(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
所定の変調周波数で変調された光を被検体に照射する1つまたは複数の光源部と、前記光源部から照射される光に基づく光信号を検出する1つまたは複数の光検出部と、含む生体光計測装置が、
前記光検出部において検出された前記光信号に、各々の前記光源部に対応する前記所定の変調周波数の信号を乗算して、各々の前記光源部から照射された信号として、取得し、
前記信号取得部で取得された信号を所定のサンプル周波数でアナログ−デジタル変換し、
前記アナログ−デジタル変換器で変換された信号を積算する生体光計測方法であって、
前記サンプル周波数は、すべての前記変調周波数の偶数倍であり、
前記演算部が積算する時間は、すべての前記変調周波数の逆数である変調信号周期の整数倍である、
ことを特徴とする生体光計測方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。実施形態の構成は例示であり、発明の構成は、開示の実施形態の具体的構成に限定されない。発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0014】
〔実施形態〕
(構成例)
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムの情報処理に関与する構成を例示する図である。
図1のように、本情報処理システムは、頭部装着装置10と利用者端末20とを有する。本情報処理システムは、利用者の頭部から血流量の変化及び/又は血行動態の変化を示す計測データを検出し、利用者の脳の活動状態を示す脳活動情報を取得する。頭部装着装置10と利用者端末20とは、ネットワークN1を介して通信するよう構成されてもよいし、一体化されてもよい。本情報処理システム1は、生体光計測装置の一例である。
【0015】
図2は、頭部装着装置の構成例を示す図である。頭部装着装置10は、情報処理の側面としては、制御部11と、無線通信部13と、光源モジュール14、検出モジュール15を有する。制御部11は、頭部装着装置10の計測と通信を制御する。制御部11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、あるいはDSP(Digital Signal Processor
)等のプロセッサとメモリとを有し、メモリ上に実行可能に展開されたコンピュータプログラム、ファームウェア等により処理を実行する。ただし、制御部11は、無線通信部13と光源モジュール14と検出モジュール15とを起動し、各構成要素との連携処理を実行する専用のハードウェア回路、FPGA(Field Programmable Gate Array)等であっ
てもよい。また、制御部11は、CPU、DSP、専用のハードウェア回路等が混在したものであってもよい。頭部装着装置10は、頭部装着装置10で使用されるデータ等を格納する記憶手段を有してもよい。
【0016】
頭部装着装置10は、鉢巻き状に利用者の頭部に巻きつけて装着され、固定用部材を締めつけることによって利用者の頭部に固定される構造を有する。
【0017】
無線通信部13は、所定のインターフェースによって、制御部11、光源モジュール14、検出モジュール15と接続される。ただし、無線通信部13は、制御部11を介して、検出モジュール15からデータを取得する構成であってもよい。無線通信部13は、ネットワークN1を介して、利用者端末20と通信する。ネットワークN1は、例えば、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)、ZigBee等の規格にしたがっ
たネットワークである。無線通信部13が転送手段の一例である。ただし、本情報処理システムにおいて、無線通信部13の無線インターフェースの規格が限定されるものではない。
【0018】
ネットワークN1での通信時、通信ヘッダのヘッダ部分、あるいは、通信データ中の利用者データ部分(ペイロード部分)に、頭部装着装置10を識別する識別子を埋め込んで、利用者端末20が利用者(被験者)を識別できるようにする。
【0019】
また、本情報処理システムにおいて、無線通信部13に代えて、あるいは、無線通信部13とともに有線で通信を行う通信部を設けてもよい。すなわち、頭部装着装置10と利用者端末20とが有線通信のインターフェースで接続されてもよい。この場合の有線通信のインターフェースに限定がある訳ではなく、情報処理システムの用途に応じてUSB(Universal Serial Bus)、PCI Express等の各種インターフェースを使用できる。
【0020】
光源モジュール14は、可視光線又は近赤外線を、所定の周波数で変調して、所定のタイミングで、頭部に照射する。可視光線又は近赤外線用の光源は、例えば、LED(Light Emitting Diodes)、可視光線ランプ、赤外線ランプ等である。各光源は、例えば、識
別子によって識別される。頭部装着装置10には、複数の光源モジュール14が含まれ得る。
【0021】
