【実施例1】
【0030】
図1に遊技機の一種であるパチンコ機1の正面図を示し、詳細に説明する。
図1に示す通り、本実施例のパチンコ機1は、大きく長方形の外枠2、前面枠3、意匠枠4a、意匠枠4bとからなる筐体にて各部を保持する構造である。
【0031】
外枠2左側の上部には金具5aが、下部に金具5bがそれぞれ設けられており、金具5aおよび5bとでヒンジ機構を形成し、前面枠3は外枠2に対して開閉可能に構成され、図示しない前面枠閉鎖スイッチ38(
図3参照)が前面枠3の閉鎖状態を検出可能に装着されている。また、前面枠3左側の中部には金具5cが設けられ、金具5aと金具5cとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4aは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。さらに、金具5cと金具5bとでヒンジ機構を形成し、意匠枠4bは前面枠3に対して開閉可能に構成されている。
【0032】
ヒンジ機構が形成される逆側(ここでは右側)には、外枠2と前面枠3との施錠、前面枠3と意匠枠4aとの施錠、前面枠3と意匠枠4bとの施錠/解錠を行うための鍵穴6aを有するスライド錠6が設けられている。尚、本実施例のパチンコ機1は、外枠2の左隣にCRプリペイドカードユニット7を設けている所謂CR機として説明するが、CRプリペイドカードユニット7を設けない所謂現金機としても何ら差し支えない。また、本実施例のパチンコ機1は、賞球を機外に払い出す構成としたが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに持玉データとしてパチンコ機1自体が記憶する封入式の構成としても良い。
【0033】
意匠枠4aは、後述する遊技盤8を視認可能とするために透明樹脂板またはガラス板を備える窓部9、前面枠3に設けられたスピーカ10の前面にスピーカ10を保護し、且つ、効果音を通すための保護音通部11を備えている。
【0034】
また、意匠枠4bは、遊技球を貯留しておくための上皿12および下皿13を略中央に備え、遊技者が操作可能な遊技ボタン14(本発明の遊技者が操作可能な操作手段に相当)、CRプリペイドカードユニット7と後述するCRユニット端子板60を介して接続される精算表示装置15、球貸ボタン16および精算ボタン17を左側に備えている。本実施例では、遊技ボタン14としてプッシュ式のボタンを採用しているが、遊技者の操作に応じた信号が検出可能な操作装置であれば、これに限るわけではない。例えば、操作方向まで検出可能な十時式のボタンでもよいし、レバータイプのスイッチでもよい。
【0035】
前面枠3の右下側(意匠枠4bの右側)には、遊技球の発射強度を調節するための発射ハンドル18が設けられており、発射ハンドル18の近傍には、発射停止ボタン19(
図3参照)および図示しないタッチ板20が設けられている。前面枠3の下側(意匠枠4bの下側)には、スピーカ10を備えたスピーカユニット21が設けられている。
【0036】
続いて、
図2に遊技盤8の正面図を示し、詳細に説明する。遊技盤8には公知のガイドレール25a、25bによって囲まれた略円形の遊技領域26が設けられ、多数の遊技釘27が植設されている。遊技領域26の略中央には、窓部28aを有する液晶枠飾り28が設けられており、演出図柄表示装置54b(
図3参照)のLCD画面が遊技者から視認可能に構成され、図示しない公知のワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
【0037】
また、窓部28aの上方左には、7セグメントLED等の発光部材により構成される第1特別図柄表示装置29、上方右には左と同一部材の第2特別図柄表示装置30と、中央には4個の発光部材で構成される第2特別図柄保留数表示装置30aが設けられており、窓部28a下には同様に4個の発光部材で構成される第1特別図柄保留数表示装置29aが設けられている。
【0038】
液晶枠飾り28の左右両側又は左側には後述する普通図柄作動スイッチ42a(
図3参照)を備える普通図柄作動ゲート42が設けられており、下側には第1始動口31と開放時のみ入賞可能となる普通電動役物40が第2始動口32として設けられている。また普通電動役物40には、7セグメントLED等の発光部材により構成される普通図柄表示装置41が配置されている。第2始動口32の下方には、アタッカー式の大入賞口33aを備える大入賞口ユニット33が配置され、該大入賞口ユニット33の下方にはアウト口34が設けられている。大入賞口33aの左側には4個のLEDで構成される普通図柄保留数表示装置41aが設けられている。
【0039】
大入賞口ユニット33の左右両側には、後述する一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35e(
図3参照)を備える一般入賞口35aが複数備えられる入賞口ユニット35が設けられている。尚、一般入賞口スイッチ35b、35c、35d、35eは遊技盤正面から見た一般入賞口スイッチ35aの位置によって区別され、右側上には一般入賞口スイッチ35b、右側下には一般入賞口スイッチ35c、左側上には一般入賞口スイッチ35d、左側下には一般入賞口スイッチ35e、が配置されている。尚、本実施例においては、普通電動役物40は開放時のみ遊技球の入賞が可能な構成としているが、この構成に限るわけではなく、未開放時(普通電役ソレノイド40bが駆動しない)でも遊技球の入球を可能とする構成でも問題ない。
【0040】
上記のように遊技盤8を構成することによって、普通図柄作動ゲート42に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ42a(
図3参照)が遊技球を検出)すると、普通図柄表示装置41で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄の態様に応じて、後述する普通電役ソレノイド40b(
図3参照)を駆動させる。普通電役ソレノイド40bを駆動させると、ほぼ同期して普通電動役物40の羽根部材が駆動して、普通電動役物40への入球(第2始動口スイッチ32a(
