(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記Q3Dモデルを操作する手段は、第1の手術用器具と第2の手術用器具との間の、又は手術用器具と解剖学的構造との間の距離の定量的な測定を実行するように構成される、請求項4に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示の態様は、添付図面と併せて確認するとき、以下の詳細な説明から最も良く理解される。この業界の一般的な慣例に従って、様々な特徴について一定の縮尺で描いていないことを強調しておく。実際には、様々な特徴の寸法は、議論を明確にするために適宜拡大又は縮小することがある。また、本開示は、様々な実施例において参照符号及び/又は記号を繰り返して使用し得る。この繰返しは、簡略化及び明確化を目的として行われており、議論される様々な実施形態及び/又は構成の間の関係をそれ自体で規定するものではない。
【0017】
当業者が複数の画像センサを有する手術用内視鏡システムを形成及び使用するのを可能にするために、以下の詳細な説明が提示されており、各センサは、物理的構造の3次元座標を画像センサの視野内で決定するように、他のセンサの画素アレイから分離された画素アレイを含む。実施形態に対する様々な修正は、当業者に容易に明らかとなり、及び本明細書に規定された一般的な原理は、本発明の主題の精神及び範囲から逸脱することなく、他の実施形態及び用途に適用することができる。また、以下の詳細な説明では、多くの詳細が、説明目的のために記載されている。しかしながら、当業者は、本発明の主題が、これらの特定の詳細を用いることなく実施し得ることを理解するだろう。他の例では、周知の機械部品、プロセス、及びデータ構造は、不必要な詳細によって本開示を不明瞭にしないためにブロック図の形式で示される。同一の参照符号は、異なる図面における同じアイテムの異なるビューを表すために使用され得る。以下で参照される図面のフロー図は、プロセスを表すために使用される。コンピュータシステムは、これらのプロセスの一部を実行するように設定することができる。コンピュータによって実施されるプロセスを示すフロー図内のモジュールは、これらのモジュールを参照して説明した動作を実行するための、コンピュータ・プログラムコードに従ったコンピュータシステムの構成を表す。こうして、本発明の主題は、示される実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示された原理及び特徴と一致する最も広い範囲が与えられるべきである。
【0018】
概要
いくつかの実施形態によれば、センサアレイを含むイメージャ(imager)は、内視鏡に関連付けられる。画像センサアレイは、複数のセンサを含み、各センサは、画素のアレイを含む。内視鏡の一部は、ヒトの体腔内に挿入され、画像センサアレイの視野内の標的対象物は、光源を用いて照明される。標的対象物の物理的な位置及び/又は寸法は、アレイの個々のセンサ上に投影された標的対象物の画像に基づいて決定される。
【0019】
図4は、いくつかの実施形態によるビューア312を介した手術シーンの視点ビューを示す説明図である。2つの表示要素401R,401Lを有するビューシステムは、良好な3Dビュー視点を提供することができる。手術シーン内の物理的構造の物理的寸法及び/又は位置情報を表す数値が、手術シーン画像上にオーバーレイ表示される。例えば、数値距離の値(d_Instr_Trgt)が、器具400と標的410との間のシーン内に表示される。
【0020】
遠隔操作医療システム
遠隔操作は、所定の距離で機械を操作することを指す。最小侵襲性遠隔操作医療システムでは、外科医は、患者の体内の手術部位を見るためのカメラを含む内視鏡を使用することができる。外科的処置中に深さの知覚を可能にする立体視画像が、取り込まれる。いくつかの実施形態によれば、内視鏡に取り付けられ且つイメージャ・センサアレイを含むカメラシステムは、定量的な3次元情報に加えて、3次元画像を生成するために使用される色及び照明データを提供する。
【0021】
図5は、いくつかの実施形態による1つ又は複数の機械式アーム158を用いて最小侵襲性外科的処置を行うための遠隔操作手術システム100の例示的なブロック図である。システム100の態様は、遠隔操作式ロボット及び自律的に動作する機構を含む。これらの機械式アームは、大抵の場合、器具を支持する。例えば、機械式手術用アーム(例えば、中央の機械式手術用アーム158C)を使用して、Q3D画像センサアレイに関連する内視鏡等の、立体視又は3次元手術画像取込みシステム101Cを含む内視鏡を支持することができる。機械式手術用アーム158Cは、滅菌アダプタ、クランプ、クリップ、ネジ、スロット/溝、又は他の締結機構を含み、画像取込みシステム101Cを含む内視鏡を機械式アームに機械的に固定することができる。逆に、画像取込み装置を含む内視鏡101Cは、確実に相互嵌合するように、機械式手術用アーム158Cの輪郭及び/又は構造に相補的な物理的な輪郭及び/又は構造を含むことができる。
【0022】
ユーザ又はオペレータO(一般的に外科医)は、マスター制御コンソール150において制御入力装置160を操作することによって、最小侵襲性外科的処置を患者Pに行う。オペレータは、
図4を参照して上述したビューア312を含む立体視表示装置164を介して患者の体内の手術部位の画像のビデオフレームを視認することができる。コンソール150のコンピュータ151は、制御線159を介して遠隔操作によって制御される内視鏡手術用器具101A〜101Cの動作を指示し、患者側システム152(患者側カートとも呼ばれる)を用いて器具の移動を生じさせる。
【0023】
患者側システム152は、1つ又は複数の機械式アーム158を含む。典型的には、患者側システム152は、対応する位置付けセットアップアーム156で支持される少なくとも3つの機械式手術用アーム158A〜158C(一般に、機械式手術用アーム158と呼ばれる)を含む。中央の機械式手術用アーム158Cは、カメラの視野内の画像のQ3D情報の取込みに適した内視鏡カメラ101Cを支持することができる。中央部の左右側の機械式手術用アーム158A及び158Bは、それぞれ、器具101A及び101Bを支持することができ、これら器具は、組織を操作することができる。
【0024】
図6は、いくつかの実施形態による患者側システム152の例示的な斜視図である。患者側システム152は、ベース172により支持されるカートカラム170を有する。1つ又は複数の機械的な挿入手術用アーム/リンク158は、それぞれ、患者側システム152の位置付け部分の一部である1つ又は複数のセットアップアーム156に取り付けられる。ベース172の上の略中央位置に位置されると、カートカラム170は、釣合いサブシステム及び制動サブシステムの構成要素を汚染物質から保護する保護カバー180を含む。
【0025】
モニタ用アーム154を除くと、各機械式手術用アーム158は、器具101A〜101Cを制御するために使用される。また、本発明の一実施形態では、各機械式手術用アーム158は、セットアップアーム156に結合され、次に、キャリッジ・ハウジング190に結合される。
図6に示されるように、1つ又は複数の機械式手術用アーム158は、それぞれのセットアップアーム156によって支持される。
【0026】
機械式手術用アーム158A〜158Dは、それぞれ、追跡システム及び器具の追跡により初期取得を支援するために生の未補正の運動情報を生成する1つ又は複数の変位トランスデューサ、向きセンサ、及び/又は位置センサ185を含むことができる。本発明のいくつかの実施形態では、器具は、変位トランスデューサ、位置センサ、及び/又は向きセンサ186も含むことができる。また、1つ又は複数の器具は、器具の取得及び追跡を支援するためのマーカ189を含むことができる。
【0027】
遠隔操作医療システムに関する更なる情報が、(2011年9月30日に出願された)米国特許出願公開第2012/0020547号明細書に提供される。
【0028】
内視鏡イメージャ・システム
図7Aは、いくつかの実施形態による第1の画像取込みシステム101Cを含む第1の内視鏡の説明図である。画像取込みシステム101Cは、細長い部分202を含む内視鏡を含み、この細長い部分202は、第1の端部分204、第2の端部分206、及び第1の端部分204のチップ部分208を含む。第1の端部分204は、ヒトの体腔内に挿入されるように寸法決めされる。複数の画像センサ(図示せず)を含むセンサアレイ210が、第1の端部分204のチップ部分208に結合される。いくつかの実施形態によれば、センサアレイ210の各センサは、画素のアレイを含む。細長い部分202は、イメージャ・センサアレイ210によって対象物を撮像できるように、体腔内の標的対象物の十分近くにチップ部分208を位置付けするのに十分な長さを有する。いくつかの実施形態によれば、第2の端部分206は、機械式アーム(図示せず)と確実に相互嵌合するように、概ね上述したような物理的な輪郭及び/又は構造(図示せず)を含む。細長い部分202は、イメージャ・センサアレイ210と情報を電子的に通信するための1つ又は複数の電子信号経路212も含む。光源214は、撮像される対象物を照明するように配置される。いくつかの実施形態によれば、光源214は、非構造化光(unstructured light)、例えば、白色光、色フィルタ処理された光、又はいくつかの選択された波長の光とすることができる。いくつかの実施形態によれば、光源214は、チップ208に位置され、他の実施形態では、必要に応じて、内視鏡101Cとは別に位置される。
【0029】
図7Bは、いくつかの実施形態による第2の画像取込みシステムの101C2を含む第2の内視鏡の説明図である。第1の画像取込みシステム101Cを含む第1の内視鏡と本質的に同じである第2の画像取込みシステム101C2の態様は、同一の参照符号により示され、同じ説明をしない。ロッド状レンズ等の光パイプ入力への入力部が、第1の端部分204のチップ部分208に配置される。光パイプ本体は、光パイプ入力として受け取った画像を、チップ部分208から物理的に変位しているイメージャ・センサアレイ210に送信するように、その細長い部分202内に延びる。いくつかの実施形態では、このイメージャ・センサアレイ210は、イメージャ・センサアレイ210が、体腔内の対象物の観察中に体腔の外側に位置するように、チップ部分208から十分遠くで変位する。
