(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1−1.情報提示システムの構成]
図1に示すように、第1の実施の形態による情報提示システム1は、媒体に画像を形成する画像形成装置2、スマートフォン等でなる端末装置3、及びサーバ装置4がネットワーク5を介して互いに接続された構成となっている。
【0014】
このうちユーザに使用される画像形成装置2及び端末装置3は、該ユーザの家庭や職場等である設置場所L1に設置されている。一方、サーバ装置4は、設置場所L1から離れたサービスセンタS1に設置されている。ネットワーク5は、インターネットであり、クラウドとも呼ばれており、互いに離隔した場所に設置された機器同士を接続して情報を相互に授受させる。
【0015】
画像形成装置2は、いわゆるMFP(Multi Function Peripheral)となっており、媒体としての用紙に画像を形成する(すなわち印刷する)プリンタ機能の他、画像を読み取るイメージスキャナとしての機能や通信機能を有しており、これらの組み合わせによりプリンタ、複写機(コピー機)及びファクシミリ装置等として動作することができる。この画像形成装置2は、プリンタとして機能する場合、例えばA3サイズやA4サイズ等の大きさでなる用紙Pに対し、所望のカラー画像を印刷できる。
【0016】
図2に示すように、画像形成装置2は、略箱型に形成されたプリンタ筐体10の内部に種々の部品が配置されている。因みに以下では、
図2における右端部分を画像形成装置2の正面とし、この正面と対峙して見た場合の上下方向、左右方向及び前後方向をそれぞれ定義した上で説明する。
【0017】
画像形成装置2は、画像形成装置制御部11により全体を統括制御するようになっている。この画像形成装置制御部11は、画像形成装置通信部12を介して、端末装置3と無線又は有線により接続されている。画像形成装置制御部11は、端末装置3から印刷対象の画像を表す画像データが与えられると共に当該画像データの印刷が指示されると、用紙Pの表面に印刷画像を形成する印刷処理を実行する。
【0018】
プリンタ筐体10の上方には、種々の情報を表示すると共にユーザの操作入力を受け付ける表示操作部13が設けられている。この表示操作部13は、例えば液晶パネル及びタッチセンサが一体化されたタッチパネルと、数字ボタンや矢印ボタン等の組合せでなる操作ボタン群とにより構成されている。説明の都合上、以下ではタッチパネルの液晶パネルを表示部13Aとも呼び、またタッチパネルのタッチセンサ及び操作ボタン群を操作部13Bとも呼ぶ。
【0019】
プリンタ筐体10内の最下部には、用紙Pを収容する用紙収容カセット14と、用紙収容カセット14に集積された状態で収容されている用紙Pを1枚ずつ分離して給紙する給紙部15とが設けられている。給紙部15は、用紙収容カセット14の前端上側に位置しており、一点鎖線で示す搬送路Wに沿って用紙Pを進行させる。
【0020】
この給紙部15には、用紙Pを案内するガイド16に加えて、用紙収容カセット14の前端上側に位置するホッピングローラ17、ガイド16の終端近傍に配置されたレジストローラ18、及びガイドに沿って配置された複数のローラ等が設けられている。
【0021】
給紙部15は、画像形成装置制御部11の制御によりホッピングローラ17等の各ローラを回転させる。ホッピングローラ17は、回転することにより、用紙収容カセット14から用紙Pを1枚ずつに分離しながらピックアップし、搬送路Wに沿って前上方へ進行させる。用紙Pは、各ローラの回転により、ガイド16に案内されながら、搬送路Wに沿って後上方へ折り返されるように進行し、やがて先端をレジストローラ18に到達させる。レジストローラ18は、用紙Pに対して抵抗力を作用させることにより、進行方向に対し用紙の側辺が傾斜する、いわゆる斜行を防止して、この用紙Pを後側に位置する中搬送部20に引き渡す。
【0022】
中搬送部20は、レジストローラ18の後側近傍に配置されたアイドルローラ21及び後側に配置されたドライブローラ22の周囲に、無端ベルトでなる転写ベルト23が掛け回された構成となっている。
【0023】
この中搬送部20は、ドライブローラ22を回転させることにより、転写ベルト23を図中の矢印E1に沿って走行させ、該転写ベルト23の上側部分に用紙Pを載置させることにより、この用紙Pを前方から後方へ向けて進行させる。すなわち転写ベルト23の上側部分は、搬送路Wを形成している。また転写ベルト23における下側部分の下方には、転写ベルト23に付着したトナーを除去するベルトクリーニング装置24が設けられている。
【0024】
中搬送部20の上側には、搬送路Wに沿って、4個の画像形成ユニット25C、25M、25Y及び25Kが後側から前側へ向かって順に配置されている。画像形成ユニット25C、25M、25Y及び25K(以下これらをまとめて画像形成ユニット25とも呼ぶ)は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)及びブラック(K)の各色にそれぞれ対応しているものの、色のみが相違しており、何れも同様に構成されている。
【0025】
画像形成ユニット25は、
図3に示すように、画像形成部31、トナーカートリッジ32、LED(Light Emitting Diode)ヘッド33及び転写ローラ35により構成されている。トナーカートリッジ32は、現像剤としてのトナーを収容しており、画像形成部31の上側に配置され、当該画像形成部31の上方に取り付けられている。このトナーカートリッジ32は、収容しているトナーを画像形成部31のトナー収容部41へ供給する。
【0026】
画像形成部31には、トナー収容部41の他、供給ローラ42、現像ローラ43、規制ブレード44、感光体ドラム45及び帯電ローラ46が組み込まれている。供給ローラ42は、例えばステンレス鋼材でなる細長い円柱状の導体を軸とし、その周側面に例えば導電性シリコーンゴム発泡体や導電性ウレタンゴム発泡体でなる弾性層が形成されている。因みに弾性層には、半導電性を持たせる目的で、アセチレンブラックやカーボンブラック等が添加される場合がある。
【0027】
現像ローラ43は、例えばステンレス鋼材でなる細長い円柱状の導電性シャフト、該導電性シャフトの周側面に巻き付けるように形成された弾性層、及び該弾性層の表面を覆う表面層により構成されている。このうち弾性層は、例えばウレタンゴムやシリコーンゴムでなる。また表面層は、ウレタン溶液により弾性層の表面に対し表面処理を施すことにより、或いはアクリル樹脂やアクリル−フッ素共重合樹脂を塗布することにより形成されている。因みに表面層は、アクリル樹脂又はアクリル−フッ素共重合樹脂により構成される場合、カーボンブラックが配合されることにより、導電性が付与される。
【0028】
規制ブレード44は、例えば所定厚さのステンレス鋼板でなり、その一部に曲げ加工が施されることにより、現像ローラ43の周側面と当接する当接部が形成されている。この当接部は、現像ローラ43の周側面に対し、所定の線圧を加えるように調整されている。
【0029】
感光体ドラム45は、例えばアルミニウム製の円筒状でなるアルミ素管の周側面に、薄膜状の電荷発生層及び電荷輸送層を順次形成した構成となっている。このため感光体ドラム45は、その周側面が帯電し得るようになっている。
【0030】
帯電ローラ46は、例えばステンレス鋼材でなる細長い円柱状の導体を軸とし、その周側面にエピクドルヒドリンのような導電性の弾性体が被覆された構成となっている。この帯電ローラ46は、その周側面を感光体ドラム45の周側面に当接させている。
【0031】
この画像形成部31は、ドラムモータ37から駆動力が供給されることにより、供給ローラ42、現像ローラ43及び帯電ローラ46を矢印R2方向(図中の反時計回り)へ回転させると共に、感光体ドラム45を矢印R1方向(図中の時計回り)へ回転させる。さらに画像形成部31は、供給ローラ42、現像ローラ43、規制ブレード44及び帯電ローラ46にそれぞれ所定のバイアス電圧を印加することにより、それぞれ帯電させる。
【0032】