図3参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
【0041】
第1始動口31に遊技球が入球(第1始動口スイッチ31a(
図3参照)が遊技球を検出)すると、第1特別図柄表示装置29において第1特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第2始動口32である普通電動役物40に入球(第2始動口スイッチ32a(
図3参照)で遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置30において第2特別図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0042】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、窓部28aに配置された演出図柄表示装置54bにおいて、各々の特別図柄の変動に対応した擬似図柄(本発明の擬似図柄に相当)の変動表示と演出態様(本発明の演出態様に相当)とを表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、第1始動口31と第2始動口32への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動停止を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し且つ第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動を開始する。尚、第1始動口と第2始動口への入球順(記憶が古い順)に変動を開始する構成としても問題ない。
【0043】
変動後に確定表示した第1特別図柄及び第2特別図柄の態様に応じて後述する大入賞口ソレノイド33c(
図3参照)を駆動させる。大入賞口ソレノイド33cを駆動させると、ほぼ同期して大入賞口ユニット33の扉部材が駆動して、大入賞口33aへの入球(カウントスイッチ33b(
図3参照)での検出率)が可能となるように構成されている。
【0044】
尚、遊技球が1個入賞した際に獲得する賞球数は、第1始動口31と普通電動役物40(第2始動口32)は3個、大入賞口33aは14個、一般入賞口35aは10個に設定されている。
【0045】
続いて、
図3にパチンコ機1の電気配線を示すブロック図を示し、詳細に説明する。尚、このブロック図には、煩雑になる電源回路に関する記載は行わないが、電源が必要な制御装置若しくはアクチュエータ類には電源装置55から直接的または間接的に供給される構成となっている。
【0046】
図3に示す通り、主制御装置50(本発明の主制御装置に相当)の入力端には、遊技盤中継端子板62を介して第1始動口31に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ31aと、第2始動口32となる普通電動役物40に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ32aと、普通図柄作動ゲート42に入球した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ42aと、大入賞口33aに入球した遊技球を検出するカウントスイッチ33bと、一般入賞口35aに入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ35b(右上)、35c(右下)、35d(左上)、35e(左下)とが接続されている。また、裏配線中継端子板63を介して前面枠3が閉鎖していることを検出する前面枠閉鎖スイッチ38と、意匠枠4a・4bが閉鎖していることを検出する意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bと、が接続されている。
【0047】
前面枠閉鎖スイッチ38及び意匠枠閉鎖スイッチ39a、39bは、内部に電池(1次電池又は2次電池のいずれでも良い)を備えており、通常時(電源が供給され、且つ、電源スイッチ55aがON)は後述する裏配線中継端子板63から供給されるDC12Vで動作し、電源が供給されないとき(電源遮断又は電源スイッチOFF)には、電池の電源を利用して前面枠3又は意匠枠4a、4bの閉鎖状態を出力する構成となっている。また、電池として1次電池を採用する場合には電池の消耗によって交換(電池のみ交換又はリミットスイッチを交換)することとなるが、2次電池を採用する場合には通常時に充電する構成とし、繰り返し利用可能に構成することが望ましい。
【0048】
主制御装置50の出力端には、遊技盤中継端子板62を介して大入賞口33aの扉部材を駆動する大入賞口ソレノイド33cと、普通電動役物40の羽根部材を駆動する普通電役ソレノイド40bと、図柄表示装置中継端子板64を介して特別図柄を表示する第1特図表示装置29と、第2特図表示装置30と、特別図柄の保留数を表示する第1特図保留数表示装置29aと、第2特図保留数表示装置30aと、普通図柄を表示する普通図柄表示装置41と、普通図柄の保留数を表示する普図保留数表示装置41aと、裏配線中継端子板63および外部接続端子板61を介してホールコンピュータ70と、が接続されている。
【0049】
主制御装置50はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種コマンド等を生成し、払出制御装置51およびサブ統合制御装置53に出力する。ここで主制御装置50と払出制御装置51とは双方向通信回路として構成され、主制御装置50とサブ統合制御装置53(本発明のサブ制御装置に該当)とは間に演出中継端子板65を介して主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成されている。
【0050】
払出制御装置51の入力端には、裏配線中継端子板63を介して球タンク22またはタンクレール23内の遊技球が不足していることを検出する球切れスイッチ22aまたは23aと、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して払い出した遊技球を検出する払出スイッチ24bと、各種端子板を介することなく下皿13への経路に遊技球が多数あることを検出する満杯スイッチ13aと、が接続されている。払出制御装置51の出力端には、裏配線中継端子板63および払出中継端子板66を介して遊技球を上皿へと払い出す払出モータ24aが接続されている
