(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0035】
[第1実施形態]
以下、本発明の実施形態(実施の形態)を、図面を参照して説明する。
図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下において、
図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。尚、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
【0036】
図1は、本実施形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤2(ゲージ盤ともいう)と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられ、該ガラス扉枠50により遊技領域10を開閉できるようになっており、ガラス扉枠50を閉鎖したときにガラス窓50aを通して遊技領域10を透視できるようになっている。
【0037】
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面視略四角形状に形成され、前面である遊技盤面に障害釘(図示略)やガイドレール2b等が設けられた盤面板(図示略)と、該盤面板の背面側に一体的に取付けられるスペーサ部材(図示略)と、から主に構成されている。尚、遊技盤2はベニヤ板にて構成されていてもよい。
【0038】
遊技盤2の所定位置(
図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
【0039】
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
【0040】
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
【0041】
演出表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。尚、遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と演出表示装置5との間には、後述する第1演出ユニット300や第2演出ユニット400が設けられている。また、第1演出ユニット300及び第2演出ユニット400の前方には、導光板装置500が設けられており、後述する導光板501を介して、第1演出ユニット300や第2演出ユニット400の可動体(
図30参照)及び演出表示装置5の表示画面を視認できるようになっている。
【0042】
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
【0043】
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
【0044】
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
【0045】
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、
図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
【0046】
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
【0047】
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、
図2に示すソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
【0048】
大入賞口を通過(進入)した遊技球が
図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
【0049】
第2保留表示器25Bの上方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
【0050】
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、遊技領域10の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域10の周辺部には、演出用LED9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
【0051】
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。下皿91を形成する部材に取付けられたスティックコントローラ31Aの傾倒操作はコントローラセンサユニット35Aにて検出され、上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対してなされた押下動作はプッシュセンサ35Bにて検出される。
【0052】
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば
図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、LED制御基板14、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
【0053】
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
【0054】
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
【0055】
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
【0056】
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(ReadOnlyMemory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(RandomAccessMemory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(CentralProcessingUnit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Outputport105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
【0057】
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R、演出用LED9、第1演出用モータ311L,311R、第2演出用モータ425、可動体LED307L,307R、可動体LED407A〜407D、第1位置センサ329、第2位置センサ432及び導光板LED502といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、スティックコントローラ31A、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。
【0058】
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
【0059】
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
【0060】
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
【0061】
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
【0062】
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
【0063】
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
【0064】
演出表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
【0065】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
【0066】
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
【0067】
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
【0068】
次に、本実施形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
【0069】
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
【0070】
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
【0071】
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
【0072】
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
【0073】
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理、音量調整処理を実行する。
【0074】
演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、演出表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、演出用LED9、可動体LED307L,307R、可動体LED407A〜407D、導光板LED502の発光、第1演出ユニット300の第1可動体302L,302R及び第2演出ユニット400の第2可動体402の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
【0075】
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
【0076】
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
【0077】
尚、演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
【0078】
本実施形態では、以下に説明する導光板装置500による導光板演出(発光演出)や演出表示装置5による表示演出、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が動作する可動体演出、可動体演出と導光板演出や表示演出が行われる複合演出、遊技者がスティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能とされている。
【0079】
次に、
図3に基づいて、第1演出ユニット300及び第2演出ユニット400について説明する。
図3は、第1演出ユニット及び第2演出ユニットを示す正面図である。
【0080】
図3に示すように、ベース枠200は、略四角枠状に形成され、遊技盤2の背面における開口2cに対応する位置に取付けられる。ベース枠200の背面には、該ベース枠200に形成された略四角形状の開口201を閉鎖するように演出表示装置5が取付けられる。また、ベース枠200の上辺部には第1演出ユニット300が設けられ、下辺部には第2演出ユニット400が設けられている。尚、本実施形態では、第1演出ユニット300及び第2演出ユニット400は一のベース枠200に設けられているが、それぞれ別個のベース体に設けられていてもよい。
【0081】
第1演出ユニット300は、ベース枠200の上辺部に取付けられるベース部材301と、ベース部材301に対し上方の第1待機位置(
図3において実線で示す位置)と下方の第1進出位置(
図3において2点鎖線で示す位置)との間で斜め上下方向に移動可能に設けられた第1可動体302L,302Rと、を有する。第2演出ユニット400は、ベース枠200の下辺部に取付けられるベース体401と、ベース体401に対し下方の第2待機位置(
図3において実線で示す位置)と上方の第2進出位置(
図3において2点鎖線で示す位置)との間で移動可能に設けられた第1可動部402A、第2可動部402B及び第3可動部402Cからなる第2可動体402と、を有する。
【0082】
第1演出ユニット300の第1可動体302L,302Rは、第1待機位置において一部が演出表示装置5の表示画面(開口201)に重畳し、第1進出位置において全体が演出表示装置5の表示画面(開口201)に重畳する。一方、第2可動体402は、第2待機位置において一部が演出表示装置5の表示画面(開口201)に重畳し、第2進出位置において全体が演出表示装置5の表示画面(開口201)に重畳する。また、第1可動体302L,302Rは、第1進出位置へ移動したときに、第2進出位置へ移動した第2可動体402の左右側に配置されるようになっている。また、本実施形態では、第1待機位置及び第2待機位置がそれぞれの駆動初期位置とされている。
【0083】
次に、第1演出ユニット300について、
図4〜
図10に基づいて説明する。
図4は、(A)は第1演出ユニットを示す正面図、(B)は第1演出ユニットを示す背面図である。
図5は、第1演出ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
図6は、第1演出ユニットの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図7は、(A)は駆動ユニットを示す正面図、(B)は駆動ユニットを示す背面図である。
図8は、(A)は駆動ベースを示す正面図、(B)は回動部材を示す正面図である。
図9は、(A)〜(C)は駆動ユニットの作用を示す説明図である。
図10は、(A)(B)は同じく駆動ユニットの作用を示す説明図である。尚、
図4及び
図5では、理解を助けるために、第1可動体302L,302Rをドットにより示している。
【0084】
図4に示すように、第1演出ユニット300のベース部材301は、上辺部301Aと、上辺部301Aの左端から下方に垂下する左辺部301Bと、上辺部301Aの右端から下方に垂下する右辺部301Cと、から略下向きコ字形に形成されている。第1可動体302L,302Rは、ベース部材301の前面側において、第1進出位置に向けて互いに左右に離れるように斜め上下方向移動可能に設けられ、第1待機位置において上辺部301Aの前面側に配置される。第1待機位置においては、第1可動体302L,302Rのそれぞれの内側斜辺が互いに当接するように並設される。また、上辺部301Aにおける第1可動体302L,302Rの上方には、発光可能な装飾部303が左右方向に向けて延設されている。尚、これら第1可動体302L,302R及び装飾部303は、例えば、前面に当該パチンコ遊技機1の機種名(タイトル)等が表示されるタイトルパネル部として利用されることが多い。
【0085】
また、第1可動体302L,302Rには、複数の可動体LED307L,307Rが前面側に設けられており、この可動体LED307L,307Rの光により演出効果を向上できる。尚、可動体LED307L,307Rは、第1可動体302L,302Rの前面に設けられ光が前方へ直接出射される形態に限られず、透光性を有する合成樹脂材からなるカバー体にて第1可動体302L,302Rの前面を形成し、該第1可動体302L,302Rの後方に可動体LED307L,307Rを配置することで、可動体LED307L,307Rの光がカバー体を介して間接的に前方へ出射されるようにしてもよい。
【0086】
ベース部材301は、透光性を有する合成樹脂材にて形成されており、背面側に設けられる各種の基板304A,304B,304Cの前面に設けられる発光ダイオード(LED(図示略))からの光により前面が発光するようになっている。
【0087】
ベース部材301の左辺部301B及び右辺部301Cの背面には、第1可動体302L,302Rを駆動させる駆動ユニット305L,305Rが設けられている。駆動ユニット305L,305Rは、ベース部材301の左辺部301B及び右辺部301Cの背面に取付けられる駆動ベース310L,310Rと、駆動ベース310L,310Rに取付けられるステッピングモータからなる第1演出用モータ311L,311Rと、第1演出用モータ311L,311Rの動力を第1可動体302L,302Rへ伝達する動力伝達手段を構成する第1〜第4ギヤ312A〜312D及び回動部材313L,313Rと、を備える。
【0088】
また、ベース部材301における左辺部301B及び右辺部301Cの背面には、固定レール350L,350Rがそれぞれの内側辺に沿って取付けられており、該固定レール350L,350Rには、第1可動体302L,302Rに取付けられる摺動レール351L,351Rが摺動可能に設けられている。よって、第1可動体302L,302Rは、背面視略ハの字形に設けられた固定レール350L,350Rに対し摺動する摺動レール351L,351Rにより斜め上下方向に移動案内されている。尚、特に詳細な図示はしないが、摺動レール351L,351Rは固定レール350L,350Rの背面に摺動可能に設けられているが、第1可動体302L,302Rの前面はベース部材301の前面側に配置されている。また、第1可動体302L,302Rの背面には、回動部材313L,313Rに連結されるロック板306L,306Rが左右方向にスライド移動可能に取付けられている。
【0089】
次に、駆動ユニット305L,305Rの詳細について説明する。尚、左右の駆動ユニット305L,305Rはほぼ同様に構成されているので、以下においては、左側の駆動ユニット305Lについて説明し、右側の駆動ユニット305Rについての詳細な説明は省略することとする。
【0090】
図5〜
図7に示すように、駆動ベース310Lの背面には、第1演出用モータ311Lが取付けられている。第1演出用モータ311Lの駆動軸311aは駆動ベース310Lを挿通して前面側に突出されており、該駆動軸311aの先端には、第1ギヤ312Aが固着されている。駆動ベース310Lの背面には、前後方向を向く回動軸320B,320C,320Dが突設されており、回動軸320Bには第1ギヤ312Aに噛合する第2ギヤ312Bが回動可能に軸支され、回動軸320Cには第2ギヤ312Bに噛合する第3ギヤ312Cが回動可能に軸支され、回動軸320Dには第3ギヤ312Cに噛合する第4ギヤ312Dが回動可能に軸支されている。
【0091】
第4ギヤ312Dの背面周縁部所定箇所からは、連結片321が回動中心から離れる方向に延設されており、該連結片321の背面には、回動部材313Lに連結するための連結軸322が後側に向けて突設されている。
【0092】
図8(A)に示すように、駆動ベース310Lには、ロック板306Lを移動案内する案内溝323が形成されている。案内溝323は、固定レール350Lに対し略平行となるように左斜め下方に向けて延設される案内部323Aと、案内部323Aの上端から左方に向けてフック状に屈曲する規制部323Bと、から構成され、この案内溝323には、後述するロック板306Lの被案内軸342が挿入されている。尚、案内部323Aと規制部323Bとの連接部は湾曲状に形成され、被案内軸342が円滑に案内部323Aと規制部323Bとを行き来できるようになっている。
【0093】
図8(B)に示すように、回動部材313Lの左端部には軸受孔325が形成されており、該軸受孔325に駆動ベース310Lの背面に突設された前後方向を向く回動軸324が挿入されることで、回動部材313Lは、駆動ベース310Lの背面側において、回動軸324を中心として回動可能に軸支されている。軸受孔325の近傍からは、第1長孔326が軸受孔325から離れる方向に向けて直線状に延設されており、該第1長孔326には、第4ギヤ312Dの連結軸322が摺動可能に挿入される。
【0094】
第1長孔326の左端部近傍からは、第2長孔327が軸受孔325から離れる方向に向けて円弧状に延設されており、該第2長孔327には、後述するロック板306Lの被案内軸342が摺動可能に挿入されている。第2長孔327の右端部は、第1長孔326の左端部に下方に配置され、第2長孔327は第1長孔326に対し若干傾斜するように設けられている。
【0095】
また、第1長孔326の上方には、駆動ベース310Lの背面に設けられた第1位置センサ329により検出される検出片328が形成されている。本実施形態では、第1可動体302Lが第1待機位置にあるときに第1位置センサ329により検出片328が検出されるようになっている。
【0096】
ロック板306Lは、正面視略台形状に形成され、下部には左右方向を向くガイド孔340A,340Bが左右に並設されている。そしてガイド孔340A,340Bには、第1可動体302Lの背面に突設された左右のガイド軸341A,341Bがそれぞれ挿入されており、これによりロック板306Lは、背面側の駆動ベース310Lと前面側の第1可動体302Lとの間で、該第1可動体302Lに対して左右方向にスライド移動可能に設けられている。
【0097】
また、ロック板306Lの背面には、円柱状の被案内軸342が突設されている。この被案内軸342は、駆動ベース310Lの案内溝323を挿通して、さらにその背面側の回動部材313Lの第2長孔327に挿入される。
【0098】
このように構成された駆動ユニット305Lは、第1演出用モータ311Lの駆動軸311aが回転すると、この回転力が第1ギヤ312A、第2ギヤ312B、第3ギヤ312C、第4ギヤ312Dから回動部材313Lに伝達され、さらに回動部材313Lからロック板306Lに伝達されることで、該ロック板306Lが設けられた第1可動体302Lが第1待機位置と第1進出位置との間で移動する。つまり、これら第1ギヤ312A、第2ギヤ312B、第3ギヤ312C、第4ギヤ312D、回動部材313L、ロック板306Lは、第1演出用モータ311Lの動力を第1可動体302Lへ伝達する動力伝達機構を構成している。
【0099】
そして、
図7(A)(B)に示すように、第1可動体302Lが第1待機位置にあるときには、連結軸322が第1長孔326の回動軸324側の端部に当接していることで、回動部材313Lは背面視において左斜め上方に傾斜した状態で維持されている。一方、被案内軸342は、案内溝323の上方の規制部323Bに配置されている。この状態において、連結軸322が第1長孔326の回動軸324側の端部に当接することで、回動部材313Lの背面視反時計回りの回動が規制されている。
【0100】
詳しくは、第1可動体302Lが第1待機位置にあるときにおいて、第4ギヤ312Dの回動軸320Dと回動部材313Lの回動軸324とは左右に配置され、連結軸322は、回動軸320Dの直上位置より回動軸324側であって、回動軸320Dと回動軸324との間の上方位置に配置されている。そして連結軸322は、第1長孔326の回動軸324側の端部に当接することにより背面視時計回りの回動が規制され、これにより、回動部材313Lの背面視反時計回りの回動が規制されている。つまり、第4ギヤ312Dの連結軸322と回動部材313Lの第1長孔326とは、第1可動体302Lが第1待機位置にあるときに回動部材313Lの正面視時計回りの回動を規制する第1ロック機構(セルフロック機構)を構成している。
【0101】
また、被案内軸342が規制部323Bに配置されることで、被案内軸342の下方への移動が規制されているとともに、第1ロック機構により回動部材313Lの正面視時計回りの回動が規制されていることで、第2長孔327の左斜め下方への移動が規制されるため、被案内軸342の案内部323A側への移動が規制される。
【0102】
詳しくは、第1可動体302Lに設けられたロック板306Lは、被案内軸342が略水平な規制部323Bに配置されていることで、該ロック板306L及び第1可動体302Lの荷重が全て規制部323Bの下辺にて受支されるため、案内溝323の上部位置にて維持されている。また、回動部材313Lの第2長孔327が略水平な規制部323Bに対し縦向きに交差するように配置されていることで、被案内軸342の規制部323Bから案内部323A側への移動が規制されるため、振動などの要因により被案内軸342が規制部323Bから案内部323A側へ移動することが防止される。
【0103】
つまり、駆動ベース310Lにおける案内溝323の規制部323Bと、ロック板306Lの被案内軸342と、被案内軸342に作用して該被案内軸342の規制部323Bから案内部323A側への移動を規制する第2長孔327とは、第1可動体302Lが第1待機位置にあるときにロック板306L及び第1可動体302Lの下方への移動を規制する第2ロック機構(セルフロック機構)を構成している。
【0104】
ここで、駆動ユニット305Lの駆動状況を
図9及び
図10に基づいて説明する。尚、
図9及び
図10では、理解を助けるために、回動部材313Lをドットにて示している。
まず、
図9(A)に示すように、第1可動体302Lが第1待機位置にある状態において、第1演出用モータ311Lを駆動すると、駆動軸311aの回転力が第1ギヤ312A、第2ギヤ312B、第3ギヤ312C、第4ギヤ312Dに伝達される。
【0105】
そして、第4ギヤ312Dの連結軸322が背面視反時計回りに回転することで、
図9(B)に示すように、回動部材313Lは回動軸324を中心として背面視反時計回りの回動を開始する。これにより、第2長孔327が背面視左斜め下方に移動するので、被案内軸342を案内部323A側へ移動させる。連結軸322が第4ギヤ312Dの回動軸320Dの直上付近まで回動すると、第1ロック機構による回動部材313Lの回動規制状態が解除されるとともに、被案内軸342の規制部323Bから案内部323Aへの移動規制が解除され、これにより第2ロック機構による被案内軸342の下方への移動規制が解除されるため、第1可動体302Lの下方への移動規制状態が解除される。
【0106】
尚、被案内軸342が規制部323Bを移動する際にはほぼ左方向へ移動するだけなので、第1可動体302Lに対しロック板306Lは背面視左側へスライドするものの、第1可動体302Lはほぼ下降しないため、ロック及びロック解除動作により第1可動体302Lが不自然に微動することが防止される。
【0107】
次いで、
図9(C)に示すように、連結軸322が第4ギヤ312Dの回動軸320Dの直上位置より案内溝323側へ移動すると、被案内軸342が案内部323Aに進入し、第1可動体302Lが第1待機位置から第1進出位置側へ向けて移動可能となる。そして、
図10(A)に示すように、連結軸322が背面視反時計回りに回動することにより、被案内軸342が第2長孔327により下方に押され案内溝323に沿って右斜め下方へ移動することで、第1可動体302Lは固定レール350Lに沿って右斜め下方へ移動する。
【0108】
そして、
図10(B)に示すように、連結軸322が案内部323Aの下端に位置することで回動部材313Lの回動が規制され、第1演出用モータ311Lが非通電状態となることで、第1可動体302Lは自重により下方の第1進出位置にて保持される。
【0109】
また、第1可動体302Lを第1進出位置から第1待機位置まで上昇させる場合は、第1演出用モータ311Lの駆動軸311aを下降の際と逆方向に駆動させる。これにより、回動部材313Lが回動軸320Dを中心として背面視時計回りに回動することで、被案内軸342が第2長孔327により上方に押されて案内溝323に沿って左斜め上方へ移動する。そして、被案内軸342が案内部323Aの上端に到達して規制部323Bへ移動することで、第2ロック機構により被案内軸342の下方への移動が規制されるとともに、連結軸322が第1長孔326の回動軸324側の端部に当接することで、第1ロック機構により回動部材313Lの背面視反時計回りの回動が規制される。
【0110】
また、第2長孔327は、直線状ではなく円弧状に形成されていることで、例えば、
図9(C)に示すように、被案内軸342が案内部323A上部付近にあるときにおいて、第2長孔327が案内部323Aに対し平行にならずに交差するようになっている。
【0111】
以上説明したように、本発明の実施形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、駆動源である第1演出用モータ311L,311Rにより第1待機位置と該第1待機位置とは異なる第2待機位置との間で移動する第1可動体302L,302Rと、第1演出用モータ311L,311Rの動力を第1可動体302L,302Rに伝達する駆動力伝達手段(例えば、第1〜第4ギヤ312A〜312D、回動部材313L,313R)と、第1待機位置において第1可動体302L,302Rが第2待機位置側へ移動することを規制する第1ロック機構(例えば、第4ギヤ312Dの連結軸322、回動部材313Lの第1長孔326)及び第2ロック機構(例えば、案内溝323の規制部323B、ロック板306Lの被案内軸342、第2長孔327)と、を備え、前記駆動力伝達手段は、第1演出用モータ311L,311Rにより動作する特定伝達部材として回動部材313L,313Rを少なくとも含み、回動部材313L,313Rには、第1ロック機構及び第2ロック機構各々の一部(例えば、第1長孔326と第2長孔327)が設けられている。
【0112】
このようにすることで、2つのロック機構により第1可動体302L,302Rの第2待機位置への移動を十分に規制することができるとともに、一の回動部材313L,313Rを2つのロック機構各々の規制に利用することができるので、構造を簡素化して製造コストを低減することができる。
【0113】
また、第1ロック機構としての第4ギヤ312Dの連結軸322及び回動部材313L,313Rの第1長孔326は、第1可動体302L,302Rが第1待機位置にあるときに回動部材313L,313Rの回動を規制し、第2ロック機構としての案内溝323の規制部323B、ロック板306Lの被案内軸342及び第2長孔327は、第1可動体302L,302Rが第1待機位置にあるときに第1可動体302L,302Rの下降を規制することで、回動部材313L,313Rと第1可動体302L,302Rとがそれぞれ異なるロック機構により規制されるので、第1可動体302L,302Rの移動を好適に規制することができる。
【0114】
このように、第1待機位置にて第1可動体302L,302Rを2つのロック機構により保持することで規制するものではなく、一の第2ロック機構により第1可動体302L,302Rを直接的に保持し、他の第1ロック機構により第1演出用モータ311L,311Rの動力を第1可動体302L,302Rへ伝達する特定伝達部材としての回動部材313L,313Rを介して第1可動体302L,302Rを間接的に保持するので、一のロック機構にかかる負荷を分散化することができる。
【0115】
詳しくは、本実施形態では、第1可動体302L,302Rは、第1待機位置にあるときに第1ロック機構と第2ロック機構とにより第1待機位置から第1進出位置側への移動が規制されるが、第1可動体302L,302Rの荷重は基本的に被案内軸342を介して規制部323Bの下辺にて受支され、回動部材313L,313Rに第1可動体302L,302Rの荷重がかかりにくくなっている。よって、第1ロック機構を構成する連結軸322を回動させて規制状態としたり解除したりする際における連結軸322と第1長孔326の周縁との間に生じる摩擦抵抗が小さくなるので、第1ロック機構を規制状態と解除状態とに変化させる第1演出用モータ311L,311Rにかかる負荷を極力軽減することができる。
【0116】
尚、本実施形態では、第1ロック機構と第2ロック機構とは、それぞれ対象となる部材を規制状態とする機構部の構成や構造が異なるものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1ロック機構と第2ロック機構とを同構造にしてもよい。
【0117】
また、回動部材313L,313Rは、第1ロック機構を構成する第1機構部としての第1長孔326と、該第1機構部とは別個に設けられ第2ロック機構を構成する第2機構部としての第2長孔327と、を有することで、第1機構部としての第1長孔326を移動する連結軸322と第2機構部としての第2長孔327を移動する被案内軸342とが接触して破損するなど不具合が生じることを回避できる。
【0118】
また、第1可動体302L,302Rが第1待機位置にある状態において、第1演出用モータ311L,311Rを駆動し、連結軸322が第4ギヤ312Dの回動軸320Dの直上付近まで回動すると、第1ロック機構による回動部材313L,313Rの回動規制状態が解除されるとともに、被案内軸342の規制部323Bから案内部323Aへの移動規制が解除され、これにより第2ロック機構による被案内軸342の下方への移動規制が解除されるため、第1可動体302L,302Rの下方への移動規制状態が解除される。このようにすることで、各ロック機構のための駆動源をそれぞれ別個に設けることなく、第1可動体302L,302Rを移動させるための第1演出用モータ311L,311Rを利用して2つのロック機構各々の規制及び解除を行うことができるので、構造を簡素化して製造コストを低減することができる。
【0119】
また、
図7(B)に示すように、第1可動体302L,302Rが第1待機位置にあるとき、第1ロック機構としての第4ギヤ312Dの連結軸322及び回動部材313L,313Rの第1長孔326は、第2ロック機構としての案内溝323の規制部323B、ロック板306Lの被案内軸342及び第2長孔327よりも下方位置に配置されていることで、第1可動体302L,302Rを第1待機位置で好適に移動規制することができる。
【0120】
また、第2ロック機構は、第1可動体302L,302Rに設けられる被案内軸342と、該被案内軸342を移動案内する案内溝323の案内部323Aと、該案内部323Aに連設され第1可動体302L,302Rが第1待機位置にあるときに被案内軸342の移動を規制する規制部323Bと、被案内軸342に作用して該被案内軸342を案内部323A(規制解除位置)と規制部323B(規制位置)との間で移動させる作用部としての第2長孔327と、を機構部として有し、回動部材313L,313Rは第2長孔327を有することで、回動部材313L,313Rの動作により第2長孔327が被案内軸342を移動させることで、第2ロック機構を規制状態と解除状態とに変化させることができる。
【0121】
つまり、第1ロック機構は、第1可動体302L,302Rを移動させる第1演出用モータ311L,311Rにより連結軸322を回動させることで、回動部材313L,313Rを回動規制状態と解除状態とに変化させるロック機構であるのに対し、第2ロック機構は、第1ロック機構による規制状態が解除された回動部材313L,313Rの動作(回動)を利用して第1可動体302L,302Rを規制状態と解除状態とに変化するロック機構であるため、それぞれのロック機構を別個の駆動源により規制状態と解除状態とに変化させることなく、第1可動体302L,302Rを移動させる一の駆動源の動力を利用して規制状態と解除状態とに変化させることが可能となる。
【0122】
そして、これら第1ロック機構と第2ロック機構の一部が一の回動部材313L,313Rに形成されているため、駆動ユニット305L,305Rの構造を簡素化できるとともに、製造コストを低減することができる。
【0123】
また、前記実施形態では、第1可動体302L,302Rは、第1待機位置と第1進出位置との間で斜め上下方向に移動可能に設けられていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、垂直方向、左右方向や前後方向に移動可能に設けられていてもよい。また、第1待機位置は第1進出位置よりも上方に設けられていたが、第1進出位置よりも下方に設けられていてもよい。さらに、直線的に移動するものでなくてもよく、例えば、回動するものであってもよい。
【0124】
また、前記実施形態では、第1可動体302L,302Rは、駆動力伝達手段としての第1〜第4ギヤ312A〜312Dと回動部材313L,313Rにより斜め上下方向へ移動するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、駆動力伝達手段は、上記のような回動ギヤやラックとピニオンとから構成されるギヤ機構等で構成されていてもよいし、回動部材313L,313Rのようなアーム機構で構成されていてもよい。
【0125】
また、前記実施形態では、第1ロック機構と第2ロック機構とは、連結軸と長孔とにより構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら以外の構造部にて構成されていてもよい。
【0126】
また、前記実施形態では、駆動力伝達手段としての第1〜第4ギヤ312A〜312Dと回動部材313L,313Rとのうち回動部材313L,313Rに第1ロック機構及び第2ロック機構各々の一部が形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1〜第4ギヤ312A〜312D等の他の構成部に第1ロック機構及び第2ロック機構各々の一部が形成されていてもよい。
【0127】
また、前記実施形態では、回動部材313L,313Rに第1長孔326と第2長孔327とが形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、回動部材313L,313Rに連結軸が形成されていてもよい。
【0128】
また、前記実施形態では、第1可動体302L,302Rは、第1待機位置において2つのロック機構(第1ロック機構と第2ロック機構)により第1進出位置への移動が規制されるようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、3以上のロック機構により第1進出位置への移動が規制されるようにしてもよい。さらに、回動部材313L,313Rに第1ロック機構と第2ロック機構とのうち少なくとも一方を構成する構成部が2以上形成されていてもよい。
【0129】
次に、第2演出ユニット400について、
図11〜
図18に基づいて説明する。
図11は、(A)は第2演出ユニットを示す正面図、(B)は第2演出ユニットを示す背面図である。
図12は、第2演出ユニットの構成を斜め前から見た状態を示す分解斜視図である。
図13は、第2演出ユニットの構成を斜め後ろから見た状態を示す分解斜視図である。
図14は、(A)は可動体が第2待機位置にあるときの各可動ベースを示す概略図、(B)は可動体が第2進出位置へ向けて移動を開始したときの各可動ベースを示す概略図である。
図15は、(A)は可動体が第2進出位置へ向けて移動しているときの各可動ベースを示す概略図、(B)は可動体が第2進出位置に停止したときの各可動ベースを示す概略図である。
図16は、(A)は可動体が第2待機位置にあるときの各演出部を示す概略図、(B)は可動体が第2進出位置へ向けて移動を開始したときの各演出部を示す概略図である。
図17は、可動体が第2進出位置に停止したときの各演出部を示す概略図である。
図18は、(A)は可動体が第2待機位置にあるときの第2演出部を示す背面図、(B)は可動体が第2進出位置へ移動を開始したときの第2演出部を示す背面図である。尚、
図11、
図12、
図16、及び
図17では、理解を助けるために、第2可動体402をドットにて示している。
【0130】
図11〜
図13に示すように、第2演出ユニット400のベース体401は、第2可動体402を移動可能に支持するベース部材401Aと、ベース部材401Aの前面側に取付けられる装飾部材401Bと、ベース部材401Aの背面側に取付けられ、ベース枠200の下辺部に取付けられる取付部材401Cと、から構成されている。これらベース部材401Aと装飾部材401Bと取付部材401Cとは、それぞれ互いに離間して配置されている。
【0131】
ベース体401に対し移動可能に設けられる第2可動体402は、ベース部材401Aと取付部材401Cとの間に回動可能に配設される第1可動部402Aと、ベース部材401Aと取付部材401Cとの間に上下方向に移動可能に配設される第2可動部402Bと、ベース部材401Aと装飾部材401Bとの間に回動可能に配設される第3可動部402Cと、から構成されている。
【0132】
第1可動部402Aは、第1可動ベース410Aと、該第1可動ベース410Aの前面側に取付けられ該第1可動ベース410Aを被覆する第1演出部411Aと、第1演出部411Aの前面側に設けられる複数の可動体LED407Aと、から構成されている。第2可動部402Bは、第2可動ベース410Bと、該第2可動ベース410Bの前面側に取付けられ該第2可動ベース410Bを被覆する第2演出部411Bと、該第2演出部411Bに対し回動可能に設けられた第2演出部411Dと、第2演出部411Bの前面側に設けられる複数の可動体LED407Bと、第2演出部411Dの前面側に設けられる可動体LED407Dと、から構成されている。第3可動部402Cは、第3可動ベース410Cと、該第3可動ベース410Cの前面側に取付けられ該第3可動ベース410Cを被覆する第3演出部411Cと、第3演出部411Cの前面側に設けられる複数の可動体LED407Cと、から構成されている。
【0133】
尚、可動体LED407A〜407Dは、各演出部411A〜411Dの前面に設けられ光が前方へ直接出射される形態に限られず、透光性を有する合成樹脂材にて各演出部411A〜411Dを形成し、該各演出部411A〜411Dの後方に可動体LED407A〜407Dを配置することで、可動体LED407A〜407Dの光が各演出部411A〜411Dを介して間接的に前方へ出射されるようにしてもよい。
【0134】
