(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する機能は、前記成果物に関する情報が静止画像である場合、当該静止画像の一部のみを表示する画面を前記ユーザ端末に提供し、前記成果物に関する情報が動画像又は音声である場合、当該動画像又は音声の一部のみを再生する画面を前記ユーザ端末に提供する、
請求項2に記載のプログラム。
前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する機能は、所定の期間が経過するまでの間に前記ユーザの関心の有無を示す情報を取得しない場合、新たな成果物に関する情報を提示する画面を前記ユーザ端末に提供する、
請求項1から6のいずれか一項に記載のプログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術では、求職者及び求人者がそれぞれあらかじめデータベースに求人者のプロフィール及び求職者のプロフィールを登録する。その後、登録されたプロフィールにしたがって、希望する条件に合った求職者と求人者とのマッチングが行われる。ここで、データベースに登録されるプロフィールは、求職者であれば氏名、年齢、性別、職歴、及び自己アピール等の個人情報であり、求人者であれば社名、職務内容、待遇、及び勤務地等の情報である。
【0005】
一方、絵画や彫刻、デジタルアート、作曲等の知的な創作を伴う仕事においては、求人側の立場としては、制作者の年齢や性別等の情報はあまり重要ではなく、どのような成果物を提供できる制作者であるかに関心を持っていると考えられる。制作者の立場としても、自身の個人情報ではなく、自身が制作した成果物が求人側にどのように評価されるかに関心を持っていると考えられる。
【0006】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、成果物を媒体とする人材仲介を支援する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様は、プログラムである。このプログラムは、コンピュータに、成果物に関する情報と、当該成果物の制作者の個人情報との登録を受け付ける機能と、登録された複数の前記成果物に関する情報にアクセスするユーザのユーザ登録を受け付ける機能と、ユーザ登録の有るユーザが使用するユーザ端末に、前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する機能と、前記ユーザ端末に提示された成果物に対する前記ユーザの関心の有無を示す情報を取得する機能と、前記ユーザから前記成果物に関心が有ることを示す情報を取得した場合、当該成果物の制作者に前記ユーザの連絡先を通知する機能と、前記ユーザから前記成果物に関心が無いことを示す情報を取得した場合、新たな成果物に関する情報を提示する画面を前記ユーザ端末に提供する機能と、を実現させる。
【0008】
前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する機能は、前記成果物に関する情報に制限を設けて前記ユーザ端末に提供してもよい。
【0009】
前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する機能は、前記成果物に関する情報が静止画像である場合、当該静止画像の一部のみを表示する画面を前記ユーザ端末に提供し、前記成果物に関する情報が動画像又は音声である場合、当該動画像又は音声の一部のみを再生する画面を前記ユーザ端末に提供してもよい。
【0010】
前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する機能は、前記成果物に関する情報を提示する画面を、成果物毎に順番に提供してもよい。
【0011】
前記プログラムは、前記コンピュータに、前記ユーザから仮想通貨の購入を受け付ける機能と、前記ユーザから前記成果物に関心が有ることを示す情報を取得した場合、前記ユーザが購入した仮想通貨を前記成果物の制作者の連絡先に送付する機能と、をさらに実現させてもよい。
【0012】
前記プログラムは、前記コンピュータに、前記制作者から前記仮想通貨を受け付ける機能と、受け付けた前記仮想通貨の価値に相当する有価証券を、前記制作者の連絡先に送付する機能と、をさらに実現させてもよい。
【0013】
前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する機能は、所定の期間が経過するまでの間に前記ユーザの関心の有無を示す情報を取得しない場合、新たな成果物に関する情報を提示する画面を前記ユーザ端末に提供してもよい。