【0051】
払出制御装置51はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される各種検出信号ならびに主制御装置50から入力されるコマンドに基づいて遊技球の払い出しに関わる各種コマンド等を生成し、主制御装置50および発射制御装置52に出力する。ここで、払出制御装置51と主制御装置50とは双方向通信回路として構成され、払出制御装置51と発射制御装置52とは払出制御装置51から発射制御装置52への一方向通信回路として構成されている。
【0052】
発射制御装置52の入力端には、発射を停止するための発射停止スイッチ19aと、発射ハンドル17に遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ20aと、が接続されている。発射制御装置52の出力端には、遊技球を遊技領域26へ発射するための発射モータ36が接続されている。発射制御装置52はCPU、ROM、RAMを備えず、IC等で構成されたデジタル回路であり、入力される各種検出信号ならびに払出制御装置51からの入力に基づいて発射モータ36の駆動を制御している。
【0053】
サブ統合制御装置53(本発明のサブ制御装置に相当)の入力端には、遊技者により操作可能な遊技スイッチ14a(本発明の遊技者が操作可能な操作手段に相当)が接続されている。サブ統合制御装置53の出力端には、意匠枠4a、4bおよび遊技盤8に備えられる各種LED・ランプ37と、前面枠3およびスピーカユニット21に備えられるスピーカ10と、が接続されている。尚、サブ統合制御装置53と主制御装置50とは間に演出中継端子板65を介した主制御装置50からサブ統合制御装置53への一方向通信回路として構成され、サブ統合制御装置53と演出図柄制御装置54aとはサブ統合制御装置53から演出図柄制御装置54aへの一方向通信回路として構成されている。
【0054】
サブ統合制御装置53はCPU、ROM、RAM等の電気部品を備えており、搭載するROMに記憶されたプログラムに従ってCPUにて処理を実行し、入力される遊技スイッチ14aの入力ならびに主制御装置50から入力されるコマンド(本発明の表示制御コマンドに相当)に基づいて演出に関わる各種コマンド等を生成し、演出図柄ユニット54の演出図柄制御装置54aに出力する。尚、本実施例では、サブ統合制御装置53のRAMに記憶された遊技情報を電源断時に保持しない構成としているが、電源装置55からVBBを供給して記憶保持可能とし、復電時に記憶した遊技情報を元に電源断前の遊技を再開する構成としても何ら差し支えない。
【0055】
また、サブ統合制御装置53には、音量を調節する音量調節スイッチ10aが備えられ、音量調節スイッチ10aの状態(位置)を検出し、その検出結果とスピーカ10へ送信する内容とを判断し、スピーカ10から出力する音量をソフト的に制御するように構成されている。例えば、遊技に伴う演出音声やエラー報知の一部(払出し遅延報知、前面枠3、意匠枠4a、4b等の枠開放/閉鎖報知など)の音声は、音量調節スイッチ10aの状態に応じて変更された音量でスピーカ10から出力され、その他のエラー報知(特殊報知など)は音量調節スイッチ10aの状態に関わらず予め設定された音量でスピーカ10から出力されるように構成することができる。
【0056】
次に、遊技機の作動内容について説明する。本実施形態におけるパチンコ機は確率変動機として構成され、第1始動口31及び第2始動口32への遊技球入球に基づく当否判定(第1始動入賞検出スイッチ又は第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かの判定)は、通常(低)確率遊技状態と、該通常確率遊技状態に比べて大当りとなる確率が高い高確率遊技状態(確変状態)とのいずれかの遊技状態で実施される。本実施例では通常確率が1/300、高確率が1/30に設定されている。
【0057】
また、普通電動役物40(第2始動口32)の作動契機と作動時間を変化させる開放延長機能を備えており、開放延長機能未作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は0.2秒の開放動作を1回行い、開放延長機能作動時では、普通図柄の1回の当りに対して普通電動役物40は1.8秒の開放動作を2回行うよう設定されている。また、開放延長機能が作動する遊技状態での第1及び第2特別図柄の変動パターン(変動時間)は、開放延長機能が未作動時の遊技状態で使用する変動パターン選択テーブルよりも平均変動時間が短くなるように設定された変動パターン選択テーブルを用いて選択される構成となっている。これにより、開放延長機能作動時の単位時間あたりの特別図柄の変動回数が、開放延長機能未作動時よりも増加する構成(時短機能)となっており、この時短機能は、開放延長機能の作動開始と終了の契機を同じくして作動する。
【0058】
尚、開放延長機能作動時には、普通図柄の変動時間を短縮(単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加)する時短機能も作動する構成となっている。具体的には、開放延長機能未作動時となる通常時の普通図柄の変動時間は6.2秒に設定され、開放延長機能作動時の普通図柄の変動時間は0.7秒に設定されている。これにより、開放延長機能作動時では単位時間当りの普通図柄の変動回数が増加し、普通電動役物40の作動契機を大きく増加させている。これにより、単位時間当たりの普通電動役物40への入球率が増加し、第2特別図柄の変動回数が増えるとともに持球の減少が抑えられる。
【0059】
次に、
