特許第6608959号(P6608959)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6608959
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】複合電力増幅器
(51)【国際特許分類】
   H03F 1/07 20060101AFI20191111BHJP
   H03F 3/68 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   H03F1/07
   H03F3/68 220
【請求項の数】8
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-558997(P2017-558997)
(86)(22)【出願日】2015年5月12日
(65)【公表番号】特表2018-515043(P2018-515043A)
(43)【公表日】2018年6月7日
(86)【国際出願番号】SE2015050529
(87)【国際公開番号】WO2016182485
(87)【国際公開日】20161117
【審査請求日】2017年12月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ヘルバリ, リカルド
【審査官】 及川 尚人
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/057118(WO,A1)
【文献】 特表2012−500583(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/206502(WO,A1)
【文献】 特表2012−511840(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/002407(WO,A1)
【文献】 米国特許第08928402(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00−3/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力信号を出力信号に増幅するための複合電力増幅器(100)であって、
前記入力信号を受け取るための入力ポート(170)と、
前記出力信号を提供するための出力ポート(180)と、
少なくとも2つのサブ増幅器(111、112)を備えた第1のセット(110)のサブ増幅器であって、前記少なくとも2つのサブ増幅器(111、112)が第1の送信線路(151)のテーパに沿って配置され、前記第1の送信線路(151)が前記第1のセット(110)のサブ増幅器および前記出力ポート(180)に接続される、第1のセット(110)のサブ増幅器と、
少なくとも2つのサブ増幅器(121、122)を備えた第2のセット(120)のサブ増幅器であって、前記少なくとも2つのサブ増幅器(121、122)が第2の送信線路(152)のテーパに沿って配置され、前記第2の送信線路(152)が前記第2のセット(120)のサブ増幅器および前記出力ポート(180)に接続される、第2のセット(120)のサブ増幅器と
を備え、前記複合電力増幅器(100)が、前記入力信号の振幅に関連する第1の遷移点を使用して構成され、
前記複合電力増幅器(100)が、
少なくとも2つのサブ増幅器(131、132)を備えた第3のセット(130)のサブ増幅器であって、前記少なくとも2つのサブ増幅器(131、132)が第3の送信線路(153)のテーパに沿って配置され、第3の送信線路(153)が前記第3のセット(130)のサブ増幅器および前記出力ポート(180)に接続される、第3のセット(130)のサブ増幅器
を備え、
前記複合電力増幅器(100)が、前記第1のセット(110)のサブ増幅器のみが前記第1の遷移点より下で、または、前記第3のセット(130)のサブ増幅器のみが前記第1の遷移点より下で動作するように構成され
複合電力増幅器(100)。
【請求項2】
前記複合電力増幅器(100)が、前記入力信号の振幅に関連する第2の遷移点を使用して構成され、前記複合電力増幅器(100)が、
前記第1のセットおよび第3のセット(110、130)のサブ増幅器のみが前記第1の遷移点から前記第2の遷移点まで動作し、また、
前記第1のセット、第2のセットおよび第3のセット(110、120、130)のサブ増幅器のみが前記第2の遷移点より上で動作する
ように構成される、請求項に記載の複合電力増幅器(100)。
【請求項3】
前記複合電力増幅器(100)が、前記出力ポート(180)で前記第1のセット(110)のサブ増幅器によって増幅される信号の同相結合を得るために、前記第1のセット(110)のサブ増幅器によって受け取られる信号の時間遅延分布を前記第1の送信線路(151)に整合させるように構成される、請求項1または2に記載の複合電力増幅器(100)。
【請求項4】
前記複合電力増幅器(100)が、前記出力ポート(180)で前記第2のセット(120)のサブ増幅器によって増幅される信号の同相結合を得るために、前記第2のセット(120)のサブ増幅器によって受け取られる信号の時間遅延分布を前記第2の送信線路(152)に整合させるように構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の複合電力増幅器(100)。
【請求項5】
記複合電力増幅器(100)が、前記出力ポート(180)で前記第3のセット(130)のサブ増幅器によって増幅される信号の同相結合を得るために、前記第3のセット(130)のサブ増幅器によって受け取られる信号の時間遅延分布を前記第3の送信線路(153)に整合させるように構成される、請求項からのいずれか一項に記載の複合電力増幅器(100)。
【請求項6】
前記複合電力増幅器(100)が、
少なくとも2つのサブ増幅器(141、142)を備えた第4のセット(140)のサブ増幅器であって、前記少なくとも2つのサブ増幅器(141、142)が第4の送信線路(154)のテーパに沿って配置され、前記第4の送信線路(154)が前記第4のセット(140)のサブ増幅器および前記出力ポート(180)に接続され、前記複合電力増幅器(100)が、前記第4のセット(140)のサブ増幅が、前記入力信号の振幅に関連する第3の遷移点より上で動作するように構成される、第4のセット(140)のサブ増幅器
を備える、請求項1または2に記載の複合電力増幅器(100)。
【請求項7】
請求項1からのいずれか一項に記載の複合電力増幅器(100)を備えるユーザ機器(1000)。
【請求項8】
請求項1からのいずれか一項に記載の複合電力増幅器(100)を備える無線ネットワークノード(2000)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書における実施形態は、電気通信システムなどの無線通信システムのための複合電力増幅器に関する。詳細には、入力信号を出力信号に増幅するための複合電力増幅器が開示される。さらに、複合電力増幅器を備えた無線ネットワークノード、および複合電力増幅器を備えたユーザ機器が開示される。
【背景技術】
【0002】
電力増幅器は、通信システム、例えばセルラ無線ネットワークの無線基地局およびセルラ電話で広く使用されている。このようなセルラ無線ネットワークでは、電力増幅器は、典型的には、無線送信信号を提供するために高い周波数の信号を増幅する。電力増幅器の設計における考慮事項は、電力増幅器の効率である。高い効率は、熱として散逸される電力の量を少なくするため、一般には望ましい。なおその上に、衛星電話またはセルラ電話などの多くのアプリケーションでは、電力供給が例えば衛星に含まれている電池によるものであるため、利用可能な電力の量が制限されることがある。電力増幅器の効率を高くすることにより、電池の充電間の動作時間を長くすることができる。
【0003】