第1可動部402Aの第1可動ベース410Aは、ベース部材401Aの背面右側に突設された回動軸420が挿入される軸受孔421が右端部に形成されており、軸受孔421に挿入される回動軸420を中心として、左右方向を向く水平位置(
図14(A)参照)と左斜め上方に傾斜する傾斜位置(
図15(B)参照)との間で回動可能に軸支されている。第1可動ベース410Aにおける軸受孔421の背面側には、ベース部材401Aに取付けられる軸受カバー422が配設されており、回動軸420からの逸脱が規制されている。また、第1可動ベース410Aと軸受カバー422との間には、一端が第1可動ベース410Aに係止され、他端が軸受カバー422に係止されたトーションバネ423が設けられており、該トーションバネ423により第1可動ベース410Aは常時傾斜位置方向へ回動付勢されている。
【0135】
ベース部材401Aの前面右側には第2演出用モータ425が取付けられている。第2演出用モータ425の駆動軸425aは、ベース部材401Aを挿通して背面側に突出され、該突出した駆動軸425aの先端には第1ギヤ426が固着されている。第1ギヤ426には、ベース部材401Aの背面側に突設された回動軸430を中心として回動可能に設けられた第2ギヤ427が噛合されている。
【0136】
第2ギヤ427の背面周縁部所定箇所からは、連結片428が回動中心から離れる方向に延設されており、該連結片428の背面には、第1可動ベース410Aに連結するための連結軸429が後側に向けて突設されている。この連結軸429は、第1可動ベース410Aにおける軸受孔421の右側に形成された長孔424に摺動可能に挿入されている。よって、第2演出用モータ425の駆動軸425aが回転し、第1ギヤ426及び第2ギヤ427を介して連結片428の連結軸429が回動することで、第1可動ベース410Aが回動軸420を中心として回動するようになっている。
【0137】
第1可動ベース410Aの左端部には、第2可動ベース410Bに対し動力を伝達するための連結軸431が前方に向けて突設されている。また、ベース部材401Aの背面における回動軸420の近傍には第2位置センサ432が設けられており、第1可動ベース410Aの所定箇所に設けられた検出部(図示略)を検出する。本実施形態では、第1可動部402Aが第2待機位置にあるときに第2位置センサ432により検出部(図示略)が検出されるようになっている。
【0138】
第2可動ベース410Bは、特に
図14(B)に示すように、左から右に向けてやや下方に傾斜する円弧状の連結溝440が左右方向に向けて延設されており、該連結溝440には、第1可動ベース410Aの連結軸431が摺動可能に挿入されている。また、連結溝440の右端部下方位置には、第3可動ベース410Cに対し動力を伝達するための連結軸441が前方に向けて突設されている。
【0139】
第2可動ベース410Bにおける連結溝440の下方には、ベース部材401Aと連結するためのガイド部445が設けられている。詳しくは、ベース部材401Aの前面には、上下方向を向く固定レール442が固定されており、該固定レール442には、摺動レール443A,443Bが上下方向に摺動可能に取付けられている。摺動レール443Aの右側方には上下方向を向くガイド棒444が並設されており、ガイド部445は、このガイド棒444に対し上下方向に摺動可能に嵌挿されている。
【0140】
つまり、第2可動ベース410Bは、固定レール442に対し摺動レール443A,443Bが上下方向に移動するとともに、ガイド部445がガイド棒444に対し上下方向に移動することで、装飾部材401Bの背面に隠蔽される下方位置(
図14(A)参照)と下方位置よりも上方の上方位置(
図15(B)参照)との間で、ベース部材401Aに対し上下方向に移動案内されるようになっている。
【0141】
第3可動ベース410Cは、ベース部材401Aの前面左側に突設された回動軸450が挿入される軸受孔451が左端部に形成されており、軸受孔451に挿入される回動軸450を中心として、左右方向を向く水平位置(
図14(A)参照)と右斜め上方に傾斜する傾斜位置(
図15(B)参照)との間で回動可能に軸支されている。また、第3可動ベース410Cの左端部からは、ガイド片452が回動中心から離れる方向に延設されており、該ガイド片452の背面にはガイド軸453が突設されている。ガイド軸453は、ベース部材401Aにおける回動軸450を中心とする円弧状に形成されたガイド溝454に摺動可能に挿入され、これにより第3可動ベース410Cの回動範囲を規定する。
【0142】
また、第3可動ベース410Cには、右端部から中央部に向けて下方に傾斜する円弧状の連結溝455が形成されており、該連結溝455には、第2可動ベース410Bの連結軸441が摺動可能に挿入されている。
【0143】
このように、第1可動ベース410Aの連結軸431が第2可動ベース410Bの連結溝440に摺動可能に挿入されることで第1可動ベース410Aと第2可動ベース410Bとが連結され、第2可動ベース410Bの連結軸441が第3可動ベース410Cの連結溝455に摺動可能に挿入されることで第2可動ベース410Bと第3可動ベース410Cとが連結されている。つまり、第1可動ベース410Aと第3可動ベース410Cとは第2可動ベース410Bを介して連結されている。
【0144】
次に、第2可動体402を構成する第1可動ベース410A、第2可動ベース410B及び第3可動ベース410Cの動作態様について、
図14及び
図15に基づいて説明する。
【0145】
図14(A)に示すように、第2可動体402が第2待機位置にあるときには、第1可動ベース410A及び第3可動ベース410Cは水平位置にあり、第2可動ベース410Bは下方位置にある。具体的には、第1可動ベース410Aの回動軸420と第3可動ベース410Cの回動軸450とは左右に離れて配置され、第1可動ベース410Aと第3可動ベース410Cとのうち一方は他方の回動軸側に傾倒するように配置される。また、このとき、連結軸431は連結溝440の左端部に配置され、連結軸441は連結溝455の左端部に配置されている。また、ガイド部445はガイド棒444の下方位置に配置され、摺動レール443A,443Bも固定レール442の前面に配置されている。
【0146】
ここで、
図14(B)に示すように、第2演出用モータ425の駆動軸425aが回転し、第1ギヤ426及び第2ギヤ427を介して連結片428の連結軸429が正面視時計回りに回動することで、第1可動ベース410Aが回動軸420を中心として正面視時計回りに回動する。そして、第1可動ベース410Aの回動に応じて連結軸431が上方へ移動することで、連結軸431は連結溝440を押し上げながら右側へ摺動するため、第2可動ベース410Bが上昇する。第2可動ベース410Bは、ガイド部445がガイド棒444により移動案内されることで、略鉛直上方に向けて移動する。
【0147】
そして、第2可動ベース410Bの上昇に応じて連結軸441が上方へ移動することで、連結軸441は連結溝455を押し上げながら上側へ摺動するため、第3可動ベース410Cが正面視反時計回りに回動する。つまり、第1可動ベース410Aの回動に応じて第2可動ベース410Bと第3可動ベース410Cとが連動する。
【0148】
次いで、ガイド部445がガイド棒444の上端に到達すると、
図15(A)に示すように、摺動レール443A,443Bが固定レール442に対し上方へスライド移動することで、第2可動ベース410Bを上方へ移動案内する。
【0149】
そして、
図15(B)に示すように、連結軸431が連結溝440の右端部に到達するとともに、連結軸441が連結溝455の上端部に到達すると、第1可動ベース410A及び第3可動ベース410Cは傾斜位置に配置され、第2可動ベース410Bは上方位置に配置される。このように第2可動体402が第2進出位置へ移動した状態において、第1可動ベース410Aの先端と第3可動ベース410Cの先端とが近接して正面視略逆V字形をなすように配置される。
【0150】
また、
図15(B)に示すように第2可動体402が第2進出位置にある状態において、第2演出用モータ425の駆動軸425aを逆回転させることで、第1可動ベース410Aが正面視反時計回りに回動し、これに応じて第2可動ベース410Bが下降することで第3可動ベース410Cが正面視時計回りに回動する。そして、第1可動ベース410A及び第3可動ベース410Cが水平位置に配置され、第2可動ベース410Bが下方位置に配置されることで、第2可動体402は第2待機位置に配置される。
【0151】
次に、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cについて説明する。
【0152】
第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cは、それぞれ前面に装飾などが施された非透光性を有する演出部材からなり、第2待機位置から第2進出位置へはそれぞれ別個に移動し、第2進出位置へ移動したときに合体して所定の形態(例えば、
図17参照)を構成するようになっている。このように、第2可動体402を構成する第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cは、遊技者に注目される部分であるが、これら第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cを第2待機位置と該第2待機位置とは異なる第2進出位置との間で移動させるための移動機構部が必要となる。
【0153】
移動機構部とは、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cを所定態様で動作させるために必要となる機構部であり、例えば、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cを動作可能に支持する第1可動ベース410A、第2可動ベース410B及び第3可動ベース410Cを含む。より具体的には、第1可動ベース410Aに形成される連結軸431、第2可動ベース410Bに形成される連結溝440や連結軸441、第3可動ベース410Cに形成される連結溝455など、各可動ベースを連結する連結部や、他の部材へ第2演出用モータ425の動力を伝達する動力伝達部(例えば、ギヤ部など)等を含む。
【0154】
これら移動機構部は、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cを所定態様で動作させるために形成されるものであって、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cに比べて見栄えが悪い。よって、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cの美観が損なわれることがないように、これら第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cにより、第1可動ベース410A、第2可動ベース410B及び第3可動ベース410Cの前面を被覆している。
【0155】
但し、
図11(A)及び
図12に示すように、第2演出部411B,411Dは、第2可動ベース410Bの前面における略右側部分は被覆しているが、左側の機構部分E(
図11(A)、
図17において白色の領域参照)は被覆されていない。すなわち、この機構部分Eは、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cを動作させるために必要となる機構部であるが、第2進出位置において第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cが所定形態となるときに不要な部位となっている。
【0156】
図16(A)(B)及び
図17には、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置へ移動する際の第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cの動作態様が示されている。
【0157】
図16(A)に示すように、第2可動体402が第2待機位置にあるとき、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cは、ベース体401の装飾部材401B(図中斜線で示される部分)などにより前面側が被覆されて遊技者から視認困難な状態とされている。
図16(B)に示すように、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置への移動を開始すると、各第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cにおいてベース体401の上方に移動した部分が遊技者から視認可能となる。
【0158】
ここで、第2演出部411Dについて、
図18(A)(B)に基づいて簡単に説明する。
図18(A)に示すように、第2演出部411Dは、第2演出部411Bの前面側において、前後方向を向く回動軸460を介して傾倒位置と起立位置との間で回動可能に軸支されている。第2演出部411Dの背面には、回動軸460を中心として回動する回動部材461が一体的に固定されており、該回動部材461の周縁には連結軸462が突設されている。
【0159】
一方、第2演出部411Bには、スライド板463が上下方向に移動可能に設けられ、該スライド板463の上端に形成された連結長孔464に挿入されている。スライド板463は、回動軸460の周囲に環装されたトーションバネ465により常時下方に向けて付勢されており、第2可動体402が第2待機位置に位置しているときには、
図18(A)に示すように、下端がベース部材401Aの所定箇所に当接することで上方位置に配置される。また、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置へ向けて上方へ移動すると、
図18(B)に示すように、下端がベース部材401Aの所定箇所から離れるため、トーションバネ465により下方に付勢されて下方位置へ移動する。
【0160】
これにより、連結軸462が下側に向けて回動するため、第2演出部411Dは、第2可動体402の第2待機位置から第2進出位置へ向けて移動を開始した直後に、傾倒位置から起立位置へ移動する(
図16(B)参照)。尚、特に図示しないが、第2可動体402が第2進出位置から第2待機位置へ移動すると、スライド板463の下端がベース部材401Aの所定箇所に当接し、トーションバネ465の付勢力に抗して上方位置へ移動されるため、第2演出部411Dは、第2可動体402が第2待機位置へ戻る直前に起立位置から傾倒位置へ移動する。
【0161】
図16(B)に示すように、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置への移動を開始し、第2可動ベース410Bが上昇すると、第2可動ベース410Bにおける機構部分Eが遊技者から視認可能となる。そして、
図17に示すように、第2可動体402が第2進出位置にて停止したときも、第2可動ベース410Bにおける機構部分Eは遊技者から視認可能となる。
【0162】
前述したように、第2進出位置において第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cが
図17に示す所定形態となるとき、第2可動ベース410Bの機構部分Eは不要な部位であるため、第2演出部411Bを機構部分Eを被覆するために拡張することができない。しかし、本実施形態では、
図16(B)に示すように、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置へ移動しているときや、
図17に示すように、第2可動体402が第2進出位置に停止しているときに、第2可動ベース410Bの機構部分Eは遊技者から視認可能となる。つまり、機構部分Eは、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置へ移動しているときや第2進出位置に停止しているときに遊技者から視認可能となる視認可能部とされている。
【0163】
このように、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置へ移動しているときや第2進出位置に停止しているときに、第2可動ベース410Bの機構部分Eが遊技者から視認可能となると美観が損なわれるため、本実施形態では、以下に説明するように、導光板装置500や第1演出ユニット300の第1可動体302L,302Rを利用して、第2可動ベース410Bの機構部分Eを遊技者から視認困難とするようにしている。
【0164】
次に、導光板装置500について、
図19〜
図21に基づいて説明する。
図19は、(A)は導光板装置を示す正面図、(B)は(A)のA−A断面図である。
図20は、(A)は導光板装置の要部を示す拡大正面図、(B)は(A)のB−B断面図、(C)は(B)の要部を示す拡大図である。
図21は、各可動体の移動領域と導光板装置との関係性を示す説明図である。尚、ここでは、理解を助けるために、後述する発光領域506をドット(網点)で示し、ドット(網点)がない非発光領域507を白色で示す。
【0165】
図19及び
図20に示すように、導光板装置500は、遊技盤2の開口2cを閉鎖するように設けられる導光板501と、該導光板501の右端面501aに光を入射するための導光板LED502が複数搭載されたLED基板503と、導光板LED502からの光を導光板501の右端面501aに向けて集光するための集光レンズ504と、導光板501とLED基板503とを一体にするための枠部材505と、を主に有する。尚、導光板装置500は、遊技盤2の背面に固定されてもよいし、センター飾り枠51に固定されてもよい。
【0166】
導光板501は、所定の前後幅寸法(板厚=約5mm)を有するアクリルやポリカーボネートなどの透明な合成樹脂等の材質で形成された板部材であって、
図19(B)に示すように、演出表示装置5、第1可動体302L,302R及び第2可動体402よりも前方に配置されている。
【0167】
また、導光板501は、右端面501aから内部に入射された導光板LED502からの光を前方へ反射して前面から出射させる所定の導光パターンを形成する第1領域としての発光領域506、つまり、導光板501の右端面501aから内部に入射された光により発光する発光領域(
図19(A)及び
図20(A)における網点領域を参照)と、右端面501aから内部に入射された導光板LED502からの光を前方へ反射して前面から出射させる所定の導光パターンを形成しない第2領域としての非発光領域507、つまり、導光板501の内部に入射された光により発光しない非発光領域(
図19(A)及び
図20(A)における白色領域を参照)と、を有する。
【0168】
発光領域506は、導光板501の略中央位置に放射状の図形が表れるように形成されており、導光板501の内部に光が入射したときには、発光領域506が光を反射して前方へ出射することで、導光板501に所定の画像が発光表示されるようになっている。
【0169】
非発光領域507は、発光領域506の中央に設けられる円形をなす非発光部507Aと、発光領域506における非発光部507Aの左右に設けられ非発光部507Aよりも小径の円形をなす複数の非発光部507Bと、発光領域506における非発光部507Aの上方に設けられ非発光部507Aよりも小径の円形をなす非発光部507Cと、発光領域506における非発光部507Aの右斜め下方に向けて配置され非発光部507Aよりも小径の円形をなす複数の非発光部507Dと、発光領域506における非発光部507Aの左斜め下方に向けて配置され非発光部507Aよりも小径の円形をなす複数の非発光部507Eと、導光板501の外縁(発光領域506よりも外側)に複数設けられる非発光部507Fと、からなり、導光板501の内部に光が入射したときでも発光表示されることがない領域とされている。特に、非発光部507A〜507Eは、その周囲が発光領域506に囲まれた領域である。
【0170】
図20(C)に示すように、発光領域506は、右端面501aから内部に入射された導光板LED502からの入射光を誘導して前面から出射させるように微細な凹凸状態(粗面)に背面側に形成されている。具体的には、発光領域506は、光の進行方向を側方から見たときの断面視で一定ピッチの略半円形状をなす凹凸状態(粗面)に形成されている。
図20(C)では、理解を助けるために、凹凸状態(粗面)を拡大して図示しているが、実際の発光領域506は、肉眼で確認することが困難な大きさの微細な凹凸状態となっている。
【0171】
導光板501の右端面501aから内部に光が入射されると、発光領域506に形成された複数の凹部510からなるドットパターンによって導光板501に所定の画像(静止画像)が表示される(
図19(A)における網点領域を参照)。つまり、右端面501aから内部に入射された導光板LED502からの光を前方へ反射して前面から出射させる所定の導光パターンを形成する第1領域としての発光領域506は、複数の凹部510からなるドットパターンが形成された領域であり、右端面501aから内部に入射された導光板LED502からの光を前方へ反射して前面から出射させる所定の導光パターンを形成しない第2領域としての非発光領域507は、複数の凹部510からなるドットパターンが形成されていない領域である。また、本実施形態では、導光板501により表示可能とする表示情報として所定の画像(図形)が例示されているが、これら以外にも、絵柄、文字、記号、図柄、あるいは模様等の装飾も含む他の表示情報を表示可能としても良い。
【0172】
尚、導光板501は、右端面501aから光が入射されていない状態では、発光領域506の部分を含む導光板501全体は無色透明の状態となり、後方の演出表示装置5の表示画像、第1可動体302L,302R、第2可動体402を導光板501の前方から視認(透視)可能となる。また、右端面501aから光が入射された状態では、発光領域506の部分は発光するが、発光領域506以外の部分は、無色透明の状態が維持される。
【0173】
尚、本実施形態では、発光領域506が略半円形状をなす凹凸状態に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発光領域506をスタンパーやインジェクションにより導光板501の背面(後面)に凹凸部をつける成型方式にて構成しても良い。また、アクリル板に白色インクで反射ドットを印刷したシルク印刷方式や、アクリル板と反射板とをドット状の粘着材で貼り付けた貼着ドット方式や、溝加工方式等により反射部を構成しても良い。
【0174】
尚、本実施形態では、導光板501の背面(後面)における発光領域506の各凹凸の形状が断面視で略半円形状となっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら発光領域506の各凹凸の断面形状を略三角形状等、光を正面(前面)に向けて反射可能な反射面を構成するものであれば種々に変形可能である。
【0175】
集光レンズ504は、アクリルまたはポリカーボネート等の透光性を有する部材によって上下方向に延びる長尺板状に形成される。集光レンズ504の導光板501側の面には、正面視で導光板501側に膨出する半円形状の複数の凸部504Aが上下方向に連続して形成されている。集光レンズ504は、複数の凸部504Aが一体に設けられた単一の部材で構成されている。各凸部504Aは、導光板LED502のそれぞれに対応して1つずつ形成されている。
【0176】
尚、凸部504Aは導光板LED502に一対一に対応することに限らず、例えば1つの凸部504Aが2以上の導光板LED502に対応していてもよい。また、集光レンズ504は、複数の凸部504Aが一体に設けられた単一の部材で構成されることに限らず、導光板LED502に対応して別個に形成された複数の集光レンズを用いてもよい。
【0177】
図20(C)に示すように、集光レンズ504の導光板501側の前後幅は、集光レンズ504の導光板LED502側の前後幅よりも小さくなっている。また、集光レンズ504の導光板501側の前後幅は、導光板501の受光面の前後幅と略同じとなっていることで、集光レンズ504からの出射光は前後方向に拡散されることなく(光の漏れなく)導光板501に入射される。
【0178】
集光レンズ504の前面は、導光板LED502側から導光板501側に向けて漸次後側に傾斜する平坦な傾斜面となっており、集光レンズ504の後面は、導光板LED502側から導光板501側に向けて漸次前側に傾斜する平坦な傾斜面となっている。つまり、集光レンズ504は、導光板LED502側から導光板501側に向けて漸次板厚が薄くなるテーパ状に形成されている。
【0179】
また、集光レンズ504と導光板501との間に僅かな隙間が設けられる。例えば、この隙間の間隔は、パチンコ遊技機1の輸送や使用の際に振動が生じた場合であっても、集光レンズ504と導光板501とが接触しない程度の大きさとなっている。これにより、パチンコ遊技機1の輸送や使用の際に生じる振動によって、集光レンズ504や導光板501に傷が付くことを防止することができる。
【0180】
次に、導光板LED502からの出射光の導光状態について説明する。各導光板LED502から出射された出射光は、集光レンズ504に入射される。ここで、集光レンズ504の入射面はレンズ面をなすように湾曲状に形成されているので、導光板LED502からの出射光の指向性が高い場合であっても、集光レンズ504に入射する光は、集光レンズ504内で左右方向に放射状に拡散される。そして、集光レンズ504に入射する光は、内側の湾曲状のレンズ面を通過する際に、右方向に向けて屈折して出射される。
【0181】
これにより、導光板LED502からの出射光の指向性が高い場合であっても、導光板LED502からの出射光を、集光レンズ504によってある程度放射状に拡散させることができ、導光板501における発光領域を広げることが可能となる。また、集光レンズ504からの出射光は、水平方向に向けて誘導されるため(放射状に拡がることが抑制されるため)、各導光板LED502に対応する部分のみを発光させることができる。
【0182】
また、導光板LED502から集光レンズ504に入射された光は、前後方向に全反射を繰り返しつつ、前後方向の略中央位置に向けて集光され、最終的に集光レンズ504のうち導光板501側の端面(前後幅が最も小さい部分)から出射される。
【0183】
このような構成により、導光板LED502からの光を前後方向に拡散させることなく集光して導光板501に導くことができる。特に、導光板LED502の発光面の前後幅が、集光レンズ504の導光板LED502側の前後幅よりも大きい場合であっても、導光板LED502からの光を前後方向に拡散させることなく導光板501に導くことができるので、導光板LED502からの光が周囲に拡散されることを防止することができる。
【0184】
また、特に図示はしないが、例えば導光板LED502が前後方向に複数配置される場合であっても、集光レンズ504の導光板LED502の前後幅を導光板LED502の前後幅に応じて大きくすることにより、導光板LED502からの光を前後方向に拡散させることなく集光レンズ504に入射させることができる。よって、導光板501の前後幅よりも導光板LED502の発光領域の前後幅のほうが大きい場合であっても、導光板LED502からの光を前後方向に拡散させることなく集光して導光板501に導くことができる。
【0185】
集光レンズ504からの光が導光板501内に導かれ、発光領域506に到達すると、発光領域506にて光が前面側(遊技者の側)に向けて反射される。これにより、遊技者から見て、導光板501のうち発光領域506が反射光により発光することで、導光板501の前面に、
図19(A)において網点で表された図形が表示されるようになる。尚、導光板501のうち発光領域506に対応する箇所が反射光により発光されることで、導光板501に所定の文字や図形等の画像が表示されるようになっていてもよい。
【0186】
図19(B)に示すように、遊技者から見て(前後方向で)、演出表示装置5は奥、導光板装置500は手前に配置される。遊技者から見て、演出表示装置5は横長長方形状をなす。例えば、演出表示装置5は、液晶パネルを備える液晶表示装置を用いる。例えば、液晶パネルとしては、ツイストネマティックモード(TNモード)、インプレインスイッチングモード(IPSモード)、バーティカルアライメントモード(VAモード)、強誘電性液晶モード、反強誘電性液晶モード、ホモジニアス型液晶モード、ゲスト−ホスト型液晶モード、高分子分散型液晶モード、ホログラフィック高分子分散型液晶モード等の種々のモードの液晶パネルを用いてもよい。尚、演出表示装置5は、液晶表示装置に限らず、有機EL表示装置、無機EL表示装置等のEL表示装置を用いてもよい。
【0187】
図21に示すように、発光領域506は、導光板501の背面側で動作する第1可動体302L,302Rの移動領域E1と、第2可動体402の移動領域E2と、演出表示装置5の表示領域と、の大部分に対して前後に重畳するように形成されている。尚、移動領域E1,E2は、
図21において1点鎖線で囲まれた斜線領域である。
【0188】
詳しくは、第1可動体302L,302Rの移動領域E1は、第1可動体302L,302Rが第1待機位置から第1進出位置に移動するまでの領域であり、第2可動体402の移動領域E2は、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置に移動するまでの領域であり、第1待機位置と第1進出位置及び第2待機位置と第2進出位置を含む領域である。導光板501は、右端面501aから光が入射された状態では、発光領域506が発光した状態となり、後方の演出表示装置5の表示画像、第1可動体302L,302R、第2可動体402を導光板501の前方から視認(透視)困難または視認不能となる。すなわち、発光領域506が発光した状態にあっては、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が移動動作中または動作完了時のいずれの状態であっても導光板501の前方から視認(透視)困難または視認不能となる。
【0189】
また、
図21に示すように、第1可動体302L,302Rが第1進出位置に位置した際には、該第1可動体302L,302Rの複数の可動体LED307L,307Rが、導光板501の背面において、非発光領域507における複数の非発光部507Bに対応する位置に配置される。また、第2可動体402が第2進出位置に位置した際には、該第1可動体302L,302Rの複数の可動体LED407Aが、導光板501の背面において、非発光領域507における複数の非発光部507Dに対応する位置に配置され、複数の可動体LED407Bが、非発光部507Aに対応する位置に配置され、複数の可動体LED407Cが、非発光部507Eに対応する位置に配置され、可動体LED407Dが、非発光部507Cに対応する位置に配置される。すなわち、第1可動体302L,302Rが第1進出位置に位置し、第2可動体402が第2進出位置に位置した際には、可動体LED307L,307R,407A〜407Dが非発光部507A〜507Eを通して前方から視認可能となる(
図28及び
図29参照)。
【0190】
尚、演出表示装置5の表示画像は、第1可動体302L,302Rの移動領域E1と、第2可動体402の移動領域E2と、の後方に一部重畳するように配置されている。
【0191】
次に、複合演出について
図22〜
図32に基づいて説明する。
図22は、(A)は可動体移動態様決定テーブル、(B)は導光板発光態様決定テーブル、(C)は可動体LED発光態様決定テーブル、(D)は演出表示装置表示態様決定テーブルを示す説明図である。
図23は、(A)は複合演出のパターン1の態様、(B)は複合演出のパターン2の態様を示す説明図である。
図24は、(A)は複合演出のパターン3の態様、(B)は複合演出のパターン4の態様を示す説明図である。
図25は、(A)は複合演出前の状態を示す説明図、(B)は(A)の状態における導光板の説明図、(C)は(A)の状態における演出表示装置の説明図、(D)は(A)の状態における第1可動体及び第2可動体の説明図である。
図26は、(A)は複合演出のパターン1における導光板の発光演出開始時の状態を示す説明図、(B)は(A)の状態における導光板の説明図、(C)は(A)の状態における演出表示装置の説明図、(D)は(A)の状態における第1可動体及び第2可動体の説明図である。
図27は、(A)は複合演出のパターン1における第1可動体及び第2可動体の動作開始時の状態を示す説明図、(B)は(A)の状態における導光板の説明図、(C)は(A)の状態における演出表示装置の説明図、(D)は(A)の状態における第1可動体及び第2可動体の説明図である。
図28は、(A)は複合演出のパターン1における第1可動体及び第2可動体の動作完了時の状態を示す説明図、(B)は(A)の状態における導光板の説明図、(C)は(A)の状態における演出表示装置の説明図、(D)は(A)の状態における第1可動体及び第2可動体の説明図である。
図29は、(A)は複合演出のパターン1における可動体LEDの発光演出時の状態を示す説明図、(B)は(A)の状態における導光板の説明図、(C)は(A)の状態における演出表示装置の説明図、(D)は(A)の状態における第1可動体及び第2可動体の説明図である。
図30は、(A)は複合演出のパターン1における演出表示装置の表示演出時の状態を示す説明図、(B)は(A)の状態における導光板の説明図、(C)は(A)の状態における演出表示装置の説明図、(D)は(A)の状態における第1可動体及び第2可動体の説明図である。
図31は、(A)は複合演出のパターン3における導光板の発光演出時の状態を示す説明図、(B)は複合演出のパターン3における演出表示装置の表示演出時の状態を示す説明図である。
図32は、(A)(B)は複合演出のパターン2の変形例を示す説明図である。尚、
図26〜
図32では、理解を助けるために、遊技盤2の中央部において、遊技者から見て明るい部分を白色で示し、遊技者から見て暗い部分をドット(網点)にて示す。
【0192】
尚、本実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した変動パターン指定コマンドから特定される変動パターンがスーパーリーチ変動パターンであった場合に演出制御用CPU120が実行する演出の一例を説明する。ここでいう演出とは、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の動作演出、導光板装置500による導光板演出(発光演出)、第1可動体302L,302R及び第2可動体402に設けられる各可動体LEDによる演出、及び演出表示装置5による表示演出を含む複合演出である。
【0193】
演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンド(スーパーリーチ変動パターン)を受信したことに基づいて、複合演出の実行を決定するとともに、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の動作演出、導光板装置500による導光板演出、可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる演出、及び演出表示装置5による表示演出といった演出態様を決定し、その後、演出表示装置5において演出図柄の変動表示を開始する。尚、本実施形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した変動パターン指定コマンドがスーパーリーチ当り変動パターンであるかスーパーリーチはずれ変動パターンであるかにかかわらず100%の割合で複合演出の実行を決定するようになっているが、実行の有無を決定するようにしてもよい。
【0194】
具体的には、演出制御基板12が備えるROM121には、例えば
図22(A)に示す可動体移動態様決定テーブル、
図22(B)に示す導光板発光態様決定テーブル、
図22(C)に示す可動体LED発光態様決定テーブル、
図22(D)に示す演出表示装置表示態様決定テーブル等が記憶されている。
【0195】
可動体移動態様決定テーブルとは、複合演出における第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動態様を決定するテーブルである。
【0196】
詳しくは、可動体移動態様決定テーブルは、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を第1進出位置及び第2進出位置に移動させずに第1待機位置及び第2待機位置に停止したままの状態とする停止パターンと、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を第1進出位置及び第2進出位置に移動させる移動パターンと、を有する。尚、停止パターンに決定された際には、移動パターンにおける第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動開始タイミングになったときでも、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を第1待機位置及び第2待機位置に停止させたままとし、演出表示装置5により第1可動体302L,302R及び第2可動体402が第1進出位置及び第2進出位置に移動した画像Pのみを表示させる演出を行う(
図31(B)参照)。
【0197】
尚、本実施形態の可動体移動態様決定テーブルは、停止パターンと移動パターンのみの移動態様を有する態様を例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく移動態様を複数設けてもよい。例えば、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を第1進出位置及び第2進出位置に移動させる第1移動パターンと、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を第1,第2待機位置と第1,第2進出位置との間の位置に移動させる第2移動パターン等を有してもよい。
【0198】
これら停止パターンと移動パターンは、可動体移動態様決定テーブルにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの変動パターン指定コマンドから特定される変動表示の表示結果(はずれ、非確変大当り、確変大当り)に応じて決定される割合が異なっている。
【0199】
具体的には、はずれの場合には、停止パターンが80%の割合で移動態様として決定され、移動パターンが20%の割合で決定される。また、非確変大当りの場合には、停止パターンが20%の割合で移動態様として決定され、移動パターンが80%の割合で決定され、確変大当りの場合には、停止パターンが10%の割合で移動態様として決定され、移動パターンが90%の割合で決定される。すなわち、はずれの場合には、移動パターンよりも停止パターンの方が高い割合で決定され、大当りの場合には、停止パターンよりも移動パターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、可動体移動態様は、停止パターンよりも移動パターンの方が大当りの期待度が高い。また、非確変大当りの場合には、移動パターンよりも停止パターンの方が高い割合で決定され、確変大当りの場合には、停止パターンよりも移動パターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、停止パターンよりも移動パターンの方が確変大当りの期待度が高い。
【0200】
続いて、導光板発光態様決定テーブルについて説明する。導光板発光態様決定テーブルとは、複合演出における導光板装置500の発光態様を決定するテーブルである。
【0201】
詳しくは、導光板発光態様決定テーブルは、導光板501を白色で発光させる白色パターンと、導光板501を赤色で発光させる赤色パターンと、導光板501を点滅発光させるフラッシュパターンと、を有する。この導光板発光態様は、後述するように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動前(可動体移動態様決定テーブルにおける移動パターンの開始前)から移動終了後までの期間行われる(
図23(A),(B)参照)。尚、可動体移動態様決定テーブルにおいて停止パターンが決定された際には、演出表示装置5による第1可動体302L,302R及び第2可動体402の画像表示後に所定期間行われる(
図24(A)参照)。
【0202】
尚、本実施形態の導光板発光態様決定テーブルは、白色パターン、赤色パターン、フラッシュパターンを有する例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光態様は複数有していればよい。例えば、発光態様は青色パターンや緑色パターン、または紫色パターンやレインボーパターン等を有していてもよい。また、本実施形態のフラッシュパターンは、導光板501を赤色で点滅発光させる態様として説明するが、これに限定されるものではなく、他の色で発光させてもよい。
【0203】
これら白色パターン、赤色パターン、フラッシュパターンは、導光板発光態様決定テーブルにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの変動パターン指定コマンドから特定される変動表示の表示結果(はずれ、非確変大当り、確変大当り)に応じて決定される割合が異なっている。
【0204】
具体的には、はずれの場合には、白色パターンが80%の割合で発光態様として決定され、赤色パターンが18%の割合で決定され、フラッシュパターンが2%の割合で決定される。また、非確変大当りの場合には、白色パターンが20%の割合で発光態様として決定され、赤色パターンが60%の割合で決定され、フラッシュパターンが20%の割合で決定される。また、確変大当りの場合には、白色パターンが2%の割合で発光態様として決定され、赤色パターンが18%の割合で決定され、フラッシュパターンが80%の割合で決定される。