図4を用いて、主制御装置50が実行する始動入賞処理を説明する。始動入賞処理は、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得する当否乱数等の種々の乱数を、保留記憶として主制御装置50に格納(記憶)するとともに、記憶した乱数が予め設定された値か否かを当否判定を実施する以前に確認する処理を行い、第1始動口31及び第2始動口32への入球に起因する各種コマンドをサブ統合制御装置53に送信する処理となる。以後、第1始動口31に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第1保留記憶、第2始動口32に遊技球が入球したときに格納される保留記憶を第2保留記憶、普通図柄始動ゲート42を遊技球が通過したときに格納される保留記憶を普図保留記憶として説明する。
【0060】
本実施形態においては、普通図柄保留数表示装置41a、第1特図保留数表示装置29a、第2特図保留数表示装置30aによる各々の点灯数の最大個数は4個(最大保留記憶数が4個)となっているが、これに限るわけではなく、例えばそれぞれの最大記憶個数が8個であってもよい。また、それぞれの保留記憶数が0であっても、第1始動口31、第2始動口32に遊技球が入球したとき、又は普通図柄作動ゲート42を遊技球が通過したときに取得される当否乱数等の種々の乱数は、最大値未満の記憶数がある場合と同様に主制御装置50に格納される。
【0061】
始動入賞処理を開始すると、第1始動口スイッチ31aが遊技球を検出したか否か判定する(S10)。否定判定なら(S10:no)S45に進み、肯定判定なら(S10:yes)、主制御装置50に格納されている第1保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S20)。否定判定なら(S20:no)S45に進み、肯定判定であれば(S20:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第1保留記憶として記憶し第1保留記憶の数を示す第1保留記憶カウンタに1を加算する(S25)。
【0062】
S25に続いては、記憶した第1保留記憶の先読判定を行う(S30)。具体的には、大当り判定用乱数の値が大当りを生起する値か否かを確認し、大当り値なら大当り図柄の種類を確認する。大当り判定がハズレなら、小当りを生起する値か否かを確認し、ハズレならリーチ決定用乱数がスーパーリーチとなる値か否かを確認する。スーパーリーチでなければ、リーチとなる値か否かを確認し、変動パターン決定用乱数の値から変動時間を確認する。上記判定を行うことによって、記憶した乱数値が、遊技者が大当りの期待が持てる特定の値か否かを判定する。
【0063】
続いて、S30の判定結果から第1先読判定コマンドを生成してサブ統合制御装置53に送信し(S35)、S25で加算した第1保留記憶カウンタの値を示す第1保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信する(S40)。
【0064】
S40の処理、S10、S20の否定判定(S10:no、S20:no)に続いては、第2始動口スイッチ32aが遊技球を検出したか否か判定する(S45)。否定判定なら(S45:no)S80に進み、肯定判定なら(S45:yes)、主制御装置50に格納されている第2保留記憶の数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S55)。否定判定なら(S55:no)S80に進み、肯定判定であれば(S55:yes)、抽出した大当り判定用乱数、大当り図柄決定用乱数1、大当り図柄決定用乱数2、小当り図柄判定用乱数、リーチ決定用乱数、変動パターン決定用乱数を第2保留記憶として記憶し第2保留記憶数を示す第2保留記憶カウンタに1を加算し(S60)、S30と同様に記憶した第2保留記憶の先読判定を行う(S65)。
【0065】
続いて、S65の判定結果から第2先読判定コマンドを生成しサブ統合制御装置53に送信し(S70)、S60で加算した第2保留記憶カウンタの値を示す第2保留数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信して(S75)、S80に進む。
【0066】
S80では、普通図柄作動スイッチ42aが遊技球を検出したか否か判定する(S80)。否定判定なら(S80:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S80:yes)、主制御装置50に格納されている普図保留記憶数が上限値(=4個)未満か否か判定する(S85)。否定判定なら(S85:no)リターンに抜け、肯定判定であれば(S85:yes)、抽出した当り判定用乱数と当り図柄決定用乱数とを普図保留記憶として記憶し、普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウンタに1を加算し(S90)、加算した普図保留記憶カウンタの値を示す普図保留記憶数指示コマンドをサブ統合制御装置53に送信し(S95)、リターンする。
【0067】
サブ統合制御装置53は第1及び第2保留記憶数指示コマンドを受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置54b上で表示する各保留記憶数を変化させる制御を行う。また、本実施例では、演出図柄表示装置54b上では普通図柄の保留記憶数表示は行わないが、普図保留記憶数指示コマンドの受信に応じて表示する構成としてもよいし、普図保留記憶数指示コマンド自体を送信しない構成としてもよい。また、普図の先読判定を実施し判定結果をサブ統合制御装置に送信する構成も考えられる。これにより、普通電動役物40の開放を期待させる先読予告の実施が可能となる。
【0068】
次に、
図5に示したフローチャートを用いて主制御装置50が行う当否判定処理を説明する。この処理は、第1始動入賞検出スイッチ又は第2始動入賞検出スイッチでの遊技球の検出に起因して抽出された乱数値に基づいて特別遊技を実行するか否かを判定する処理となる。
【0069】
