【文献】
Motorola Mobility,SRS Enhancements for CoMP[online],3GPP TSG-RAN WG1#70 R1-123814,2012年 8月17日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123814.zip>
【文献】
Alcatel-Lucent Shanghai Bell, Alcatel-Lucent,Motivation analysis of Inter-band Carrier aggregation with different TDD UL-DL configurations[online],3GPP TSG-RAN WG1#66b R1-113312,2011年10月14日,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_66b/Docs/R1-113312.zip>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下の各実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定の形態として結合したものである。各構成要素又は特徴は、別途の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態として実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれることもでき、あるいは他の実施例の対応する構成又は特徴に取って代わることもできる。
【0045】
本明細書において、本発明の各実施例は、基地局と端末との間のデータ送受及び受信の関係を中心に説明する。ここで、基地局は、端末と直接通信を行うネットワークの終端ノード(terminal node)としての意味を有する。本文書で、基地局によって行われると説明された特定動作は、場合によっては、基地局の上位ノード(upper node)によって行われてもよい。
【0046】
すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、端末との通信のために行われる多様な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われることができることは自明である。‘基地局(Base Station)’は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(AP:Access Point)などの用語に代替可能である。‘中継器’は、Relay Node(RN)、Relay Station(RS)などの用語に代替可能である。また、‘端末(Terminal)’は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)、SS(Subscriber Station)などの用語に代替可能である。
【0047】
以下の説明で用いられる特定用語は、本発明の理解を助けるために提供されたもので、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で他の形態に変更可能である。
【0048】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置を省略するか、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示することができる。また、本明細書全体において同一の構成要素については同一の図面符号を使用して説明する。
【0049】
本発明の各実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の各実施例のうち本発明の技術的思想を明確に表すために説明を省いた段階又は各部分は、前記各文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している全ての用語は、前記標準文書によって説明することができる。
【0050】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC―FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などの多様な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000などの無線技術(radio technology)として具現することができる。TDMAは、GSM(登録商標)(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)などの無線技術として具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などの無線技術として具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であって、ダウンリンクでOFDMAを採用し、アップリンクでSC−FDMAを採用する。LTE―A(Advanced)は、3GPP LTEの進化である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び発展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)により説明できる。明確性のために、以下では3GPP LTE及びLTE−A標準を中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0051】
図1は3GPP LTEにおける無線フレームの構造を示す。
【0052】
図1はタイプ2のフレーム構造(frame structure type2)を示す。タイプ2のフレーム構造はTDDシステムに適用される。一つの無線フレーム(radio frame)は、
【化1】
の長さを有し、
【化2】
の長さを有する二つのハーフフレーム(half−frame)でなる。それぞれのハーフフレームは
【化3】
の長さを有する五つのサブフレームでなる。i番目サブフレームは2iと2i+1に当る各
【化4】
の長さを有する二つのスロットでなる。ここで、Tsはサンプリング時間を示し、Ts=1/(15kHz×2048)=3.2552×10−8(約33ns)で表示される。
【0053】
タイプ2のフレームにはDwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(GP:Guard Period)、UpPTS(Uplink Pilot Time Slot)の3種のフィールドでなるスペシャルサブフレーム(special subframe)を含む。ここで、DwPTSは端末での初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは基地局でのチャネル推定と端末の上り伝送同期を合わせるのに用いられる。保護区間は上りリンクと下りリンクの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生ずる干渉を除去するための区間である。DwPTS、GP、UpPTSは表1のスペシャルサブフレームに含まれている。
