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特許6608997インプリントリソグラフィーのためのインプリント材料
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6608997
(24)【登録日】2019年11月1日
(45)【発行日】2019年11月20日
(54)【発明の名称】インプリントリソグラフィーのためのインプリント材料
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/027 20060101AFI20191111BHJP
   B29C 59/02 20060101ALI20191111BHJP
   C08L 83/06 20060101ALI20191111BHJP
   C08L 71/02 20060101ALI20191111BHJP
   C08G 83/00 20060101ALI20191111BHJP
【FI】
   H01L21/30 502D
   B29C59/02 Z
   C08L83/06
   C08L71/02
   C08G83/00
【請求項の数】7
【外国語出願】
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-89325(P2018-89325)
(22)【出願日】2018年5月7日
(62)【分割の表示】特願2016-520293(P2016-520293)の分割
【原出願日】2013年6月19日
(65)【公開番号】特開2018-125565(P2018-125565A)
(43)【公開日】2018年8月9日
【審査請求日】2018年5月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】508333169
【氏名又は名称】エーファウ・グループ・エー・タルナー・ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ムスタファ チョウイキ
【審査官】 植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2011/155582(WO,A1)
【文献】 特開2006−139249(JP,A)
【文献】 特開2005−196168(JP,A)
【文献】 特開2008−006820(JP,A)
【文献】 田島誠太郎,シルセスキオキサン誘導体「SQシリーズ」,東亞合成研究年報,日本,東亞合成株式会社,2004年 1月 1日,7号,37-41頁,URL,http://www.toagosei.co.jp/develop/theses/detail/odf/no07_07.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
B29C 59/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
疎水性のスタンプ表面を有するスタンプと、インプリントリソグラフィーに使用可能で、硬化可能な、親水性表面を有するインプリント材料との組み合わせ、または親水性のスタンプ表面を有するスタンプと、インプリントリソグラフィーに使用可能で、硬化可能な、疎水性表面を有するインプリント材料との組み合わせであって、前記インプリント材料が、
・少なくとも1種の重合可能な主成分、
・少なくとも1種の親水性又は疎水性を調整するための副成分、
・開始剤、及び
・溶剤
から構成される混合物から成り、前記開始剤は活性化に際し前記少なくとも1種の主成分のみを重合させるものであり、前記主成分は、以下の材料の少なくとも1種:
・多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)
・ポリ(オルガノ)シロキサン(シリコーン)
から形成されている、前記組み合わせ。
【請求項2】
前記副成分が、以下の化合物の少なくとも1種:
・アクリル
・エポキシド
・エポキシ樹脂
・フェノール
・アルカン
・アルケン
・アルキン
・ベンゼン
・ポリアクリレート
・エーテル
から成る、
請求項1に記載の組み合わせ。
【請求項3】
前記インプリント材料が、少なくとも2個のモノマーの鎖長を有する、重合されたモノマーの鎖から成る、請求項1または2に記載の組み合わせ。
【請求項4】
インプリントリソグラフィーに使用可能で、硬化可能なインプリント材料であって、
・少なくとも1種の重合可能な主成分、
・少なくとも1種の親水性又は疎水性を調整するための副成分、
・開始剤、及び
・溶剤
から構成される混合物から成り、前記開始剤は活性化に際し前記少なくとも1種の主成分のみを重合させるものであり、前記主成分は、以下の材料の少なくとも1種:
・多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)
・ポリ(オルガノ)シロキサン(シリコーン)
から形成されている、前記インプリント材料。
【請求項5】
前記副成分が、以下の化合物の少なくとも1種:
・アクリル
・エポキシド
・エポキシ樹脂
・フェノール
・アルカン
・アルケン
・アルキン
・ベンゼン
から成る、
請求項に記載のインプリント材料。
【請求項6】
少なくとも2個のモノマーの鎖長を有する、重合されたモノマーの鎖から成る、請求項4または5に記載のインプリント材料。
【請求項7】