当否判定処理を開始すると、特図の始動条件が成立しているか否か判定する(S100)。この判定処理では、大当り遊技中でないこと、第1特別図柄及び第2特別図柄が変動中又は確定表示中でないことを確認する。否定判定なら(S100:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S100:yes)、第2保留記憶が有るか否か判定する(S105)。肯定判定なら(S105:yes)、S115に進み、否定判定なら(S105:no)第1保留記憶が有るか否か判定する(S110)。否定判定なら(S110:no)リターンに抜け、肯定判定なら(S110:yes)、S115に進む。S105とS110の判定順により、第2保留記憶の当否判定を優先して実施する構成となっている。尚、本実施例では、特別図柄が複数(第1特別図柄と第2特別図柄)の構成となっているが、特別図柄を1つとした構成であっても同様の効果を発揮する。
【0070】
S115では確変フラグの値が0か否か判定する(S115)。確変フラグは、主制御装置50が記憶する値であり、値が「0」のときは、大当り確率が通常遊技状態中(通常確率)であることを、値が「1」のときは、確変遊技状態中(高確率)であることを主制御装置50が判断する。肯定判定なら(S115:yes)S120に進み、否定判定なら(S115:no)高確率中の処理に進む。高確率中の処理は、大当り確率のみが異なる処理となるため説明は割愛する。
【0071】
S120では、保留記憶のシフト処理を行い(S120)、これにより最も古い保留記憶を当否判定の対象とするとともに、保留記憶数を示す保留記憶カウンタから1を減算する。
【0072】
続く、大当り判定用乱数比較処理(S125)では、当否判定の対象とした保留記憶の大当り判定用乱数値と予め設定された当否判定テーブルとを比較して、乱数値が当否判定テーブル内の判定値と一致するか比較する。当否判定テーブルは通常確率(低確率1/300)用と高確率(1/30)用の2種類のテーブルが設定してあり、当否判定時の遊技状態が通常遊技(確変フラグ「0」)であれば通常確率用の当否判定テーブルを用いて比較し、高確率の遊技状態(確変フラグ「1」)であれば高確率用の当否判定テーブルを用いて比較する。
【0073】
続くS130の処理では、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が大当りであるか否か判定する(本実施例では1/300)。肯定判定なら(S130:yes)、図柄モード設定処理を行う(S135)。図柄モード設定処理では、当否判定の対象とした保留記憶の種類(第1保留記憶又は第2保留記憶)と、判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数1に基づいて、大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態を決定する図柄モードを設定する(S135)。続いて、設定した図柄モードの種類と判定対象となる保留記憶の大当り図柄決定用乱数2に基づいて大当り図柄選択処理を行う(S140)。これは、図柄モードの設定によって決定した大当りの種類(大当り遊技の内容と大当り遊技終了後の遊技状態)を大当り図柄によって報知するために、図柄モードの種類毎に設定された図柄郡の中から表示する図柄を決定する処理となる。
【0074】
次にS135で設定した図柄モードに基づいてモードバッファ設定処理を行う(S145)。モードバッファは当否判定時に決定した大当り遊技終了後の遊技状態の内容を、該遊技状態を設定する大当り遊技終了時まで記憶する装置である(大当り遊技中は遊技状態を設定する確変フラグ及び時短フラグをクリアする必要があるため)。モードバッファとしては、具体的な遊技内容(確変機能および開放延長機能(時短機能)の作動とその作動回数)は記憶せず、複数種類の具体的な遊技内容のそれぞれに対応した値を記憶する構成となっている。
【0075】
次に、S135で設定した図柄モードに基づいて大当り遊技の内容となる大入賞口の開放パターン設定処理を行い(S150)、当否判定の対象とした保留記憶のリーチ決定用乱数および変動パターン決定用乱数に基づいて、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30、及び演出図柄表示装置54bに表示する図柄の変動時間となる変動パターンを、変動パターン選択テーブルから選択する(S155)。
【0076】
次に、選択した大当り図柄および変動パターンの情報を、変動指示コマンド(本発明の表示制御コマンドに相当)としてサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて、演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、大当り図柄および変動パターンの情報に対応す擬似図柄の変動表示及び演出態様の表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特別図柄表示装置29又は第2特別図柄表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0077】
S130が否定判定、即ちハズレなら(S130:no)、大当り判定用乱数の比較処理(S125)の結果が小当りであるか否か判定し(1/150)(S165)、肯定判定なら(S165:yes)、小当り図柄を選択し(S170)、続いて小当り遊技の開放パターン設定処理を行い(S150)、小当り図柄に対応する変動パターン選択処理を行い(S155)、小当り図柄および変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、小当り図柄および変動パターンの情報に対応する擬似図柄の変動表示及び演出態様の表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に、主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0078】
S165が否定判定なら(S165:no)、ハズレ図柄を選択し(S175)、続いてハズレ図柄に対応する変動パターン設定処理を行い(S155)、ハズレに関する図柄及び変動パターンの情報となる変動指示信号をサブ統合制御装置53へ送信する(S160)。この情報を受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づき演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bを制御し、ハズレ図柄および変動パターンの情報に対応する擬似図柄の変動表示及び演出態様の表示を開始する。サブ統合制御装置53への送信とほぼ同時に主制御装置50は、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30を直接制御して特別図柄の変動を開始する。
