【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和1年5月30日 江部松商事株式会社に商品提案書を提出 (2)令和1年6月4日 チラシを作成 (3)令和1年6月5日 ポスターを作成 (4)令和1年6月12日 日本商工会議所に補助金申請書を提出
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記四隅に設けられている前記突部のうち、前記媒体支持面の辺に沿って並ぶ強磁性体で形成された2つの前記突部を第1突部とした場合に、当該第1突部以外の第2突部は、強磁性体以外の素材で形成され、前記第1突部に取り付けられ前記凹部内に磁力を有する留め部材を第1留め部材とし、前記第2突部に取り付けられる前記留め部材を第2留め部材とした場合に、前記第2留め部材は、前記凹部内に磁力を有しておらず、前記凹部の内部全体に前記ネジ溝に螺合するネジ穴が形成され、
前記各第1突部に前記第1留め部材が取り付けられず、前記各第2突部に前記第2留め部材が螺合により取り付けられた状態で前記透過性被覆板が前記支持板に固定されているとき、前記透過性被覆板は、前記第2留め部材により固定されている部分は前記媒体支持面に密着しつつ、前記第1留め部材側の端部が、前記支持板から離れる方向に撓み可能とされ、
前記透過性被覆板には、前記媒体支持面側の面において、前記各第2突部が貫通する前記各穴部よりも、前記各第1突部が貫通する前記各穴部側となる位置に、前記媒体支持面側に向けて突出する係止部材が設けられ、
前記係止部材は、前記透過性被覆板が前記支持板に固定されている状態のときに前記媒体支持面に接触し、前記各第2突部が貫通する前記各穴部が並ぶ方向に延び、前記透過性被覆板の一方の側端部から他方の側端部まで設けられている請求項1又は請求項2に記載の展示用パネル。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る展示用パネルを示す斜視図である。
図2は、
図1の展示用パネルを構成する支持板、突部、透過性被覆板、及び留め部材を分解した状態で示す斜視図である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る展示用パネル1は、支持板2、ネジ3、透過性被覆板4、留め部材5、及び脚部6を備えている。
【0011】
支持板2は、展示対象となるシート状の媒体をその背面から支持する部材である。支持板2は、フレーム21と、支持部材22とを備えている。なお、シート状の媒体とは、ポスター、新聞等の印刷物、写真、書画、手書きの作文、織物など、展示対象となり得る薄手の媒体を全て含む。以下、ポスターをシート状の媒体の一例として説明する。
【0012】
フレーム21は、両側の2本の縦桟211、及び各縦桟211の上下端をそれぞれ連結する横桟212からなる矩形状とされている。フレーム21は、例えばアルミで形成されている。また、フレーム21には、フレーム21を地面上に立てて使用するためにフレーム21を支持する脚部6が取り付けられている。
【0013】
支持部材22は、平板状の部材からなり、展示対象となるポスターが載置されて(立て掛けられて)、当該ポスターを背面から支持するものである。支持部材22は、フレーム21に取り付けられている。支持部材22の大きさは、載置可能にするポスターの大きさ(例えば、定型A1,A0等)に応じて、載置可能にするポスターの大きさよりも一回り大きな形状に形成される。また、本実施形態では、フレーム21は、フレーム21を脚部6により地面に立てたときに下側となる部分が、支持部材22よりも長く形成されている。これは、展示用パネル1により展示されるポスターの位置を地面よりも高くして通行人等にとって視認しやすくするためである。
【0014】
また、支持部材22は、媒体支持面として機能する。支持部材22は、例えば、アルミ複合板により形成される。支持部材22は矩形状とされ、その大きさは、上記のようにフレーム21の矩形形状よりも小さな形状とされる。支持部材22は、コーナー部となる四隅にそれぞれ、ネジ3が貫通する第2穴部223が形成されている。フレーム21には、各第2穴部223と同じ位置に、それぞれ第1穴部213が形成されている。なお、本実施形態では、支持部材22及びフレーム21を別々の部材とし、支持部材22がフレーム21に取り付けられて支持板2が構成されるものとしているが、支持板2は、支持部材22及びフレーム21が分離不可能に一体的に結合したものであってもよい。