B級、AB級、F級などの従来の電力増幅器(PA:Power Amplifier)は、固定された無線周波数(RF)負荷抵抗および固定された直流(DC)電圧供給を有している。B級PAまたはAB級PAのRF出力電流は、半波整流正弦波電流パルスを含むパルス列の波形と同様の波形を有している。DC電流、したがってDC電力は、RF出力電流振幅に大いに比例している。しかしながら出力電力は、二乗されたRF出力電流に比例する。したがって従来の電力増幅器の効率、すなわちDC電力で割った出力電力も同じくRF出力電流振幅に比例する。したがって最大必要出力信号振幅と比較して出力信号振幅すなわち電力が概して小さい信号を増幅する場合、平均効率は低い。
【0004】
知られているRF電力増幅器は、DohertyタイプおよびChireixタイプの両方の電力増幅器、すなわち修正B級無線周波数増幅器を含んでいる。これらの種類のRF PAは、PAに含まれているトランジスタからの出力電流の平均合計がより小さいため、一般に、高いピーク−平均比(PAR)を有する振幅変調信号に対して、上で説明した従来の増幅器よりも有効である。小さい平均出力電流は高い平均効率を意味する。この文脈では、「複合電力増幅器」という用語は、純粋な、または離調されたDohertyモード、Chireixモード、組合せDoherty/Chireixモードまたは組合せChireix/Dohertyモード、等々などの1つまたは複数のモードで動作することができる電力増幅器を意味している。
【0005】
小さい平均出力電流は、負荷に結合される無効出力回路網を介して互いの出力電圧および電流に影響を及ぼす2つのトランジスタを使用することによって得られる。正確な振幅および位相で構成トランジスタを駆動することにより、動作範囲の最大を除き、動作範囲内のすべての入力信号レベルにおけるRF出力電流の合計が小さくなる。また、これらの電力増幅器の場合、一方または両方のトランジスタ出力のRF電圧が高くなる。
【0006】
一般にRF電力増幅器は、いわゆるバックドオフ動作で駆動することができる。これは、電力増幅器が、例えば電力増幅器の最大出力電力の下でデシベル(dB)の数として表される特定のレベルで動作することを意味している。バックドオフ動作は、瞬時出力電力が比較的小さい動作と呼ぶことも可能である。
【0007】
広帯域Doherty増幅器は多くの関心の対象であり、また、多くの手法が試行されている。例えば負荷と同じインピーダンスを有する四分の一波長送信線路を使用すると、D. Gustafssonらによる、「Theory and design of a novel wideband and reconfigurable high average efficiency amplifier」、Proc. IMS 2012という名称の論文の中で開示されているように、遷移点において広帯域効率が得られる。標準Doherty増幅器では、遷移点は、最大出力電圧の半分の点に存在している。
【0008】
本出願人によって出願された特許出願WO2003/061115には、100%相対帯域幅を有する広帯域増幅器、すなわち帯域端比を小さくするために3:1の高帯域端を有する広帯域増幅器が開示されている。このような増幅器の中心モードは広帯域Dohertyモードである。開示されている広帯域増幅器は、回路変化に対する頑丈性が増し、また、高い効率の帯域幅が根本的に広くなった2段高効率増幅器を備えている。
【0009】
特許出願WO2003/061115またはPCT/SE2013/051217に開示されている広帯域多段増幅器は、異なる周波数帯域に異なる動作モードを有しており、入力駆動回路を複雑にする欠点をもたらしている。WO2003/061115における増幅器の中心Dohertyモードは、最大約60%広帯域まであり得るが、その場合、遷移点における出力信号振幅が帯域幅内で著しく変化する。
【0010】
例えば上で言及した、Gustafssonらによる論文の中で開示されている、負荷と同じインピーダンスを有する四分の一波長線路を有するDoherty増幅器には、2つのサブ増幅器の各々に対する異なる供給電圧を必要とする欠点がある。これは、両方のサブ増幅器に対して同じ技術が使用される場合、特大で、かつ、十分に利用しない主トランジスタをもたらすことになる。遷移点における広帯域効率は、両方の広帯域トランジスタの利用および最大電力における効率を犠牲にすることによって得られ、そのために高平均効率の帯域幅が狭くなり、かつ、トランジスタコストが増加する。
【0011】
例えばM. Naseri Ali Abadiらによる、「An Extended Bandwidth Doherty Power Amplifier using a Novel Output Combiner」、Proc. IMS 2014という名称の論文の中で開示されているLC共振器を使用すること、あるいは出力ノードに共振スタブを使用することには、全電力帯域幅が狭くなり、また、全電力における効率帯域幅が狭くなる欠点がある。
【0012】
Piazzonらによる、「A method for Designing Broadband Doherty Power Amplifiers」、Progress in Electromagnetics Research、Vol. 145、319−331頁、2014年という名称の論文、またはR Giofreらによる、「A Distributed Matching/Combining Network Suitable to Design Doherty Power Amplifiers Covering More Than an Octave Bandwidth」、Proc. IMS 2014という名称の論文には、マルチセクション分岐線路結合器の使用を必要とする別の技法が開示されている。この技法には、遷移点および全電力の両方における効率帯域幅に限界があり、また、全電力における電力帯域幅にも同じく限界がある。
【発明の概要】
【0013】
目的は、上で言及した問題のうちの少なくとも1つを克服し、あるいは少なくとも軽減する、Doherty増幅器などの上で言及した種類の複合電力増幅器を提供することである。
【0014】
一態様によれば、この目的は、入力信号を出力信号に増幅するための複合電力増幅器によって達成される。複合電力増幅器は、入力信号を受け取るための入力ポートと、出力信号を提供するための出力ポートとを備える。なおその上に、複合電力増幅器は、少なくとも2つのサブ増幅器を備えた第1のセットのサブ増幅器を備える。少なくとも2つのサブ増幅器は、第1の送信線路のテーパに沿って配置される。第1の送信線路は、第1のセットのサブ増幅器および出力ポートに接続される。さらに、複合電力増幅器は、少なくとも2つのサブ増幅器を備えた第2のセットのサブ増幅器を備える。少なくとも2つのサブ増幅器は、第2の送信線路のテーパに沿って配置される。第2の送信線路は、第2のセットのサブ増幅器および出力ポートに接続される。
【0015】
別の他の態様によれば、上記目的は、複合電力増幅器を備えた無線ネットワークノードによって達成される。
【0016】
さらに他の態様によれば、上記目的は、複合電力増幅器を備えたユーザ機器によって達成される。
【0017】
本明細書における実施形態によれば、第1のセットおよび第2のセットのサブ増幅器は、少なくとも2つのサブ増幅器を備える。これらの少なくとも2つのサブ増幅器は、それぞれのテーパ化送信線路に沿って配置され、入力信号の時間遅延バージョンの同相結合を提供する。
【0018】
高い効率のバックオフは、第1および第2のテーパ化送信線路のおかげで、あらゆる複合電力増幅器に対して増加することができる。
【0019】
本明細書における実施形態を使用することにより、任意の相対帯域幅または帯域の数に対して、効率が高い広い振幅範囲の複合電力増幅器を構築することができる。効率および帯域幅は、互いに独立して同調させることが可能であり、例えば最適化することができる。
【0020】
本明細書における実施形態による複合電力増幅器は、単一の広帯域モードにおける一様な駆動信号を使用して動作するように設計することができ、また、複合電力増幅器の動作周波数範囲全体にわたってほぼ一定の、遷移点振幅、出力位相、効率などのパラメータを有している。サブ増幅器セットのための特定の特性を使用することにより、任意の数の遷移点の縦続を構築することができる。
【0021】
