(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6609802
(24)【登録日】2019年11月8日
(45)【発行日】2019年11月27日
(54)【発明の名称】液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/36 20060101AFI20191118BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20191118BHJP
G02F 1/133 20060101ALI20191118BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/20 623C
G09G3/20 641Q
G09G3/20 642J
G09G3/20 650M
G09G3/20 623W
G09G3/20 612U
G09G3/20 631V
G02F1/133 575
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-522841(P2017-522841)
(86)(22)【出願日】2014年11月12日
(65)【公表番号】特表2017-538149(P2017-538149A)
(43)【公表日】2017年12月21日
(86)【国際出願番号】CN2014090936
(87)【国際公開番号】WO2016070448
(87)【国際公開日】20160512
【審査請求日】2017年6月12日
(31)【優先権主張番号】201410626054.9
(32)【優先日】2014年11月7日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515203228
【氏名又は名称】深▲せん▼市華星光電技術有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100143720
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 耕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100080252
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 征四郎
(72)【発明者】
【氏名】康志聰
(72)【発明者】
【氏名】陳黎暄
【審査官】
橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2010/073687(WO,A1)
【文献】
特開2003−295160(JP,A)
【文献】
特開2005−352483(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/056574(WO,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0036718(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/36
G02F 1/133
G09G 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法であって、
各画素ユニットが少なくとも青色サブ画素からなる複数の画素ユニットを備える液晶パネルを提供する手順と、
前記液晶パネルを、隣接する第1画素ユニットと第2画素ユニットとからなる複数の表示ユニットに分割する手順と、
前記表示ユニットを単位として青色サブ画素のグレースケール値GBkが与えられたときに、前記第1画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBHkと、前記第2画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBLkと、の組み合わせに分割する手順と、からなり、
前記表示ユニットを単位として青色サブ画素のグレースケール値GBkが与えられたときに、前記第1画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBHkと、前記第2画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBLkと、の組み合わせに分割する手順は、具体的にS101,S102,S103,S104,S105からなり、