【0015】
図1及び
図2に加えて更に
図3を参照してネジ3を説明する。
図3は、ネジ3がフレーム21、支持部材22、及び透過性被覆板4を貫通して取り付けられた状態を示す側面図である。
【0016】
ネジ3は、支持板2の背面側(支持部材22が取り付けられる側とは反対側)から支持板2に取り付けられる。また、ネジ3は、支持部材22がフレーム21に面的に密着して取り付けられた状態で、第1穴部213及び第2穴部223を貫通して、その先端部を支持部材22から突出させた状態でフレーム21に取り付けられる。すなわち、ネジ3は、各第1穴部213及び第2穴部223の全てにそれぞれ取り付けられる。例えば、第1穴部213の内部には、ネジ3の周面に形成されたネジ溝に螺合するネジ穴が形成され、当該ネジ溝とネジ穴の螺合によりネジ3が支持板2に取り付けられる。なお、第2穴部223は、ネジ穴は必要ではなく、ネジ3の先端部を貫通させることができる形状であればよい。
【0017】
ネジ3が、このように支持板2に取り付けられると、支持部材22から突出する先端部31が、特許請求の範囲における突部となる。ネジ3のうち、フレーム21の辺221に沿って並ぶ2つの第1穴部213に取り付けられることになるねじ3は、強磁性体の素材により形成される。当該強磁性体の素材により形成されるネジ3を第1ネジ3Aとする。また、第3ネジ3A以外のネジ3を第2ネジ3Bとする。第2ネジ3Bは、強磁性体である必要はなく、本実施形態では、強磁性体以外の素材により形成される例を示す。また、第1ネジ3A及び第2ネジ3Bの周面には、ネジ溝が形成されている。
【0018】
透過性被覆板4は、可撓性及び透過性を有する素材からなる平板状の部材である。透過性被覆板4は、例えば、厚さ2mmの透明なアクリル板により形成される。透過性被覆板4は、ポスターが載置された状態(ポスターをその背面側から支持した状態)の支持部材22にポスターの表面側から被せて、支持部材22に取り付けられる。透過性被覆板4は、支持部材22に取り付けられたときに突出するネジ3の先端部31に対向する位置に、先端部31を貫通させる第3穴部41が形成されている。すなわち、透過性被覆板4を、支持板2に取り付けるときは、当該第3穴部41に、支持部材22から突出する先端部31を貫通させて取り付ける。
【0019】
留め部材5は、支持部材22に取り付けられた透過性被覆板4の第3穴部41を貫通して突出しているネジ3の先端部31に取り付けられることで、透過性被覆板4を支持板2に固定する。留め部材5には、第1留め部材5A及び第2留め部材5Bがある。留め部材5のうち、強磁性体からなる第1ネジ3Aに取り付けられる留め部材5は、凹部51内に磁力を有する素材が配されている。当該凹部51内に磁力を有する素材が配されている留め部材5を第1留め部材5Aとする。また、留め部材5のうち、第2ネジ3Bに取り付けられる留め部材5が第2留め部材5Bである。
【0020】
図1〜
図3に加えて、更に
図4〜
図6を参照して、留め部材5を更に詳細に説明する。
図4は、ネジ3がフレーム21、支持部材22、及び透過性被覆板4を貫通して取り付けられ、更にネジ3の先端部に留め部材5が取り付けられている状態を示す側面図である。
図5(A)は第1留め部材5Aの凹部51内を示す底面図、(B)は第1留め部材5Aの凹部51内を示す側断面図、(C)は第1留め部材5Aを示す斜視図である。
図6(A)は第2留め部材5Bの凹部51内を示す底面図、(B)は第2留め部材5Bの凹部51内を示す側断面図、(C)は第2留め部材5Bを示す斜視図である。
【0021】
第1留め部材5Aは、ネジ3Aの先端部31が入り込む凹部51を有する。第2留め部材5Bは、ネジ3Bの先端部31が入り込む凹部51を有する。第1留め部材5A及び第2留め部材5Bは、支持部材22に取り付けられた透過性被覆板4の第3穴部41を貫通して突出している先端部31が凹部51に入り込んだ状態で、先端部31に取り付けられる。当該先端部31への第1留め部材5A及び第2留め部材5Bの取付により、透過性被覆板4が支持板2に固定される。
【0022】