本明細書における様々な実施形態は、四分の一非均一波長および連続テーパ化送信線路を含む。なおその上に、実施形態は、ほんのいくつかのサブ増幅器から多くのサブ増幅器に及ぶサブ増幅器のセットを含む。さらに、本明細書における複合電力増幅器の実施形態は、狭帯域実施態様ならびに広帯域実施態様を含む。本明細書における実施形態は、多くの他の増幅器技法と組み合わせることができ、また、改善された高周波動作を可能にする。
【0022】
特定の特徴およびその利点を含む、本明細書において開示される実施形態の様々な態様は、以下の詳細な説明および添付の図面から容易に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本明細書における実施形態による複合電力増幅器のブロック図である。
図2】一例示的複合電力増幅器のためのテーパリングの図解である。
図3】入力信号の振幅の関数としてのRF出力電流を示す線図である。
図4】入力信号の振幅の関数としてのRF出力電圧を示す線図である。
図5】入力信号の振幅の関数としてのRF出力電流位相を示す線図である。
図6】入力信号の振幅の関数としてのRF出力電圧位相を示す線図である。
図7】入力信号の振幅の関数としての効率がプロットされている線図である。
図8図2の複合電力増幅器に対する周波数の関数としての効率がプロットされている線図である。
図9】周波数の関数としての遷移点振幅を示す図である。
図10】周波数の関数としての遷移点における出力信号位相を示す図である。
図11】他の例示的複合電力増幅器のためのテーパリングを示す図である。
図12】入力信号の振幅の関数としての効率がプロットされている線図である。
図13図11の複合電力増幅器に対する周波数の関数としての効率がプロットされている線図である。
図14】さらに他の例示的複合電力増幅器のためのテーパリングを示す図である。
図15】別の例示的複合電力増幅器のためのテーパリングを示す図である。
図16】入力信号振幅の関数としてのRF出力電流/電圧がプロットされている線図である。
図17】さらに他の例示的複合電力増幅器のためのテーパリングを示す図である。
図18】入力信号の振幅の関数としてのRF出力電流/電圧がプロットされている線図である。
図19】周波数の関数としての遷移点振幅を示す図である。
図20】周波数の関数としての効率を示す図である。
図21】さらに他の例示的複合電力増幅器を示す図である。
図22】周波数の関数としての効率を示す線図である。
図23】本明細書におけるいくつかの実施形態によるテーパ化送信線路の図解である。
図24】周波数の関数としての効率を示す線図である。
図25】本明細書における実施形態によるテーパ化送信線路のさらに別の図解である。
図26】本明細書における一実施形態のための送信線路のテーパリングの図解である。
図27】周波数の関数としての効率を示す線図である。
図28】本明細書におけるいくつかの実施形態によるテーパリング送信線路の別の図解である。
図29】周波数の関数としての遷移点振幅を示すさらに他の線図である。
図30】入力信号振幅の関数としての効率を示す別の線図である。
図31】周波数の関数としての効率を示す線図である。
図32】周波数の関数としての効率を示す別の線図である。
図33】本明細書における実施形態による一例示的無線ネットワークノードを示す図である。
図34】本明細書における実施形態による一例示的ユーザ機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の説明全体を通して、同様の参照数表示は、適用可能である場合、要素、ユニット、モジュール、回路、ノード、部品、アイテム、等々などの同様の特徴を表すために使用されている。図において、いくつかの実施形態に出現する特徴は鎖線で示されている。
【0025】
図1は、入力信号を出力信号に増幅するための複合電力増幅器100を示したものである。
【0026】
複合電力増幅器100は、入力信号を受け取るための入力ポート170、および出力信号を提供するための出力ポート180を備えている。
【0027】
なおその上に、複合電力増幅器100は、少なくとも2つのサブ増幅器111、112を備えた第1のセット110のサブ増幅器を備えている。少なくとも2つのサブ増幅器111、112は、第1の送信線路151のテーパに沿って配置されている。第1の送信線路151は、第1のセット110のサブ増幅器および出力ポート180に接続されている。
【0028】
さらに、複合電力増幅器100は、少なくとも2つのサブ増幅器121、122を備えた第2のセット120のサブ増幅器を備えている。少なくとも2つのサブ増幅器121、122は、第2の送信線路152のテーパに沿って配置されている。第2の送信線路152は、第2のセット120のサブ増幅器および出力ポート180に接続されている。
【0029】
言及したように、サブ増幅器111、112、121、122は、それらのそれぞれの送信線路151、152のテーパに沿って配置されている。これは、サブ増幅器がそれらのそれぞれの送信線路151、152のテーパのそれぞれのステップに位置していることを意味している。サブ増幅器の各々からの信号は、入力ポート170および第1のセットのサブ増幅器110に接続された第1の入力送信線路160(以下の図14に鎖線1401、1402で示されている)のおかげで、出力ポート180の前段、または出力ポート180で結合される同相であり、第1の入力送信線路160は、出力ポートにおける同相結合を達成する点で、それらのそれぞれの送信線路151、152のテーパに対応するテーパを有している。
【0030】
さらに、複合電力増幅器100は、入力信号の振幅に関連する第1の遷移点を使用して構成することができる。入力信号は、全出力振幅の一部として与えられる第1の遷移点に従って構成されるため、第1の遷移点は、入力信号の振幅に関連している。遷移点は、本明細書における様々な実施形態を規定するための意義を有している。
【0031】
いくつかの実施形態では、複合電力増幅器100は、第1のセット110のサブ増幅器のみが第1の遷移点より下で動作するように構成することができる。Doherty増幅器のためのよく知られている用語を参照すると、これは、第1のセットのサブ増幅器は主増幅器として動作し、また、第2のセットのサブ増幅器120はピーキング増幅器として動作することを意味している。
【0032】
いくつかのさらに他の実施形態では、複合電力増幅器100は、第3のセット130のサブ増幅器を備えている。第3の送信線路153は、第3のセット130のサブ増幅器および出力ポート180に接続されている。複合電力増幅器100は、第3のセット130のサブ増幅器のみが第1の遷移点より下で動作するように構成することができる。この実施形態では、第1のセットおよび第2のセット110、120のサブ増幅器はピーキング増幅器として動作し、また、第3のセットのサブ増幅器は主増幅器として動作する。
【0033】
複合電力増幅器100は、テーパ化またはステップ化インピーダンス送信線路に沿って分散された複数のセットのサブ増幅器、すなわち複数のグループのサブ増幅器を備えることができる。個々のセットは、入力信号または駆動信号中でセットに同じく反射される遷移点と関連している。好ましい実施形態では、サブ増幅器は、インピーダンス変換要求事項によって決定される、送信線路の長さ方向のアドミタンスの増加に応じて配置される。特定の回路複雑性に対して動作を同調させるために、個々のセットのサブ増幅器は、それ自体が必要な帯域幅およびセット内の変換比のための良好な変換器である送信線路の長さに沿って分散される。セットおよび駆動信号の両方の縦続を単純にするために、好ましいことにはセットを完全に変換することができ、すなわち残留負荷変調が極めて小さくなる。しかしながら電気的長さを短くし、また、サブ増幅器の数を少なくするために残留負荷変調が許容され、また、全出力電流におけるRF出力電流に関して、より軽い重み付けが遷移点におけるRF出力電流に適用される。本明細書における実施形態は、すべてのグループのサブ増幅器のための分散増幅器技法を可能にし、また、多くの他の増幅器技法との組合せを同じく可能にする。
【0034】
いくつかのさらに他の実施形態では、複合電力増幅器100は、第4のセット140のサブ増幅器を備えることができる。第4の送信線路154は、第4のセット140のサブ増幅器および出力ポート180に接続することができる。複合電力増幅器100は、第4のセット140のサブ増幅器のみが、入力信号の振幅に関連する第3の遷移点より上で動作するように構成することができる。この実施形態については、以下の図12を参照してさらに詳述される。