【0014】
本発明の第2の態様は、成果物の制作者と、ユーザとのマッチングを支援する人材仲介支援装置である。この装置は、前記成果物に関する情報と、当該成果物の制作者の個人情報との登録を受け付ける成果物登録部と、登録された複数の前記成果物に関する情報にアクセスするユーザのユーザ登録を受け付けるユーザ登録部と、ユーザ登録の有るユーザが使用するユーザ端末に、前記成果物に関する情報を提示する画面を提供する提示画面提供部と、前記ユーザ端末に提示された成果物に対する前記ユーザの関心の有無を示す情報を取得する関心情報取得部と、前記関心情報取得部が前記ユーザから前記成果物に関心が有ることを示す情報を取得した場合、当該成果物の制作者に前記ユーザの連絡先を通知する通知部と、を備える。ここで、前記提示画面提供部は、前記関心情報取得部が前記ユーザから前記成果物に関心が無いことを示す情報を取得した場合、新たな成果物に関する情報を提示する画面を前記ユーザ端末に提供する。
【0015】
本発明の第3の態様は、人材仲介支援方法である。この方法において、成果物の制作者と、ユーザとのマッチングを支援するための人材仲介支援装置が備えるプロセッサが、前記成果物に関する情報と、当該成果物の制作者の個人情報との登録を受け付けるステップと、登録された複数の前記成果物に関する情報にアクセスするユーザのユーザ登録を受け付けるステップと、ユーザ登録の有るユーザが使用するユーザ端末に、前記成果物に関する情報を提示する画面を提供するステップと、前記ユーザ端末に提示された成果物に対する前記ユーザの関心の有無を示す情報を取得するステップと、前記ユーザから前記成果物に関心が有ることを示す情報を取得した場合、当該成果物の制作者に前記ユーザの連絡先を通知するステップと、前記ユーザから前記成果物に関心が無いことを示す情報を取得した場合、新たな成果物に関する情報を提示する画面を前記ユーザ端末に提供するステップと、を実行する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、成果物を媒体とする人材仲介を支援する技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<実施の形態の概要>
図1は、実施の形態に係る人材仲介支援システムSの概要を説明するための図である。実施の形態に係る人材仲介支援システムSは、制作者Aが使用する端末である制作者端末Ta、成果物Pの制作者AとユーザUとのマッチングを支援する人材仲介支援装置1、及びユーザUが使用する端末であるユーザ端末Tuを含み、これらが通信ネットワークNを介して互いに通信可能な態様で接続している。
【0019】
通信ネットワークNは、例えばインターネットを用いて実現できる。制作者端末Ta及びユーザ端末Tuは、既知のPC(Personal Computer)、タブレットPC、スマートフォン、ワークステーション等の計算機である。人材仲介支援装置1は、成果物P及び成果物Pの制作者Aを登録するための成果物登録サーバ、成果物PにアクセスするユーザUを登録するためのユーザ登録サーバ、ユーザUが所持する仮想通貨を管理するための通貨管理サーバ、及び成果物Pに関する情報を提示するための制作物提示サーバとしての機能を備える。人材仲介支援装置1は、これらの機能を単一のブレードサーバで実現してもよいし、それぞれ専用のサーバを用いて実現してもよいし、クラウドコンピューティング技術を用いて実現してもよい。
【0020】
ここで、制作者Aが制作する成果物Pは、絵画、彫刻、書道、音楽、映画等の芸術作品、コンピュータプログラム等のソフトウェア、及びデジタルアートや3次元データ等のデジタルデータ、さらには、ユーザにより快適なサービスや体験を提供するためのUI(User Interface)やUX(User eXperience)等のデザインの上流に近いアイデアやロジックを含む知的成果物を意味する。また、ユーザUは、制作者Aの雇用を希望する求人者、成果物Pの制作に関する業務委託を希望する者、又は求人者や業務委託先を探している者に制作者Aを紹介する人材紹介業者である。
【0021】
以下、
図1を参照して、実施の形態に係る人材仲介支援システムSで行われる処理の手順を(1)から(9)で説明するが、その説明は
図1中の(1)から(9)と対応する。
【0022】
(1)制作者Aは制作した成果物Pを人材仲介支援装置1に登録する。具体的には、制作者Aは、少なくとも、制作者A自身を特定するための制作者情報と、成果物Pに関する情報とを登録する。制作者情報は、制作者Aの氏名、性別、年齢、連絡先(メールアドレス、住所、電話番号を含む)等の個人情報を含む情報である。