供給ローラ42は、帯電によりトナー収容部41内のトナーを周側面に付着させ、回転によりこのトナーを現像ローラ43の周側面に付着させる。現像ローラ43は、規制ブレード44によって周側面から余分なトナーが除去された後、この周側面を感光体ドラム45の周側面に当接させる。
【0033】
一方、帯電ローラ46は、帯電した状態で感光体ドラム45と当接することにより、当該感光体ドラム45の周側面を一様に帯電させる。露光装置としてのLEDヘッド33は、複数のLEDチップが左右方向に沿って直線状に配置されており、画像形成装置制御部11(
図2)から供給される画像データに基づいた発光パターンで、所定の時間間隔毎に発光することにより、感光体ドラム45を露光する。これにより感光体ドラム45は、その上端近傍において周側面に静電潜像が形成される。
【0034】
続いて感光体ドラム45は、矢印R1方向へ回転することにより、この静電潜像を形成した箇所を現像ローラ43と当接させる。これにより感光体ドラム45の周側面には、静電潜像に基づいてトナーが付着し、画像データに基づいたトナー画像が現像される。
【0035】
転写ローラ35は、感光体ドラム45の真下に位置しており、その周側面における上端近傍と該感光体ドラム45の下端近傍との間に、転写ベルト23の上側部分を挟んでいる。この転写ローラ35は、所定のバイアス電圧が印加されると共に、ドラムモータ37から駆動力が供給されて矢印R2方向へ回転する。これにより転写ローラ35は、搬送路Wに沿って用紙Pが搬送されていた場合、感光体ドラム45の周側面に現像されたトナー画像をこの用紙Pに転写することができる。
【0036】
このようにして各画像形成ユニット25は、搬送路Wに沿って前方から搬送されて来る用紙Pに対し、それぞれの色によるトナー画像を順次転写して重ねながら、後方へ進行させていく。
【0037】
中搬送部20(
図2)の後端近傍には、定着器26が設けられている。定着器26は、加熱ローラ27及び加圧ローラ28により構成されている。加熱ローラ27は、中心軸を左右方向に向けた円筒状に形成されており、内部にヒータが設けられている。加圧ローラ28は、加熱ローラ27と同様の円筒状に形成されており、上側の表面を加熱ローラ27における下側の表面に所定の押圧力で押し付けている。
【0038】
この定着器26は、画像形成装置制御部11の制御に基づき、加熱ローラ27を加熱すると共に当該加熱ローラ27及び加圧ローラ28をそれぞれ所定方向へ回転させる。これにより定着器26は、画像形成ユニット25から受け渡された用紙P、すなわち4色のトナー画像が重ねられた用紙Pに対して熱及び圧力を加えてトナーを定着させ、さらに後方へ受け渡す。
【0039】
定着器26の後方には、排紙部29が配置されている。排紙部29は、給紙部15と同様、用紙Pを案内するガイドや複数のローラ等の組み合わせにより構成されている。この排紙部29は、画像形成装置制御部11の制御に従って各ローラを適宜回転させることにより、定着器26から受け渡される用紙Pを後上方へ搬送してから前方へ向けて折り返し、プリンタ筐体10の上面に形成された排出トレイ10Tへ排出する。
【0040】
このように画像形成装置2は、印刷処理を実行する際、各色の画像形成ユニット25において、LEDヘッド33(
図3)をそれぞれ発光させてトナー画像を形成し、これらを用紙Pに順次転写するようになっている。
【0041】
次に、画像形成装置2のブロック構成について、
図4を参照しながら説明する。画像形成装置制御部11は、CPU(Central Processing Unit)51及び画像形成装置記憶部52により構成されており、この画像形成装置記憶部52に種々のプログラムや種々のデータを記憶させる。因みに画像形成装置記憶部52は、不揮発性のROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等と、揮発性のRAM(Random Access Memory)等とにより構成されている。
【0042】
画像形成装置制御部11のCPU51は、画像形成装置記憶部52から所定のプログラムを読み出して実行することにより、機能ブロックとして画像出力部53及び計測部54を形成する。画像出力部53は、端末装置3から画像形成装置通信部12を介して画像の印刷指示を受信し、又は操作部13Bにより所定の印刷操作がなされると、定着制御部61、露光制御部62、電圧制御部63及び駆動制御部64に対し印刷動作を指示する。
【0043】
この画像出力部53からの指示に従い、定着制御部61は、定着器26における加熱ローラ27の温度を制御する。露光制御部62は、印刷すべき画像に基づいてLEDヘッド33の発光を制御する。電圧制御部63は、帯電ローラ46、現像ローラ43、供給ローラ42、規制ブレード44及び転写ローラ35に印加する電圧をそれぞれ制御する。駆動制御部64は、ドラムモータ37の回転駆動を制御する。
【0044】
計測部54は、駆動制御部64がドラムモータ37へ指示した回転数を基に、感光体ドラム45(
図3)の回転数を計測する。また計測部54は、画像形成ユニット25(
図3)内に設けられたトナーセンサの電圧値をトナー残量検出部65により検出し、この電圧値を基にトナー残量を計測する。
【0045】
さらに計測部54は、温湿度センサ66により温度及び湿度を計測する。因みに温湿度センサ66は、例えば表示操作部13内等、定着器26により発生する熱の影響を受けにくい場所に設置されている。そのうえで計測部54は、得られた感光体ドラム45の回転数、トナー残量、温度及び湿度等を装置情報として、画像形成装置記憶部52に記憶させる。
【0046】
因みに画像形成装置記憶部52には、トナーカートリッジ32を最後に交換した後における感光体ドラム45の回転数(以下これをトナー交換後ドラム回転数とも呼ぶ)や、ユーザの操作等により濃度補正が最後に行われた後における感光体ドラム45の回転数(以下これを濃度補正後ドラム回転数とも呼ぶ)も記憶される。また、4個の画像形成ユニット25に関する情報については、それぞれのトナー残量や回転数等が画像形成装置記憶部52に記憶される。
【0047】
画像形成装置通信部12は、例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.3u/ab等の規格に準拠した有線LAN(Local Area Network)又はIEEE802.11a/b/g/n/ac等の規格に準拠した無線LANにより、ネットワーク5と接続されている。この画像形成装置通信部12は、所定の変調処理や復調処理等を行いながら、端末装置3やサーバ装置4からネットワーク5を介して受信した種々の情報やデータを画像形成装置制御部11へ供給し、また画像形成装置制御部11から供給された種々の情報やデータをネットワーク5経由で端末装置3やサーバ装置4へ送信する。
【0048】
例えば画像形成装置制御部11は、操作部13Bを介したユーザの操作指示や所定の装置情報送信プログラムに基づき、画像形成装置記憶部52に記憶している装置情報を、画像形成装置通信部12によりサーバ装置4へ送信させるようになっている。
【0049】
端末装置3は、例えば可搬型のスマートフォンやタブレット端末であり(
図1)、端末装置制御部71、端末装置表示部72、端末装置入力部73及び端末装置通信部74により構成されている。この端末装置3は、上述したように画像形成装置2と同一の設置場所L1において、該画像形成装置2と同一のユーザにより使用される。
【0050】
端末装置制御部71は、画像形成装置制御部11と同様、図示しないCPUや記憶部等により構成されており、該記憶部に記憶されている種々のプログラムを読み出して実行することにより、種々の機能を実現する。端末装置表示部72は、例えば液晶パネルであり、種々の情報を表示する。端末装置入力部73は、例えばタッチセンサでなり、ユーザの入力操作を受け付ける。因みに端末装置表示部72及び端末装置入力部73は、画像形成装置2の表示操作部13と同様、液晶パネル及びタッチセンサを一体化したタッチパネルとして構成されている。
【0051】