【0079】
次に、
図6に示したフローチャートを用いて主制御装置50が行う特別図柄確定処理を説明する。本処理を開始すると、特別図柄が変動中か否か判定し(S200)、否定判定なら(S200:no)リターンし、肯定判定なら(S200:yes)、S155で選択した第1又は第2特別図柄の変動パターンが示す変動時間が経過したか否か判定する(S205)。否定判定なら(S205:no)リターンし、肯定判定なら(S205:yes)、確定コマンドをサブ統合制御装置53へ送信するとともに、
図5のS140,S170,又はS175で選択された図柄を第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30に確定表示する(S210)。確定コマンドを受信したサブ統合制御装置53からの指示に基づいて演出図柄制御装置54aは演出図柄表示装置54bの擬似図柄を確定表示する。
【0080】
続いて、第1特図表示装置29又は第2特図表示装置30に確定表示した図柄が大当り図柄か否か判定する(S215)。肯定判定なら(S215:yes)、大当りフラグに「1」をセットし(S220)リターンに抜ける。S215が否定判定なら(S215:no)、確定表示した図柄が小当り図柄か否か判定し(S225)、肯定判定なら(S225:yes)、小当りフラグに「1」をセットする(S230)。S225の否定判定(S225:no)、又はS230に続いては、リターンに抜ける。
【0081】
次に、
図8に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する変動指示コマンド受信処理を説明する。この処理は、主制御装置50から受信する変動指示コマンド(本発明の表示制御コマンドに相当)の種類と、該受信時にサブ統合制御装置53が抽出する乱数値とに応じて、演出図柄表示装置54b上で擬似図柄の変動表示を実施する処理と、受信した変動指示コマンドの内容が所定の内容、詳しくは、受信した変動指示コマンドが示す変動時間が、
図7に示す図表の変動パターン4以上の長い変動時間であった場合に、擬似図柄の変動表示とは別の演出態様を演出図柄表示装置54b上に表示する処理を行う。従って、本処理は、本発明の擬似図柄表示手段と演出態様表示手段とに相当する処理となる。
【0082】
本処理を開始すると、主制御装置50から変動指示コマンドを受信したか否か判定する(S250)。否定判定なら(S250:no)リターンし、肯定判定なら(S250:yes)、振分乱数1を抽出し(S255)、サブ統合制御装置53が備える保留球数カウンタのデクリメントを行い(S260)、受信した変動指示コマンドと抽出した振分乱数1の値とに応じて、サブ統合制御装置53が記憶する複数種類の中から演出図柄表示装置54bに表示する擬似図柄の変動態様と確定表示態様とを選択する(S265)(本発明の擬似図柄変動表示態様決定手段に相当)。
【0083】
S265に続いては、S265で選択した擬似図柄の変動を開始する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S270)(本発明の擬似図柄表示手段に相当)、受信した変動指示コマンドが示す変動パターンのナンバーが、
図7の図表に示すナンバー8よりも大きいか否か、即ち、スーパーリーチ以上の変動時間か否か判定し(S275)、否定判定なら(S275:no)リターンし、肯定判定なら(S275:yes)、後述する演出態様表示開始処理(本発明の演出態様表示手段に相当)を行って(S280)リターンする。
【0084】
S280の演出態様表示開始処理を、
図9に示したフローチャートを用いて説明する。本処理は、本発明の演出態様決定手段を含む処理となる。本処理を開始すると、S255で抽出した振分乱数1が擬似図柄とは異なる演出態様の表示を実施する実施値か否か判定する(S300)。否定判定なら(S300:no)リターンし、肯定判定なら(S300:yes)、振分乱数1が、後述する分割演出態様(本発明の分割演出態様に相当)の実施値か否か判定し(S305)、肯定判定なら(S305:yes)、サブ統合制御装置53が記憶する複数の分割演出態様の中から、受信した変動指示コマンドの内容と振分乱数1とに基づいて、演出図柄表示装置54bに表示する分割演出態様を選択し(S310)(本発明の演出態様決定手段に相当)、所定時間後(リーチ成立時)から分割演出態様の表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S315)、分割演出進行フラグに1をセットし(S320)、後述する変動時間メータを演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S325)リターンする。
【0085】
分割演出進行フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が1なら、分割演出態様の演出が進行中(演出表示態様を変化させながらストーリーが進行中)であることを、値が0なら、進行中でないことをサブ統合制御装置53が判断する。
【0086】
S305が否定判定、即ち、分割演出態様を実施しないなら(S305:no)、サブ統合制御装置53が記憶する複数の演出態様の中から、受信した変動指示コマンドの内容と振分乱数1とに基づいて、演出図柄表示装置54bに表示する擬似図柄とは異なる通常の演出態様を選択し(S330)(本発明の演出態様決定手段に相当)、所定時間後(リーチ成立時)から通常の演出態様の表示を開始する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S335)リターンする。
【0087】
次に、