【0023】
また、成果物Pに関する情報は、成果物Pがデジタルアートやコンピュータミュージックのようなデジタルデータであれば成果物Pそのものであり、絵画や彫刻、書道等であれば成果物Pを撮像した撮影データである。また、成果物Pがソフトウェアであれば、その実行画面のキャプチャ画像やソフトウェアのコードの全部又は一部等が成果物Pに関する情報となる。なお、
図1は、成果物Pがデジタルアートである場合の例を示している。
【0024】
(2)ユーザUは、人材仲介支援装置1に登録された成果物Pにアクセスするために人材仲介支援装置1にユーザ登録をする。具体的には、ユーザUは、ユーザ情報を人材仲介支援装置1に登録するとともに、人材仲介支援装置1が発行する仮想通貨を購入する。ユーザ情報は、ユーザUにコンタクトを取るために必要な情報(例えば、ユーザUのメールアドレス、ユーザUの電話番号、ユーザUが管理するウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)を含んでいる。
【0025】
(3)ユーザ登録を済ませたユーザUは、人材仲介支援装置1に対して成果物Pに関する情報の提示を要求する。
(4)人材仲介支援装置1は、成果物Pに関する情報を提示するための画面を、成果物P毎に順番にユーザ端末Tuに提供する。
(5)ユーザUは、ユーザ端末Tuの表示部に表示された成果物Pに関する情報を視聴し、その成果物Pに関心が有るか否かを示す情報を人材仲介支援装置1に送信する。
【0026】
(6)人材仲介支援装置1は、ユーザUから成果物Pに関心が有ることを示す情報を取得した場合、成果物Pの制作者AにユーザUのユーザ情報を通知するとともに、ユーザUが購入した仮想通貨の中から所定額に相当する仮想通貨を制作者Aが所持する制作者端末Taに送信する。なお、人材仲介支援装置1は、ユーザUから成果物Pに関心が無いことを示す情報を取得した場合、新たな成果物Pに関する情報を提示するための画面を、ユーザ端末Tuに提供する。
【0027】
(7)制作者Aは、自身が制作した成果物Pに関心を持つユーザUのユーザ情報を受信する。これにより、制作者AもユーザUに興味を持つ場合、制作者AはユーザUにコンタクトを取ることができる。制作者AがユーザUにコンタクトを取ると、制作者AとユーザUとのマッチングが成立する。
【0028】
(8)制作者Aは、自身が制作した成果物Pに関心を持つユーザUから人材仲介支援装置1を介して送付された仮想通貨を有価証券に変換することを人材仲介支援装置1に要求する。ここで、制作者Aは、ユーザUにコンタクトを取るか否かに関わらず、仮想通貨を有価証券に変換することを要求することができる。
【0029】
(9)人材仲介支援装置1は、制作者Aから要求された仮想通貨に相当する価値の有価証券、すなわち、仮想通貨を換金した場合に得られる金銭と同等の価値を有する有価証券を人材仲介支援装置1に送付する。ここで、有価証券の具体例は、デジタル商品券である。この場合、人材仲介支援装置1は、デジタル商品券を電子メールに添付して制作者端末Taに送付する。制作者Aは、人材仲介支援装置1から送付されたデジタル商品券を使用可能なEC(Electronic Commerce)サイトにおいて、デジタル商品券を商品又はサービスと交換することができる。なお、有価証券がデジタルデータでない場合、人材仲介支援装置1は、制作者Aの居所に有価証券を郵送すればよい。
【0030】
なお、「有価証券」は、事後的に貨幣に換金することができる貨幣証券であってもよい。また、人材仲介支援装置1は、有価証券の一態様として、仮想通貨に相当する価値の金銭を制作者Aの口座に振り込んでもよい。この意味で、本明細書においては、金銭及び貨幣も、有価証券に含まれる。
【0031】
制作者Aは、自身の成果物Pがどの程度ユーザUに関心を持たれるかを知ることができる。また、制作者Aは、ユーザUが成果物Pに関心を持った場合は有価証券に交換可能な仮想通貨を取得することができるため、人材仲介支援装置1は、制作者Aに成果物Pを登録させるための動機付けを提供することができる。ユーザUは、複数の制作者Aが制作した成果物Pを個別に視聴することにより、各成果物Pについて関心の有無を判断することができる。このように、実施の形態に係る人材仲介支援装置1は、成果物Pを媒体とする人材仲介を支援することができる。
【0032】
<人材仲介支援装置1の機能構成>
図2は、実施の形態に係る人材仲介支援装置1の機能構成を模式的に示す図である。実施の形態に係る人材仲介支援装置1は、記憶部2と制御部3とを備える。