端末装置通信部74は、IEEE802.11a/b/g/n/ac等の規格に準拠した無線LANにより、ネットワーク5と接続されている。この端末装置通信部74は、所定の変調処理や復調処理等を行いながら、画像形成装置2やサーバ装置4からネットワーク5を介して受信した種々の情報やデータを端末装置制御部71へ供給し、また端末装置制御部71から供給された種々の情報やデータをネットワーク5経由で画像形成装置2やサーバ装置4へ送信する。
【0052】
このような構成により、端末装置3は、ネットワーク5を介してサーバ装置4等と種々の通信を行い、ユーザの操作入力に応じて種々のプログラムを実行し、また種々の情報を表示画面に表示する。
【0053】
サーバ装置4は、ネットワーク5(すなわちクラウド)に接続されており、クラウドサーバとも呼ばれる。このサーバ装置4は、サーバ装置制御部81、サーバ装置記憶部82及びサーバ装置通信部83により構成されている。サーバ装置制御部81は、図示しないCPUを中心に構成されており、各種プログラム等に従い、種々の演算処理を実行する。
【0054】
サーバ装置記憶部82は、画像形成装置記憶部52と同様、不揮発性のROM、フラッシュメモリやハードディスクドライブ等と、揮発性のRAM等とにより構成されている。このサーバ装置記憶部82は、書き換え可能なフラッシュメモリやハードディスクドライブに対し、各種プログラムを予め記憶させると共に、画像形成装置2から受信した装置情報を逐次記憶させる。またサーバ装置制御部81は、このサーバ装置記憶部82に記憶されている種々のプログラムを読み出して実行することにより、表示順決定部84等の種々の機能ブロックを実現する。
【0055】
サーバ装置通信部83は、IEEE802.3u/ab等の規格に準拠した有線LANにより、ネットワーク5と接続されている。このサーバ装置通信部83は、所定の変調処理や復調処理等を行いながら、画像形成装置2や端末装置3からネットワーク5を介して受信した種々の情報やデータをサーバ装置制御部81へ供給し、またサーバ装置制御部81から供給された種々の情報やデータをネットワーク5経由で画像形成装置2や端末装置3へ送信する。
【0056】
このような構成により、サーバ装置4は、例えば画像形成装置2から装置情報等の情報を受信してサーバ装置記憶部82に記憶させ、また端末装置3等からネットワーク5を介して種々の要求を受け付け、この要求に応じて種々の処理を実行し、その実行結果を該端末装置3へ送信する。
【0057】
因みにサーバ装置4は、ネットワーク5を介して、他の画像形成装置(図示せず)とも接続して装置情報を受信し、また他の端末装置(図示せず)からの要求に応じた種々の処理も実行し得るようになっている。
【0058】
[1−2.検索シーケンス]
ところで情報提示システム1では、画像形成装置2においてユーザが対処すべき症状が発生した場合等に、該ユーザに端末装置3を使用させ、知りたい内容を検索させるようになっている。このとき情報提示システム1は、
図5のシーケンスチャートに従い、画像形成装置2、端末装置3及びサーバ装置4の間で互いに情報を授受しながら、検索処理を行う。
【0059】
具体的に画像形成装置2の画像形成装置制御部11は、電源が投入されると処理手順RT1を開始してステップSP1へ移る。ステップSP1において画像形成装置制御部11は、表示部13Aに所定のメニュー画面(図示せず)を表示した状態で、ユーザによる操作部13Bを介した入力操作を待ち受けており、複数のメニュー項目の中から「クラウドサーバ接続メニュー」が選択されると、次のステップSP2へ移る。
【0060】
ステップSP2において画像形成装置制御部11は、画像形成装置通信部12を介してサーバ装置4と接続し、画像形成装置記憶部52に記憶している装置情報を送信して、次のステップSP3へ移る。ここで装置情報には、例えば印刷枚数、各色のドラムの回転数、各色のトナーの残量、定着器や転写ベルト等の消耗品の寿命、温度や湿度の計測結果、ユーザによる用紙サイズ等の設定内容等が含まれる。
【0061】
一方、サーバ装置4のサーバ装置制御部81は、予め所定のプログラムを実行することにより処理手順RT3を開始しており、ステップSP21においてサーバ装置通信部83により画像形成装置2と接続し、装置情報を受信してサーバ装置記憶部82に記憶させた後、次のステップSP22へ移る。
【0062】
ステップSP22においてサーバ装置制御部81は、画像形成装置2から装置情報を受信したことに応じて、新たな一意の接続コードを生成する。この接続コードは、例えば4桁の英文字及び4桁の数字を組み合わせたものであり、装置情報を受信する度に生成される。またサーバ装置制御部81は、この接続コードを、受信した装置情報と対応付けてサーバ装置記憶部82に記憶させると共に、サーバ装置通信部83により画像形成装置2へ送信して、次のステップSP23へ移る。
【0063】
これに応じて画像形成装置制御部11は、ステップSP3において、画像形成装置通信部12によりサーバ装置4からの接続コードを受信させ、さらに表示部13Aによりこの受信コードを含む案内画面(図示せず)を表示させた後、次のステップSP4へ移って処理手順RT1を終了する。これにより画像形成装置制御部11は、ユーザに接続コードを通知することができる。
【0064】
ところで表示部13Aに表示される案内画面には、接続コードの他に、端末装置3を利用した検索処理についての説明も表示されている。そこでユーザは、この説明に従って端末装置3を操作することにより、画像形成装置2に対応する所定のプログラム(アプリケーション)を実行させる。
【0065】
具体的に端末装置制御部71は、端末装置入力部73を介したユーザの入力操作に従い、記憶部(図示せず)から所定のプログラムを読み出して実行することにより、処理手順RT2を開始してステップSP11へ移る。ステップSP11において端末装置制御部71は、
図6(A)に示すメニュー画面D1を端末装置表示部72に表示する。
【0066】
このメニュー画面D1は、いわゆるGUI(Graphical User Interface)となっており、それぞれ「装置エラーを対処」、「調べて解決」及び「画質のトラブル診断」と表示された3個のメニュー項目M1、M2及びM3が表示されている。各メニュー項目M1、M2及びM3は、端末装置入力部73を介したタッチ操作による選択を受け付ける入力ボタンを兼ねている。
【0067】
端末装置制御部71は、このメニュー画面D1において、「調べて解決」と表示されたメニュー項目M2に対してタッチ操作がなされると、次のステップSP12へ移る。このとき端末装置表示部72には、
図6(B)に示す入力画面D2が表示される。この入力画面D2は、メニュー画面D1(
図6(A))と同様にGUIとなっており、接続コードを入力するための入力欄C1と、検索フリーワードを入力させるためのフリーワード入力欄C2と、検索処理の開始を指示するための検索ボタンB1とが表示されている。
【0068】
ステップSP12において端末装置制御部71は、画像形成装置2の表示部13Aに表示されている接続コードを、ユーザにより入力画面D2の入力欄C1に入力させる。そのうえで端末装置制御部71は、フリーワード入力欄C2に検索フリーワードを入力させ、検索ボタンB1をタッチ操作させることにより、接続コード及び検索フリーワードをサーバ装置4へ送信し、次のステップSP14へ移る。因みにフリーワード入力欄C2には、1個以上の単語や文章を検索フリーワードとして入力することができる。
【0069】
これに応じてサーバ装置制御部81は、ステップSP23において端末装置3から送信された接続コード(以下これを受信接続コードと呼ぶ)及び検索フリーワードを受信し、次のステップSP24へ移る。ステップSP24においてサーバ装置制御部81は、検索フリーワードに対して所定の解析処理を施し、さらに
図7に示す検索類語テーブルT1等も参照することにより、検索キーワードを決定し、次のステップSP25へ移る。
【0070】
