(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面とともに目的地推定装置の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。また、以下の説明における実施形態は、本発明の具体例であり、特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施形態に限定されないものとする。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る目的地推定システム3のシステム構成図である。
図1に示す通り、目的地推定システム3は、目的地推定装置1(目的地推定装置)及び一以上の携帯端末2を含んで構成されている。なお、以降では複数の携帯端末2も総称して「携帯端末2」と記す。目的地推定装置1と各携帯端末2とは互いにインターネット及び無線ネットワーク等のネットワークを介して接続されており、相互に情報を送受信することができる。
【0012】
目的地推定装置1は、サーバ装置等のコンピュータ装置である。目的地推定装置1は、携帯端末2のユーザ(又は携帯端末2自体。以降でも同様)の目的地を推定する。目的地とは、携帯端末2のユーザが今後移動した後に滞在する予定の移動先に関する情報(例えば、移動先の位置情報)である。目的地推定装置1は、推定した目的地を携帯端末2のユーザに出力してもよい。
【0013】
携帯端末2は、スマートフォン及びノートPC(Personal Computer)等のコンピュータ装置である。携帯端末2のユーザは、携帯端末2を携帯する。携帯端末2は、GPS(Global Positioning System)を備え、GPSにより携帯端末2のユーザの現在の位置情報を取得可能である。位置情報には、緯度、経度、測位誤差及び測位時刻(当該緯度及び経度を取得した取得時刻)等が含まれる。本実施形態では、GPSにより取得された位置情報を用いて説明するが、これに限定されず、例えば基地局から送信される基地局情報に基づいて取得した位置情報を用いてもよい。
【0014】
図2は、目的地推定装置1及び携帯端末2の機能ブロック図である。
図2に示す通り、目的地推定装置1は、位置情報取得部10(取得部)、移動ルート作成部11、移動ルート格納部12、移動ルート履歴登録部13、移動ルート履歴格納部14(格納部)、目的地推定部15(推定部)及びコンテンツ出力部16を含んで構成される。また、携帯端末2は、位置情報送信部20及びコンテンツ出力部21を含んで構成される。
【0015】
まず先に、
図2に示す携帯端末2の各機能ブロックについて説明する。
【0016】
位置情報送信部20は、携帯端末2が備えるGPSにより取得した携帯端末2のユーザの現在の位置情報を目的地推定装置1に送信する。位置情報送信部20は、携帯端末2のユーザを識別するユーザIDもあわせて目的地推定装置1に送信する。送信する際に利用する目的地推定装置1の宛先情報(IPアドレス等)は、予め目的地推定装置1に設定されているものとする。送信するタイミングは、定期的(例えば、30秒ごと)であってもよいし、ユーザが指定したタイミングであってもよいし、目的地推定装置1がネットワークを介して携帯端末2に対して設定したタイミングであってもよい。
【0017】
コンテンツ出力部21は、目的地推定装置1から送信されたコンテンツを出力する。具体的には、コンテンツ出力部21は、目的地推定装置1から送信されたコンテンツを、携帯端末2が備えるディスプレイ装置に表示する。携帯端末2のユーザは、コンテンツ出力部21によって表示されたコンテンツを閲覧することができる。なお、コンテンツ出力部21は、目的地推定装置1から送信されたコンテンツを、携帯端末2が備えるスピーカーを介して音声出力してもよいし、ネットワークを介して他の装置に送信してもよい。
【0018】
続いて、
図2に示す目的地推定装置1の各機能ブロックについて説明する。
【0019】
位置情報取得部10は、携帯端末2のユーザの位置情報(測位時刻を含む)を取得する。具体的には、位置情報取得部10は、携帯端末2から送信された携帯端末2のユーザの位置情報を取得する。また、位置情報取得部10は、目的地推定装置1にて予め格納された、携帯端末2のユーザの位置情報を取得してもよい。位置情報取得部10が携帯端末2のユーザの位置情報を取得するタイミングは、携帯端末2から当該位置情報が送信されたタイミングであってもよいし、定期的(例えば、30秒ごと)であってもよいし、ユーザが指定したタイミングであってもよいし、目的地推定装置1にて予め設定されたタイミングであってもよい。位置情報取得部10は、取得した携帯端末2のユーザの位置情報を、移動ルート作成部11及び目的地推定部15に出力する。
【0020】
なお、位置情報取得部10は、携帯端末2のユーザの位置情報を取得する際に、携帯端末2の当該ユーザを識別するユーザIDも、携帯端末2又は目的地推定装置1からあわせて取得する。目的地推定装置1では、位置情報取得部10によって取得されたユーザIDを用いて、位置情報取得部10によって取得された位置情報及び当該位置情報に基づいて生成される情報等を当該ユーザIDに対応付けて処理する。これにより、目的地推定装置1内にて生成される情報や実行される処理は、携帯端末2のユーザに対応付けることができる。以降の説明では、ユーザIDへの対応付けに関する説明については省略するが、目的地推定装置1の各処理等は、携帯端末2のユーザごとに行われているものとする。
【0021】