【0054】
図2は
図1の無線フレーム構造においてフレーム設定の一例を示す。
【0055】
図2で、Dは下りリンク(Downlink)伝送のためのサブフレーム、Uは上りリンク(Uplink)伝送のためのサブフレーム、Sは保護時間(guard time)のための特別なサブフレームである。
【0056】
各セル内の全ての端末は共通的に前記
図2の設定の中で一つのフレーム設定を有する。すなわち、セルによってフレーム設定が違うため、セル特定設定(cell−specific configuration)と言える。
【0057】
図3は、ダウンリンクサブフレームの構造を示す図である。一つのサブフレーム内で1番目のスロットの先頭部分の最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理ダウンリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Channel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。送信の基本単位は一つのサブフレームになる。すなわち、2個のスロットにわたってPDCCH及びPDSCHが割り当てられる。3GPP LTEシステムで用いられるダウンリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理ダウンリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの1番目のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に対する情報を含む。PHICHは、アップリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHを通じて送信される制御情報をダウンリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、アップリンク又はダウンリンクスケジューリング情報を含むか、あるいは任意の端末グループに対するアップリンク送信電力制御命令を含む。PDCCHは、ダウンリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割当て及び伝送フォーマット、アップリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上で送信される任意接続応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末は複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組合せで送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づいたコーディングレートでPDCCHを提供するために使用される論理割当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマットと可用のビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレートとの間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって、無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)という識別子でマスキングされる。PDCCHが特定端末のためのものである場合、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子がCRCにマスキングされ得る。又は、PDCCHがページングメッセージのためのものである場合、ページング指示子識別子(paging Indicator Identifier;P−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))のためのものである場合、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。端末の任意接続プリアンブルの送信に対する応答である任意接続応答を表すために、任意接続−RNTI(RA−RNTI)がCRCにマスキングされ得る。
【0058】
図4は、アップリンクサブフレームの構造を示す図である。アップリンクサブフレームは、周波数領域で制御領域とデータ領域とに分割することができる。制御領域には、アップリンク制御情報を含む物理アップリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザーデータを含む物理アップリンク共有チャネル(Physical Uplink shared Channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、一つの端末は、PUCCHとPUSCHを同時に送信しない。一つの端末に対するPUCCHは、サブフレームでリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは2スロットに対して互いに異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホッピング(frequency−hooped)されるという。
【0059】
多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング
【0060】
MIMO(Multiple Input Multiple Output)システムは、多重送信アンテナと多重受信アンテナとを使用してデータの送受信効率を向上させるシステムである。MIMO技術は、全体メッセージを受信するために単一アンテナ経路に依存せず、複数個のアンテナを通じて受信される複数個のデータ断片を組み合わせて全体データを受信することができる。
【0061】
MIMO技術には、空間ダイバーシティ(Spatialdiversity)技法と空間多重化(Spatial Multiplexing)技法などがある。空間ダイバーシティ技法は、ダイバーシティ利得(gain)を通じて伝送信頼度(reliability)を高めたり、セル半径を広めたりすることができて、高速で移動する端末に対するデータ送信に適している。空間多重化技法は、互いに異なるデータを同時に送信することによって、システムの帯域幅を増加させずに、データ伝送率を増加させることができる。
【0062】
図5は、多重アンテナを有する無線通信システムの構成図である。
図5(a)に示されたように、送信アンテナの数をNT個、受信アンテナの数をNRと増やすと、送信機又は受信機のいずれかでのみ複数のアンテナを用いる場合とは違って、アンテナ数に比例して理論的なチャネル伝送容量が増加する。そのため、伝送レートを向上させ、周波数効率を画期的に向上させることができる。チャネル伝送容量が増加するにつれて、伝送レートは理論的に単一アンテナ使用時における最大伝送レート(Ro)にレート増加率(Ri)がかけられた分だけ増加できる。