この検索類語テーブルT1には、1個の「検索キーワード」に対し複数の「類語」が対応付けられている。このうち「検索キーワード」は、画像形成装置2における異常や不具合の症状を表す用語として定められた語句であり、後述するように、対処方法等が予め用意されている。一方、「類語」は、「検索キーワード」との関連性が高い語句であり、ユーザにより検索フリーワードとして入力されることが想定されている。このためサーバ装置制御部81は、この検索類語テーブルT1を参照することにより、ユーザに任意に入力された検索フリーワードから、該ユーザの意図をできるだけ保ったまま、予め対処方法が用意された検索キーワードに変換することができる。
【0071】
ステップSP25においてサーバ装置制御部81は、後述する情報表示順決定処理をサブルーチンとして実行することにより、検索キーワードと対応付けられた複数の情報に対し、画像形成装置2の状態に基づいた優先順位をそれぞれ決定し、次のステップSP26へ移る。ステップSP26においてサーバ装置制御部81は、検索キーワードに対応付けられた複数の情報及びそれぞれの優先順位を端末装置3へ送信した後、次のステップSP27へ移って処理手順RT3を終了する。
【0072】
これに応じて端末装置制御部71は、ステップSP14へ移り、端末装置通信部74を介して、サーバ装置4から検索結果を表す複数の情報及びそれぞれの優先順位を受信する。続いて端末装置制御部71は、
図6(C)に示すように、検索結果表示画面D3を端末装置表示部72に表示することにより、サーバ装置4から受信した複数の情報を、それぞれの優先順位に従った順序でユーザに提示した後、次のステップSP15へ移って処理手順RT2を終了する。このときユーザは、検索結果表示画面D3に表示された情報のうち、最も優先順位の高いものから順に参照し、表示された内容に従った対処を行うことができる。
【0073】
[1−3.情報表示順決定処理]
ところでサーバ装置4のサーバ装置記憶部82には、
図8に示すように、各検索キーワードに対し、種々の情報を対応付けた検索キーワード情報テーブルT2が予め記憶されている。この検索キーワード情報テーブルT2には、ユーザが画像形成装置2について知りたい内容を検索した場合に、検索結果を絞り込むための条件や提示すべき回答等が格納されている。
【0074】
検索キーワード情報テーブルT2では、1個の検索キーワードに対し、1個以上の「原因区分」が対応付けられており、さらに各「原因区分」に対し、「判断項目」及び「回答」がそれぞれ対応付けられている。
【0075】
このうち原因区分は、検索キーワードに対し、より詳細に症状やその原因を表す語句が格納されている。ここで、1個の検索キーワードに対し複数の原因区分が対応付けられている場合、複数通りの原因が考えられることを意味している。これを換言すれば、1個の検索キーワードに対し複数の原因区分が対応付けられている場合、検索キーワードのみでは、画像形成装置2において実際に発生している症状が何れの原因区分であるかを特定することができない。
【0076】
そこで検索キーワード情報テーブルT2では、各原因区分に対し、1個以上の判断項目ごとに判断条件が設定されている。この判断項目は、画像形成装置2から送信される装置情報のうち、検索キーワードと関連する情報が設定されている。具体的に検索キーワード情報テーブルT2では、例えば検索キーワード「汚れ」に対し、判断項目として「トナーLow」、「トナー交換後ドラム回転数<500」及び「温湿度区分」が設定される。
【0077】
この判断項目ごとに設定される判断条件には、その原因区分である場合に満たすべき条件が設定される。例えば判断項目「トナーLow」では、判断条件として「YES」及び「NO」のような論理値が設定される。この判断項目「トナーLow」とは、装置情報に含まれるトナー残量が所定の閾値以下であるか否かを表す値であり、この閾値以下である場合に「YES」となり、この閾値を上回る場合に「NO」となる。
【0078】
また判断条件には、判断項目「温湿度区分」のように、「A」、「B」及び「N」のような記号が設定される場合もある。この温湿度区分は、
図9に示す温湿度テーブルT3に従い、温度t[℃]及び湿度h[%]の組合せにより、「A」、「B」及び「N」といった3通りに分類されている。
【0079】
この温湿度テーブルT3では、温度が比較的低く、且つ湿度も比較的低い場合、すなわち空気中に含まれる水分量が比較的少ない場合が温湿度区分「A」とされ、これと反対に温度が比較的高く、且つ湿度も比較的高い場合、すなわち空気中に含まれる水分量が比較的多い場合が温湿度区分「B」とされている。また温湿度テーブルT3では、温湿度区分「A」及び「B」の何れにも該当しない場合が温湿度区分「N」とされている。この温湿度テーブルT3は、検索キーワード情報テーブルT2(
図8)と同様、サーバ装置記憶部82に予め記憶されている。
【0080】
検索キーワード情報テーブルT2(
図8)の「回答」には、検索結果としてユーザに提示すべき内容が格納されている。具体的には、検索キーワードである「汚れ」が発生した「原因」と、これを解消するためにユーザが行うべき「対処方法」とが含まれている。
【0081】
さらに検索キーワード情報テーブルT2は、任意のタイミングで更新が可能となっている。例えば検索キーワード情報テーブルT2は、画像形成装置2の開発や保守を担当する企業において新たに発見された原因区分や判断条件が追加される場合や、各ユーザにより参照された頻度等に応じて各情報の優先順位が変更される場合等がある。
【0082】
実際上、サーバ装置4のサーバ装置制御部81は、この検索キーワード情報テーブルT2及び温湿度テーブルT3を参照しながら、情報表示順を決定するようになっている。具体的にサーバ装置制御部81は、検索シーケンス(
図5)の処理手順RT3を実行中、ステップSP25において、サーバ装置記憶部82から情報表示順決定プログラムを読み出して実行することにより、その内部に機能ブロックとして表示順決定部84(
図4)を構成する。この表示順決定部84は、
図10に示す表示順決定処理手順RT4を開始してステップSP31へ移る。
【0083】
ステップSP31において表示順決定部84は、ステップSP23(
図5)において受信した接続コード(すなわち受信接続コード)と対応付けられている装置情報をサーバ装置記憶部82から読み出し、次のステップSP32へ移る。
【0084】
このとき表示順決定部84は、装置情報のうち、決定された検索キーワードである「汚れ」と対応する項目、すなわち検索キーワード情報テーブルT2(
図8)に登録されている判断項目と関連する情報を読み出す。具体的にサーバ装置制御部81は、装置情報に含まれる「トナー残量」、「トナー交換後ドラム回転数」、「温度」及び「湿度」の各値を読み出す。これによりサーバ装置制御部81は、端末装置3から送信された検索フリーワードと、画像形成装置2における装置情報との双方に基づいた判断処理が可能となる。
【0085】
ステップSP32において表示順決定部84は、トナーLowであるか否か、すなわちトナー残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、検索キーワード情報テーブルT2(
図8)において判断項目「トナーLow」における判断条件が唯一「YES」である場合、すなわち原因区分が「A:汚れ」である場合に該当することを表している。またこのことは、トナーカートリッジ32やトナー収容部41(
図3)に収容されているトナーの量が比較的少ないために、各トナーが過剰に帯電していると推定されることを意味している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP35へ移る。
【0086】
一方、ステップSP32において否定結果が得られた場合、このことは「トナーLow」以外の判断項目により原因区分を特定する必要があることを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP33へ移る。
【0087】
ステップSP33において表示順決定部84は、トナー交換後ドラム回転数が値「500」未満であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、検索キーワード情報テーブルT2(