【0205】
すなわち、はずれの場合には、赤色パターン及びフラッシュパターンよりも白色パターンの方が高い割合で決定され、大当りの場合には、白色パターンよりも赤色パターン及びフラッシュパターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、発光態様は、白色パターンよりも赤色パターン及びフラッシュパターンの方が大当りの期待度が高い。
【0206】
また、非確変大当りの場合には、フラッシュパターンよりも赤色パターンの方が高い割合で決定され、確変大当りの場合には、赤色パターンよりもフラッシュパターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、赤色パターンよりもフラッシュパターンの方が確変大当りの期待度が高い。
【0207】
次いで、可動体LED発光態様決定テーブルについて説明する。可動体LED発光態様決定テーブルとは、複合演出における可動体LED307L,307R,407A〜407Dの発光態様を決定するテーブルである。尚、可動体LED発光態様決定テーブルは、上記した可動体移動態様決定テーブルを用いて移動パターンを決定したときにのみ決定するために用いられるテーブルであり、停止パターンを決定したときには可動体LED307L,307R,407A〜407Dは発光させないので使用しない。
【0208】
詳しくは、可動体LED発光態様決定テーブルは、可動体LED307L,307R,407A〜407Dを白色で発光させる白色パターンと、可動体LED307L,307R,407A〜407Dを赤色で発光させる赤色パターンと、可動体LED307L,307R,407A〜407Dを点滅発光させるフラッシュパターンと、を有する。これら可動体LED発光態様は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が可動体移動態様決定テーブルにおいて移動パターンに決定されたときに白色パターン、赤色パターン、フラッシュパターンの中から適宜決定される。尚、可動体LED発光態様は、後述するように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が第1進出位置及び第2進出位置に移動したとき(移動終了後)に所定期間行われる(
図23(A),(B)参照)。
【0209】
尚、本実施形態の可動体LED発光態様決定テーブルは、白色パターン、赤色パターン、フラッシュパターンを有する例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光態様は複数有していればよい。例えば、発光態様は青色パターンや緑色パターン、または紫色パターンやレインボーパターン等を有していてもよい。
【0210】
これら可動体LED発光態様決定テーブルにおける白色パターン、赤色パターン、フラッシュパターンは、可動体LED発光態様決定テーブルにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの変動パターン指定コマンドから特定される変動表示の表示結果(はずれ、非確変大当り、確変大当り)に応じて決定される割合が異なっている。
【0211】
具体的には、はずれの場合には、白色パターンが80%の割合で発光態様として決定され、赤色パターンが18%の割合で決定され、フラッシュパターンが2%の割合で決定される。また、非確変大当りの場合には、白色パターンが20%の割合で発光態様として決定され、赤色パターンが60%の割合で決定され、フラッシュパターンが20%の割合で決定される。また、確変大当りの場合には、白色パターンが2%の割合で発光態様として決定され、赤色パターンが18%の割合で決定され、フラッシュパターンが80%の割合で決定される。
【0212】
すなわち、はずれの場合には、赤色パターン及びフラッシュパターンよりも白色パターンの方が高い割合で決定され、大当りの場合には、白色パターンよりも赤色パターン及びフラッシュパターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、発光態様は、白色パターンよりも赤色パターン及びフラッシュパターンの方が大当りの期待度が高い。
【0213】
また、非確変大当りの場合には、フラッシュパターンよりも赤色パターンの方が高い割合で決定され、確変大当りの場合には、赤色パターンよりもフラッシュパターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、赤色パターンよりもフラッシュパターンの方が確変大当りの期待度が高い。
【0214】
次いで、演出表示装置表示態様決定テーブルについて説明する。演出表示装置表示態様決定テーブルとは、複合演出における演出表示装置5の表示態様を決定するテーブルである。
【0215】
詳しくは、演出表示装置表示態様決定テーブルは、演出表示装置5によりエフェクト画像の表示を行わないエフェクトなしパターンと、演出表示装置5によりエフェクト画像を白色で表示するエフェクトAパターンと、演出表示装置5によりエフェクト画像を赤色で表示するエフェクトBパターンと、を有する。これら演出表示装置表示態様は、後述するように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402またはその画像が第1進出位置に移動したとき(移動終了後)に所定期間行われる(
図23(A),(B)及び
図24(B)参照)。
【0216】
尚、本実施形態の演出表示装置表示態様決定テーブルは、エフェクトなしパターンと、エフェクトAパターンと、エフェクトBパターンを有する例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、表示態様は複数有していればよい。例えば、表示態様は青色パターンや緑色パターン、または紫色パターンやレインボーパターン等を有していてもよい。また、表示態様は、色だけでなく図柄等が異なるパターンを複数用意してもよい。
【0217】
これらエフェクトなしパターンと、エフェクトAパターンと、エフェクトBパターンは、演出表示装置表示態様決定テーブルにおいて、遊技制御用マイクロコンピュータ100からの変動パターン指定コマンドから特定される変動表示の表示結果(はずれ、非確変大当り、確変大当り)に応じて決定される割合が異なっている。
【0218】
具体的には、はずれの場合には、エフェクトなしパターンが80%の割合で表示態様として決定され、エフェクトAパターンが18%の割合で決定され、エフェクトBパターンが2%の割合で決定される。また、非確変大当りの場合には、エフェクトなしパターンが20%の割合で表示態様として決定され、エフェクトAパターンが60%の割合で決定され、エフェクトBパターンが20%の割合で決定される。また、確変大当りの場合には、エフェクトなしパターンが2%の割合で表示態様として決定され、エフェクトAパターンが18%の割合で決定され、エフェクトBフラッシュパターンが80%の割合で決定される。
【0219】
すなわち、はずれの場合には、エフェクトAパターン及びエフェクトBパターンよりもエフェクトなしパターンの方が高い割合で決定され、大当りの場合には、エフェクトなしパターンよりもエフェクトAパターン及びエフェクトBパターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、表示態様は、エフェクトなしパターンよりもエフェクトAパターン及びエフェクトBパターンの方が大当りの期待度が高い。
【0220】
また、非確変大当りの場合には、エフェクトBパターンよりもエフェクトAパターンの方が高い割合で決定され、確変大当りの場合には、エフェクトAパターンよりもエフェクトBパターンの方が高い割合で決定される。言い換えれば、エフェクトAパターンよりもエフェクトBパターンの方が確変大当りの期待度が高い。
【0221】
次に、実際の複合演出の流れを説明する。先ず、
図23(A)に示す大当りの場合の1の形態である複合演出のパターン1について説明する。尚、ここでの複合演出のパターン1は、可動体移動態様決定テーブルにおいて移動パターンに決定され、導光板発光態様決定テーブルにおいて赤色パターンに決定され、可動体LED発光態様決定テーブルにおいてフラッシュパターンに決定され、演出表示装置表示態様決定テーブルにおいてエフェクトBパターンに決定されている態様とする。
【0222】
先ず、演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンド(スーパーリーチ変動パターン)を受信したことに基づいて、各種演出態様を決定し、その後、演出表示装置5において演出図柄の変動表示を開始する。そして、所定のタイミングで演出図柄の変動表示状態を所定のリーチ状態とする(
図25(A)参照)。
【0223】
このとき、
図25(B)に示すように、導光板501は、消灯した状態、つまり、発光領域506が光を前方へ出射させずに、発光領域506の部分を含む導光板501全体が無色透明の状態となっており、後方の演出表示装置5の表示画像、第1可動体302L,302R、第2可動体402が導光板501の前方から視認(透視)可能となっている。また、
図25(C)に示すように、演出表示装置5は、演出図柄の変動表示(所定のリーチ状態)を行っている。また、
図25(D)に示すように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、第1待機位置及び第2待機位置に位置しているとともに、可動体LED307L,307R,407A〜407Dは消灯している。
【0224】
次いで、図示しないが、演出制御用CPU120は、演出表示装置5にて演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするとともに、変動表示とは別個にリーチ演出を開始した後、該リーチ演出をスーパーリーチ演出(例えば、キャラクタがバトルを行う画像を表示するなど)へ発展させる。そして、スーパーリーチ演出を開始した後、所定のタイミング(例えば、上記バトルの決着をつけるタイミング等)で、スティックコントローラ31Aまたはプッシュボタン31Bの操作を促す画像を表示する操作促進演出を実行する。演出制御用CPU120は、操作促進演出を実行している期間においてスティックコントローラ31A(またはプッシュボタン31B)の操作を受付けたときまたはスティックコントローラ31A(またはプッシュボタン31B)の操作を受付けずに操作有効期間が終了したとき、つまり、複合演出の開始条件が成立したときに、複合演出のパターン1(演出パターン1に基づく複合演出)を開始する。
【0225】
複合演出のパターン1では、演出制御用CPU120は、操作促進演出を実行している期間においてスティックコントローラ31A(またはプッシュボタン31B)の操作を受付けたときまたはスティックコントローラ31A(またはプッシュボタン31B)の操作を受付けずに操作有効期間が終了したとき、つまり複合演出の開始条件成立時Ta1に、まず、導光板LED502を点灯して導光板演出を実行する(
図23(A)及び
図26(A)参照)。
【0226】
詳しくは、導光板501による発光演出時にあっては、
図26(B)に示すように、導光板501が点灯した状態、つまり、発光領域506に形成された複数の凹部510からなるドットパターンによって前方へ光が出射されて発光領域506が発光することにより導光板501に所定の画像が表示された状態となっており、これにより後方の演出表示装置5の表示画像、第1可動体302L,302R、第2可動体402が導光板501の前方から視認(透視)し難い状態となる。また、
図26(C)に示すように、演出表示装置5は、消灯した状態、つまり、電圧の無印加状態で表示画面が暗表示(黒表示)状態となり、演出図柄の変動表示、画像演出、エフェクト演出等を行わない状態となる。また、
図26(D)に示すように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、第1待機位置及び第2待機位置に位置しているとともに、可動体LED307L,307R,407A〜407Dは消灯している。
【0227】
次いで、第1演出用モータ311及び第2演出用モータ425を駆動して、第1可動体302L,302Rを第1待機位置から第1進出位置、第2可動体402を第2待機位置から第2進出位置へ移動させる進出動作を開始する(
図23(A)、
図27(A)及び
図28(A)参照)。
【0228】
詳しくは、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作時(進出動作開始時Ta2から進出動作終了時Ta3までの期間)にあっては、
図27(B)及び
図28(B)に示すように、導光板501が点灯した状態を継続しているとともに、
図27(C)及び
図28(C)に示すように、演出表示装置5は、消灯状態を継続している。また、
図27(D)及び
図28(D)に示すように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、第1進出位置及び第2進出位置に向けて漸次移動するとともに、可動体LED307L,307R,407A〜407Dは消灯している。
【0229】
尚、
図28(A)に示すように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作終了時Ta3(第1可動体302L,302R及び第2可動体402が第1進出位置及び第2進出位置に位置したとき)にあっては、第1可動体302L,302Rの複数の可動体LED307L,307Rが導光板501の背面における非発光部507Bに対応する位置に配置され、第2可動体402の複数の可動体LED407A〜407Dが導光板501の背面における複数の非発光部507A,507C,507D,507Eの各々に対応する位置に配置される。
【0230】
このように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作時(進出動作開始時Ta2から進出動作終了時Ta3までの期間)にあっては、導光板501に所定の画像(静止画像)が発光表示されると、導光板501は第1可動体302L,302R及び第2可動体402の前方に配設されていることから、導光板501から前方、つまり遊技者側に出射される光により、遊技者側から導光板501の後方にある第1可動体302L,302Rや第2可動体402を視認することが極めて困難な状況となる。つまり、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の状態(移動しているか否かまたは移動態様)を把握し難くなるため、遊技者に第1可動体302L,302R及び第2可動体402の状態がどのようになっているか興味を持たせることができる。
【0231】
また、第2可動体402の一部である機構部分Eは、第2待機位置から第2進出位置へ向けて移動する際に遊技者から視認可能となるが、導光板501から前方に出射される光により遊技者から視認困難となる。また、第2可動体402が第2進出位置に到達した際において、第1可動体302L,302Rは、第2可動体402における第2演出部411Bの左右側に配置される。特に左側の第1可動体302Lは、第2可動ベース410Bの一部である機構部分Eの前面側に重畳するように移動するため、第1可動体302Lによって機構部分Eが隠蔽されて遊技者から視認不能となる。
【0232】
また、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作時にあっては、導光板501は、点灯した状態(発光演出)となっており、演出表示装置5及び可動体LED307L,307R,407A〜407Dは、消灯した状態となっているため、導光板501の発光演出の効果の向上と、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の視認性の低下が相乗的に得られる。
【0233】
次いで、演出制御用CPU120は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作終了時Ta3から可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる発光演出を実行する(
図23(A)及び
図29(A)参照)。
【0234】
詳しくは、可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる発光演出開始時にあっては、
図29(B)に示すように、導光板501が点灯した状態を継続しているとともに、
図29(C)に示すように、演出表示装置5は、消灯した状態を継続している。また、
図29(D)に示すように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、第1進出位置及び第2進出位置に位置した状態を維持しているとともに、可動体LED307L,307R,407A〜407Dは点灯している。
【0235】
可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる発光演出を実行した際には、可動体LED307L,307R,407A〜407Dから前方に照射された光は、導光板501の背面からそれぞれ対応する複数の非発光部507A〜507Eを介して前方側(遊技者側)に出射される。すなわち、このときには、導光板501の発光演出により導光板501の発光領域506が発光するだけでなく、可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる発光演出により導光板501の非発光部507A〜507Eも発光するようになり、導光板501と可動体LED307L,307R,407A〜407Dとを用いた複合的な発光演出として演出効果を高めることができる。
【0236】
次いで、演出制御用CPU120は、導光板501による発光演出を終了させるとともに、導光板501による発光演出終了時Ta4から演出表示装置5によるエフェクト表示(表示演出)を行う(
図23(A)及び
図30(A)参照)。
【0237】
詳しくは、演出表示装置5によるエフェクト表示開始時にあっては、
図30(B)に示すように、導光板501が消灯した状態となっている。また、
図30(C)に示すように、演出表示装置5は、エフェクト表示状態となっている。また、
図30(D)に示すように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、第1進出位置及び第2進出位置に位置した状態を維持しているとともに、可動体LED307L,307R,407A〜407Dは点灯した状態を維持している。
【0238】
尚、このエフェクト表示とは、所定の画像であるエフェクト画像(例えば、稲妻等の画像やロゴや数字等)を演出表示装置5に表示することであり、エフェクト画像は、演出表示装置5における第1可動体302L,302R及び第2可動体402と重畳しない領域において、遊技者から視認可能となる。
【0239】
このように導光板501による発光演出を終了させることで、遊技者は、第1進出位置及び第2進出位置に位置した第1可動体302L,302R及び第2可動体402を視認可能となる。すなわち、複合演出の開始条件成立時Ta1から発光演出終了時Ta4までの期間(導光板501の発光演出期間)では、導光板501から前方に出射される光により、導光板501の後方にある第1可動体302L,302Rや第2可動体402が遊技者から視認困難となっていたため、遊技者は第1可動体302L,302Rや第2可動体402の状態を把握し難くなっていたが、導光板501による発光演出が終了した時点で第1進出位置及び第2進出位置に位置した第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となる。
【0240】
すなわち、導光板501による発光演出を開始したときに第1待機位置及び第2待機位置にあったはずの第1可動体302L,302R及び第2可動体402が、発光演出を終了したときに第1進出位置及び第2進出位置に突然出現する、つまり、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が移動したことを遊技者が分からないため、遊技者に対して驚きを与えることができる。
【0241】
また、第1進出位置及び第2進出位置に位置した第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となった時点では、演出表示装置5のエフェクト表示にて第1可動体302L,302R及び第2可動体402を際立たせるように作用するため、複合演出の演出効果が向上する。
【0242】
尚、演出制御用CPU120は、可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる発光演出と、演出表示装置5によるエフェクト表示とを所定の期間行った後、可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる発光演出と演出表示装置5によるエフェクト表示とを終了させる。そして、可動体LED307L,307R,407A〜407Dによる発光演出及び演出表示装置5によるエフェクト表示終了時Ta5から第1可動体302L,302R及び第2可動体402を第1待機位置及び第2待機位置に向けて退避させる退避動作を、退避動作終了時Ta6までの所定期間行い、複合演出を終了する。
【0243】
その後、演出制御用CPU120は、演出表示装置5における演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに所定の演出図柄を揃えて(例えば、「7−7−7」)停止表示させて大当りが確定したことを報知する。
【0244】
次いで、
図23(B)に示す大当りの場合の他の形態である複合演出のパターン2について説明する。尚、ここでの複合演出のパターン2は、可動体移動態様決定テーブルにおいて移動パターンに決定され、導光板発光態様決定テーブルにおいてフラッシュパターンに決定され、可動体LED発光態様決定テーブルにおいてフラッシュパターンに決定され、演出表示装置表示態様決定テーブルにおいてエフェクトBパターンに決定されている態様とする。
【0245】
図23(B)に示すように、複合演出のパターン2では、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作開始時Tb2から発光演出終了時Tb4までの期間にわたり、導光板501の消灯と点灯とを繰り返して点滅させるフラッシュパターンの導光板501による発光演出を継続して実行する。このようにすることで、進出動作時及び進出動作終了時の第1可動体302L,302R及び第2可動体402がフラッシュパターンの導光板501による発光演出における導光板501の消灯時の短期間に視認できるようになる。尚、この導光板501の消灯と点灯とのそれぞれの間隔は、適宜設定してもよく、例えば、導光板501の消灯と点灯とのそれぞれの間隔を異なる長さとしてもよい。
【0246】
次いで、
図24(A)に示すはずれの場合の1の形態である複合演出のパターン3について説明する。尚、ここでの複合演出のパターン3は、可動体移動態様決定テーブルにおいて停止パターンに決定され、導光板発光態様決定テーブルにおいて白色パターンに決定される態様とする。また、可動体移動態様決定テーブルにおいて停止パターンに決定された場合には、可動体LEDの発光演出を行わないとともに、演出表示装置の表示演出を行わない。言い換えれば、可動体LED発光態様決定テーブルにおいて可動体LED発光態様を決定しない。
【0247】
複合演出のパターン3では、先ず、複合演出の開始条件成立時Tc1に導光板LED502を点灯して導光板演出を実行する(
図31(A)参照)。このとき、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、実際には動作せず、第1待機位置及び第2待機位置で待機している。そして、導光板501による発光演出終了時Tc4に演出表示装置5により第1進出位置及び第2進出位置に位置した状態の第1可動体302L,302R及び第2可動体402の画像Pを表示する(
図31(B)参照)。
【0248】
上述にて説明したように、複合演出の一例であるパターン1〜パターン3は、それぞれ大当りになる期待度が異なる。具体的には、複合演出のパターン1及びパターン2の大当り期待度は、複合演出のパターン3の大当り期待度よりも高くなっており、特に複合演出のパターン2の大当り期待度が複合演出のパターン1及びパターン3に比べて高くなっている。このように、複合演出の種別によって、大当り期待度が異なるため、実行される複合演出の種別に応じて遊技者に期待を持たせることができるため、興趣を向上させることができる。具体的には、変動表示結果が大当りとなる場合、はずれとなる場合よりも高い割合で、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動態様は移動パターンが決定され、導光板LED502や可動体LED307L,307R、407A〜407Dの発光態様は赤色パターンまたはフラッシュパターンが決定され、演出表示装置5の表示態様はエフェクトA,Bが決定されるため、遊技者はこれら期待度が高いパターンが出現することを期待する一方で、期待度が低い停止パターン、白色パターン、エフェクトなしパターンが出現したときでも大当りを期待することができる。
【0249】
また、複合演出のパターン2における変形例として次のようなものもある。
図23(B)において2点鎖線で示すように、演出表示装置5は、導光板501の発光演出における消灯時にエフェクト表示を行うようにしてもよい。言い換えれば、導光板501の発光演出において導光板501の点滅と演出表示装置5のエフェクト表示の点滅とを繰り返すようにしてもよい。
【0250】
具体的には、
図32(A)に示すように、導光板501の発光演出における点灯時には、演出表示装置5のエフェクト表示を消灯させる。これにより、進出動作時における第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認困難または視認不能な状態となる。また、
図32(B)に示すように、導光板501の発光演出における消灯時には、演出表示装置5のエフェクト表示を点灯させる。これにより、進出動作時における第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となる。このように、導光板501の点滅と演出表示装置5のエフェクト表示の点滅とを繰り返すことによって、進出動作する第1可動体302L,302R及び第2可動体402が瞬間的に連続して視認困難または視認不能な状態と視認可能な状態とを繰り返す演出を行うことができ、複合演出の幅が広がる。また、導光板501の発光演出における消灯時に、演出表示装置5のエフェクト表示を点灯させた際には、進出動作時における第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となるが、演出表示装置5の光は遊技者から見て逆光となり、前方にある第1可動体302L,302R及び第2可動体402の周囲の方が明るくなって遊技者からの視認性が低下する。つまり、第1可動体302L,302R及び第2可動体402のシルエットのみ視認可能となる。尚、この場合の演出表示装置5のエフェクト表示画像は、前記実施形態のエフェクト表示画像に比べ、光量が大きいことが好ましい。
【0251】
以上説明したように、本発明の実施形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、移動可能に設けられた第1可動体302L,302R及び第2可動体402と、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動領域E1,E2の少なくとも一部と重なる所定の導光パターンを奥行き方向の遊技者側に形成する導光板501と、を備え、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動期間のうち少なくとも一部の期間で導光板501の発光領域506を発光させる発光演出を実行可能であるため、導光板501による発光演出が実行されることにより第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動が視認し難くなるので、演出効果を向上させることができる。
【0252】
具体的には、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作時(進出動作開始時Ta2から進出動作終了時Ta3までの期間)にあっては、導光板501に所定の画像(静止画像)が発光表示されると、導光板501は第1可動体302L,302R及び第2可動体402の前方に配設されていることから、導光板501から前方、つまり遊技者側に出射される光により、遊技者からは導光板501の後方にある第1可動体302L,302Rや第2可動体402を視認し難くなる。つまり、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が移動している状態を把握し難くなるため、遊技者に第1可動体302L,302R及び第2可動体402がどのような状態になっているか興味を持たせることができる。そして、導光板501による発光演出が終了されると、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となり、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の状態を把握できるため、遊技者に対して驚きを与えることができる。
【0253】
また、本発明の実施形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、移動可能に設けられた第1可動体302L,302R及び第2可動体402と、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動領域E1,E2の少なくとも一部と重なる所定の導光パターンを奥行き方向の遊技者側に形成する導光板501と、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動領域E1,E2の少なくとも一部と重なるように表示領域が配置された演出表示装置5と、を備え、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動期間のうち少なくとも一部の期間で導光板501の発光領域506を発光させる発光演出を実行可能であるため、導光板501による発光演出が実行されることにより第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動が視認し難くなるので、演出効果を向上させることができる。
【0254】
具体的には、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作時(進出動作開始時Ta2から進出動作終了時Ta3までの期間)にあっては、導光板501に所定の画像(静止画像)が発光表示されると、導光板501は第1可動体302L,302R及び第2可動体402の前方に配設されていることから、導光板501から前方、つまり遊技者側に出射される光により、遊技者からは導光板501の後方にある第1可動体302L,302Rや第2可動体402を視認し難くなる。つまり、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が移動している状態を把握し難くなるため、遊技者に第1可動体302L,302R及び第2可動体402がどのような状態になっているか興味を持たせることができる。そして、導光板501による発光演出が終了されると、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となり、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の状態を把握できるため、遊技者に対して驚きを与えることができる。さらに、演出表示装置5は、その表示領域が第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動領域E1,E2の少なくとも一部と重なるように後方に配置されているため、導光板501による発光演出と、第1可動体302L,302R及び第2可動体402による動作演出と、演出表示装置5による表示演出と、を前後に重畳させた状態でそれぞれ行うことができ、複合演出の興趣が向上する。
【0255】
また、本発明の実施形態としてのパチンコ遊技機1にあっては、移動可能に設けられた第1可動体302L,302R及び第2可動体402と、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動領域E1,E2の少なくとも一部と重なる所定の導光パターンを奥行き方向の遊技者側に形成する導光板501と、演出表示装置5と、を備え、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動期間のうち少なくとも一部の期間で導光板501の発光領域506を発光させる発光演出を実行可能であり、第1可動体302L,302R及び第2可動体402に対応したエフェクト表示を演出表示装置5にて実行可能であるため、導光板501による発光演出が実行されることにより第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動が視認し難くなるので、演出効果を向上させることができる。
【0256】
具体的には、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作時(進出動作開始時Ta2から進出動作終了時Ta3までの期間)にあっては、導光板501に所定の画像(静止画像)が発光表示されると、導光板501は第1可動体302L,302R及び第2可動体402の前方に配設されていることから、導光板501から前方、つまり遊技者側に出射される光により、遊技者からは導光板501の後方にある第1可動体302L,302Rや第2可動体402を視認し難くなる。つまり、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が移動している状態を把握し難くなるため、遊技者に第1可動体302L,302R及び第2可動体402がどのような状態になっているか興味を持たせることができる。そして、導光板501による発光演出が終了されると、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となり、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の状態を把握できるため、遊技者に対して驚きを与えることができる。さらに、第1可動体302L,302R及び第2可動体402に対応したエフェクト表示を演出表示装置5にて実行可能であるため、導光板501による発光演出が終了されて第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となったときに、例えば、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を際立たせる演出を行うことができ、複合演出の興趣が向上する。
【0257】
また、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動期間において、前方の導光板装置500により発光演出を行うことにより、遊技者から導光板501の後方にある第1可動体302L,302Rや第2可動体402の少なくとも一部を視認し難くするため、非透光性の板材からなるシャッタ等により第1可動体302L,302R及び第2可動体402の前方を被覆する場合に比べて、導光板装置500の発光演出に遊技者の興味を引き付けることができ、これにより第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動に注目させにくくすることができるため、発光演出の終了に伴い第1可動体302L,302R及び第2可動体402が第1進出位置、第2進出位置に出現したときの意外性を好適に高めることができる。
【0258】
また、特に第2可動体402は、第1演出部411A、第2演出部411B,411D及び第3演出部411Cを有し、これらは第1待機位置にあるときには横向きになり互いに前後に重なるように配置され、第1進出位置へ移動することで所定の形態をなすように設けられている(
図16、
図17参照)。つまり、第1待機位置にあるときと第1進出位置へ移動したときの形態が異なる可動体であるため、発光演出の終了に伴い第1可動体302L,302Rが第1進出位置に出現したときの意外性を好適に高めることができる。
【0259】
さらに、第1可動体302L,302Rと第2可動体402とは、第1待機位置と該第1待機位置とは異なる第2待機位置に配置され、複合演出以外のタイミングでそれぞれ単独で可動体演出を実行可能であるとともに、複合演出において互いに近接(合体)する可動体であるため、発光演出の終了に伴い第1可動体302L,302Rと第2可動体402とが第1進出位置、第2進出位置にて合体した状態で出現したときの意外性を好適に高めることができる。
【0260】
また、前記実施形態では、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作期間の少なくとも一部において導光板装置500による発光演出を実行することで、遊技者から導光板501の後方にある第1可動体302L,302Rや第2可動体402の少なくとも一部を視認し難くする形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302L,302Rや第2可動体402の少なくとも一部を視認不能となるようにしてもよい。
【0261】
尚、第1可動体302L,302Rや第2可動体402の視認性を低下させる方法としては、導光板LED502の発光輝度を高めること、発光色を可動体の表面色と同じまたは類似させること、可動体の表面色を暗い色(黒色等)にすること、導光板501を複数重畳して配置すること、のうち少なくともいずれかを適用することが好ましい。
【0262】
また、前記実施形態では、第1可動体302L,302Rと第2可動体402を対象とした形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302L,302Rと第2可動体402のうちいずれか一方の移動領域のみを発光領域506の少なくとも一部に重畳するように設け、移動期間の少なくとも一部において一方の可動体の視認性が困難となるようにしてもよい。
【0263】
また、前記実施形態では、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作期間の少なくとも一部において実行される導光板装置500による発光演出を、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作期間の少なくとも一部において実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、退避動作期間の少なくとも一部において実行するようにしてもよい。
【0264】
また、前記実施形態では、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作期間(進出動作開始時Ta2から進出動作終了時Ta3までの期間)にわたり、導光板501による発光演出を継続して行う形態(
図23(A)のパターン1や
図23(B)のパターン2)を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動期間のうち一部の期間で導光板501の発光演出を実行可能であればよい。
【0265】
例えば、
図24(B)に示すように、導光板501による発光演出は、複合演出の開始条件成立時Td1から開始され、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作開始時Td2中も継続され、且つ第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作終了時Td3の前に終了されるようにしてもよい。このように、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作が開始されてから終了するまでの期間のうちの一部の期間(前半)にのみ発光演出を行うようにすることで、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は移動途中から視認容易になるが、動作を開始したことが分からない状況で移動途中の第1可動体302L,302R及び第2可動体402が突然出現するため、遊技者に驚きを与えることができる。
【0266】
また、
図24(B)においては、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作が開始されてから終了するまでの期間のうち前半に発光演出を行う形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作が開始された後から終了するまでの期間のうちの途中に発光演出を実行してもよいし、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作が開始されてから終了するまでの期間のうち後半に発光演出を実行するようにしてもよい。
【0267】