【0033】
記憶部2は、人材仲介支援装置1を実現するコンピュータのBIOS(Basic Input Output System)等を格納するROM(Read Only Memory)や人材仲介支援装置1の作業領域となるRAM(Random Access Memory)、OS(Operating System)やアプリケーションプログラム、当該アプリケーションプログラムの実行時に参照される種々の情報を格納するHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置である。
【0034】
制御部3は、人材仲介支援装置1のCPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサであり、記憶部2に記憶されたプログラムを実行することによって成果物登録部30、ユーザ登録部31、提示画面提供部32、関心情報取得部33、通知部34、通貨送付部35、通貨購入受付部36、及び有価証券送付部37として機能する。
【0035】
成果物登録部30は、成果物Pに関する情報と、成果物Pの制作者Aの個人情報との登録を受け付ける。ユーザ登録部31は、登録された複数の成果物に関する情報にアクセスするユーザUのユーザ登録を受け付ける。提示画面提供部32は、ユーザ登録部31が登録をしたユーザUから、成果物Pに関する情報提示の要求を取得する。提示画面提供部32は、ユーザUから要求を取得すると、成果物Pに関する情報を提示する画面を、ユーザUが使用するユーザ端末Tuに対して提供する。
【0036】
関心情報取得部33は、ユーザ端末Tuに提示された成果物に対するユーザUの関心の有無を示す情報を取得する。通知部34は、関心情報取得部33がユーザUから成果物Pに関心が有ることを示す情報を取得した場合、その成果物Pの制作者AにユーザUの連絡先を通知する。これにより、制作者Aは、自身の成果物に関心を持ったユーザUを知ることができる。制作者AもユーザUに関心を持てば、制作者AはユーザUと連絡を取ることができる。
【0037】
提示画面提供部32は、関心情報取得部33がユーザUから成果物Pに関心が無いことを示す情報を取得した場合、新たな成果物Pに関する情報を提示する画面をユーザ端末Tuに提供する。これにより、ユーザUは、複数の成果物Pに関する情報を順番に視聴することができ、多くの成果物Pの中から関心の有る成果物Pを見つけることができる。このように、実施の形態に係る人材仲介支援装置1は、成果物Pを媒体とする人材仲介を支援する技術を提供することができる。
【0038】
図3は、実施の形態に係る提示画面提供部32が提供する成果物Pに関する情報を提示する画面320の一例を模式的に示す図である。
図3は、成果物Pが静止画像のデジタルアートである場合の例を示している。成果物登録部30は、各成果物Pの登録時に固有の識別子を付与している。
図3に示す成果物Pの識別子は0324578243である。
【0039】
図3に示すように、提示画面提供部32は、成果物Pに関する情報に制限を設けてユーザ端末Tuに提供する。より具体的には、提示画面提供部32は、静止画像である成果物Pの一部のみを表示する画面320をユーザ端末Tuに提供している。
図3に示すように、成果物Pは3つの部分領域(領域O1、領域P1、及び領域O2)に分割されている。このうち、成果物Pの上部の領域O1と、下部の領域O2とは成果物Pを遮蔽する領域である。このため、ユーザ端末Tuに表示される画面320においては、成果物Pの中央部の領域P1のみが表示されている。なお、図示はしないが、成果物Pに関する情報が動画像又は音声である場合、提示画面提供部32は、その動画像又は音声の一部のみを再生する画面320をユーザ端末Tuに提供する。
【0040】
このように、提示画面提供部32が成果物Pの一部のみを表示する画面320をユーザ端末Tuに提供することにより、ユーザUが成果物Pに関心が有るか無いかを判断するための情報が少なくなる。結果として、ユーザUが成果物Pに関心が有るか無いかを判断するためにかかる時間が少なくなり、ユーザUは複数の成果物Pについて関心の有無を迅速に判断できる。
【0041】
図3において、符号321で示す領域は、ユーザUが成果物Pに関心が無いことの意思表示を示すための関心無提示領域321である。ユーザUは、例えば関心無提示領域321にマウスカーソルCを移動してクリックすることにより、成果物Pに関心が無いことを示す情報を関心情報取得部33に送信することができる。
【0042】