図4に示すように、第1留め部材5Aが上記のように取り付けられているときに、凹部51の形状は、透過性被覆板4側となる側面部501から、先端部31が透過性被覆板4から突出する部分の突出量と同じ奥行きまでの第1領域511は、第1ネジ3Aの径(第1ネジ3Aの周面に設けられたねじ溝により形成される径のうち最も大きな径部分)と同じ大きさの径とされ、更に磁力を有する素材が配されている。第1領域511には、ネジ穴が形成されていない。ここでの同じ大きさの径には、第1ネジ3Aの径と同じ大きさの径及び若干大きな径の両方を含むものとする。
【0023】
また、凹部51の形状は、先端部31が透過性被覆板4から突出する部分を越える奥行き部分となる第2領域512には、第1ネジ3Aのネジ溝に螺合するネジ穴が形成されている。
【0024】
これにより、第1留め部材5Aを第1ネジ3Aの先端部31に被せると、凹部51内の第1領域511に先端部31が入り込むが、このとき、第1領域511は、ネジ穴を有しておらず、先端部31径と同じ大きさの径を有しているため、第1領域511が先端部31のネジ溝に螺合することなく、先端部31は第1領域511をスムーズに通過する。先端部31の最先端部分が凹部51内の第2領域512に差し掛かると、第2領域512はネジ穴が形成されているため、第1留め部材5Aを回転させることなく第1ネジ3Aの先端部31に被せるだけでは、この時点で、先端部31の最先端部分1が第2領域512に引っ掛かり、先端部31はこれ以上第2領域512に入り込まない。
【0025】
しかしながら、第1留め部材5Aの凹部51内は磁力を有し、先端部31は強磁性体からなるため、当該磁力により第1留め部材5Aは先端部31に固着する。これにより、フレーム21に取り付けられていた支持部材22及び透過性被覆板4は、第1ネジ3Aから外れる方向への動きが抑制されるため、フレーム21に固定される。すなわち、ユーザーは、第1留め部材5Aを回転させることなく、凹部51内に先端部31を入り込ませて、第1ネジ3Aに被せるだけで、第1留め部材5Aを第1ネジ3Aに固着した状態で取り付けることができ、更に、フレーム21に支持部材22及び透過性被覆板4を固定することができる。このため、支持部材22にポスターを支持させた上で、このようにして透過性被覆板4を支持部材22に取り付けると、簡単に支持部材22及び透過性被覆板4によりポスターを挟持させることができ、展示可能にポスターを保持することができる。なお、本実施形態では、支持部材22は、アルミ複合板により形成されているため、第1留め部材5Aによる磁力では、第1留め部材5A及び支持部材22は吸着しない。
【0026】
上記のように、先端部31の最先端部分が凹部51内の第2領域512に差し掛かって、磁力により第1留め部材5Aは先端部31に固着している状態から、更に、ユーザーが、第1留め部材5Aを回転させると、先端部31のネジ溝に対して第2領域512のネジ穴が螺合して、先端部31は第2領域512に入り込んでいく。すなわち、
図4に示すように、第1留め部材5Aは、当該螺合により第1ネジ3Aと係止し、当該係止により、第1留め部材5Aは、上記磁力による固着に加えて、更に強固に第1ネジ3Aに固着する。なお、ネジ穴を有する第2領域512は、第1ネジ3Aの先端部31の一部である最先端部にのみ螺合する大きさで設けられている。
【0027】
なお、先端部31が延びる方向における第2領域512の長さは、例えば、第1留め部材5Aを回転させたときに、上記螺合を半回転〜1回転未満で行うことが可能な長さに設定されることが好ましい。この設定により、螺合のために必要な作業を削減しつつ、上記固着に必要な係止を確保する。
【0028】
従って、ユーザーは、支持板2に透過性被覆板4を簡単な作業で取り付けたいときには、第1留め部材5Aを回転させることなく先端部31に被せて、先端部31を第2領域512に螺合させないことを選択でき、一方、更に強固に支持板2に透過性被覆板4を取り付けたいときには、上記のように第1留め部材5Aを回転させることなく先端部31に被せた状態から、更に第1留め部材5Aを回転させて、螺合により先端部31に第1留め部材5Aを係止させることを選択できる。どちらを選択しても、凹部51の長さ方向全域に設けたネジ穴を先端部31に螺合させる従来の場合よりも、簡単に支持板2に透過性被覆板4を取り付けることができる。
【0029】