【0030】
図8は、いくつかの実施形態による、
図7Aの第1の画像取込みシステム101Cを含む第1の内視鏡101Cに関連する制御ブロックを示すととともに、動作中のシステムを示す例示的なブロック図である。イメージャ・センサアレイ210によって取り込まれた画像は、データバス212を介してビデオプロセッサ104に送られ、このプロセッサ104は、バス105を介して制御装置106と通信する。ビデオプロセッサ104は、カメラ制御ユニット(CCU)及びビデオ信号検出器(VSD)基板を含むことができる。CCUは、撮像センサ210の明度、色調、ホワイトバランス等の各種設定をプログラム又は制御する。VSDは、撮像センサから受信したビデオ信号を処理する。あるいはまた、CCU及びVSDは、1つの機能ブロックに統合される。
【0031】
いくつかの実施形態によれば、1つ又は複数のプロセッサを含むプロセッサシステムは、プロセッサの機能を実行するように構成される。いくつかの実施形態では、プロセッサシステムは、本明細書に記載のプロセッサ機能を実行するために一緒に動作するように構成された複数のプロセッサを含む。こうして、1つ又は複数の機能を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサへの本明細書中での参照は、単独のプロセッサによって又は一緒に動作する複数のプロセッサによって機能を実行できるプロセッサシステムを含む。
【0032】
一実施態様では、プロセッサ及び記憶装置(図示せず)を含む制御装置106は、細長い部分202のチップ208に隣接するシーン内の点の物理的な、定量的な3次元座標を計算し、並びにビデオプロセッサ104及び3Dディスプレイドライバ109の両方を駆動させ、3Dディスプレイ110に表示される3Dシーンを構成する。いくつかの実施形態によれば、手術シーンに関するQ3D情報は、例えば、シーン内の対象物の表面形状(輪郭)の寸法又は手術シーン内の対象物からの距離の数値的な印として生成される。以下でより詳細に説明するように、数値的なQ3D深さ情報は、距離情報又は表面輪郭情報を手術シーンの立体画像に注釈付けするために使用することができる。
【0033】
データバス107及び108は、ビデオプロセッサ104、制御装置106、及びディスプレイドライバ109の間で情報及び制御信号を交換する。いくつかの実施形態では、は、これらの要素は、内視鏡の本体内の画像センサアレイ210と一体化することができる。あるいはまた、それら要素は、内視鏡の内部及び/又は外部に分散させることができる。内視鏡は、標的120を含む手術シーンへの可視化したアクセスを提供するために、カニューレ140を介して位置付けされ、生体組織130を貫通することが示されている。あるいはまた、内視鏡及び1つ又は複数の器具は、単一の開口部(単一の切開部又は自然オリフィス)を通過して、手術部位に到達することもできる。標的120は、解剖学的標的、別の手術用器具、又は患者の体内の外科的シーンの他の態様であってもよい。
【0034】
入力システム112は、3D視覚表現を受信し、その視覚表現をプロセッサ106に提供する。入力システム112は、3Dモデルを生成するシステム(図示せず)からCRT又はMRI等の3Dモデルを受信する電子通信バス(図示せず)に結合された記憶装置を含むことができる。例えば、プロセッサ106を使用して、Q3Dモデルと3D視覚表現との間の意図した整列を計算することができる。より具体的には、限定するものではないが、入力システム112は、システム152と、MRI、CT又は超音波撮像システム等の撮像システム(図示せず)との間にイーサネット(登録商標)通信接続を確立するように構成されたプロセッサを含むことができる。他の撮像システムを使用してもよい。ブルートゥース(登録商標)、無線LAN、光等の他のタイプの通信接続を使用してもよい。あるいはまた、システム152及び撮像システムは、1つのより大きなシステムに統合してもよい。整列プロセスの結果は、プロセッサ106に関連付けられた記憶装置に保存することができ、外部装置又はシステムへの更なる操作のために提供される又は
図25に示されるように表示される。
【0035】
シーンの画像に追加されたQ3D情報の例
再び
図4を参照すると、
図4は、いくつかの実施形態による
図5のマスター制御コンソール150のビューア312の視点ビューを示す説明図である。いくつかの実施形態によれば、3次元の視点を提供するために、ビューア312は、それぞれ眼についての立体画像を含む。図に示されるように、手術部位の左画像400L及び右画像400Rは、左ビューファインダ401L及び右ビューファインダ401Rにそれぞれ器具400及び標的410を含む。ビューファインダ内の画像400L及び400Rは、それぞれ、左側の表示装置402L及び右側の表示装置402Rによって提供することができる。表示装置402L,402Rは、必要に応じて、対をなす陰極線管(CRT)モニタ、液晶ディスプレイ(LCD)、又は他のタイプの画像表示装置(例えば、プラズマ、デジタル光投影等)であってもよい。本発明の好ましい実施形態では、画像は、カラーCRT又はカラーLCD等の対をなすカラー表示装置402L,402Rによってカラーで提供される。既存の装置との下位互換性をサポートするために、立体表示装置402L,402Rは、Q3Dシステムと共に使用することができる。あるいはまた、Q3D撮像システムは、3Dモニタ、3Dテレビ、又は3D効果の眼鏡の使用を必要としないディスプレイ等の自動立体視ディスプレイに接続することができる。
【0036】
2つの表示要素401R,401Lを有するビューシステムは、良好な3Dビューの視点を提供することができる。Q3D撮像システムは、手術シーンの物理的構造の物理的寸法情報を用いてこのビュー視点を補足する。Q3D内視鏡システムと共に使用される立体視ビューア312は、手術シーンの立体画像上にオーバーレイされたQ3D情報を表示することができる。例えば、
図4に示されるように、器具400と標的410との間の数値的なQ3D距離値“d_Instr_Trgt”を、立体視ビューア312内に表示することができる。
【0037】
手術シーンの3D視点上に物理的な位置及び寸法情報をオーバーレイするために使用することができるビデオ立体視ビューシステムの説明が、(2011年9月30日に出願された)米国特許出願公開第2012/0020547号明細書の段落[0043]〜[0053]及び対応する図面に提供されており、この文献は、参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0038】
定量的な3次元物理情報の処理
図9は、いくつかの実施形態による物理的な標的の定量的な3次元位置を決定するためのプロセスを表す例示的なフロー図である。プロセスは、
図8の実施形態の撮像システム101Cを含む内視鏡を参照して説明される。モジュール401は、撮像センサS
ijからビデオデータを取得するように制御装置106を設定する。画像センサアレイ210が視野全体を「撮像」するが、画像センサアレイ210の異なるセンサ及び異なるセンサ内の異なる画素は、視野内の異なる対象物点からの画像投影によって照明されることが理解されるだろう。例えば、ビデオデータは、色及び光強度データを含むことができる。各センサの各画素は、その上に投影された画像の色及び強度を示す1つ又は複数の信号を提供することができる。モジュール402は、物理的世界のビューにおいて選択された関心領域から標的を体系的に選択するように制御装置を設定する。モジュール403は、初期(x
0,y
0,z
0)設定を用いて標的の3D座標(x,y,z)の計算を開始するように制御装置を設定する。次に、アルゴリズムは、標的の投影画像を受け取る全てのセンサS
ijからの画像ダイバーシチ(diversity)データを用いて、座標の整合性をチェックする。座標計算は、許容可能な精度に達するまで、決定モジュール404で精緻化(refine)される。決定モジュール404は、現在計算された物理的な位置が十分に正確であるかどうかを決定するように制御装置を設定する。現在計算された位置が十分に正確ではないという決定に応答して、制御がモジュール403に戻り、可能な異なる物理的な位置を試行する。現在計算された位置が十分に正確であるという決定に応答して、モジュール405は、関心領域の全体がスキャンされたかどうかを決定するように制御装置を設定する。関心領域の全体がスキャンされていないという決定に応答して、制御は、モジュール402に戻り、別の標的が選択される。関心領域の全体がスキャンされたという決定に応答して、制御は、関心領域の撮像ボリュームの3次元モデルを組み立てるように制御装置を設定するモジュール406に移る。標的構造の物理的な位置を示す3次元情報に基づいた標的の3D画像の組立て(assemble)は、当業者に公知であり、ここで説明する必要はない。モジュール407は、更なる検討及び操作のために複数の標的について決定された物理的な位置情報を使用して開発した3Dモデルを保存するように制御装置を設定する。例えば、3Dモデルは、患者の臓器の特定の寸法のインプラントのサイズ決め等の、外科用途の後の時点で使用することができる。さらに別の例では、新しい手術用器具101がロボットシステム152に設置されたときに、以前の手術シーンに対して新たな器具を参照するために、3Dモデルを呼び戻し、その呼び戻した3Dモデルをディスプレイ110に表示する必要があり得る。モジュール407は、3D視覚表現とQ3Dモデルとの間の整列の結果も保存することができる。モジュール408は、定量的な3Dビューを表示するために、複数の標的について決定された物理的な位置情報を使用するように制御装置を設定する。Q3Dビューの一例は、
図4に示される距離値“d_Instr_Trgt”である。
【0039】
なお、立体視ディスプレイが、ビューの幻覚(illusion)を3次元で形成することに留意されたい。しかしながら、実際の3Dディスプレイは、ホログラフィック画像又は湾曲面に投影された画像等の3D画像を提示する。典型的に、3Dディスプレイは、ビュー視点を変更するようにビューを移動させることができる。
【0040】
図10は、いくつかの実施形態による