S101は、前記青色サブ画素の正視角度αにおける実際の輝度Lv(実)α(GBk)とグレースケール値GBkの関係曲線GBk−Lv(実)α(GBk)を得る手順であり、
S102は、前記青色サブ画素の斜視角度βにおける実際の輝度Lv(実)α(GBk)とグレースケール値GBkの関係曲線GBk−Lv(実)β(GBk)を得る手順であり、
S103は、
(GBk/255)γ=Lv(理)α(GBk)/Lv(実)α(255)
(GBk/255)γ=Lv(理)β(GBk)/Lv(実)β(255)
に基づき計算し、前記青色サブ画素の正視角度α及び斜視角度βにおける理論上の輝度Lv(理)α(GBk)、Lv(理)β(GBk)とグレースケール値GBkとの関係曲線GBk−Lv(理)α(GBk)及びGBk−Lv(理)β(GBk)を得る手順であり、
S104は、前記表示ユニットに必要な青色サブ画素のグレースケール値GBkについて、前記第1画素ユニット内の青色サブ画素に入力するグレースケール値GBHkと、前記第2画素ユニット内の青色サブ画素に入力するグレースケール値GBLkと、を以下の関係式
Δ1k=Lv(理)α(GBk)+Lv(理)α(GBk)−Lv(実)α(GBHk)−Lv(実)α(GBLk)
Δ2k=Lv(理)β(GBk)+Lv(理)β(GBk)−Lv(実)β(GBHk)−Lv(実)β(GBLk)
y=Δ1k2+Δ2k2
においてyが最小値をとるように、各グレースケール値GBkに対するGBHkとGBLkとの組み合わせ(GBHk、GBLk)を求め、
S105は、前記表示ユニットを単位として与えられる青色サブ画素の各グレースケール値GBkについて、手順S104に基づき、対応する一つのグレースケール値GBHk及びGBLkの組み合わせを得て、前記液晶パネルの青色サブ画素についての表示ルックアップテーブルLUTを新たに設定する手順である、
ことを特徴とする液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法。
なお、添字のkは序数であり、GBkは青色サブ画素に与えるグレースケール値であって、kが0〜255のとき、GBkは0〜255であり、
Lv(実)α(GBHk)は{Lv(実)α(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値であり、
Lv(実)α(GBLk)は{Lv(実)α(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値であり、
Lv(実)β(GBHk)は{Lv(実)β(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値であり、
Lv(実)β(GBLk)は{Lv(実)β(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値である。
ただし、Lv(実)α(GBHk)とLv(実)β(GBHk)とはGBHkを共通の引数としているのでGBHkの値が決まれば、Lv(実)α(GBHk)とLv(実)β(GBHk)の値は決まるし、
Lv(実)α(GBLk)とLv(実)β(GBLk)とはGBLkを共通の引数としているのでGBLkの値が決まれば、Lv(実)α(GBLk)とLv(実)β(GBLk)の値は決まる。
また、前記正視角度αは、0°であり、前記斜視角度βは、30〜80°であり、
γ=1.8〜2.4である。
【請求項2】
請求項1に記載の液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法において、
前記斜視角度βは、60°である
ことを特徴とする液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法。
【請求項3】
請求項1に記載の液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法において、
前記画素ユニットは、さらに、赤色サブ画素及び緑色サブ画素を備え、青色サブ画素のデータパラメータを新たに設定した時、赤色サブ画素及び緑色サブ画素のデータ信号は不変を維持する、
ことを特徴とする液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法。
【請求項4】
請求項1に記載の液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法において、
γ=2.2である