【0035】
説明を分かりやすくするために、以下の実施形態では、第1のセットは主増幅器として動作するものと仮定し、また、第2のセットおよび存在するすべての追加セットは、ピーキング増幅器として動作するものと仮定されている。
【0036】
第1のセットのサブ増幅器が十分に良好ではない場合、残りの複合電力増幅器、例えば第2および/または第3のセットによる第1のセットの状態の補償または改善を許容することが可能であり得る。
【0037】
この一例は、図2に示されているように、それぞれ1つ、1つおよび2つのサブ増幅器を備えた3つのセットを備え、また、相対サイズ1、2、3および2、すなわち相対RF出力電流を有する例示的複合電力増幅器である。したがって図2のステップの高さから明らかなように、関連するアドミタンスステップも同じくサイズ1、2、3および2を有している。この例では、第1のセット110は1つのサブ増幅器のみを含み、また、第2のセット120も1つのサブ増幅器のみを含んでいる。第3のセット130は2つの増幅器を含み、テーパリングのため、複合電力増幅器100の動作周波数範囲の中心周波数におけるこれらの増幅器の送信線路の差Dは0.25λである。それぞれ第1のセットおよび第2のセットのサブ増幅器と結合した第1の送信線路および第2の送信線路も、同じくそれぞれの電気的長さ0.25λを有している。
【0038】
図3は、図2に示されている実施形態による3つのセットのサブ増幅器を有する複合増幅器に対する、入力信号振幅の関数としてのRF出力電流を示したものである。第1のセット110からのRF電流は実線で示されている。第2のセット120からのRF電流は鎖線で示されている。第3のセット130の第1のサブ増幅器131からのRF電流は一点鎖線で示されている。第3のセット130の第2のサブ増幅器132からのRF電流は太線で示されている。線のこの形式は、図4〜10にも同じく使用されている。図2に示されているように、第2のセット120のサブ増幅器に対するRF出力電流は、第1の遷移点TP1の上まで連続的に大きくなる。
【0039】
図4は、第2のセット120のサブ増幅器に対するRF出力電圧を示したものである。図3と同じ線の形式が使用されており、すなわち第1のセットからのRF電圧は実線で示されており、その他についても同様である。
【0040】
図5は、個々のサブ増幅器のRF出力電流位相は、振幅範囲全体にわたって実質的に一定であることを示している。図3と同じ線の形式が使用されており、すなわち第1のセットからのRF電流位相は実線で示されており、その他についても同様である。
【0041】
図6は、RF出力電圧位相は、振幅範囲全体にわたって取るに足らない程度にしか変化しないことを示している。図3と同じ線の形式が使用されており、すなわち第1のセットからのRF電圧位相は実線で示されており、その他についても同様である。
【0042】
余分のサブ増幅器および変換ステップは、最初の2つのセットのサブ増幅器、すなわち第1のセット110および第2のセット120に対する動作状態をはるかに良好にする。これらの2つのセットのサブ増幅器に対して、全出力電流におけるRF出力電流値に関して、遷移点におけるRF出力電流に対する約0.5の重み係数を使用することにより、入力信号に対して最大出力振幅まで線形応答することになる。これは、駆動信号回路によって余分の遷移点を提供する必要がないことを意味している。これは、全入力信号振幅の0.5に遷移点を必要とする第2のセット120のサブ増幅器の場合はそうではない。この増幅器に対する、中心周波数から10%における動作は図7に示されている。図7は、入力信号振幅の関数としての効率ηを示したものである。この例では、効率は、1:4のバックオフ範囲において、約87%相対的ピーク効率を超えている。相対帯域幅は20%である。
【0043】
図8に示されているように、この増幅器は、動作帯域幅の20%以内の高い効率で動作する。効率は、図8に示されている20%狭帯域に対して、65%から70%までの範囲内である。
【0044】
図9は、図2の複合電力増幅器に対する、周波数の関数としての遷移点振幅を示したものである。図9は、個々のセットのサブ増幅器の入力信号振幅は、20%の動作帯域幅全体にわたって実質的に一定であることを示している。
【0045】
図10は、周波数の関数としての遷移点における出力信号位相を示したものである。特定のサブ増幅器に対して、位相はほぼ一定である。
【0046】
図11に示されているさらに他の例では、複合電力増幅器100は、前の例の場合と同様、第2のセット120のサブ増幅器全体に対して、入力信号の時間遅延バージョンを提供するように構成される。第2のセット120のサブ増幅器は、入力信号の時間遅延バージョンの同相結合を提供するために、第2のテーパ化送信線路152に沿って配置される。
【0047】
より詳細には、複合電力増幅器100は、それぞれのセット110、120および130における1つ、2つおよび3つのサブ増幅器を使用して構築される全入力信号振幅の0.25および0.5に遷移点を有している。帯域幅は20%である。この帯域幅および少数のサブ増幅器の場合、それらのサブ増幅器に関連する遷移点における、それらのサブ増幅器の全RF出力電流を引き渡すためのセットを有することは最適ではない。この場合、次の遷移点(および全出力)におけるRF出力電流値に関して、遷移点におけるRF出力電流に対する約0.9の重み係数が使用されている。例えば第2の遷移点0.5における第2のセット120のサブ増幅器に対して約0.9の重み係数が使用され、また、第1の遷移点0.25における第1のセット110のサブ増幅器に対して約0.9または0.81の重み係数が使用される。効率は、図12に示されているように約98%である。
【0048】
図13は、図11の複合電力増幅器に対する、周波数の関数としての効率を示したものである。効率は、動作帯域幅の約20%の帯域幅全体にわたって約69%である。
【0049】
図14は、複合電力増幅器100の別の実施形態を示したものである。第1のセット、第2のセットおよび第3のセット110、120および130は、上で言及したように、それぞれ遷移点、すなわち第1の遷移点TP1、第2の遷移点TP2および第3の遷移点TP3と結合している。サブ増幅器のセット110、120、130は、通常、サブ増幅器の出力信号が遷移点において同相で結合されるように駆動される。これを動作させるために、残りの送信線路は、規定された1つまたは複数の帯域にわたって良好な変換負荷を提供することができる。したがって周波数応答は、セットと振幅の間の接続点における何らかのマージン内でフラットになり、また、遷移点における位相応答も、同じく何らかのマージン内で同様にフラットになる。「フラット」という用語は、純粋な遅延と比較したものとして理解すべきである。位相応答は、通常、線形または線形に近いものとして参照される。したがって位相リプルは、この文脈においては小さくなる。これらのセットのサブ増幅器に対する入力信号振幅線図は、図14の左側部分に示されている。これらの線図には、振幅の関数としての電圧がプロットされている。第1のセット110に対しては、第1のセット110に対する電圧は、第1の遷移点TP1まで上昇し、次に電圧は一定になる。第2のセット120に対しては、電圧は、第1の遷移点TP1から第2の遷移点TP2まで上昇し、次に電圧は、第3の遷移点TP3まで一定の値を維持する。第3のセット130に対しては、電圧は、第2の遷移点TP2から第3の遷移点TP3まで上昇する。
【0050】
図14の右側には、それぞれの送信線路151、152のテーパと整合する、テーパ化入力送信線路1401、1402が点線で示されている。入力送信線路1401および1402は、第2のセットおよび第3のセット120、130のサブ増幅器のそれぞれの入力に結合される。
【0051】
図14に示されているように、複合電力増幅器100は、例えば適切な時間遅延分布を有する第1の信号を第1のセット110のサブ増幅器に提供するように構成され、第1のセット110のサブ増幅器は並列に配置され、かつ、第1の直線送信線路151に結合される。