【0064】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて理論上、4倍の伝送レートを獲得できる。多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代半ばに証明されて以来、これを実質的なデータ伝送率の向上へと導くための多様な技術が現在まで活発に研究されている。また、いくつかの技術は既に3世代移動通信と次世代無線RANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0065】
現在までの多重アンテナ関連研究動向をみると、多様なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などと関連した情報理論側面研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出研究、伝送信頼度向上及び伝送率向上のための時空間信号処理技術研究などを含め、多様な観点で活発に研究が進められている。
【0066】
多重アンテナシステムにおける通信方法を、数学的モデリングを用いてより具体的に説明する。前記システムにはNT個の送信アンテナとNR個の受信アンテナが存在すると仮定する。
【0067】
送信信号について説明すると、NT個の送信アンテナがある場合、送信可能な最大情報はNT個である。伝送情報は下記のように表現できる。
【0069】
それぞれの伝送情報
【化5】
は、送信電力が異なってもよい。それぞれの送信電力を
【化6】
とすれば、送信電力の調整された伝送情報は、下記のように表現できる。
【0071】
また、
【化7】
は、送信電力の対角行列
【化8】
を用いて、下記のように表現できる。
【0073】
送信電力の調整された情報ベクトル(information vector)
【化9】
に重み行列
【化10】
が適用されて、実際に送信されるN
T個の送信信号
【化11】
が構成される場合を考慮してみよう。重み行列
【化12】
は、送信情報を伝送チャネル状況などに応じて各アンテナに適切に分配する役割を果たす。
【化13】
は、ベクトル
【化14】
を用いて下記のように表現できる。
【0075】
ここで、W
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の情報との間における重み値を意味する。Wは、プリコーディング行列とも呼ばれる。
【0076】
一方、送信信号xは、2つの場合(例えば、空間ダイバーシティ及び空間多重化)によって互いに異なる方法で考慮され得る。空間多重化の場合、互いに異なる信号が多重化され、該多重化された信号が受信側に送信されて、情報ベクトルの要素(element)が互いに異なる値を有する。一方、空間ダイバーシティの場合には、同一の信号が複数個のチャネル経路を通じて反復的に送信されて、情報ベクトルの要素が同一の値を有する。もちろん、空間多重化及び空間ダイバーシティ技法の組合せも考慮し得る。すなわち、同一の信号が、例えば、3個の送信アンテナを通じて空間ダイバーシティ技法によって送信され、残りの信号は、空間多重化されて受信側に送信されてもよい。
【0077】
N
R個の受信アンテナがある場合、各アンテナの受信信号
【化15】
はベクトルで下記のように表現できる。
【0079】
多重アンテナ無線通信システムでチャネルをモデリングする場合、チャネルは送受信アンテナインデックスによって区別できる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルを
【化16】
と表示するとする。
【化17】
において、インデックスの順序は受信アンテナインデックスが先で、送信アンテナのインデックスが後であることに留意されたい。
【0080】
図5(b)に、NT個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す。このチャネルをまとめてベクトル及び行列形態で表示できる。
図5(b)で、総NT個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルは、下記のように表すことができる。
【0082】
したがって、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナに到着する全てのチャネルは、下記のように表現できる。
【0084】
実際チャネルにはチャネル行列
【化18】
を経た後に、白色雑音(AWGN;Additive White Gaussian Noise)が加えられる。N
R個の受信アンテナのそれぞれに加えられる白色雑音
【化19】
は、下記のように表現できる。
【0086】
上述した数式モデリングを通じて受信信号は下記のように表現できる。
【0088】
チャネル状態を表すチャネル行列
【化20】
の行と列の数は、送受信アンテナの数によって決定される。チャネル行列
【化21】
において、行の数は受信アンテナの数N
Rと同じであり、列の数は送信アンテナの数NTと同じである。すなわち、チャネル行列
【化22】
は、行列がN
R×N
Tとなる。
【0089】
行列のランク(rank)は、互いに独立した(independent)行又は列の個数のうち、最小個数と定義される。このため、行列のランクは、行又は列の個数よりも大きくなることはない。チャネル行列
【化23】
のランク
【化24】
は、下記のように制限される。
【0091】
MIMO送信において、‘ランク(rank)’は、独立的に信号を送信できる経路の数を表し、‘レイヤー(layer)の個数’は、各経路を通じて送信される信号ストリームの個数を表す。一般的に送信端は、信号送信に用いられるランク数に対応する個数のレイヤーを送信するため、特別な言及がない限り、ランクはレイヤーの個数と同一の意味を有する。
【0092】
参照信号(Reference Signal;RS)
【0093】
無線通信システムにおいてパケットを送信する時、送信されるパケットは、無線チャネルを通じて送信されるため、送信過程において信号の歪みが発生することがある。歪んだ信号を受信側で正しく受信するためには、チャネル情報を用いて受信信号において歪みを補正しなければならない。チャネル情報を獲得するために、送信側と受信側の両方で知っている信号を送信し、前記信号がチャネルを通じて受信される時の歪み度合によりチャネル情報を得る方法を主に用いる。前記信号をパイロット信号(Pilot Signal)又は参照信号(Reference Signal)という。
【0094】
多重アンテナを用いてデータを送受信する場合には、正しい信号を受信するために、各送信アンテナと受信アンテナとの間におけるチャネル状況を知る必要がある。したがって、各送信アンテナ別に別個の参照信号が存在すべきである。
【0095】
移動通信システムにおいて参照信号(RS)は、その目的によって2種類に大別できる。一つは、チャネル情報獲得のために使用されるRSで、他の一つはデータ復調のために使用されるRSである。前者は、端末がダウンリンクチャネル情報を獲得するようにするためのRSであるので、広帯域で送信されなければならず、特定サブフレームでダウンリンクデータを受信しない端末でも、該当のRSを受信及び測定できなければならない。このようなRSは、ハンドオーバーなどのための測定のためにも使用される。後者は、基地局がダウンリンクを送る時、該当のリソースに共に送るRSとして、端末は、該当のRSを受信することによって、チャネル推定を行うことができ、したがって、データを復調できるようになる。このようなRSは、データが送信される領域で送信されなければならない。