検出モジュール15は、頭部に照射され、脳の大脳皮質付近で一部吸収されて散乱された可視光線又は近赤外線を受光し、電気信号に変換する。脳の大脳皮質は、例えば、脳の活動状態に応じて、血流量及び/又は血行動態の変化が異なる。その結果、大脳皮質の各部において、血液中の酸素と結合したヘモグロビンの量と、酸素と結合していないヘモグロビンの量が変化する。ヘモグロビンの量の変化、酸素量の変化等に起因して、大脳皮質付近での可視光線又は近赤外線の吸収特性、あるいは、散乱特性が変化する。検出モジュール15は、このような大脳皮質付近の血流及び/又は血行動態の状態に応じた可視光線又は近赤外線の吸収率の変化あるいは透過率の変化により光量が変化する可視光線又は近赤外線を電気信号に変換して出力する。
【0022】
検出モジュール15は、例えば、可視光線又は近赤外線を照射する可視光線又は近赤外線用の光源と、可視光線又は近赤外線を受光する検出器を含む。また、受光部は、フォトダイオード、アバランシェフォトダイオード、光電子増倍管、フォトトランジスタ等の光電素子と、増幅器と、AD(Analog Digital)変換器とを含む。
【0023】
可視光線又は近赤外線用の光源モジュール14と検出モジュール15とが対にして設けられなくてもよい。例えば、1つの可視光線又は近赤外線用の光源モジュール14に対して、複数の検出モジュール15が設けられてもよい。また、光源モジュール14は、光照射手段の例である。検出モジュール15は光検出手段の一例である。
【0024】
図3は、利用者端末の構成例を示す図である。利用者端末20は、頭部装着装置10から、利用者の大脳皮質付近での可視光線又は近赤外線の吸収率または透過率の変化データを取得し、利用者の脳の活動状態に関連する様々な情報処理を含むサービスを提供する。利用者端末20は、情報処理装置(コンピュータ)の一例である。利用者端末20は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、携帯電話、タブレット型端末、カーナビゲ
ーション装置、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機(遊戯装置)のような専用または汎用のコンピュータ、あるいは、コンピュータを搭載した電子機器を使用して実現可能である。利用者端末20は、例えば、フィットネスクラブ、学習塾などに設置され得る。
【0025】
利用者端末20は、CPU21と、メモリ22と、無線通信部23と、公衆回線通信部24と、表示部25と、操作部26と、出力部27と、撮像部28と、測位部29と、物理センサ部2Aを有する。CPU21は、メモリ22に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより、利用者端末20としての処理を実行する。利用者端末20としての処理とは、例えば、上記利用者の脳の活動状態に関連する様々な情報処理を含むサービスである。このようなコンピュータプログラムを実行するCPU21が解析手段の一例である。
【0026】
メモリ22は、CPU21で実行されるコンピュータプログラム、あるいは、CPU21が処理するデータを記憶する。メモリ22は、揮発性メモリと不揮発性メモリを含んでよい。メモリ22は、記憶手段の一例である。
【0027】
無線通信部23は、頭部装着装置10の無線通信部13と同様である。無線通信部23が受信手段の一例である。また、利用者端末20は、無線通信部23に代えて、あるいは、無線通信部23とともに有線で通信を行う通信部を有してもよい。
【0028】
公衆回線通信部24は、上位のネットワークを介して、上位のネットワーク上のサーバ(情報処理装置)等と通信する(図示なし)。上位のネットワークは、公衆回線網であり、例えば、携帯電話網である。上位のネットワークが携帯電話網である場合には、公衆回線通信部24は、携帯電話網の基地局を介して上位のネットワークに接続する。ただし、上位のネットワークは、インターネット接続業者の通信装置へのアクセス網とインターネットを含むネットワークであってもよい。インターネット接続業者の通信装置へのアクセス網は、例えば、通信事業者が提供する光ネットワーク、ADSL(Asymmetric Digital
Subscriber Line)等である。上位のネットワークは、公衆無線ネットワークの一例である。また、公衆回線通信部24は公衆無線通信手段の一例である。ただし、本情報処理システムにおいて、上位のネットワークが公衆回線網に限定される訳ではなく、例えば、LAN(Local Area Network)等の構内ネットワーク、企業、事業者、役所、学校、研究機関等の専用回線、VPN(Virtual Private Network)等の広域ネットワークであってもよい
。以下、企業、事業者、役所、学校、研究機関等を企業等ともいう。
【0029】
表示部25は、例えば、液晶ディスプレイ、EL(Electro-Luminescence)パネル等であり、CPU21からの出力情報を表示する。操作部26は、例えば、押しボタン、タッチパネル等であり、利用者の操作を受け付ける。出力部27は、例えば、振動を出力するバイブレータ、音響あるいは音声を出力するスピーカ等である。撮像部28は、例えば、固体撮像素子を含むカメラである。固体撮像素子としては、CCD(Charge-coupled device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等を利用できる。
【0030】
測位部29は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信機であり、GPS