一方、第2留め部材5Bは、
図7に示すように、第2ネジ3Bが透過性被覆板4から突出している先端部31部分を凹部51に入り込ませて第2ネジ3Bに取り付けられる。
図7は、第2ネジ3Bがフレーム21、支持部材22、及び透過性被覆板4を貫通して取り付けられ、更に第2ネジ3Bの先端部31に第2留め部材5Bが取り付けられている内部状態を示す側面図である。
【0030】
第2留め部材5Bの凹部51の内壁には、第2ネジ3Bに螺合する形状のネジ穴が凹部51の長さ方向全体に亘って形成されているため、ユーザーが第2留め部材5Bをその凹部51内に先端部31を入り込ませてきには第2留め部材5Bを回転させて、凹部51と先端部31とを螺合させる必要がある。この螺合により、第2留め部材5Bは凹部51の内部が全体的に第2ネジ3Bの先端部31に係止される。
【0031】
更に、透過性被覆板4には、支持部材22に対向する側の面において、各第2ネジ3Bが貫通する各穴部41よりも、各第1ネジ3Aが貫通する各穴部41側となる位置に、係止部材45が設けられている(
図1〜
図4,
図7参照)。係止部材45は、
図1及び
図2に示すように、各第2ネジ3Bが並ぶ方向に延び、更に、透過性被覆板4の一方の側端部から他方の側端部まで延びる帯状の突出部である。
図7及び
図8に示すように、係止部材45は、支持部材22に向かって突出し、第2留め部材5Bの第2ネジ3Bへの取付により透過性被覆板4が支持板2に固定されている状態のときに、支持部材22に接触する突出量で突出している。
【0032】
次に、ユーザーによる展示用パネル1へのポスターの取付方法を説明する。
【0033】
展示用パネル1は、フレーム21には既に支持部材22が取り付けられており、その背面側から第1ネジ3Aが、対応する各穴部213,223にそれぞれ挿し入れられ、第1ネジ3Aの先端部31がフレーム21の表面側から突出し、更に、フレーム21の背面側から第2ネジ3Bが、対応する各穴部213,223にそれぞれ挿し入れられ、第2ネジ3Bの先端部31がフレーム21の表面側から突出した状態で出荷される。ユーザーは、展示用パネル1の使用時、最初に、支持板2を脚部6により地面上に立て、この状態の支持板2に透過性被覆板4を取り付ける。そして、透過性被覆板4の各穴部41に、対応する第1ネジ3A又は第2ネジ3Bを貫通させて、透過性被覆板4を支持板2に取り付ける。このとき、係止部材45が設けられている面を支持板2側に向けて、透過性被覆板4を支持板2に取り付ける。
【0034】
続いて、第2ネジ3Bが透過性被覆板4から突出している先端部31に第2留め部材5Bを被せて、先端部31を第2留め部材5Bの凹部51に入り込ませる。この状態でユーザーは、第2留め部材5Bを回転させて凹部51と先端部31とを螺合させ、第2留め部材5Bは凹部51の内部全体を第2ネジ3Bの先端部31に係止させる。これにより、支持板2に透過性被覆板4を固定させる。
【0035】
この状態では、透過性被覆板4は、支持板2に対して、第2ネジ3Bが貫通する穴部41の部分でのみ固定され、第1ネジ3Aが貫通する穴部41の部分では固定されていない。ここで、ユーザーが、透過性被覆板4における第1ネジ3Aが貫通する穴部41側の端縁部(本実施形態では上端部)を持ち、支持板2から離れる方向に当該端縁部を移動させると、透過性被覆板4は、可撓性を有するため、透過性被覆板4は、
図8に示すように撓む。これにより、第2ネジ3Bが貫通する穴部41の部分でのみ透過性被覆板4が支持板2に固定され、透過性被覆板4の上記端縁部側においては、透過性被覆板4と支持板2の間の空間が拡がる。
【0036】
透過性被覆板4と支持板2の間の空間を拡げた状態で、ユーザーは、当該拡がった空間から、すなわち、透過性被覆板4及び支持板2の上方から、透過性被覆板4と支持板2の間に、展示対象とするポスターを挿し入れる。
【0037】
このようにポスターを挿し入れると、透過性被覆板4及び支持板2の上方から挿し入れたポスターは、重力により下方に落ちていき、ポスターの下端部は、係止部材45に当接する位置で止まる。ここで、係止部材45は、ポスターの定型大きさに応じて、透過性被覆板4における高さ位置が設定されている。例えば、A1版ポスターの場合、その下端部が係止部材45の上に載って下方への移動が止められているときに、その上端部が透過性被覆板4及び支持部材22等の上端部よりも下方であって、第1ネジ3Aが貫通する穴部41よりも下方の位置となるように、係止部材45の高さ位置が設定されている。このため、透過性被覆板4及び支持板2の上部から挿し入れたポスターは、係止部材45により下端部が支持され、