なお、ユーザ端末Tuの表示画面がタッチセンサを備えるタッチスクリーンである場合には、ユーザUは関心無提示領域321をタップやスワイプをすることで成果物Pに関心が無いことを示す情報を関心情報取得部33に送信することができる。
【0043】
ユーザUが成果物Pに関心が無いことを示す情報を関心情報取得部33に送信すると、提示画面提供部32は、新たな成果物Pに関する情報を提示する画面320をユーザ端末Tuに提供する。このため、提示画面提供部32は、成果物Pに関する情報を提示する画面320を、成果物P毎に順番に提供することになる。提示画面提供部32が一つの画面320毎の一つの成果物Pに関する情報を提示することにより、ユーザUは、成果物Pに関心が有るか無いかの判断を成果物P毎に集中して行うことができる。
【0044】
ここで、ユーザUが関心を持たない成果物Pの数は、ユーザUが関心を持つ成果物Pの数よりも多いと考えられる。このため、ユーザUはユーザ端末Tuを特段の操作をしなくても、関心情報取得部33に関心が無いことの意思表示をできると便利である。
【0045】
そこで、提示画面提供部32は、所定の期間が経過するまでの間にユーザUから関心の有無を示す情報を取得しない場合、新たな成果物Pに関する情報を提示する画面320をユーザ端末Tuに提供してもよい。
【0046】
図3において、符号323で示すアイコンは、時間の経過を示す時計アイコン323である。ユーザ端末Tuが画面320を表示した当初は時計アイコン323は黒色の円であり、時間の経過とともに白色の領域が増加する。ユーザ端末Tuが画面320を表示してから所定の時間が経過すると、時計アイコン323は白色の円となる。この時点で、ユーザUが特段の操作をしていなくても、関心情報取得部33はユーザUから成果物Pに関心が無いことの意思表示を示す情報を受け取ったとみなす。この結果、提示画面提供部32は、新たな成果物Pに関する情報を提示する画面320をユーザ端末Tuに提供する。
【0047】
したがって、「所定の期間」とは、成果物Pに関するユーザUの関心の有無を関心情報取得部33が擬制する際に参照する「関心有無判定基準期間」である。所定の期間の具体的な長さは、人材仲介支援装置1に登録される成果物Pの種類等を勘案して実験により定めればよいが、例えば10秒間である。また、所定の期間は、人材仲介支援装置1のユーザUが任意に設定できるようにしてもよい。この場合、記憶部2は、キーボード等の入力インタフェース(不図示)を介してユーザUが入力した所定期間の長さを示す情報を保持し、関心情報取得部33が当該情報を読みだして用いればよい。
【0048】
なお、所定期間の長さは、成果物Pに関する情報が動画像又は音声である場合の再生時間と一致する。したがって、成果物Pに関する情報が動画像又は音声である場合に、成果物Pの再生が終わるまでの間にユーザUが特段の操作をしない場合、関心情報取得部33はユーザUから成果物Pに関心が無いことの意思表示を示す情報を受け取ったとみなす。このように、ユーザUはユーザ端末Tuを特段の操作をしなくても関心情報取得部33に関心が無いことの意思表示をすることができるので、人材仲介支援装置1は、ユーザUに提供する画面320の操作性を向上することができる。
【0049】
図3において、符号322で示す領域は、ユーザUが成果物Pに関心が有ることの意思表示を示すための関心有提示領域322である。ユーザUは、例えば関心有提示領域322にマウスカーソルCを移動してクリックすることにより、成果物Pに関心が有ることを示す情報を関心情報取得部33に送信することができる。
【0050】
なお、ユーザ端末Tuの表示画面がタッチセンサを備えるタッチスクリーンである場合には、ユーザUは関心有提示領域322をタップやスワイプをすることで成果物Pに関心が有ることを示す情報を関心情報取得部33に送信することができる。また、ユーザUは画面320中の任意の位置をダブルクリック(又はダブルタップ)することにより、成果物Pに関心が有ることを示す情報を関心情報取得部33に送信することもできる。
【0051】
図2の説明に戻る。通貨送付部35は、ユーザUから成果物Pに関心が有ることを示す情報を取得した場合、ユーザUが購入した仮想通貨を成果物Pの制作者Aの連絡先に送付する。これを実現するために、通貨購入受付部36は、あらかじめユーザUから仮想通貨の購入を受け付ける。ユーザUが成果物Pに関心が有ることを示すためには、ユーザUに金銭的な負担が生じることになる。このため、人材仲介支援装置1は、ユーザUが成果物Pに対する関心の有無の判断をより適切にすることの動機付けを提供することができる。
【0052】
