(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記長手方向における前記連結部の一端と、前記一端側の前記幅広部との間に形成され、前記ブレードホルダに形成されたロック爪と係合することで、前記ブレードラバーが前記ブレードホルダから抜ける方向に移動するのを拘束する抜け止め部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のブレードラバー。
前記幅広部は、前記長手方向に間隔をあけた2個所に形成され、前記長手方向における長さが互いに異なることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れか一項に記載のブレードラバー。
前記幅広部は、製造する前記ワイパーブレードのうち、前記長手方向における長さが短い前記ワイパーブレードの前記保持爪の前記接触部位から、前記長手方向における長さが長い前記ワイパーブレードの前記保持爪の前記接触部位にわたって連続するよう形成されている
ことを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか一項に記載のブレードラバー。
前記連結部は、前記他の部位から前記幅広部に向かって前記短手方向における幅が漸次大きくなるよう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れか一項に記載のブレードラバー。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ワイパーブレードの長手方向の長さは、払拭する窓のサイズに応じて様々に設定されている。例えば、乗用車用のワイパーブレードの場合、400mm程度から700mm程度までの複数段階の長さを有したワイパーブレードが設定されている。
ブレードホルダの両端部に設けられる保持部の位置は、ワイパーブレードの長さに応じて個々に設定されている。このため、特許文献1に開示されたブレードラバーにおいて、幅広部の位置も、ブレードホルダの保持部の位置に対応している。
【0007】
したがって、複数段階の長さに設定された複数種類のブレードラバーを製造する際には、製造するブレードラバーの長さごとに、異なる金型を用意する必要がある。金型は高価であり、製造コストに大きな影響を及ぼす。
【0008】
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、幅広部を有した様々な長さのブレードラバーの製造コストを抑えることのできるブレードラバー、ワイパーブレード、およびブレードラバーの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明のブレードラバーは、ワイパーブレードを構成するブレードホルダに保持され、窓部を払拭するブレードラバーであって、前記ブレードホルダに保持されるヘッド部と、前記窓部に接触するリップ部と、前記ヘッド部と前記リップ部とを連結する連結部と、を備え、前記連結部において、前記ブレードラバーの長手方向の一部に、前記連結部の他の部位よりも前記ブレードラバーの短手方向における幅が大きく、前記ブレードホルダに形成された一対の保持爪の間に挟持される幅広部が形成され、前記幅広部は、前記保持爪における前記長手方向の長さよりも長く、前記保持爪と接触する接触部位が前記ブレードホルダの長さに応じて前記長手方向に沿って変更可能となるよう、余長部を有していることを特徴とする。
【0010】
このような構成によれば、ブレードラバーの連結部において一対の保持爪により挟持される部位は、その幅が他の部位より広い幅広部となっているため、ブレードラバーがブレードホルダの一対の保持爪の間でガタつくことがなく、確実に固定される。このため、窓部の払拭動作時におけるブレードラバーの傾きやねじれを抑制し、拭き残しやジャダー(振動)、異音等の生じない正常な払拭動作を行うことができる。この結果、ワイパーブレードの払拭性を向上させることができる。
また、ワイパーブレードの長さが複数に設定されている場合、ブレードホルダ及びブレードラバーの長さも、複数種類を用意する必要がある。この場合、ブレードホルダの長さに合わせてブレードラバーの端部を切断しても、ブレードラバーは、ブレードホルダの保持爪と接触する部位がブレードホルダの長さに応じて変更可能となるよう、余長部を有しているため、ブレードホルダの保持爪で幅広部を確実に挟持することができる。すなわち、一つの金型で、一種類の長さのブレードラバーを製造し、ブレードホルダの長さに合わせてブレードラバーを切断することで、複数種類の長さのブレードラバーを用意することができる。その結果、金型コストを抑えることができる。
【0011】
