
【0028】
コンシーラパッチの支持体フィルム及び/又は粘着剤層中に紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、美容成分又は皮膚用薬物を含ませ、コンシーラパッチの適応性を拡大してもよい。なお、これらは単独で用いてもよく、複数を併用してもよい。
紫外線吸収剤としては、2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ4メトキシベンゾフェノンのようなベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸及びその誘導体、サリチルホモネンチルのような酸誘導体、等の有機物紫外線吸収剤、紫外線散乱剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、等の紫外線散乱剤が使用できる。
美容成分の例としてはビタミンCやその誘導体(例えば、リン酸L−アスコルビルマグネシウム、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)、コウジ酸、レチノイン酸、及びその誘導体、ハイドロキノン等の美白成分、ビタミンAやその誘導体、αリボ酸、アデノシン、α−ヒドロキシ酸等の抗シワ成分、を挙げることができる。また、サリチル酸、等のニキビ治療成分、グリチルレチン酸(塩)等の抗炎症成分を配合してもよい。さらに安定剤として、BHT,ビタミンE、及びその誘導体(例えば酢酸トコフェロール)、などを配合してもよい。
【0029】
コンシーラパッチは、円形ならば直径5mmより大きいほうが使いやすい。主に顔面、足、腕に貼るので、大きくても約100cm程度である。コンシーラパッチの形状は、円形、楕円形、角が丸い長方形、正方形、ダイヤ型、顔型、勾玉型、などいろいろな形を用いることができる。
本発明に係る皮膚の美白ケア化粧方法は、本発明に従って構成されるコンシーラパッチを用いた皮膚の美白ケア化粧方法であって、前記粘着剤層が、美容成分及び/又は皮膚用薬物を含有していることを特徴とする。
本発明に係る皮膚のにきびケア化粧方法は、本発明に従って構成されるコンシーラパッチを用いた皮膚のにきびケア化粧方法であって、前記粘着剤層が、美容成分及び/又は皮膚用薬物を含有していることを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
コンシーラをスティックタイプ、クリームタイプやリキッドタイプではなくパッチタイプとしたので、皮膚への貼付が容易となった。熟練者でなくても容易にシミ、そばかす跡等の肌の欠点を覆い、自然な肌の風合いを感じさせることができる。
【0031】
コンシーラパッチの肌色を、支持体フィルム上に肌色を印刷して付すこととした結果、肌色にグラデーションを付すことが容易となった。その結果、コンシーラを使用していることが、外見上見つかりにくくなった。
【0032】
コンシーラパッチの肌色を、支持体フィルム上に肌色を印刷して付すこととした結果、無色の部分を設けることができ、着色形式の自由度が増加した。その結果、コンシーラパッチの肌色を、一様な着色ではなく交差する線やドットを用いて表現することが可能となった。無着色の部分から地肌が透け、より自然な感じとなった。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1図1は、半透明のフィルムの片面に肌色を印刷して着色した4種のコンシーラパッチの図である。
図2図2は、平面的な肌色着色(肌色の領域)と直線状の肌色線が重複した4種のコンシーラパッチの図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明の実施例を以下に示すが、本発明は実施例に限定されるわけではない。
本発明の実施例では全て円形のコンシーラパッチを使用しているが、本発明は楕円形や四辺形等他の形のパッチに対しても同様に適用できることは明らかである。
また、図中の平面的な着色や肌色線や肌色ドットは、輪郭線(円)を除き全て肌色により印刷されたものであるが、図面上では灰色で表現されている。
【0035】
(実施例1)
図1に示す4種のコンシーラパッチを試作した。図1(a)に示す例1は全面印刷パッチであり、全面に肌色が印刷されている。図1(b)に示す例2は部分印刷パッチであり、中心部には濃い肌色が印刷されているが周辺部は無色である。印刷上グラデーションは設けられていない。図1(c)に示す例3は網目状印刷パッチであり、肌色の互いに交差する直線群が網目状に印刷されている。色合いは、中心部が濃く、周辺に行くに従い薄く、グラデーションが付されている。図1(d)に示す例4はドット状印刷パッチであり、円形ドットを中心部では密に周辺部では疎に印刷することにより、全体的なグラデーションを有する。これらのコンシーラパッチは直径15mmの円形である。