衛星からの電波を受信し、現在位置(緯度、経度等)、時刻等を算出する。ただし、測位部29としては、GPS受信機を有するものに限定される訳ではない。例えば、公衆回線通信部24が携帯電話網である場合には、測位部29は、携帯電話基地局からの距離を基に測位を実行してもよい。
【0031】
物理センサ部2Aは、例えば、加速度センサ、あるいは角加速度センサ等である。ただし、物理センサ部2Aは、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、または水圧センサであってもよい。
【0032】
〈光源モジュール、検出モジュールの例1〉
図4は、光源モジュール、検出モジュールの例1を示す図である。
図4の光源モジュール14は、光源制御部141、光源142を含む。
図4の検出モジュール15は、検出器151、信号取得部152、AD変換器153、演算部154を含む。
【0033】
光源モジュール14において、光源制御部141は、光源142から照射される光(可視光線または近赤外線)を制御する。光源142は、例えば所定の周波数で強度変調された光を、人体の頭部などの被検体に照射する。
【0034】
検出モジュール15において、検出器151は、被検体を伝搬した光を検出する。信号取得部152は、検出した光を信号として取得する。AD変換器153は、信号取得部152で取得された信号を、デジタルデータに変換する。演算部154は、AD変換器153で変換されたデジタルデータに対して、加算もしくは平均化等の処理を行う。
【0035】
〈光源モジュール、検出モジュールの例2〉
図5は、光源モジュール、検出モジュールの例2を示す図である。
図5の光源モジュール14は、発振部241、分周部242、分周部243、信号選択部244、信号選択部245、光照射部246を含む。
図5の検出モジュール15は、光検出部251、増幅器252、発振部253、分周部254、分周部255、信号選択部256、信号選択部257、乗算器258、乗算器259、AD変換器260、AD変換器261、演算部262、通信部263を含む。乗算器は、混合器、ミキサーともいう。乗算器は、信号取得部の一例である。
【0036】
光源モジュール14において、発振部241は、所定の周波数のクロック信号を生成する。分周部242、分周部243は、それぞれ、発振部241で生成されたクロック信号を分周して複数のクロック信号を生成する。信号選択部244は、分周部242で分周されたクロック信号を所定時間タイミングに応じて選択することで、光照射部246で照射される波長λ1の光を変調するための所定の周波数のクロック信号を生成する。信号選択部245は、分周部243で分周されたクロック信号を所定時間タイミングに応じて選択することで、光照射部246で照射される波長λ2の光を変調するための所定の周波数のクロック信号を生成する。信号選択部244で選択される周波数と信号選択部245で選択される周波数とは、異なる。光照射部246は、波長λ1の光及び波長λ2の光を生成し、それぞれ、信号選択部244及び信号選択部245で選択された周波数で変調して、被検体に照射する。1つの光源から複数の波長の光を照射することで、被検体の1つの位置に対して複数の種類の結果を得ることができる。ここでは、2種類の波長の光を使用しているが、波長の種類は2種類に限定されるものではない。光照射部246は、あらかじめ設定された時分割の所定の期間で、光を照射する。
【0037】
検出モジュール15において、光検出部251は、被検体を伝播した光を検出する。増幅器252は、光検出部251が検出した光を増幅する。また、発振部253は、発振部241と同じ所定の周波数のクロック信号を生成する。分周部242、分周部243は、それぞれ、発振部253で生成されたクロック信号を分周して複数のクロック信号を生成する。信号選択部256は、分周部255で分周されたクロック信号を所定時間タイミングに応じて選択することで、光検出部251で検出される波長λ1の光を変調した所定の周波数のクロック信号を生成する。信号選択部257は、分周部255で分周されたクロック信号を所定時間タイミングに応じて選択することで、光検出部251で検出される波長λ2の光を変調した所定の周波数のクロック信号を生成する。乗算器258は、信号選択部256で生成されたクロック信号(クロック参照信号)と、増幅器252で増幅された信号とを乗算する。さらに、乗算器258は、乗算された信号を平滑化(もしくは、アナログローパスフィルタ適用)を行う。また、乗算器259は、信号選択部257で生成されたクロック信号(クロック参照信号)と、増幅器252で増幅された信号とを乗算する。さらに、乗算器259は、乗算された信号を平滑化(もしくは、アナログローパスフィルタ適用)を行う。AD変換器260は、乗算器258で処理された信号を、デジタル信号に変換する。AD変換器261は、乗算器259で処理された信号を、デジタル信号に変換される。演算部262は、変換されたデジタル信号に対して、所定の信号処理を行う。通信部263は、演算部262で処理された信号を出力する。発振部241、発振部253は、共通化されてもよい。発振部を共通化することで、作成するクロック信号を最小限として、コンポーネント数を低減できるとともに,クロストークを低減した測定を実現可能となる。また、各信号選択部で生成されるクロック信号毎に、発振部が存在しても