図9のモジュール402に概ね対応するプロセスの特定の詳細を示す例示的なフロー図である。モジュール402.1は、センサアレイ210内の全てのセンサから物理的世界のシーンの画像を取り込むように制御装置を設定する。モジュール402.2は、取り込んだシーンの中から関心領域を指定するように制御装置を設定する。モジュール402.3は、同じ標的の投影によって照明される異なるセンサの画素位置を特定するために、関心領域内のシーン画像同士の間で最も一致(ベスト・マッチ)するシーン画像を検索するように制御装置を設定する。後述するように、最良のマッチングは、限定することなく、シフトされた画像と基準画像との間の2次元の相互相関関数を最大化するまでセンサS
ijから個々の画像をシフトすることによって、達成することができる。基準画像は、例えば、センサS
11から受信したシーン画像であってもよい。モジュール402.4は、同一の標的からの投影により照明された候補画素を特定するように制御装置を設定する。モジュール402.5は、選択された標的について2つ以上の画素座標(N
x,N
y)を計算して、候補画素が同一の標的からの投影により照明されているかどうかを決定するように制御装置を設定する。決定モジュール402.6は、計算された2D画素座標値が、候補画素が同一の標的からの投影によって照明されていることを示すかどうかを決定する。複数のセンサS
ijを用いて同じシーンをビューする(眺める)ことによって生じる画像ダイバーシチ(diversity)は、様々な個々の画像S
ij中の特定の標的に関連する座標(N
x,N
y)を正確に特定する際に役割を果たす。例えば、いくつかの実施形態によれば、3つのみのセンサS
11、S
12、及びS
13が使用される簡略化されたシナリオを想定する。2D画素座標の3重項(triplet)[(Nx
11,Ny
11),(Nx
12,Ny
12),(Nx
13,Ny
13)]が、[S
11,S
12,S
13]上で同じ標的の投影に対応しない場合に、次に、(y方向の投影シフトの推定値である)量
【数1】
及び
【数2】
は、異なる値が得られる。後に提示される方程式によれば、画素座標(Nx
11,Ny
11),(Nx
12,Ny
12),(Nx
13,Ny
13)が同じ標的の投影からもたらされる場合に、
【数3】
及び
【数4】
を等しくしなければならない。
【数5】
【0041】
【数6】
及び
【数7】
が略等しくない場合に、次に制御は、モジュール402.4に戻り、センサ面S
ijの上への標的投影についての最良の候補を絞り込む。前述したように、上記は、アルゴリズムの単に簡略化した実装形態である。一般に、
図10のモジュール402.6に示されるように、
【数8】
と
【数9】
との間の差のノルム(norm)は、モジュール402がその繰り返しを完了するために、許容範囲ε未満にすべきである。同様の制限は、x軸の
【数10】
及び
【数11】
の対応する推定値について満たす必要がある。候補画素が同一の標的からの投影によって照明されていることを、計算された2D画素座標値(N
x,N
y)が示しているという決定に応答して、次に、制御は、モジュール403に移る。
【0042】
各画素が、世界シーン(world scene)からカラー及び強度情報を直接的に取り込むことが理解されるだろう。また、上記のプロセスによれば、各画素は、画素上に投影される、世界ビューの物理的な対象物の座標(x,y,z)と関連する。こうして、色情報、照度情報、及び物理的な位置情報、つまり色及び照明が投影された対象物の位置は、非一時的なコンピュータ可読記憶装置内の画素に関連付けることができる。以下の表1は、この関連付けを示す。
【表1】
【0043】
Q3D情報の決定の例
投影マッチングの例
図11は、いくつかの実施形態によるセンサアレイS
11〜S
33を含む例示的なセンサアレイ210の説明図であり、センサアレイは、3つの例示的な対象物を含む例示的な3次元の物理的世界のシーンを含む視野を有するように配置される。アレイ内の各センサS
ijは、各次元に少なくとも2つの画素を有する2次元配列の画素を含む。各センサは、個別の光チャネルを形成するレンズスタックを含み、このレンズスタックは、レンズスタックの焦点面に配置された画素の対応する配列上の画像を解像する。各画素は、光センサとして機能し、その複数の画素を含む各焦点面は、画像センサとして機能する。その焦点面での各センサS
11〜S
33は、他のセンサ及び焦点面によって占有されるセンサアレイの領域とは異なるセンサアレイの領域を占める。適切な既知の画像センサアレイは、(2010年11月22日に出願された)特許文献4及び(2012年9月19日に出願された)特許文献5に開示されており、これらの文献は、上述している。
【0044】
いくつかの実施形態によれば、センサは、x及びy方向の画素の総数N
x及びN
y、及び視野角θ
x及びθ
yによって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、x及びy軸のセンサ特性が同一であると予想される。しかしながら、代替実施形態では、センサは、x及びy軸で非対称の特性を有する。同様に、いくつかの実施形態では、全てのセンサが同じ総画素数及び同じ視野角を有することになる。センサは、よく制御された態様で、センサアレイ210全体に分散される。例えば、センサは、示される2次元格子上で距離δ離間してもよい。センサの配置ピッチδは、このような格子全体に対称又は非対称であってもよい。
【0045】
図11に示される実施形態では、センサは、センサS
11〜S
13が一番上の行を占め、センサS
21〜S
23が中央の行を占め、及びセンサS
31〜S
33が下の行を占める矩形グリッドに配置される。各センサは、N行の画素及びN列の画素を含む。光源によって生成される破線で示される光線は、三角形状の第1の対象物、球形状の第2の対象物、及び矩形状の第3の対象物の各々からイメージャアレイの各センサに反射される。説明目的のために、一番上の行のセンサS
11,S
12、S
13の光線のみが示される。光源は、例えば、非構造化された白色光又は周辺光であってもよい。あるいはまた、例えば、光源は、可視又は赤外スペクトル等の選択された波長の光を提供してもよく、又は光が選択された波長(色)又は波長の範囲(例えば、色の範囲)を提供するためにフィルタ処理又は分割してもよい。光線が対象物の各々からセンサS
21〜S
33に同様に反射されることが理解されるだろう。しかしながら、説明を簡略化するために、他のこれら光線は示していない。
【0046】
モジュール401及び402.1によれば、センサアレイ210のセンサは、世界ビューから画像を別々に取り込む。
図12は、いくつかの実施形態による
図11の3つの対象物のセンサS
ij(S
11、S
12、及びS
13のみが示されている)上の投影を表す説明図である。当業者は、反射光が視野内にある対象物の投影画像をセンサに入射させることを理解するだろう。より具体的には、イメージャアレイの複数の異なる画像センサに入射する、視野内の物体から反射された光線は、3次元から2次元への対象物の複数の視点の投影を生成する、すなわち、反射された光線を受け取る各センサに異なる投影を生成する。特に、対象物の投影の相対位置は、S
11からS
12に、S
13に進むときに左から右へシフトされる。入射光線によって照明された画像センサの画素は、入射光に応答して電気信号を生成する。従って、各画像センサについて、電気信号のパターンは、画像センサ内の画像投影の形状及び位置を示す反射光に応答して、その画素によって生成される。
【0047】
モジュール402.2によれば、関心領域が、世界シーンから選択される。
図13は、シーン内からの関心領域の選択を示す説明図である。この例では、三角形状の第1の対象物、球形状の第2の対象物、及び矩形状の第3の対象物は全て、選択された関心領域内にある。このステップは、オペレータからの入力を受け付けることによって達成することができ、或いは所定の方法でソフトウェアにより、又はオペレータの入力及び自動ソフトウェア制御の選択の組合せにより構成されたコンピュータを用いて自動的に実行することができる。例えば、いくつかの実施形態では、世界シーンは、ヒトの解剖学的構造の内腔を示すことができ、対象物は、体内器官、又は手術用器具、又はそれらの一部であってもよい。外科医は、内腔内からリアルタイム視覚イメージを受け取ることができ、ヒトの解剖学的構造の組織領域及び体腔内に投影される手術用器具の一部を見ることができる。外科医は、視野内のそれらの対象物を指定することができ、その対象物の位置情報がテレストレーション(telestration)・ビデオマーカー等の周知の技術によって決定される。あるいはまた、又はこのようなオペレータの要求に加えて、エッジ検出アルゴリズム等の自動化されたプロセスを使用して、関心領域(ROI)を指定することができる。
【0048】
モジュール402.3によれば、最良の一致(ベスト・マッチ)は、同一の標的の投影によって照明される異なるセンサの画素位置を特定するように、対象領域内のシーン画像同士の間で決定される。
図14は、いくつかの実施形態によるセンサS
11、S
12、及びS
13の投影画像の相対的な幾何学的なオフセットに関する追加の詳細を示す説明図である。いくつかの実施形態によれば、センサS
13からの画像が、基準画像とみなされ、そして選択されたROI内の対象物の投影は、センサS
13のそれら位置に対してセンサS
12の画素量σ
23だけ右側にオフセットされる。同様に、選択されたROI内の対象物の投影は、センサS
13のそれら位置に対してセンサS
11の画素量σ
13だけ右側にオフセットされる。これは、各センサS
12、S
11のFOVビュー軸線が、センサS
13のFOVビュー軸線の右側にオフセットされるので(このようなビュー軸線はセンサの面に対して垂直である)、ROIからの投影画像は、センサS
11に対してセンサS
13及びS
11の左側にオフセットされることが理解されるだろう。
【0049】
図15は、いくつかの実施形態による、ROI内のセンサS
13の投影画像と整列させるために、右側にシフトされたROI内のセンサS
11及びS
12の投影画像を示す説明図である。現在の例では、センサS
13は、基準センサとして機能するように指定される。他のセンサが整列及び幾何学的寸法を決定する際に使用するために選択できることが理解されるだろう。選択されたROI内の対象物の投影は、指定されたセンサ、例えばセンサS
13で識別され、他のセンサ、例えばセンサS
11及びS