ことを特徴とする液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ技術に関し、特に、液晶パネ
ルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイは、LCD(Liquid Crystal Display)とも呼ばれ、超薄型の平面ディスプレイ装置と、一定数のカラーまたはモノクロ画素からなり、光源または反射板の前方に配置される。
液晶ディスプレイは、低消費電力であり、且つ、高画質で、場所をとらず、重さも軽いといった特色を備えているため、いっそう人気を博しており、ディスプレイの主流となっている。
液晶ディスプレイはすでに各種電子製品において広く使用されており、例えば、ディスプレイ画面を備えたコンピューター装置や、携帯電話、あるいはデジタルフォトフレームなど、広視野角の技術は、現在液晶ディスプレイの開発の重点の一つになっている。
しかしながら、側面または斜めから見る視野角が大き過ぎると、広視野角の液晶ディスプレイは、よくカラ
ーシフト(color shift)現象が発生する。
【0003】
広視野角の液晶ディスプレイに発生するカラ
ーシフト現象の問題に関しては、現在業界中で2D1G技術を用いて改善するようになった。
2D1G技術は、液晶パネルのうち、各画素ユニット(pixel)を面積の異なるメイン画素区域(Main pixel)及びサブ画素区域(Sub pixel)に分け、同じ画素ユニット中のメイン画素区域及びサブ画素区域を異なるデータ線(Dat
a line)及び同じ走査線(Gat
e line)とに接続する技術のことを指す。
メイン画素区域及びサブ画素区域に入力する異なるデータ信号(異なるグレースケール値)によって、異なる表示輝度及び斜視輝度を作り出し、側面または斜めから見た時に生じるカラ
ーシフトの問題を抑えることができる。
ただし、各画素ユニットを、メイン画素区域及びサブ画素区域に分割すると、その入力データ信号のデータ線の数量は元の二倍になり、これにより、液晶パネルの開口率が大幅に減り、透過率に影響するため、液晶パネルの表示品質が下がってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、液晶パネルの駆動方法を変え、従来のRGB三画素液晶パネル内で2D1Gパネルの表示をシミュレーションすることで、側面または斜めから見た時に起こるカラ
ーシフトの問題を抑えることができ
る液晶パネ
ルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法は、
各画素ユニットが少なくとも青色サブ画素からなる複数の画素ユニットを備える液晶パネルを提供する手順と、
前記液晶パネルを、隣接する第1画素ユニットと第2画素ユニットとからなる複数の表示ユニットに分割する手順と、
前記表示ユニットを単位として青色サブ画素のグレースケール値GBkが与えられたときに、前記第1画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBHkと、前記第2画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBLkと、の組み合わせに分割する手順と、からなり、
前記表示ユニットを単位として青色サブ画素のグレースケール値GBkが与えられたときに、前記第1画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBHkと、前記第2画素ユニット内の青色サブ画素に与えるグレースケール値GBLkと、の組み合わせに分割する手順は、具体的にS101,S102,S103,S104,S105からなり、
S101は、前記青色サブ画素の正視角度αにおける実際の輝度Lv(実)α(GBk)とグレースケール値GBkの関係曲線GBk−Lv(実)α(GBk)を得る手順であり、
S102は、前記青色サブ画素の斜視角度βにおける実際の輝度Lv(実)α(GBk)とグレースケール値GBkの関係曲線GBk−Lv(実)β(GBk)を得る手順であり、
S103は、
(GBk/255)γ=Lv(理)α(GBk)/Lv(実)α(255)
(GBk/255)γ=Lv(理)β(GBk)/Lv(実)β(255)
に基づき計算し、前記青色サブ画素の正視角度α及び斜視角度βにおける理論上の輝度Lv(理)α(GBk)、Lv(理)β(GBk)とグレースケール値GBkとの関係曲線GBk−Lv(理)α(GBk)及びGBk−Lv(理)β(GBk)を得る手順であり、