図8)において判断項目「トナー交換後ドラム回転数<500」における判断条件が唯一「YES」である場合、すなわち原因区分が「B:かぶり」である場合に該当することを表している。またこのことは、トナーカートリッジ32が交換された後における感光体ドラム45の回転数が比較的少なく、各トナーの帯電量が比較的少ないと推定されることを意味している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP36へ移る。
【0088】
一方、ステップSP32において否定結果が得られた場合、このことは「トナーLow」及び「トナー交換後ドラム回転数<500」以外の判断項目、すなわち「温湿度テーブル値」により原因区分を特定する必要があることを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP34へ移る。
【0089】
ステップSP34において表示順決定部84は、装置情報から読み出した温度及び湿度の値を基に、温湿度テーブルT3を参照して温湿度区分が「A」、「B」及び「N」の何れであるかを判断する。ここで温湿度区分が「A」である場合、このことは、検索キーワード情報テーブルT2(
図8)において判断項目「温湿度区分」における判断条件が唯一「A」である場合、すなわち原因区分が「A:汚れ」である場合に該当することを表している。またこのことは、空気中に含まれる水分量が比較的少ないために、トナーが過剰に帯電していると推定されることを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP35へ移る。
【0090】
ステップSP35において表示順決定部84は、原因区分「A:汚れ」と対応する回答を優先させるように優先順位を決定し、次のステップSP38へ移る。この「A:汚れ」とは、トナーの過剰な帯電等により、印刷された用紙の一部に余分なトナーが付着してしまう症状を表している。すなわち表示順決定部84は、検索キーワードである「汚れ」に対し、装置情報を基に、その原因区分が「A:汚れ」であると判断し、これに対応した情報を優先的にユーザに提示することができる。
【0091】
またステップSP34において温湿度区分が「B」である場合、このことは、検索キーワード情報テーブルT2(
図8)において判断項目「温湿度区分」における判断条件が唯一「B」である場合、すなわち原因区分が「B:かぶり」である場合に該当することを表している。またこのことは、空気中に含まれる水分量が比較的多いために、トナーの帯電量が比較的少ないと推定されることを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP36へ移る。
【0092】
ステップSP36において表示順決定部84は、原因区分「B:かぶり」と対応する回答を優先させるように優先順位を決定し、次のステップSP38へ移る。この「B:かぶり」とは、トナーの過少な帯電等により、印刷された用紙の全体に薄く広がるように、余分なトナーが付着してしまう症状を表している。すなわち表示順決定部84は、検索キーワードである「汚れ」に対し、装置情報を基に、その原因区分が「B:かぶり」であると判断し、これに対応した情報を優先的にユーザに提示することができる。
【0093】
さらにステップSP34において温湿度区分が「N」である場合、このことは、検索キーワード情報テーブルT2(
図8)において判断項目「温湿度区分」における判断条件が唯一「N」である場合、すなわち原因区分が「C:その他」である場合に該当することを表している。またこのことは、空気中に含まれる水分量が概ね適切であり、トナーの帯電量も適正であるため、トナーの帯電量以外に原因があると推定されることを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP37へ移る。
【0094】
ステップSP37において表示順決定部84は、原因区分「C:その他」と対応する複数の回答に対し、他のユーザによる閲覧回数に応じて優先順位を決定し、次のステップSP38へ移る。この「C:その他」とは、「A:汚れ」及び「B:かぶり」のいずれとも異なる態様にて、印刷結果に汚れが発生している症状を表している。すなわち表示順決定部84は、検索キーワードである「汚れ」に対し、装置情報からは原因を特定し得ないと判断しており、他のユーザによる閲覧回数に応じた優先順位により、ユーザに情報を提示させることができる。
【0095】
ステップSP38において表示順決定部84は、表示順決定処理手順RT4を終了し、その制御をサーバ装置制御部81に戻す。サーバ装置制御部81は、検索シーケンス(
図5)の処理手順RT3に戻り、次のステップSP26に移って、上述した処理を行う。
【0096】
[1−4.効果等]
以上の構成において、第1の実施の形態による情報提示システム1は、画像形成装置2についてユーザが知りたい事項を検索フリーワードとして端末装置3に入力させ、サーバ装置4において検索キーワード情報テーブルT2(
図8)に基づいた判断処理を行い、優先順位を定めた上で情報をユーザに提示するようにした。また情報提示システム1では、検索キーワード情報テーブルT2を更新し得るようにした。
【0097】
このため情報提示システム1は、サーバ装置4において、最新の検索キーワード情報テーブルT2に従って定められた優先順位に従い、検索フリーワードに対応した内容の情報を、適切な順序で表示することができる。
【0098】
すなわち情報提示システム1では、画像形成装置2の出荷後に新たな症状やその対処方法が明らかになった場合、画像形成装置記憶部52(
図4)にこの対処方法が記憶されていないものの、サーバ装置4に記憶されている検索キーワード情報テーブルT2等が更新されることにより、適切な対処方法をユーザに提示できる。
【0099】
また情報提示システム1では、画像形成装置2においてユーザの操作により「クラウドサーバ接続メニュー」が選択されると、装置情報をサーバ装置4へ送信し、これに応じて生成される接続コードを受信して表示部13Aに表示させるようにした。これに続いて端末装置3では、ユーザの操作により検索フリーワード及び接続コードを入力させ、これらをサーバ装置4へ送信するようにした。
【0100】
このため情報提示システム1では、本来的に画像形成装置2とは無関係な端末装置3から要求された検索処理において、接続コードも入力させることによりこの画像形成装置2を特定でき、該画像形成装置2から得られた装置情報に基づく優先順位により情報を提示することができる。これを換言すれば、情報提示システム1では、あたかも端末装置3を画像形成装置2の一部のように機能させることができるので、ユーザに慣れ親しんだ文字入力インタフェース等を使用させることができ、操作性や情報の閲覧性を高めることができる。
【0101】
また情報提示システム1では、画像形成装置2における多岐に渡る情報を含む装置情報を予めサーバ装置4へ送信して記憶させておき、この装置情報を特定するために一意に生成される比較的短い(例えば8桁の)接続コードを生成する。続いて情報提示システム1では、この接続コードをサーバ装置4から画像形成装置2へ送信し、該画像形成装置2の表示部13Aに表示してユーザに通知する。このため情報提示システム1では、端末装置3に対し僅かな桁数(例えば8桁)の文字をユーザに入力させるだけで、画像形成装置2に関する膨大な情報でなる装置情報を、検索処理において有効に利用することができる。
【0102】
さらに検索キーワード情報テーブルT2(
図8)では、1個の検索キーワードに対し1個以上の原因区分を対応付け、さらに各原因区分に対し、装置情報を利用する判断項目を1個以上用意して、それぞれ原因区分に応じた判断条件を設定した。このため情報提示システム1では、ユーザが比較的抽象的なフリーワードを入力したとしても、画像形成装置2の詳細な状態を表す装置情報に基づき判断条件に従って判断することにより、何れの原因区分であるかを適切に特定でき、ユーザに適切な対処方法を提示することができる。
【0103】