よい。
【0038】
〈光源と検出器との距離〉
光源モジュール14の光源(光照射部)と検出モジュール15の検出器(光検出部)との距離は、30mm程度とすることが好ましい。30mm程度の距離とすることで、人体の頭部において、大脳皮質由来の信号を皮膚の上から検出することができる(非特許文献1参照)。
【0039】
図6は、頭部装着装置を装着した人体の頭部の断面の例を示す図である。
図6では、人体の頭部及び頭部装着装置10の光源モジュール14、第1検出モジュール15−1、第2検出モジュール15−2が示されている。光源モジュール14と第2検出モジュール15−2との間の距離は、30mmであり、光源モジュール14と第1検出モジュール15−1との間の距離は、30mmよりも十分に短い(例えば、10mm未満)。光源モジュール14は、頭部に向けて光を照射する。光源モジュール14から照射された光は、頭部を伝播して、第1検出モジュール15−1、第2検出モジュール15−2で検出される。第2検出モジュール15−2で検出される光は、頭皮から離れた大脳皮質に達する。一方、第1検出モジュール15−1で検出される光は、大脳皮質に達しない。即ち、光源モジュール14から照射された光を第1検出モジュール15−1で検出しても、大脳皮質の信号とはならない。よって、光源モジュール14と検出モジュール15との距離を、30mm程度とすることで、大脳皮質由来の信号を検出することができる。尚、光源モジュール14と第1検出モジュール15−1との間の距離は、15〜21mm程度に設定しても良く、その場合においても、第1検出モジュール15−1及び第2検出モジュール15−2で検出される信号に対する大脳皮質由来信号と頭皮由来信号の寄与は異なるため、両信号を用いて、大脳皮質由来の信号を推定することができる。
【0040】
また、人体の頭部に装着される光源モジュール14と検出モジュール15との距離を30mmから50mmに広げると、検出される光の強度は、100分の1程度になる(非特許文献2参照)。即ち、10mm離れる毎に10分の1程度になると考えられる。ここで、光源モジュール14で照射され、頭部を通って、検出モジュール15で検出される光は、脳血流量の変化に対応して数%程度、変化すると仮定すると、例えば、30mm離れた光源モジュール14からの光を検出する検出モジュール15にとって、検出モジュール15から65mm以上離れた光源モジュール14からの光の強度は、30mm離れた光源モジュール14からの光の強度の1000分の1以下(0.1%以下)となるので、事実上無視できる。したがって、検出モジュール15を中心とした半径65mm未満の範囲には、同一の周波数で変調された光を同一のタイミングで照射する光源モジュール14が複数存在しないことが好ましい。
【0041】
また、光源モジュール14が被検体である頭部に密着せずに浮いた場合等に、光源モジュール14からの光が頭部ではなく空気中を伝播して検出モジュール15で検出されることがある。このことを考慮すると、検出モジュール15を中心とした半径150mm未満の範囲には、同一の光を同一のタイミングで照射する光源モジュール14が複数存在しないことが好ましい。
【0042】
図7は、光源モジュールから照射される光のタイミングの例を示す図である。
図7のグラフでは、横軸は時間軸で、時間軸上の黒い四角の部分は光が照射される期間を示す。また、
図7において、S1−S4は、それぞれ、光を照射する光源モジュールを示す。
図7のグラフでは、例えば、光源S1において、波長λ1の光が周波数f1で変調され、波長λ2の光が周波数f2で変調され、期間T1のタイミングで、照射される。光源S2において、波長λ1の光が周波数f3で変調され、波長λ2の光が周波数f4で変調され、期間T2のタイミングで、照射される。光源S3において、波長λ1の光が周波数f3で変
調され、波長λ2の光が周波数f4で変調され、期間T3のタイミングで、照射される。光源S4において、波長λ1の光が周波数f5で変調され、波長λ2の光が周波数f6で変調され、期間T4のタイミングで、照射される。
図7の例では、時分割数は4であり、時分割の各期間が、期間T1、期間T2、期間T3、期間T4の順で連続している。期間T4の後に期間T1が続く。1つの光源において、波長λ1の光及び波長λ2の光は、互いに異なる周波数で変調される。検出モジュールから所定の範囲では同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないように、光を照射する期間や光の変調周波数が決定される。
【0043】
〈モジュールの配置〉
図8は、光源モジュール及び検出モジュールの配置の例1を示す図である。
図8のモジュールの配置は、被検体に頭部装着装置が装着された際の外部側から見たモジュールの配置である。
図8の例では、正方格子の横方向に4列、縦方向に3列の計12個のモジュールが配置される。
図8の例では、左上の端に光源モジュール14が配置され、横方向に、光源モジュール14と検出モジュール15とが交互に配置される。また、縦方向にも、光源モジュール14と検出モジュール15とが交互に配置される。よって、
図8のモジュールの配置では、6個の光源モジュール14(S1−S6)と6個の検出モジュール15(D1−D6)とが含まれる。