【0096】
既存の3GPP LTE(例えば、3GPP LTE リリース−8)システムでは、ユニキャスト(unicast)サービスのために2種類のダウンリンクRSを定義する。そのうち一つは、共通参照信号(Common RS;CRS)で、他の一つは、専用参照信号(dedicated RS;DRS)である。CRSは、チャネル状態に対する情報獲得及びハンドオーバーなどのための測定のために使用され、セル特定(cell−specific)RSと称することもできる。DRSは、データ復調のために使用され、端末特定(UE−specific)RSと称することもできる。既存の3GPP LTEシステムで、DRSは、単にデータ復調用に用いられ、CRSは、チャネル情報取得及びデータ復調といった2つの目的で用いられてもよい。
【0097】
CRSは、セル特定で送信されるRSであり、広帯域(wideband)に対して毎サブフレームごとに送信される。CRSは、基地局の送信アンテナ個数によって、最大4個のアンテナポートに対して送信されてもよい。例えば、基地局の送信アンテナの個数が2個である場合、0番と1番のアンテナポートに対するCRSが送信され、4個である場合、0〜3番のアンテナポートに対するCRSがそれぞれ送信される。
【0098】
図6は、基地局が4個の送信アンテナを支援するシステムにおいて、一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12副搬送波)上でのCRS及びDRSのパターンを示す図である。
図6で、‘R0'、‘R1’、‘R2'及び‘R3'と表示されたリソース要素(RE)は、それぞれアンテナポートインデックス0、1、2及び3に対するCRSの位置を表す。一方、
図6で、‘D'と表示されたリソース要素は、LTEシステムで定義されるDRSの位置を表す。
【0099】
LTEシステムの進化発展した形態のLTE−Aシステムでは、ダウンリンクで最大8個の送信アンテナを支援できる。したがって、最大8個の送信アンテナに対するRSも支援しなければならない。LTEシステムでのダウンリンクRSは、最大4個のアンテナポートに対してのみ定義されているので、LTE−Aシステムで、基地局が4個以上、最大8個のダウンリンク送信アンテナを有する場合、これらアンテナポートに対するRSが追加的に定義されなければならない。最大8個の送信アンテナポートに対するRSとして、チャネル測定のためのRSとデータ復調のためのRSの両方とも考慮しなければならない。
【0100】
LTE−Aシステムを設計する際に重要な考慮事項のうち一つは、下位互換性(backward Compatibility)である。下位互換性とは、既存のLTE端末がLTE−Aシステムでも正しく動作するように支援するのを意味する。RS送信観点から見る時、LTE標準において定義されているCRSが全帯域で毎サブフレームごとに送信される時間−周波数領域に、最大8個の送信アンテナポートに対するRSを追加する場合、RSオーバーヘッドが過度に大きくなる。そのため、最大8アンテナポートに対するRSを新しく設計するにあたり、RSオーバーヘッドを減少させることを考慮しなければならない。
【0101】
LTE−Aシステムで新しく導入されるRSは、2種類に大別できる。そのうち一つは、伝送ランク、変調及びコーディング技法(Modulation and Coding Scheme;MCS)、プリコーディング行列インデックス(Precoding Matrix Index;PMI)などの選択のためのチャネル測定目的のRSであるチャネル状態情報−参照信号(Channel State Information RS;CSI−RS)で、他の一つは、最大8個の送信アンテナを通じて送信されるデータを復調するための目的のRSである復調−参照信号(DeModulation RS;DM RS)である。
【0102】
チャネル測定目的のCSI−RSは、既存のLTEシステムでのCRSが、チャネル測定、ハンドオーバー測定などの目的と同時に、データ復調のために使用されるのとは違い、主にチャネル測定を目的として設計される特徴がある。もちろん、CSI−RSもハンドオーバーなどの測定の目的で用いることも可能である。CSI−RSがチャネル状態に対する情報を得る目的でのみ送信されるので、既存のLTEシステムでのCRSとは違い、毎サブフレームごとに伝送されなくてもよい。したがって、CSI−RSのオーバーヘッドを減少させるために、CSI−RSは、時間軸上で間欠的に(例えば、周期的に)送信されるように設計することができる。
【0103】
もし、ダウンリンクサブフレーム上でデータが送信される場合には、データ送信がスケジューリングされた端末に専用で(dedicated)DM RSが送信される。特定端末専用のDM RSは、該当の端末がスケジューリングされたリソース領域、すなわち、該当の端末に対するデータが送信される時間−周波数領域でのみ送信されるように設計することができる。
【0104】
図7は、LTE−Aシステムで定義されるDM RSパターンの一例を示す図である。
図7では、ダウンリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12副搬送波)上でDM RSが送信されるリソース要素の位置を表す。DM RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される4個のアンテナポート(アンテナポートインデックス7、8、9及び10)に対して送信されてもよい。互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、互いに異なる周波数リソース(副搬送波)及び/又は互いに異なる時間リソース(OFDMシンボル)によって区分できる(すなわち、FDM及び/又はTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するDM RSは、互いに直交コード(orthogonal code)によって区分できる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図7の例示で、DM RS CDMグループ1と表示された各リソース要素(RE)には、アンテナポート7及び8に対するDM RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。同様に、
図7の例示で、DM RSグループ2と表示された各リソース要素には、アンテナポート9及び10に対するDM RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
【0105】
図8は、LTE−Aシステムで定義されるCSI−RSパターンの例示を示す図である。
図8では、ダウンリンクデータが送信される一つのリソースブロック(一般CPの場合、時間上で14個のOFDMシンボル×周波数上で12副搬送波)上でCSI−RSが送信されるリソース要素の位置を表す。どのダウンリンクサブフレームにおいても、