また、本発明は、前記長手方向における前記連結部の一端と、前記一端側の前記幅広部との間に形成され、前記ブレードホルダに形成されたロック爪と係合することで、前記ブレードラバーが前記ブレードホルダから抜ける方向に移動するのを拘束する抜け止め部と、
をさらに備えるのが好ましい。
【0012】
このような構成によれば、抜け止め部が、連結部の一端と、当該一端側の幅広部との間に形成されることで、ブレードラバーをブレードホルダに挿入する際には、ブレードラバーの他端側からブレードホルダに挿入すれば、抜け止め部がブレードラバーの挿入の妨げとなるのを抑えることができる。したがって、ブレードラバーのブレードホルダへの組付性が向上する。
また、ブレードラバーの長さをブレードホルダの長さに合わせるためにブレードラバーを切断する際には、ブレードラバーの他端側を切断すれば、ブレードラバーの長さが異なっていても、ブレードラバーの一端側においては、連結部の一端から抜け止め部までの寸法が一定となる。したがって、ブレードホルダの長さが異なっていても、ブレードホルダに形成するロック爪の位置を統一することができる。
【0013】
また、本発明は、前記幅広部が、前記長手方向に間隔をあけた複数個所に形成され、複数の前記幅広部のうち、前記一端側に最も近い前記幅広部が、他の前記幅広部よりも前記長手方向における長さが最も短いようにしてもよい。
【0014】
このような構成によれば、抜け止め部側を基準とすることで、ブレードラバーの長さが異なっていても、抜け止め部に一番近い幅広部の長さを最も短くすることが可能となる。これによって、幅広部を形成するための材料の使用量を抑え、材料コストを抑えることができる。
また、幅広部の長さを抑えることで、一対の保持爪の間に幅広部を挿入する際に抵抗を感じる長さが短くなるので、作業性が向上する。
【0015】
また、本発明は、複数の前記幅広部は、前記一端側から前記長手方向における前記連結部の他端側に向けて、前記長手方向における長さが漸次長くなるよう形成されていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、抜け止め部側から遠ざかるにつれて、幅広部を長くすることで、ブレードホルダの長さに応じて一対の保持爪の接触部位を適切に配置しても、保持爪によって幅広部を確実に挟持することができる。
【0017】
また、前記幅広部は、前記長手方向に間隔をあけた2個所に形成され、前記長手方向における長さが互いに異なるようにしてもよい。
【0018】
このような構成によれば、幅広部の設置数を最小限としながら、ブレードホルダでブレードラバーを確実に保持することができる。幅広部の設置数を抑えることで、幅広部を形成するための材料コストを抑えることができる。
【0019】
さらに、前記幅広部は、製造する前記ワイパーブレードのうち、前記長手方向における長さが短い前記ワイパーブレードの前記保持爪の前記接触部位から、前記長手方向における長さが長い前記ワイパーブレードの前記保持爪の前記接触部位にわたって連続するよう形成されていてもよい。
【0020】
このような構成は、長手方向の長さが互いに異なる複数種のワイパーブレードを製造する場合、長さが短いワイパーブレードから長さが長いワイパーブレードまで、同一の幅広部で保持爪との接触部位を形成することができる。
【0021】
また、本発明は、前記幅広部は、前記長手方向に沿って同一の幅で形成されていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、長手方向に余長部を含んで一定長を有する幅広部を一対の保持爪の間に挿入する際、挿入抵抗が変化せず、挿入性が高まる。
【0023】
また、本発明は、前記連結部は、前記他の部位から前記幅広部に向かって前記短手方向における幅が漸次大きくなるよう形成されていてもよい。
【0024】
このような構成によれば、ブレードラバーの連結部を一対の保持爪の間に挿入する際、幅が小さい他の部位と幅が大きい幅広部との間で保持爪が引っ掛かるのを抑えることができ、挿入性が高まる。
【0025】
さらに、本発明のワイパーブレードは、車両に揺動可能に取り付けられるワイパーアームの先端に取り付けられるブレードホルダと、ブレードホルダに保持される上記したようなブレードラバーと、を備えることを特徴とする。
【0026】
このような構成によれば、一つの金型で、一種類の長さのブレードラバーを製造し、ブレードホルダの長さに合わせてブレードラバーを切断することで、複数種類の長さのブレードラバーとブレードホルダとからなるワイパーブレードを用意することができる。その結果、金型コストを抑えることができる。
【0027】
さらに、本発明のブレードラバーの製造方法は、ブレードホルダに保持されるブレードラバーの製造方法であって、上記したような前記ブレードラバーを形成する工程と、製造すべきワイパーブレードの長さが前記ブレードラバーの長さよりも短いとき、前記ブレードラバーの一端側又は他端側を切断する工程と、を備えることを特徴とする。