図8の光源モジュールにおいて、内部に記載される数字は、光が照射されるタイミング(時分割の期間)を示す。時分割の分割数が4であるとすると、照射されるタイミングは、1、2、3、4の順であり、4の次は、1に戻って繰り返される。1番目の期間を期間T1、2番目の期間を期間T2などという。また、光源モジュールの周辺に記載される、「f1、f2」等の記号は、照射される波長λ1及びλ2が変調される周波数を示す。例えば、S1の光源モジュール14では、3番目の期間(T3)で、波長λ1の光が周波数f3で変調され、波長λ2の光が周波数f4で変調されて、照射される。光源モジュール14から照射される光は、被検体を通って、隣接する検出モジュール15で検出される。例えば、S1の光源モジュール14で照射される光は、D1及びD3の光源モジュール14で検出され、処理される。1つの光源モジュールにおいて、波長λ1の光及び波長λ2の光は、互いに異なる周波数で変調され、同じ期間に照射される。
【0044】
また、各検出モジュール15では、光源モジュール14で照射され、被検体を通った光の信号を検出する。例えば、D4の検出モジュール15では、期間T1でS2の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出し、期間T2でS4の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出し、期間T3でS6の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出し、期間T4でS3の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出する。また、D4の検出モジュール15は、例えば、期間T3において、S6の光源モジュール14からの光と共に、S1の光源モジュール14からの光を検出しうるが、S6の光源モジュール14からの光の変調周波数と、S1の光源モジュール14からの光の変調周波数とが異なるため、S6の光源モジュール14からの光のみを抽出することができる。具体的には、期間T3で検出した光に、S6の光源モジュール14の変調周波数を乗算することで、他の変調周波数による信号を除去することができる。よって、検出モジュール15の近傍に、同一のタイミングで照射する光源モジュール14が存在しても、変調周波数が異なれば、分離、抽出することが可能である。
【0045】
また、D1の検出モジュール15では、期間T1でS2の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出し、期間T3でS1の光源モジュール14から照射される周波数f3、f4で変調された波長λ1、λ2の光を検出し、期間T4でS3の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調され
た波長λ1、λ2の光を検出する。ここで、D1の検出モジュール15では、期間T1で検出した光に対して、周波数f1のクロック信号を乗算して平均化して、S2の光源モジュール14からの波長λ1の光を抽出する。また、D1の検出モジュール15では、期間T1で検出した光に対して、周波数f2のクロック信号を乗算して平均化して、S2の光源モジュール14からの波長λ2の光を抽出する。同様にして、期間T3で検出した光から、S1の光源モジュール14からの光を抽出し、期間T4で検出した光から、S3の光源モジュール14からの光を抽出する。このとき、サンプリング周波数を後述する所定の周波数とすることにより、より効率的に他の変調周波数による信号を除去することができる。
【0046】
ここでは、2つの波長の光を用いているが、波長の種類は2つに限られず、3つ以上であってもよい。この場合、1つの光源モジュール14に対して3つ以上の変調周波数が使用される。また、波長の種類は1つであってもよい。
【0047】
図9は、光源モジュール及び検出モジュールの配置の例2を示す図である。
図9のモジュールの配置は、被検体に頭部装着装置が装着された際の外部側から見たモジュールの配置である。
図9の例では、正方格子の横方向に5列以上、縦方向に5列のモジュールが配置される。
図9の例では、左上の端に光源モジュール14が配置され、横方向に、光源モジュール14と検出モジュール15とが交互に配置される。また、縦方向にも、光源モジュール14と検出モジュール15とが交互に配置される。
図9の光源モジュールにおいて、内部に記載される数字や周辺に記載される「f1、f2」等の記号は、
図8の例と同様である。隣接するモジュールの間隔は、30mmである。各検出モジュールにとって、同一の変調周波数かつ同一の照射タイミングで照射する光源は、各検出モジュールから150mm未満には、配置されないようにする。これにより、例えば、D3の検出モジュール15では、期間T3のタイミングで、S1の光源モジュール14及びS13の光源モジュール14から、変調周波数f3、f4で変調された光が検出されうるが、S13の光源モジュールは150mm以上離れているため、S13の光源モジュール14からの光の強度はS1の光源モジュール14からの光の強度に比べて、非常に小さい。このため、D3の検出モジュール15では、S13の光源モジュール14からの光の影響をほとんど受けない。