図8(a)乃至8(e)のうち一つのCSI−RSパターンが用いられることができる。CSI−RSは、LTE−Aシステムでさらに定義される8個のアンテナポート(アンテナポートインデックス15、16、17、18、19、20、21及び22)に対して送信されてもよい。互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、互いに異なる周波数リソース(副搬送波)及び/又は互いに異なる時間リソース(OFDMシンボル)によって区分できる(すなわち、FDM及び/又はTDM方式で多重化できる)。また、同一の時間−周波数リソース上に位置する互いに異なるアンテナポートに対するCSI−RSは、互いに直交コード(orthogonal code)によって区分することができる(すなわち、CDM方式で多重化できる)。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ1と表示されたリソース要素(RE)には、アンテナポート15及び16に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ2と表示されたリソース要素には、アンテナポート17及び18に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ3と表示されたリソース要素には、アンテナポート19及び20に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)の例示で、CSI−RS CDMグループ4と表示されたリソース要素には、アンテナポート21及び22に対するCSI−RSが位置することができ、これらは直交コードによって多重化できる。
図8(a)を基準に説明した同一の原理が
図8(b)乃至
図8(e)に適用され得る。
【0106】
図9は、LTE−Aシステムで定義されるZP(Zero Power)CSI−RSパターンの例示を示す図である。ZP CSI−RSの用途は2つに大別される。その第一は、CSI−RS性能改善のための用途である。すなわち、あるネットワークは他のネットワークのCSI−RS測定性能を改善するために、他のネットワークのCSI−RS REにミューティング(muting)をし、自身のUEが正しくレートマッチング(rate matching)を行うように、ミューティングされたREをZP CSI−RSに設定して知らせることができる。その第二は、CoMP CQI計算のための干渉測定の用途である。すなわち、ZP CRS−RS REに一部のネットワークがミューティングを行い、UEはこのZP CSI−RSから干渉を測定してCoMP CQIを計算することができる。
【0107】
図6乃至
図9のRSパターンは単に例示的なものであり、本発明の様々な実施例を適用するに当たり特定のRSパターンに限定されるわけではない。すなわち、
図6乃至
図9と異なるRSパターンが定義及び使用される場合にも、本発明の様々な実施例を同一に適用することができる。
【0108】
FDR伝送(Full Duplex Radio Transmission)
【0109】
Full Duplex Radio(FDR)は伝送装置で同じリソースを用いて送受信を同時に支援することができるシステムを示す。例えば、FDRを支援する基地局又は端末は上り及び下りリンクを周波数/時間などで分けてデュプレックシング(Duplexing)せずに送信することができる。
【0110】
図10はFDRを支援するシステムの一例を示す。
【0111】
図10を参照すれば、FDRシステムでは大きく2種類の干渉が存在する。
【0112】
一番目は自己干渉(Intra−device interference)で、FDR装置で送信アンテナが送信する信号が自分の受信アンテナに受信されて干渉として作用するものを言う。一般に、自己干渉(Self−interference)信号は自分が受信しようとする信号(desired signal)より強く受信される。よって、干渉相殺作業によって完全に除去することが重要である。
【0113】
二番目は装置間の干渉(Inter−device interference)で、基地局又は端末で送信した上りリンク信号が隣接した基地局又は端末に受信されて干渉と作用するものを言う。既存の通信システムでは、上りリンク/下りリンクのそれぞれに対して周波数又は時間などで分離するハーフデュプレックス(Half−duplex:例えば、FDD、TDD)を具現したため、上り及び下りリンクの間には干渉が発生しない。しかし、FDR伝送環境で上り及び下りリンクは同一の周波数/時間リソースを共有するため、FDR装置と隣接装置の間に干渉が発生することができる。
【0114】
一方、既存の通信システムにおける隣接セルの干渉はFDRシステムでも依然として有効であるが、本発明では扱わない。
【0116】
前述したように、装置間の干渉(Inter−device interference、IDI)はセル(cell)内で同一リソースを用いることによってFDRでのみ発生する干渉である。
【0117】
図11を参照すれば、UE1が基地局に送信する上りリンク信号はUE2に干渉として作用することができる。
【0118】
図11はIDIの説明の便宜のために二つのUEを示した簡単な例示であり、本発明の特徴はUEの数に限定されない。
【0119】
前述したように、FDRは同一時間及び同一周波数を用いて送受信を同時に支援するシステムを意味する。すなわち、例えば、
図11のように、UE1は上りリンク、UE2は下りリンクが同時に発生することができる。すなわち、FDRを支援する端末は上りリンクと下りリンクを同時に支援しなければならない。しかし、前述した表1のような既存の通信システムで用いる設定は端末が一瞬間に上りリンク又は下りリンクの一方のみを送信するようになって、FDRを支援することができない問題点がある。
【0120】
本発明によるFDRのTDDフレーム設定方法
【0121】
本発明はFDRを用いるTDD通信システムを支援するためのフレーム設定方法及びこれを支援するための区別信号の送受信方法を提供する。
【0122】
以下では、説明の便宜のために、LTE標準と同様に、一つの無線フレーム(radio frame)の長さを10ms、一つのサブフレーム(sub−frame)の長さを1msと仮定するが、本発明の特徴は前記無線フレームの長さ及びサブフレームの長さに限られるものではない。
【0123】
FDRを支援するための方法でセル内の端末が上りリンクと下りリンクを同時に行うことができるように各端末別にフレームを設定することができる。
【0124】
例えば、同一セル内でUE1が
図2の設定3を割り当てられ、UE2が
図2の設定4を割り当てられることを仮定する。この場合、サブフレーム4でUE1とUE2の同時送受信が可能である。すなわち、セル内で端末別にフレームを異に設定することを用いてセル内で同時送受信ができるようにすることができる。
【0125】
フレーム設定を行うとき、基地局はセル内端末に同期信号(synchronization signal)とシステム情報(relevant system information)伝送を支援するために、一つの無線フレーム内に最小一つのD(Downlink)サブフレームを含むように設定することができる。
【0126】
また、端末の情報及びデータを上りリンク送信する前にtiming advancedなどを考慮したGP(Guard Period)などを配置しなければならないので、U(Uplink)サブフレームの前にS(Special)サブフレームを配置することができる。
【0127】