【0052】
個々のセットのサブ増幅器は、入力信号によって集合的に駆動され、すなわち入力送信線路に沿ったサブ増幅器の位置によって与えられる適切な時間遅延分布を有する同じ振幅関数を使用して集合的に駆動される。セット110は3つのサブ増幅器を含んでいる。セット120は5つのサブ増幅器を含んでいる。セット130は7つのサブ増幅器を含んでいる。図14では、個々のサブ増幅器は、三角形のシンボルを使用して概略的にしか示されていない。セット内における入力信号の個々のサブ増幅器への分割は、異なる点で、異なる方法によって実施することができる。駆動線路、すなわちアドミタンスが小さくなる送信線路のアドミタンスステップと整合する抵抗性入力インピーダンスをサブ増幅器に提供することは1つの方法である。例えば十分な広帯域分割器による分割は、場合によっては好ましい別の方法である。トランジスタの入力キャパシタンスを合成送信線路中に吸収させる分散増幅器技法によれば、最良の利得−帯域幅積が得られる。例えばE. Ginztonらの「Distributed Amplification」、Proc. IRE、vol. 36、956〜969頁、1948年8月を参照されたい。
【0053】
適切な時間遅延分布は、出力ポート180で第1のセット110のサブ増幅器によって増幅される出力信号の同相結合を得るために、第1のセット110のサブ増幅器によって受け取られる入力信号の時間遅延分布を第1の送信線路151に整合させるように複合電力増幅器100を構成することができる、と表現することができる。
【0054】
さらに、適切な時間遅延分布は、出力ポート180で第2のセット120のサブ増幅器によって増幅される出力信号の同相結合を得るために、第2のセット120のサブ増幅器によって受け取られる入力信号の時間遅延分布を第2の送信線路152に整合させるように複合電力増幅器100を構成することができることによって達成される。
【0055】
その上、適用可能である場合、適切な時間遅延分布は、出力ポート180で第3のセット130のサブ増幅器によって増幅される出力信号の同相結合を得るために、第3のセット130のサブ増幅器によって受け取られる入力信号の時間遅延分布を第3の送信線路153に整合させるように複合電力増幅器100を構成することができることによって達成される。
【0056】
多くの場合、第1のセット110のサブ増幅器は、1つのサブ増幅器のみを備え、また、他の場合、第1のセットのサブ増幅器は、複数のサブ増幅器を並列に備えることができる。第1のセット110内のサブ増幅器を1つのみにすることは、単純性およびコンパクト性の理由で好ましいことがしばしばである。しかしながら第1のセット110のサブ増幅器を同じく分散させることにより、利得−帯域幅積に対する利点を同じく達成することができる。
【0057】
すべての前段の送信線路セクションを通過する波の移動時間と同じ量だけ、駆動信号の「スタッガータイミング」をすべてのサブ増幅器に提供するだけでも十分に良好であることがしばしばである。これは、これらのサブ増幅器に対する変換モードと同相モードの間の広帯域位相および振幅応答差が極めて小さいことがしばしばであることによるものである。この差も、同じく任意に小さくすることができる。
【0058】
したがってこれらのサブ増幅器の動作は、連続する変換モードと最終非変換モードとの間の補間と見なすことができる。最も低い遷移点より下の振幅では、第1のセット110のサブ増幅器に対する変換同相モード、すなわち第1のセット110のサブ増幅器からの出力信号の同相結合ではなく、第1のセット110のサブ増幅器の「末端」における局部インピーダンスレベルへの変換を観察することができる。次の遷移点では、別の変換同相モードが得られ、この場合、最初の2つのセット110、120内のすべてのサブ増幅器を使用して、より低いインピーダンスレベル、例えば第2のセット120のサブ増幅器の「末端」における局部インピーダンスレベルに変換される。これらの遷移点の間に、説明した2つのモード間の変化程度の線形補間が存在している。全出力電力に対して、すべてのサブ増幅器の同相結合まで、すべてのサブ増幅器セット110、120、130に対してこのパターンが繰り返される(振幅方式)。
【0059】
図15は、本明細書における実施形態による複合電力増幅器のさらに他の実施形態を示したものである。示されている複合増幅器100は、4:1帯域幅、すなわち中心周波数の0.4ないし1.6の周波数範囲、または動作帯域幅の120%に対して設計された15段増幅器である。サブ増幅器は、1つのサブ増幅器が単独で第1のセット110として機能し、一方、後続する2つのセット120、130は、それぞれ7つのサブ増幅器を備えるようにグループ化されている。サブ増幅器は、異なる特性インピーダンスの送信線路セグメントに配置されている。この場合、すべてのセグメントは同じ長さであり、すなわち中心周波数において四分の一波長である。中心周波数の0.4倍である最も低い周波数では、すべてのセグメントはそれぞれ0.1波長であり、中心周波数において1.4波長の総電気的長さを与える。後の半分、すなわち送信線路の第3のセット130のサブ増幅器は、出力ポート180で負荷を約4倍に変換し、全出力振幅の0.5(−6dB)における上部遷移点をもたらす。最初の半分、すなわち第2のセット120のサブ増幅器は、そのインピーダンスをさらに4倍に変換し、約16倍の負荷抵抗、および全出力振幅の0.25(−12dB)の下部遷移点をもたらす。
【0060】
次に図16を参照すると、RF出力電流を実線で示し、また、RF出力電圧を鎖線で示す線図が示されている。すべてのサブ増幅器の最大RF出力電流は、送信線路間の接続点のアドミタンスステップに比例しており、これらの接続点にサブ増幅器が設置される。サブ増幅器は、すべての振幅において同じ相対位相を有する入力信号によって駆動され、相対位相は、送信線路に沿ったタイミング差によってのみ与えられる。
【0061】
これによる非理想性は、それぞれの送信線路中のステップの数を多くすることによって、あるいは異なる遷移点TP1、TP2におけるサブ増幅器セット110、120、130に対して異なる位相を有することによって任意に小さくすることができる。異なるサブ増幅器における出力電圧は、より下位のグループおよびより上位のグループの電流形状の異なる混合、例えばこれらの電流形状の多重化である。中間サブ増幅器における出力電圧は、必ずしも最適化する必要はないことがしばしばであるが、セット内の最後のサブ増幅器における電圧「形状」は、制御を簡略にするためには、好ましくは周波数に対して振幅および位相をほぼ一定にしなければならない。これは、セクション毎の送信線路の良好なテーパ、すなわち一連のアドミタンスステップを有することによって達成される。良好なテーパは、通常、セット内の最初のサブ増幅器および最後のサブ増幅器の近辺により小さいアドミタンスステップを有しており、これは図15に同じく示されている。また、サブ増幅器は、好ましくは過剰な重圧を回避しなければならない。「過大設計」、すなわちセット毎に極めて多数のアドミタンスステップを有することにより、その関連する遷移点より上のセット内のすべてのサブ増幅器に対して、一定のタイミングで一定の最大駆動を許容する点に対する駆動条件を単純化することができる。これは、この例に対する高度な事例である。
【0062】
図17は、同じサイズのサブ増幅器、すなわち同じRF出力電流を有する一例示的複合電力増幅器100を示したものである。同じサイズのサブ増幅器の数が同じく多い場合、サブ増幅器間の距離を短くすることができ、一般的には非一様にすることができ、また、送信線路テーパは、図17に連続する線で概略的に示されているように連続していることが分かる。この例では256個のサブ増幅器が存在している。256個のサブ増幅器は、16個、48個および192個のセットで配置されている。最初の16個のサブ増幅器は、第1のセット110のサブ増幅器の一部としてすべて並列である。48個および192個の増幅器のセットは、テーパ化送信線路の等しい長さに沿って大きくなる局部アドミタンスに従って広がっている。したがって48個のサブ増幅器は第2のセット120を形成し、また、192個のサブ増幅器は第3のセット130を形成している。第2のセットおよび第3のセット120、130は、先の例の場合と同様、いずれも約4倍の負荷変換を有しており、これらのセットに対して同じ局部インピーダンスをもたらし、また、同じ遷移点振幅をもたらしている。また、先の例の場合と同様、帯域幅も同じであり、すなわち4:1である。