制作者Aは、自身の成果物Pに関心を示したユーザUから受信した仮想通貨を、有価証券に変更することができる。より具体的には、有価証券送付部37は、制作者Aから仮想通貨を受け付ける。有価証券送付部37は、制作者Aから受け付けた仮想通貨の価値に相当する有価証券を、制作者Aの連絡先に送付する。
【0053】
図4は、実施の形態に係る人材仲介支援装置1が制作者端末Taに通知する通知画面の一例を模式的に示す図であり、制作者端末Taがスマートフォンである場合の例を示す図である。通知部34は、成果物Pに関心を持ったユーザUの名称及びプロフィールとともに、ユーザUの連絡先を制作者Aが登録したメールアドレスに通知する。
【0054】
図4は、ユーザUの名称が「株式会社CDE企画」である場合の例を示している。制作者Aは、制作者端末Taを操作することにより、自身の成果物Pに興味を持ったユーザUのプロフィールを確認したり、ユーザUにメールをして連絡を取ったりすることができる。
【0055】
また、通貨送付部35が制作者Aの連絡先に仮想通貨を送付すると、通知部34はその旨を制作者Aの連絡先に通知する。この結果、
図4に示すように、制作者端末Taの表示部には仮想通貨を受け取ったことを示すメッセージが表示される。制作者Aは、制作者端末Taを操作することにより、受け取った仮想通貨をデジタル商品券と引き換えることができる。
【0056】
上述したように、制作者Aは、デジタル商品券を使用可能なECサイトにおいて、デジタル商品券を商品又はサービスと交換することができる。このように、制作者Aは、自身の成果物Pに関心を示すユーザUが現れれば、商品又はサービスと交換可能な仮想通貨を得ることができる。これにより、人材仲介支援装置1は、制作者Aが成果物Pを人材仲介支援装置1に登録しようとする動機付けを提供することができる。
【0057】
なお、制作者Aは、ユーザUから受信した仮想通貨をすぐにデジタル商品券に交換せず、蓄えることもできる。これを実現するために、人材仲介支援装置1は、成果物Pの登録情報をブロックチェーンを用いて管理する。
【0058】
図5は、実施の形態に係る人材仲介支援装置1が利用するブロックチェーンの構成を模式的に示す図である。
図5に示すように、ブロックチェーンは、複数のブロックを連結した情報である。複数のブロックのそれぞれは、直前のブロックを示す情報のハッシュ値、ナンス値、制作者情報、仮想通貨を特定するための情報、成果物Pに関する情報、成果物Pに関する情報のハッシュ値、及び成果物Pに対して関心を示したユーザUの履歴である関心履歴が含まれている。ナンス値は、ブロックのハッシュ値が特定の条件を満たされるようにするために用いられる情報である。人材仲介支援装置1が新たな成果物Pが登録されるたびに、その成果物Pを管理するためのブロックチェーンが生成される。
【0059】
関心履歴には、成果物Pに対して関心を示したユーザUに関する情報、成果物Pに対してユーザUが関心を持った日時、及び成果物Pが制作者Aに送付した仮想通貨の譲渡額が含まれる。関心履歴を参照することにより、制作者端末Taは、制作者Aが所有している仮想通貨の額を取得することができる。
【0060】
<実施の形態に係る人材仲介支援装置1が実行する人材仲介支援処理の処理フロー>
図6は、実施の形態に係る人材仲介支援装置1が実行する人材仲介支援処理の流れを説明するためのフローチャートである。本フローチャートにおける処理は、例えば人材仲介支援装置1が起動したときに開始する。
【0061】
成果物登録部30は、成果物Pに関する情報と、成果物Pの制作者Aの個人情報との登録を受け付ける(S2)。ユーザ登録部31は、登録された複数の成果物Pに関する情報にアクセスするユーザUのユーザ登録を受け付ける(S4)。
【0062】
提示画面提供部32は、ユーザUから、複数の成果物Pに関する情報の視聴要求を受け付ける(S6)。提示画面提供部32は、複数の成果物Pに関する情報の中から、ユーザUが使用するユーザ端末Tuに提示する成果物Pを選択する(S8)。提示画面提供部32は、選択した成果物Pに関する情報を提示する画面320を、ユーザUのユーザ端末Tuに提供する(S10)。
【0063】
関心情報取得部33は、ユーザUから成果物Pに対する関心の有無を示す情報を取得する(S12)。関心情報取得部33がユーザUから成果物Pに関心が有ることを示す情報を取得した場合(S14のYes)、通知部34は、成果物Pの制作者AにユーザUの連絡先を通知する(S16)。
【0064】
関心情報取得部33がユーザUから成果物Pに関心が無いことを示す情報を取得した場合(S14のNo)、又は、通知部34が制作者AにユーザUの連絡先を通知した後に、人材仲介支援装置1の動作が継続する場合(S18のNo)、人材仲介支援装置1はステップS8に戻ってステップS8からステップS16までの処理を繰り返す。人材仲介支援装置1の動作が終了する場合(S18のYes)、本フローチャートにおける処理は終了する。