移動ルート作成部11は、位置情報取得部10から入力された携帯端末2のユーザの位置情報に基づいて、移動ルート情報を作成する。移動ルート情報とは、携帯端末2のユーザが移動したルート(経路)を示す情報である。移動ルート情報は、出発地、ゼロ以上の通過地、及び到着地を含んで構成される。出発地は、携帯端末2のユーザが出発した地点に関する情報(例えば、当該地点の位置情報)である。なお、本実施形態での「地点」とは、緯度及び経度で示される点であってもよいし、当該点から所定の領域を含むエリアであってもよい。通過地は、携帯端末2のユーザが、出発地から到着地までの間に(滞在せずに)通過した地点に関する情報(例えば、当該地点の位置情報)である。到着地は、携帯端末2のユーザが出発地を出発した後に、初めて滞在した、すなわち到着した地点(又は当該地点の位置情報)である。滞在とは、所定の地点又は所定の地点から所定の領域を含むエリア内にて、所定の時間留まることを示す。移動ルート作成部11による移動ルート情報の作成処理については後述する。移動ルート作成部11は、移動ルート情報の作成が完了する(少なくとも出発地及び到着地を登録する)と、作成した移動ルート情報を移動ルート格納部12に出力すると共に、作成が完了した旨の情報を移動ルート履歴登録部13に出力する。
【0022】
移動ルート格納部12は、移動ルート作成部11から入力された、移動ルート作成部11によって作成された移動ルート情報を(一時的に)格納する。
図3は、移動ルート作成部11によって作成され、移動ルート格納部12によって格納される移動ルート情報のテーブル例を示す図である。
図3のテーブル例において、移動ルート情報は、一の位置情報から構成される出発地、複数の位置情報から構成される通過地、及び一の位置情報から構成される到着地を含んでいる。例えば、出発地は位置情報から構成され、「35.34321」は緯度を示し、「139.5471」は経度を示し、「28」は測位誤差(単位はメートル)を示し、「2009/8/24 12:00」は測位時刻を示す。移動ルート格納部12は、携帯端末2のユーザごとに、移動ルート情報を高々一格納する。移動ルート格納部12によって格納されている移動ルート情報が後述の移動ルート履歴登録部13によって登録されると、当該移動ルート情報は移動ルート格納部12から削除される。
【0023】
移動ルート履歴登録部13は、移動ルート作成部11によって作成された移動ルート情報を、移動ルート情報の履歴である移動ルート履歴に登録する。具体的には、移動ルート履歴登録部13は、移動ルート作成部11から移動ルート情報の作成が完了した旨の情報が入力されると、移動ルート格納部12によって格納された移動ルート情報を取得し、取得した移動ルート情報を、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に登録する。移動ルート履歴登録部13による移動ルート履歴の登録処理については後述する。
【0024】
移動ルート履歴格納部14は、ユーザの位置情報の履歴である移動ルート履歴(位置情報履歴)を格納する。より具体的には、移動ルート履歴は、移動ルート情報を含んで構成される。
図4は、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴のテーブル例を示す図である。
図4に示すテーブル例の通り、各レコード(行)は一の移動ルートを示しており、それぞれの移動ルートを識別するルートIDが対応付けられている。また、出発地列、通過地列及び到着地列の情報は、それぞれ移動ルート情報の出発地、通過地及び到着地に基づく情報である。移動回数列は、当該移動ルートが携帯端末2のユーザによって過去に何回移動(通過)されたかを示す値である。
【0025】
目的地推定部15は、位置情報取得部10によって取得された位置情報が示す位置を出発地としたユーザの目的地を、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に基づいて推定する。より具体的には、目的地推定部15は、位置情報取得部10から携帯端末2のユーザの位置情報が入力されると、入力された位置情報が示す位置を出発地としたユーザの目的地を、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に基づいて推定する。位置情報取得部10から目的地推定部15に位置情報が入力されるタイミングは、定期的(例えば、1時間ごと)であってもよいし、目的地推定装置1において予め設定されたタイミングであってもよいし、携帯端末2のユーザがネットワークを介して目的地推定装置1に対して指定したタイミングであってもよい。
【0026】
目的地推定部15は、さらに、推定した目的地にユーザが到達する度合である到達度を移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に基づいて算出し、算出した到達度が所定の閾値以上である場合、当該推定した目的地を出発地とした新たな目的地を再度推定する。目的地推定部15の処理の詳細については後述する。目的地推定部15は、推定した目的地をコンテンツ出力部16に出力する。
【0027】
コンテンツ出力部16は、目的地推定部15から入力された目的地に基づいたコンテンツを取得し、(目的地推定部15に入力された位置情報の発生元である)携帯端末2に出力する。例えば、目的地推定装置1は、目的地とコンテンツとを予め対応付けた対応情報を格納するコンテンツ格納部(不図示)を備え、コンテンツ出力部16は、当該対応情報において目的地推定部15から入力された目的地に対応付けられたコンテンツを取得し、携帯端末2に出力する。コンテンツの例としては、目的地が示す地点付近の天気、災害、渋滞予測又は交通規制に関する情報が挙げられる。
【0028】
以上が目的地推定装置1の各機能ブロックについての説明である。
【0029】
続いて、
図5に示すフローチャートを用いて、目的地推定装置1による移動ルート情報の作成処理及び移動ルート履歴の登録処理について説明する。
【0030】
まず、位置情報取得部10により、位置情報が取得される(ステップS01)。次に、移動ルート作成部11により、現在、移動ルート情報を更新しているか否かが判定される(ステップS02)。具体的には、移動ルート作成部11は、移動ルート格納部12によって(更新中の)移動ルート情報が格納されているか否かを判定し、格納されていれば更新していると判定し、格納されていなければ更新していないと判定する。S02にて更新していないと判定されると(S02:NO)、移動ルート作成部11により、新たに移動ルート情報が作成され、作成した移動ルート情報の出発地としてS01にて取得された位置情報が登録され、作成された移動ルート情報が移動ルート格納部12によって格納される(ステップS03)。S03の後はS01に処理が戻る。一方、S02にて更新していると判定されると(S02:YES)、続いて移動ルート作成部11により、移動ルート格納部12によって格納されている移動ルート情報の通過地としてS01にて取得された位置情報が登録される(ステップS04)。
