特許6609110IP Force 特許公報全文掲載

技術分野

ウイルス感染させた接着性細胞を、支持体から剥離することなく長期間にわたって培養維持することにより当該細胞内のウイルスを増殖する方法、すなわち接着性細胞感受性のウイルス培養方法、特にA型肝炎ウイルスの培養方法

発明が解決しようとする課題[発明の詳細な説明]から抜粋

現行のA型肝炎ワクチン生産方法におけるローラーボトル培養は生産性が低く、大量生産には適していないことから、ビーズなどのマイクロキャリアーを支持体として利用した浮遊培養による生産方法が検討されてきた。しかしながら、マイクロキャリアーにGL37細胞を接着させて浮遊培養を行うと、3週間の培養期間に細胞が耐えきれず、マイクロキャリアーから剥離してしまうため、生産性向上の課題が解決できないでいた。 したがって、本発明はウイルス感染させた接着性細胞を、支持体から剥離することなく20日間以上の長期間にわたって培養維持することにより当該細胞内のウイルスを増殖する方法、すなわち接着性細胞感受性のウイルス培養方法を提供することを目的とする。

課題を解決するための手段[発明の詳細な説明]から抜粋

本発明者等は、の目的を達成するために検討を重ねた結果、ウイルス感染させた接着性細胞を繊維材質の支持体に接着させ、該支持体を培養容器内に充填して行う細胞培養において、培地の排出と添加を制御することで、当該細胞の接着率を90%以上に維持したまま培養できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【発明の効果】
本発明の方法は、ローラーボトル培養の10倍以上の細胞密度で三次元的に培養を行う高密度培養法であり、接着性細胞に感染させたウイルス培養のために必要な長期間の細胞培養維持が可能となる。これにより、ウイルス培養の生産性が向上し、当該ウイルスを用いたワクチン生産の量産化も可能となる。

この発明についての権利主張の範囲[特許請求の範囲]

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この特許公報に記載されている図面[図面の簡単な説明]から抜粋

【図1A】ウイルス感染細胞を繊維材質支持体に確実に接着させるための工程、すなわち、培養容器の培地の出し入れ(培養容器容量の1割分の培地の出し入れ)を示した図である。

【図1B】ウイルス感染細胞を繊維材質支持体に確実に接着させるための工程、すなわち、培養容器の培地の出し入れ(培地のほぼ全量を出し入れ)を示した図である。

【図2】500mLスケールでA型肝炎ウイルスを35日間培養した際の細胞数を示した図である。2種類の培地(MEM及びVP−SFM)を用いた結果を示している。

【図3】2LスケールでA型肝炎ウイルスを大量培養した際の細胞数と抗原量を示した図である。VP−SFM培地を用いた結果を示している。

【図4】繊維材質支持体を用いた培養とマイクロキャリアーを支持体として用いた浮遊培養の細胞数を比較した図である。

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