S104は、前記表示ユニットに必要な青色サブ画素のグレースケール値GBkについて、前記第1画素ユニット内の青色サブ画素に入力するグレースケール値GBHkと、前記第2画素ユニット内の青色サブ画素に入力するグレースケール値GBLkと、を以下の関係式
Δ1k=Lv(理)α(GBk)+Lv(理)α(GBk)−Lv(実)α(GBHk)−Lv(実)α(GBLk)
Δ2k=Lv(理)β(GBk)+Lv(理)β(GBk)−Lv(実)β(GBHk)−Lv(実)β(GBLk)
y=Δ1k2+Δ2k2
においてyが最小値をとるように、各グレースケール値GBkに対するGBHkとGBLkとの組み合わせ(GBHk、GBLk)を求め、
S105は、前記表示ユニットを単位として与えられる青色サブ画素の各グレースケール値GBkについて、手順S104に基づき、対応する一つのグレースケール値GBHk及びGBLkの組み合わせを得て、前記液晶パネルの青色サブ画素についての表示ルックアップテーブルLUTを新たに設定する手順である、
ことを特徴とする液晶パネルの青色サブ画素のグレースケール値の設定方法。
なお、添字のkは序数であり、GBkは青色サブ画素に与えるグレースケール値であって、kが0〜255のとき、GBkは0〜255であり、
Lv(実)α(GBHk)は{Lv(実)α(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値であり、
Lv(実)α(GBLk)は{Lv(実)α(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値であり、
Lv(実)β(GBHk)は{Lv(実)β(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値であり、
Lv(実)β(GBLk)は{Lv(実)β(GBk)}のなかか選択される1つの輝度値である。
ただし、Lv(実)α(GBHk)とLv(実)β(GBHk)とはGBHkを共通の引数としているのでGBHkの値が決まれば、Lv(実)α(GBHk)とLv(実)β(GBHk)の値は決まるし、
Lv(実)α(GBLk)とLv(実)β(GBLk)とはGBLkを共通の引数としているのでGBLkの値が決まれば、Lv(実)α(GBLk)とLv(実)β(GBLk)の値は決まる。
また、前記正視角度αは、0°であり、前記斜視角度βは、30〜80°であり、
γ=1.8〜2.4である。
【発明の効果】
【0006】
本発明が提供する液晶パネル及びその駆動方法は、従来のRGB三画素液晶パネル内で、その駆動方法を変えて、2D1Gパネルの表示をシミュレーションすることで、側面または斜めから見た時に起こるカラ
ーシフトの問題を抑えるとともに、液晶パネルの開口率が小さくならず、液晶パネルの表示品質を保障することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本発明の実施例が提供する液晶パネルの構造の概略図である。
【
図2】本発明の実施例が提供する液晶パネル内の表示ユニットを分割した例示図である。
【
図3】本発明の実施例が提供する駆動方法において、表示ユニットにデータ信号を提供する例示図である。
【
図4】本発明の実施例が提供する液晶パネル内の青色サブ画素及び緑色サブ画素の正視角度及び斜視角度における実際の輝度曲線図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の目的、また技術手段及び長所をより理解させるために、以下では、実施例と図を示して、本発明について詳しく説明する。
【0009】
図1を参照する。
従来の液晶パネルは主に、複数の画素ユニット5a、5bを備える表示エリア1と、ゲートドライバ2と、ソースドライバ3と、からなる。
前記ゲートドライバ2は、複数本の走査線を通して前記画素ユニット5a、5bに走査信号を提供し、前記ソースドライバ3は、複数本のデータ線を通して前記画素ユニット5a、5bにデータ信号を提供する。
そのうち
、画素ユニット5
aは、赤色サブ画素51と、緑色サブ画素52と、青色サブ画素53
Hと、からなる。
各画素ユニット5bは、赤色サブ画素51と、緑色サブ画素52と、青色サブ画素53Lと、からなる。
【0010】
本実施例は、液晶パネルの駆動方法を変えることで、前記の従来のRGB三画素液晶パネルで、2D1Gパネルの表示をシミュレーションし、側面または斜めから見た場合に起こるカラ
ーシフトの問題を抑えることを目的とする。
【0011】
上記の目的を達成するため、本発明が提供する液晶パネルは、
図1及び