非対称的(non−symmetric)下りリンク/上りリンクトラフィックとオーバーヘッド(overhead)を考慮して多様な形態のフレーム設定を用いることができる。特に、毎無線フレームで同期信号とシステム情報を送信するものではないから、Dサブフレーム又はUサブフレームがない無線フレームを用いることもできる。
【0128】
また、下りリンクに対するH−ARQを行うために、最小一つ以上のUサブフレームが含まれて送信されることができる。
【0129】
サブフレーム設定の例として、
図2のセル特定フレーム設定をそのまま端末特定(UE−Specific)フレーム設定に用いることができる。
【0130】
例えば、
図11のUE1は、
図2の設定#0を、UE2は設定#2を用いる場合、#3、#4、#8、#9サブフレームで基地局のFD(Full Duplex)動作が可能である。
【0131】
本発明によれば、データトラフィックに対する対称性を考慮してフレームを設定することができる。
【0132】
例えば、
図2の設定#1をFDモードで用いるとしたら、相手端末は同時送受信トラフィックに対する最大伝送のために
図12のフレーム設定に従うことが好ましい(5msの周期であるので、#3、#4、#8、#9サブフレームのみ変更)。
【0133】
図12は
図2の設定1に対する相手端末フレーム設定の一例である。
【0134】
しかし、下りリンクから上りリンクへの変更点によって実際には
図12のような構成は難しい。#4と#9サブフレームの前には必ずGPが含まれたSサブフレームが存在しなければならないからである。よって、
図2の設定#1のD/Uサブフレームの比率が1:1である場合、変更点を考慮して
図13のような二つの設定を用いることができる。
【0135】
図13は
図2の設定#1のようにD/Uの比率が1:1である設定に対する2種の構成例である。
【0136】
本発明の実施例によると、多様なD/Uサブフレームの比率に対するオーバーヘッドを考慮し、下りリンクから上りリンクへの変更点数が最小になるフレーム設定を提案する。
【0137】
すなわち、変更点で必ずSサブフレームが必要なので、Sサブフレームを最小にしてオーバーヘッドが少なくなるように無線フレームを設定する。
【0138】
また、装置間の干渉(IDI)は同一セル内で同時に送受信する端末の場合に発生する。よって、端末間の干渉を最小化するために、全体設定に対して各サブフレームでUサブフレームができるだけ公平に配分された形態となるように設定することが好ましい。このような配置は、IDIを発生させる端末の数を最小化するとともにFDモードの利用を極大化することができる。
【0139】
新たなフレーム設定の際、基地局は既使用中のフレーム設定の各サブフレームに対するUサブフレームの数を把握し、Uサブフレームの数が一番少ないサブフレーム区間からUサブフレームを割り当てることができる。この際、使用中の設定をシフト(shift)して、サブフレームに割り当てられたUサブフレームの数を分散させることができる。シフト値はradio frameの繰り返し周期を考慮して最大((radio frame繰り返し周期/TTI)−1)の値を有することができる。
【0140】
図14は既存通信システムにおいて最小変更点数のみを考慮した設定(
図2の設定#3、#4、#5)を示し、
図15は
図14を最小変更点数だけでなく、できるだけ公平にUサブフレームが分配されるようにサブフレームをシフトしたフレーム設定の一例を示す。
【0141】
この際、
図15は、
図14に比べ、設定#3に対してはシフト値0、設定#4に対してはシフト値3、設定#5に対してはシフト値5を適用したものである。
【0142】
図14の場合、設定#5を用いる端末はサブフレーム#3によって設定#3、#4を用いる端末からIDIを受けることになる。一方、
図15では、全ての設定に対し、端末は最大1人の端末からIDIを受けることになる。
【0143】
このような配置方法は、干渉を受ける端末の数を減らすことで、下記の署名(signature)信号利用方法などのように端末を区別することができる識別子をfull searchで探す場合、回数を減らす利点を有する。
【0144】
図14は、設定#5を用いる端末が他の端末とサブフレーム#3又は#4でのみFDモードを用いることができるが、
図15は#0、#1、#8、#9を除いた残りのサブフレームでFDモードを用いることができる利点を有する。
【0145】
一方、FDRシステムのみのためのradioサブフレームで
図16のフレーム設定を構成することができる。
【0146】
ここで、Sサブフレームを無くすためにUサブフレームのみで構成された設定は以前radio frameの最後のサブフレームがUである場合にのみ用いる。
【0147】
大容量のデータ(例えば、マルチメディアデータ)アップ/ダウントラフィック容量がほぼ同一である場合、
図16はSサブフレームが存在しないので、最大伝送量を提供することができる。
【0148】
基地局は各UEにUE特定設定を知らせるための情報を上位階層シグナリング(higher layer signaling)を用いて送信することができる。
【0149】
この際、基地局は、UE特定設定を決定するために、各UEからトラフィックに対する情報を受信することができる。
【0150】
また、基地局は、UEが好むフレーム設定情報をPUCCHに送信される上りリンク制御情報(UCI)を用いて受信することもできる。UEが好む設定情報をUCIにnビットとして付け加える場合、総2
n個の設定に区分することができる。
【0151】
基地局は、UEからトラフィック情報又は好み設定情報を受信した後、これに対する設定構成を決定する。基地局は、設定を決定するとき、UEから受信した情報を単に参照のみするか、UEの上りリンク/下りリンク伝送要求が強い場合、UEが好む設定を無条件収容することもできる。
【0152】
あるいは、端末が受信する干渉の電力レベル(power level)をサブフレーム別に基地局で送信し、基地局は該当の端末の周りに干渉によって影響を及ぼす端末の数を間接的に類推することができる。これにより、基地局は干渉の影響を及ぼす端末と干渉に影響される端末の設定を変更することができる。この際、各サブフレームの干渉情報はUCIを介して送信できる。例えば、二つ以上の干渉の存在有無を各サブフレーム別に1ビット指示子で表現することができ、
図15の場合は総10ビットが必要である。
【0153】
例えば、
図14の場合、3人のUEにそれぞれ設定#3、#4、#5を割り当てた場合、設定#5を用いるUEは
図17のような10ビット干渉情報を介して送信することができる。
【0154】
UEは、トラフィック情報又は好み設定情報を毎上りリンクサブフレームごとに送信することができる。基地局は、これを用いてフレーム設定を再び行うか、FDモードが最も効果的に遂行できるUEを再び検索することができる。例えば、
図2の設定#0と#5を好むUEが存在するとき、これらUE間のFDモード伝送ができるように、基地局がUEを選択することができる。
【0155】
UEは、トラフィック情報又は好み設定情報を一部の上りリンクサブフレームに送信することができる。例えば、トラフィック量又は好み設定情報が変更された場合、上りリンクサブフレームでトラフィック情報又は好み設定情報を送信することができる。このような設定情報を含まない上りリンクサブフレームを受信した基地局は、UEに対する設定を変更しないか、他のUEの設定を考慮してUEの設定を変更することができる。