また、前記実施形態では、複合演出として、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の動作演出、導光板装置500による導光板演出(発光演出)、第1可動体302L,302R及び第2可動体402に設けられる各可動体LEDによる演出、及び演出表示装置5による表示演出を含む形態を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、少なくとも第1可動体302L,302R及び第2可動体402の動作演出と導光板装置500による導光板演出を含んでいればよく、導光板装置500と可動体LED307L,307R、407A〜407Dとによる発光演出や、演出表示装置5による第1可動体302L,302R及び第2可動体402に対応した表示演出(例えば、エフェクト表示演出など)を実行しないものでもよい。
【0268】
尚、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の動作演出と導光板装置500による導光板演出のみで複合演出を行う場合には、導光板501の非発光部507A〜507Fを発光領域506とする(導光板501の全面を発光領域506とする)ことにより、非発光部507A〜507Fから第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となることを防止してもよい。つまり、導光板501の発光演出時には、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を視認不能としてもよい。
【0269】
また、前記実施形態では、複合演出が演出表示装置5にてスーパーリーチ演出を実行した後、所定の演出図柄(抽選結果)を表示するまでの間に実行される形態を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、適宜タイミングで実行されてもよい。例えば、複合演出は、リーチ状態が成立したとき、スーパーリーチへ発展するとき、図柄の変動表示が開始されるとき、擬似連を実行するときなど、図柄の変動表示中における他のタイミングにて実行するようにしてもよい。また、大当り図柄を揃えた後に再変動させて確率変動大当りであることを報知したり、大当り中において確率変動大当りに昇格したことを報知する昇格演出を実行するとき、大当り中において保留内連荘大当りがあることを報知するとき、大当りのラウンドが継続することを報知するときなど、その他の種々のタイミングにて実行するようにしてもよい。
【0270】
また、前記実施形態では、発光領域506が、導光板501の背面側で動作する第1可動体302L,302Rの移動領域E1と、第2可動体402の移動領域E2と、演出表示装置5の表示領域と、の大部分に対して前後に重畳するように形成されている形態を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光領域506は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動領域E1,E2の少なくとも一部と重なるように形成されていればよく、発光領域506により第1可動体302L,302R及び第2可動体402の一部(例えば、機構部分Eや主要な演出部など)がその進出移動時に遊技者から視認困難となり、発光領域506以外の領域(非発光領域507)により第1可動体302L,302R及び第2可動体402の一部がその進出移動時に遊技者から視認可能となっていてもよい。
【0271】
また、前記実施形態では、演出表示装置5と、第1可動体302L,302Rの移動領域E1及び第2可動体402の移動領域E2とが、前後に重畳するように配置されている形態を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出表示装置5と、第1可動体302L,302Rの移動領域E1及び第2可動体402の移動領域E2とは、必ずしも前後に重畳していなくてもよい。例えば、演出表示装置5と第1可動体302L,302Rの移動領域E1及び第2可動体402の移動領域E2とが重畳しないように左右または上下にずらして配置してもよい。
【0272】
このようにした場合でも、演出表示装置5により、第1可動体302L,302R及び第2可動体402に対応した演出表示(例えば、エフェクト表示演出など)を実行することは可能である。また、前記実施形態では、第1可動体302L,302R及び第2可動体402に対応した演出表示の一例としてエフェクト表示演出を実行する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1可動体302L,302R及び第2可動体402に関連する画像(可動体を模した画像等)を表示する演出表示など、エフェクト以外の表示としてもよい。
【0273】
また、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動の開始前から終了後まで導光板501による発光演出を実行するので、発光演出が終了したときには第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動が終了しており、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動がより視認し難くなるので、演出効果を向上させることができる。
【0274】
すなわち、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作開始時Ta2より前に導光板501による発光演出の実行を開始するので、遊技者は、第1可動体302L,302R及び第2可動体402が動作し始めたか否かを把握し難く、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の状態への興味を持たせる効果が向上する。そして、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作終了時Ta3以降の所定期間(進出動作終了時Ta3から発光演出終了時Ta4までの期間)導光板501による発光演出を行うため、導光板501による発光演出を終了させると、遊技者は、第1進出位置及び第2進出位置に位置した第1可動体302L,302R及び第2可動体402を視認可能となり、演出効果が向上する。
【0275】
尚、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作終了時Ta3以降の所定期間(進出動作終了時Ta3から発光演出終了時Ta4までの期間)は、適宜設定できる。例えば、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の進出動作終了時Ta3以降の所定期間を長く設定することで、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を視認できない状態を長く継続させて、遊技者にさらに興味を持たせるようにしてもよい。
【0276】
また、導光板501による発光演出の発光態様を複数種類のうちからいずれかに決定する演出制御用CPU120と、遊技者にとって有利な有利状態に制御する遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103と、を備え、演出制御用CPU120は、CPU103により有利状態に制御されるか否かに応じて発光態様を決定し、導光板501による発光演出では演出制御用CPU120が決定した発光態様にて発光するようになっているため、導光板501の発光態様の種別に応じて遊技者に期待を持たせることができるため、興趣を向上させることができる。
【0277】
具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103は、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンドを演出制御基板12に送信する。演出制御基板12が備えるROM121には、可動体移動態様決定テーブル、導光板発光態様決定テーブル、可動体LED発光態様決定テーブル、演出表示装置表示態様決定テーブルが記憶されている。そして、演出制御用CPU120は、変動パターン指定コマンドから特定される図柄の変動表示結果が大当り表示結果であるか否かに応じて、可動体移動態様決定テーブル、導光板発光態様決定テーブル、可動体LED発光態様決定テーブル、演出表示装置表示態様決定テーブルに基づき、例えば、演出用乱数等を用いて抽選により各種演出態様(演出パターン)を決定し、該抽選により決定した演出態様に基づいて演出を実行する。したがって、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動態様、導光板501の発光態様、可動体LED307L,307R,407A〜407Dの発光態様、演出表示装置5の表示態様を変えて複合演出を実行可能であり、例えば、導光板LED502を白色、赤色、フラッシュの態様で発光させることを可能とし、遊技者は、図柄の変動表示結果が大当り表示結果となる場合、はずれ表示結果となる場合よりも高い割合で赤色またはフラッシュにて発光させるようにすることで、遊技者は、導光板装置500により赤色またはフラッシュの発光演出が実行されることで、白色の発光演出が実行される場合よりも大当り表示結果が導出されることを期待できるため、遊技の興趣が向上する。また、各種演出態様を組み合わせて複合演出を実行するため、複合演出の幅が広がる。
【0278】
また、前記実施形態では、遊技者にとって有利な有利状態の一例として大当り遊技状態を適用した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技者にとって有利な有利状態とは、例えば、時短制御が行われる時短状態、確変制御が行われる確変状態等を含む。
【0279】
また、パチンコ遊技機1は演出表示装置5を備え、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は可動体LED307L,307R,407A〜407Dを有し、導光板501の発光演出を実行するとき、演出表示装置5及び第1可動体302L,302R及び第2可動体402可動体LED307L,307R,407A〜407Dを消灯させるようになっているため、導光板501の発光演出の効果を高めつつ、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動の視認性をさらに低下させることができる。すなわち、導光板501の発光演出の一部、詳しくは、複合演出の開始条件成立時Ta1から進出動作終了時Ta3までの期間には、演出表示装置5及び第1可動体302L,302R及び第2可動体402の可動体LED307L,307R,407A〜407Dが消灯するため、導光板501の発光演出が際立つとともに、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の視認性がさらに低下するように相乗的に作用する。
【0280】
また、第2可動体402は、第2可動体402を移動させるための部位であって第2可動体402が少なくとも移動しているときに遊技者から少なくとも一部が視認可能な機構部分Eを備え、所定の導光パターンは、第2可動体402における機構部分Eの移動領域の前方に配置されるので、第2可動体402の機構部分Eを導光板501の発光演出により視認し難くすることができる。
【0281】
このようにすることで、第2可動体402の移動に応じて移動機構部の機構部分Eが遊技者から視認可能となっても、導光板501による発光演出により機構部分Eが隠蔽されることにより機構部分Eの視認を困難化できるため、第2可動体402の移動途中における美観が損なわれることを抑制できる。
【0282】
また、第2可動体402が第2進出位置に到達した際において、第1可動体302L,302Rは、第2可動体402における第2演出部411Bの左右側に配置される。特に左側の第1可動体302Lは、第2可動ベース410Bの一部である機構部分Eの前面側に重畳するように移動するため、第1可動体302Lによって機構部分Eが隠蔽されて遊技者から視認不能となるため、導光板501による発光演出が終了しても、第2可動体402の美観が損なわれることを抑制できる。
【0283】
尚、機構部分Eを透光性を有する透過部材等により形成することで、第2可動体402が第2待機位置から第2進出位置へ移動する際に導光板501の発光演出が実行されたときの機構部分Eの視認性をより困難化してもよい。
【0284】
また、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、可動体LED307L,307R,407A〜407Dを有し、導光板501は、所定の導光パターンを形成する発光領域506と所定の導光パターンを形成しない非発光領域507における非発光部507A〜507Eとを有し、非発光部507A〜507Eに対応するように可動体LED307L,307R,407A〜407Dを配置した状態に第1可動体302L,302R及び第2可動体402を動作させて可動体LED307L,307R,407A〜407D及び導光板501による発光演出を実行可能であるため、可動体LED307L,307R,407A〜407Dを発光領域506で発光させるだけでなく、非発光部507A〜507Eについても第1可動体302L,302R及び第2可動体402の可動体LED307L,307R,407A〜407Dにて発光させることができるので、発光演出の演出効果を向上させることができる。
【0285】
尚、前記実施形態では、その周囲が発光領域506に囲まれた領域である非発光部507A〜507Eと対応した位置に可動体LED307L,307R,407A〜407Dが配置される形態を例に挙げ説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、非発光領域507に対応するように可動体LEDが配置されればよい。例えば、可動体LEDが非発光領域507における非発光部507Fに対応するように配置されてもよい。
【0286】
例えば、前記実施形態では、第1可動体302L,302R及び第2可動体402を備える態様について説明したが、導光板501の所定の導光パターンである発光領域506の少なくとも一部が可動体の前方に重畳するように配置されていれば、可動体は1つであってもよいし、3つ以上複数設けられていてもよい。また、第1可動体302L,302Rは、第1待機位置から第1進出位置(上方から下方)に移動し、第2可動体402は、第2待機位置から第2進出位置(下方から上方)に移動する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1可動体302L,302R及び第2可動体402は、左右方向及び前後方向または回動方向に移動してもよい。尚、第1可動体302L,302R及び第2可動体402がそれぞれの移動に追従するように同方向へ移動するものであってもよいし、交差する方向へ移動するものであってもよい。
【0287】
また、前記実施形態では、可動体に設けられる発光部は、可動体LED307L,307R,407A〜407Dといった発光ダイオードなどの光源により形成した形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発光部は光を照射可能に構成されていれば、光源が発光部とは別個所に設けられ、導光部材等により導光されることで発光部が発光するように構成されていてもよい。
【0288】
また、前記実施形態においては、導光板501の発光領域506が導光板501の背面に形成される複数の凹部510で構成される例を示したが、導光板501の内部に入射された光を導光板501の前面から出射させることで導光板501に表示情報を表示可能なものであれば、例えば、導光板501の内部に入射された光を全反射させずに、導光板501の前面から出射させる複数の凸部等の透光誘導部であってもよいし、あるいは、導光板501の前後面に形成される凹部や凸部ではなく、導光板501の内部に形成され、導光板501の前面から光を出射させるように導光板501の内部に入射された光を反射する反射部等であってもよい。
【0289】
また、前記実施形態においては、導光板501が透明である例を示したが、光源からの光を反射して表示情報を表示できるように透光性を有するものであればよく、半透明や不透明の導光板を用いてもよい。また、導光板は着色されていてもよく、有色透明等であってもよい。
【0290】
また、前記実施形態では、導光部は一枚の導光板501にて構成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前後方向に重なるように設けられた複数の導光板にて構成されていてもよい。また、導光部が複数の導光板を有する場合、各導光板に設けられた第1領域が発光表示される画像は、導光板ごとに異なるものであってもよい。また、この場合、可動体に設けられた発光部は、複数の導光板のうち少なくともいずれかに設けられた非発光領域に対応する位置に配置されるようにすればよい。
【0291】
また、前記実施形態においては、導光板装置500が遊技盤2の演出表示装置5の前側に取付けられる例を示したが、遊技盤2の演出表示装置5の前側以外の場所に取付けられてもよいし、例えば遊技機用枠3のガラス窓50aが導光板501で形成され、この導光板501に光が入射されるように導光板装置が構成される等、遊技機用枠3に導光板装置500が設けられてもよい。
【0292】
また、前記実施形態においては、第1進出位置及び第2進出位置に位置した第1可動体302L,302R及び第2可動体402が視認可能となった時点で演出表示装置5のエフェクト表示が第1可動体302L,302R及び第2可動体402を際立たせるように作用する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、演出表示装置5のエフェクト画像と第1可動体302L,302R及び第2可動体402とが関連性を持って連続し、1つの図柄等を構成するようになっていてもよい。
【0293】
また、前記実施形態では、導光部の一例として導光板装置500を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、導光板装置500に代えて透過型液晶表示器や透過型EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置等を適用してもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態(第2の実施の形態)を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。
図33はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
【0294】
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2Aを有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤2を除く)とを含む構造体である。
【0295】
ガラス扉枠2Aの下部表面には打球供給皿(上皿)90がある。打球供給皿90の下部には、打球供給皿90に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿91や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)92が設けられている。また、ガラス扉枠2Aの背面には、遊技盤2が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤2は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤2の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域10が形成されている。
【0296】
余剰球受皿(下皿)91を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。なお、スティックコントローラ31Aには、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン31C(
図35を参照)が設けられ、スティックコントローラ31Aの操作桿の内部には、トリガボタン31Cに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ35C(
図35を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するコントローラセンサユニット(傾倒方向センサユニット)35A(
図35を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ31Aには、スティックコントローラ31Aを振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(
図35を参照)が内蔵されている。
【0297】
打球供給皿(上皿)90を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35B(
図35を参照)が設けられていればよい。
図33に示す構成例では、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン31B及びスティックコントローラ31Aの取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン31Bとスティックコントローラ31Aの取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
【0298】
遊技領域10の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置5は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置5の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置5は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器4Aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器4Bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置5で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
【0299】
また、演出表示装置5において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置5に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
【0300】
なお、この実施の形態では、演出表示装置5における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置5で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
【0301】
演出表示装置5の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
【0302】
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ115側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置5を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置5の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されることはないため、常に視認することができる。
【0303】
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
【0304】
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器4Aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
【0305】
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置5の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置5とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
【0306】
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置5の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
【0307】
遊技盤2における中央部の右側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)4Aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器4Aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。第1特別図柄表示器4Aの右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)4Bが設けられている。第2特別図柄表示器4Bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器4Bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
【0308】
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
【0309】
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
【0310】
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器4A,4Bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
【0311】
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が普通入賞球装置6Aまたは普通可変入賞球装置6Bを通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
【0312】
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aを有する入賞装置が設けられている。普通入賞球装置6Aに入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第1始動口スイッチ22Aによって検出される。
【0313】
また、普通入賞球装置(第1始動入賞口、第1始動口)6Aを有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な普通可変入賞球装置6Bを有する可変入賞球装置6が設けられている。普通可変入賞球装置(第2始動入賞口、第2始動口)6Bに入賞した遊技球は、遊技盤2の背面に導かれ、第2始動口スイッチ22Bによって検出される。可変入賞球装置6は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置6が開状態になることによって、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置6が開状態になっている状態では、普通入賞球装置6Aよりも、普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置6が閉状態になっている状態では、遊技球は普通可変入賞球装置6Bに入賞しない。従って、可変入賞球装置6が閉状態になっている状態では、普通可変入賞球装置6Bよりも、普通入賞球装置6Aに遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置6が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
【0314】
以下、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
【0315】
可変入賞球装置6が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置6に向かう遊技球は普通可変入賞球装置6Bに極めて入賞しやすい。そして、普通入賞球装置6Aは演出表示装置5の直下に設けられているが、演出表示装置5の下端と普通入賞球装置6Aとの間の間隔をさらに狭めたり、普通入賞球装置6Aの周辺で釘を密に配置したり、普通入賞球装置6Aの周辺での釘配列を、遊技球を普通入賞球装置6Aに導きづらくして、普通可変入賞球装置6Bの入賞率の方を普通入賞球装置6Aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
【0316】
なお、この実施の形態では、
図33に示すように、普通可変入賞球装置6Bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置6が設けられているが、普通入賞球装置6Aおよび普通可変入賞球装置6Bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
【0317】
第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bの上方には、普通入賞球装置6Aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1保留表示器(第1特別図柄保留記憶表示器)25Aが設けられている。第1保留表示器25Aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器4Aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0318】
また、第1特別図柄表示器4Aおよび第2特別図柄表示器4Bの上方には、普通可変入賞球装置6Bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2保留表示器(第2特別図柄保留記憶表示器)25Bが設けられている。第2保留表示器25Bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器4Bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
【0319】
また、演出表示装置5の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが、遊技球を模した画像として普通入賞球装置6Aおよび普通可変入賞球装置6Bへの入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤枠で表示され、第2保留記憶は青枠で表示される)。
【0320】
本実施の形態において、合算保留記憶表示部18cにおいて表示される保留表示の表示態様として、赤色である「赤」、緑色である「緑」、青色である「青」、白色である「白」が設けられている。保留表示の示す大当りの信頼度(以下、大当り期待度ともいう)は、「赤」>「緑」>「青」>「白」の順に高い。例えば、始動入賞が発生した際に、保留予告演出を実行するか否かを判定し、保留予告演出を実行する場合には、いずれの表示態様を上限として保留表示を表示するかを大当りとなることに対する信頼度にもとづいて決定し、決定した表示態様を上限として保留表示を表示する。なお、保留予告演出を実行するか否かにかかわらず、始動入賞が発生したときに「白」の表示態様にて保留表示を開始するものである。
【0321】
また、本実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、未だ変動が行われていない保留記憶に対する保留表示が行われるとともに、該保留記憶に対する変動表示を開始してから終了するまでの間、該保留記憶に対する保留表示を、合算保留記憶表示部18cとは異なるアクティブ表示部18dにおいて継続して表示し続ける。すなわち、該アクティブ表示部18dにおいて、実行中の変動表示に対応したアクティブ表示(変動表示対応画像)が表示されることとなる。アクティブ表示は、実行中の変動にもとづいて大当りが発生することに対する信頼度を示す画像である。アクティブ表示としては、上述した保留表示と同一の画像(遊技球を模した画像であり、表示態様としては赤色である「赤」、緑色である「緑」、青色である「青」、白色である「白」が設けられている。大当りの信頼度は、「赤」>「緑」>「青」>「白」の順に高い。)が表示される。
【0322】
演出表示装置5は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器4Bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器4Aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置5における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置5における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器4Aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器4Bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置5において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
【0323】
また、
図33に示すように、可変入賞球装置6の下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は開閉板を備え、第1特別図柄表示器4Aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器4Bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド17によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
【0324】
遊技盤2の左側方には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
【0325】
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器20の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置6が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置6の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器20の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普図保留表示器(普通図柄保留記憶表示器)25Cが設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普図保留表示器25Cは点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器20の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置6の開放時間と開放回数が高められる。
【0326】
遊技盤2の遊技領域10の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LEDが設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域10の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域10の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
【0327】
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル92を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域10に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域10を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域10に入り、その後、遊技領域10を下りてくる。遊技球が普通入賞球装置6Aに入り第1始動口スイッチ22Aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器4Aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、普通入賞球装置6Aへの入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
【0328】
遊技球が普通可変入賞球装置6Bに入り第2始動口スイッチ22Bで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器4Bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置5において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、普通可変入賞球装置6Bへの入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
【0329】
この実施の形態では、所定の種別の大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器4A,4Bや演出表示装置5における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置6が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置6が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。なお、この実施の形態では、大当りとなった場合には必ず高確率状態に移行されるのであるが、大当りとなった場合に、高確率状態以外にいわゆる時短状態(例えば、低確率状態、且つ、高ベース状態)に移行される場合もあるように遊技機を構成してもよい。
【0330】
なお、可変入賞球装置6が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器20における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置6が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器20における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置6が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置6の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置6の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
【0331】
また、普通図柄表示器20における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置6が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
【0332】
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
【0333】
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
【0334】
図34は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、
図34は、払出制御基板37および演出制御基板12等も示されている。主基板11には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ100が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM101、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM102、プログラムに従って制御動作を行うCPU103およびI/O105を含む。この実施の形態では、ROM101およびRAM102は遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU103のほかRAM102が内蔵されていればよく、ROM101は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/O105は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ100には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路530が内蔵されている。