【0065】
<実施の形態に係る人材仲介支援装置1が奏する効果>
以上説明したように、実施の形態に係る人材仲介支援装置1によれば、成果物Pを媒体とする人材仲介を支援する技術を提供することができる。これにより、絵画や彫刻、デジタルアート、作曲等の知的な創作を伴う仕事において、求人側の立場としては、直接成果物をみて制作者Aを判断することができる。また、制作者の立場としては、自身の個人情報ではなく、自身が制作した成果物が求人側にどのように評価されるかを知ることができる。
【0066】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、装置の分散・統合の具体的な実施の形態は、以上の実施の形態に限られず、その全部又は一部について、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。また、複数の実施の形態の任意の組み合わせによって生じる新たな実施の形態も、本発明の実施の形態に含まれる。組み合わせによって生じる新たな実施の形態の効果は、もとの実施の形態の効果を合わせ持つ。
【0067】
<変形例>
上記では、関心情報取得部33がユーザ端末Tuに提示された成果物に対するユーザUの関心の有無を示す情報を取得し、ユーザUが成果物Pに関心が有るときに通知部34がその成果物Pの制作者AにユーザUの連絡先を通知する場合について説明した。ここで、ユーザUが成果物に関心が有る場合、関心情報取得部33はその関心の度合いを段階的に取得してもよい。以下この場合について説明する。
【0068】
ユーザUが成果物Pに関心がある場合を考える。ユーザUは、まず成果物P自体に興味を持つ段階があり、次に、その成果物Pを制作した制作者Aに関心が移る段階があると考えられる。さらに、ユーザUが制作者Aに関心を持ったとしても、ユーザUが例えばチャット等のツールで制作者Aと会話をすることを望む段階と、制作者Aと実際に会って話をすることを望む段階とに分かれると考えられる。
【0069】
変形例に係る通知部34は、関心情報取得部33によってユーザUが成果物Pに関心を持つことを示す情報を取得した場合、ユーザUに対して成果物Pに関する情報、成果物Pの制作者Aとチャットをするための情報、及び成果物Pの制作者Aと実際に会うための情報とを順番に通知する。具体的には、通貨購入受付部36がそれぞれの段階に進むために定められた仮想通貨の購入をユーザUから受け付けることを条件として、通知部34は、各情報をユーザUに通知する。
【0070】
通知部34がユーザUに通知する「成果物Pの制作者Aとチャットをするための情報」は、例えばユーザUと制作者Aとが通信ネットワークNを介してチャットをするためのチャット画面、又はチャット画面にアクセスするためのURI(Uniform Resource Identifier)等の情報である。また、通知部34がユーザUに通知する「成果物Pの制作者Aと実際に会うための情報」は、例えばユーザUと制作者Aとが日程調整をするためのスケジューラ等の画面、又はスケジューラにアクセスするためのURI等の情報である。
【0071】
このように、ユーザUが関心を示す段階が進むほど、ユーザUは制作者Aに多くの仮想通貨を支払うことになる。成果物Pに対する関心が大きいほど、ユーザUに金銭的な負担が生じることになる。このため、人材仲介支援装置1は、ユーザUが成果物Pに対する関心の有無の判断をより適切にすることの動機付けを提供することができる。また、成果物Pに大きな関心を持つユーザUが出現すれば制作者Aは多くの仮想通貨を得ることができるので、制作者Aが成果物を人材仲介支援装置1に登録することの動機付けを得ることができる。
【解決手段】人材仲介支援装置1において、成果物登録部30は、成果物に関する情報と、当該成果物の制作者の個人情報との登録を受け付ける。ユーザ登録部31は、登録された複数の成果物に関する情報にアクセスするユーザのユーザ登録を受け付ける。提示画面提供部32は、関心情報取得部33がユーザ登録のあるユーザから成果物に関心が無いことを示す情報を取得した場合、新たな成果物に関する情報を提示する画面をそのユーザ端末に提供する。関心情報取得部33は、ユーザ端末に提示された成果物に対するユーザの関心の有無を示す情報を取得する。通知部34は、関心情報取得部33がユーザから成果物に関心が有ることを示す情報を取得した場合、当該成果物の制作者にユーザの連絡先を通知する。