【0156】
図18はUE特定(specific)TDDモードで本発明の一実施例の流れ図である。
【0157】
以下では
図11のUE1とUE2を仮定して説明するが、本実施例による方法は二つ以上のUEに対してもFDモードで動作することになるUE対(pair)に対してFDMA、TDMAなどで同様に適用されることができる。
【0158】
まず、基地局はUE特定TDDモード動作を指示する(S1801)。
【0159】
UE特定TDDモード動作指示はPDCCHに送信されるDCIを介して行うことができる。
【0160】
ついで、基地局は初期UE特定フレーム設定情報を送信する。初期UE特定フレーム設定情報は、上りリンク/下りリンク端末がFDモードで効果的に動作するために、
図2の設定#1のように上りリンク/下りリンクサブフレームが同等な比率を有するように設定することができる。
【0161】
初期UE特定フレーム設定情報を受信したUEはPUCCHを基地局に送信し(S1805)、基地局はこれに基づいてUE特定設定情報を送信する(S1807)。ここで、UE特定設定情報は前述したフレーム設定方法による本発明の多くの実施例が適用されることができる。
【0162】
その後、端末特定TDDが不要であれば、これを終了し(S1809、s1811)、端末特定TDDが続く場合、端末のPUCCHを介して受信される情報を用いるかを判断する(S1813)。PUCCHを用いる場合、UEがPUCCHを送信するS1805段階に帰り、PUCCHを介して設定されない場合、基地局がUE特定設定情報を送信するS1807段階に帰る。
【0163】
UEの間にはFDモードによる干渉である装置間の干渉(IDI、Inter−Device interference)が発生することができる。このような干渉を測定してIDIを減少させるため、各端末又は各端末グループに対して固有の署名(signature)を付与することができる。以下では、端末間に区別可能な干渉測定のための信号を署名(signature)信号という。
【0164】
端末は、受信された署名信号を用いて、IDIを引き起こす端末に対する信号強度(strength)、端末又は署名のインデックス(index)、位相(phase)などのチャネルベクター(channel vector)、タイミング情報(timing information)などが分かる。
【0165】
署名信号の例としてcode sequence又はパンクチャリングパターンなどを挙げることができ、署名信号は端末又は端末グループを区別することができる多くの形態の信号でなることができる。Code sequenceを用いて、端末又は端末グループの固有スクランブル又はインターリービングを適用することができる。受信端末で干渉測定を容易にするために、署名信号は排他的に一つの端末又は端末グループでのみ伝送を行うこともできる。この際、排他的単位は最小OFDM symbolとなることができる。
【0166】
例えば、署名信号をsequenceで構成し、一つのOFDM symbolを用いて送信する場合、各端末が送信するsequenceのindexはUE IDによって算出することができる。すなわち、UE IDの関数で構成することができ、あるいはUE IDを成す情報の量がsequenceのindexより多い場合、mod operationによってindexを算出することができる(Sequence Index=(UE ID)mod(Total index number))。
【0167】
具体的な例として、各署名信号を区分するために、UE ID又はsequence indexを反映してm−sequenceを構成することができる。LTEのSSS(Secondary Synchronization signal)で用いる次の式のようなm−sequenceを用いる場合、N(1)IDはUE ID又はsequence indexを用いてm’を求めることができるので、署名を区分することができる。
【0169】
各フレーム設定の全ての上りリンクサブフレームで署名信号を送信する。反対に、IDIによって被害を受ける端末はDサブフレームで署名信号を受信する。また、一部の端末は上りリンクサブフレームで情報を送信しないで署名信号を受信することもできる。
【0170】
署名信号の受信のために、基地局は、IDIを発生させる端末の設定情報を用いて、IDIによって被害を受ける端末に署名信号を受信することができるサブフレームを指定することができる。あるいは、IDIによって被害を受ける端末にFDモードに用いられる端末の設定インデックスを送信して、受信UEが署名信号を受信すべきサブフレームを決定することもできる。このような情報はPDCCHを介して送信されることができる。
【0171】
図19は
図14の二つのUEにそれぞれ
図2の設定#3、#5を割り当てた場合、設定#5を用いるUEに送信されるPDCCHの10ビットを例示する。
【0172】
また、干渉を発生させる端末の設定インデックスを送信する場合、全ての設定n個に対するfloor(log2(n))ビットとshift値((radio frame繰り返し周期/TTI)−1)に対するfloor(log2((radio frame繰り返し周期/TTI)−1))ビットを送信することができる。ここで、floor(x)関数はxを超える最小の自然数を示す。
【0173】
基地局がradio frameの設定を送信すれば、一部の上りリンクサブフレームでの署名信号のみでも端末の区別ができる。例えば、
図11のように基地局のFDモードで二つの端末のみが同時にデータ送受信を行う場合、一番先にUE1には上りリンクサブフレーム、UE2には下りリンクサブフレームが同時に設定されるサブフレーム時間にのみUE1で署名信号を送信することができる。すなわち、署名送信/受信時点を基地局が知っている設定に基づいて予め決定することができる。
【0174】
この際、基地局は干渉の影響を受ける端末のみではなく干渉を発生する端末にも署名を送信するサブフレームを干渉の影響を受ける端末の設定情報を用いて指定することができる。
【0175】
あるいは、干渉の影響を受ける端末の設定インデックスを送信して署名信号を送信するサブフレームを決定することができる。この際、このような情報はPDCCHを介して送信されることができ、受信すべきサブフレームを知らせる場合、全部10ビットを用いることができる。
【0176】
あるいは、干渉の影響を受ける端末の設定インデックスを送信する場合、又は干渉を発生させる端末の設定インデックスを送信する場合、総設定n個に対するfloor(log2(n))ビットとshift値((radio frame繰り返し周期/TTI)−1)に対するfloor(log2((radio frame繰り返し周期/TTI)−1))ビットを送信することができる。
【0177】
測定された署名信号は受信端末で干渉除去に用いられることができ、基地局はフレーム設定又は署名信号割当てなどに活用できる。
【0178】