【0031】
S04に続いて、移動ルート作成部11により、携帯端末2のユーザが滞在しているか否かが判定される(ステップS05)。具体的には、移動ルート作成部11は、移動ルート格納部12によって格納された移動ルート情報のうち通過地として登録されている位置情報を取得し、取得した位置情報とS01にて取得された位置情報に基づいて、例えば、S01にて取得された位置情報の測位時刻を起点として過去30分以上、半径100m以内にこれまで留まっていたか否かを判定し、留まっていたのであれば滞在していると判定し、留まっていなかったのであれば滞在していないと判定する。S05にて滞在していないと判定されると(S05:NO)、S01に処理が戻る。一方、S05にて滞在していると判定されると(S05:YES)、続いて移動ルート作成部11により、移動ルート格納部12によって格納されている移動ルート情報の到着地としてS01にて取得された位置情報が登録され、移動ルート情報が完成する(ステップS06)。以上のS01〜S06の処理が、目的地推定装置1による移動ルート情報の作成処理である。
【0032】
S06に続いて、移動ルート履歴登録部13により、S06にて完成した移動ルート情報が、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に含まれる過去の移動ルートに対応する(同一である)か否かが判定される(ステップS07)。当該判定については、下記特許文献2及び3に開示されている既存技術である、最小の矩形領域を利用した判定手法を用いる。S07にて対応すると判定されると(S07:YES)、移動ルート履歴登録部13により、対応すると判定された移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に含まれる過去の移動ルート情報を更新する(ステップS08)。例えば、S08において、移動ルート履歴登録部13は、当該過去の移動ルート情報の移動回数列の値に対して「1」を加算する。その他、S08において、移動ルート履歴登録部13は、下記特許文献2及び3に開示されている更新手法を用いてもよい。一方、S07にて対応しないと判定されると(S07:NO)、移動ルート履歴登録部13により、S06にて完成した移動ルート情報が、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に追加登録される(ステップS09)。その際、追加された移動ルート情報の移動回数列の値は「1」が設定される。以上のS07〜S09の処理が、目的地推定装置1による移動ルート履歴の登録処理である。
特許文献2:特開2010−160779号公報
特許文献3:特開2011−164070号公報
【0033】
続いて、
図6に示すフローチャートを用いて、目的地推定装置1による目的地の推定処理について説明する。
【0034】
まず、位置情報取得部10により、位置情報が取得される(ステップS10)。次に、目的地推定部15により、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴から、S10にて取得された位置情報に対応する出発地又は通過地を含む一以上の移動ルート情報が抽出される(ステップS11)。なお、S11にて抽出された移動ルート情報それぞれに含まれる到着地が、目的地推定部15により1回目に推定されたユーザの目的地である。次に、目的地推定部15により、S11にて抽出された移動ルート情報それぞれについて、各移動ルート情報が示す移動ルートを移動する移動確率(上述の到達度に対応する)が算出される(ステップS12)。例えば、S12にて、目的地推定部15は、S11にて抽出された移動ルート情報それぞれについて、各移動ルート情報の移動回数列の値を、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に含まれる全ての移動ルート情報の移動回数列の値の合計値で除算した値を、当該移動ルート情報が示す移動ルートの移動確率として算出する。
【0035】
S12に続いて、目的地推定部15により、S12にて算出された移動確率が所定の閾値(例えば、90%)以上であるか否かが判定される(ステップS13)。S13にて所定の閾値以上であると判定されると(S13:YES)、続いて目的地推定部15により、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴から、S13にて所定の閾値以上であると判定された一以上の移動ルートそれぞれを示す一以上の移動ルート情報それぞれの到着地に対応する(例えば、当該到着地から所定の距離内に含まれる)出発地を含む一以上の移動ルート情報が抽出され(ステップS14)、抽出された一以上の移動ルート情報それぞれの到着地がコンテンツ出力部16に出力される。なお、S14にて抽出された移動ルート情報それぞれに含まれる到着地が、目的地推定部15により2回目に推定された(再度推定された)ユーザの目的地である。一方、S13にて所定の閾値以上ではないと判定されると(S13:NO)、目的地推定部15により、S11にて抽出された移動ルート情報の到着地が抽出され、抽出された移動ルート情報の到着地がコンテンツ出力部16に出力される。S14の後、及びS13:NOの後に続いて、コンテンツ出力部16により、入力された到着地に基づいたコンテンツが出力される(ステップS15)。以上のS10〜S15の処理が、目的地推定装置1による目的地の推定処理である。
【0036】
以下では、本実施形態のいくつかの変形例について説明する。
【0037】