【0335】
また、RAM102は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、高確率フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM102の全部が、電源バックアップされているとする。
【0336】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100においてCPU103がROM101に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ100(またはCPU103)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU103がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板11以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
【0337】
乱数回路530は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路530は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
【0338】
乱数回路530は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
【0339】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数回路530が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM101等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ100のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ100の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路530が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路530が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
【0340】
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ100に与える入力ドライバ回路58も主基板11に搭載されている。また、可変入賞球装置6を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置7を開閉するソレノイド17を遊技制御用マイクロコンピュータ100からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板11に搭載されている。
【0341】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25Bおよび普図保留表示器25Cの表示制御を行う。
【0342】
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板11に搭載されている。
【0343】
この実施の形態では、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置5の表示制御を行う。
【0344】
また、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
【0345】
図35は、中継基板77、演出制御基板12、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、
図35に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板12のみを設けてもよい。
【0346】
演出制御基板12は、演出制御用CPU120、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ115を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ115におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板12において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板11からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ152および入力ポート153を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置5の表示制御を行わせる。
【0347】
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ115と共動して演出表示装置5の表示制御を行うVDP109が演出制御基板12に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ115とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置5に出力する。
【0348】
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置5に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU120の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
【0349】
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板12において、まず、入力ドライバ152に入力する。入力ドライバ152は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板12の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
【0350】
中継基板77には、主基板11から入力された信号を演出制御基板12に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板12から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。
図35には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板11から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板11の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板11の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ100側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、
図34に示されたI/O105の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
【0351】
また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aのトリガボタン31Cに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ35Cから、入力ポート156を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから、入力ポート156を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、スティックコントローラ31Aの操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから、入力ポート156を介して入力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポート155を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ31Aを振動動作させる。
【0352】
さらに、演出制御用CPU120は、出力ポート155を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU120は、出力ポート154を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
【0353】
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
【0354】
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
【0355】
次に、遊技機の動作について説明する。
図36は、主基板11における遊技制御用マイクロコンピュータ100が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU103は、まず、必要な初期設定を行う。
【0356】
初期設定処理において、CPU103は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU103が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
【0357】
次いで、CPU103は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU103は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
【0358】
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU103は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
【0359】
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU103は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
【0360】
チェック結果が正常であれば、CPU103は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM101に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM102内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
【0361】
また、CPU103は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU103は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板12に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU103は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(
図45参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ115は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
【0362】
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
【0363】
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU103は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0364】
また、CPU103は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
【0365】
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0366】
初期化処理では、CPU103は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM102の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM101に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
【0367】
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
【0368】
また、CPU103は、サブ基板(主基板11以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ100が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ115は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置5において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
【0369】
また、CPU103は、乱数回路530を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU103は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路530にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
【0370】
そして、ステップS15において、CPU103は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
【0371】
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU103は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ100が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
【0372】
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置5において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、一部の場合を除いて、リーチ演出が実行される。本実施の形態では、詳細は後述するが、リーチ状態とならずに大当り図柄が停止表示する変動パターンとして「リーチなし大当り」(「突発大当り」ともいう)が設けられている。なお、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示されることとしてもよい。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ115である。
【0373】
タイマ割込が発生すると、CPU103は、
図37に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU103は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
【0374】
次に、CPU103は、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cの表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4Bおよび普通図柄表示器20については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
【0375】
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU103は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
【0376】
さらに、CPU103は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4Bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0377】
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU103は、普通図柄表示器20の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
【0378】
また、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ115に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
【0379】
さらに、CPU103は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
【0380】
また、CPU103は、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22Bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
【0381】
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU103は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
【0382】
また、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
【0383】
さらに、CPU103は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU103は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU103は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器20における普通図柄の演出表示を実行する。
【0384】
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
【0385】
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
【0386】
第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」または「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0387】
第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bおよび演出表示装置5にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
【0388】
この実施の形態では、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L、5C、5Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
【0389】
第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置5において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置5における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
【0390】
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0391】
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、本実施の形態に示すように、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
【0392】
図38は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。
図38に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、
図38に示すように、リーチしない場合に使用される擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
【0393】
また、
図38に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−5、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、
図38において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、
図38に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。また、非リーチPA1−5を用いる場合には、リーチ演出を行わずに大当りとなる。以下、リーチ演出を行わない大当りを「突発大当り」ということがある。
【0394】
なお、この実施の形態では、
図38に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
【0395】
図39は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)。
【0396】
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
【0397】
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
【0398】
なお、この実施の形態では、後述するように、15R確変大当り、8R確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
【0399】
図37に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
【0400】
図40(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、
図40(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、
図40(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。
図40(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
【0401】
なお、この実施の形態では、確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態である場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。なお、後述するように、この実施の形態では、15R確変大当りまたは8R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態および高ベース状態が継続する。また、突然確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高ベース状態には移行されずに高確率状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態が継続する。従って、この実施の形態では、突然確変大当りの大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみに移行され、高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)確変状態となる場合がある。
【0402】
図40(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM101に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、
図40(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、
図40(C)に記載されている各数値が設定されている。また、
図40(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
【0403】
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、
図40(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
【0404】
CPU103は、所定の時期に、乱数回路530のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が
図40(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が
図40(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、
図40(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、
図40(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
【0405】
なお、この実施の形態では、
図40(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、普通入賞球装置6Aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、普通可変入賞球装置6Bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
【0406】
図40(D),(E)は、ROM101に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、
図40(D)は、遊技球が普通入賞球装置6Aに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、
図40(E)は、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
【0407】
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、
図40(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、普通入賞球装置6Aに始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、普通可変入賞球装置6Bに始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
【0408】
なお、この実施の形態では、
図40(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの確変大当り「15R確変大当り」および8ラウンドの確変大当り「8R確変大当り」とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
【0409】
この実施の形態では、
図40(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、8ラウンドおよび2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
【0410】
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(ステップS168,S144,ステップS170,S140参照)。
【0411】
「8R確変大当り」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(ステップS168,S144,ステップS170,S140参照)。
【0412】
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」や「8R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、高ベース状態には移行されずに高確率状態のみに移行される。)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高確率状態が終了する。
【0413】
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、この実施の形態で示すように大当り種別が全て確変大当り(この実施の形態では、15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施の形態のように大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
【0414】
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU103は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
【0415】
なお、本実施の形態では、上述したように、高確率状態へ移行する大当り種別のみを有することとしたが、高確率状態へ移行しない大当り(いわゆる、通常大当り)を有することとしてもよい。また、高確率状態に移行した場合、所定回数の変動表示を行うことを契機に通常状態へ移行することにより高確率状態を終了するものとしたが、通常大当りを有する構成とした場合、高確率状態に回数制限を設けずに、通常大当りが発生することを契機に通常状態へ移行することで高確率状態を終了する構成としてもよい。
【0416】
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
【0417】
なお、本実施の形態では、15R確変大当りまたは8R確変大当りが発生したときに高確率状態と高ベース状態とに移行するとともに、70回の変動表示を終了すると高確率状態と高ベース状態とを終了する構成としたが、各遊技状態に移行してから終了するまでの変動表示の回数は、高確率状態と高ベース状態とで同数でなくてもよい。例えば、大当り終了後に70回の変動表示を終了した際に高ベース状態を終了し、71回の変動表示を終了した際に高確率状態を終了することとしてもよい。
【0418】
また、本実施の形態では、突然確変大当りが発生したときには、大当り終了後に高ベース状態には移行せずに高確率状態のみに移行することとしたが、これに限らず、15R確変大当りや8R確変大当りの発生時と同様に、確変状態と高ベース状態とに移行することとしてもよい。また、突然確変大当りが発生した際の遊技状態にもとづいて、高ベース状態に移行するか否かを決定することとしてもよい。例えば、高ベース状態において突然確変大当りが発生した場合は高ベース状態に移行する一方、低ベース状態において突然確変大当りが発生した場合は高ベース状態に移行しないこととすれば、突然確変大当りおよび小当りのいずれが発生したのかを遊技者に認識させにくくすることができる。
【0419】
図41(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0420】
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2、非リーチCA3−4の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0421】
例えば、大当り種別が「8R確変大当り」である場合に用いられる
図41(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる
図41(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
【0422】
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、本実施の形態では、「突発大当り」である非リーチCA3−4は、「8R確変大当り」または「15R確変大当り」に割り当てられているものとしたが、「突然確変大当り」にも割り当てられていてもよいし、また、15R確変大当りにのみ割り当てられていることとしてもよいし、8R確変大当りにのみ割り当てられていることとしてもよい。
【0423】
なお、
図41(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜221であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
【0424】
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、8R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
【0425】
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
【0426】
また、
図41(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、
図41(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
【0427】
図42(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、
図42(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、
図42(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、
図42(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態(15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、
図42(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(突然確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
【0428】
図42(C),(D)に示すように、この実施の形態では、確変状態である場合であっても、突然確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合には、15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合までと比較して、スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高い。そのようにすることによって、この実施の形態では、突然確変大当りによる大当り終了後の高確率状態では高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うようにすることによって、高確率状態であることに対する遊技者の期待感を高めている。
【0429】
また、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示にわたってスーパーリーチとなる割合を高めるように構成することにより、確変状態の終了直前の大当りに対する遊技者の期待感を高めることとしてもよい。この場合、例えば、大当り終了時に後述する高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタに75回をセットするようにし(例えば、高確率回数カウンタおよび高ベース回数カウンタの両方に75をセットして、75回の変動表示を終了するまで高確率/高ベース状態が継続するようにしてもよく、高確率回数カウンタに75をセットし、高ベース回数カウンタに70をセットして、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御するようにしてもよい。なお、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御する場合には、この実施の形態で示したものと同様の制御に従い、高確率フラグや高ベースフラグを確認することによって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい(ステップS95,S96,S100,S101参照)。)、変動表示の開始時に、高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタの値が残り所定数(例えば5)以内となっているか否か(確変状態の残り回数が所定回数以内となっているか否か)を確認し、所定数(例えば5)以内となっていれば、
図42(D)に示すスーパーリーチの割合を高めたはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを選択するようにし、カウンタの値がまだ所定数(例えば5)より多ければ、
図42(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを選択するようにしてもよい。なお、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示からスーパーリーチとなる割合を高めるように構成する場合の制御方法は、この実施の形態に示したものにかぎらず、例えば、高確率回数カウンタには、この実施の形態と同様に71をセットし、逆に高ベース回数カウンタに66をセットすることによって、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御するようにし、高確率回数カウンタの値が残り5以内となっているか否かを確認することによって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい。また、大当り後の変動回数を高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタのカウント値にもとづいて判断するのではなく、他のカウンタを用いて判断するようにしてもよい。例えば、大当り遊技終了後の変動回数をカウントするカウンタを設けるようにし、そのカウンタのカウント値が所定範囲(例えば、71〜75または66〜71。)であるか否かを確認することによって、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までの間であるか否かを判定し、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい。また、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示が終了するまでを高確率/低ベース状態に制御するように構成する場合には、この実施の形態と同様に、変動パターン設定処理において高確率フラグや高ベースフラグの状態によって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい(ステップS95,S96,S100,S101参照)。
【0430】
なお、
図42に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Dを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、
図42(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
【0431】
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ用変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
【0432】
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ用変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・ .・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
【0433】
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
【0434】
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
【0435】
なお、
図42(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
【0436】
また、
図42(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(
図42(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
【0437】
なお、この実施の形態では、
図41に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、