図10に示したフローチャートを用いて、サブ統合制御装置53が実行する分割演出進行中断処理を説明する。この処理は、本発明の演出中断手段に相当し、表示態様を変化させながらストーリーを進行する分割演出において、予め設定された所定時間が経過したことに応じて演出の進行を中断する処理となる。なお、演出の進行を中断するとは、見た目には表示態様の変化が停止した状態となる。
【0088】
本処理を開始すると、分割演出進行フラグが1か否か判定する(S350)。否定判定なら(S350:no)リターンし、肯定判定なら(S350:yes)、実施中の分割演出が予め設定された所定時間進行したか否か判定し(S355)、否定判定なら(S355:no)リターンし、肯定判定なら(S355:yes)、分割演出進行フラグに0をセットし(S360)、分割演出態様としての継続演出が有るか否か判定し(S365)、否定判定なら(S365:no)リターンし、肯定判定なら(S365:yes)、分割演出中断指示を演出図柄制御装置54aに送信し(S370)、分割演出中断フラグに1をセットして(S375)リターンする。
【0089】
分割演出中断フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が1なら、分割演出態様の進行を中断中であることを、値が0なら、中断中でないことをサブ統合制御装置53が判断する。
【0090】
次に、
図11に示したフローチャートを用いて、実施例1においてサブ統合制御装置53が実行する分割演出再開処理1を説明する。本処理は本発明の演出再開手段に相当し、本発明の予告演出表示手段を含む処理となる。
【0091】
本処理を開始すると、分割演出中断フラグが1か否か判定する(S400)。否定判定なら(S400:no)リターンし、肯定判定なら(S400:yes)、遊技スイッチ14aからの信号を検出したか否か判定し(S410)、否定判定なら(S410:no)リターンし、肯定判定なら(S410:yes)、振分乱数2を抽出する(S415)。
【0092】
続いて、抽出した振分乱数2が予告演出の実施値か否か判定し(S420)、肯定判定、即ち、次の段階の分割演出を開始する前に予告演出を行うなら(S420:yes)、サブ統合制御装置53が記憶する複数の予告演出態様の中から、実施中の擬似図柄の変動パターンと、実施中の分割演出態様の進行段階と、振分乱数2の値とに基づいて演出図柄表示装置54bに表示する予告演出態様を選択する予告演出選択処理を行い(S425)、選択した予告演出態様を演出図柄表示装置54bに表示する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S430)(予告演出表示手段)、予告演出フラグに1をセットし(S435)、分割演出中断フラグに0をセットして(S438)リターンする。
【0093】
予告演出フラグは、サブ統合制御装置53が記憶する値であり、値が1なら、演出図柄表示装置54b上で予告演出態様を表示中であることを、値が0なら、予告演出態様を表示中でないことをサブ統合制御装置53が判断する。
【0094】
S420が否定判定、即ち、分割演出態様の中断中に予告演出を実施しないなら(S420:no)、中断中の分割演出態様を再開(次の段階の分割演出を開始)(演出再開手段)する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S440)、分割演出進行フラグに1をセットして(S445)S438に進む。
【0095】
次に、
図12に示したフローチャートを用いて、実施例1においてサブ統合制御装置53が実行する予告演出表示処理1を説明する。本処理は本発明の予告演出表示手段に相当する処理となる。
【0096】
本処理を開始すると、予告演出フラグが1か否か判定し(S450)、否定判定なら(S450:no)リターンし、肯定判定なら(S450:yes)、S430によって表示を開始した予告演出態様の演出表示時間が経過したか否か判定する(S455)。否定判定なら(S455:no)リターンし、肯定判定なら(S455:yes)、予告演出態様の表示を終了する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S460)、予告演出フラグに0をセットし(S465)、中断中の分割演出態様を再開(次の段階の分割演出を開始)(演出再開手段)する指示信号を演出図柄制御装置54aに送信し(S470)、分割演出進行フラグに1をセットして(S475)リターンする。
【0097】
次に、
図13から
図16を用いて、実施例1において演出図柄表示装置54bで実施する表示例について説明する。
図13(1)は、通常時及び演出態様を表示していない場合の擬似図柄変動時の画面構成を示す図となる。詳しくは、画面ほぼ中央に配置された擬似図柄表示領域に、左,中,右の擬似図柄が表示される。
【0098】
図13(2)は、リーチ成立時に分割演出態様、もしくは通常演出態様を表示した場合の画面構成を示す図となる。詳しくは、分割演出態様、もしくは通常演出態様の表示を開始すると、画面中央に配置されていた擬似図柄表示領域が縮小されるとともに画面上端左に移動し、同時に、縮小した擬似図柄表示領域以外のほぼ全面が演出態様表示領域となる。また、演出態様表示領域に分割演出態様を表示する場合に限り、画面上端右に変動時間メータ表示領域が配置される。変動時間メータ表示領域には、変動時間の経過状況を示す変動時間メータが表示され、具体的には、変動時間メータ上の移動表示部が時間の経過に応じて左端から右端に向けて移動する。移動表示部は分割演出態様の進行及び中断とは関係なく、時間の経過に応じて右端まで移動し、変動時間終了時に変動時間メータの右端(終点)に達するように移動する。
【0099】
分割演出態様の実施時には、変動時間メータを表示することによって変動時間(分割演出態様の表示が終了するまでの時間)が感覚的にわかるので、分割演出を最後まで進行させたい遊技者にとっては、遊技ボタン14の操作遅れを防止する目安となる。なお、変動時間メータを表示しない場合でも、画面上端左に擬似図柄が変動表示しているため、擬似図柄の表示態様により、ある程度の変動時間の残りを推測することもできる。
【0100】
図14,15,16は、実施例1における分割演出態様実施時の演出の進行を示す表示例となる。例として表示されている内容は、上述したように、まず