前記インプリント材料が、インプリント面で親水性のインプリントスタンプに当たる場合には疎水性に、インプリント面で疎水性のインプリントスタンプに当たる場合には、親水性に形成されている、請求項からまでのいずれか1項に記載のインプリント材料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のインプリント材料、また請求項7に記載の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体産業では、インプリントリソグラフィー法がますます用いられており、従来の光学リソグラフィー法を補完するか、又はこれと置き換えられている。マイクロ及び/又はナノ構造化されたインプリントスタンプを用いることによって、光学回折現象に制限されない、粘性のあるインプリント材料を機械的に構造化する可能性が得られる。構造化された、粘性のあるインプリント材料は、インプリント工程の前、及び/又はその間に、架橋/硬化され、形状安定に保たれる。ここでこの架橋は特に、電磁線によって、好適には紫外線によって、及び/又は熱によって、つまり熱的に行われる。架橋の後、インプリントスタンプは、硬化したインプリント材料から外すことができる。残存する、硬化したインプリント材料は、既に機能的な形状を有するか、又は引き続く工程段階でさらに処理される。非常に多くの、特に無機分子系のインプリント材料は、離型工程の後、さらに高温で熱処理される。熱処理は、インプリント材料を不可逆的に硬化させるために用いられる。有機及び無機の分子を有するインプリント材料を用いる際、熱処理は主に、インプリント材料から有機の部分を除去し、無機分子を相互に架橋させるために用いられる。これによって、有機及び無機の分子から成るインプリント材料をスタンプ工程によって構造化し、スタンプ工程の後、完全な無機材料へと変換させることが可能になる。
【0003】
インプリント材料の構造化を行うためには、特別なインプリントスタンプが必要となる。インプリントスタンプは、マイクロメータ及び/又はナノメータサイズの構造を無欠陥でネガとしてインプリント材料に転写できるという非常に高い要求に応じなければならない。従来技術では、多くの様々な種類のスタンプが存在する。基本的には、硬質スタンプと軟質スタンプとに区別される。
【0004】
硬質スタンプは、金属、ガラス、又はセラミックから成る。硬質スタンプはほとんど変形できず、耐腐食性であり、耐摩耗性であり、その製造が非常に高価になる。硬質スタンプの表面はたいてい、電子線リソグラフィー、又はレーザー線リソグラフィーによって加工される。この製造方法は、一般的に非常に高価である。硬質スタンプの利点は特に、耐摩耗性が高いことにある。硬質スタンプの重大な欠点は、曲げ抵抗が高いことであり、このため、インプリントスタンプを一単位ごとにインプリント材料から引き抜くことができない(軟質スタンプの場合は可能)。硬質スタンプは、スタンプの面全体にわたって、法線力によってインプリント材料から引き上げることができるだけである。
【0005】
軟質スタンプは非常にしばしば、硬質スタンプのネガとして成形される。軟質スタンプはたいていポリマーから成り、弾性が高く、曲げ強度は低い。これはたいてい、エントロピー弾性である。その理由は特に、インプリント材料と軟質スタンプとの間の付着性が高いこと、及び/又は軟質スタンプの膨潤にある。軟質スタンプは、様々な化学的、物理的、及び工業的なパラメータによって、硬質スタンプと区別できる。弾性挙動に基づく区別も考えられるだろう。軟質スタンプは主に、エントロピー弾性に基づく変形特性を、硬質スタンプは主に、エネルギー弾性に基づく変形挙動を有する。さらに、これら2つの種類のスタンプは例えば、それら自身の硬度によって区別することができる。この硬度は、侵入する物体に対して材料が有する抵抗値である。硬質スタンプは主に、金属又はセラミックから成り、これらは相応して硬度値が高い。固体の硬度を記載するためには、様々なやり方がある。非常に慣用の方法は、ビッカースによる硬度の記載である。詳細はともかく、硬質スタンプはビッカース硬度が500HV超であると、大まかに言うことができる。理論的には、このような軟質スタンプは、非常に容易にインプリント材料から取り外し可能だが、そうでないこともしばしばある。よって今日のインプリント技術に伴う最大の問題は特に、離型工程において、つまりインプリントスタンプ(特に軟質スタンプ)をインプリント材料から分離する際に生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
よって本発明の課題は、インプリントスタンプから、より良好に取り外し可能なインプリント材料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の特徴によって解決される。本発明のさらなる有利な構成は、従属請求項に記載されている。本発明の範囲には、明細書、請求項、及び/又は図面に記載の特徴少なくとも2つのあらゆる組み合わせも含まれる。記載されたさらなる範囲では、記載した限度内にある値もまた、境界値として開示されたものとして通用し、任意の組み合わせで特許請求できる。
【0008】
本発明は、インプリントリソグラフィー用のインプリント材料、並びに前記インプリント材料の本発明による用途/使用を記載する。このインプリント材料の特徴は、少なくとも1種の、好適には無機及び/又は有機部分からなる主成分と、少なくとも1種の、特にインプリント材料と水との相互作用特性を調整するために適した/使用される副成分、好適には有機成分との混合物であることである。主成分とは、主要な量で、最終的にインプリントされた形態の構築に貢献する成分であると理解される。副成分とは、主成分と混合される他の全ての成分であると理解され、これに該当するのは特に、本発明により親水性もしくは疎水性を調整する、及び/又は親水性もしくは疎水性に影響を与えるあらゆる有機成分、開始剤、及び溶剤である。よって本発明によればインプリント材料は、複数の主成分、及び/又は複数の副成分から成っていてよい。本発明によれば、本発明によるインプリント材料における複数の主成分及び/又は複数の副成分が意図され得るが、以下では例示的に、1種の主成分と1種の副成分についてのみ話題にする。
【0009】