図42(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
【0438】
図43(A),(B)は、ROM101に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
【0439】
なお、
図43(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている場合が示されている。また、
図43(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、
図43(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
【0440】
図44は、ROM101に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
【0441】
図45および
図46は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図45および
図46に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置5において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、
図38に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ115は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
【0442】
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ115は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
【0443】
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
【0444】
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ115は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
【0445】
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
【0446】
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
【0447】
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
【0448】
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
【0449】
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
【0450】
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態背景指定コマンド)である。
【0451】
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
【0452】
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
【0453】
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
【0454】
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
【0455】
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
【0456】
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(
図53参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ115に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ115に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ115は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
【0457】
図47は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。
図47に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
【0458】
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「8R確変大当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU103は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
【0459】
図48および
図49は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。
図48および
図49に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
【0460】
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU103は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ115は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ115は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
【0461】
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、
図42(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、
図41(A)〜(D)や
図42(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
【0462】
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
【0463】
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
【0464】
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態や高確率/低ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
【0465】
また、例えば、始動入賞時に、「8R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜241となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。また、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が242〜251となる場合(すなわち、非リーチCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「19(H)」を設定した変動カテゴリ30コマンドを送信する。
【0466】
また、例えば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜221となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。また、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が222〜251となる場合(すなわち、非リーチCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1A(H)」を設定した変動カテゴリ31コマンドを送信する。
【0467】
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU103は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU103は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU103は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
【0468】
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU103は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
【0469】
演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ115(具体的には、演出制御用CPU120)は、主基板11に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ100から上述した演出制御コマンドを受信すると、
図45および
図46に示された内容に応じて演出表示装置5の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
【0470】
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、始動入賞があり第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する。
【0471】
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
【0472】
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から中継基板77を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ115は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0473】
図45および
図46に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う演出表示装置5などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御用マイクロコンピュータ115に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
【0474】
図50は、主基板11に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、CPU103)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器4Aまたは第2特別図柄表示器4Bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU103は、普通入賞球装置6Aに遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ22Aがオンしていたら、すなわち、普通入賞球装置6Aへの始動入賞が発生していたら、または、普通可変入賞球装置6Bに遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ22Bがオンしていたら、すなわち普通可変入賞球装置6Bへの始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ22Aまたは第2始動口スイッチ22Bがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
【0475】
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
【0476】
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
【0477】
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
【0478】
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ115に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
【0479】
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ115に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ115は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置5において第4図柄が停止されるように制御する。
【0480】
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
【0481】
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド17を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
【0482】
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
【0483】
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ115に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0484】
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド17を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
【0485】
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
【0486】
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ115に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
【0487】
図51は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ22Aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ22Aがオン状態であれば、CPU103は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
【0488】
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。また、CPU103は、普通入賞球装置6Aおよび普通可変入賞球装置6Bへの入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215)。
【0489】
この実施の形態では、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合(すなわち、普通入賞球装置6Aに遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合(すなわち、普通可変入賞球装置6Bに遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ22Aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ22Bがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
【0490】
図52(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。
図52(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、
図52(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。
図52(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、普通入賞球装置6Aまたは普通可変入賞球装置6Bへの入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、普通入賞球装置6Aおよび普通可変入賞球装置6Bへの入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM102に形成されている。
【0491】
次いで、CPU103は、乱数回路530やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(
図52(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
【0492】
図52(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。
図52(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM102に形成されている。
【0493】
次いで、CPU103は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1219)。また、CPU103は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1221)。
【0494】
なお、ステップS1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、普通入賞球装置6Aに始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ115に対して送信する。
【0495】
また、この実施の形態では、ステップS1218〜S1221の処理が実行されることによって、普通入賞球装置6Aへの始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
【0496】
次いで、CPU103は、第2始動口スイッチ22Bがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ22Bがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ22Bがオン状態であれば、CPU103は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
【0497】
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU103は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。また、CPU103は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1226)。
【0498】
次いで、CPU103は、乱数回路530やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(
図52(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
【0499】
次いで、CPU103は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1228)。そして、CPU103は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1230)。また、CPU103は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1232)。
【0500】
なお、ステップS1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU103は、普通可変入賞球装置6Bに始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ115に対して送信する。
【0501】
また、この実施の形態では、ステップS1229〜S1232の処理が実行されることによって、普通可変入賞球装置6Bへの始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
【0502】
図53は、ステップS1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU103は、まず、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図40(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が普通入賞球装置6Aや普通可変入賞球装置6Bに始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ115によって演出図柄の変動表示中に大当りの信頼度を予告する連続予告演出を実行する。
【0503】
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU103は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU103は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図40(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
【0504】
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU103は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と
図40(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU103は、普通入賞球装置6Aへの始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図40(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、普通可変入賞球装置6Bへの始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図40(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
【0505】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU103は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
【0506】
次いで、CPU103は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU103は、ステップS225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
【0507】
そして、CPU103は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、
図48および
図49に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
【0508】
例えば、CPU103は、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。
【0509】
また、例えば、CPU103は、遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。
【0510】
また、例えば、CPU103は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(
図48参照)。
【0511】
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
【0512】
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
【0513】
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU103は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
【0514】
次いで、CPU103は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU103は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(
図49参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
【0515】
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU103は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU103は、普通入賞球装置6Aへの始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図40(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、普通可変入賞球装置6Bへの始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、
図40(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
【0516】
次いで、CPU103は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「8R確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「8R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU103は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
【0517】
そして、CPU103は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
【0518】
例えば、CPU103は、「8R確変大当り」と判定した場合には、閾値74、149および241を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。また、閾値241以下である場合(すなわち、150〜241である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。また、閾値241以下でない場合(すなわち、242〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「19(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。
【0519】
また、例えば、CPU103は、「15R確変大当り」と判定した場合には、閾値38、79および221を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。また、閾値221以下である場合(すなわち、80〜221である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。また、閾値221以下でない場合(すなわち、222〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1A(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。
【0520】
また、例えば、CPU103は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU103は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(
図49参照)。
【0521】
次いで、CPU103は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
【0522】
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(
図41、
図42参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
【0523】
そして、CPU103は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU103は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、
図48および
図49に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「1A(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
【0524】
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ115は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する連続予告演出を実行するようにしてもよい。
【0525】
図54および
図55は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ115に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU103は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
【0526】
なお、ステップS51において、CPU103は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS51Aに移行してもよい。
【0527】
合算保留記憶数が0でなければ、CPU103は、保留特定領域(
図52(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU103は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU103は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
【0528】
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bとに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置6が設けられた普通可変入賞球装置6Bに始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
【0529】
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、
図53に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
【0530】
次いで、CPU103は、RAM102において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM102の乱数バッファ領域に格納する。
【0531】
そして、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
【0532】
すなわち、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM102の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM102の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU103は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
【0533】
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
【0534】
そして、CPU103は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU103は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM102の所定の領域に保存する。
【0535】
また、CPU103は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU103は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、高確率フラグのみがセットされ、高ベースフラグがセットされていない場合には、高確率低ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
【0536】
なお、具体的には、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ115に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ115に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ115に対して送信される。
【0537】
特別図柄通常処理では、最初に、普通入賞球装置6Aを対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または普通可変入賞球装置6Bを対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
【0538】
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU103は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(
図40参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
【0539】
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM101における
図40(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM101における
図40(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU103は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図40(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
【0540】
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
【0541】
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU103は、小当り判定テーブル(
図40(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU103は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が
図40(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU103は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、
図40(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、
図40(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU103は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
【0542】
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
【0543】
ステップS71では、CPU103は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、
図40(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aを選択する。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、
図40(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bを選択する。
【0544】
次いで、CPU103は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU103は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、
図40(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
【0545】
また、CPU103は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM102における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「8R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
【0546】
次いで、CPU103は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「8R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
【0547】
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
【0548】
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
【0549】
図56は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(
図41(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
【0550】
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(
図41(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
【0551】
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU103は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
【0552】
高ベースフラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU103は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS96)。高確率フラグもセットされていなければ(ステップS96のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU103は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS97)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS97のN)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(
図42(A)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
【0553】
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS97のY)には、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(
図42(B)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
【0554】
高確率フラグがセットされている場合(ステップS96のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(
図42(D)参照)を選択する(ステップS100)。そして、ステップS102に移行する。
【0555】
高ベースフラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施の形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU103は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(
図42(C)参照)を選択する(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。
【0556】
この実施の形態では、ステップS95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、
図42(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、
図42(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(
図44参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(
図42(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(
図42(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
【0557】
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU103は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(
図42(A)参照)を選択するようにしてもよい。
【0558】
次いで、CPU103は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
【0559】
次いで、CPU103は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(
図43参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(
図44参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU103は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
【0560】
次いで、CPU103は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU103は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU103は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS107)。
【0561】
次に、CPU103は、RAM102に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
【0562】
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(
図42に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(
図42に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
【0563】
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU103は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して連続予告演出を行うように構成することが好ましい。
【0564】
図57は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU103は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(
図45参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU103は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じて、「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行うとともに、「8R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定でき、「8R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU103は、確変大当りでない場合、すなわち、突然確変大当りである場合、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。
【0565】
一方、CPU103は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS118)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS119)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS118のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU103は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS120)。
【0566】
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS121)。
【0567】
図58は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU103は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
【0568】
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU103は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ115に送信する制御を行う(ステップS1122)。
【0569】
次いで、CPU103は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ115に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
【0570】
図59は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU103は、セットされていれば、高確率状態であることを示す高確率フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ115に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「15R確変大当り」または「8R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM102に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
【0571】
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R確変大当り」の場合には15回。「8R確変大当り」の場合には8回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、15R確変大当りや8R確変大当りの場合、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
【0572】
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU103は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS137)。高確率フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態(高確率/高ベース状態または高確率/低ベース状態)である場合には)、高確率状態における特別図柄の変動可能回数を示す高確率回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU103は、減算後の高確率回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、高確率フラグをリセットする(ステップS140)。高確率フラグがセットされていなければ、ステップS141に移行する。
【0573】
次いで、CPU103は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。高ベースフラグがセットされている場合には(すなわち、高確率/高ベース状態である場合には)、高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を示す高ベース回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU103は、減算後の高ベース回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、高ベースフラグをリセットする(ステップS144)。そして、ステップS145に移行する。なお、高ベースフラグがセットされていなかった場合には、そのままステップS145に移行する。
【0574】
次いで、CPU103は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU103は、演出制御用マイクロコンピュータ115に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS146)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS149)。
【0575】
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS145のN)、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
【0576】
図60は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、15R確変大当りまたは8R確変大当りであった場合には大当り終了指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
【0577】
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
【0578】
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU103は、大当りの種別が15R確変大当りまたは8R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、15R確変大当りまたは8R確変大当りや突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」、「02」または「04」であるか否かを確認することによって判定できる。15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば、CPU103は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)とともに、高ベース回数カウンタに70をセットする(ステップS168)。さらに、高確率フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、高確率回数カウンタに70をセットする(ステップS170)。そして、ステップS171に移行する。15R確変大当りまたは8R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、突然確変大当りであれば)、CPU103は、ステップS169へ移行する。
【0579】
そして、CPU103は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
【0580】
次に、演出制御手段の動作を説明する。
図61は、演出制御基板12に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ115(具体的には、演出制御用CPU120)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
【0581】
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
【0582】
次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。
【0583】
次いで、演出制御用CPU120は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
【0584】
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
【0585】
図62は、主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
【0586】
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(
図45および
図46参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
【0587】
図63および
図64は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
【0588】
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
【0589】
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
【0590】
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
【0591】
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU120は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
【0592】
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
【0593】
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU120は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
【0594】
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU120は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
【0595】
図65は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。
図65に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、
図51の始動口スイッチ通過処理のステップS1218〜S1221,S1229〜S1232で示したように、普通入賞球装置6Aまたは普通可変入賞球装置6Bへの始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、
図65に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
【0596】
この実施の形態では、演出制御用CPU120は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、
図65に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、
図65では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
【0597】
なお、
図65に示す例では、前回の変動表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶にもとづく変動表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
【0598】
また、
図65に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごと(合算保留記憶数減算指定コマンドを受信するごと)に、後述するステップS663で1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、
図65に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている各コマンドが格納領域4にシフトされる。なお、各コマンドが削除されるタイミングは、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理中であってもよい。
【0599】
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(
図53参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
【0600】
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU120は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS654A)。そして、変動カテゴリコマンドを受信したことを示す変動カテゴリコマンド受信フラグをセットする(ステップS654B)。
【0601】
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶数表示を更新する(ステップS656A)。そして、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS656B)。
【0602】
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶数表示を更新する(ステップS658A)。そして、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS658B)。
【0603】
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU120は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS660)。
【0604】
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU120は、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS662)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示されていた場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示を削除するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。そして、演出制御用CPU120は、アクティブ表示の表示を開始する(ステップS662a)。
【0605】
また、演出制御用CPU120は、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1のデータを削除し、残りのデータをシフトして格納する(ステップS663)。
【0606】
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS684)。そして、ステップS611に移行する。
【0607】
図66は、
図61に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S810のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
【0608】
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
【0609】
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
【0610】
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
【0611】
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS808)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0612】
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0613】
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
【0614】
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
【0615】
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0616】
小当り表示処理(ステップS808):変動時間の終了後、演出表示装置5に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップS809)に対応した値に更新する。
【0617】
小当り開放中処理(ステップS809):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放がある場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS808)に対応した値に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(ステップS810)に対応した値に更新する。
【0618】
小当り終了演出処理(ステップS810):演出表示装置5において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
【0619】
図67は、
図66に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、
図67に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
【0620】
図68は、
図66に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU120は、ステップS8002で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU120によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU120は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせや、通常では表示されない特殊な画像(数字以外の画像であってもよい。)を含む図柄の組み合わせなど。「擬似連図柄」ともいう。)も決定する。また、演出制御用CPU120は、ステップS8002において、「図柄変動時の変動形態の変化」の演出態様の連続演出を実行すると決定されている場合には、演出図柄の停止図柄として、いわゆるチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)を決定する。なお、演出制御用CPU120は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
【0621】
図69は、演出表示装置5における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。
図69に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「8R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」のいずれであるかに応じて停止図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、「15R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くし(または決定する割合を100%とし)、「8R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くする(または決定する割合を100%とする)ようにしてもよい。
【0622】
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置5に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
【0623】
演出制御用CPU120は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
【0624】
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
【0625】
次いで、演出制御用CPU120は、アクティブ表示の最終表示態様および変化パターンを決定する(ステップS8003a)。この実施の形態では、演出図柄の変動中にアクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出と、アクティブ表示の表示態様が変化すること(および変化した場合の変化後の表示態様)を示唆する示唆演出とを実行可能である。例えば、所定のタイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様が変化すること(および変化した場合の変化後の表示態様)を示唆する示唆演出が実行された後に、アクティブ表示の表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出が実行される。
【0626】
この実施の形態では、アクティブ表示変化演出が実行される前に、必ず示唆演出が実行されるように構成されている。ただし、示唆演出が実行された後に、必ずアクティブ表示変化演出が実行されるわけではない。すなわち、示唆演出が実行された後にアクティブ表示の表示態様が変化するときと、示唆演出が実行されたがアクティブ表示の表示態様が変化しないときとがある。以下、演出の実行後にアクティブ表示の表示態様が変化する示唆演出を真示唆演出ともいい、演出の実行後にアクティブ表示の表示態様が変化しない示唆演出を偽示唆演出ともいう。なお、真示唆演出と偽示唆演出とは、共通する演出態様により実行されるため、演出が終わるまでアクティブ表示の表示態様が変化するか否か判別できないようになっている。
【0627】
図70は、アクティブ表示変化演出および示唆演出の実行タイミングの一例を示す説明図である。この実施の形態では、
図70に示すように、変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミングと、スーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミングとにおいて、アクティブ表示変化演出および示唆演出を実行可能である。なお、第1タイミングと第2タイミングとについては、
図70に示すような例に限らず、第2タイミングが第1タイミングよりも後のタイミングであるという関係性が保たれていれば、どのようなタイミングであってもよい。例えば、第1タイミングおよび第2タイミングのいずれもスーパーリーチ開始前に設定されていてもよいし、いずれもスーパーリーチ開始後に設定されていてもよい。また、第1タイミングと第2タイミングとの2つのタイミングに限らず、3以上のタイミングにおいて、アクティブ表示変化演出および示唆演出を実行可能としてもよい。
【0628】
ステップS8003aでは、まず、アクティブ表示の最終表示態様を、最終表示態様決定テーブルを用いて決定する。この実施の形態では、アクティブ表示変化演出を複数回実行することにより、アクティブ表示の表示態様を複数回変化させることが可能である。アクティブ表示の最終表示態様とは、1回もしくは複数回の変化を経て、または変化することなく、最終的に(すなわち変動終了時に)どのような表示態様で表示されるかを示すものである。
【0629】
図71は、最終表示態様決定テーブルの一例を示す説明図である。最終表示態様決定テーブルには、変動パターン(すなわち、「スーパーリーチ以外(はずれ)」、「スーパーリーチはずれ」および「スーパーリーチ大当り」のいずれであるか)に応じて、最終表示態様に対応する判定値が割り当てられているが、
図71に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU120は、例えば、最終表示態様決定用の乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項に決定する。
【0630】
この実施の形態では、アクティブ表示の表示態様を「通常態様(白)」、「第1表示態様(青)」、「第2表示態様(緑)」および「第3表示態様(赤)」のいずれかにすることができるが、最終表示態様を「通常態様(白)」に決定するということは、アクティブ表示変化演出を実行しないということである。また、最終表示態様を「通常態様(白)」に決定するということは、演出の後にアクティブ表示の表示態様が変化する真示唆演出も実行しないということである。ただし、最終表示態様を「通常態様(白)」に決定した場合であっても、演出の後にアクティブ表示の表示態様が変化しない偽示唆演出は実行することはできる。
【0631】
図71に示す最終表示態様決定テーブルによれば、変動パターンの有利度が高い順に(すなわち、「スーパーリーチ大当り」>「スーパーリーチはずれ」>「スーパーリーチ以外(はずれ)」の順に)、最終表示態様が「第3表示態様(赤)」>「第2表示態様(緑)」>「第1表示態様(青)」>「通常態様(白)」の順に決定される割合が高くなるように判定値が設定されている。すなわち、最終表示態様が「通常態様(白)」以外に決定され、アクティブ表示変化演出が実行される方が遊技者にとって期待度が高くなり、さらに最終表示態様が「第3表示態様(赤)」>「第2表示態様(緑)」>「第1表示態様(青)」の順に期待度が高くなるように構成されている。このように構成することによって、アクティブ表示変化演出が実行されるか否かとともに、アクティブ表示がどのような表示態様に変化するかについて関心を持たせることができ、興趣を高めることができる。
【0632】
ステップS8003aでは、アクティブ表示の最終表示態様を決定すると、決定した最終表示態様にもとづいて、変化パターン決定テーブルを用いて、アクティブ表示の変化パターンを決定する。
【0633】
図72(A)は、スーパーリーチを含まない変動パターンのときに用いられる第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)の一例を示す説明図である。また、
図72(B)は、スーパーリーチを含む変動パターンのときに用いられる第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)の一例を示す説明図である。
図70で示したように、この実施の形態では、第2タイミングがスーパーリーチ開始後に設定されているため、スーパーリーチを含まない変動パターンのときには、第2タイミングにおけるアクティブ表示の変化の有無等の決定を省略した第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)が用いられる。なお、この実施の形態で示す例に限らず、第2タイミングは第1タイミングの後のタイミングであれば任意のタイミングであってもよいため、第2タイミングをスーパーリーチ開始後に設定しない場合には、スーパーリーチを含まない変動パターンであっても第1タイミングと第2タイミングとにおけるアクティブ表示の変化の有無等を決定するようにできる。
【0634】
図72(A)に示す第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)では、アクティブ表示変化演出が実行可能なタイミングが第1タイミングのみであるため、最終表示態様が通常態様(白)以外に決定されている場合には、いずれも第1タイミングにおいて最終表示態様に変化する変化パターンに決定される。例えば、最終表示態様が第1表示態様(青)である場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出が実行される変化パターン1−2に決定される。変化パターン1−2では、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。
【0635】
最終表示態様が第2表示態様(緑)である場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化するアクティブ表示変化演出が実行される変化パターン1−3に決定される。変化パターン1−3では、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。また、最終表示態様が第3表示態様(赤)である場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化するアクティブ表示変化演出が実行される変化パターン1−4に決定される。変化パターン1−4では、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。このように、この実施の形態では、示唆演出によって、アクティブ表示の表示態様が変化することに加えて、変化した場合の変化後の表示態様が示唆される。
【0636】
最終表示態様が通常態様(白)である場合、すなわちアクティブ表示の表示態様が変化しない場合には、100%の割合で、第1タイミングでアクティブ表示変化演出が実行されない変化パターン1−1に決定される。なお、変化パターン1−1では、第1タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様を変化させないため、偽示唆演出(例えば、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する)を実行可能である。
図72(A)に示す第1変化パターン決定テーブル(スーパーリーチなし)および
図72(B)に示す第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)の第1タイミングおよび第2タイミングにおける「(偽示唆演出)」という記載は、当該タイミングにおいて、偽示唆演出を実行可能であることを意味している。なお、実際に偽示唆演出を実行するか否かは、後述するステップS8003bにおいて決定する。
【0637】
図72(B)に示す第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)では、各変化パターンにより、第1タイミングと第2タイミングとにおけるアクティブ表示の変化の有無、変化する場合の変化後の表示態様、および偽示唆演出を実行可能であるか否か示されている。
【0638】
例えば、最終表示態様が第3表示態様(赤)である場合には、30%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第1タイミングで通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化し、第2タイミングで第1表示態様(青)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−7に決定される。また、30%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第1タイミングで通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化し、第2タイミングで第2表示態様(緑)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−8に決定される。また、30%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第2タイミングで通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−9に決定される。また、10%の割合で、アクティブ表示の表示態様が第1タイミングで通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化する変化パターン2−10に決定される。
【0639】
変化パターン2−7では、第1タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出が実行され、第2タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が第1表示態様(青)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。また、変化パターン2−8では、第1タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第2表示態様(緑)に変化することを示唆する示唆演出が実行され、第2タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が第2表示態様(緑)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。
【0640】
変化パターン2−9では、第1タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様を変化させないため、偽示唆演出(例えば、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する)が実行可能とされ、第2タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。また、変化パターン2−10では、第1タイミングにおけるアクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第3表示態様(赤)に変化することを示唆する示唆演出が実行される。変化パターン2−10の第2タイミングでは、アクティブ表示の表示態様を変化させないが、既に最も期待度が高い第3表示態様で表示されているため、偽示唆演出を実行できないように構成されている。
【0641】
図72(B)に示す第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)において特徴的な点は、第2タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化する変化パターン2−3に決定されないように構成されていることである。この実施の形態では、第2タイミングは、スーパーリーチ開始後に設定されているため、大当りに対する期待感が高まっているタイミングといえる。しかし、そのようなタイミングで、期待度が低い第1表示態様(青)に変化したのでは、大当りとなる可能性が低いことが示唆されることになり、遊技者が興醒めしてしまうおそれがある。そこで、第2タイミングにおいて、アクティブ表示の表示態様が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出を実行した後に、表示態様を変化させるアクティブ表示変化演出を実行する変化パターン2−3に決定されないように構成することにより、大当りに対する期待感が高まっているタイミングにおいて、大当りとなる可能性が低いことを示唆することによって遊技者を興醒めさせてしまうことを防止することができる。なお、変化パターン2−3に決定されることはないのであるから、最初から変化パターン2−3を第2変化パターン決定テーブル(スーパーリーチあり)に設けないようにしてもよい。
【0642】
この実施の形態では、偽示唆演出を実行可能なタイミングで実行する場合には、アクティブ表示が現在の表示態様よりも1段階期待度が高い表示態様に変化することを示唆する偽示唆演出を実行するように構成されている。例えば、変化パターン2−2の第2タイミングでは、アクティブ表示が現在の第1表示態様(青)から第2表示態様(緑)に変化することを示唆する偽示唆演出が実行可能とされている。すると、変化パターン2−1の第2タイミングで偽示唆演出を実行する場合には、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出を実行することになる。しかし、大当りに対する期待感が高まっている第2タイミングにおいては、期待度が低い第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出が実行された時点で、大当りとなる可能性が低いことが示唆されることになり、遊技者が興醒めしてしまうおそれがある。そこで、この実施の形態では、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行が禁止されている。