【0036】
これらのコンシーラパッチは4層からなっている。皮膚に貼り付ける方向を下として、上から順に(1)工程紙(厚さ40μmのOPP)、(2)ウレタン支持体フィルム(厚さ7μm)、(3)粘着剤層(HiPAS10粘着剤、コスメディ製薬(株)製)、厚さ15μm)、(4)離型紙(目付量100g/m、シリコーン塗布)より構成されている。ウレタン支持体フィルムの片面に肌色の印刷が施されている。
【0037】
使用時には、まず離型紙(4)から(1)〜(3)部を剥がして皮膚に貼付した後、工程紙(1)を剥がす。
【0038】
4種コンシーラパッチ(図1(a)〜(d))各1枚を5名のボランティアの下腕皮膚に貼り、“目立たなさ試験”を実施した。試験は、4種のコンシーラパッチを5名のボランティアに貼付し、50cmの距離から目視により認識できるか否かにより判定した。
【0039】
全面印刷パッチ(a)は、5名分全て50cmの距離から明瞭に認識できた。部分印刷パッチ(b)は、5名分全て、貼付部位を指摘されて初めて認識できた。網目状印刷パッチ(c)及びドット状印刷パッチ(d)は、5名のうち2名分は貼付部位を指摘されて初めて認識できたが、残りの3名分は貼付部位を指摘されても認識できなかった。この試験により、網目状、ないしドット状に印刷したものが他の2種より目立ちにくく、“目立たなさ”性が優れると結論できる。
【0040】
(実施例2)
平面的な肌色着色と直線状の肌色線が重複したコンシーラパッチを試作した。平面的な肌色着色は、中央が濃く、周辺に行くに従い次第に色を薄くした。直線状の肌色線は、グラデーションが付されたものと付されていないものを作成し比較した。
【0041】
試作したのは次の4種である。図2は灰色で画かれているが、実物の色は肌色である。
例5:平面的な肌色着色は、肌色が中心点から周辺に向かって次第に薄くなる。直線状の肌色線は、色の濃さの変化がない。この例を図2(a)に示す。
例6:平面的な肌色着色は、直径3mmの濃さが一様な中央部があり、肌色はそこから周辺に向かって色が次第に薄くなる。直線状の肌色線は色の濃さの変化がない。この例を図2(b)に示す。
例7:平面的な肌色着色は、濃さが一様な中央部はなく、肌色が中央から周辺に向かって次第に薄くなる。直線状の肌色線は、中央から周辺に向かって色が次第に薄くなる。この例を図2(c)に示す。
例8:平面的な白色着色は、直径3mmの濃さが一様な中央部があり、白色はそこから周辺に向かって色が次第に薄くなる。直線状の肌色線は、中央から周辺に向かって色が次第に薄くなる。この例を図2(d)に示す。
【0042】
図2の4種を比較すると、直線状の肌色線が中央から周辺に向かって色が次第に薄くなる例の方が、目立ちにくく、少し離れた距離からはコンシーラパッチが付されていると視認されにくい。
【0043】
(実施例3)
図1(c)の例3のコンシーラパッチの基本構成をもとに、紫外線吸収剤や美容成分等の有価成分を含ませて、表1に示すような機能性コンシーラパッチを作成した。
【0044】
支持体フィルムにはウレタンフィルム(コスメディ製薬製)を、粘着剤にはHiPAS10(コスメディ製薬製)を用いた。有価成分は、表に示すように、支持体フィルム若しくは粘着剤層に含有させ、その配合量を重量%で示している。これらの有価成分はナカライテスク(京都)より購入した。
【0045】
しみ評価法は、ボランティア3名のしみ部に適用し、1回/1日で4週間適用後の自己申告により評価した。評価は下記のスコアの平均点である。
【0046】
スコア0 まったく変化なし
スコア7 完全にしみが消えた
【0047】
【表1】
【0048】
(実施例4)
図2(d)の例8と同じ肌色着色と、実施例1と同じ粘着剤を用い、粘着剤に可塑剤や美容成分等の有価成分を表2のように含ませて機能性コンシーラパッチを作成した。支持体フィルムは厚さ10μmのウレタンフィルムであり、2−ヒドロキシベンゾフェノンを2重量%配合した。
【0049】
【表2】
【0050】
このコンシーラパッチの評価結果は以下のようであった。
1. 紫外線遮蔽 UVA 97.2%遮蔽 UVB98.6%遮蔽
2. 目立たなさ性 3名のボランティアでのテスト結果では、パッチは貼付部位を指摘されても認識できなかった。
図1
図2