本発明によれば、主成分である第一の成分が存在する。第二の成分は、本発明により親水性もしくは疎水性を調整するために役立つ重要な成分、好適には有機化合物である。第三の成分は、溶剤である。第四の成分は、主成分間での重合を開始させる開始剤、好適には光開始剤である。少なくとも4種の成分から成るこの混合物を、被覆工程によって基板(Substrat)に堆積させる。溶剤は、少なくともインプリント材料の一次成形(Urformung)前では、主成分の質量パーセントにおいて、質量パーセントで格別に優位を占める。主成分の質量パーセントは、10%未満、好適には8%未満、特に好ましくは6%未満、さらに好ましくは4%未満、とりわけ好ましくは3%未満である。親水性もしくは疎水性の調整に重要な役割を果たす第二の成分の質量割合は、2%未満、好適には1.5%未満、特に好適には1.0%未満、さらに好適には0.5%未満、とりわけ好適には0.1%未満である。使用する開始剤、好適には光開始剤の質量割合は、2%未満、好適には1.5%未満、特に好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、とりわけ好ましくは0.2%未満である。使用される溶剤の質量割合は、98%未満、好適には96%未満、特に好ましくは94%未満、さらに好ましくは92%未満、とりわけ好ましくは90%未満である。混合物から溶剤を除去した後、もしくは溶剤を揮発させた後、本発明によるインプリント材料の質量パーセントは相応して変化する。
【0010】
特に有機の副成分によって、重合、収縮、及び/又は付着性を適切に調整することができるか、又はこれらに少なくとも影響を及ぼすことができる。有機の副成分は好適には、インプリント材料とインプリントスタンプとの間の付着性ができるだけ少ないように、ひいてはインプリントスタンプが、インプリント材料から容易に離型できるように選択される。特に、できるだけ容易に離型するため、インプリントスタンプ表面が親水性であればインプリント材料の表面を疎水性に選択し、またその逆もある。
【0011】
離型に特に最適なのは、本発明の有利な態様によれば、疎水性スタンプ表面と、インプリント材料の疎水性表面の組み合わせである。最適な組み合わせは、本発明によれば経験的に特定できる。
【0012】
親水性とは、物質表面と水との相互作用性が高いことであると理解される。親水性表面は主に極性であり、流体の分子の永久双極子と、好ましくは水と、相応して良好に相互作用する。表面の親水性は、接触角測定装置によって定量化される。ここで親水性表面は、接触角が非常に低い。本発明によるインプリント材料が、スタンプからできるだけ容易に離型可能になるよう、親水性表面を有さなければならない場合、本発明によれば以下の値の範囲を有するものとする:親水性表面は本発明によれば、特に接触角が90°未満、好適には60°未満、好適には40°未満、さらに好適には20°未満、特に好適には1°未満である。
【0013】
疎水性とは、相応して、物質表面と水との相互作用性が低いことであると理解される。
【0014】
疎水性表面は主に極性がなく、流体の分子の永久双極子と、ほとんど相互作用しない。本発明によるインプリント材料が本発明による実施態様において、スタンプからできるだけ容易に離型可能になるよう、疎水性表面を有する場合、本発明によれば以下の値の範囲を有するものとする:疎水性表面は本発明によれば、接触角が90°超、好適には100°超、好適には120°超、さらに好適には140°超、特に好適には160°超である。さらなる、特に本発明に独自の態様によれば、主成分と少なくとも1種の副成分との混合比は、これらの成分から生じるインプリント材料が、インプリントスタンプによるインプリント工程後に、インプリントスタンプに対するインプリント材料の付着性が低いことによって、インプリントされた構造を傷つけること無く、インプリントスタンプから外すことができるように調整可能なことが意図されている。ここで主成分は好適には、有機/無機の化合物である。ここで副成分は好適には、有機化合物である。
【0015】
本発明はさらに、特別な混合物からインプリント材料を製造するという、特に独自の思想に基づいている。この混合物は、少なくとも1種の主成分と、少なくとも1種の副成分から成る。主成分は好適には、シルセスキオキサンである。本発明によれば、さらなる以下の材料が考えられる:
・多面体オリゴマーシルセスキオキサン(POSS)
・ポリジメチルシロキサン(PDMS)
・テトラエチルオルトケイ酸塩(TEOS)
・ポリ(オルガノ)シロキサン(シリコーン)
・ペルフルオロポリエーテル(PFPE)。
【0016】
副成分は、あらゆる任意の有機及び/又は無機の化合物から成っていてよい。副成分は、本発明による親水性又は疎水性を調整するために主要な役割を果たし、これが、本発明によるインプリント材料からのスタンプのより容易な離型を可能にする。特に好適には副成分は、親水性もしくは疎水性に影響を及ぼす相応の官能基を有する。これらの副成分は、任意で複雑な、好適には有機の構造を有することができる。本発明によるインプリント材料の親水性もしくは疎水性に本発明に従い影響を及ぼすことが可能な化合物を全て列挙するのは不可能なため、その代わりに幾つか、化学物質及び/又は官能基の総括的な呼称を挙げる。これらの化合物は相応して、以下のリストの元素の組み合わせから構成されていてよい。このリストに存在する化合物は全て、モノマー又はポリマーとして使用できる。少なくとも1種の副成分は好適には、特に以下の有機化合物である:
・アクリルもしくは(ポリ)アクリレート
・エポキシド
・エポキシ樹脂
・フェノール
・アルカン
・アルケン
・アルキン
・ベンゼン
・エーテル
・エステル
・カルボン酸
・ケトン
・アルコール。
【0017】
極めて特別な実施態様において、副成分は、同じ官能基(例えば、主成分の有機官能基)に属していてよい。
【0018】
主成分、開始剤、及び本発明による有機成分(これにより親水性もしくは疎水性を調整するかつ/又は親水性もしくは疎水性に影響を及ぼす)を溶解させるために、常に溶剤が使用される。溶剤は好適には、本来の構造の製造工程の過程において、本発明によるインプリント材料から除去される、もしくはそれ自体消失する。好適には、以下の溶剤のいずれかを使用する:
・アセトン
・アセトニトリル
・アニリン
・シクロヘキサン
・n−ペンタン
・トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)
・ジメチルアセトアミド
・ジメチルホルムアミド
・ジメチルスルホキシド
・1,4−ジオキサン
・氷酢酸
・無水酢酸
・酢酸エチルエステル
・エタノール
・エチレンジクロリド
・エチレングリコール
・アニソール
・ベンゼン
・ベンゾニトリル
・エチレングリコールジメチルエーテル
・石油エーテル/軽ベンジン
・ピペリジン
・プロパノール
・プロピレンカーボネート(4−メチル−1,3−ジオキソール−2−オン)
・ピリジン
・γ−ブチロラクトン
・キノリン
・クロロベンゼン
・クロロホルム
・n−ヘプタン
・2−プロパノール(イソプロピルアルコール)
・メタノール
・3−メチル−1−ブタノール(イソアミルアルコール)
・2−メチル−2−プロパノール(t−ブタノール)
・メチレンクロリド
・メチルエチルケトン(ブタノン)
・N−メチル−2−ピロリドン(NMP)
・N−メチルホルムアミド
・テトラヒドロフラン
・乳酸エチルエステル
・トルエン
・ジブチルエーテル
・ジエチレングリコール
・ジエチルエーテル
・ブロモベンゼン
・1−ブタノール
・t−ブチルメチルエーテル(TBME)
・トリエチルアミン
・トリエチレングリコール
・ホルムアミド
・n−ヘキサン
・ニトロベンゼン
・ニトロメタン
・1,1,1−トリクロロエタン
・トリクロロエテン
・硫化炭素
・スルホラン
・テトラクロロエテン
・四塩化炭素
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
・水。
【0019】
主成分及び副成分は、連鎖反応を開始させる開始剤とともに、相応する化学量論的に正確な比で混合される。主成分と、副成分及び開始剤とを混合することによって、開始剤の活性化の際に、特に、又は少なくとも主に、主成分の有機部分の間で、重合がもたらされる。副成分が部分的に重合に関与することもあり得る。特に主成分のみが、相互に重合する。重合の際に、長鎖の分子及び/又は完全な二次元及び/又は三次元の網目構造が、好適には特別に調整可能なモノマー数で生じる。ここでモノマーの数は、1超、好適には10超、特に好適には100超、さらに好適には1000超、とりわけ好適にはモノマーを完全に二次元及び/又は三次元の網目構造へと重合させる。
【0020】
主成分と副成分との量の比によって、本発明によればインプリント材料の親水性(もしくは疎水性)を調整できる。主成分は好適には、少なくとも主に、とりわけ完全に、主に無機材料、好適にはシルセスキオキサンであるため、親水性は好適には、副成分の種類と量によって決まる。親水性は特に、副成分の有機及び/又は無機の化合物の極性に依存する。好ましくは、本発明によるインプリント材料と、インプリントスタンプとの間の親水性及び疎水性は、互いに交代する。インプリントスタンプが疎水性であれば、インプリント材料は好適には親水性であり、またその逆である。使用するインプリントスタンプの表面は、好ましくは疎水性に選択する。非常に最適な組み合わせは、疎水性の本発明によるインプリント材料を、疎水性のスタンプとともに使用することであり得る。
【0021】
特に親水性のインプリント材料の利点は、インプリントスタンプに対する付着性が可能な限り低いことである。2つの表面の間の付着性は最も好ましくは、単位面積当たりのエネルギー、すなわちエネルギーの面積密度によって記載することができる。これは、2つの相互に結合された表面を、単位面に沿って再度相互に分離させるために必要なエネルギーと理解されることができる。インプリント材料とインプリントスタンプとの間の付着性は、本発明によればとりわけ2.5J/m2未満、好適には1J/m2未満、特に好適には0.1J/m2未満、さらに好適には0.01J/m2未満、とりわけ好適には0.001J/m2未満、特に好適には0.0001J/m2未満、最も好適には0.00001J/m2未満に調整する。
【0022】
第一の特別な実施態様においてインプリント材料は、少なくとも、特に正確に4種の成分から成る。主成分は任意の、酸化ケイ素系化合物、好適にはシルセスキオキサンであり、副成分は好適には特に純粋な、有機化合物である。第三の成分は特に、溶剤である。第四の成分は特に、主成分間での重合を開始させる開始剤、好適には光開始剤である。少なくとも4種の成分から成るこの混合物を、被覆工程によって基板に堆積させる。溶剤は質量パーセントで、主成分、副成分、及び開始剤の質量パーセントに対して格段に優位を占める。主成分の質量パーセント割合は、10%未満、好適には8%未満、特に好ましくは6%未満、さらに好ましくは4%未満、とりわけ好ましくは3%未満である。親水性もしくは疎水性の調整に重要な役割を果たす副成分の質量パーセント割合は、2%未満、好適には1.5%未満、特に好適には1.0%未満、さらに好適には0.5%未満、とりわけ好適には0.1%未満である。使用する開始剤、好適には光開始剤の質量パーセント割合は、2%未満、好適には1.5%未満、特に好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、とりわけ好ましくは0.2%未満である。使用する溶剤の質量パーセント割合は、98%未満、好適には96%未満、特に好ましくは94%未満、さらに好ましくは92%未満、とりわけ好ましくは90%未満である。混合物から溶剤を除去した後、もしくは溶剤を揮発させた後、本発明によるインプリント材料の質量パーセントは相応して変化する。
【0023】