12の投影は、それら他のセンサが指定されたセンサの投影と整列されるまで、シフトされる。こうして、選択されたROI内の対象物の対応する投影が、指定されたセンサでの投影の位置に対するそれら他のセンサのオフセットと共に、他のセンサ内で識別することができる。
【0050】
特に、例えば、3つの例示的な対象物の投影が、センサS
12の画素量σ
23だけ右側にシフトされ、3つの例示的な対象物の投影が、センサS
13の画素量σ
13だけ右側にシフトされる。この例示的な例では、同じ原理がセンサ同士の間でx方向の投影オフセットを適用するが、説明を簡略化するために、投影は、y方向にのみオフセットされ、x方向にオフセットされないものと想定する。また、この例では、線形オフセットを示しているが、当業者は、例えば、異なるセンサにおいて相対的なオフセットを有する投影を整列させるために、回転等の他の変換を適用することができる。
【0051】
例えばいくつかの実施形態では、2次元(2D)相互相関法や主成分分析(PCA)を使用して、S
13のROI内の投影をS
12のROI内の投影と整列させ、S
13のROI内の投影をS
11のROI内の投影と整列させることができる。一般的には、基準として指定されたセンサからの画像に対してセンサS
ijからの画像を最も良く一致させる又は整列させることが意図される。より具体的には、S
12のROI内の投影画像は、最も高い相関係数が得られるまで、S
13のROI内の投影画像に対してシフトされ、且つこの投影画像と相互相関される。同様に、S
11のROI内の投影画像は、最も高い相関係数が達成されるまで、S
13のROI内の投影画像に対してシフトされ、且つこの投影画像と相互相関される。こうして、ROIの投影の整列は、S
13のROIの投影とS
12のROIの投影との間のオフセットを決定することにより、及びS
13のROIの投影とS
11のROIの投影との間のオフセットを決定することにより、センサS
11及びS
12におけるROIの投影の位置を特定するために使用される。
【0052】
候補画素の選択及び絞込みの例
モジュール402.4によれば、候補画素は、ベストマッチ処理によれば、同じ標的からの投影によって照明される異なるセンサ内で特定される。一旦ROI内の対象物の投影がセンサS
11、S
12、及びS
13のそれぞれで特定されると、ROI内の個々の標的点の物理的な投影(x,y,z)は、イメージャアレイに対して決定することができる。いくつかの実施形態によれば、ROI内の標的点の各多重度について、標的点からの投影によって照明される複数のセンサのそれぞれの1つ又は複数の画素が、特定される。このような各標的点について、物理的な標的点の位置(x,y,z)が、標的点からの投影により照明されると判断される、異なるセンサに配置された画素の間の幾何学的関係に少なくとも部分的に基づいて決定される。
【0053】
一連の標的点は、ROIを体系的に横断する(例えば、特定の刻み幅で右から左に、及び刻み幅で上から下に)ことにより、自動的に選択することができ、物理的な標的点の位置(x,y,z)は、選択された各標的点について決定できることが理解されるだろう。S
11及びS
12がS
13に最も良く一致しているので、その横断は、シフトされた関心領域の内部で行われる。標的を選択することは、標的の投影によって照明されるセンサS
11、S
12、及びS
13のそれぞれの画素を特定することを含む。こうして、S
11、S
12、及びS
13のそれぞれの候補画素は、選択された標的点の投影によって照明される画素であると特定される。
【0054】
換言すれば、標的点Tを選択するために、画素は、標的点Tの投影によって照明されるセンサS
11、S
12、及びS
13のそれぞれで選択される。標的Tの物理的な位置(x,y,z)は、その選択の時点では未知であることが理解されるだろう。また、上述した整列プロセスの不正確さは、各センサの画素が、選択された標的Tの投影によって照明されるという決定に不正確性を生じさせる可能性があることが理解されるだろう。こうして、
図17、
図18、及び
図19を参照して説明されるように、更なる決定が、現在選択された標的Tの投影によって照明されるS
11、S
12、及びS
13のそれぞれの画素について、精度の決定について行われる。
【0055】
上記の例を続けて、三角形状の第1の標的が、現在選択された標的点であると想定する。
図16は、いくつかの実施形態による選択された三角形状の標的点のセンサS
11、S
12、及びS
13上への投影を示す説明図である。これらの投影から、標的Tの2D画素座標[(Nx
11,Ny
11),(Nx
12,Ny
12),(Nx
13,Ny
13)]が、決定される。簡略化のために、
図16は、y軸の画素座標のみを示す。これらの2D画素座標を用いて、表現(402.5−1)及び(402.5−2)が適用され、及び
【数12】
及び
【数13】
が、モジュール402.5の一部として計算される。モジュール402.6の一部として、ノルム
【数14】
が、計算され、許容範囲εと比較される。同様に、x軸の画素座標及び位置推定値が、計算され、許容範囲に対して比較される。モジュール402.6の条件が満たされる場合に、次に、プロセスは、モジュール403に進み、そうでなければ、モジュール402.4に戻り、標的候補をさらに絞り込む。
【0056】
図17を参照すると、センサS
11、S
12、及びS
13と、物理的空間内の位置(x,y,z)に配置され選択された三角形状の第1の対象物の標的点Tとを含むイメージャアレイの一部が示される。イメージャアレイ内のセンサは、それらセンサ同士の間に既知の間隔σ
ijを有する。S
11とS
12との間の物理的な位置間隔は、δ
12であり、S
12とS
13との間の物理的な位置間隔は、σ
23である。いくつかの実施形態では、全てのセンサS
ij同士の間の間隔が、同一であり、構造上の仕様δに等しい。センサS
ijは、既知の視野角θも有する。
【0057】
いくつかの実施形態では、上述したように、各センサは、行及び列から構成される矩形パターンとして配置された画素を含む2D撮像素子として構成される。あるいはまた、画素は、例えば、円形パターン、ジグザグパターン、散乱パターン、サブ画素オフセットを含む不規則パターンで配置することができる。これらの素子の角度及び画素特性は、同一であってもよく、あるいはまた、センサ毎に異なっていてもよい。しかしながら、これらの特性は、既知であると想定される。説明を簡略化するために、センサは、同一である想定されるが、異なっていてもよい。
【0058】
簡略化するために、全てのセンサS
ijが、N×N個の画素を有すると想定する。センサS
11からの距離zにおいて、センサのN個の画素幅は、FOV
1で示されるS
11のy次元視野の外に拡張する。同様に、センサS
12からの距離zにおいて、センサS
12のy次元視野は、FOV
2で示される。また、センサS
13からの距離zにおいて、センサS
13のy次元視野は、長さFOV
3で示される。長さFOV
1、FOV
2、及びFOV
3は、互いに重なり合っており、センサS
11、S
12、及びS
13が、いくつかの(未知の)距離zに物理的に位置する標的Tの3通りのサンプリング・ダイバーシチを達成することを意味する。当然ながら、センサが同一に形成される場合に、この例で想定しているように、長さFOV
1、FOV
2、及びFOV
3は、同様に同じになる。3つの長さFOV
1、FOV
2、及びFOV
3全てが、同じ大きさを有しており、説明の目的のために、それら3つの長さが互いに隣接して積み重ねられるように描かれているが、それら3つの長さは、イメージャアレイから同じ(未知の)距離zにあるという点で同一面上にあることが理解されるだろう。
【0059】
図18を参照すると、現在選択された標的点Tの画像センサS
11、S
12、及びS
13上への投影の例示的な正面図が示される。簡略化するために、センサは、サイズN×Nの画素から構成される幾何学的に矩形の画素アレイを含むものと想定する。また、標的Tのx座標の投影が全て等しいと想定される。換言すれば、標的TのS
11、S
12、及びS
13上への投影について、n
x1=n
x2=n
x3であると想定する。説明を簡略化するために、また、幾何学的な視野角θは、垂直方向にθ
x=θ
yの場合に、水平方向に同じであると想定される。当業者は、上記の想定のいずれかが変化する場合に、標的Tのx、y、及びzの物理的座標を計算するために、以下に提示されるプロセスをどの様に変更するかを知っているだろう。
【0060】
標的Tの画像は、画像センサS
11の面内の幾何学的な座標(n
x1,n
y1)においてセンサS
11内の物理的な点に投影される。より具体的には、標的点TのセンサS
11上への投影が、原点から取られるy軸に沿ってn
y1画素に位置し、且つx軸に沿ってn
x1画素に位置される。標的Tの画像は、画像センサS
12の面内の幾何学的な座標(n
x2,n
y2)においてセンサS
12内の物理的な点に投影される。標的Tの画像は、画像センサS
13の面内の幾何学的な座標(n
x3,n
y3)においてセンサS
13内の物理的な点に投影される。各センサ内の画素位置(n
x1,n
y1)は、センサのために設けられた原点(0,0)の基準座標に対して決定されることが理解されるだろう。
図17又は
図19に示されるように、座標(x,y,z)のグローバルシステム(global system)が、規定され、標的を参照するために使用される。例えば、このような座標系の原点は、センサS
11の幾何学的中心に、制限なしに、配置することができる。
【0061】
図16及び
図18の両方を参照すると、標的の投影のy画素距離は、各センサで異なることが理解される。現在選択された標的Tの投影は、S
11の原点の左側のn
y1画素に配置される。その選択された標的Tの投影は、S
12の原点の左側のn
y2画素に配置される。その選択された標的Tの投影は、S
13の原点の左側のn
y3画素に配置される。説明を簡略化するために、上述したように、標的の投影が、3つの全てのセンサの原点から同じx画素間隔に投影されると想定される。
【0062】
図19を参照すると、
図17を参照して上述したように、センサS
11、S
12、及びS
13に対する現在選択された標的Tの配置が示され、及び各センサの候補画素についてのy方向の画素オフセットも示される。
図19の図面は、選択された標的点Tの物理的な座標(x,y,z)を決定するための物理的構造及び解析フレームワークを提示することを理解されるだろう。イメージャアレイ面から(未知の)距離zにおいて、各センサのy方向視野は、FOV