また、署名信号測定端末が基地局に署名信号情報をフィードバックして、基地局がIDIを引き起こす端末と被害を受ける端末のグルーピング(grouping)を行うことができ、これを解決するためにscheduling restrictionを行うことができる。すなわち、グループ内の端末は時間あるいは周波数で割り当てられるリソースが最大に離隔することができるように制限する。あるいは、IDIを引き起こす端末の上りリンク出力制御(power control)を行って干渉量を調節することができる。
【0179】
また、署名信号を受信する端末は隣接した干渉誘発端末間のチャネル情報を獲得することができる。端末はこれに対するチャネル情報を基地局にフィードバックし、基地局はこの情報を用いて干渉誘発端末の上りリンク信号のPMI(Precoding matrix index)を導出することができる。すなわち、基地局は加害端末の上りリンク信号が被害(victim)端末にできるだけ影響を与えなくて基地局によく送信されるようにPMIを決定することができる。
【0180】
図20は本発明の一実施例に適用可能な基地局及び端末を例示する。
【0181】
無線通信システムにリレーが含まれる場合、バックホールリンクでの通信は基地局とリレーの間になされ、アクセスリンクでの通信はリレーと端末の間になされる。よって、図面に例示された基地局又は端末は状況によってリレーに取り替えることができる。
【0182】
図20を参照すれば、無線通信システムは、基地局2010及び端末2020を含む。基地局2010は、プロセッサ2013、メモリ2014及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット2011、2012を含む。プロセッサ2013は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成できる。メモリ2014はプロセッサ2013に連結され、プロセッサ2013の動作に関連した多様な情報を記憶する。RFユニット2011, 2012はプロセッサ2013に連結され、無線信号を送信及び/又は受信する。端末2020は、プロセッサ2023、メモリ2024及びRFユニット2021、2022を含む。プロセッサ2023は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されることができる。メモリ2024はプロセッサ2023に連結され、プロセッサ2023の動作に関連した多様な情報を記憶する。RFユニット2021、2022はプロセッサ2023に連結され、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局2010及び/又は端末2020は単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0183】
以上に説明した実施例は本発明の構成要素及び特徴が所定形態に結合されたものである。それぞれの構成要素又は特徴は、特に明示的言及がない限り、選択的なものに考慮しなければならない。それぞれの構成要素又は特徴は他の構成要素や特徴と結合しない形態に実施することができる。また、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することも可能である。本発明の実施例で説明する動作の順序は変更可能である。ある実施例の一部の構成や特徴は他の実施例に含まれることができ、あるいは他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替えることができる。特許請求範囲で明示的な引用関係がない請求項を結合して実施例を構成するか、あるいは出願後の補正によって新たな請求項として含ませることができるのは明らかである。本文書で基地局によって行われると説明した特定の動作は場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることができる。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)でなるネットワークで端末との通信のために行われる多様な動作は基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われることができるのは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、NodeB、eNodeB(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に取り替えることができる。
【0184】
本発明による実施例は、多様な手段、例えばハードウェア、ファームウエア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの組合せなどによって具現できる。ハードウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(Application Specific Integrated Circuits)、DSPs(Digital Signal Processors)、DSPDs(Digital Signal Processing Devices)、PLDs(Programmable Logic Devices)、FPGAs(Field Programmable Gate Arrays)、プロセッサ、コントローラー、マイクロコントローラー、マイクロプロセッサなどによって具現できる。
【0185】
ファームウエアやソフトウェアによる具現の場合、本発明の一実施例は以上に説明した機能又は動作を行うモジュール、手順、関数などの形態に具現されることができる。ソフトウェアコードはメモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動されることができる。
【0186】
前記メモリユニットは前記プロセッサの内部又は外部に位置し、既に知られている多様な手段によって前記プロセッサとデータをやり取りすることができる。
【0187】
前述したように開示された本発明の好適な実施例についての詳細な説明は当業者が本発明を具現して実施することができるように提供された。前記では本発明の好適な実施例を参照して説明したが、該当の技術分野の熟練した当業者は本発明の領域から逸脱しない範疇内で本発明を多様に修正及び変更することができることが理解可能であろう。例えば、当業者は前述した実施例に記載された各構成を互いに組み合わせる方式で用いることができる。よって、本発明はこれに開示された実施形態に制限されるものでなく、これに開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を付与しようとするものである。
【0188】
本発明は、本発明の精神及び必須特徴を逸脱しない範疇内で他の特定の形態に具体化できる。よって、前記詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなく、例示的なものに理解されなければならない。本発明の範囲は添付の請求項の合理的解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。本発明はこれに開示された実施形態に制限されるものではなく、これに開示された原理及び新規の特徴と一致する最も広い範囲を付与しようとするものである。また、特許請求範囲で明示的な引用関係がない請求項を組み合わせて実施例を構成するか、出願後の補正によって新たな請求項として含むことができる。