目的地推定部15は、推定した目的地の到達度が所定の閾値以上である場合、位置情報取得部10によって取得されたユーザの位置情報及び取得時刻と当該推定した目的地とに基づいて当該推定した目的地へのユーザの到着予想時刻を算出し、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴を構成する移動ルート情報のうち、算出した到着予想時刻から所定の時間内である出発時刻を含む移動ルート情報に基づいて、当該推定した目的地を出発地とした新たな目的地を再度推定してもよい。目的地推定部15による到着予想時刻の具体的な算出例として、位置情報取得部10によって取得されたユーザの位置情報と推定した目的地との緯度及び経度の差分から2点間の距離を算出し、算出した距離を、予め設定されている携帯端末2のユーザの平均移動速度(例えば、4000m/h)で除算し、除算した結果の値を位置情報取得部10によって取得された取得時刻に加算することが挙げられる。
【0038】
移動ルート履歴登録部13は、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に含まれる過去の移動ルート情報の移動回数を設定及び更新する際に、当該対象の移動ルートにおいて、曜日及び/又は時間帯ごとの移動回数を設定及び更新してもよい。例えば時間帯ごとに移動回数を設定及び更新する場合は、0時〜5時、5時〜10時、10時〜16時、及び16時〜24時の4つの時間帯にわけて移動回数を設定及び更新する。そして、目的地推定部15は、移動確率を算出する際に、移動ルート履歴登録部13によって設定及び更新された曜日及び/又は時間帯ごとの移動確率を算出し、算出した曜日及び/又は時間帯ごとの移動確率が所定の閾値以上であるか否かを判定してもよい。
【0039】
目的地推定部15は、推定した到着地(目的地)をコンテンツ出力部16に出力する際に、当該目的地の移動確率(到達度)もあわせて出力してもよい。そしてコンテンツ出力部16は、目的地推定部15から入力された到着地及び移動確率に基づいた出力を行ってもよい。例えば、コンテンツ出力部16は、移動確率が上位M個(Mは所定の整数)の到着地に関するコンテンツを出力してもよい。
【0040】
以上、本実施形態の変形例について説明した。
【0041】
なお、上記実施形態の説明に用いたブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及び/又はソフトウェアの任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現手段は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的及び/又は論理的に結合した1つの装置により実現されてもよいし、物理的及び/又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的及び/又は間接的に(例えば、有線及び/又は無線)で接続し、これら複数の装置により実現されてもよい。
【0042】
例えば、本発明の一実施形態における目的地推定装置1(及び携帯端末2。以下同様)などは、本発明の目的地推定に関する処理を行うコンピュータとして機能してもよい。
図7は、本発明の一実施形態に係る目的地推定装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の目的地推定装置1は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0043】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。目的地推定装置1のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0044】
目的地推定装置1における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0045】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の位置情報取得部10、移動ルート作成部11、移動ルート履歴登録部13、目的地推定部15及びコンテンツ出力部16などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0046】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、位置情報取得部10、移動ルート作成部11、移動ルート履歴登録部13、目的地推定部15及びコンテンツ出力部16は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよく、他の機能ブロックについても同様に実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0047】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施形態に係る目的地推定に関する処理を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0048】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu−ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0049】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。例えば、位置情報取得部10及びコンテンツ出力部16などは、通信装置1004で実現されてもよい。
【0050】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0051】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0052】
また、目的地推定装置1は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0053】
次に、本実施形態のように構成された目的地推定装置1の作用効果について説明する。
【0054】