iとしてマークされた長さに亘って延びる。この長さ、FOV
iは、いくつかの実施形態ではN個の画素であるセンサの最大画素幅に相当する。センサがx方向及びy方向で対称な視野を有するという動作想定をすると、長さも、x軸に沿って垂直方向にFOV
iとなるだろう。
【0063】
候補画素選択は、選択した標的の物理的な位置の決定の際に不正確性を生じさせる可能性がある不確実性のレベルを有する相関処理に少なくとも部分的に基づいて、行われることを思い出されたい。こうして、いくつかの実施形態によれば、標的投影の候補選択の精度の更なる確認は、以下のように行われる。
【0064】
標的の物理的な位置(x、y)を決定し、且つ標的投影の候補選択の精度を確認する例
モジュール402.5によれば、2つ以上の2次元座標値(N
x,N
y)は、選択された標的について、候補画素が同一の標的からの投影によって実際に照明されているかどうかを決定するために計算される。上で議論した想定及び3D座標系の原点をセンサS
11の中心に配置すること基づいて、
図19の例のイメージャアレイ及び現在選択された標的Tは、次の関係を有する。
【数15】
ここで、Nは、撮像センサの画素寸法であり、
n
x1は、x方向のS
11面の原点からの画素数で表された標的点Tの位置であり、
n
y1は、y方向のS
11面の原点からの画素数で表された標的点Tの位置であり、
n
y2は、y方向のS
12面の原点からの画素数で表された標的点Tの位置であり、
n
y2は、y方向のS
12面の原点からの画素数で表された標的点Tの位置であり、
θは、視野角である。
【0065】
また、センサS
11及びS
13を使用して同じ計算を実行する場合に、S
11とS
13との間の分離が2δであるとすると、以下の式が得られる。
【数16】
ここで、n
x3は、x方向のS
13面の原点からの画素数で表された標的点の位置であり、
n
y3は、y方向のS
13面の原点からの画素数で表された標的点の位置である。
【0066】
こうして、選択された標的Tの物理的なx座標を決定することは、式(3)又は(6)に基づいて、決定することができる。選択された標的Tの物理的なy座標を決定することは、式(2)又は(5)に基づいて、決定することができる。選択された標的Tの物理的なz座標を決定することは、式(1)又は(4)に基づいて決定することができる。
【0067】
より一般的には、モジュール402.6によれば、決定は、候補画素が同一の標的からの投影によって照明されていることを、計算された2D座標値が示すかどうかについて行われる。標的Tの物理的な座標(x,y,z)のより信頼性の高い決定は、各座標について2つの式を使用することによって得ることができることが理解されるだろう。例えば、標的Tのy座標は、式(2)及び(5)の両方を使用して決定することができる。2つの式を用いて計算され、得られたy座標値がいくつかの許容範囲値ε
yよりも多い値だけ異なる場合に、次にマッチング処理が異なるセンサの投影同士の間のオフセットを十分な精度で解決出来なかったという決定が行われ、結果として、候補画素が同じ標的Tから投影を受けない点で、候補画素は対応していない。y計算を一致させるのに失敗した場合に、各センサが選択された標的Tに対応するセンサ内の候補画素の改善された選択を行うための試行に、別の反復のマッチング処理を行ってもよい。異なるセンサ上への異なる視点の投影が、例えば、視差効果によって異なる可能性があるので、計算されたy値が等しくならない可能性があることが理解されるだろう。従って、許容範囲値は、意図する用途に応じて規定される。手術用イメージング用途では、0.1〜0.3mmのεは、一般的に許容可能なQ3D精度を提供する。当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、異なる許容範囲レベルを規定することができる。
【0068】
x軸及びy軸の周りの想定されたセンサの対称性を考慮すると、当業者は、(2)及び(5)と同様の式を用いるが、n
yiの代わりにn
xiを用いて、標的Tのx座標に対して同様な決定を行うことができることを理解するだろう。式(3)及び(6)は、それらの式が、z座標の知見を必要とするため、モジュール402.5及び402.6の一部を使用することはできない。しかしながら、モジュール402.5及び402.6の本質は、センサS
11、S
12、及びS
13の面上の正確な標的投影を決定することである。この目的のために、x及びy軸を調整した式(2)及び(5)は、十分である。座標(x,y,z)の完全なセットは、以下に記載されるように、モジュール403及び404の一部として計算される。
【0069】
標的の物理的なz位置を決定する例
図19に示されるように、モジュール403及び404によれば、z座標の初期推定値、z
0は、計算処理を開始するために使用される。この初期値は、医療用途に応じて、自動的に規定される。医療用途によって、可視化されることを意図した世界ビューが規定される。初期値z
0は、内視鏡に最も近い視野のエッジ部で開始する。
図8を参照すると、手術用内視鏡検査を含むQ3D用途について、z
0は、例えば、Q3D内視鏡202の先端部208から1〜5mm外れる可能性がある。このような初期推定値は、一般的に、任意の組織又は手術用器具をQ3Dの内視鏡に近接して置く可能性が低いので、この用途には十分である。次に、値z
0が、式(3)及び(6)に結合される。標的のx座標が一意的なものであること考慮すると、z
0が、真値であり且つ標的のz座標が正しい場合に、次に、式(3)及び(6)は、許容範囲ε
xの許容レベル内で、同じ値、又は略等しいをもたらすであろう。
|x
(3)−x
(6)|<ε
x (7)
【0070】
式(3)及び(6)が許容範囲ε
x外にある場合に、反復が継続し、zの新たな推定値z
1が試行される。いくつかの実施形態によれば、新しい推定値は、自動的に規定される。例えば、z
1=z
0+Δであり、ここで、Δは、反復ステップのサイズである。一般的には、k
thにおいて、反復はz
k=z
k−1+Δである。(7)の条件が満たされた場合に、反復プロセスは停止する。より小さいΔは、正確な標的座標を決定する際の精度を増大させるが、それはまた、このプロセスを完了するために多くの計算時間を必要とし、従って待ち時間が増加する。待ち時間の増加は、手術用器具の動きと操作する外科医によるその器具可視化との間に遅延を生じさせる可能性がある。換言すれば、外科医は、コマンドの後に遅れるようなシステムを知覚し得る。深さ20〜30センチメートル(cm)の手術用ビュー空間について、0.1〜0.3mmのΔは、十分である。当然ながら、当業者は、反復プロセスを完了するために必要な計算に対してΔの大きさのバランスをとることを知っているだろう。
【0071】
上記の説明は、プレゼンテーションの理由のために簡略化されており、従って、3つのみのセンサS
11、S
12、及びS
13を含む。一般に、より多くのセンサを使用して、Q3D座標計算の精度を向上させることだけでなく、反復の全体の数を減らすこともできる。例えば、3つ以上のセンサ、好適には3×3センサのアレイが使用される場合に、次に、最急勾配(steepest gradient)等の方法を使用して、モジュール402.5及び403によって行われる推定誤差の方向にトレンドを与えることができる。次に、反復ステップのサイズ及び方向は、3Dエラー傾斜面の局所的な極値に向かう進行に一致させて調整することができる。
【0072】
Q3D情報を用いて内視鏡手術の案内
図20は、いくつかの実施形態による外科的処置中にQ3D情報を使用する第1のプロセス2000を示す例示的なフロー図である。コンピュータ・プログラムコードが、プロセス2000を実行するようにコンピュータ151を設定する。モジュール2002は、ビューア312を見たときに、外科医の視野内の少なくとも2つの対象物を選択するユーザ入力を受信するようにコンピュータを設定する。モジュール2004は、ユーザ選択の受信に応答して、コンピュータコンソール上にメニューを表示するようにコンピュータを設定する。決定モジュール2006は、メニューへのユーザ入力が、距離を表示させるために受信されたかどうかを決定するようにコンピュータを設定する。ユーザ入力が距離を表示させるために受信されたという決定に応答して、モジュール2008は、外科医の視野のビデオ画像内に数値距離を表示するようにコンピュータを設定する。決定モジュール2010は、距離表示を選択するユーザ入力を受信するために所定の時間間隔に亘って待機し、及び「タイムアウト」期間内にユーザ入力を受信しなかったことに応答して、決定モジュール2006の動作を終了するようにコンピュータを設定する。
【0073】
決定モジュール2012は、メニューへのユーザ入力が、近接制限警報を入力するために受信されたかどうかを決定するようにコンピュータを設定する。ユーザ入力が近接閾値を入力するために受信されたという決定に応答して、モジュール2014は、Q3D情報を使用して、外科医の視野内の2つ以上の対象物同士の間の近接性を監視するようにコンピュータを設定する。決定モジュール2016は、近接閾値を超えたかどうかを判定する。近接閾値を超えたという判定に応答して、モジュール2018は、警報を起動させるようにコンピュータを設定する。警報は、音、点滅光のような視覚的キュー、衝突を回避するための器具のロック、又は他の触覚フィードバックを含むことができる。近接閾値を超えていないという判定に応答して、制御は、監視モジュール2014に再び移る。決定モジュール2020は、近接閾値を入力するユーザ入力を受信するために所定の時間間隔に亘って待機し、「タイムアウト」期間内にユーザ入力を受信しないことに応答して、決定モジュール2012の動作を終了するようにコンピュータを設定する。
【0074】
図21は、いくつかの実施形態による、
図20のプロセスに従って表示画面2102に表示されるメニュー選択を示す説明図である。表示画面2102は、コンピュータ151に関連するビューモニタを含む。あるいはまた、表示画面2102は、ビューア312の表示要素401R,401Lの領域を含むことができる。ユーザ入力に応答して、モジュール2004は、第1のメニュー項目「距離表示」2106及びと第2のメニュー項目「近接警報設定」2108を含むメニュー2104を表示させる。「距離表示」メニュー項目2106を選択するユーザ入力に応答して、モジュール2008は、2つ以上の対象物同士の間のQ3D距離を表示させる。