図2が示すように、まず液晶パネルの表示エリア1を複数の表示ユニット4に分割する。
各表示ユニット4は、隣接する第
1画素ユニット5
aと、
第2画素ユニット5bと、からなる。
前記液晶パネルを駆動する時、表示ユニット4に必要な青色サブ画素53
H、53Lのグレースケール値
GBについては、
第1画素ユニット5aの青色サブ画素53
Hにグレースケール値
GBHを提供し、
前記
第2画素ユニット5bの青色サブ画素53
Lにグレースケール値
GBLを提供する。
そのうち、グレースケール値
GBH及び
GBLの組み合わせにより、前記表示ユニット
4の青色サブ画素53
H、53Lの斜視角度における輝度曲線を、所定のGamma(γ)曲線に近づけることができる。
そのうち、Gamma(γ)曲線は、実際の液晶パネルの必要に基づいて確定し、γの値は、1.8〜2.4とすることができる。
図3は表示ユニット4にデータ信号を入力した例示図である。
図3に示すように、表示ユニット4の二つの画素ユニット5a及び5bにおいて、青色サブ画素53
H、53Lの
グレースケール値GBH及び
GBLを新たに設定した時
、赤色サブ画素51のデータ信号R及びGは不変を維持する。
【0012】
そのうち、前記正視角度αは0°であり、前記斜視角度βの範
囲は30
°〜80°である。
【0013】
そのうち、
図1−3の概略図を参照する。
グレースケール値
GBをグレースケール値
GBH及び
GBLの組み合わせに分割する手順は、具体的に、S101,S102,S103,S104,S105,からなる
。
【0014】
S101は、前記液晶パネルの青色サブ画素53
H、53Lの正視角
度αにおける実際の輝度
Lv(実)α(GBk)とグレースケール
値GBkの関係曲線
GBk−Lv(実)α(GBk)を得る手順である。
添字のkは序数であって、GBkは青色サブ画素53に与えるグレースケール値である。
例えば、kが0〜255のとき、GBkの値は0〜255である。
青色サブ画素53Hと青色サブ画素53Lとは、表示特性としては同じものであるから、グレースケール値GBkに対応する青色サブ画素53の実際の輝度Lv(実)α(GBk)を得るにあたっては青色サブ画素53Hと青色サブ画素53Lとのうちのいずれか一方を代表させて使用するものとする。
【0015】
S102は、前記液晶パネルの青色サブ画素53の斜視角度βにおける実際の輝度
Lv(実)β(GBk)とグレースケール
値GBkの関係曲線
GBk−Lv(実)β(GBk)を得る手順である。
同じく、添字のkは序数であって、GBkは青色サブ画素53に与えるグレースケール値である。
例えば、kが0〜255のとき、GBkの値は0〜255である。
青色サブ画素53Hと青色サブ画素53Lとは、表示特性としては同じものであるから、グレースケール値GBkに対応する青色サブ画素53の実際の輝度Lv(実)β(GBk)を得るにあたっては青色サブ画素53Hと青色サブ画素53Lとのうちのいずれか一方を代表させて使用するものとする。
【0016】
S103は
、
(GBk/255)γ=Lv(理)α(GBk)/Lv(実)α(255)
(GBk/255)γ=Lv(理)β(GBk)/Lv(実)β(255)
に基づいて計算し、
前記液晶パネルの青色サブ画素
53の正視角度α及び斜視角度βにおける理論上の輝度
Lv(理)α(GBk)、Lv(理)β(GBk)とグレースケール
値GBkとの関係曲線
GBk−Lv(理)α(GBk)及び
GBk−Lv(理)β(GBk)を得る手順である。
【0017】
S104は
、表示ユニット4に必要な青色サブ画
素のグレースケール値
GB
kに
対して、
第1画素ユニット5a内の青色サブ画素53
Hに入力
するグレースケール値
GBH
kと、
第2画素ユニット5b内の青色サブ画素53
Lに入力
するグレースケール値
GBL
kと、を以下の関係式
で求める手順である。
第1画素ユニット5a内の青色サブ画素53Hに入力するグレースケール値をGBHkと表わし、第2画素ユニット5b内の青色サブ画素53Lに入力するグレースケール値をGBLkと表わすとする。
GBHk、GBLkはグレースケール値であって、すなわち、GBHk、GBLkは例えば0〜255のいずれかの値である。
そして、
正視角度αにおいて、第1画素ユニット5a内の青色サブ画素53Hにグレースケール値GBHkを入力したときの青色サブ画素53Hの輝度を輝度Lv(実)α(GBHk)で表わす。
正視角度αにおいて、第2画素ユニット5b内の青色サブ画素53Lにグレースケール値GBLkを入力したときの青色サブ画素53Lの輝度を輝度Lv(実)α(GBLk)で表わす。