【0063】
出力送信線路の幅は概略的にしか示されていない。実際の実施態様では、例えば第2の送信線路および第3の送信線路の幅は、出力送信線路全体の幅の1/16および1/4でなければならない。
【0064】
さらに、図18は、図17による例示的複合電力増幅器に対する、入力信号の振幅の関数としてのRF出力電流/電圧を示したものである。
【0065】
図18は、実線のRF出力電流および鎖線のRF出力電圧が同じ遷移点TP1、TP2およびTP3を有する様子を示している。単純にするために3つのRF電圧、すなわちそれぞれ第1のセット110のサブ増幅器、第2のセット120のサブ増幅器および第3のセット130のサブ増幅器からの1つのRF電圧しか示されていない。図17の複合電力増幅器および図15の複合電力増幅器を比較しているが、図17の複合電力増幅器の個々のサブ増幅器に対する個々の出力電圧/電流が示されていると、それは莫大な量の線路になり、何の情報も提供しないことを理解することができる。したがって図18は、上で言及したように単純化である。
【0066】
示されているRF出力電圧は、個々のセットの最後のサブ増幅器のRF出力電圧である。セット内の最後のサブ増幅器に対する出力電圧は、入力信号として最後に印加された電流形状のより大きい割合を含んでいる。出力電圧の勾配は、最後のサブ増幅器に対する後続する遷移点まで実質的に線形になるまで、セット内でますます急峻になる。
【0067】
図19には、一定の振幅/位相駆動が与えられた、周波数範囲全体にわたる遷移点における出力信号振幅のリプルが、図17の複合電力増幅器に対して示されている。図から分かるように、遷移点振幅にはリプルはほとんど存在していない。個々のセットは、2つの対応する遷移点と関連しているが、振幅は、既に起動されているセットにも同じく依存している。線901は、第1のセット110の完全使用に対応する遷移点振幅であり、線902は、第1のセットおよび第2のセット110、120の完全使用に対応する遷移点振幅であり、また、線903は、第1のセット、第2のセットおよび第3のセット110、120、130の完全使用に対応する遷移点振幅である。
【0068】
図20は、10dB Rayleigh分布信号を増幅する場合の周波数範囲全体にわたる平均効率を示したものである。効率は、線904で示されているように、図17の複合電力増幅器の理想B級動作に対する70%をわずかに下回っている。
【0069】
上記の例のいくつかは大量のサブ増幅器を使用しているが、以下のいくつかのさらに他の例は、最初の例と同様、いくらか少ないサブ増幅器を有することになる。
【0070】
より狭い帯域幅の場合、送信線路セグメントの数を少なくすることができ、したがってサブ増幅器の数を同じく少なくすることができる。連続テーパ化送信線路の場合、全体の長さを短くすることができる。図21に示されている以下の例では、1つ、3つおよび5つのサブ増幅器のセットに9つのサブ増幅器が存在している(単純にするためにステップには示されていない)。最も低い遷移点(図示せず)は、全出力振幅の約0.25の点に存在し、また、他の遷移点(同じく図示せず)は、全出力振幅の約0.47の点に存在している。帯域幅は、ここではちょうど50%であり、すなわち中心周波数の0.75から1.25までである。
【0071】
図22を参照すると、一例示的複合電力増幅器100に対する周波数範囲全体にわたる平均効率が示されており、複合電力増幅器100は、それぞれ第1のセット、第2のセットおよび第3のセット110、120、130内に、1つ、2つおよび4つのサブ増幅器を備えており、また、帯域幅は動作帯域幅の50%である。
【0072】
図23は、さらに他のセットのサブ増幅器を有する実施形態を示したものであり、すなわち第4のセット140のサブ増幅器が追加されている。図23では、第1のセット、第2のセット、第3のセットおよび第4のセット110、120、130、140のサブ増幅器に対して、図1の参照数表示と同じ参照数表示が使用されている。この図では、サブ増幅器およびテーパの形状すなわちステップは、単純にするために示されていない。
【0073】
したがって上で言及したように、複合電力増幅器100は、第4のセット140のサブ増幅器を備えることができる。複合電力増幅器100は、次に、入力信号から引き出される第4の信号の時間遅延バージョンを集合的に第4のセット140のサブ増幅器に提供するように構成することができる。第4のセット140のサブ増幅器は、第4のセット140内のサブ増幅器によって増幅された第4の信号の時間遅延バージョンの同相結合を提供するために、第4のテーパ化送信線路154に沿って配置することができる。
【0074】
これは、実施形態はさらに多くの遷移点、すなわち3つ以上の遷移点に拡張することができることを暗に示している。遷移点は、全出力信号振幅の0.5、0.25および0.125(−6dB、−12dBおよび−18dB)において対数スケールで一様に分散される。単一のサブ増幅器が第1のセット110を構成する。3つの最後のセット120、130、140は、それぞれ7つのサブ増幅器を含み、本質的には互いのちょうどスケール化されたバージョンである。スケーリングはセット毎に4倍であり、したがって第1のセット110は、全出力電力の1/64を提供し、2つの最初のセット110、120は、相俟って1/16を提供し、また、最初の3つのセット110、120、130は、相俟って1/4を提供する。アドミタンステーパリングすなわち送信線路のステップは、先の例のステップと同様であり、それぞれのセットに対して、個々の送信線路の中央に大きいアドミタンスステップを有し、また、個々の送信線路の最初および終わりに小さいステップを有している。
【0075】
図24は、22段複合電力増幅器の場合、図23を参照して上で説明した理想B級増幅器を仮定すると、効率は約74〜75%であることを示したものである。
【0076】
上では、広い帯域中で本質的に一定である遷移点にすべて重要な特性を有する複数のピーキング増幅器セットを形成することが可能であることが示された。したがって第1の(主)サブ増幅器を分割して分散させることも同じく可能であるはずである。この場合、複合電力増幅器の第1のセット110は、単一増幅器モードを使用することなく集合的に駆動される。これは、すべてのセット110、120、130に対する、既に説明した分散増幅器入力駆動技法の使用を可能にし、トランジスタ入力キャパシタンスを合成送信線路中に吸収することによって高周波動作を改善する。例えばE. Ginztonらの「Distributed Amplification」、Proc. IRE、vol. 36、956〜969頁、1948年8月を参照されたい。
【0077】
図25は、第1のセット110が複数のサブ増幅器を有するテーパ化送信線路を備えた1つのこのような例示的複合電力増幅器を示したものである(テーパリングは連続する線によって概略的に示されており、また、サブ増幅器は示されていない)。この例では、第1のセット110内に8つのサブ増幅器が存在している。これらは同じ駆動信号形状を有している。なおその上に、これらのサブ増幅器は、同じサイズおよびその対応する送信線路のアドミタンスステップサイズを有することができ、また、中心周波数における全体の長さが二分の一波長である送信線路に沿って一様に広がることができる。より詳細には、これは、複合電力増幅器100は、第1の信号の時間遅延バージョンを集合的に第1のセット110のサブ増幅器に提供するように構成することができることを意味しており、第1のセット110のサブ増幅器は、第1のセット110内のサブ増幅器によって増幅された第1の信号の時間遅延バージョンの同相結合を提供するために第1のテーパ化送信線路151に沿って配置される。
【0078】
増幅器は、増幅器がこの場合には全出力振幅の0.25および0.5にのみ遷移点を有していることを除き、図15の複合増幅器と極めて類似して動作する。−18dBにおける効率は半分になり、すなわち0.25における効率ピークとゼロ(そこでは効率は同じくゼロである)の間の中間である。