第二の特別な実施態様において、インプリント材料は同様に、少なくとも、特に正確に4種の成分から成る。主成分は任意の、ケイ素原子と酸素原子に基づく化合物であり、好適にはTEOS化合物である。第二の成分は好適には、有機化合物である。第三の成分は特に、溶剤である。第四の成分は特に、主成分間での重合を開始させる開始剤、好適には光開始剤である。少なくとも4種の成分から成るこの混合物を、被覆工程によって基板に堆積させる。溶剤は質量パーセント割合で、主成分、副成分、及び開始剤の質量パーセントに対して格段に優位を占める。主成分の質量パーセント割合は、10%未満、好適には8%未満、特に好ましくは6%未満、さらに好ましくは4%未満、とりわけ好ましくは3%未満である。親水性もしくは疎水性の調整に重要な役割を果たす副成分の質量パーセント割合は、2%未満、好適には1.5%未満、特に好適には1.0%未満、さらに好適には0.5%未満、とりわけ好適には0.1%未満である。使用する開始剤、好適には光開始剤の質量パーセント割合は、2%未満、好適には1.5%未満、特に好ましくは1.0%未満、さらに好ましくは0.5%未満、とりわけ好ましくは0.2%未満である。使用する溶剤の質量パーセント割合は、98%未満、好適には96%未満、特に好ましくは94%未満、さらに好ましくは92%未満、とりわけ好ましくは90%未満である。混合物から溶剤を除去した後、もしくは溶剤を揮発させた後、本発明によるインプリント材料の質量パーセントは相応して変化する。
【0024】
インプリント材料は特に、インプリント材料を架橋させる(英語curing)ため、またインプリント材料を特に不可逆的に、硬化した状態にするため、熱開始剤及び/又は光開始剤が添加される。本発明による好ましい光開始剤は、100nm〜1000nmの範囲、好適には200nm〜500nmの範囲、特に好適には300〜400nmの範囲で敏感に反応する。熱開始剤は、25〜400℃、好適には50〜300℃、特に好適には100〜200℃で架橋を開始させる。
【0025】
架橋工程の後、インプリントスタンプは、インプリント材料から取り外すことができる。本発明によるインプリント材料は特に、インプリントスタンプが、純粋に完全に平面的な法線力下ではなく、剥離工程又はロール工程によってインプリント材料から外されるインプリント工程のために適しているが、これのみに適しているわけではない。軟質スタンプの場合、軟質スタンプをインプリント材料から、上昇させて外すのではなく、引き離すことが普通である。このような離型の場合、インプリントスタンプとインプリント材料とを分離させるためにのみ、分離が行われる分離線/分離面に沿って力を印加する必要がある。
【0026】
さらなる本発明による任意の工程段階では、インプリント材料を高温工程に送り、インプリント材料を焼結させる。焼結工程では、好適にはインプリント材料における全ての有機残分が酸化され、インプリント材料から除去され、これによって純粋な、好適には無機の構造、さらに好適にはSiO2構造が残る。この焼結は特に、50℃超、好適には200℃超、より好適には400℃超、さらに好適には600℃超、特に好適には800℃超、最も好適には1000℃超で行われる。
【0027】
インプリント材料における有機残分の酸化は、酸素割合が高い雰囲気中で行えば、特に効率的である。酸素割合は特に20%超、好適には60%超、さらに好適には80%超、特に好適には100%である。また、高酸化性成分(例えば酸素)からの特別な焼結雰囲気、及び不活性ガス成分、例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、又は二酸化炭素も考えられる。
【0028】
本発明によるインプリント材料は、様々な用途のために使用でき、特に好適には以下の用途に使用できる:
第一の本発明による、特に独自の実施態様では、本発明によるインプリント材料を保護材料として、又は封止材料として使用する。このためにインプリント材料を、第一の本発明による段階で、保護すべき構造上に施与する。その後、好適には構造化されていない平らなインプリントスタンプによるインプリント材料の平坦化、又は構造化されたインプリントスタンプによる構造化を行う。本発明によるインプリント材料の平坦化は特に、平坦面を前提とするさらなる工程段階に役立つ。本発明によるインプリント材料の構造化により、本来は保護材料としてのみ備えられているインプリント材料の機能化が可能になる。本発明による使用として考えられるのは、レンズ、マイクロ流体装置のための1つ以上の流路もしくはMEMS用キャビティをインプリントするための使用、又は保護もしくは封止されるべき構造によるさらなる機能性部品のために構造化するための使用である。保護材料は保護層として、様々な課題を満たすことができる。保護層が光学的に透明であれば、特定の波長領域における電磁線に対する透明性を制限することなく、その下にある部品を電気的及び/又は磁性的に絶縁することが可能になる。これによって特に、保護材料を通じて、2つの光電子光学部品の間での連結が考えられる。デバイスは、本発明によれば周辺から、電気的及び/又は磁性的に絶縁可能であり、それにも拘わらず連結可能である。保護材料は特に、電気的に絶縁性である。電気的な絶縁性は、誘電体の特性である。特にSiO2系材料は、その結合構造とバンド構造に基づき、部品を電気的に絶縁するために特に適している。こうして周囲との電気な分離が行われる。保護材料は好適には、非常に熱安定性である。とりわけ無機材料、特に酸化物セラミックは、融点が非常に高いため、本発明による実施態様によって、ある温度から非常に高温まで安定的な保護カバーが作製できる。さらに、本発明によるインプリント材料は、特に化学的に不活性である。これによって、インプリント材料は酸、塩基、酸化、還元に対して抵抗性となる。これらの化学的な妨害は、部品のさらなる加工、又は後の使用時に現れることがある。
【0029】