一般的に、情報の検索処理では、サーバ内に蓄積された情報のうち、検索キーワードに対する関連性の高いものや他のユーザによる参照頻度の高いもの等の優先順位を高めた状態で、複数の情報を検索結果としてユーザに提示していた。しかしながらこの場合、ユーザは、検索結果として複数表示された情報から、必要なものを吟味して選択する必要がある。多くの場合、ユーザは画像形成装置2について必ずしも精通していないため、症状を解消し得るような適切な情報を選択することが困難であった。
【0104】
この点において情報提示システム1では、ユーザに検索フリーワードに加えて接続コードを入力させることで、あたかも画像形成装置2の症状を的確に表す語句を追加した場合と同様の検索処理をサーバ装置4に実行させることができ、この症状に適した対処方法をユーザに提示できる。
【0105】
例えば画像形成装置2において印刷された用紙に「汚れ」が発生したとユーザが認識した場合、該ユーザは検索フリーワードに「汚れ」又はこれに類する語句を入力する。しかしながら画像形成装置2では、「汚れ」が発生する原因区分として、主にトナーの帯電が過剰であるために用紙の一部のみに余分なトナーが付着する「汚れ」の場合と、トナーの帯電が過少であるために用紙の全体に薄くトナーが付着する「かぶり」の場合とがある。このため画像形成装置2では、「汚れ」の場合と「かぶり」の場合とにおいて、トナーの帯電状体が真逆であるため、対処方法が大きく異なる。
【0106】
情報提示システム1では、このような場合であっても、検索キーワードに加えて装置情報を利用することにより、サーバ装置4に画像形成装置2の状態を正しく把握させることができ、適切な対処方法をユーザに提示できる。
【0107】
またこれを他の観点から見ると、画像形成装置2は、種々のセンサ等が組み込まれており、トナー残量や感光体ドラム45の回転数等を適切に検出し、これを装置情報としてサーバ装置4に通知できる。しかしながら画像形成装置2は、印刷された用紙における汚れの発生など、症状の内容によっては、センサ等により適切に検出できない場合がある。すなわち情報提示システム1では、仮に接続コードのみを入力させて検索処理を行った場合、ユーザが解消したい症状に対する対処方法を優先的に提示できない可能性があった。
【0108】
この点において情報提示システム1では、センサ等のみでは検知し得ない情報を、ユーザの感覚に基づいた検索フリーワードとして入力させることにより、サーバ装置4が画像形成装置2について把握している情報の精度を高めることができ、より精度の高い検索処理を行うことができる。
【0109】
さらに情報提示システム1では、特定された原因区分に対応付けられた情報の優先順位を高める一方、他の情報について、提示しないのでは無く、優先順位が相対的に低い状態で提示するようにした。このため情報提示システム1では、仮にユーザに提示した情報のうち優先順位が高いものが該ユーザの所望する情報で無かった場合、改めて検索を行わせる必要が無く、スクロール等の操作により優先順位が低い情報を容易に参照させることができる。
【0110】
以上の構成によれば、第1の実施の形態による情報提示システム1は、画像形成装置2についてユーザが知りたい事項を表す検索フリーワードと該画像形成装置2に表示される接続コードとを端末装置3に入力させる。続いて情報提示システム1は、サーバ装置4において装置情報を利用しながら検索キーワードに基づいた判断処理を行い、特定された原因区分に応じて優先順位を定め、情報をユーザに提示する。このため情報提示システム1は、サーバ装置4において逐次更新された最新の情報を、画像形成装置2の状態に応じて定められた適切な優先順位によりユーザに提示でき、画像形成装置2において発生している症状に対し、適切に対処させることができる。
【0111】
[2.第2の実施の形態]
図1と対応する
図11に示すように、第2の実施の形態による情報提示システム101は、第1の実施の形態による情報提示システム1と比較して、端末装置3に代わる端末装置103を有する点において相違するものの、他の点については同様に構成されている。
【0112】
端末装置103は、いわゆるデスクトップ型のコンピュータ装置であり、装置本体部に対しディスプレイ、キーボード及びマウスが接続されている。この端末装置103は、
図4に示したように、第1の実施の構成による端末装置3と同様のブロック構成となっており、端末装置制御部71、端末装置表示部72、端末装置入力部73及び端末装置通信部74を有している。このうち端末装置表示部72は上述したディスプレイであり、また端末装置入力部73はキーボード及びマウスである。
【0113】
この情報提示システム101は、第1の実施の形態と同様、画像形成装置2、端末装置103及びサーバ装置4により検索シーケンス(
図5)に従った処理をそれぞれ行うことにより、検索処理を行う。このとき端末装置103は、メニュー画面D1、入力画面D2及び検索結果表示画面D3(
図6)に代えて、
図12に示すように、ウェブブラウザを利用して、メニュー画面D4、入力画面D5及び検索結果表示画面D6をそれぞれ表示する。
【0114】
[2−1.情報表示順決定処理]
この第2の実施の形態では、検索キーワードが「濃度薄」である場合を例に説明する。すなわちサーバ装置4は、ステップSP24(
図5)において検索フリーワードに解析処理を施すことにより、検索キーワードを「濃度薄」に決定したものとする。この「濃度薄」は、例えばユーザが印刷結果について濃度が薄いと感じており、「濃度」や「薄い」といった語句を含む検索フリーワードを入力した場合に決定される検索キーワードである(
図7)。
【0115】
またサーバ装置4のサーバ装置記憶部82(
図4)には、
図13に示すように、検索キーワード情報テーブルT2(
図8)と対応する検索キーワード情報テーブルT4が予め記憶されている。
【0116】
検索キーワード情報テーブルT4では、検索キーワード「濃度薄」に対し、4種類の原因区分「A:トナーセーブ設定」、「B:トナー残量少」、「C:濃度補正ずれ」及び「D:その他」が対応付けられている。また検索キーワード情報テーブルT4では、各原因区分に対し、検索キーワード「濃度薄」と関連する3個の判断項目「トナーセーブ設定」、「トナーLow」及び「濃度補正後ドラム回転数」が設定されている。さらに各原因区分に対し、原因及び対処方法等が含まれる回答が格納されている。因みに検索キーワード情報テーブルT4は、第1の実施の形態と同様、任意のタイミングで更新が可能となっている。
【0117】
この第2の実施の形態では、サーバ装置制御部81が検索キーワード情報テーブルT4(
図13)を参照しながら、
図14に示す表示順決定処理手順RT4に従った処理を行うことにより、情報の表示順を決定するようになっている。
【0118】
具体的にサーバ装置制御部81は、第1の実施の形態と同様、検索シーケンス(
図5)の処理手順RT3を実行中、ステップSP25において、サーバ装置記憶部82から情報表示順決定プログラムを読み出して実行することにより、その内部に機能ブロックとして表示順決定部84(
図4)を構成する。この表示順決定部84は、表示順決定処理手順RT5(
図14)を開始してステップSP41へ移る。
【0119】
ステップSP41において表示順決定部84は、ステップSP31(
図10)と同様、ステップSP23(
図5)において受信した接続コード(すなわち受信接続コード)と対応付けられている装置情報をサーバ装置記憶部82から読み出し、次のステップSP42へ移る。
【0120】
このとき表示順決定部84は、装置情報のうち、決定された検索キーワードである「濃度薄」に対応する判断項目と関連する情報として、「トナーセーブ設定」、「トナーLow」及び「濃度補正後ドラム回転数」の各値を読み出す。
【0121】
ステップSP42において表示順決定部84は、トナーセーブ設定がなされているか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、検索キーワード情報テーブルT4(
図13)において判断項目「トナーセーブ設定」における判断条件が唯一「YES」である場合、すなわち原因区分が「A:トナーセーブ設定」である場合に該当することを表している。またこのことは、濃度を高めるためには、まずユーザの設定操作等によりトナーセーブ設定を解除すべきであることを意味している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP43へ移る。