図4を再び参照すると、モジュール2008を使用して表示された器具400と標的との間のQ3D距離“d_Instr_Trgt”の表示が示される。「近接警報設定」メニュー項目2108を選択するユーザ入力に応答して、「距離入力」UI入力2110は、ユーザが近接距離閾値、例えば1cmを入力できるフィールドを含んで表示される。代替実施形態(図示せず)では、デフォルトの近接閾値が、全ての器具について予め設定してもよく、ユーザは、例えば、
図21のメニューを使用して、近接閾値を変更することができる。代替実施形態では、ユーザは、閾値を入力するのではなく、デフォルトの閾値を選ぶことを選択することができる。いくつかの実施形態では、ユーザは、距離を表示させ、近接警報を設定することの両方を選択することができる。
【0075】
図22A,
図22Bは、いくつかの実施形態による、
図20のプロセスに従ってユーザ入力を受信する特定の詳細を表す説明図である。
図22Aは、テレストレーション等のビデオマーカーツールを使用して、又は
図4の制御入力装置160を操作する外科医コンソールを使用して形成することができる、生体組織等の標的410L,410Rの第1の強調表示領域2202L,2202Rの例を示す。
図22Bは、ビデオマーカーツールを使用して形成することができる、器具チップ400L,400Rの第2の強調表示領域の2206L,2206Rの例を示す。いくつかの実施形態による動作では、ユーザは、第1の強調表示領域2202L,2202Rを形成する。次に、ユーザは、ビデオマーカーツールを使用して、器具チップ400L,400Rの第2の強調表示領域2206L,2206Rを形成する。項目が強調表示される順序は、重要でないことが理解されるだろう。次に、ユーザは、選択を入力するためにセレクタ(図示せず)を作動させる(例えば、ENTERキーを押す)。モジュール2002は、受信したユーザ入力を、標的画像410L,410R及び器具画像400L,400Rの選択として解釈する。
【0076】
図23は、いくつかの実施形態による外科的処置中にQ3D情報を使用する第2のプロセス2300を表す例示的なフロー図である。コンピュータ・プログラムコードは、プロセス2300を実行するようにコンピュータ151を設定する。モジュール2302は、ビューア312を見たときに、外科医の視野内の対象物を選択するユーザ入力を受信するようにコンピュータを設定する。例えば、
図22Aを再び参照すると、ユーザ入力は、ビデオマーカーツールを使用して、器具チップ400L,400Rの第2の強調表示領域2206L,2206Rを形成するために受信されるように示される。ユーザ入力(図示せず)は、器具チップ400L,400Rの画像選択を入力するために、セレクタ(図示せず)を作動させる(例えば、ENTERキーを押す)ために受信される。
【0077】
図23に再び戻ると、ユーザ選択の受信に応答して、モジュール2304は、メニューをコンピュータコンソール上に表示するようにコンピュータを設定する。決定モジュール2306は、メニューへのユーザ入力が、選択された対象物の画像を回転させるために受信されたかどうかを判定するようにコンピュータを設定する。ユーザ入力が画像を回転させるために受信されたという判定に応答して、モジュール2308は、対象物の異なる3次元視点を示す画像を回転表示させるようにコンピュータを設定する。決定モジュール2310は、画像を回転させるユーザ入力を受信するために所定の時間間隔に亘って待機し、及び「タイムアウト」期間内にユーザ入力を受信しないことに応答して、決定モジュール2306の動作を終了するようにコンピュータを設定する。
【0078】
図24は、いくつかの実施形態による、
図23のプロセスに従って表示画面2402に表示されるメニュー選択を示す説明図である。表示画面2402は、コンピュータ151に関連したビューモニタを含む。あるいはまた、表示画面2402は、ビューア312の表示要素401R,401Lの領域を含むことができる。受信したユーザ入力に応答して、モジュール2304は、第3のメニュー項目「左回転」2406及び第4のメニュー項目「右回転」2408を含むメニュー2404を表示させる。第3又は第4のメニュー項目2406、2408どちらか一方を選択するユーザ入力に応答して、モジュール2308は、
図9のモジュール407に従って形成され且つ保存された3Dモデルの回転を生じさせる。センサ・イメージャアレイ210は、限られた全体視野を有しているので、回転量は、数度、例えば30度未満に制限され得ることが理解されるだろう。
【0079】
マルチポート
図25A〜
図25Cは、いくつかの実施形態による、解剖学的構造2502のQ3D画像情報を複数の異なる位置の異なる視点から取り込むために、複数の異なる位置に配置されたQ3D画像センサアレイに関連する内視鏡101Cを示す説明図である。
図6を再び参照すると、いくつかの実施形態による患者側システム152は、複数の機械式手術用アーム158A〜158Dを含む。
図5に示されるように、異なる機械式アームは、異なる器具101A〜101Cと関連付けることができ、これら器具は、最小侵襲性外科的処置に用いるために、異なるポートを介して患者の体腔内に挿入することができる。本明細書で使用される場合に、用語「ポート」は、患者の体腔内の手術部位へのアクセスを提供する自然開口部又は外科的切開部を指すことができる。カニューレ(図示せず)が、ポートの輪郭を区切るために挿入され、体腔への入口点で器具と患者の身体組織との間の保護バリアとして機能するとともに、体腔内に挿入された手術用器具のガイドとして機能することができる。あるいはまた、カニューレを使用しなくてもよい。
【0080】
本発明の更なる態様によれば、
図7A−
図8を参照して説明した画像センサアレイ210に関連する内視鏡イメージャ・システムは、複数の手術用アーム158A〜158Dのそれぞれに交互に結合することができる。各アームは、異なるポートを介して内視鏡を挿入するために使用することができる。異なるポートは、異なる位置で体腔への入口を提供し、手術用アームのうちの異なるアームに結合されたときに、内視鏡は、体腔内のシーンの異なる視点ビューを有することになる。こうして、内視鏡は、その内視鏡を異なるアームに交互に結合し、その内視鏡を異なるポートを介して体腔内に挿入することにより、異なる視点からのQ3D情報を取り込むために使用することができる。以下の説明は、単一の内視鏡を使用する文脈で行われ、同様の随意の実装形態が、2つ以上の内視鏡を使用して達成され、各内視鏡は異なるポートを介して入り、又は各内視鏡は同一のポートを介して入り、空間内の異なる位置から撮像することを理解すべきである。
【0081】
図25Aを参照すると、(「内視鏡」とも呼ばれる)画像取込みシステム101Cは、第1のポート2504を介して挿入された第1の手術用アーム158Aに結合され、第1のポートは、解剖学的組織壁2510を介して撮像される解剖学的構造2502を含む体腔2512へのアクセスを提供する。画像取込みシステム101Cは、第1の手術用アーム158Aに結合されたときに、第1のビュー視点から第1の視野(FOV
1)内の第1の画像情報2514を取り込む。第1の画像情報2514は、第1のQ3Dモデル2515を生成するために使用され、そのQ3Dモデルは、非一時的な機械可読記憶装置2516に保存される。標識矢印2517は、
図9〜
図19のプロセスから省略して示されており、それによって、いくつかの実施形態によれば、第1の画像情報2514が、収集され、第1のQ3Dモデル2515を生成するために使用される。
【0082】
図25Bでは、画像取込みシステム101Cは、第2のポート2506を介して挿入された第2の手術用アーム158Bに結合される。画像取込みシステム101Cは、第2の手術用アーム158Bに結合されたときに、第2の視点からの第2の視野(FOV
2)内の第2の画像情報2524を取り込む。第2の画像情報2524は、第2のQ3Dモデル2525を生成するために使用され、このQ3Dモデルは、非一時的な機械可読記憶装置2516に保存される。標識矢印2517が、
図9〜
図19のプロセスから省略して示されており、それによって、いくつかの実施形態によれば、第2の画像情報2524が、収集され、第2のQ3Dモデル2525を生成するために使用される。
【0083】
図25Cでは、画像取込みシステム101Cは、第3のポート2508を介して挿入された第3の手術用アーム158Cに結合される。画像取込みシステム101Cは、第3の手術用アーム158Cに結合されたときに、第3の視点からの第3の視野(FOV
3)内の第3の画像情報2534を取り込む。第3の画像情報2534は、第3のQ3Dモデル2535を生成するために使用され、このQ3Dモデルは、非一時的な機械可読記憶装置2516に保存される。標識矢印2517は、
図9〜
図19のプロセスから省略して示されており、それによって、いくつかの実施形態によれば、第3の画像情報2534が、収集され、第3のQ3Dモデル2535生成するために使用される。
【0084】
図26A〜
図26Cは、いくつかの実施形態による、
図25A〜
図25Cの第1、第2、及び第3の画像情報2514、2524、及び2534を使用して生成された第1、第2、及び第3のQ3Dモデル2515、2525、及び2535を表す説明図である。なお、この例では、一意の各Q3Dモデルは、他のQ3Dモデルに存在しないQ3D構造情報を含み、各Q3Dモデルは、少なくとも1つの他のQ3Dモデルと重複する情報を含むことに留意されたい。例えば、示されるように、三角形構造2602は、第1のQ3Dモデル2515のみに表され、矩形構造2604は、第2のQ3Dモデル2525のみに表され、円形構造2606は、第3のQ3Dモデル2535のみに表される。しかしながら、細長い矩形構造2608−1,2608−2,2608−3は、3つのQ3Dモデルと重複する。以下でより詳細に説明するように、Q3Dの精度を向上させることについて、
図26A〜
図26Cからの複数のQ3Dモデルは、制御された微小振動(ジッタ:jittering)技術を用いて取得することができる。制御された微小振動は、ロボットアーム158A〜158Cを制御すること等により機械的に、又はアレイレンズの光学特性を制御すること等により電子的に、生成することができる。
【0085】
図27は、
図26A〜