【0079】
図26は、第1のテーパ化送信線路を有する複合電力増幅器のさらに他の例を示したものである。この例は図25の例と類似しているが、ここでは3つのセット110、120、130のサブ増幅器しか存在していない。ステップおよびステップの数は、図26では概略的にしか示されていない。
【0080】
図27には、図25による例示的複合電力増幅器に対する効率が示されている。10dB Rayleigh分布信号に対する効率は約70%である。
【0081】
「完全に変換された」セットが縦続されると、個々のセット内のすべてのサブ増幅器は、関連する上部遷移点でサブ増幅器の最大RF電流および電圧を出力する。言い換えると、サブ増幅器は、遷移点では、全出力振幅すなわち電力における動作条件とほぼ厳密に同じ動作条件を有している。これを表現するさらに別の方法は、遷移点より上では、サブ増幅器が残留負荷変調をほとんど有していないことである。
【0082】
図28を参照すると、5遷移点複合電力増幅器100が示されている。これは、複合電力増幅器100が5つのセットのサブ増幅器を備えていることを意味している。5遷移点増幅器の場合、遷移点は、最大出力振幅1に関して、0.21、0.27、0.35、0.46および0.59に存在する。動作帯域幅は2:1である。複合電力増幅器100は22個のサブ増幅器を備えており、1つのサブ増幅器を備えたセット110、それぞれ4つのサブ増幅器を備えたセット120、130、140および150、および5つのサブ増幅器を備えたセット160を形成している。セット毎のサブ増幅器の数は、遷移点が互いに比較的接近しているため、比較的少なくすることができる。遷移点における、含まれているすべてのセットからのRF出力電流振幅の合計は、二乗された遷移点振幅に比例し、また、出力へ向かう残りの送信線路からの変換されたインピーダンスは、二乗された遷移点振幅の逆に比例する。これは、一般に、完全に変換されたセットが使用される場合のこれらの増幅器に対する事例である。
【0083】
図29は、直前の例示的複合電力増幅器に対する遷移点振幅を示したものである。一点鎖線は、第1のセットのサブ増幅器に対する遷移点振幅、すなわち第1のセットによって得られる最大出力信号振幅に対応している。小さい点線は、第1のセットおよび第2のセットのサブ増幅器に対する遷移点振幅、すなわち第1のセットおよび第2のセットによって得られる最大出力信号振幅に対応している。長い鎖線は、第1のセット、第2のセットおよび第3のセットのサブ増幅器に対する遷移点振幅、すなわち第1のセット、第2のセットおよび第3のセットのサブ増幅器によって得られる最大出力信号振幅に対応している。鎖線は、第4のセットのサブ増幅器に対する遷移点振幅、すなわち第1のセット、第2のセット、第3のセットおよび第4のセットのサブ増幅器によって得られる最大出力信号振幅に対応している。細い実線は、第5のセットのサブ増幅器に対する遷移点振幅、すなわち第1のセット、第2のセット、第3のセット、第4のセットおよび第5のセットのサブ増幅器によって得られる最大出力信号振幅に対応している。太い線は、第6のセットのサブ増幅器に対する遷移点振幅、すなわち第1のセット、第2のセット、第3のセット、第4のセット、第5のセットおよび第6のセットのサブ増幅器によって得られる最大出力信号振幅に対応している。
【0084】
さらに他の実施形態では、複合電力増幅器の極めて広い帯域動作が同じく可能である。図30は、10:1帯域幅および全出力振幅の0.22、0.36および0.6に3つの遷移点を有する複合電力増幅器に対する、帯域内の周波数における入力信号振幅の関数としての効率を示したものである。単一のサブ増幅器が第1のグループに対して使用され、また、18個のサブ増幅器が他の3つのセットの各々に対して使用されている。図31は、効率が複合電力増幅器の動作帯域幅全体にわたって実質的に一定であることを示している。
【0085】
1つの広い帯域に対してただ単に同調する代わりに、複合電力増幅器は、複数の狭い帯域における動作に対して設計することも可能である。この一例は図32に示されている。この例では、「中心周波数」の0.5から0.7までの第1の帯域B1と、1.3から1.5までの第2の帯域B2の2つの帯域が存在している。図32は、効率がこれらの2つの帯域に対して良好であることを示している。
【0086】
送信線路の単位長さ毎に常に損失が存在するため、送信線路または等価回路の全体の長さを短く維持することは一般に良いことである。一方、テーパが長いほど、また、サブ増幅器が多いほど、より広い帯域幅にわたる出力信号のリプルが小さくなる。所与の性能に対する最良の形状またはほぼ最良の最も短いテーパ化送信線路またはステップ化インピーダンス線路は、上記のほとんどの例で分かるように、セット内の最初の増幅器および最後の増幅器の近辺における単位長さ当たりのアドミタンス増加が小さく、また、中央では変化がより急峻であるか、またはより大きいアドミタンスを有することである。線形テーパまたは等距離の同じサイズのアドミタンスステップの使用は、この観点からは次善であるが当然可能である。例外は、上の例で分かるように、分散した第1のセットのサブ増幅器に対して、比較的短い線形テーパ化送信線路が使用されることである。
【0087】
これらの増幅器を設計する場合、トランジスタサイズは、通常、そのインピーダンスプロファイルに対して二次的である。サブ増幅器内のトランジスタは、必要な最大RF出力電流を引き渡すためには十分に大きくしなければならない。トランジスタの寄生が適切に吸収されるか、または補償される限り、大きすぎるトランジスタは問題ではない。小さすぎるトランジスタは、出力電力が小さいことに加えて、過剰なリプルの原因になり得る。
【0088】
テーパ選択および多重セクション変換器の選択に対して、R. W. Klopfensteinは、「A transmission line taper of improved design,」Proc. IRE、vol. 44、31〜35頁、1956年1月の中で、また、R. E. Collinは、「The theory and design of wide−band multisection quarter−wave transformers,」Proc. IRE、vol . 43、179〜185頁、1955年2月の中で、完全な負荷を有する単一の変換器に対する、規定された帯域幅内の反射係数を最小化する方法を教示している。
【0089】
本明細書における実施形態によるテーパ化送信線路はセグメントを有しており、また、複数の変換器として作用するため、1つの変換器からの不可避的な反射は、次の変換器の負荷を完全性に劣るものにすることになる。これは、上で言及した単一の変換器は、この方式で縦続されると必ずしも最適ではないことを意味している。反射が十分に小さい場合、すなわち十分に小さくなるように設計される場合、誤伝搬も同じく減少し、また、テーパ化送信線路は、このアプリケーションに対しても依然として最適に近くなり得る。しかしながら一般的には、セットを共最適化することによる利点が存在しており、したがってテーパ化送信線路は不完全負荷を補償する。従来技術には存在しない、テーパまたはアドミタンスステップを設計するためのさらに他の態様は、個々のトランジスタにおける出力電圧リプルの制御であり、また、より単純な駆動信号およびそれらの分配を許容するための熟考された過大設計である。周波数範囲全体にわたる電圧リプルは、いくつかの周波数領域で電圧アンダシュートをもたらして効率を低下させるか、あるいは電圧オーバシュートをもたらしてトランジスタを飽和させることになり、また、出力の非直線性をもたらす。
【0090】
好ましいことには、セットの末端以外の送信線路に沿った他の点におけるサブ増幅器の出力電圧に対する周波数応答は大きさが限られており、したがってサブ増幅器が過剰駆動されて飽和することはない。重み係数は、この要求事項の実現を促進するために調整することができる。また、増幅器は、最小通用設計と比較して過大設計することも可能であり、すなわち単一重み係数を許容して駆動信号の生成を単純にするために、単位長さ当たりのアドミタンス増加がより小さいより長いテーパ、およびより多く、かつ、より小さいサブ増幅器を有することも可能である。