【0028】
このような構成によれば、一つの金型で一種類の長さのブレードラバーを製造した後、ブレードホルダの長さに合わせてブレードラバーを切断することで、複数種類の長さのブレードラバーを用意することができる。その結果、金型コストを抑えることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、幅広部を有した様々な長さのブレードラバーの製造コストを抑えることが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態に係るブレードラバー、ワイパーブレード、ブレードラバーの製造方法について、図面を参照して説明をする。
図1は、本発明の実施形態におけるワイパーブレードを備えた車両の一部を示す斜視図である。
図2は、ワイパーブレードの斜視図である。
図3は、ワイパーブレードをブレードラバー側から見た図である。
図4は、ワイパーブレードの一端部を、ブレードラバー側から斜めに見た斜視図である。
【0032】
図1に示すように、ワイパー装置3は、車両1のウィンドウガラス2に設けられ、ウィンドウガラス2に付着した雨や汚れ等を払拭して運転者の視界を確保する。
ワイパー装置3は、運転席側と助手席側とに設けられた例えば2本のワイパーアーム4と、各ワイパーアーム4の先端部に装着されたワイパーブレード10と、を備えている。
【0033】
各ワイパーアーム4は、その基端部がワイパー軸5に固定されている。ワイパー軸5は、車両1に、その中心軸回りに回動自在に支持されている。各ワイパー軸5は、リンク機構6を介し、車両1に固定されたワイパモータ7に連結され、ワイパモータ7が作動すると、2本のワイパー軸5,5が同期して回動する。ワイパーアーム4は、ワイパー軸5と一体に、所定の範囲で揺動する。
【0034】
ワイパーブレード10は、ワイパーアーム4によって、ウィンドウガラス2に押し付けられるようにして設けられている。ワイパーブレード10は、ワイパモータ7によってワイパーアーム4が揺動されると、ウィンドウガラス2の外表面上の払拭範囲2aを往復動してウィンドウガラス2を払拭する。
【0035】
図2、
図3に示すように、ワイパーブレード10は、ワイパーアーム4(
図1参照)の先端部に装着されるブレードホルダ12と、ブレードホルダ12に保持されるブレードラバー13と、を備えている。ワイパーブレード10は、ワイパーアーム4の揺動方向に略直交する方向に長手方向を有している。
【0036】
ブレードホルダ12は、例えば樹脂材料から形成されている。ブレードホルダ12は、ワイパーアーム4の先端部に保持されるセンターホルダ12Aと、センターホルダ12Aの長手方向両端部に接続されるサイドホルダ12B,12Bと、を備えている。
ブレードホルダ12を構成するセンターホルダ12Aおよびサイドホルダ12B,12Bは、それぞれ、天壁部12tと、天壁部12tの幅方向両側から下方に延びる一対の側壁部12sとを備えた断面略コ字状に形成されている。
【0037】
センターホルダ12Aの天壁部12tの長手方向のほぼ中間部には、ワイパーアーム4の先端部に形成されたフック部(図示無し)に着脱可能に係合されるクリップ部15が設けられている。このクリップ部15は、ワイパーブレード10を車両に搭載したときに車両の前方側、つまり、車室内から離れた位置に設けられている。
【0038】
センターホルダ12Aの長手方向の両端部には、ブレードラバー13を保持する保持部16,16が設けられている。
図3、
図4に示すように、各保持部16は、ブレードホルダ12の短手方向において互いに対向する側壁部12s,12sにそれぞれ形成された一対の保持爪17,17を有している。これらの保持爪17,17は、ブレードホルダ12の短手方向に沿って、一方の側壁部12sから対向する他方の側壁部12sに向かって突出する断面矩形の突起状に形成され、その先端部同士を互いに対向させるように配置されている。
【0039】
また、センターホルダ12Aの長手方向両端部に設けられた各サイドホルダ12Bには、短手方向において互いに対向する方向に突出する一対のロック爪18が形成されている。
【0040】
図2に示すように、ブレードホルダ12の天壁部12tには、ブレードラバー13から離間する方向に立ち上がるフィン19Aが、ブレードホルダ12の長手方向に沿って設けられている。
また、ブレードホルダ12の天壁部12tには、クリップ部15の短手方向センターホルダ12A側を覆う壁部19Bが形成されている。さらに、側壁部12sには、クリップ部15の短手方向でセンターホルダ12Aとは反対側を覆う壁部19Cが形成されている。
【0041】
図5は、ブレードラバーを、ブレードラバーの短手方向から見た正面図である。