図26CのそれぞれのQ3Dモデルの整列の例を示す説明図である。第1、第2、及び第3のQ3Dモデル2515、2525、及び2535が重なり合うことに留意されたい。例えば、細長い矩形構造2808の第1の重複部分2808−4が、第1及び第2のQ3Dモデル2515,2525の両方に含まれることが確認される。また、例えば、細長い矩形構造2808の第2の重複部分2808−5が、第2及び第3のQ3Dモデル2525,2535の両方に含まれることが確認される。
【0086】
Niemeyerらによって発明された、“Camera Referenced Control in a Minimally Invasive Surgical Apparatus”という標題の(1999年8月13日に出願された)米国特許第6,424,885号(「’885特許」)は、この参照によりその全体が本明細書に明白に組み込まれ、この文献は、この明細書のいくつかの実施形態に従って使用される、相対位置が既知である、異なる手術用アーム158A〜158Cに結合された器具101A〜101Cの相対位置をマッピングするために運動学を用いたシステム及び方法を開示する。例示の
図25A〜
図25Cを再び参照すると、例えば、第1の手術用アーム158Aは、第1のデカルト座標系(x1,y1,z1)に関連する。第2の手術用アーム158Bは、第2のデカルト座標系(x2,y2,z2)に関連する。第3の手術用アーム158Cは、第3のデカルト座標系(x3、y3、z3)に関連する。’885特許に説明されるように、第1、第2、及び第3の手術用アームに結合された器具の相対位置が、各アームに関連付けられた座標系の間の既知の運動学的関係に基づいて、既知である。換言すれば、任意のアーム(アームに結合された器具)の絶対位置の変化によって、アームの位置を互いに対して変更することができる。しかしながら、’885特許に説明されるように、アームの互いに対する相対位置は、アーム(アームに結合された器具)の間の既知の運動学的関係によって、既知である。
【0087】
Q3Dモデルの整列の例では、画像取込みシステム101の視点及び対応するFOV
2は、第2の手術用アーム158Bに結合され且つ第2のQ3Dモデル2525を生成するために使用される第2の画像情報2524を取り込むために位置付けされたときに、基準視点とされる。基準視点の決定は、第2の手術用アーム158Bに関連する第2のデカルト座標系(x2,y2,z2)に対する画像取込みシステム101Cの向き(u
x2,u
y2,u
z2)の決定を含む。換言すれば、いくつかの実施形態によれば、第2の手術用アーム158Bの相対位置は、システム全体の運動学に基づいて既知であるが、第2のアーム158Bに対する内視鏡101Cの向きは、内視鏡101Cが第2のアーム158Bに結合されたときに、第2の視野、FOV
2の向きの決定に寄与する。同様に、画像取込みシステム101Cの第1の作業スペースの視点は、画像取込みシステム101Cが、第1の手術用アーム158Aに固定され且つ第1のQ3Dモデル2515を生成するために使用される第1の画像情報2514を取り込むために位置付けされるときに、第1の手術用アーム158Aに関連する第1のデカルト座標系(x1,y1,z1)に対する画像取り込みシステム101Cの向き(u
x1,u
y1,u
z1)を含む。同様に、画像取込みシステム101Cの第3の作業スペースの視点は、画像取込みシステム101Cが、第3の手術用アーム158Cに固定され且つ第3のQ3Dモデル2535を生成するために使用される第3の画像情報2534を取り込むために位置付けされるときに、第3の手術用アーム158Cに関連する第3のデカルト座標系(x3,y3,z3)に対する画像取込みシステム101Cの向き(u
x3,u
y3,u
z3)を含む。
【0088】
第1及び第2の手術用アーム158A及び158Bの間の既知の運動学的関係を使用して、FOV
1及びFOV
2の相対位置を決定し、次に、第1及び第2のQ3Dモデル2515,2525によって表される相対位置を決定する。同様に、第2及び第3の手術用アーム158B及び158Cの間の既知の運動学的関係を使用して、FOV
2及びFOV
3の相対位置を決定し、次に、第2及び第3のQ3Dモデル2525,2535によって表される相対位置を決定する。
図27に示されるように、いくつかの実施形態によれば、次に、この相対的な視野位置情報を使用して、第1の視野FOV
1内の第1の画像情報2514を用いて生成された第1のQ3Dモデルを、第2の視野FOV
2内の第2の画像情報2524を用いて生成された第2のQ3Dモデルと整列させることができる。同様に、
図27に示されるように、この相対的な視野位置情報を使用して、第3の視野FOV
3内の第3の画像情報2534を用いて生成された第3のQ3Dモデルを、第2の視野FOV
2内の第2の画像情報2524を用いて生成された第2のQ3Dモデルと整列させることができる。
【0089】
上記の例を続けると、代わりに、いくつかの実施形態によれば、第1、第2、及び第3のQ3Dモデルの一部に見出される共通の基準点及び幾何学的変換(例えば、回転及び並進)を使用して、FOV
1、FOV
2、及びFOV
3の相対位置を決定することができる。
図28A〜
図28Cは、いくつかの実施形態による、例示的な回転(
図28A)、並進(
図28B)、及び例示的な第2及び第3のQ3Dモデルの得られた整列(
図28C)を表す説明図である。
図28Aを参照すると、第2及び第3のQ3Dモデル2525,2535が、若干位置ずれして示される。第1及び第2の基準点2802,2804は、第2及び第3のQ3Dモデル2525,2535の両方で生じるものとして特定される。その例を続けると、いくつかの実施形態によれば、第3のQ3Dモデル2535の向きの回転及び並進変換によって、第3のQ3Dモデル2535での第1及び第2の基準点2802,2804の発生を、第2のQ3Dモデル2525でのそれらの発生に整列させる。
【0090】
図28Aの例を依然として参照すると、第3のQ3Dモデル2535は、必要に応じて、回転角αによって規定される回転行列M
xを使用することによって、そのy軸の周りに回転される。第3のQ3Dモデル2535は、必要に応じて、回転角βによって規定される回転行列M
yを使用することによって、そのy軸の周りに回転される。最後に、必要に応じて、第3のQ3Dモデル2535は、回転角γによって規定される回転行列M
zを使用することによって、そのz軸の周りに回転される。回転行列を使用することは、当業者によく知られており、本明細書で詳細に説明する必要はない。
図28Bに示されるように、いくつかの実施形態による、対象物及びこれら対象物の仮想の回転の結果は、変換された第3のQ3Dモデル2535が、第2のQ3Dモデル2525と回転により整列されるようなものである。
【0091】
得られた全体的な回転行列Mは、以下に等しい。
M=M
x・M
y・M
z (8)
三角関数の形式では、以下となる。
【数17】
【0092】
図28Bの例をここで参照すると、仮想位置変換は、第3のQ3Dモデル2535を、第2のQ3Dモデル2525と重なる位置関係に移動するように決定され、それによって、第2及び第3のモデル2525,2535のそれぞれとは別々に生じる基準点2802,2804は、ここで重ね合わされ、
図28Cに示されるように、これらのモデルは、ここで整列していることを示す。幾何学的な位置変換は、
図28Bに示されるベクトル
【数18】
によって規定される。幾何学的変換は、当業者に周知であり、本明細書で詳細に説明する必要はない。
【0093】
以上の説明から、同様の回転及び並進が、第1及び第2のQ3Dモデル2515,2525を整列させるために行うことができると理解されるだろう。
【0094】
図29は、いくつかの実施形態による、
図25A〜
図25Cの複数のQ3Dモデルが一緒にステッチされる例示的な複合Q3Dモデル2902を示す説明図である。本明細書で使用される場合に、「ステッチング(stiching)」は、継ぎ目のない又は略継ぎ目のない複合Q3Dモデルを生成するために整列された重複Q3Dモデルの融合(blending)を意味する。重複画像情報を一緒にステッチする技術は、よく知られている。例えば、Richard Szeliskiの“Image Alignment and Stitching: A Tutorial”, Technical Report, MSR-TR-2004-92, Microsoft Research, Microsoft Corporation, last updated December 10, 2006を参照されたい。この文献は、複数のQ3Dモデルを一緒にステッチするために使用することができる画像整列及び画像ステッチングアルゴリズムを開示する。
【0095】
いくつかの実施形態による画像取込み中に、画像を取り込むために使用される内視鏡101Cのビュー視点は、制御された様式で「微小振動(ジッタ:jittered)」する。この文脈においては、「ジッタ」は、2つ以上の実際の視点、向き、又は結合視点及び向きの間で調整又は移動することを意味する。このような各視点又は向きにおいて、Q3D内視鏡は、取り込んだ画像情報に基づいて生成されたQ3Dモデルの分解能及び精度を向上させるために、標的領域からの画像情報を取り込む。
図30A〜
図30Cは、いくつかの実施形態による標的領域の3つの異なる画像の視点を取り込むための3つの異なる例示的な微小振動(ジッタ)位置の内視鏡101Cを示す説明図である。異なるジッタ位置を達成するために、内視鏡101Cは、異なるジッタの位置又は向きが互いに対して既知であるような既知の少量だけ移動する。異なる内視鏡の位置は、例えば5mm未満の小さな距離だけ異なる。連続する向き同士の間の比較的小さな距離は、対応する3D画像に十分に冗長な情報を保証する。この冗長性を使用して、Q3Dモデルの精度を向上させる。
【0096】
内視鏡101Cの制御されたジッタは、標的の関心領域に対応する空間ボリューム内の点の座標(x,y,z)の計算精度を向上させる。更に及び僅かに変更された視角からの追加データは、
図9〜
図19を参照して上述したプロセスに提供されるので、精度が向上する。具体的には、制御されたジッタは、
図9のプロセスで、ステップ402〜404において標的をより正確に見つけ出すのに役立つ。これは、