本実施形態の目的地推定装置1によれば、目的地推定部15により、推定した到着地(目的地)の移動確率(到達度)が算出され、算出された移動確率が所定の閾値以上である場合、当該推定した到着地を出発地とした新たな到着地が再度推定される。例えば、ユーザが夜に帰宅している際に、到着地として自宅が推定され、自宅の移動確率が所定の閾値以上である場合、自宅を出発地とした新たな到着地が再度推定される。再度推定された新たな到着地は、例えばユーザが翌日に行く目的地の候補となる等、ユーザにとってより有用である。すなわち、ユーザにとってより有用な目的地を推定することができる。
【0055】
また、本実施形態の目的地推定装置1によれば、推定した到着地の移動確率が所定の閾値以上である場合、当該推定した到着地へのユーザの到着予想時刻が算出され、移動ルート履歴格納部14によって格納された移動ルート履歴に含まれる移動ルート情報のうち、算出した到着予想時刻から所定の時間内である出発時刻を含む移動ルート情報に基づいて、当該推定した到着地を出発地とした新たな到着地が再度推定される。これにより、例えば、当初推定した到着地に到着してから所定の時間内に出発した過去の移動ルートに基づいた到着地が推定されるため、ユーザの過去の実績に沿ったより有用な目的地を推定することができる。
【0056】
また、本実施形態の目的地推定装置1によれば、移動確率が算出される際に、曜日及び/又は時間帯ごと(少なくとも曜日又は時間帯ごと)の移動確率が算出される。そして、算出された曜日及び/又は時間帯ごと(少なくとも曜日又は時間帯ごと)の移動確率が所定の閾値以上である場合、推定した到着地を出発地とした新たな到着地が再度推定される。これにより、曜日及び/又は時間帯(少なくとも曜日又は時間帯)を加味した目的地の推定が可能となるため、ユーザにとってより有用な目的地を推定することができる。
【0057】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0058】
情報の通知は、本明細書で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法で行われてもよい。
【0059】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE−A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT−Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W−CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0060】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0061】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0062】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0063】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0064】
以上、本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0065】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0066】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0067】
本明細書で説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0068】
なお、本明細書で説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0069】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0070】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0071】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的なものではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本明細書で明示的に開示したものと異なる場合もある。
【0072】
本明細書で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up)(例えば、テーブル、データベースまたは別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。
【0073】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。本明細書で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及び/又はプリント電気接続を使用することにより、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどの電磁エネルギーを使用することにより、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0074】
本明細書で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0075】
「含む(including)」、「含んでいる(comprising)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0076】
本開示の全体において、例えば、英語でのa、an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、これらの冠詞は、文脈から明らかにそうではないことが示されていなければ、複数のものを含むものとする。