【0122】
ステップSP43において表示順決定部84は、原因区分「A:トナーセーブ設定」と対応する回答を優先させるように優先順位を決定し、次のステップSP49へ移る。すなわち表示順決定部84は、検索キーワードである「濃度薄」に対し、装置情報を基に、その原因区分が「A:トナーセーブ設定汚れ」であると判断し、これに対応した情報を優先的にユーザに提示できる。
【0123】
一方、ステップSP42において否定結果が得られると、このことは「トナーセーブ設定」以外の判断項目により原因区分を特定する必要があることを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP44へ移る。
【0124】
ステップSP44において表示順決定部84は、トナーLowであるか否か、すなわちトナー残量が所定の閾値以下であるか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、検索キーワード情報テーブルT4(
図13)において判断項目「トナーLow」における判断条件が唯一「YES」である場合、すなわち原因区分が「B:トナー残量少」である場合に該当することを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP45へ移る。
【0125】
ステップSP45において表示順決定部84は、原因区分「B:トナー残量少」と対応する回答を優先させるように優先順位を決定し、次のステップSP49へ移る。すなわち表示順決定部84は、検索キーワードである「濃度薄」に対し、装置情報を基に、その原因区分が「B:トナー残量少」であると判断し、これに対応した情報を優先的にユーザに提示できる。
【0126】
一方、ステップSP44において否定結果が得られると、このことは「トナーセーブ設定」及び「トナーLow」以外の判断項目により原因区分を特定する必要があることを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP46へ移る。
【0127】
ステップSP46において表示順決定部84は、濃度補正後ドラム回転数が値「250」よりも大きいか否かを判定する。ここで肯定結果が得られると、このことは、検索キーワード情報テーブルT4(
図13)において判断項目「濃度補正後ドラム回転数>250」における判断条件が唯一「YES」である場合、すなわち原因区分が「C:濃度補正ずれ」である場合に該当することを表している。またこのことは、最後に濃度補正が行われた後における感光体ドラム45の回転数が比較的多く、その間に濃度が適正値から外れてしまったと推定されることを意味している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP47へ移る。
【0128】
ステップSP47において表示順決定部84は、原因区分「C:濃度補正ずれ」と対応する回答を優先させるように優先順位を決定し、次のステップSP49へ移る。すなわち表示順決定部84は、検索キーワードである「濃度薄」に対し、装置情報を基に、その原因区分が「C:濃度補正ずれ」であると判断し、これに対応した情報を優先的にユーザに提示できる。
【0129】
一方、ステップSP46において否定結果が得られると、このことは、原因区分が「D:その他」である場合に該当することを表している。このとき表示順決定部84は、次のステップSP48へ移る。
【0130】
ステップSP48において表示順決定部84は、原因区分「D:その他」と対応する複数の回答に対し、他のユーザによる閲覧回数に応じて優先順位を決定し、次のステップSP49へ移る。この「D:その他」とは、「A:トナーセーブ設定」、「B:トナー残量少」及び「C:濃度補正ずれ」のいずれとも異なる態様にて、印刷結果の濃度が薄くなる症状を表している。すなわち表示順決定部84は、検索キーワードである「濃度薄」に対し、装置情報からは原因を特定し得ないと判断しており、他のユーザによる閲覧回数に応じた優先順位により、ユーザに情報を提示させることができる。
【0131】
ステップSP49において表示順決定部84は、表示順決定処理手順RT5を終了し、その制御をサーバ装置制御部81に戻す。サーバ装置制御部81は、検索シーケンス(
図5)の処理手順RT3に戻り、次のステップSP26に移って、第1の実施の形態と同様の処理を行う。
【0132】
[2−2.効果等]
以上の構成において、第2の実施の形態による情報提示システム101は、画像形成装置2についてユーザが知りたい事項を検索フリーワードとして端末装置103に入力させ、サーバ装置4において検索キーワード情報テーブルT4(
図13)に基づいた判断処理を行い、優先順位を定めた上で情報をユーザに提示するようにした。また情報提示システム101では、検索キーワード情報テーブルT4を更新し得るようにした。
【0133】
このため情報提示システム101は、サーバ装置4において、最新の検索キーワード情報テーブルT4に従って定められた優先順位に従い、第1の実施の形態と同様に、検索フリーワードに対応した内容の情報を適切な順序で表示することができる。
【0134】
この第2の実施の形態では、画像形成装置2において印刷された用紙の濃度が薄いとユーザが認識した場合、該ユーザは検索フリーワードに「濃度」や「薄い」等の語句を入力する。しかしながら画像形成装置2では、「濃度薄」が発生する原因区分として、主にトナーセーブの設定がなされている場合、トナーの残量が少ない場合、及び濃度補正がしばらく行われていない場合がある。このため画像形成装置2では、やはり第1の実施の形態と同様、原因区分ごとに対処方法が大きく異なる。
【0135】
情報提示システム101では、このような場合であっても、第1の実施の形態と同様に、検索キーワードに加えて装置情報を利用することにより、サーバ装置4に画像形成装置2の状態を正しく把握させることができ、適切な対処方法をユーザに提示できる。
【0136】
その他の点においても、第2の実施の形態による情報提示システム101は、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏し得る。
【0137】
以上の構成によれば、第2の実施の形態による情報提示システム101では、検索キーワード「濃度薄」に対応する検索キーワード情報テーブルT4を用いながら、第1の実施の形態と同様に検索処理及び表示順決定処理を行う。これにより情報提示システム101は、第1の実施の形態と同様に、サーバ装置4において逐次更新された最新の情報を、画像形成装置2の状態に応じて定められた適切な優先順位によってユーザに提示でき、画像形成装置2において発生している症状に対し、適切に対処させることができる。
【0138】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においては、ユーザに画像形成装置2を操作させ、「クラウドサーバ接続メニュー」が選択された段階で装置情報をサーバ装置4へ送信し、これに応じてサーバ装置4において接続コードを生成して画像形成装置2へ送信し、表示部13Aに表示させる場合について述べた(
図5)。
【0139】
しかしながら本発明はこれに限らず、例えば画像形成装置2において1回の印刷ジョブを完了した時点等、何らかの動作を行った時点ごとや、所定の時間間隔ごと、或いはその組合せなど、様々な時点で自動的に装置情報をサーバ装置4へ送信するようにしても良い。この場合、接続コードについては、例えばサーバ装置4から通知されたときに画像形成装置2に記憶させ、ユーザの操作に応じてこれを読み出して表示部13Aに表示させることができる。第2の実施の形態についても同様である。
【0140】