本発明の極めて好ましい、特に独自の実施態様では、インプリント材料を堆積工程によって、表面上で相応に分配して施与し且つ残存させ、平坦化工程又はインプリント工程により変えない。インプリント材料は例えば、吹き付け塗布工程により、非常に僅かな厚さで、保護すべき構造上に施与することができる。この特別な実施態様の利点は、インプリント材料がさらに、表面の三次元化を行い、この表面が完全には被覆されないことである。さらなる用途の可能性は、スピン塗布工程により好適には中心に施与されたインプリント材料の分配である。この変法は特に、保護されるべき構造が平らな構造である場合に適している。本発明によるインプリント材料が、保護されるべき構造よりも数倍大きな厚さを有するべき場合、堆積のためにスピン塗布を効果的に使用できる。上記工程段階の後、上記の手法少なくとも1つによって、インプリント材料の不可逆的な硬化が行われる。
【0030】
第二の本発明による、特に独自の実施態様では、本発明によるインプリント材料を、様々な機能性ユニットのための基礎材料として使用する。ここで本発明によるインプリント材料は、それ自体が出発材料であり、前述の本発明による実施態様のように構造を保護するのではなく、構造物質として用いられる。MEMSデバイス(英語MEMS devices)、マイクロ流体デバイス(英語:microfluidic devices)、又はフォトニック結晶のインプリントが考えられる。ここで本発明によるインプリント材料を好適には、基板上に施与する。ここでもあらゆる公知の堆積法が、本発明によるインプリント材料を、好適には完全に平坦な基板に施与するために使用でき、この本発明による実施形態のためには特に、スピン塗布が適している。第一の工程段階において、本発明によるインプリント材料の液だまりを、基板のある箇所、好適には中心に施与する。その後、スピン塗布工程により、本発明によるインプリント材料を、基板の表面全体にわたって均一に分配する。ここで、本発明による実施態様の層厚は、好適には完全に均一である。第二の本発明による工程段階では、本発明によるインプリント材料のインプリントを、インプリントスタンプを用いて行う。ここでインプリントスタンプの構造は、本発明によるインプリント材料にネガとして転写される。例えば、マイクロ流体部品を製造するために主に必要となる工程チャンバ、流路、混合チャンバ、一般的なキャビティなどを製造することも考えられる。さらに、MEMSデバイス又はLEDデバイス用のキャビティを製造することも考えられる。この本発明による実施形態によって特に、単独では完全には機能しないデバイスの一部が製造される。一般的には、本発明によるインプリント材料の構造化が開示される。上記工程段階の直後、上記の手法の少なくとも1つによって、インプリント材料の不可逆的な硬化が行われる。本発明による実施態様の利点は特に、マイクロ流体デバイスを製造する際に明らかとなる。
【0031】
マイクロ流体デバイスの特徴は、流路、反応チャンバ、混合チャンバ、ポンプチャンバ、及び/又は分析チャンバである。様々なチャンバが、流路によって相互に結合されている。マイクロ流体デバイスは、流体、ガス、及び/又は液体をマイクロ流体デバイスのある箇所から第二の箇所へと輸送し、ここで流体は1つ以上のチャンバを貫流する。このチャンバ内で、特に物理的及び/又は化学的な工程が行われる。これらの工程は、流体を変化させるか、又は流体についての記述が得られる物理的な測定シグナルの発生が可能になる。典型的な化学的な工程は、第一の流体と第二の流体との、混合チャンバにおける混合工程である。さらなる化学的な工程は特に、反応チャンバにおいて第一の流体と第二の流体が反応して第三の流体になることである。典型的な物理的な工程は、流体を励起して蛍光にするレーザーを、流体に照射することである。放出された線は、相応して検知可能であり、これにより流体について記述することができる。マイクロ流体デバイスの本発明による使用のうち重要なものの1つが、マクロ分子の配列決定であり、好適にはDNA断片、特に好適には完全なDNAストランドの配列決定である。この際に、マイクロ流体デバイスにおいて、好適には以下の工程が行われる。配列決定すべきマクロ分子を有する溶液を、マイクロ流体デバイスに導入する。第一の反応チャンバでは、配列決定すべきマクロ分子の一部を、反応チャンバの表面と結合させる。好適には、配列決定すべきマクロ分子をその1つの端部で表面に結合させ、これにより分子による「アーチ型の門」が形成される(つまり弓なりに曲がる)。さらなる段階では、相応する構成要素を有する溶液をマイクロ流体デバイスに導入することによって、このように結合されたマクロ分子を複製する。マクロ分子をうまく複製した後、規定のマーカー分子(その官能基を配列決定すべきマクロ分子の部分に連結させることができる)を交互にマイクロ流体デバイスを貫流させることによって、マクロ分子を連続的に配列決定する。マクロ分子を配列決定すべきマクロ分子に連結させた場合、マイクロ流体デバイスに照射された電磁線と、マーカー分子との相互作用を検知可能な相応するセンサ、好適には光学センサが、連結過程を認識して、デジタルで記憶する。異なるマーカー分子を繰り返し貫流させることにより、マクロ分子全体を本発明により配列決定できる。本発明によるインプリント材料、及びこの材料から生じるインプリント生成物は、このようなマイクロ流体デバイスの製造、構造化、及び効率を、決定的に上昇させる。
【0032】
第三の本発明による、特に独自の実施態様によれば、本発明によるインプリント材料を、単独で既に完全に機能的であり、与えられた課題を満たす光学素子を製造するために使用する。これに該当するのは特に、凸レンズと凹レンズ、回折光学素子(英語:diffractive optical elements, DOE)、例えばフレネルレンズ、回折格子、位相格子である。特に有利には、インプリント工程によって製造された光学素子を、機能性ユニット(例えば画像センサ、カメラ、CCD検知器、LED、レーザーダイオード、フォトダイオード、温度センサ)上に配置することができる。本発明により製造された光学素子により得られる光学的効果(すなわち、入射するもしくは出射する電磁線の強度、相、及び方向の変更)は、活用ユニット(フォトダイオード、画像センサなど)、もしくは生成ユニット(LED、レーザーダイオードなど)と、直接組み合わせる。
【0033】