斜視角度βにおいて、第1画素ユニット5a内の青色サブ画素53Hにグレースケール値GBHkを入力したときの青色サブ画素53Hの輝度を輝度Lv(実)β(GBHk)で表わす。
斜視角度βにおいて、第2画素ユニット5b内の青色サブ画素53Lにグレースケール値GBLkを入力したときの青色サブ画素53Lの輝度を輝度Lv(実)β(GBLk)で表わす。
そして、表示ユニット4を単位として与えられる青色サブ画素のグレースケール値GBkに対して、青色サブ画素53Hのグレースケール値GBHkと青色サブ画素53Lのグレースケール値GBLkとの組み合わせ(GBHk、GBLk)を求める。
【0018】
ここで、Lv(実)α(GBHk)は{Lv(実)α(0)、Lv(実)α(1)、・・・Lv(実)α(255)}であって、グレースケール値GBHkに対応する青色サブ画素53Hの実際の輝度がLv(実)α(GBHk)ということである。
この表記に従って、例えば、次のように解釈されたい。
Lv(実)α(GBHk)は{Lv(実)α(GBk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)α(GBHk)は{Lv(実)α(GBk)}のなかか選択される1つの値(輝度値)である。
同じく、Lv(実)α(GBLk)は{Lv(実)α(GBk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)α(GBLk)は{Lv(実)α(GBk)}のなかか選択される1つの値(輝度値)である。
Lv(実)β(GBHk)は{Lv(実)β(GBk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)β(GBHk)は{Lv(実)β(GBk)}のなかか選択される1つの値(輝度値)である。
同じく、Lv(実)β(GBLk)は{Lv(実)β(GBk)}と同じであり、すなわち、Lv(実)β(GBLk)は{Lv(実)β(GBk)}のなかか選択される1つの値(輝度値)である。
【0019】
いま、表示ユニット4を単位として青色サブ画素のグレースケール値GBkが与えられたときに、青色サブ画素53Hのグレースケール値GBHkと青色サブ画素53Lのグレースケール値GBLkとの組み合わせ(GBHk、GBLk)を次の式で設定することにより、正視角度αと斜視角度βにおいて、実際の輝度と理論輝度との差の和が最小になるようにする。
【0020】
Δ1k=Lv(理)α(GBk)+Lv(理)α(GBk)−Lv(実)α(GBHk)−Lv(実)α(GBLk)
Δ2k=Lv(理)β(GBk)+Lv(理)β(GBk)−Lv(実)β(GBHk)−Lv(実)β(GBLk)
y=Δ1k2+Δ2k2
【0021】
表示ユニット4を単位として与えられた青色サブ画素のグレースケール値GBkに対して、yが最小値
となるときの青色サブ画素53Hのグレースケール値GBHkと青色サブ画素53Lのグレースケール値GBLkとの組み合わせ(GBHk、GBLk)を求める。
なお、Lv(実)α(GBHk)とLv(実)β(GBHk)とはGBHkを共通の引数としているのでGBHkの値が決まれば、Lv(実)α(GBHk)とLv(実)β(GBHk)の値は決まる。
同じく、Lv(実)α(GBLk)とLv(実)β(GBLk)とはGBLkを共通の引数としているのでGBLkの値が決まれば、Lv(実)α(GBLk)とLv(実)β(GBLk)の値は決まる。
【0022】
S105は
、表示ユニット4
の青色サブ画素53の各グレースケール値
GB
kについて、手順S104に基づき、対応する一つのグレースケール値
GBH
k及び
GBL
kの組み合わせを得て、前記液晶パネルの青色サブ画素53についての表示ルックアップテーブル(LOOK UP TABLE、LUT)を新たに設定する手順である。
【0023】
以下では、所定のGamma(γ)曲線においてγ=2.2、正視角度α=0°、斜視角度β=60°を具体的な例とし、グレースケール値
GB
kをグレースケール値
GBH
k及び
GBL
kの組み合わせに分割する具体的な工程について詳しく説明する。
【0024】
まず、前記液晶パネルの青色サブ画素53の正視角度α=0°における実際の輝度及びグレースケールの関係曲線
GB
k−Lv(実)0(GBk)と、斜視角度β=60°における実際の輝度及びグレースケールの関係曲線
GB
k−Lv
(実)60
(GB
k)を得る。
図4の関係曲線図が示す通りである。
そのうち前記液晶パネルのグレースケールは、0〜255の256個のグレースケールからなる。