また上述した第1の実施の形態においては、接続コードを4桁の英文字及び4桁の数字の組合せとする場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、任意の桁数でなる種々の文字を任意の順序で組み合わせることにより、種々の接続コードを構成しても良い。また、文字や数字に限らず、例えばバーコードや2次元バーコードにより表しても良い。この場合、端末装置3に組み込まれたカメラ部等により撮像して認識し、文字等に変換しても良い。或いは、文字や数字についても、ユーザに入力させる代わりに撮像させ、得られた画像から文字や数字等を認識しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0141】
さらに上述した第1の実施の形態においては、サーバ装置4において検索キーワード及び装置情報を基に特定された原因区分に応じて回答を端末装置3へ送信し、該端末装置3の端末装置表示部72に表示させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばサーバ装置4から回答を画像形成装置2へ送信し、該画像形成装置2の表示部13Aに表示させても良く、或いは用紙に印刷することによりユーザに提示しても良い。また、ユーザに提示する情報は文字に限らず、例えば音声に変換してユーザに聴取させても良く、或いは予め作業手順を動画として作成しておき、この動画を再生しても良い。要は、画像形成装置2において発生した症状に対する対処方法をユーザに理解させて実行させることができれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0142】
さらに上述した第1の実施の形態においては、ユーザに端末装置3を使用させることにより、該端末装置3の端末装置表示部72に入力画面D2(
図6(B))を表示し、端末装置入力部73を介して検索フリーワードを入力させ、また検索結果表示画面D3(
図6(C))を表示して検索結果をユーザに提示する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば画像形成装置2の表示部13A及び操作部13Bを使用させることにより、検索フリーワードの入力及び検索結果の提示を行うようにしても良い。この場合、ユーザに接続コードを入力させる必要が無い。またこの場合、予め装置情報をサーバ装置4へ送信する代わりに、ユーザに入力された検索フリーワードと共に装置情報をサーバ装置4へ送信するようにしても良い。この場合、接続コードの生成及び送受信を省略することもできる。第2の実施の形態についても同様である。
【0143】
さらに上述した第1の実施の形態においては、端末装置3の端末装置表示部72に表示する入力画面D2(
図6(B))に検索フリーワード及び接続コードの双方を入力させてこれらをサーバ装置4へ送信し、該サーバ装置4において双方を利用した検索処理を行う場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばユーザに検索フリーワード及び接続コードの何れか一方のみを入力させてサーバ装置4へ送信することにより、送信された検索フリーワード又は接続コードに基づいた検索結果をユーザに提示するようにしても良い。この場合、ユーザが検索結果に対して満足せず、残りの一方が追加して入力された場合に、双方に基づいた優先順位で情報を提示するようにすれば良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0144】
さらに上述した第1の実施の形態においては、検索キーワードが「汚れ」である場合を例として述べ、第2の実施の形態においては、検索キーワードが「濃度薄」である場合を例として述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば「しわ発生」や「印刷が傾く」等、画像形成装置2について想定される様々な語句を検索キーワードとして設定しても良い。この場合、各検索キーワードに対応した検索キーワード情報テーブル(
図8及び
図13)を予め用意してサーバ装置記憶部82に記憶させておけば良い。またこの場合、例えば表示順決定部84等により、検索類語テーブルT1(
図7)を基に検索キーワードを決定すれば良い。
【0145】
さらに上述した第1の実施の形態においては、判断条件を基に原因を特定できずに原因区分が「C:その他」であった場合にのみ、複数の回答に対し他のユーザによる閲覧回数に応じた優先順位をそれぞれ設定してユーザへ提示させる場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば判断条件を基に原因を特定できたにも拘わらず複数の回答がある場合に、他のユーザによる閲覧回数も参酌して優先順位をそれぞれ設定しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0146】
さらに上述した第1の実施の形態においては、検索キーワードに応じて定められた原因区分を特定できた場合、この原因区分に応じた回答の優先順位を高めた状態で、他の情報と共にユーザに提示する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば特定された原因区分と対応付けられた回答のみを情報としてユーザに提示するようにしても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0147】
さらに上述した第1の実施の形態においては、端末装置3に検索結果として原因及び対処方法をユーザに提示することにより、検索シーケンス(
図6)を終了する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えば検索結果を提示した後、症状を解消できなかったユーザにより所定の操作指示が行われた場合に、端末装置3からサービスセンタS1(
図1)に待機するオペレータ(図示せず)に電話やメール等によって連絡を取り、該オペレータから他の対処方法等を案内するようにしても良い。この場合、オペレータは、サーバ装置4に記憶している装置情報やユーザに入力された検索フリーワードを参照することにより、ユーザが知りたいことや画像形成装置2の状態等を把握でき、適切な情報を円滑に提示することができる。第2の実施の形態についても同様である。
【0148】
さらに上述した第1の実施の形態においては、MFPでなる画像形成装置2に本発明を適用する場合について述べた。しかしながら本発明はこれに限らず、例えばプリンタ、ファクシミリ及びコピー機等、媒体に画像を形成する種々の電子機器に適用しても良い。第2の実施の形態についても同様である。
【0149】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態や、一部を抽出した実施の形態にもその適用範囲が及ぶものである。
【0150】
さらに上述した第1の実施の形態においては、情報提示システムとしての情報提示システム1を、画像形成装置としての画像形成装置2と、端末装置としての端末装置3と、サーバ装置としてのサーバ装置4とにより構成する場合について述べた。この場合、画像形成装置を、画像形成部としての画像形成ユニット25と、センサとしてのトナー残量検出部65及び温湿度センサ66と、画像形成装置通信部としての画像形成装置通信部12とにより構成した。また端末装置を、端末装置入力部としての端末装置入力部73と、端末装置提示部としての端末装置表示部72と、端末装置通信部としての端末装置通信部74とにより構成した。さらにサーバ装置を、サーバ装置通信部としてのサーバ装置通信部83と、サーバ装置記憶部としてのサーバ装置記憶部82と、提示順決定部としての表示順決定部84とにより構成した。
【0151】
しかしながら本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなる画像形成装置と、端末装置と、サーバ装置とにより情報提示システムを構成してもよい。この場合、画像形成装置を、その他種々の構成でなる画像形成部と、センサと、画像形成装置通信部とにより構成しても良い。また端末装置を、その他種々の構成でなる端末装置入力部と、端末装置提示部と、端末装置通信部とにより構成しても良い。さらにサーバ装置を、その他種々の構成でなるサーバ装置通信部と、サーバ装置記憶部と、提示順決定部とにより構成しても良い。