第四の本発明による、特に独自の実施態様では、本発明によるインプリント材料を、エッチングマスクとして使用する。ここで、本発明によるインプリント材料は、本発明による第一の段階で、エッチングすべき表面上に施与する。その後、本発明による第二の段階において、インプリントスタンプによる、本発明によるインプリント材料の構造化を行う。ここでこの構造化は、使用するエッチング液が達する基板表面の箇所が、本発明によるインプリント材料を完全に除去されるように行うことができる。本発明による好ましい種類のエッチングマスク製造は、使用するエッチング液体が到達すべき基板表面の箇所を、なお少なくとも部分的に本発明によるインプリント材料で被覆したままにしておくことである。
【0034】
第三の工程段階では、本発明によるインプリント材料の硬化を行い、その後に本発明によるインプリント材料のエッチングを行う。ここで本発明によるインプリント材料全体が腐食されるが、エッチング用化学薬品は本来エッチングすべき基板表面に、相応する正確に構造化された箇所でより迅速に到達する。と言うのも、本発明によるインプリント材料の厚さはこの箇所では比較的、特に何倍も薄いからである。相応する化学薬品で本発明によるインプリント材料をエッチングした後、本来の表面のエッチングを、通常は第一のエッチング用化学薬品とは異なる第二のエッチング用化学薬品を用いて行うことができる。エッチングをうまく行った後、本発明によるインプリント材料を、エッチングすべき基板の表面から第一のエッチング用化学薬品で完全に除去する。
【0035】
極めて特に、とりわけ独自の実施態様では、幾つかの箇所でのみ、電磁線に対して不透明な材料で被覆されたインプリントスタンプが使用できる。このインプリントスタンプを通じて、本発明のインプリント材料を照射すると、電磁線に対して不透明な材料で被覆された箇所は電磁線をブロックし、その下にある本発明によるインプリント材料が硬化するのを防止する。この特別に製造されたインプリントスタンプによって、理想的な場合には、硬化されたインプリント材料を腐食性の化学薬品によりエッチングする必要がなくなり、なぜなら、本発明によるインプリント材料が硬化していない箇所は、より腐食性の低い化学薬品によって除去できるからである。本発明によるインプリント材料からのエッチングマスクを製造した後に再度、基板の表面を相当の化学薬品でエッチングすることができる。後者の工程段階では、エッチングマスクは相応の化学薬品によって除去される。
【0036】
第五の、本発明による特に独自の実施形態では、インプリントスタンプをインプリント/製造するために、本発明によるインプリント材料を使用する。本発明によるインプリント材料をベースとするインプリントスタンプは、上記利点を全て有する。
【0037】
第六の、本発明による特に独自の実施形態では、本発明によるインプリント材料をコンタクトリソグラフィー法によって転写する。ここではまず、本発明によるインプリント材料を採用した場合、本発明によるインプリント材料とインプリントスタンプの間の付着性が、本発明によるインプリント材料をインプリントスタンプに付着させるために充分に高いことを利用する。その一方で、本発明によるインプリント材料と、インプリントすべき基板の表面との間の付着性は、本発明によるインプリント材料とインプリントスタンプとの間の付着性よりも大きいため、本発明によるインプリント材料の片側での転写が考えられる。好適には、インプリント材料の50%超が転写される。特に好適には、ここで本発明によるインプリント材料における調整可能な付着性は、副成分、その化学構造、量、化学的及び/又は物理的結合性を正確に選択することによって活用される。
【0038】
本発明による第七の、特に独自の実施態様では、本発明によるインプリント材料を、スルーコンタクトを有する保護層として使用する。ここで、本発明によるインプリント材料は、相応のコンタクト上でエッチング工程によって開口される。この場合、本発明によるインプリント材料は、開口されたコンタクトアクセスを有する誘電層として役立つ。
【0039】
本発明による第八の、特に独自の実施態様では、転写エッチング工程用のマスクとしての、本発明によるインプリント材料の使用が考えられる。これはまず、インプリント材料が、本来の構造化されるべき基板上で、後に構造化されるべき基板が有する(べき)形態でインプリントされることと理解される。特に、本発明によるインプリント材料を有するレンズを、シリコン基板上にインプリントすることが考えられる。化学的、及び/又は物理的なエッチング工程によって、本発明によるインプリント材料は、連続的にエッチングで除去される。本発明によるインプリント材料の層厚は不均一であるため、本発明によるインプリント材料が少ない箇所では、エッチング用化学薬品が、エッチングすべき基板に先に到達するか、もしくは物理的なエッチング工程では、スパッタ原子及び/又はスパッタ分子が先に到達する。こうして幾つかの箇所では、エッチング工程が他の箇所よりも先に始まる。本発明によるインプリント材料のエッチングの等方性の場合(本発明によるインプリント材料の非晶質の特性に基づき、実質的に常に存在する)、本発明によるインプリント材料へとインプリントされた形状を直接、その下にある基板に転写することができることが判明した。インプリント材料とエッチングされるべき材料との間でエッチング速度が異なる場合、インプリント材料における構造は、基板において生成したい構造のものとは異なる。転写エッチング工程は特に、慣用の方法で成形できない材料の構造化に適している。例えば、特に赤外線光学において、シリコンレンズを製造することは非常に重要である。シリコンは、赤外線照射の波長領域において、屈折率が3.5超であり、これに対して石英ガラスの屈折率は、同じ波長領域で1.45でしかない。
【0040】