図14(1)として、擬似図柄でリーチが成立すると、擬似図柄が縮小して画面の左上に移動し画面全体に分割演出態様が表示され、画面右上に変動時間メータ(移動表示部はメータの左端から移動)が表示される。表示例では、格闘家の決闘の様子を分割演出態様として進行させていく。
【0101】
図14(1)の分割演出態様が所定時間実施され、その演出進行が中断した状態(表示キャラクタの動きやセリフが停止した状態)で遊技ボタン14の操作が行われると、図例では、
図11に示したS420の判定が肯定判定の場合を示し、分割演出態様を次の演出段階の(2)に進行(表示キャラクタの動きが再開し、新たなセリフを表示)させる前に、予告演出態様(a)を所定時間表示している。図例の予告演出態様(a)では、主人公となる小さな格闘家(空手家の達吉)のアップとセリフを所定時間表示している。S420の判定が否定判定であれば、予告演出態様(a)の表示は行われず、(2)の演出に進行する。この場合、遊技者に対して遊技ボタン14の操作を示唆する演出(演出図柄表示装置54b上の表示や、スピーカ10からの音の出力)はなく、遊技者は、画面上の演出の動きが停止していることを受けて、従来機からの経験を頼りに任意のタイミングで遊技ボタン14を操作することとなる。
【0102】
予告演出態様(a)の所定時間の表示後は、画面の表示内容が
図14(2)の分割演出態様に進行(表示キャラクタの動きが再開し、新たなセリフを表示)する。(2)でも(1)と同様に、所定時間の経過に応じて各キャラクタの動きが停止し分割演出態様の中断状態となる。図例では、格闘家がそれぞれに技を出して相手を攻撃する状態で中断(表示中のキャラクタの動きやセリフが停止)している。この中断状態を受けて遊技者が遊技ボタン14を操作すると、図例では、予告演出を表示することなく(S420が否定判定)、(2)の中断状態から各キャラクタが動作を開始し、(3)の分割演出態様に進行する。
【0103】
(3)でも(1)(2)と同様に、所定時間の経過に応じて各キャラクタの動きが停止し分割演出態様の中断状態となる。図例では、小さな格闘家が大きな格闘家からの一撃を受け倒れた状態で中断している。この中断状態を受けて遊技者が遊技ボタン14を操作すると、図例では、予告演出を表示することなく(S420が否定判定)、(3)の中断状態から各キャラクタが動作を開始し、
図15(4)の分割演出態様に進行する。
【0104】
(4)も(1)から(3)と同様に、所定時間の経過に応じて各キャラクタの動きが停止し分割演出態様の中断状態となる。図例では、ダメージを受けた小さな格闘家がうずくまる状態で中断している。この中断状態を受けて遊技者が遊技ボタン14を操作すると、図例では、分割演出態様を次の演出段階の(5)に進行させる前に、予告演出態様(b)を所定時間表示する(S420が肯定判定)。図例の予告演出態様(b)では、主人公が復活した状況を所定時間表示している。
【0105】
予告演出態様(b)の所定時間の表示後、画面の表示内容が(5)の分割演出態様に進行(表示キャラクタの動きが再開し、新たなセリフを表示)する。(5)でも(1)から(4)と同様に、所定時間の経過に応じて各キャラクタの動きが停止し分割演出態様の中断状態となる。図例では、主人公の格闘家がやる気を見せて再び敵の格闘家と相対した状態で中断している。この中断状態を受けて遊技者が遊技ボタン14を操作すると、図例では、分割演出態様を次の演出段階の(6)に進行させる前に、予告演出態様(c)を所定時間表示する(S420が肯定判定)。図例の予告演出態様(c)では、女性が主人公を応援する状況を所定時間表示している。
【0106】
予告演出態様(c)の所定時間の表示後、画面の表示内容が(6)の分割演出態様に進行(表示キャラクタの動きが再開し、新たなセリフを表示)する。(6)でも(1)から(5)と同様に、所定時間の経過に応じて各キャラクタの動きが停止し分割演出態様の中断状態となる。図例では、敵の格闘家が必殺技を繰り出すが主人公がかわした状態で中断している。この中断状態を受けて遊技者が遊技ボタン14を操作すると、図例では、次の演出段階の(7)に進行させる前に、予告演出態様(d)を所定時間表示する(S420が肯定判定)。図例の予告演出態様(c)では、主人公がオーラを発する状況を所定時間表示している。
【0107】
予告演出態様(d)の所定時間の表示後、画面の表示内容が(7)の分割演出態様に進行(表示キャラクタの動きが再開し、新たなセリフを表示)する。(7)でも(1)から(6)と同様に、所定時間の経過に応じて各キャラクタの動きが停止し分割演出態様の中断状態となる。図例では、主人公の格闘家が敵の格闘家に対して必殺技を繰り出した状態で中断している。(7)の分割演出態様の演出進行の段階は、当否判定結果を示す分割演出の直前の段階となり、擬似図柄が確定表示を行った時点で遊技ボタン14の操作が有効となり、該有効後の所定時間中に遊技ボタン14が操作されると、当否判定結果が大当りであれば分割演出態様が(8−1)に進行する。この場合の図例では、主人公が勝利した状態を表示している。当否判定結果がハズレであれば(8−2)に進行する。この場合の図例では、主人公が負けた状態を表示している。
【0108】
以上が実施例1の説明となる。本実施例の分割演出態様では、主人公が、倒されても立ち向かっていく状況が大当りの期待度と重ねられた演出が行われる。また、一連の演出が、複数のポイント(分岐点)で中断されるが、遊技ボタン14の操作に応じて演出を進行させる場合、所定の確率で進行する分割演出を効果的に盛り上げる内容の予告演出態様が所定期間表示される構成となり(「前記予告演出表示手段は、前記予告演出として前記分割演出態様と関連する表示態様を前記演出図柄表示装置に表示する」)、該予告演出態様の出現が大当り期待度の上昇を示唆している。
【0109】
また、変動開始から分割演出を行う態様も考えられ、その場合は、擬似図柄と分割演出を同時に表示することにより、例えば遊技者が分割演出を進行させていない時でも、擬似図柄でリーチが成立すると、遊技者は大当りへの期待が高まるために、そこから遊技ボタン14を操作して分割演出を楽しむことができたりと、分割演出への参加を喚起させる効果も奏する。