【0091】
トランジスタの出力における寄生リアクタンスは、多くの方法で処理することができる。トランジスタ出力ノードにおける純キャパシタンスは、通常、送信線路の縦続中に吸収して、このキャパシタンスの「合成」送信線路、およびより大きいインピーダンスのより短い送信線路を構築することができる(別法としては直列インダクタンスのみを使用することができる)。導線インダクタンスは、人工(すなわち合成)送信線路内の直列インダクタンス間に負の相互インダクタンスを使用することによって相殺することができ、E. Ginztonらの「Distributed Amplification”、Proc. IRE、vol. 36、956〜969頁、1948年8月を参照されたい。一般に高周波動作には、ほとんど合成送信線路が必要であり、すなわちトランジスタキャパシタンスおよび/または多くのトランジスタによって提供される送信線路のキャパシタンスのほとんどが必要である。
【0092】
本明細書における実施形態による複合電力増幅器は、トランジスタの出力における分路損失に対して比較的鈍感である。複合電力増幅器は、この点に関して、通常、多段Doherty増幅器よりも良好である。これらの増幅器は、帯域幅全体にわたって一様に動作するように構築することができるため、したがってこれらの損失に対する感度も同じく帯域幅全体にわたってほぼ一様にすることができる。
【0093】
実施形態の高い効率は、高効率動作モード、例えばB級動作、C級動作またはF級動作が使用される場合に得ることができる。極めて広い帯域幅を有する増幅器は、サブ増幅器内のプッシュ−プル結合トランジスタなどの特殊な設計を必要とすることがある。このような場合、実施形態は、差動信号を提供するために入力にバランを使用して差別的に実現することができ、また、残りの増幅器を完全に差動にすることができる。他の実施態様も同じく実行可能であり、また、使用される特定の回路技法は、帯域幅および他の要求事項によって与えられる。
【0094】
他の増幅器技法との組合せも同じく可能である。上で示したように、遷移点における先行するセットに対するRF出力電流および電圧は、全出力におけるそれらの値に常に十分に近づけることができる。それは、任意の技法を使用して構築された任意の増幅器を第1のセットとして代用することができ、また、残りの増幅器が本発明に従って構築されることを意味している。
【0095】
図33は、一例示的ユーザ機器1000を示したものである。
【0096】
本明細書において使用されているように、「ユーザ機器」という用語は、移動電話、セルラ電話、無線通信機能を装備したパーソナルデジタルアシスタント(PDA)、スマートフォン、内部または外部移動広帯域モデムを装備したラップトップまたはパーソナルコンピュータ(PC)、無線通信機能を装備したタブレットPC、携帯型電子無線通信デバイス、無線通信機能を装備したセンサデバイス、等々を意味することができる。センサは、風、温度、気圧、湿度、等々などの任意の種類の気象センサであってもよい。さらに他の例として、センサは、光センサ、電子スイッチ、マイクロホン、拡声器、カメラセンサ、等々であってもよい。
【0097】
ユーザ機器1000は、処理回路1010および/またはメモリ1020を備えることができる。
【0098】
さらに、ユーザ機器1000は、上で説明した実施形態による複合電力増幅器100を備えている。別の表現をすると、ユーザ機器1000は、本明細書において開示されている複合電力増幅器100であってもよい複合電力増幅器1030を備えることができる。
【0099】
ユーザ機器1000は、例えば無線信号の形態のデータの送信および受信を容易にするための追加トランシーバ回路機構(図示せず)をさらに備えることができる。
【0100】
図34は、一例示的無線ネットワークノード2000を示したものである。
【0101】
本明細書において使用されているように、「無線ネットワークノード」という用語は、ユーザ機器(UE)とネットワークの間の無線通信を容易にする1つの機器を意味することができる。したがって「無線ネットワークノード」という用語は、基地局(BS)、トランシーバ基地局(BTS)、無線基地局(RBS)、いわゆる第3世代(3G)ネットワークにおけるNodeB、Long−Term Evolution(LTE)ネットワークにおけるエボルブドNode B、eNodeBまたはeNB、等々を意味することができる。UMTS地上無線アクセスネットワーク(UTRAN)ネットワークであって、UMTSはUniversal Mobile Telecommunications System(ユニバーサル移動電気通信システム)の略称であるネットワークでは、「無線ネットワークノード」という用語は、無線ネットワークコントローラを同じく意味することができる。さらに、移動通信のためのグローバルシステム(GSM)EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)であって、EDGEはEnhanced Data rates for GSM Evolution(GSM拡張のための拡張型データ通信速度)の略称であるネットワークでは、「無線ネットワークノード」という用語は、基地局コントローラ(BSC)を同じく意味することができる。
【0102】
無線ネットワークノード2000は、処理回路210および/またはメモリ220を備えることができる。
【0103】
さらに、無線ネットワークノード2000は、上で説明した実施形態による複合電力増幅器100を備えている。別の表現をすると、無線ネットワークノード2000は、本明細書において開示されている複合電力増幅器100であってもよい複合電力増幅器230を備えることができる。
【0104】
無線ネットワークノード2000は、例えば無線信号の形態のデータの送信および受信を容易にするための追加トランシーバ回路機構(図示せず)をさらに備えることができる。
【0105】
本明細書において使用されているように、「処理回路」という用語は、処理ユニット、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、等々であってもよい。一例として、プロセッサ、ASIC、FPGA、等々は、1つまたは複数のプロセッサカーネルを備えることができる。いくつかの例では、処理回路は、ソフトウェアモジュールまたはハードウェアモジュールによって具体化することができる。任意のこのようなモジュールは、本明細書において開示されている決定手段、予測手段、捕獲手段、結合手段、比較手段、識別手段、選択手段、受信手段、送信手段、等々であってもよい。一例として、「手段」という表現は、決定ユニット、選択ユニット、等々などのユニットであってもよい。
【0106】
本明細書において使用されているように、「メモリ」という用語は、ハードディスク、磁気記憶媒体、携帯型コンピュータディスケットまたはディスク、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、等々を意味することができる。さらに、「メモリ」という用語は、プロセッサの内部レジスタメモリ、等々を意味することができる。
【0107】
本明細書において使用されているように、「数」、「値」という用語は、二進数、実数、虚数または有理数、等々などの任意の種類の数字であってもよい。さらに、「数」、「値」は、文字または文字の列などの1つまたは複数の字であってもよい。また、「数」、「値」という用語は、ビット列すなわちビットの列によって表すことも可能である。
【0108】
本明細書において使用されているように、「いくつかの実施形態では」という表現は、説明されている実施形態の特徴は、本明細書において開示されている任意の他の実施形態と組み合わせることができることを示すために使用されている。
【0109】
様々な態様の実施形態が説明されているが、その実施形態の多くの異なる改変、修正、等々は、当業者には明らかになるであろう。したがって説明されている実施形態には、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
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