図9の配置では、時分割数4、変調周波数は1つの波長の光につき3種類(ここでは、2波長なので6種類)であれば、検出モジュールから150mm未満の範囲では同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないようにすることができる。即ち、この構成では、変調周波数を光源モジュールの数だけ用意する必要はなく、モジュールの小型化、周波数を生成する回路の削減をすることができる。
【0048】
図10は、モジュール配置と、最小時分割数、最小変調周波数数との関係の例1を示す図である。
図10において、モジュール配置は、
図8や
図9の例のように各モジュールが正方格子の格子点に配置される配置である。正方格子の間隔は30mmである。また、各モジュール配置において、
図8や
図9の例のように、左上の端は光源モジュールであり、横方向にも縦方向にも光源モジュールと検出モジュールとが交互に配置される。
図10の例は、同一タイミング(同一の時分割の期間)で同一変調周波数の光源モジュールが、検出モジュールから半径150mm未満に2個以上配置されないようにする場合の例である。例えば、プローブ配置が1×4(即ち、2個の光源モジュールと2個の検出モジュールとが1列に交互に配置)では、最小時分割数2、最小変調周波数数2となる。
図10の例では、光源モジュール14で使用される光の波長は2種類としている。よって、1×4の配置では、2つに時分割をして、2波長の光に対して2つの変調周波数を使用することで、検出モジュールから150mm未満の範囲では同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないようにすることができる。
図10の例では、時分割数を最小にすることを優先している。時分割の分割数が多くなるほど、S/Nが低下するからである。また、M×N(M,N≧4)の配置では、4つに時分割をして、2波長の光に対して6つ
の変調周波数を使用することで、検出モジュールから150mm未満の範囲では同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないようにすることができる。即ち、4時分割、6変調周波数で、あらゆる正方格子配置にて測定することが可能となる。モジュール配置と、最小時分割数、最小変調周波数数との関係は、頭部装着装置10や利用者端末20の記憶手段等に格納される。
【0049】
図11は、モジュール配置と、最小時分割数、最小変調周波数数との関係の例2を示す図である。
図11において、モジュール配置は、
図8や
図9の例のように各モジュールが正方格子の格子点に配置される配置である。正方格子の間隔は30mmである。また、各モジュール配置において、
図8や
図9の例のように、左上の端は光源モジュールであり、横方向にも縦方向にも光源モジュールと検出モジュールとが交互に配置される。
図11の例は、同一タイミング(同一の時分割の期間)で同一変調周波数の光源モジュールが、検出モジュールから半径65mm未満に2個以上配置されないようにする場合の例である。例えば、プローブ配置が2×N(N≧4)(即ち、N個の光源モジュールとN個の検出モジュールとが2列に交互に配置)では、最小時分割数3、最小変調周波数数2となる。
図11の例では、光源モジュール14で使用される光の波長は2種類としている。よって、2×Nの配置では、3つに時分割をして、2波長の光に対して2つの変調周波数を使用することで、検出モジュールから65mm未満の範囲では同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないようにすることができる。
図11の例では、時分割数を最小にすることを優先している。また、M×N(M≧3、N≧4)の配置では、4つに時分割をして、2波長の光に対して2つの変調周波数を使用することで、検出モジュールから65mm未満の範囲では同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないようにすることができる。即ち、4時分割、2変調周波数で、あらゆる正方格子配置にて測定することが可能となる。
【0050】
図12は、三角格子の格子点に平行四辺形状にモジュールを配置した例を示す図である。
図12のモジュールの配置は、被検体に頭部装着装置が装着された際の外部側から見たモジュールの配置である。
図12の例では、三角格子の第1方向にN個、第1方向と120度の角度をなす第2方向にM列のモジュールが配置される。
図12の例では、左の端に光源モジュール14が配置され、第1方向及び第2方向に、光源モジュール14と検出モジュール15とが交互に配置される。隣接するモジュールの間隔は、30mmである。
【0051】
図13は、三角格子のモジュール配置と、最小時分割数、最小変調周波数数との関係の例を示す図である。
図13において、モジュール配置は、
図12の例のように各モジュールが三角格子の格子点に平行四辺形状に配置される配置である。三角格子の間隔は30mmである。また、各モジュール配置において、
図12の例のように、左の端は光源モジュールであり、第1方向にも第2方向にも光源モジュールと検出モジュールとが交互に配置される。