図6は、ブレードラバーを、ブレードラバーの長手方向から見た断面図である。
図7は、ブレードラバーの一端部を示す斜視図である。
図8は、ブレードラバーの連結部を、その長手方向及び短手方向に沿った断面、つまり、ウィンドウガラスの面に沿った断面で見た断面図である。
ブレードラバー13は、天然ゴム又は合成ゴム等の弾性材料により形成されている。
図5〜
図7に示すように、ブレードラバー13は、ヘッド部13aと、ウィンドウガラスに接触するリップ部13bと、ヘッド部13aとリップ部13bとを連結する連結部13cと、を一体に備えている。
【0042】
リップ部13bは、連結部13c及びリップ部13bよりも、短手方向(払拭方向)の幅が狭く形成されたネック部13dを介して連結部13cに連結されている。この幅が狭いネック部13dが弾性変形することで、リップ部13bはヘッド部13a及び連結部13cに対して払拭方向に傾動自在とされている。
【0043】
ヘッド部13aは、短手方向の両側に、それぞれ、短手方向に窪むよう形成された板バネ挿入溝13eを備えている。各板バネ挿入溝13eは、ブレードラバー13の長手方向に連続して形成され、バーティブラと称される板バネ部材14が挿入される。板バネ部材14は、例えば鋼板や硬質樹脂材料等からなり、長手方向にブレードラバー13と同程度の長さ寸法を有した帯板状に形成されている。
板バネ部材14は、その板厚方向がウィンドウガラスに直交するよう、板バネ挿入溝13eに装着され、板厚方向に弾性変形可能となっている。この板バネ部材14が組み込まれたブレードラバー13は、板バネ部材14と一体的に、ウィンドウガラスに直交する方向に弾性変形可能となり、その湾曲度が可変とされている。
ここで、板バネ挿入溝13eは、ブレードラバー13の一端13uにおいて、閉塞壁13wによって閉塞されている。
【0044】
連結部13cは、ヘッド部13aの短手方向中間部からリップ部13b側に向かって延びるよう形成されている。これにより、ヘッド部13aと連結部13cとが断面視略T字状をなしている。
連結部13cにおいて、リップ部13b側の端部には、ブレードラバー13の短手方向両側に延びる一対のアーム部13g,13gが形成されている。
【0045】
連結部13cの両側部には、アーム部13gとヘッド部13aとにより区画されて、短手方向に窪むように形成された一対の保持溝20,20が設けられている。各保持溝20は、ブレードラバー13の長手方向に沿って連続するよう形成されている。
図3、
図4、
図6に示すように、これら一対の保持溝20,20には、センターホルダ12Aの両端部に形成された各保持部16を構成する一対の保持爪17,17が挿入される。これにより、
図6に示すように、ブレードラバー13のヘッド部13aは、ブレードホルダ12の天壁部12tと、両側壁部12sと、各保持部16の一対の保持爪17,17と、の間に挟み込まれて保持される。
【0046】
図4、
図5、
図7、
図8に示すように、ブレードラバー13の保持溝20,20内には、連結部13cの両側に、それぞれ、ブレードホルダ12のロック爪18が係合する係合部21が形成されている。この係合部21は、ブレードラバー13の一端13uから長手方向に沿った所定長の位置に設けられ、長手方向に間隔をあけた2個所の凸部22,22により形成されている。
図4に示すように、係合部21は、これら凸部22,22の間にロック爪18を係合させることで、ブレードホルダ12に対し、ブレードラバー13が長手方向に移動しないよう拘束する。
【0047】
また、
図4、
図5、
図7、
図8に示すように、ブレードラバー13の保持溝20,20内には、連結部13cの幅方向両側に、その長手方向に沿って間隔をあけた複数個所、例えば2個所に、それぞれ幅広部30,30が設けられている。このようにして、幅広部30は、ブレードラバー13の長手方向の一部に形成されている。
図8に示すように、各幅広部30における、ブレードラバー13の短手方向に沿った幅寸法W3は、連結部13cにおける幅広部30以外の他の部分の幅寸法W1よりも大きく形成されている。また、幅広部30の幅寸法W3は、一対の保持爪17,17の間隔よりも大きく形成されている。ここで、また、幅広部30は、長手方向に沿って同一の幅寸法W3で形成されている。
また、連結部13cは、幅広部30以外の他の部位から幅広部30に向かって短手方向における幅が漸次大きくなるよう、幅広部30の長手方向両側にテーパ部33を有している。
【0048】
ブレードホルダ12に設けられた各保持部16を構成する一対の保持爪17,17は、幅広部30を挟持することで、ブレードラバー13を保持する。
ここで、ブレードラバー13の長手方向に沿った方向の幅広部30の長さは、保持爪17,17の長さよりも大きい。これにより、保持爪17,17は、長手方向において、幅広部30の任意の位置を挟持可能である。言い換えると、幅広部30は、保持爪17,17と接触する接触部位30tが、ブレードホルダ12の長さに応じて長手方向に沿って変更可能となるよう、余長部30yを有している。