【0643】
この実施の形態では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定されないようにするとともに、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止することにより、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出の実行を制限するとともに、第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出の実行も制限するように構成されている。つまり、第2タイミングにおいては、第1表示態様(青)よりも期待度が高い第2表示態様(緑)および第3表示態様(赤)のいずれかに変化することを示唆する示唆演出のみ実行されるように構成されている。このように構成することにより、遊技の興趣が低下してしまうことを防止することができる。
【0644】
また、この実施の形態では、アクティブ表示の最終表示態様が第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤)といった期待度が高いものである場合には、第1タイミングよりも第2タイミングにおいて最終表示態様に変化する割合が高くなるように構成されている。具体的には、最終表示態様が第3表示態様(赤)の場合には、第2タイミングで第3表示態様(赤)に変化する割合が90%であるのに対して(変化パターン2−7〜2−9)、第1タイミングで第3表示態様(赤)に変化する割合は10%である(変化パターン2−10)。このように構成することにより、第2タイミングでは第1タイミングよりも期待度が高い表示態様に変化すること、変化することを示唆することが多くなり、第2タイミングにおける期待感を向上させることができる。
【0645】
なお、この実施の形態では、偽示唆演出は、アクティブ表示が現在の表示態様よりも期待度が1段階高い表示態様に変化することを示唆するように構成されているが、期待度が2段階以上高い表示態様に変化することを示唆するようにしてもよい。例えば、変化パターン2−5の第2タイミングなどでは、通常態様(白)から第2表示態様(緑)のように、期待度が2段階以上高い表示態様に変化することを示唆する真示唆演出が実行されるが、同じ変化を示唆する偽示唆演出がなければ、演出が開始された時点で変化することが確定してしまうからである。このように構成する場合には、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止する一方で、第2表示態様(緑)または第3表示態様(赤)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を許容するようにしてもよい。なお、期待度が2段階以上高い表示態様に変化することを示唆する偽示唆演出を実行可能とする場合には、決定された最終表示態様(または後に実行される示唆演出により示唆される変化後の表示態様)よりも期待度が高い表示態様に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を制限することが望ましい。例えば、最終表示態様が第2表示態様(緑)であるときに、第1タイミングにおいて第3表示態様(赤)に変化することを示唆する偽示唆演出を実行すると、第2タイミングにおいて第2表示態様(緑)に変化することを示唆する真示唆演出を実行することになり、遊技者に期待感が低下したように感じさせてしまうおそれがあるためである。
【0646】
また、
図72(B)に示す例では、最終表示態様が同じであれば、変化パターンが異なっていても期待度に大きな差がないように構成されているが、このような構成に限らず、最終表示態様が同じであっても、変化パターンが異なれば期待度が異なるように構成してもよい。例えば、最終表示態様に代えて、または加えて、変動パターンに応じて異なる割合で変化パターンが決定される構成とすることにより実現することができる。
【0647】
ステップS8003aでアクティブ表示の最終表示態様および変化パターンを決定すると、演出制御用CPU120は、偽示唆演出実行決定テーブルを用いて、偽示唆演出を実行可能なタイミングごとに、偽示唆演出を実行するか否かを決定する(ステップS8003b)。例えば、変化パターン2−1に決定した場合には、第1タイミングにおいて偽示唆演出を実行するか否かを決定する。
【0648】
図72(C)は、偽示唆演出実行決定テーブルの一例を示す説明図である。
図72(C)に示す例では、第1タイミングと第2タイミングとで、偽示唆演出を実行する割合が異なるように構成されている。具体的には、第2タイミングでは第1タイミングよりも偽示唆演出を実行する割合が低くなるように構成されている。このように構成されることにより、第2タイミングで実行される示唆演出に注目させることができる。
【0649】
ステップS8003bで偽示唆演出の実行の有無を決定すると、演出制御用CPU120は、示唆演出態様決定テーブルを用いて、示唆演出の演出態様を決定する(ステップS8003c)。この実施の形態では、示唆演出の演出態様として、第1態様と第2態様とを選択可能であり、第1態様の示唆演出ではキャラクタAが登場し(
図76(a1)〜(a4)参照)、第2態様の示唆演出ではキャラクタBが登場する(
図76(b1)〜(b4)参照)。
【0650】
図72(D)は、示唆演出態様決定テーブルの一例を示す説明図である。
図72(D)に示す例では、実行する示唆演出が真示唆演出と偽示唆演出とのいずれであるかに応じて、異なる割合で演出態様を決定するように構成されている。具体的には、真示唆演出では第1態様に決定される割合が高く、偽示唆演出では第2態様に決定される割合が高くなるように構成されている。このように構成されることにより、示唆演出の演出態様によりアクティブ表示の表示態様が変化する割合が異なることになるため、示唆演出の演出態様に着目させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0651】
なお、この実施の形態では、示唆演出の演出態様が第1態様の場合と第2態様の場合とで、真示唆演出である期待度が異なるように構成されているが、これに代えて、または加えて、大当りとなる期待度が異なるようにしてもよい。例えば、真示唆演出と偽示唆演出とのいずれであるかに加えて、変動パターンに応じて異なる割合で示唆演出の演出態様が決定される構成とすることにより実現することができる。
【0652】
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンおよび実行する演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、演出制御用CPU120は、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
【0653】
図73は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様(アクティブ表示変化演出や示唆演出の態様を含む)を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
【0654】
図73に示すプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
【0655】
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
【0656】
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
【0657】
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
【0658】
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
【0659】
図74は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、まず、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
【0660】
次いで、演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8123のY)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8124)。
【0661】
図75は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU120は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
【0662】
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU120は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。
【0663】
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU120は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU120は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
【0664】
そして、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
【0665】
ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU120は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU120は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU120は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、
図67のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
【0666】
図76は、この実施の形態におけるアクティブ表示変化演出および示唆演出の具体例を示す説明図である。
図76(a1)〜(a4)には、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出と、アクティブ表示変化演出に先だって、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する第1態様の示唆演出(真示唆演出)とが実行される例が示されている。
【0667】
図76(a1)に示すように、変動表示が開始されると、アクティブ表示部18dにアクティブ表示が表示される(
図76(a1)では通常状態のアクティブ表示が表示されている)。ここで、第1タイミングになると、青色に輝く球18e(
図76(a2)では単に「青」と表示されている)を保持した、キャラクタA(
図76(a2)では丸形の頭部に「A」と表示されている)18fが登場する示唆演出が実行される(
図76(a2))。
【0668】
図76(a2)に示す例では、キャラクタが保持する球が青色に輝く球18eであることによって、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することが示唆されている。なお、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤)に変化することが示唆される場合には、緑色に輝く球や赤色に輝く球が保持される。また、キャラクタAが登場する第1態様で示唆演出が実行されることにより、後述するキャラクタBが登場する第2態様で示唆演出が実行されるときに比べて、アクティブ表示の表示態様が変化する割合が高いこと(すなわち、真示唆演出である割合が高いこと)が示唆されている。
【0669】
なお、この実施の形態では、アクティブ表示がいずれの表示態様に変化するかを示唆するときにも、キャラクタAが登場する第1態様またはキャラクタBが登場する第2態様により実行される(ただし、保持されている球の態様は異なる)。すなわち、いずれの表示態様に変化することを示唆するかに関わらず、少なくとも一部が共通する態様により示唆演出を実行するように構成されている。そのため、キャラクタAまたはキャラクタBの登場がすると、示唆演出が実行されるということを認識しやすくすることができ、遊技の興趣を高めることができる。なお、この実施の形態の例に限らず、例えば、特定の表示態様に変化することを示唆する場合にのみ、態様が共通しない示唆演出を実行するようにしてもよい。
【0670】
次いで、キャラクタAが投げた青色に輝く球18eが、アクティブ表示に衝突する演出が行われることによって、示唆演出が真示唆演出であることが判明する(
図76(a3))。すると、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化するアクティブ表示変化演出が行われる(
図76(a4))。
【0671】
図76(b1)〜(b4)には、アクティブ表示が通常態様(白)から第1表示態様(青)に変化することを示唆する第2態様の示唆演出(偽示唆演出)が実行される例が示されている。
【0672】
図76(b1)に示すように、変動表示が開始されると、アクティブ表示部18dにアクティブ表示が表示される(
図76(b1)では通常状態のアクティブ表示が表示されている)。ここで、第1タイミングになると、青色に輝く球18e(
図76(b2)では単に「青」と表示されている)を保持した、キャラクタB(
図76(b2)では四角形の頭部に「B」と表示されている)18gが登場する示唆演出が実行される(
図76(b2))。
【0673】
図76(b2)に示す例では、キャラクタが保持する球が青色に輝く球18eであることによって、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することが示唆されている。また、キャラクタBが登場する第2態様で示唆演出が実行されることにより、キャラクタAが登場する第1態様で示唆演出が実行されるときに比べて、アクティブ表示の表示態様が変化する割合が低いこと(すなわち、真示唆演出である割合が低いこと)が示唆されている。
【0674】
次いで、キャラクタBが投げた青色に輝く球18eが、アクティブ表示の上側を通過する演出が行われることによって、示唆演出が偽示唆演出であることが判明する(
図76(b3))。このときには、アクティブ表示の表示態様は変化しない(
図76(b4))。
【0675】
以上に説明したように、この実施の形態によれば、実行中の可変表示に対応する特定表示(本例では、アクティブ表示)を表示可能な特定表示手段と、特定表示の表示態様を第1態様(本例では、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤))と該第1態様よりも有利状態に制御される期待度が低い第2態様(本例では、第1表示態様(青))とを含む複数の表示態様のうちのいずれかに変化させる変化演出(本例では、アクティブ表示変化演出)を実行可能な変化演出実行手段と、可変表示中の第1タイミング(本例では、
図70に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(本例では、
図70に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング)とにおいて、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出(本例では、示唆演出)を実行可能な示唆演出実行手段と、第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が第2態様に変化することを示唆する示唆演出を実行することを制限する示唆演出制限手段(本例では、
図72(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、
図72(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している)とを備えるように構成されている。そのため、大当りに対する期待感が高まっているタイミングにおいて、大当りとなる可能性が低いことを示唆することによって遊技者を興醒めさせてしまうことを防止することができる。
【0676】
なお、この実施の形態では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止することにより、第2タイミングにおいて、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出を実行することを制限しているが、制限方法はこのような構成に限られない。例えば、第2タイミングにおいては、第1タイミングに比べて、アクティブ表示が第1表示態様(青)に変化することを示唆する示唆演出の実行頻度を低くする(すなわち一定程度許容する)ことにより制限してもよい。この場合には、第2タイミングにおいて、アクティブ表示を第1表示態様(青)に変化させるアクティブ表示変化演出を実行することが一定程度許容される。
【0677】
また、例えば、
図72(A),(B)で示したような、第2タイミングにおいてアクティブ表示が第1表示態様(青)に変化せず、そのような示唆もしないように定められた変化パターン決定テーブルを用いるのではなく、各タイミングにおけるアクティブ表示の変化の有無および変化の内容と、偽示唆演出の有無および示唆する内容とを抽選で決定した後に、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆するという禁則に該当する場合には、再抽選を行う処理や、実行を取り消す処理、他の演出に差し替える処理などを実行することにより制限してもよい。
【0678】
また、この実施の形態では、可変表示が開始された後に、有利状態(本例では、大当り遊技状態)に制御されるか否かを報知する特定演出(本例では、スーパーリーチ)を実行可能な特定演出実行手段を備えている。そして、第2タイミングは、特定演出が実行されている期間(本例では、
図70に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング)に到来するように構成されている。そのため、特定演出の実行中に大当りとなる可能性が低いことを示唆してしまうことを防止でき、特定演出に対する期待感を維持することができる。
【0679】
また、この実施の形態では、示唆演出実行手段は、第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が第2態様よりも有利状態に制御される期待度が高い表示態様(本例では、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤))に変化することを示唆する示唆演出を実行可能であるように構成されている。そのため、第2タイミングにおいて実行される示唆演出に対する期待感を維持することができる。
【0680】
また、この実施の形態では、示唆演出実行手段は、期待度が異なる複数の演出態様(本例では、演出後のアクティブ表示の表示態様が変化する(すなわち真示唆演出である)割合や大当り期待度が異なる第1態様と第2態様)の示唆演出を実行可能であるように構成されている(
図72(D)参照)。そのため、示唆演出の演出態様に着目させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0681】
また、この実施の形態では、示唆演出実行手段は、演出後に特定表示の表示態様が変化する第1示唆演出(本例では、真示唆演出)と、演出後に特定表示の表示態様が変化しない第2示唆演出(本例では、偽示唆演出)とを実行可能であり、第1タイミングよりも第2タイミングの方が、第1示唆演出を実行する割合が高い(本例では、
図72(C)に示めされるように、第2タイミングよりも第1タイミングの方が偽示唆演出を実行する割合が高い。すなわち、第1タイミングよりも第2タイミングの方が真示唆演出を実行する割合が高い)ように構成されている。そのため、第2タイミングにおいて実行される示唆演出に注目させることができる。
【0682】
また、この実施の形態では、示唆演出実行手段は、複数の表示態様のうちのいずれの表示態様に変化することを示唆するかに関わらず、少なくとも一部が共通する態様により示唆演出を実行するように構成されている(本例では、アクティブ表示がいずれの表示態様に変化するかを示唆するときにも、キャラクタAが登場する第1態様またはキャラクタBが登場する第2態様により実行される。
図76参照)。そのため、示唆演出を認識しやすくすることができる。
【0683】
なお、アクティブ表示と同様に、保留表示の表示態様として、通常態様と、第1〜第3表示態様とを設け、アクティブ表示の表示態様は、保留表示の表示態様を引き継ぐようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した際に、アクティブ表示の最終表示態様と、保留表示として表示されてからアクティブ表示として表示された後に変動表示が終了するまでのどのタイミングで表示態様が変化するかを示す変化パターン決定するようにしてもよい。また、例えば、始動入賞が発生した際に、保留表示の最終表示態様と変化パターンとを決定し、変動開始する際に、アクティブ表示の最終表示態様と変化パターンとを決定するようにしてもよい。
【0684】
[第3実施形態]
以下、第3実施形態(第3の実施の形態)について説明する。なお、この実施の形態において、第2実施形態と同様の構成および処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第2実施形態と異なる部分について説明する。
【0685】
この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、擬似連を含む変動パターンである場合には、擬似連演出設定処理を行う。
【0686】
擬似連演出設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、擬似連演出における演出動作の態様に対応した擬似連演出パターンを決定する。このときには、例えば
図77(A)に示すように、大当り判定の有無に応じた決定割合で、予め複数パターンが用意された擬似連演出パターンのうちいずれかに決定されればよい。
【0687】
図77(A)に示す決定割合の設定例では、大当り判定の有無に応じて、擬似連演出パターンの決定割合が異なっている。より具体的には、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGEAの決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGEBの決定割合が最も高くなる。また、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがない一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがある。
【0688】
次いで、演出制御用CPU120は、決定した擬似連演出パターンにもとづいて、仮停止図柄を決定し、擬似連演出設定処理を終了する。
【0689】
演出図柄変動開始処理において擬似連演出設定処理を実行した後には、演出制御用CPU120は、アクティブ表示変化演出設定処理を実行する。
【0690】
アクティブ表示変化演出設定処理では、演出制御用CPU120は、まず、アクティブ表示変化演出の有無を決定する。このときには、
図77(B)に示すように、擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定されればよい。
【0691】
図77(B)に示す決定割合の設定例では、擬似連演出パターンに応じて、アクティブ表示変化演出を実行するか否かの決定割合が異なっている。より具体的には、擬似連演出パターンGEBの場合には、擬似連演出パターンGEAの場合よりも高い割合で、アクティブ表示変化演出を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。そして、上述したように、擬似連演出パターンの決定処理では、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGEAの決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGEBの決定割合が最も高くなる。このような設定により、アクティブ表示変化演出が実行されたときには、実行されないときよりも「大当り」となる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0692】
また、擬似連演出パターンGECの場合には、擬似連演出パターンGEAや擬似連演出パターンGEBの場合よりも高い割合で、アクティブ表示変化演出を実行すると決定されるように、各々の決定結果に決定値が割り当てられている。そして、上述したように、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがない一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがある。このような設定により、アクティブ表示変化演出が実行されたときには、実行されないときよりも「大当り」となる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0693】
なお、
図77(B)に示す決定割合の設定例に限定されず、アクティブ表示変化演出が実行されたときには、実行されないときよりも「大当り」となる可能性が高くなるような任意の設定であればよい。
【0694】
次いで、アクティブ表示変化演出を実行する場合には、実行タイミングを決定する。このときには、例えば
図77(C)に示すように、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じた決定割合で、予め複数パターンが用意されたタイミングのうちいずれかに決定されればよい。アクティブ表示変化演出の実行タイミングを決定すると、アクティブ表示変化演出設定処理を終了する。
【0695】
図77(C)に示す決定割合の設定例では、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じて、アクティブ表示変化演出の実行タイミングの決定割合が異なっている。より具体的には、擬似連変動回数が1回のとき、擬似連演出パターンGEAの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターンGEBの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合と1回目の再可変表示中となる決定割合が同じで、擬似連演出パターンGECの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが1回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなる。また、擬似連変動回数が2回のとき、擬似連演出パターンGEAの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターンGEBの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが1回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなり、擬似連演出パターンGECの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが2回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなる。また、擬似連変動回数が3回のとき、擬似連演出パターンGEAの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが初回変動中となる決定割合が最も高くなる一方で、擬似連演出パターンGEBの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが2回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなり、擬似連演出パターンGECの場合にはアクティブ表示変化演出の実行タイミングが3回目の再可変表示中となる決定割合が最も高くなる。また、上述したように、擬似連演出パターンの決定処理では、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGEAの決定割合が最も高くなる一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGEBの決定割合が最も高くなる。更に、大当り判定が通知されない場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがない一方で、大当り判定が通知された場合には擬似連演出パターンGECに決定されることがある。このような設定により、アクティブ表示変化演出の実行タイミングが遅いタイミングであるときには、早いタイミングであるときよりも大当りとなる可能性が高められ、大当り遊技状態に制御されることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
【0696】
なお、
図77(C)に示す決定割合の設定例に限定されず、擬似連変動回数と擬似連演出パターンとの組み合わせに応じてアクティブ表示変化演出の実行タイミングを異ならせることができる任意の設定であればよい。なお、擬似連変動回数又は擬似連演出パターンのいずれかに応じてアクティブ表示変化演出の実行タイミングを異ならせることができる任意の設定としてもよい。
【0697】
以上に説明したように、この実施の形態では、可変表示が開始されてから可変表示の表示結果が導出表示されるまでに可変表示を所定回数実行する所定可変表示(例えば、擬似連演出)を実行可能であり、特定表示は、所定可変表示の種類に応じて、表示態様が変化するタイミングが異なる(例えば、アクティブ表示変化演出の実行タイミングが、大当り判定の有無に応じて決定された擬似連演出パターンに応じた決定割合で決定される。
図77(A),(C)参照)ように構成されている。そのため、演出を多様化させ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0698】
なお、上記の第3の実施の形態に示した構成については、一部の構成のみを第2の実施の形態で示した遊技機に適用してもよいし、全ての構成を第2の実施の形態で示した遊技機に適用してもよい。また、第2の実施の形態に示した構成と第3の実施の形態に示した構成とを組み合わせて遊技機に適用してもよい。例えば、第3の実施の形態に示した構成において、アクティブ表示変化演出に加えて示唆演出を実行可能とし、遅いタイミングになるにつれて(例えば、3回目の再可変表示中>2回目の再可変表示中>1回目の再可変表示中の順に)、期待度が低い表示態様に変化することを示唆する示唆演出や、期待度が低い表示態様に変化させるアクティブ表示変化演出の実行を制限するようにしてもよい。
【0699】
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
【0700】
以上説明した第1実施形態と第2実施形態、または第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成例について説明する。第1実施形態と第2実施形態、または第1実施形態と第3実施形態とを組み合わせた構成例は、例えば、以下のとおりである。
【0701】
可変表示(例えば、第1特別図柄や第2特別図柄、演出図柄の可変表示)を行い、遊技者にとって有利な有利状態(例えば、大当り遊技状態)に制御可能な遊技機(例えば、パチンコ遊技機1)であって、移動可能に設けられた可動体(例えば、第1可動体302L,302R、第2可動体402)と、前記可動体の移動領域(例えば、移動領域E1、移動領域E2)の少なくとも一部と重なる所定の導光パターン(例えば、右端面501aから内部に入射された導光板LED502からの光を前方へ反射して前面から出射させる導光パターン)を奥行き方向の遊技者側に形成する導光部(例えば、導光板501)と、実行中の可変表示に対応する特定表示(例えば、アクティブ表示)を表示可能な特定表示手段(例えば、アクティブ表示部18d)と、特定表示の表示態様を第1態様(例えば、第2表示態様(緑)や第3表示態様(赤))と該第1態様よりも前記有利状態に制御される期待度が低い第2態様(例えば、第1表示態様(青))とを含む複数の表示態様のうちのいずれかに変化させる変化演出(例えば、アクティブ表示変化演出)を実行可能な変化演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ115がステップS8006やS8105を実行する部分)と、可変表示中の第1タイミング(例えば、
図70に示す変動開始後、スーパーリーチ開始前の第1タイミング)と該第1タイミングよりも後の第2タイミング(例えば、
図70に示すスーパーリーチ開始後、変動停止前の第2タイミング)とにおいて、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行可能な示唆演出実行手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ115がステップS8006やS8105を実行する部分)と、前記第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が前記第2態様に変化することを示唆する示唆演出を実行することを制限する示唆演出制限手段(例えば、
図72(B)に示すように、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する真示唆演出が実行される変化パターン2−3に決定しないようにするとともに、
図72(A)に示すように、変化パターン2−1では、第2タイミングにおいて第1表示態様(青)に変化することを示唆する偽示唆演出の実行を禁止している)と、を備え、前記可動体の移動期間(例えば、進出動作開始時Ta2から進出動作終了時Ta3までの期間)のうち少なくとも一部の期間で前記導光部の前記所定の導光パターンを発光させる発光演出を実行可能である(例えば、第1可動体302L,302R及び第2可動体402の移動期間のうち少なくとも一部の期間で導光板501の前記所定の導光パターンを発光させる発光演出を実行可能である。
図23(A)及び
図27、
図28参照)ことを特徴とする。
【0702】
この構成例の遊技機によれば、可動体の移動領域と重なる導光パターンを形成する導光部を発光させるにあたり、可動体の移動期間のうち少なくとも一部の期間で導光部の所定の導光パターンを発光させる発光演出を実行可能である。このため、可動体が移動する際に、発光演出が実行されることにより、可動体の移動が視認し難くなる。その結果、可動体の移動を遊技者に認識させにくくできるので、演出効果を向上させることができる。また、特定表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出を実行するにあたり、第2タイミングでは、特定表示の表示態様が第2態様に変化することを示唆する示唆演出の実行が制限されている。有利状態に制御される期待度が高まるが、第1タイミングよりも後の第2タイミングで特定表示の変化があると、さらに有利状態に制御される期待度が高まる。ここで、第2タイミングにおける特定表示の変化が、有利状態に制御される期待度が低い第2態様への変化であると結局有利状態に制御される期待度が高められず、興趣の低下につながる懸念がある。この点、この構成例の遊技機では、第2タイミングにおいて、特定表示の表示態様が第2態様に変化することを示唆する示唆演出を実行することを制限している。このため、第2タイミングにおける第2態様への示唆が少なくなるので、有利状態に制御される期待度が低い状態となることを抑制できるので、遊技の興趣が低下してしまうことを防止できる。
【0703】
また、上記の構成例の遊技機において、示唆演出が可動体の移動を伴う演出であってもよい。この例では、示唆演出を実行する際の可動体の移動を遊技者が視認しくくなるようにできるので、演出効果を向上させることができるとともに、興趣の低下を抑制することができる。このとき、可動体の移動時における導光パターンに基づいて、特定表示の表示態様を示唆するようにしてもよい。例えば、特定表示の表示態様として色の変化が生じる場合、導光パターンが発光する色によって特定表示の表示態様の色を示唆するようにしてもよい。
【0704】
また、上記の構成例の遊技機において、可動体がその移動可能範囲のいずれかに位置するときに、可動体によって特定表示が隠されるようにしてもよい。この例で特定表示の表示態様を変化させる場合に、移動した可動体よって特定表示が隠されているときに特定表示を変化させるようにしてもよい。この例では、可動体で一旦隠された特定表示が、再び視認可能となった時に、特定表示が変化しているか否かという楽しみを遊技者に与えることができるので、興趣の向上に寄与することができる。
【0705】
また、上記の構成例の遊技機において、特定表示が可動体に表示されるようにしてもよい。この場合、例えば可動体に表示装置としてのLCD(液晶表示装置)などを取り付け、この表示装置を移動可能とするとともに、表示装置に特定表示を表示すればよい。また、可動体に特定表示を表示する際には、可動体が移動している間に、所定の障害物の後側を通る等によって、特定表示の表示を視認できなくなるようにしてもよい。この場合、可動体に表示された特定表示が隠されているときに、特定表示を変化させるようにしてもよい。この例では、障害物で一旦隠された特定表示が、再び視認可能となった時に、特定表示が変化しているか否かという楽しみを遊技者に与えることができるので、興趣の向上に寄与することができる。
【0706】
以上、本発明の実施形態を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0707】
例えば、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用マイクロコンピュータ115に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板(例えば、
図35に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用マイクロコンピュータ115に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用マイクロコンピュータ115に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ115は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
【0708】
また、上記の各実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ115に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ115に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ115は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ115の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
【0709】
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
【0710】
また、上記の各実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄、普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
【0711】
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。
【0712】
また、前記実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機1を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
【0713】
また、前記実施形態では、遊技媒体の一例として、球状の遊技球(パチンコ球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えば、メダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
【0714】
また、前記実施形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な変動表示装置に変動表示結果が導出されることにより1ゲームが終了し、該変動表示装置に導出された変動表示結果に応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンにも適用可能である。
【0715】
なお、上記の第1〜第3実施形態に示した各構成については、その一部の構成のみを第1〜第3実施形態のうちの他の実施形態で示した遊技機に適用してもよいし、全ての構成を第1〜第3実施形態のうちの他の実施形態で示した遊技機に適用してもよい。