図13の例は、同一タイミング(同一の時分割の期間)で同一変調周波数の光源モジュールが、検出モジュールから半径65mm未満に2個以上配置されないようにする場合の例である。第1方向M×第2方向N(M≧3、N≧4)の配置では、4つに時分割をして、2波長の光に対して4つの変調周波数を使用することで、検出モジュールから65mm未満の範囲では同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないようにすることができる。即ち、4時分割、4変調周波数で、あらゆる平行四辺形状の三角格子配置にて測定することが可能となる。
【0052】
図14は、マルチディスタンス計測に対応した光源モジュール及び検出モジュールの配置の例を示す図である。
図14のモジュールの配置は、被検体に頭部装着装置が装着された際の外部側から見たモジュールの配置である。
図14の例では、正方格子の格子点の横方向に12列、縦方向に2列の計12個のモジュールと、正方格子の正方形の中心に11個のモジュールとの合計13個のモジュールが配置される。
図14の例では、正方格子の
格子点の左上の端に光源モジュール14が配置され、その横方向に、光源モジュール14と検出モジュール15とが交互に配置される。また、その縦方向にも、光源モジュール14と検出モジュール15とが交互に配置される。さらに、正方格子の正方形の中心に検出モジュール15が配置される。よって、
図14のモジュールの配置では、12個の光源モジュール14と13個の検出モジュール15(D1−D12、DD1−DD11)とが含まれる。
図14の光源モジュールにおいて、内部に記載される数字は、光が照射されるタイミング(時分割の期間)を示す。時分割の分割数が3であるとすると、照射されるタイミングは、1、2、3の順であり、3の次は、1に戻って繰り返される。1番目の期間を期間T1、2番目の期間を期間T2などという。また、光源モジュールの周辺に記載される、「f1、f2」等の記号は、照射される波長λ1及びλ2が変調される周波数を示す。例えば、左上の端の光源モジュール14では、1番目の期間(T1)で、波長λ1の光が周波数f1で変調され、波長λ2の光が周波数f2で変調されて、照射される。また、D1の検出モジュール15では、期間T1で上隣の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出し、期間T2で右隣の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出する。さらに、DD1の検出モジュール15では、期間T1で左上隣の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出し、期間T2で右下隣の光源モジュール14から照射される周波数f1、f2で変調された波長λ1、λ2の光を検出する。DD1の検出モジュール15と隣接する光源モジュール14との距離は、約21mmであり、D1の検出モジュール15と隣接する光源モジュール14との距離30mmより短い。このような配置にすることで、複数の距離の信号を取得することができる。また、この配置では、2×12の正方格子の配置と比べて、検出モジュール15のみを追加する構成であるので、他の検出モジュールに光ノイズ等の影響を与えない。また、この配置における時分割数及び変調周波数数は、2×12の正方格子の配置と同様にすることができる。
【0053】
〈変調周波数の選択〉
光源モジュール14から照射される光の強度変調周波数(駆動周波数)を設定する場合には、クロストークを低減するために、以下の条件で各々の光の強度変調周波数を選択する。駆動周波数をfi(iは、周波数のインデックスで任意整数。例えばf1、f2、f3、f4、f5、f6)と置き、AD変換器において、所定のサンプル周波数fsでアナログ−デジタル変換すると仮定すると、アナログ−デジタル変換のサンプル周波数fsは、各々の駆動周波数fiの偶数倍である必要がある(式1)。
【数1】
【0054】
駆動周波数が複数ある場合には、それらの最小公倍数となる周波数の偶数倍を選べばよい。これは、ロックイン検出時において、所定信号の周波数を乗算器で掛け合わせる際、所定信号以外の信号(不要信号、他の駆動周波数による信号)を打ち消すために、所定信号の駆動周波数以外のすべての周波数(他の駆動周波数)について、正値(もしくは、基準電圧より高い電圧)と負値(もしくは、基準電圧より低い電圧)値を等しい数だけサンプリングするためである。奇数倍とした場合には、不要信号は正負で打ち消し合わなくなり、振幅に依存したノイズ(クロストーク)として所定信号に載ってしまう。さらに、演算部は、所定回数n回、取得された電圧値の平均もしくは和を算出する。その平均もしくは和を算出する時間(積算時間)(T=n/fs)は、演算部が設定する各々の駆動信号周期(1/fi)の整数倍である必要がある(式2)。
【数2】
【0055】
このとき,各々の駆動周波数間のビート(うなり)周期Tbは、
【数3】
であるため,積算時間(T=n/fs)とビート周期Tbとの比は、
【数4】
となり、積算時間はビート周期の整数倍となるため,積算時間Tにおける加算もしくは平均化によりビート信号は打ち消される。さらに,式4が成り立つとき、
【数5】
(ただし、Npiは駆動信号周期(1/fi)におけるアナログ−デジタル変換のサンプル数)
が成り立ち、積算時間T内に含まれる駆動周波数fiのパルス数をki(=n/Npi=fi×T)とすれば、
【数6】
が成り立ち、互いのパルス数の差は自然数となる。なお、式2を満たすと、