図10のステップ402.3〜402.5で説明したベストマッチを見付ける精度を向上させることによって達成される。内視鏡101Cのジッタが制御されているという事実は、僅かに異なる角度からの標的の関心対象シーンのビューを提示する。これは、センサS
ij同士の間の距離の仮想増加に相当する。制御されるジッタは、
図5を参照した例に示されるように、内視鏡101Cを支持するロボットアーム158Cを制御するハードウェアによって実現することができる。あるいはまた、ジッタは、Q3D内視鏡101Cが電子的に調整可能な光学的特性のレンズを用いて構築される場合に、電子的に導入することができる。例えば、Hassanfirooziらの“Liquid crystal lens array for a 3D endoscope”, Proceedings SPIE9117, May 9, 2014によれば、液晶レンズアレイを使用することができる。このようなレンズは、内視鏡101Cと共に使用される場合に、制御電圧信号を変調することによって調整されたそれらの光学的特性を有することができる。こうして、光学的なジッタは、既知のパターンに基づいて制御電圧を変更することによって導入することができる。例えば、このようなレンズの光軸を調整することができる。この動作は、101Cの向きを機械的に微小振動させることと同等の効果がある。第3の手術用アーム158Cの動きによる機械的なジッタ(微小振動)、又は液晶レンズの制御電圧の調整による電子的なジッタのいずれかは、標的点の座標(x,y,z)を計算する際の精度の増大と同じ結果を有することができる。
【0097】
図31は、いくつかの実施形態による多視点のQ3Dモデルを取り込むプロセス3100の例示的なフロー図である。システム152は、プロセス3100の1つ又は複数のブロック又はステップを実施するように構成され得ることが理解されるだろう。ブロック3102において、手術用アームが選択される。この原理がより広く適用されることは理解されるだろうが、説明の便宜性及び明確性のために、以下の図について、上記の例示的なシステム及びQ3Dモデルを参照して説明する。ブロック3104において、画像取込みシステム101Cは、選択された手術用アームに固定される。例えば、第1の手術用アーム158Aが、最初に選択され、画像取込みシステムをその第1の手術用アームに固定させることを想定する。ブロック3106において、選択された手術用アーム158Aに固定された画像取込みシステムは、体腔壁内の第1のポートを介して、例えば第1の視野FOV
1内の第1の画像情報2514に基づいて第1のQ3Dモデル2515生成するために内視鏡を使用する視点を有する位置に挿入される。いくつかの実施形態によれば、ブロック3106において、画像取込みシステム101Cの向き(u
x1,u
y1,u
z1)は、第1の手術用アーム158Aに関連する第1のデカルト座標系(x1,y1,z1)に対して決定され、及びその向きは、コンピュータ可読記憶装置(図示せず)に保存される。ブロック3108において、
図25Aに示されるように、第1のQ3Dモデル2515を生成するために使用された情報は、第1の視野FOV
1からの情報であり、コンピュータ可読記憶装置(図示せず)に保存される。決定モジュール3110は、Q3Dモデルを取得するために使用する追加の手術用アーム及び対応するポートが存在していることを判断し、従って、制御がステップ3102に移り、次の手術用アームが選択される。
【0098】
上記の例を続けると、第2の通過ブロック3102において、第2の手術用アーム158Bが選択されることを想定する。
【0099】
第2の通過ブロック3104において、選択された第2の手術用アーム158Bに固定された画像取込みシステムは、体腔壁の第2のポートを介して、例えば第2の視野FOV
2内の第2の画像情報2524に基づいて第2のQ3Dモデル2525生成するために内視鏡を使用する視点を有する位置に挿入される。
【0100】
いくつかの実施形態によれば、第2の通過ブロック3106において、画像取込みシステム101Cの向き(u
x2,u
y2,u
z2)は、第2の手術用アーム158Bに関連する第2のデカルト座標系に対して決定され、及びその向きは、コンピュータ可読記憶装置に保存される。
【0101】
第2の通過ブロック3108において、第2のQ3Dモデル2525を生成するために使用された情報は、
図25Bに示されるように、第2の視野FOV
2から取り込まれ、コンピュータ可読記憶装置に保存される。
【0102】
依然として上記の例を続けると、決定ステップ3110は、Q3Dモデルを取得するために使用する別の手術用アーム及び対応するポートが存在していることを判断し、従って、制御がステップ3102に再び移り、次の手術用アームを選択する。第3の通過ブロック3102において、第3の手術用アーム158Cが選択されることを想定する。第3の通過ブロック3104において、選択された第3の手術用アーム158Cに固定された画像取込みシステムは、体腔壁の第3のポートを介して、例えば第3の視野FOV
3内の第3の画像情報2534に基づいて第3のQ3Dモデル2535を生成するために内視鏡を使用する視点を有する位置に挿入される。いくつかの実施形態によれば、第3の通過ブロック3106において、画像取込みシステム101の向き(u
x3,u
y3,u
z3)は、第3の手術用アーム158Cに関連する第3のデカルト座標系に対して決定され、及びその向きは、コンピュータ可読記憶装置に保存される。ブロック3108において、第3のQ3Dモデル2535を生成するために使用される情報は、
図27Cに示されるように、第3の視野FOV
3から取り込まれ、コンピュータ可読記憶装置に保存される。
【0103】
次に、上記の例によれば、決定ステップ3110は、Q3Dモデルを取得するために使用する追加の手術用アーム及び対応するポートが存在しないことを判断し、従って、制御は、ブロック3012に移る。
【0104】
あるいはまた、Q3D内視鏡は、同じアーム、例えば158Aを使用して操作することができるが、
図25A〜
図25Cを参照して、異なるポート2504、2506、又は2508に位置付けしてもよい。いくつかの実施形態によれば、第1のデカルト座標系の内視鏡の向き(u
x1,u
y1,u
z1)と第2のデカルト座標系の内視鏡101の向き(u
x2,u
y2,u
z2)との間の既知の運動学関係を使用して、
図27に表されるように、第1及び第2のQ3Dモデルを整列させる。第2のデカルト座標系の内視鏡101の向き(u
x2,u
y2,u
z2)と第3のデカルト座標系の内視鏡101の向き(u
x3,u
y3,u
z3)との間の既知の運動学関係を使用して、第2及び第3のQ3Dモデルを整列させる。
【0105】
あるいはまた、いくつかの実施形態によれば、
図28A〜
図28Cを参照して上で説明したように、第1、第2、及び第3のQ3Dモデルの一部に又はそれぞれの対をなすモデルに見出される共通の基準点を使用して、モデルを整列させることもできる。上述したように、幾何学的変換を使用して、異なるQ3Dモデルに存在する共通の基準点の最も良く一致する整列を達成することができる。
【0106】
一旦Q3Dモデルが整列されると、ブロック3114は、
図29に示されるように、第1、第2、及び第3のQ3Dモデルを一緒にステッチする。一旦ブロック3114において形成されると、複合及び拡張Q3Dモデルは、
図9を参照してモジュール407によって保存されるか、又はモジュール408によって3Dで表示する、或いは両方を行うことができる。Q3Dモデルは、
図32で説明したプロセスに基づいて、3Dで表示することができる。多数の3Dビデオアルゴリズム及びハードウェア実装を、この目的のために使用することができる。3Dの表示は、3次元のビューの幻覚(illusion)を形成する立体表示と、3次元空間を占有する画像を形成する真の3D画像表示との両方を含むことを理解されたい。この説明は、立体視3Dディスプレイの観点で行われ、当業者は、同様に真の3D画像をどの様に(変更すべきところは変更して)形成するかを理解するだろう。
【0107】
図32は、いくつかの実施形態による3Dディスプレイに3D視点のQ3Dモデルを表示するプロセッサの詳細を示す説明図である。コンピュータモジュール3202は、
図8のシステムを設定し、このシステムは、ビデオプロセッサ104、制御装置106、及び62〜65mmの平均的なヒトの瞳孔間距離(IPD)を与える右眼用ビュー3204R及び左眼用ビュー3204LにQ3Dモデルを分離するディスプレイドライバ109を含む。この動作を達成するために、立体視及びヒトIPDの既知の詳細が適用される。いくつかの実施形態によれば、モジュール3206は、3Dシーンの印象を視認者に与えるために、ビデオフレームを左眼3208Lに提供することと、既知のフレームレートでフレームを右眼3208Rに提供することとを交互に切り替えるように、3Dディスプレイドライバ109の3Dビデオ制御装置106を設定する。
図32で説明したアプローチは、
図4〜
図6で説明したような遠隔操作手術システムに存在するような3Dビュー・ゴーグルを使用する。しかしながら、他の3Dビデオ表示機構を使用することができる。例えば、Liptonに付与された(1981年5月15日に出願された)米国特許第4,562,463号、及びNagleleらに付与された(1995年11月27日出願)米国特許第6,008,839号は、追加の実装の詳細を提供し、これらの特許は、この参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。表示された後に、ユーザは、
図23及び
図24を参照して提供される説明に従って複合Q3Dモデルを操作することができる。更なる操作は、他の器具同士の間、又は器具と解剖学的構造との間の距離の定量的な測定を構成することができる。
【0108】
本発明による実施形態の前述した説明及び図面は、本発明の原理の単なる例示である。例えば、複数の異なる視点を得るために複数のポートを使用するのではなく、単一のポートは、単一の内視鏡を動的に再位置付けして異なる視点からの情報を取り込むために使用することができる。例えば、手術用アームの手首機構に取り付けられ内視鏡の先端部に取り付けられた撮像システムを動的に操縦して、様々な視点から撮像することができる。従って、種々の改変が、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、当業者によって実施形態に対してなされ得ることが理解されるだろう。