【0025】
それから、
(GBk/255)γ=Lv(理)0(GBk)/Lv(実)0(255)
(GBk/255)γ=Lv(理)60(GBk)/Lv(実)60(255)
に基づいて計算し、液晶パネルの青色サブ画素53の正視角度α=0°及び斜視角度β=60°における理論上の輝度及びグレースケールの関係曲線
GB
k−Lv
(理)0
(GB
k)及び
GB
k−Lv
(理)60
(GB
k)を得る。
そのうち、前
記式において、
正視角度α=0°の時、Lv
(実)0(255)は、前記曲線
GB
k−Lv
(実)0
(GB
k)内の
GBk=255に対応する輝度値をとり、
斜視角度β=60°の時、Lv
(実)60(255)は、前記曲線
GB
k−Lv
(実)60
(GB
k)内の
GB
k=255に対応する輝度値をとる。
【0026】
さらに詳しく説明する。
表示ユニット4に必要な青色サブ画素53のグレースケール値
GB
k(すなわち、本来
第1画素ユニット5a及び
第2画素ユニット5b内に入力する必要がある青色サブ画素53のグレースケール値をいずれも
GB
kとする)
に対し、第1画素ユニット5a内の青色サブ画素53
Hに入力
するグレースケール値
GBH
kと、
第2画素ユニット5b内の青色サブ画素53
Lに入力
するグレースケール値
GBL
kは、以下の関係式を満たす。
【0027】
Δ1k=Lv(理)0(GBk)+Lv(理)0(GBk)−Lv(実)0(GBHk)−Lv(実)0(GBLk)
Δ2k=Lv(理)60(GBk)+Lv(理)60(GBk)−Lv(実)60(GBHk)−Lv(実)60(GBLk)
y=Δ1k2+Δ2k2
【0028】
表示ユニット4の単位で青色サブ画素53のグレースケール値
GB
kを与えたとき、理論上の輝度曲線
GB
k−Lv
(理)0
(GB
k)及び
GB
k−Lv
(理)60
(GB
k)から、Lv
(理)0
(GB
k)及びLv
(理)60
(GB
k)のとる値が求められ
、実際の輝度曲線
GB
k−Lv
(実)0
(GBk)から、Lv
(実)0(
GBH
k)及びLv
(実)0(
GBL
k)が求められ、実際の輝度曲線
GB
k−Lv
(実)60
(GB
k)から、Lv
(実)60(
GBH
k)及びLv
(実)60(
GBL
k)が求められ
、前記関係式内のyのとる値が最小にな
るとき、対応するグレースケール値
GBH
k及び
GBL
kが得られる。
【0029】
最後に、前記表示ユニット4に必要な青色サブ画素53の各グレースケール値
GB
kについて、前記の計算方式に基づいて、対応する一つの
GBH
k及び
GBL
kの組み合わせを得るとともに、前記液晶パネルの青色サブ画素53についての表示ルックアップテーブル(LOOK UP TABLE、LUT)を、新たに設定する。
液晶パネルが駆動していて、画面を表示している時、表示ユニット4に必要な青色サブ画素53のグレースケール値
がGB
kの
とき、前記表示ルックアップテーブル内から、前記
第1画素ユニット5a内の青色サブ画素53
Hにグレースケール値
GBH
kを提供するとともに、前記
第2画素ユニット5b内の青色サブ画素53
Lにグレースケール値
GBL
kを提供する
。
【0030】
上記に記載の実施例による液晶パネル及びその駆動方法は、まず従来の液晶パネルを表示ユニットに分割する。
各表示ユニットは、二つの隣接する画素ユニットからなる。
表示ユニットに必要な青色サブ画素のグレースケール値
GB
kについては、そのうちの一つの画素ユニット内の青色サブ画素にグレースケール値
GBH
kを提供するとともに、もう一つの画素ユニット内の青色サブ画素にグレースケール値
GBL
kを提供する。
以上の方法によって、2D1Gパネルの表示効果が得られ、側面または斜めから見た時に起こるカラ
ーシフト問題を抑えるとともに、液晶パネルの開口率が小さくならず、液晶パネルの表示品質を保障することができる。
【0031】
本発明の保護範囲は、決して前記の具体的な実施方式に限られるものではなく、本領域の技術者は、本発明に対して、本発明の精神と範囲を逸脱しない限りにおいて、各種の変更と修正ができる。
したがって、本発明の変更と修正は、本発明の権利請求及びそれと同じような技術の範囲内に属するとともに、本発明もそれら変更と修正のうちに含まれるものとする。
【符号の説明】
【0032】
1 表示領域
2 ゲートドライバ
3 ソースドライバ
4 表示ユニット
5a 第一画素ユニット
5b 第二画素ユニット
51 赤色サブ画素
52 緑色サブ画素
53 青色サブ画素