本発明による実施態様によって製造可能であり、相応して高い屈折率を有する、さらに考えられる材料は、CaF、ZnS、サファイア、ゲルマニウム、BaF、ZnSeである。レンズの解像度は、使用する波長が短ければ短いほど、また開口数が多いほど、良好である。開口数とは、受光角の正弦と屈折率との積である。材料の屈折率が大きければ大きいほど、一定の受光角及び一定の波長の際に可能な解像度が大きくなる。従ってシリコンは、赤外線領域にとって、石英ガラスよりもずっと良好に適した材料である。残念ながら、それは相応の湿式化学法によって簡単に製造することはできないが、単結晶として、又はポリシリコン(つまり多結晶)のいずれかとして使用される。相応してシリコンの構造化が、開示された転写エッチング工程によって容易に行われた。転写エッチング工程は本発明によれば、パターンニングされたサファイア基板(PSS)、又はナノパターニングされたサファイア基板(nPSS)を製造するためにも有利に使用できる。これは特に高効率LEDの製造に使用される、構造化されたサファイア基板である。
【0041】
本発明のさらなる特徴と実施態様は、請求項、また後続の図面の説明から得られる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1】本発明によるインプリント材料(本発明による第一の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
図2】本発明によるインプリント材料(本発明による第二の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
図3】本発明によるインプリント材料(本発明による第三の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
図4】インプリント材料製のエッチングマスク(本発明による第四の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
図5】インプリントスタンプとしての、本発明によるインプリント材料(本発明による第五の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
図6】コンタクトリソグラフィーの際の、本発明によるインプリント材料(本発明による第六の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
図7】位置的を限定して完全にエッチングされた絶縁層としての、本発明によるインプリント材料(本発明による第七の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
図8】転写エッチングマスクとしての、本発明によるインプリント材料(本発明による第八の使用形態)の模式的な横断面図を示す。
【0043】
図1は、基板1上で、第一のインプリント形状4の一次成形による、機能性ユニット3を封止もしくは保護するための本発明によるインプリント材料2の使用を示す。
【0044】
図2は、第二のインプリント形状4’の一次成形による、基礎材料及び構成材料としての、本発明によるインプリント材料2の第二の使用を示す。
【0045】
図3は、機能性ユニット3上に光学素子6を製造するための、本発明によるインプリント材料2の第三の使用を示す。ここで光学素子6は好適には、機能性要素3の直上で、第三のインプリント形状4”の一次成形によって、インプリントされ得る。
【0046】
図4は、第四のインプリント形状4'''の一次成形によって、既に存在するスルーコンタクト7を有するエッチングマスクとしての、本発明によるインプリント材料2の第四の使用を示す。スルーコンタクト7は、エッチングされるべき層5の表面5oまで達している。
【0047】
図5は、第五のインプリント形状4IVの一次成形によって、スタンプ8としての、本発明によるインプリント材料2の第五の使用を示す。
【0048】
図6は、第六のインプリント形状4Vにおける、スタンプ8’のインプリント構造9上でのスタンプ材料としての、本発明によるインプリント材料2の第六の使用を示す。
【0049】
図7は、本発明によるインプリント材料2の第七の使用を示す。第一の工程段階(インプリント工程)では、基板1上に施与したインプリント材料2の構造化を、インプリント材料2が、まだ開放されていないコンタクトアクセス11を、導電性コンタクト10上で有するように行う。コンタクト10は例えば、機能性ユニット3と接続している。第二の工程段階(エッチング工程)では、インプリント材料2を、まだ開口していないコンタクトアクセス11が、コンタクトアクセス11’へと完全にエッチングされるまでエッチングする。コンタクトアクセス11’は、コンタクト10に達する。図示されていないさらなる工程段階において、その後、インプリント材料2’の被覆は、コンタクト10をインプリント材料2’の表面と接続する伝導性材料によって、又は各コンタクトへの接続を可能にする伝導性材料によって行うことができる。
【0050】
図8は、転写エッチングマスクとしての、本発明によるインプリント材料2の第八の使用を示す。第一の工程段階では、本発明によるインプリント材料2が構造化される。図8では、複数のレンズ6の形での例示的な構造化が理解される。構造化された本発明によるインプリント材料2は本来、エッチングされるべき基板1上にある。図示されていないエッチング工程によって、基板1はエッチングされた基板1’になる。本発明によるインプリント材料2の形状は、インプリント材料を完全に犠牲にして基板1に転写された。ここに示した例では、インプリント材料2と基板1とのエッチング速度が同じである。エッチング速度が異なる場合には、転写に際して、レンズ6の具体的な例における構造の形状が変わる。
【符号の説明】
【0051】
1 基板、 2、2’ インプリント材料、 3、3’ 機能性ユニット、 4、4’、4”、4'''、4IV、4V、4VI、4VII インプリント形状、 5 層、 6 光学素子、 7 スルーコンタクト、 8、8’ スタンプ、 9 インプリント構造、 10 コンタクト、 11、11’ コンタクトアクセス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8