図1に示すように、当該ポスターを透過性被覆板4の中央付近に配置させることが可能になる。
【0038】
このようにポスターを配置した状態で、ユーザーは、第1ネジ3Aの先端部31に、第1留め部材5Aを回転させることなく被せる。これにより、第1留め部材5Aの凹部51内の磁力により、第1留め部材5Aは先端部31に固着し、支持板2に透過性被覆板4が固定され、支持板2及び透過性被覆板4による挟持でポスターが保持される。
【0039】
このようにしておくと、ポスターを更に取り換えるときにも、第1ネジ3Aから第1留め部材5Aを取り外す作業が簡単である。第1留め部材5Aは先端部31に螺合によっては固着しておらず磁力のみによる固着であるため、先端部31からの第1留め部材5Aの取り外しは、第1留め部材5Aを回転させる作業は必要ではなく単に引き抜くだけでよい。また、透過性被覆板4及び支持板2の上方から挿し入れたポスターは、重力により下方に落ちていき、係止部材45により位置決めされるため、ユーザーによるポスターの配置調整作業は僅かなもので足りる。このため、ユーザーは、ポスターを取り換えるときに、第1ネジ3Aから第1留め部材5Aを簡単に取り外し、
図8に示すように、ポスター取り出しのための空間を、支持板2及び透過性被覆板4の間に容易に作ることができ、短時間でポスターを入れ換えることができる。なお、第1留め部材5Aが、磁力を有する第1領域のみを有し、ネジ穴を有する第2領域を備えない構成も、本発明の一実施形態となる。
【0040】
また、このような展示用パネル1では、ユーザーは、係止部材45の上にポスターの下端部を載置させた状態で、透過性被覆板4及び支持板2の間に、複数枚のポスターを入れて収納しておくことが可能である。このように複数枚のポスターを入れておけば、ユーザーは、ポスター取り換えのために、第1ネジ3Aから第1留め部材5Aを取り外し、透過性被覆板4を撓ませて、ポスター取り出しのための空間を支持板2及び透過性被覆板4の間に作ったとき、当該複数枚のポスターのうち、最前面とされている1枚目のポスターを、その裏側に収納されているいずれかのポスターと入れ換えることで、簡単にポスターを入れ換えることができる。
【0041】
また、ユーザーが、更に強固に支持板2に透過性被覆板4を取り付けたいときには、このように第1留め部材5Aを先端部31に取り付けた状態から、第1留め部材5Aを回転させて、上記螺合により先端部31に第1留め部材5Aを係止させる。これにより、透過性被覆板4が支持板2に更に強固に固定される。この場合も、先端部31に対して凹部51の奥行き全域に設けたネジ穴を螺合させる従来の場合よりも、簡単に透過性被覆板4を支持板2に取り付けることができ、ポスターを取り換えるときにおける、第1ネジ3Aから第1留め部材5Aを取り外す作業も簡単に行える。
【0042】
図7に示すように、透過性被覆板4には、支持部材22に対向する側の面において、各第2ネジ3Bが貫通する各穴部41よりも、各第1ネジ3Aが貫通する各穴部41側となる位置に、係止部材45が設けられているため、
図4に示すように、透過性被覆板4における各第1ネジ3Aが貫通する各穴部41部分では、若干の空隙を有することになる。このため、磁力のみで第1留め部材5Aが先端部31に固着している状態から、ユーザーが、第1留め部材5Aを回転させて上記螺合により先端部31に第1留め部材5Aを係止させても、透過性被覆板4が支持板2側に撓むことができるため、第1留め部材5Aの凹部51内における第2領域512まで、第ネジ3Aの先端部31が入り込むことが可能である。
【0043】