【0049】
図9は、様々な長さのブレードラバーにおける、幅広部に対する保持爪の接触部位を示す図である。
この
図9に示すように、幅広部30は、製造するワイパーブレード10のうち、長手方向における長さが小さいワイパーブレードの保持爪17,17が接触するブレードラバー13Sの接触部位30tから、長手方向における長さが大きいワイパーブレードの保持爪17,17が接触するブレードラバー13Lの接触部位30tまでをカバーするよう、長手方向の長さが設定されている。
【0050】
ワイパーブレード10の長さが複数に設定されている場合、ブレードホルダ12及びブレードラバー13の長さも、複数種類を用意する必要がある。この場合、ブレードホルダ12の長さに合わせてブレードラバー13の他端13tを切断することで、複数種類のブレードラバー13を製造する。なお、ブレードラバー13の長さによっては、ブレードラバー13の他端13tを切断せず、ブレードラバー13をそのまま用いることもできる。
ブレードラバー13は、ブレードホルダ12の保持爪17,17と接触する接触部位30tがブレードホルダ12の長さに応じて変更可能となるよう、余長部30yを有している。このため、ブレードホルダ12の長さに応じて保持爪17,17による接触部位30tが長手方向に変わっても、幅広部30をブレードホルダ12の保持爪17,17で挟持することができる。
【0051】
さらに、複数の幅広部30のうち、一端13u側に最も近い幅広部30Aは、他の幅広部30Bよりも長手方向における長さが小さい。言い換えると、複数の幅広部30A,30Bは、一端13u側から長手方向における連結部13cの他端13t側に向けて、長手方向における長さが漸次大きくなるよう形成されている。
そして、前記の係合部21は、長手方向におけるブレードラバー13の一端13uと、一端13u側の幅広部30Aとの間に形成されている。
【0052】
このようなブレードラバー13を製造するには、上記したようなブレードラバー13を形成する工程と、製造すべきワイパーブレード10の長さがブレードラバー13の長さよりも小さいとき、ブレードラバー13の他端13t側を切断する工程と、を備える。
【0053】
このように、ブレードラバー13の連結部13cにおいて一対の保持爪17,17により挟持される部位は、その幅が他の部位より広い幅広部30となっている。このため、ブレードラバー13がブレードホルダ12の一対の保持爪17,17の間でガタつくことがなく、確実に固定される。したがって、ウィンドウガラス2の払拭動作時におけるブレードラバー13の傾きやねじれを抑制し、拭き残しやジャダー(振動)、異音等の生じない正常な払拭動作を行うことができる。この結果、ワイパーブレード10の払拭性を向上させることができる。
【0054】
また、ワイパーブレード10の長さが複数に設定されている場合、ブレードホルダ12及びブレードラバー13の長さも、複数種類を用意する必要がある。この場合、ブレードホルダ12の長さに合わせてブレードラバー13の端部を切断しても、ブレードラバー13は、ブレードホルダ12の保持爪17,17と接触する部位がブレードホルダ12の長さに応じて変更可能となるよう、余長部30yを有している。このため、ブレードホルダ12の保持爪17,17で幅広部30を確実に挟持することができる。すなわち、一つの金型で、一種類の長さのブレードラバー13を製造し、ブレードホルダ12の長さに合わせてブレードラバー13を切断することで、複数種類の長さのブレードラバー13を用意することができる。その結果、金型コストを抑えることができる。この結果、幅広部30を有した様々な長さのブレードラバー13の製造コストを抑えることが可能となる。
【0055】
また、係合部21が、連結部13cの一端13uと、一端13u側の幅広部30との間に形成されている。このため、ブレードラバー13をブレードホルダ12に挿入する際には、ブレードラバー13の他端13t側からブレードホルダ12に挿入すれば、係合部21がブレードラバー13の挿入の妨げとなるのを抑えることができる。したがって、ブレードラバー13のブレードホルダ12への組付性が向上する。
また、ブレードラバー13の長さをブレードホルダ12の長さに合わせるため、ブレードラバー13を切断する際には、ブレードラバー13の他端13t側を切断すれば、ブレードラバー13の一端13u側においては、ブレードラバー13の長さが異なっていても、連結部13cの一端13uから係合部21までの寸法が一定となる。したがって、ブレードホルダ12に形成するロック爪18,18の位置を、ブレードホルダ12の長さが異なっていても統一することができる。
【0056】