【数7】
となり、積算時間T内に含まれる各々の周波数信号パルスの数は自然数である。
【0056】
これにより、少なくとも式1と式2の条件を同時に満たすことで、所望以外の周波数信号は、平均化処理により正負で打ち消しあい抑制されるため、異なる光源からの光信号によるクロストークは検出されなくなる。以上の条件を満たす周波数の組み合わせは一般に複数存在するため、必要な周波数の種類数の条件、必要なサンプル周波数の条件等から、最適な値を決めることになる。さらに、商用電源周波数、室内照明等の周波数との干渉を避ける場合には、これらの周波数の整数倍にならないように決める。さらに、ここまでは
各駆動周波数の位相に言及しなかったが、位相変換手段等を用いて、測定条件、環境に応じ最適な位相を選択するよう構成しても良い。位相を変化させることにより、複数の光源からの検出光量の総和のピーク値の大きさ及びそのタイミングを変化させることが可能となるという効果がある。
【0057】
(動作例)
〈周波数設定〉
図15は、モジュールにおける周波数設定の動作フローの例を示す図である。利用者端末20で行われる処理は、頭部装着装置10で行われてもよい。
【0058】
S11において、頭部の脳血流変化を測定する利用者は、利用者端末20により、頭部に装着するモジュールの配置(光源モジュールと検出モジュールとの配置)を選択する。選択されるモジュールの配置は、利用者等によって利用者端末20に入力されてもよいし、利用者端末20の出力部27に複数のモジュール配置のパターンを表示して、当該パターンの中から利用者によって選択されてもよい。
【0059】
S12において、利用者端末20は、選択されたモジュール配置に基づいて、最小の時分割数を決定する。利用者端末20は、記憶手段に格納される
図10等のようなモジュール配置と最小時分割数等の関係から、選択されたモジュール配置に基づいて、最小時分割数を決定する。
【0060】
S12において、利用者端末20は、選択されたモジュール配置に基づいて、最小の時分割数、変調周波数を決定する。利用者端末20は、記憶手段に格納される
図10等のようなモジュール配置と最小時分割数等の関係から、選択されたモジュール配置に基づいて、最小時分割数、最小変調周波数数を決定する。
【0061】
S13において、利用者端末20は、S12で決定された最小変調周波数数分の変調周波数を、光源モジュール14及び検出モジュール15で使用する変調周波数として決定する。利用者端末20は、S12で決定された数の変調周波数を、上記で記載したように、選択する。また、利用者端末20は、光源モジュール14及び検出モジュール15で使用するサンプル周波数(サンプリング周波数)、積算時間等を、上記で記載したように選択する。また、利用者端末20は、各光源モジュール14及び各検出モジュール15で使用される、変調周波数、照射の期間を、各モジュールに対して、検出モジュール15から所定の範囲で同一のタイミングで同一の周波数で変調された光が照射されないように、割り当てる。
【0062】
S14において、利用者端末20は、頭部装着装置10の各光源モジュール14及び各検出モジュール15に、照射の期間、変調周波数、サンプル周波数、積算時間等を設定する。これによって、S11で選択され他モジュール配置の各光源モジュール14及び各検出モジュール15に、照射の期間(タイミング)、変調周波数等が設定される。
【0063】
(その他)
ここでは、頭部に装着する頭部装着装置10としたが、上記の頭部装着装置10と同様の構成で、光源モジュール14及び検出モジュール15を、頭部以外の皮膚上(筋肉上)に貼り付け、筋肉における血流動態変化もしくは血流を計測してもよい。筋肉における血流動態変化等を測定することで、運動時の筋肉における酸素代謝の算出を行うことが可能となる。このとき、脳血流量変化測定の場合よりも皮膚から浅い位置の血流変化を測定するため、光源モジュール14と検出モジュール15との距離は、30mmよりも小さくする。
(実施形態の作用、効果)
本実施形態の構成によれば、変調周波数を適切に選択し、時分割計測を組み合わせることにより、S/N低下とクロストークを同時に防ぐとともに、使用する周波数種類をより少なくすることでより小型化が可能な技術を提供することができる。
【0064】
《コンピュータ読み取り可能な記録媒体》
コンピュータその他の機械、装置(以下、コンピュータ等)に上記いずれかの機能を実現させるプログラムをコンピュータ等が読み取り可能な記録媒体に記録することができる。そして、コンピュータ等に、この記録媒体のプログラムを読み込ませて実行させることにより、その機能を提供させることができる。
【0065】
ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。このような記録媒体内には、CPU、メモリ等のコンピュータを構成する要素を設け、そのCPUにプログラムを実行させてもよい。
【0066】
また、このような記録媒体のうちコンピュータ等から取り外し可能なものとしては、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R/W、DVD、DAT、8mmテープ、メモリカード等がある。
【0067】
また、コンピュータ等に固定された記録媒体としてハードディスクやROM(Read Only memory)等がある。