また、例えば、従来の展示用パネルでは、磁力を有するビスが台板又は枠体と吸着することで、ポスターを挟み込んで透明プラスチック板を台板に固定する構成を採るため、台板をスチール製等の強磁性体の素材で形成する必要があり、重量化及びユーザーによる取り扱い難さの要因となり、当該磁力を有するビスは、透明プラスチック板を挟んで台板又は枠体と吸着する必要があるために透明プラスチック板の厚さが制限されるという問題があったが、本発明の上記実施形態によれば、そのような問題は解消され、重量化及びユーザーによる取り扱い難さを招くことなく、透過性被覆板4の厚さ設定の自由度を確保した上で、ポスター取り換えの作業を更に効率良く行うことが可能である。本発明の上記実施形態では、第1留め部材5Aは、第1ネジ3Aに磁力で吸着するため、透過性被覆板4の厚さを例えば強度確保のために厚くしたとしても、支持板2に対して透過性被覆板4を確実に固定することとができる。
【0044】
なお、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、支持板2を脚部6により地面上に立てて展示用パネル1を使用する形態を示しているが、本発明に係る展示用パネル1は当該形態に限定されない。例えば、展示用パネル1は脚部6を備えず、支持板2自身が自立して使用される、或いは、支持板2が壁面に取り付けられて使用されるものであってもよい。この場合、フレーム21、支持部材22、及び透過性被覆部材は、同じ大きさであることが好ましい。なお、支持板2にフレーム21は必要ではなく、支持部材22のみで支持板2が構成され、支持部材22に各ネジ3が取り付けられるものとしてもよい。すなわち、支持部材22のみで支持板2が構成される形態も本発明に係る展示用パネル1の一実施形態となる。
【0045】
また、上記実施形態では、支持板2を脚部6により地面上に立てて展示用パネル1を使用し、第1ネジ3A及び第1留め部材5Aが上側で、第2ネジ3B及び第2留め部材5Bが下側となり、係止部材45が透過性被覆板4の下部に設けられている形態を示しているが、これに限られず、支持板2が壁面に取り付けられて展示用パネル1が使用される等の場合には、第1ネジ3A及び第1留め部材5Aが展示用パネル1の一方の側部側とされ、第2ネジ3B及び第2留め部材5Bが他方の側部側とされ、係止部材45が透過性被覆板4において第2ネジ3B及び第2留め部材5B側に設けられる形態を採用してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、ネジ3は、支持部材22の四隅に設けられるものとしているが、四隅への配設に限定されず、展示用パネル1は、ネジ3は支持部材22において複数箇所に設けられておればよく、当該複数箇所に設けられているネジ3のうち、少なくとも1つのネジ3がネジ3Aとして強磁性体で形成され、この第1ネジ3Aに、磁力を有する第1留め部材5Aが取り付けられるものであってもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、支持部材22に設けられたネジ3のうち、その一部が強磁性体からなる第1ネジ3Aとされ、他のネジが強磁性体ではない第2ネジ3Bとされ、第1ネジ3Aには磁力を有する第1留め部材5Aが取り付けられ、第2ネジ3Bにはネジ穴を凹部51の全域に有する第2留め部材5Bが取り付けられる形態を示しているが、本発明は、これに限られず、支持部材22に設けられたネジ3の全てが強磁性体からなる第1ネジ3Aであり、第1ネジ3Aの全てに、磁力を有する第1留め部材5Aが取り付けられる形態でもよい。すなわち、第2ネジ3B及び第2留め部材5Bに代えて、第1ネジ3A及び第1留め部材5Aを用いても、支持板3に対する透過性被覆板4の固定に必要な固定力は確保可能である。
【0048】
また、上記実施形態において、
図1乃至
図8を用いて説明した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【解決手段】展示用パネル1は、展示対象となるシート状の媒体としてのポスターを背面から支持する支持板2と、支持板2における支持部材22の複数箇所に支持部材22から突出してそれぞれ設けられるネジ3と、可撓性及び透過性を有し、ポスターを支持した状態の支持部材22にポスターの表面側から被せて取り付けられる透過性被覆板4と、ネジ3が入り込む凹部51を有して、支持部材22に取り付けられた透過性被覆板4を貫通したネジ3が凹部51に入り込んだ状態でネジ3に取り付けられ、透過性被覆板4を支持板2に固定する留め部材5とを備える。上記ネジ3のうち、少なくとも1つのネジ3は強磁性体で形成され、留め部材5のうち、当該強磁性体で形成されたネジ3に取り付けられる留め部材5は凹部51内に磁力を有する。