また、幅広部30は、長手方向に間隔をあけた複数個所に形成され、複数の幅広部30のうち、一端13u側に最も近い幅広部30は、他の幅広部30よりも長手方向における長さが最も小さい。
このような構成によれば、一端13u側を基準とすることで、ブレードラバー13の長さが異なっていても、係合部21に一番近い幅広部30の長さを最も小さくすることが可能となる。これによって、幅広部30を形成するための材料の使用量を抑え、材料コストを抑えることができる。
また、幅広部30の長さを抑えることで、一対の保持爪17,17の間に幅広部30を挿入する際に抵抗を感じる長さが小さくなるので、作業性が向上する。
【0057】
また、係合部21側から遠ざかるにつれて、幅広部30の幅を大きくすることで、ブレードホルダ12の長さに応じて一対の保持爪17,17の位置を適切に配置しても、保持爪17,17によって幅広部30を確実に挟持することができる。
【0058】
また、幅広部30は、長手方向に間隔をあけた2個所に形成され、長手方向における長さが互いに異なる。このような構成によれば、幅広部30および一対の保持爪17,17の設置数を最小限としながら、ブレードホルダ12でブレードラバー13を確実に保持することができる。幅広部30および一対の保持爪17,17の設置数を抑えることで、幅広部30および一対の保持爪17,17を形成するための材料コストを抑えることができる。
【0059】
さらに、幅広部30は、製造するワイパーブレード10のうち、長手方向における長さが小さいワイパーブレード10Sの保持爪17,17の接触部位30tから、長手方向における長さが大きいワイパーブレード10Lの保持爪17,17の接触部位30tにわたって連続して形成されている。
これにより、長手方向の長さが互いに異なる複数種のワイパーブレード10を製造する場合、長さが小さいワイパーブレード10から長さが大きいワイパーブレード10まで、同一の幅広部30で保持爪17,17との接触部位30tを形成することが可能となる。
【0060】
また、幅広部30は、長手方向に沿って同一の幅寸法W3で形成されている。このような構成によれば、長手方向に余長部30yを含んで一定長を有する幅広部30を一対の保持爪17,17の間に挿入する際、挿入抵抗が変化せず、挿入性が高まる。
【0061】
また、連結部13cは、他の部位から幅広部30に向かって短手方向における幅が漸次大きくなるようテーパ部33が形成されている。このような構成によれば、ブレードラバー13の連結部13cを一対の保持爪17,17の間に挿入する際、幅が小さい他の部位と幅が大きい幅広部30との間で保持爪17,17が引っ掛かるのを抑えることができ、挿入性が高まる。
【0062】
さらに、ワイパーブレード10は、車両1に揺動可能に取り付けられるワイパーアーム4の先端に取り付けられるブレードホルダ12と、ブレードホルダ12に保持される上記したようなブレードラバー13と、を備える。
このような構成によれば、一つの金型で、一種類の長さのブレードラバー13を製造し、ブレードホルダ12の長さに合わせてブレードラバー13を必要に応じて切断することで、複数種類の長さのブレードラバー13とブレードホルダ12とからなるワイパーブレード10を用意することができる。その結果、金型コストを抑えることができる。
【0063】
さらに、ブレードラバー13の製造方法は、上記したようなブレードラバー13を形成する工程と、製造すべきワイパーブレード10の長さがブレードラバー13の長さよりも小さいとき、ブレードラバー13の他端13t側を切断する工程と、を備える。
このような構成によれば、一つの金型で一種類の長さのブレードラバー13を製造した後、ブレードホルダ12の長さに合わせてブレードラバー13を切断することで、複数種類の長さのブレードラバー13を用意することができる。その結果、金型コストを抑えることができる。
【0064】
なお、本発明は上述の各実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述の実施形態に種々の変更を加えたものを含む。
【0065】
例えば、上記実施形態において、複数の幅広部30,30において、幅広部30の長手方向の長さを異ならせるようにしたが、複数の幅広部30の長さを統一するようにしてもよい。
さらに、幅広部30は、2つに限らず、3以上を設けてもよい。
【0066】
また、ブレードホルダ12の構成については、何ら限定するものではなく、上記に示した構成以外とすることもできる。
また、ワイパーブレード10は、車両の前部に設けられたウィンドウガラス2に限らず、車両の後部に設けられたウィンドウガラスや、その他の部位に設けられたガラスやミラー等を含む窓部を払拭するものであってもよい。
これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。